こんにちは!ジョージア滞在も気づけば2年半…世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
コーカサス山脈のふもとにある小国・ジョージア。
最近でこそ移住先や旅行先として知名度が上がりつつありますが、多くの人にとっては「どこそれ?アメリカの州?」というのが現状かもしれません。
ジョージアはアジアとヨーロッパのちょうど間に位置する地理的な特徴から、様々な民族による支配を受けてきた「文明の交差点」のような国。
観光スポットも多くあり、コーカサス山脈の大自然は訪れる人を魅了しますが、忘れてはならないのがジョージア料理(グルジア料理)です。
「ジョージア料理?何それ?」という人がほとんどでしょう。
のぶよもジョージア料理に関する知識など皆無だったのですが、実際にジョージアに訪れて名物料理を食べてみると、びっくり。
絶品料理のオンパレードでしかありませんでした。
アジアや中東寄りの味付け・メニューが多いものの、どこかヨーロッパらしさも感じるジョージア料理ですが、それもそのはず。
様々な民族が行き交ったこの場所では、東西南北の各方向から異なる食文化がもたらされ、コーカサスの山岳地域伝統の食文化と融合し、独自のものとなったのです。
・西:世界三大料理のトルコ料理
・南:エスニックなペルシア料理
・東:かつてこの地を支配したモンゴル料理
・北:ソ連時代に伝わったロシア料理
言葉で説明しても、ジョージア料理がどのようなものかイメージしづらいもの。
というわけで今回の記事では、日本ではマイナーでしかないジョージア料理の代表的な食べ物を紹介していきます。その数、なんと30品以上…!
現地のレストランで食べる際の予算も掲載しているので、実際にジョージアを訪れる際の参考となるはず!
日本人の間でジョージア料理の三強といえば、
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の旅する翻訳家 (@taisuke5696) September 27, 2020
①シュクメルリ:鶏肉のヨーグルト煮込み
②ヒンカリ:小籠包
③オーストリ:ビーフシチュー
だと思うけど、のぶよ的には④のプハリを推したい。
ほうれん草など色々な野菜を細かく切って、くるみとスパイスで和えたもので、エスニックおひたし的な🇬🇪 pic.twitter.com/e6MOLk6A5n
のぶよはまだまだジョージアに滞在する予定。
新しいものを食べる機会があれば随時アップしていくので、チェックしてくださいね!
・2020/07/10 煮込み料理にロビオ(Lobio)を追加しました。
・2020/08/13 煮込み料理にチャホフビリ(Chakhokhbili)、アジャプサンダリ(Ajapsandali)、チャカプリ(Chakapuli)を追加しました。
・2020/11/01 前菜類にニグヴジアニ・バトリジャーニ(Nigvziani Badrijani)、ジョンジョリ(Jonjoli)、軽食類にジョージアのパン(puri)、グリル料理にジガリ(Djigari)を追加しました。
・2020/11/12 前菜類にプハリ(Pkhali)、チヒルトゥマ(Chikhirtma)、グリル料理にムツヴァディ(Mtsvadi)、煮込み料理にトルマ(Tolma)、サツィヴィ(Satsivi)を追加しました。
・2022/2/10 軽食類にゴジナキ(Gozinaki)、メクシクリ・カルトピリ(Meksikri kartopili)、ロビアニ(Lobiani)、シャウルマ(Shaurma)、グリル料理にアプハズラ(Apkhazura)、タバカ(Tabaka)、煮込み料理にチャシュシュリ(Chashushuli)を追加し、大幅にリライトしました。
・2022/3/28 前菜類にマツヴニス・スピ(Matsvnis Supi)、ソコス・サラティ(Sokos salati)を追加しました。
・2022/6/19 スープ・前菜類にタタリアフリ(Tatariakhli)、ナドゥギ(Nadughi)、グリル料理にカバビ(Qababi)を追加しました。
・2022/12/13 スープ・前菜類に緑トマトのピクルス、焼きパプリカのくるみ和え、サイドメニュー・軽食類にチジ・ビジ(Chizhi-bizhi)、グリル料理にクパティ(Kupati)、コトレティ(Kotleti)、マダム・ボヴァリー(Madame Bovari)、煮込み料理にチャナヒ(Chanakhi)を追加し、新たに「スイーツ類」のカテゴリを設け、カダ(Kada)、トゥクラピ(Tklapi)を追加しました。
・2023/06/30 スープ・前菜類にカトミス・サラティ(Katmis salati)、バドリジャーニ・マヨネジット(Badrijani maionezit)、グリル料理にシュニッツェリ(Shnitseli)を追加しました。
ジョージア料理:スープ・前菜類
チヒルトゥマ おすすめ!
最初に紹介するのが、ジョージア料理独自のスープの一つであるチヒルトゥマ(Chikhirtma / ჩიხირთმა)。
真っ黄色の見た目に、いきなり度肝を抜かれた人もいるかもしれません(笑)
鶏肉を長時間煮込んだスープに卵を加えて黄色っぽい色味を出したもので、スパイスの量も控えめ。
とにかくヘビーな品が多いジョージア料理では最もあっさりしたものの一つだと思います。
鶏肉の旨味が染み出したスープは、心にも体にもどこか優しい味。
ジョージア全土で食べられるスープで、「二日酔いの朝にはこれ!」としておじさんたちに愛されています。
ジョージアでは居酒屋が朝から営業していることも珍しくないもの(やばすぎる…)。
地元の人に混ざって、あっさりジョージア料理で朝食にするのもなかなかオツなものです。
6GEL~8GEL(=¥276~¥369)
・Churi (トビリシ)
キノコのクリームスープ
ジョージアで一度は挑戦したいのが、名物のキノコを使った料理。
その一つであるキノコのクリームスープ(Sokos krem-supi / სოკოს კრემ-სუპი)は、コーカサス山脈で育まれた旨味たっぷりのキノコを、牛乳やバターと一緒に煮込んだものです。
灰色っぽい見た目には驚くかもしれませんが、一口食べるとその奥深い味わいとキノコの風味に感動するはず!
