こんにちは!ジョージア北西部のスヴァネティ地方を3週間旅した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
コーカサスの山々に抱かれた小さな村々が点在するスヴァネティ地方。
色々とおすすめしたい場所はたくさんありますが、観光のハイライトとなるのが、この地域の最も奥に位置するウシュグリ村(Ushguli / უშგული)でしょう。

ウシュグリは常に雪に覆われたシュハラ山を背景に、この地方独特の「復讐の塔」が建ち並ぶ小さな村。
標高は2060m~2200mほどの場所に位置しており、「ヨーロッパで人が定住する、最も標高が高い場所にある村」と称されます。
(ジョージアがヨーロッパなのかどうかは別として)
息を呑むほどの絶景ポイントや数々の見どころが点在するウシュグリは、「コーカサスの麓の国・ジョージア」というイメージが目の前に広がる場所。
観光客に大人気となっているのにも納得ですし、この国で色々な場所を訪れたのぶよにとっても、言葉が出て来ないほどに圧倒されたのはここくらいかもしれません。


今回の記事は、ウシュグリの観光情報を徹底解説したもの。
5つのトピックに分かれているので、興味があるところからどうぞ。
・ウシュグリの4つのエリア別観光スポット(見どころ・絶景ポイント)
・ウシュグリから足をのばしたい周辺の観光スポット
・ウシュグリへのアクセス
・ウシュグリ観光の計画のコツ(必要日数・宿情報)
・ウシュグリ滞在の感想:「ヨーロッパ最後の秘境!」ではない
とにかく村全体が絶景・絶景・絶景の連続であるウシュグリは、ジョージア旅行の総仕上げとしてもおすすめな場所。
村の絶景ポイント全制覇を目指すのも夢ではありません!
ウシュグリの観光スポット(エリア別)
ウシュグリ観光の前に絶対に知っておきたいのが、村は4つの地区に分かれている点。
エングリ川が形成する狭い谷間にひらけた村なので、集落が東西に広がっているのです。

ウシュグリを象徴する復讐の塔とコーカサスの山々の絶景が見られるのはどの地区でも共通していますが、それぞれ独自の特徴があるのもポイント。
・ジビアニ:見どころたくさん&シュハラ氷河トレッキングの起点
・チュヴィビアニ:ウシュグリ全体を見渡す絶景が見られる滞在の拠点
・チャジャシ:石造りの建物が並ぶ地区全体が世界遺産
・ムルクメリ:最も観光地化が進んでいない素朴な村の雰囲気
ここからは、ウシュグリ村の4つのエリア別の見どころや絶景ポイントを解説していきます!
ウシュグリを象徴する風景!ジビアニ地区

ウシュグリ村最東端に位置するジビアニ地区(Zhibiani / ჟიბიანი)は、シュハラ山を間近に望む小さな集落に数々の見どころが点在する観光の中心となるエリア。
4つの地区の中で最も観光客が訪れる地区ではあるものの、ハイシーズン以外の村の風景はどこまでも素朴なままです。


他の3つの地区とは異なり、緩やかな斜面に伝統的な石造りの建築が建ち並ぶジビアニ地区の散策は、体力的に少しキツく感じるかもしれませんが、高台からは絵葉書のような美しい風景が見られます。
後述するシュハラ氷河へと続くハイキングコースの入口があるのもこの地区。
ウシュグリ滞在中は必ず足を運ぶこととなるでしょう。
ラマリア教会

数多くの見どころが点在するウシュグリ村の最も奥の高台に建つラマリア教会(Lamaria / ლამარია)は、訪れた者誰もに感動を与える観光のハイライトの一つ。
丘の上に佇む絶景の教会と言えば、「天国に一番近い教会」と称されるカズベキのゲルゲティ三位一体教会が有名ですが、ラマリア教会もそれに負けない絶好のロケーションです。


ラマリア教会の設立は12世紀(800年前)に遡ります。
「ラマリア」というのは、スヴァネティ地方の伝統的な信仰において「五穀豊穣と牛の搾乳、縫物を司る」とされる、最も神位が高い存在の神のこと。
後にキリスト教が受容されると、聖母マリアと同一視されるようになりました。

18世紀にスヴァネティ地方一帯に勢力を誇った貴族・ダデシュケリアニ家がウシュグリを支配下に置こうとした際には、それに抵抗した村人が貴族の一人を殺害したと言われる場所でもあり、長い間ウシュグリの人々の精神的な柱としての役割を担ってきました。
現在でも現役の修道僧が生活している場所で、教会内部の壁には建設当時のフレスコ画がそのままに残されており圧巻でした。(内部の写真撮影は禁止)

高台にあるラマリア教会周辺からは、シュハラ山の全景を望むことができます。
遥か昔からそこにある山々と、中世の趣を残す教会。
大自然の雄大さと山岳地域に残る伝統を同時に感じることができる場所です。
ジュグラーグ教会(