6GEL(=¥276)
・サミキトノ (トビリシ)
マツヴニス・スピ
なかなかお目にかかれないレアなスープがマツヴニス・スピ(matsvnis supi / მაწვნის სუპი)。
マツォーニ(ヨーグルト)をベースとしたスープで、具はお米とディル(香草)のみというシンプルな材料です。
ブルガリア料理の冷たいヨーグルトスープ「タラトール」に似ていますが、マツヴニス・スピは温かい状態で提供されるのがポイント。
程よい酸味とディルの爽やかな味わいが癖になる一品です。
5GEL(=¥198)
タタリアフリ
「二日酔いの朝にはこれ!」とおすすめしたいスープがタタリアフリ(Tatariakhli / თათარიახლი)。
骨付きの牛肉をじっくりと煮込んだブイヨンに、大量のパクチーを投入したシンプルな料理です。
牛肉からのほどよい脂と牛骨の上品な味わいが染み出したブイヨンは、なんだかほっとする味わい。
お好みでニンニクを入れてガッツリ系の味わいに変化させるのも、現地ではポピュラーな食べ方です。
8GEL(=¥369)
・ササディロ・コカコーラ (トビリシ)
バドリジャーニ・ニグヴジット(焼きナスのくるみ和え) おすすめ!
ジョージア料理の前菜の中で、おそらく最もポピュラー&誰もがその美味しさに感動する一品が、バトリジャーニ・ニグヴジット(Badrijani nigvzit / ბადრიჯანი ნიგვზიანით)。
直訳すると「くるみとナス」という意味ですが、その名の通り、軽く焼き色を付けたナスにくるみのペーストをたっぷりと挟んだもので、冷たい状態で提供されます。
ジョージアのゲストハウスで食事をつけてもらうと、かなりの頻度で登場するほどに全国で愛されているこの料理。
レストランで注文したものは、仕上げにザクロの実を散らしたおしゃれな見た目である場合も多いです。
ハーブとスパイスが絶妙に効いたくるみペーストのクリーミーさと、ナス本来の甘さが見事に融合した芸術的な一品なので、ぜひ食べてみてくださいね!
5GEL(=¥230)
・マプシャリア (トビリシ)
バドリジャーニ・マヨネジット(焼きなすピリ辛マヨ)
一つ前に紹介した「焼きナスクルミ」に似た料理が、バドリジャーニ・マヨネジット(Badridjani maionezit / ბადრიჯანი მაიონეზით)。
油で揚げ焼きにしたナスを、ディルとマヨネーズで和えた前菜です。
味の決め手となるのが、ジョージア西部発祥の激辛ソース「アジカ」。
アジカの辛味とマヨネーズの芳醇さ、ディルの清涼感が、香ばしいナスの味わいに見事にマッチした絶品です!
4GEL(=¥200)
ジョンジョリ
お漬物文化が根付くジョージア。
カブやパプリカ、ニンニクなどあらゆるものをお酢に漬け、保存食として食べる食習慣があります。
中でも絶対に挑戦したいのが、ジョンジョリ(Jonjoli / ჯონჯოლი)という木の芽を漬けたもの。
まるでギャグのような名前ですが、これがコリコリして結構イケるのです。
山間部で春に大量に採ったジョンジョリはお酢につけた状態で保存され、1年を通してジョージアの家庭で提供されます。
レストランのメニューにあることは珍しく、山間部のゲストハウスで食事をつけた際に味わうことができるかもしれません。
市場やスーパーのお惣菜コーナーで売られている場合もあるので、散策途中に探してみるのもおすすめです。
プハリ おすすめ!
のぶよがジョージア料理の前菜部門で一番好きなのが、プハリ(Pkhali / ფხალი)。
細かく切った野菜にくるみペーストやスパイスを混ぜて、ねっとりとした食感になるまで叩き練ったものです。
これが、一度食べたら忘れられないほどクセになる味。めっちゃ美味しいです。
クルミのペーストを用いるため油分がすごいのですが、ほうれん草の甘味とくるみのクリーミーさ、各種スパイスの味わいが見事に調和しているのです。
(例えるなら、日本のほうれん草のごま和えを究極的にクリーミーにした感じ)
▲ 定番はほうれん草のプハリですが、ビーツ(赤カブ)やニンジンなどを用いたバーションも。
野菜本来の旨味とくるみペーストの濃厚な舌触りが見事にミックスした独特の味わいが特徴です。
7GEL(=¥323)
ソコス・サラティ
ジョージアの春の味覚が、ソコス・サラティ(Sokos salati / სოკოს სალათი)。
直訳すると「キノコのサラダ」なのですが、バターでソテーされて温かい状態で提供されます。
春のハーブであるタラゴン(エストラゴン)や、夏のハーブであるディルが大量に入るのがポイント。
ハーブの使い方こそが、ソコス・サラティの味の決め手だと思います。
柔らかく味わい深いキノコと、ハーブの爽やかな風味の相性は完璧。
ワインにも相性抜群です!
5GEL(=¥230)
カトミス・サラティ
ジョージアの家庭の定番サラダが、カトミス・サラティ(Katmis salati / ქათმის სალათი)。
茹でた鶏肉と各種野菜を、たっぷりのディルとともにマヨネーズで和えた料理です。
さっぱりしていながらもこってりしたコクがあり、なんとも絶妙な味わいが魅力的。
特別なスパイス等なしでも本場の味になるので、日本で再現してみるのもおすすめです!
6GEL(=¥300)
ナドゥギ
まるでふわふわの新雪を思わせる美しい見た目の前菜がナドゥギ(Nadughi / ნადუღი)。
カッテージチーズにミントを混ぜたもので、ジョージアのチーズにしては塩加減が控えめでとても食べやすいです。
見た目の通りふわっとした食感が心地よく、お酒のお供にぴったりです!
3GEL(=¥138)
・ササディロ・コカコーラ (トビリシ)
緑トマトのピクルス
ジョージアの山岳部の家庭では、季節の野菜を漬物にして長期間保存するのがポピュラー。
そんなお漬物文化の結晶の一つが、緑トマトのピクルス(Mtsvane pomidvris mtsnili / მწვანე პომიდვრის მწნილი)です。
まだ熟れる前の青い状態のトマトを収穫し、香辛料やハーブとともに大量のワインビネガーに漬けこんだものです。、
お酢の酸味がかなり強めなので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、舌先にほのかに感じるトマトの風味rがクセになってしまうかも。
ローカル酒場のおつまみとして提供されることも多く、お酒のアテとしても欠かせない存在です。
2GEL(=¥100)
焼きパプリカのくるみ和え
のぶよがジョージアの前菜部門でトップレベルに好きなのが、焼きパプリカのくるみ和え(Bulgaruli tsitsaka nigvzit / ბულგარული წიწაკა ნიგვზით)。
バドリジャーニ・ニグヴジット(焼きナスのくるみ和え)のパプリカバージョンで、作り方もほぼ同じですが、完全にこちらの方が美味しいです。
多めの油で焼かれたパプリカは、甘味が最大限に引き出された絶品。
くるみソースの芳醇でクリーミーな風味も最高に合い、感動の食体験となるはず!
5GEL(=¥250)
ジョージア料理:軽食・サイドメニュー類
ヒンカリ 定番!
ジョージア料理の軽食部門でいきなり紹介するのが、ジョージア料理の定番中の定番。
「これを食べずにジョージアを去る旅行者などいるわけがない!」というくらいに、ポピュラーな国民食であるヒンカリ(Khinkali / ხინკალი)です。
「ジョージア風水餃子」や「ジョージア風小籠包」などと称されるヒンカリは、モンゴル帝国がこの地を支配していた約800年前に伝えられたものだという説が最有力。
通常の小籠包の数倍の大きさ(日本の肉まんのやや小さめくらい)の生地の中には、ひき肉とニンニク・パクチー等の野菜で作られた具が入っていて、スープがたっぷりと詰まっているのが特徴です。
小籠包との最大の違いは、蒸して調理するのではなく、直接お湯の中で茹でて調理されると言う点。
そのため、生地は普通の小籠包よりかなり厚めで、独特のモチモチ感があります。
ヒンカリのクオリティーは、店によって本当にピンキリなので、美味しいお店を見つけたらラッキー。
・中のひき肉がポロポロしている(=ひと塊になっていない)
・中にスープがちゃんと詰まっている
・スープに豚肉の旨味が出ている
このあたりが、美味しいヒンカリのポイントだと思います。
ひき肉以外にも、ポテト入りやチーズ入りなどバリエーションが豊富なのも特徴的。
のぶよ的に最強のヒンカリはキノコ入りのものでした。
ジョージア以外ではなかなか食べられないヒンカリ。
旅行の際はいろいろなバリエーションのものに挑戦して、お気に入りを見つけてくださいね!
1個1.2GEL~1.5GEL(=¥55~¥69)
※注文は5個以上からのお店がほとんど
・Klike’s Khinkali (トビリシ)
・Salobie (ムツヘタ)
・EL DEPOT (クタイシ)
・Kiziki (バトゥミ)
・Restaurant Pasanauri (パサナウリ)
・Cafe Chamomile (オニ) ←ジョージアで一番のヒンカリ
・Shua Kalaki (コブレティ)
・Saghighino (アハルツィヘ)
焼きヒンカリ
ヒンカリを焼いたバージョンである焼きヒンカリ(Shemtsvari khinkali / შემწვარი ხინკალი)は、あまり取り扱っているレストランがないので、見つけたらぜひ挑戦したい一品です。
とにかく一皿の量が多いジョージア料理の世界においては、残った料理はお持ち帰りできるのが普通。
しかし、ヒンカリは中にスープが入っている料理。
一度茹でられたものを持ち帰って翌日温めなおして食べたところで、旨味の詰まったスープが外に漏れてしまうため美味しさが半減してしまいます。
そんな調理済みのヒンカリを再度美味しく食べるために、多めの油で揚げ焼きにした「アレンジ料理」のような存在が、こちらの焼きヒンカリ。
中のスープは外に出てしまうため、いわば焼き餃子のような感じです。
日本人的には醤油をつけたくなること間違いありません(笑)
1個1.2GEL~1.5GEL(=¥55~¥69)
※注文は5個以上からのお店がほとんど
・Klike’s Khinkali (トビリシ)
・Restaurant Pasanauri (パサナウリ)
グヴェゼリ
ジョージアのどこの町にもあるソ連風ベーカリー(小窓を通して欲しいものを伝えて受け渡しするスタイル)で売られている軽食の定番と言えば、グヴェゼリ(Mtskheturi Gvezeli / ღვეზელი)と呼ばれる具入りの揚げパンでしょう。
ロシア料理のピロシキに似たもので、中の具は味付けしたポテトが定番です。
具にはポテト以外にもバリエーションがあって、お米が入っているものも。
炭水化物×炭水化物なのですが、味付けがあっさりしているので結構ペロリと食べられます。
格安でどこでも売られているので、軽めのランチやおやつにぴったり!
1.5GEL(=¥69)
ロビアニ
ジョージア人がみんな大好きなロビアニ(Lobiani / ლობიანი)は、小麦粉生地の内側に煮込んだ豆を挟んだ軽食。
円形の生地がポピュラーですが、折りたたまれたパイのようなバージョンも存在します。
具の豆の味つけはそれほど強めではなく、あっさりした風味が特徴的。
モッチリ生地だったりサクサク生地だったり、スパイス強めだったり弱めだったり…とお店によって大きく味が変わるので、好みのロビアニを見つけるのも面白いと思います!
2GEL~4GEL(=¥92~184)
・ロビアニの小屋 (トビリシ)
・Salobie (ムツヘタ)
・Cafe Irine (ツェシ)
・オニで一番のロビアニ店 (オニ)
ロビアニの本場とされるのが、ジョージア西部の山岳地域・ラチャ地方。
特産のラチャ風ハムをまぜこんだ「ロビアニ・ロリット」は、人生観が変わるほどに美味しいです。
本当に本当に本当に美味しいので、わざわざこのためにラチャ地方に足を運ぶ価値あり!
ムチャディ
ジョージアのレストランで、パンと並ぶサイドメニューの定番が、ムチャディ(Mchadi / მჩადი)。
トウモロコシの粉を使ったパンのようなもので、表面を軽くグリルして温かい状態で提供されます。
通常のパンに比べるとムチャディはかなり密度が高くギュッとした食感で、意外にボリュームがあります。
ムチャディ自体には味がついていないので、これ単体で食すのではなく、他の料理と一緒に食べるのが普通。
定番は、ロビオ(豆のシチュー)の付け合わせです!
1.5GEL~2GEL(=¥59~92)
・Salobie (ムツヘタ)
ジョージアのパン(ショティ/ラヴァシ)
ジョージア人の主食と言えば、米でもパスタでもなく「プリ(puri / პური)」と呼ばれるパン。
ジョージアのパンはとにかく巨大&ずっしりと重たいのが特徴的。ふんわりした食感のパンが好まれる日本とは対照的です。
形状によってパンにはいくつかの呼び名があります。
・ショティ(Shoti / შოთი):細長い剣のような形のパン
・ラヴァシ(Lavashi / ლავაშსი):円形のピタパン
いずれも形が異なるだけで、基本的な材料は同じである場合がほとんどです。
ジョージアのパン作りにおける最大の特徴が、「トネ(tone / თონე)」という地中に掘られた窯の内壁に貼り付けて焼かれる点 ▼
ジョージアでは工場で大量生産されたパンよりも、こうした昔ながらの製法を守る個人経営のパン屋の方が圧倒的な人気があります。
焼きたてのもっちりふわっふわのパンは小麦粉の甘味とほのかな塩気感じられ、スープや煮込み料理との相性は抜群です!
1.3GEL(=¥60)
メクシクリ・カルトピリ
サイドメニューの定番の一つが、メクシクリ・カルトピリ(Meksikuri kartopili / მექსიკური კარტოფილი)。
直訳すると「メキシコ風ポテト」となりますが、どのあたりがメキシコ風なのかは謎。(たぶん辛い物=メキシコというイメージだと思う)
サクッと揚げたポテトにクミン、コリアンダー、粉末パプリカやチリ等のスパイスで味付けするだけのお手軽料理です。
ジョージアには「メキシコ風ポテトの素」も売られてるほどに全国的にポピュラーな一品。
スパイスのピリ辛さと奥深い味わさは、ビールに合って仕方がありません!
5GEL(=¥198)
シャウルマ 定番!
ジョージアをはじめ、旧ソ連圏のどこでもポピュラーなNo.1ファストフードと言えば、シャウルマ(Shaurma / შაურმა)の他にはないでしょう。
鶏肉か豚肉をグリルして薄くスライスしたものを「ラヴァシュ」という薄い生地にのせ、野菜やたっぷりのソースとともに巻き上げたものです。
日本では「飲み会の〆にラーメン」ですが、ジョージアでは「飲んだ後のシャウルマ」です。カロリーやばそう…
ジョージアのシャウルマは、ソースがとにかく大量に入って味が濃いのが特徴的。
肉もパサパサしているお店が多く、「ジャンクフード」といった感じが強いかもしれません。(それはそれで美味しいのだけど)
正直、肉の焼き方も価格も味付けも、お隣アルメニアのシャウルマの方が絶対的に上だと思いました。(ごめんよジョージア…)
7GEL~10GEL(=¥323~461)
※サイズや肉の種類によって価格が変わる
・Tiflis (トビリシ)
・クタイシで一番のシャウルマ (クタイシ)
チジ・ビジ
ジョージアの家庭でよく作られる卵料理といえば、チジ・ビジ(Chizhi-Bizhi / ჩიჟი-ბიჟი)。
まるで魔法の呪文のような可愛らしいネーミングですが、味も抜群に美味しいです。
チジ・ビジは、ジョージア風スクランブルエッグのような料理。
大量のトマトをペースト状になるまで煮込み、玉ねぎとニンニク、塩コショウで味を調え、仕上げにパクチーをたっぷりと混ぜ込んだものです。
トマトの甘味が効いた果てしないジューシーな食感は、もはや飲み物。
レストランではまず見かけない料理なので、ジョージア人に作ってもらうのが一番です!
ジョージア料理:グリル料理
オジャフリ 定番!
のぶよ的ジョージア料理で暫定1位の座にある料理が、オジャフリ(Ojakhuri / ოჯახური)。
「ジョージア風ジャーマンポテト」と表現されることも多く、主な材料はじゃがいも、玉ねぎ、豚肉、ニンニクの四種類です。
各種スパイスや、ワインビネガーを使って味付けするのが特徴で、パクチーをたっぷりと添えて提供されるのが定番。
いわば「エスニック風味強めのジャーマンポテト」といったところでしょうか。
豚肉は味付けをして数時間寝かせておくのがオジャフリの美味しさの最大のポイントで、柔らかな肉の旨味とニンニクの風味、ホックホクのポテトのハーモニーたるや…。
また、オジャフリには「ツケマリ」という梅のソースをかけながら食べるのが定番。
甘酸っぱいフレッシュな風味とスパイスのエスニック感がこれまた抜群のハーモニーなのです。
ボリュームもたっぷりでこれ一品で十分すぎるくらいなので、頼みすぎにはくれぐれもご注意を!
9GEL~14GEL(=¥415~¥646)
※サイズや肉の種類によって価格が変わる
・マプシャリア (トビリシ)
・Saxinkle Palmebi (クタイシ)
・Kiziki (バトゥミ)
・Cafe Bar Zundaga (バトゥミ)
・謎の掘っ立て小屋 (フロ)
・Cafe Koshki (ウシュグリ)
ハチャプリ 定番!
ジョージア人が大好きなチーズ入りパンの総称がハチャプリ(Khachapuri / ხაჭაპური)。
ジョージア国内でも地域によって具も形も異なってくるという、日本で言うラーメンのような存在かもしれない料理です。
それぞれの地域の名物ハチャプリを食べ歩くのも、旅の楽しみの一つですよね!
このように「ハチャプリ」とひとことで言っても使われるチーズの種類や生地の形などは大きく異なります。
日本人の間で最もポピュラーなのが、ジョージア西部のアジャラ共和国(バトゥミ周辺)で食べられるアチャルリ・ハチャプリ(Acharuli Khachapuri)。
船のような形が特徴で、生地の中心には卵が落とされています ▼
注文が入ってから生地をこねて、専用のオーブンを使った焼きたてを提供してくれるのが嬉しい点。
半熟の卵とチーズ、バターが入った具をかき混ぜて、生地をひたしながらいただきます。
塩気が強めでボリュームもすごいので、一度食べたらしばらくは食べたくなくなるという副作用がついてくるかも(笑)
首都のトビリシではなかなか船型のアチャルリ・ハチャプリを食べる機会は少ないもの。(&メニューにあっても高い)
西部のバトゥミへ足をのばした際には、ぜひ本場のものを食べてみてください!
7GEL~12GEL(=¥323~553)
※ハチャプリの種類によって大きく異なる
・アチャルリ→ハチャプリNo.1 (バトゥミ) / アチャルリハチャプリ発祥の店 (バトゥミ)
・メグルリ→Leo d’oro (ズグディディ)
・イメルリ→EL DEPOT (クタイシ)
・ペノヴァニ→Male (アハルツィヘ)
ソコス・チャシュシュリ
ジョージアが誇るキノコのグルメをもう一品。
地元産の新鮮なキノコを、数種類の野菜とグリルしたチャシュシュリ・ソコ(Chashushuli soko / ჭაშუშული სოკო)を紹介します。
ニンニク、玉ねぎ、パプリカなどの野菜とキノコをじっくりとオーブンでグリルしたもので、とにかく野菜の旨味が素晴らしいです。
ケツィ(Ketsi / კეცი)という陶板で提供されることが多く、熱々の状態で食べられるのもポイント。
塩気もほど良い感じなので、ビールのお供に持ってこいの一品です。
6GEL~8GEL(=¥276~¥361)
・Restaurant Ortachala (トビリシ)
・Saxinkali Palmebi (クタイシ)
アプハズラ
「ジョージア風ハンバーグ」と言えば、アプハズラ(Apkhazura / აფხაზურა)。
牛挽き肉に各種ハーブと「ベルベリス」という赤い木の実の粉末を混ぜて俵形にし、大膜(牛の内臓の外側の膜)で包んでオーブンで焼き上げたものです。
ハーブが入っているためエスニックな風味が楽しめますが、アプハズラの最大の特徴は食感。
肉を覆うような牛の大膜が独特のアクセントとなり、肉汁ジュワり&プチプチ食感が一度に楽しめます。
10GEL(=¥461)
・Churi (トビリシ)
ジガリ
内臓系がいける人におすすめしたいのが、牛や豚のレバー炒めであるジガリ(Djigari / ჯიგარი)。
ワインビネガーや各種スパイスで味付けされたレバーを大量のニンニクとともに焼き上げた一品です。
のぶよはあまり内臓系が得意ではないのですが、独特の臭みはニンニクで消されていてとても食べやすかったです。
7GEL~10GEL(=¥323~460)
・ササディロ・コカコーラ (トビリシ)
・Cafe Tourist (ボルジョミ)
ムツヴァディ(シャシュリク)
みんな大好き!お肉の炭火焼きと言えば、ムツヴァディ(Mtsvadi / მწვადი)。
ソ連時代の名残なのか、ロシア語で「シャシュリク」と呼ばれる場合もありますが、基本的に同じものです。
大きめに切った肉を串に刺して炭火で焼き上げたもので、前日から各種スパイスなどに肉を漬けこんでおくのが美味しさの秘訣です。
お隣トルコでは「シシュ・ケバブ」と呼ばれますが、最大の違いは、ジョージアのムツヴァディは豚肉が使われるのが普通である点。
イスラム教で豚肉がご法度なトルコでは、鶏肉である場合が多いです。
のぶよ個人的な意見では、ジョージアの肉のグリルは概して焼かれすぎて固くなったものが提供されるのがマイナス。
肉のグリルにおいては、トルコに勝てる国はそうそうないかもしれません…
これまでは、「グリル肉料理においてはトルコに勝る国はない!」と思っていたのですが、上には上がいました。
トルコとジョージアのお隣・アルメニアは、グリル肉料理のレベルがもはやケタ違いに高かったです。
脂がのった豚肉を炭火でグリルするのはアルメニアでも同じなのですが、食感も味ももはや別の料理。(そして値段はジョージアの3分の2~半額…)
肉食派のみなさま。アルメニア、ま・じ・でおすすめです!
6GEL~8GEL(=¥276~¥369)
・ムツヴァデイの小屋 (トビリシ)
・Joker Shaurma (トビリシ)
・ノダリの家 (コブレティ)
クパティ
ジョージア風のソーセージといえば、クパティ(Kupati / კუპატი)。
全国的に食べられますが、イメレティ地方をはじめとするジョージア西部地域が本場の料理です。
クパティは、スパイスやハーブで味付けされた腸詰めで、炭火で焼かれるのが基本。
独特のプチッという食感とあふれ出る肉汁、炭火焼きだからこその香ばしさのハーモニー…ビールに合うのは言うまでもありません!
8GEL~10GEL(=¥400~¥500)
・トキブリ唯一の食堂 (トキブリ)
・Kazbegi Good Food (カズベキ)
タバカ おすすめ!
ジョージアらしい豪快なグリル料理が、タバカ(Tabaka / ტაბაკა)。
鶏を丸ごと一羽開いて各種スパイスやハーブで下味をつけたものを、大量のバターで揚げ焼きにした贅沢かつカロリーお化けな料理です。
外側はカリッとしており、中の肉はじゅわぁ…こんなの美味しいに決まっています。
皿の底に溜まったバターと鶏油が混ざったオイルも極上で、パンをひたして食べると、自動的に天国に行けるはず。
「ツケマリ」というプラムのソースをつけながら食べるのが地元流です!
15GEL~20GEL(=¥692~¥923)
カバビ
牛と豚の合い挽き肉を棒状に固めてグリルしたカバビ(Qababi / ქაბაბი)も、ジョージアでポピュラーなグリル料理。
仕上げに玉ねぎやハーブがかけられ、ラヴァシュと呼ばれる薄いパンに巻かれた状態で提供されるのが定番です。
肉のうまみがギュッと詰まったボリューミーな一品には満足間違いなし!
6GEL~8GEL(=¥276~¥369)
・ササディロ・コカコーラ (トビリシ)
・Joker Shaurma (トビリシ)
コトレティ
ジョージアのカツレツと言えば、コトレティ(Kotleti / კოტლეტი)。
牛豚の合挽き肉にみじん切りにした玉ねぎを加えてこね、ハーブとスパイスで味付けをしたものです。
多めの油で揚げ焼きにされることが多く、焼きたてが美味しいのは言うまでもなし!
当たりの店のコトレティは昇天級に美味しく、外はカリカリ&中はふんわりの絶妙の食感と、びしゃぁっと染み出る肉汁の海にノックアウトされるのでご注意をば。
付け合わせにピュレ(マッシュドポテト)かカーシャ(蕎麦の実を炊いたもの)がつくことが多く、サツェベリ(トマトとハーブのピリ辛ソース)をかけて食べるのがジョージアの定番です。
1個1.5GEL~2GEL(=¥75~¥100)
・ソ連式スタローバヤ (バトゥミ)
・ノダリの家 (コブレティ)
・Dzmobis Duqani (ゴリ)
マダム・ボヴァリー
伝統的なジョージア料理ではなく、ソ連時代に広まったソ連料理の一つが、マダム・ボヴァリー(Madame Bovari / მადამ ბოვარი)。
なんともハイカラでおフレンチな名前がついていますが、その正体には驚くはず。
グリルした豚肉とじゃがいも、きのこ類にトマトとチーズを重ね、さらにマヨネーズをこれでもか!と投入し、オーブンで焼き上げたもの。
…ご想像の通り、カロリー爆弾な一品です。
マヨネーズたっぷりであるため、とにかくこってり風味&果てしなく重たいのですが、豚肉とキノコの旨味がしっかりと出ていて、意外にも美味しいマダム・ボヴァリー。
「ジョージア風フランス料理」の新しい扉、開いてみては?
10GEL~12GEL(=¥500~¥600)
・Cafe Ellada (バトゥミ)
シュニッツェリ おすすめ!
めったにメニューにはないものの、もし発見したら問答無用で食べてほしい一品がシュニッツェリ(Shnitseli / შნიცელი)。
ネーミング的に想像がつくでしょうが、「シュニッツェリ」とは、ヨーロッパの鶏肉フライ「シュニッツェル」がジョージア風にアレンジされたもの。
薄くのばした鶏肉に衣をつけて油で揚げる調理法こそ同じですが、ジョージア独自のスパイスで下味がつけられ、仕上げに彩り鮮やかなハーブが散らされる点が異なります。
ジョージアのシュニッツェリの揚げ具合は、まさに完璧のひとこと。
サクッとした衣の食感と、ジューシーな鶏肉の柔らかな食感が同時に楽しめます。
各種スパイスを用いた味付けも絶妙で、スヴァネティ塩やフメリスネリなどジョージア独自のスパイスの奥深い味わいがとても心地良いです。
のぶよ的にはシュニッツェリの本場・ウィーンで食べたものよりも、ジョージアのシュニッツェリの方が断然好みでした!
8GEL(=¥400)
・ノダリの家 (コブレティ)
ジョージア料理:煮込み料理
シュクメルリ 定番!
お待たせしました…日本人の間でおそらく最も有名で最も人気のジョージア料理といえば、シュクメルリ(Chkmeruli/ ჩქმერული)です。
大量の油&ニンニクとともにグリルした鶏肉に、牛乳をドバーッと投入して軽く煮込んだもので、「世界で一番ニンニクを美味しく食べられる料理」なんて呼ばれることも。
日本の某牛丼チェーン店が「シュクメルリ定食」という期間限定メニューを出したことでも話題となりましたね。
しかしながら、現地のシュクメルリはとにかくブッ飛んでいます。
・鶏一羽まるまる使用
・大量すぎるニンニク(たぶん10片以上は使ってる)
・翌朝の胃もたれ必至な油・油・油感
など、のぶよ的にはこの料理が日本で受け入れられつつあることに驚きです(笑)
ジョージア料理の例に漏れず、かなり量が多くてこってりした味付けのシュクメルリ。
とにかく果てしなくニンニクの味なので、心して挑戦することをおすすめします…
▲ また、シュクメルリにはいくつかのバリエーションがあり、牛乳を使わないものもあります。
それが、ジョージア西部のラチャ地方(Racha)名物のシュクメルリ。
実は、ラチャ地方はシュクメルリ発祥の地。
こちらのオイルバージョンが元々のシュクメルリの姿です。おそろしい…
こちらは、大量の油の中で大量のニンニクを煮込んだオイルソースに鶏肉を投入しただけのもので、いわば「スペイン料理のアヒージョの鶏肉版」と言ったところ。
のぶよ的にはこのオイルバージョンは油がギットギト&ニンニクが余りにも大量過ぎたので、初心者にはミルクバージョンの方をおすすめします。
18~20GEL(=¥830~¥923)
・ミルクタイプ→Churi (トビリシ) / Ludi Kazbegi (トビリシ) / Kiziki (バトゥミ)
・オイルタイプ→Restaurant Ortachala (トビリシ) / Taverne Krikhula (アンブロラウリ) / Kve Chame Kve Tsadi (オニ)
オーストリ おすすめ!
「ジョージア風ビーフシチュー」と言われる絶品煮込み料理がオーストリ(Ostri / ოსტრი)。
ただのビーフシチューではなく、各種スパイスを上手に使ったエスニック&スパイシーな風味がオーストリ最大の特徴。
玉ねぎやトマトなどの野菜、スパイスを用いて牛肉をじっくりと煮込んだ料理で、コクのある味わいにファンが多い一品です。
スープのように見えますが、実は中には柔らかい牛肉がゴロゴロ。
これとパンだけで十分すぎるほどの食事になるので、前菜だと思って注文しすぎると大変なことになります(笑)
10GEL~12GEL(=¥461~¥553)
・Kiziki (バトゥミ)
・Kazbegi Best food (カズベキ)
チャシュシュリ
クタイシやゴリなどジョージア中部でよく食されるチャシュシュリ(Chashushuli / ჩაშუშული)は、仔牛肉とトマトのシチュー。
材料も味もオーストリにそっくりですが、チャシュシュリは辛さが控えめ&トマトの量が少なめなのがポイントです。
また、オーストリは牛肉を焼かずに煮込む調理法が普通ですが、チャシュシュリは下味をつけた肉を一度油で炒めてから水やトマトを入れて煮込む調理法である点も微妙な違い。
肉の風味がスープにじんわりと染み出しており、ほっと温まる味わいです。
10GEL(=¥461)
・ササディロ・コカコーラ (トビリシ)
・Dzmobis Duqani (ゴリ)
ハルチョー 定番!
見た目はオーストリに似ているように思える、こちらの煮込み料理はハルチョー(Kharcho / ხარჩო)。
トロッとしていてトマトの風味が強めなオーストリに比べると、サラサラした食感はスープ料理のよう。オーストリに比べて具が少なめなのも特徴です。
また、ハルチョーには「これが定番レシピ!」のような決まりが少ないのもポイント。
豚肉が使われるハルチョーや、大量の唐辛子が入る場合、くるみペーストをベースにした濃厚バージョン…など、地域や家庭によって使われる肉や野菜のバリエーションが豊かな一品です。
また、プラムやクルミを砕いたものが具として入ることが多い点も特徴的。
店によってはお米が入っていて、主食と同等の扱いになっている場合もあります。
定番料理だけあって、奥が深いハルチョー。
自分好みのハルチョーに出会った時の喜びは、言葉では表せません!
8GEL(=¥317)
・ササディロ・コカコーラ (トビリシ)
・Family Kitchen (バトゥミ)
・バスステーション人情食堂(クタイシ)
・Oda (マルトヴィリ)
・Lile (メスティア)
・Taverne Krikhula (アンブロラウリ)
・Kve Chame Kve Tsadi (オニ)
ロビオ
トビリシ近郊の世界遺産の街・ムツヘタの名物料理として有名なのがロビオ(lobio / ლობიო )。
「豆のシチュー」といったところで、各種スパイスとハーブが織りなす複雑な味わいのエスニックな風味が特徴的な一品です。
見た目とは異なって意外にもあっさり風味で、軽いランチにはもってこい。
すでに紹介したムチャディ(トウモロコシの粉で作られたパン)と一緒に食べるのがジョージア流だそうですよ!
5GEL(=¥198)
・Restaurant Check In Garden (ムツヘタ)
・Salobie (ムツヘタ)
・Saxinkle Pakmebi (クタイシ)
・Taverne Krikhula (アンブロラウリ)
チャホフビリ
ジョージア料理のガッツリ感を味わうならチャホフビリ(Chakhokhbili / ჩახოხბილი )に挑戦してみるのがおすすめ。
「鶏肉のトマト煮込み」と言ったところで、鶏肉から出た鶏油が効いた果てしない香ばしさと、トマトの芳醇さが融合した濃厚な味わいが特徴です。
味付けは濃い目ですが、辛さはほとんど感じません。パンと一緒に食べるのがおすすめ!
10GEL(=¥461)
・Kazbegi Best food (カズベキ)
トルマ
オスマン帝国由来の食文化である、野菜をくりぬいて肉やお米を詰めたトルマ(Tolma / ტოლმა)は、ジョージアの家庭料理としてポピュラーな一品。
定番はぶどうの葉やキャベツでお米とひき肉を混ぜた具を包んで煮込んだものですが、大きなパプリカが使用されることもあります。
旧オスマン帝国の支配下にあったバルカン半島や東欧などでは「ドルマ(Dolma)」と呼ばれますが、あちらはオーブンで焼き上げる場合が多いです。
一方で、ジョージアのトルマはトマトをベースにしたソースで煮込むのがポイント。
ジョージア料理の例に漏れず、各種スパイスやハーブで味が調えられます。
8GEL(=¥369~¥461)
アジャプサンダリ 定番!
トルコ料理の影響を強く感じる一品が、アジャプサンダリ(Ajapsandali / აჯაფსანდალი ) 。
ナスのシチューのような家庭料理で、肉は入っていません。
各家庭によってジャガイモが入ったりトマトが入ったりとバリエーションも豊富な一品です。
スパイシーさは控えめで、野菜の甘味が強く感じられる点がアジャプサンダリの美味しさの特徴。
見た目とは反対に味付けは結構あっさりしているので、万人向けのジョージア料理の一つだと思います。肉料理続きで疲れてしまった時におすすめ!
8GEL(=¥369)
チャカプリ おすすめ!
ジョージア全体で食べられる定番のスープ料理の一つが、羊肉と青梅のスープであるチャカプリ(Chakapuli / ჩაქაფული)。
子羊の肉を骨ごと煮込むことで旨味を最大限に引き出すのがポイント。
臭み消しのコリアンダーやタラゴン(エストラゴン)などのハーブとともに青梅も一緒に煮込まれます。
特にタラゴンはチャカプリに必須のハーブ。
市場にタラゴンや梅が出回り出す春の味覚の代表格と言えるでしょう。
梅の甘酸っぱい風味と羊肉の旨味、ハーブの爽快感がアクセントに…
東南アジアの料理を思い出させる、独特のエスニックな風味が特徴的です。
地域によっては牛肉が具として入っていることもあるそうですが、やっぱり羊肉のチャカプリの方が本格的な感じがします。
おすすめは、カズベキなどのジョージア山岳部で食べること。
羊飼いから購入したフレッシュな肉を使用したチャカプリは、羊肉独特の臭みがなく、トビリシなどで食べる冷凍の肉を使ったものとは比べ物にならない美味しさです。
10GEL~12GEL(=¥461~¥553)
・Kazbegi Best food (カズベキ)
・ササディロ・コカコーラ (トビリシ)
サツィヴィ
ジョージア版「お雑煮」と言えば、サツィヴィ(Satsivi / საცივი)。
ジョージア人が大好きなくるみのペーストを使って肉を煮込む料理で、もともとはお正月に貴重な七面鳥の肉を使って作られる、1年に1度のおめでたい料理でした。
現在では七面鳥の代わりに鶏肉が使用されることが多く、レストランで提供される場合はほとんどがそれにあたります。
「サツィヴィ」という言葉は、もともと同じ名前のくるみのソースを指す単語で、こちらは冷たい状態で提供されます。
中東諸国で食されるフムス(ひよこ豆のペースト)のくるみバージョンと考えると分かりやすいかもしれません。
8GEL~10GEL(=¥369~¥461)
・マプシャリア (トビリシ)
チャナヒ
ジョージア山岳部発祥の羊肉となすのシチューがチャナヒ(Chzytoanakhi / ჩანახი)。
同名の「チャナヒ」と呼ばれる陶器の器でじっくりと調理され、器ごとそのまま提供されるのが一般的です。
骨付き羊肉の旨味と、なすやトマトなどの野菜類の甘味が染み出したスープは、悶絶級の美味しさ。
置いてあるレストランはあまり多くないので、見つけたらぜひ挑戦してみましょう!
8GEL~10GEL(=¥400~¥500)
ジョージア料理:スイーツ
チュルチュヘラ
ジョージアの町を歩いているとよく見かけるのが、色とりどりの細長いゴツゴツした物体が無数にぶら下がっているカオスな光景。
のぶよははじめ、ソーセージの露店か何かだと思っていました。
実はこれ、チュルチュヘラ(Churchkhela / ჩურჩხელა)と呼ばれるスイーツの一種。
果物の果汁に小麦粉を混ぜてゼリー状に固めたもので、中にナッツが入っています。
原料がシンプル&固め方も天日干し、とかなりザックリとした作り方のスイーツであるチュルチュヘラ。
見た目はちょっと…ですが、果汁本来の素朴な味がしてけっこう美味しいですよ!
2GEL(=¥92)
ゴジナキ
ジョージアの年末年始の定番スイーツが、ゴジナキ(Gozinaki / გოზინაყი)。
クルミなどナッツ類を細かく砕いたものにハチミツをたっぷりとかけて、冷やして固めたお菓子です。
菱形にきるのが定番のようで、むしろこれ以外の形を見ることはありません。
ねっとり&カリカリが同時に味わえる極上の食感と、ハチミツの奥深い甘味はやみつき必至かも!
12月末になると、どこの商店やスーパーでも目にするゴジナキ。
ジョージアはユリウス暦(旧暦)でクリスマスや新年を祝う習慣があるため、1月半ば(ジョージアの新年)頃まではよく見かけます。
500gで7GEL(=¥323)
カダ
ジョージア山間部の定番スイーツといえば、カダ(Kada / ქადა)。
小麦粉生地を薄く伸ばし、バターと蜂蜜を挟んでパイ状に焼き上げたものです。
外側はカリカリサクサク、内側はもっちりとした不思議な食感が同時に楽しめ、蜂蜜の素朴な甘さとバターの濃厚な風味のバランスも美味しいです。
ジョージアのカダには、どうやら二つのタイプがあるそう。
・サクサクの甘いパイのようなカダ:スヴァネティ地方など西部山岳地域風
・塩バターを詰めたパンのようなカダ:ヘヴスレティ地方など東部山岳地域風
のぶよが食したのは西部スヴァネティ地方風のカダだけ。
東部の塩バターカダにもぜひ挑戦してみたいところです!
1個1GEL(=¥50)
トゥクラピ
ジョージアの市場を散策していると、必ず見かける色とりどりの薄い革のようなシート。
実はこれ、トゥクラピ(Tklapi / ტყლაპი)と呼ばれるスイーツの一種で、もちろん食べられます。
原料はチュルチュヘラと同様に、フルーツの果汁に小麦粉をまぜたものだけ。
ナッツ類を通したタコ糸を果汁と小麦粉に浸し、棒状になるように乾かしたものがチュルチュヘラ、
果汁と小麦粉の液体を、ビニールシートに薄く塗りつけて天日干しにしたものがトゥクラピとなります。
フルーツの素朴な甘みと、つるりとした独特の食感がトゥクラピの最大の魅力。
見た目にも華やかで美しいため、ジョージアでは結婚式の宴で出されるスイーツの定番としても愛されています。
2GEL(=¥100)
おわりに
日本ではほとんど知名度がないジョージア料理のアレコレを解説してきました。
近隣諸国の食文化を受け入れながら、ジョージア国内で独自に発展したジョージアの食文化は、実際に自分の舌で味わってみないとなかなかイメージが湧きにくいかもしれません。
家庭料理を元にしているためか結構手が込んでいる料理も多く、食材の旨味とスパイスを上手に合わせた独特の味付けには、きっとハマってしまうはず。
コーカサスの小国への旅の楽しみの一つとして、現地でしか味わえない絶品グルメの数々に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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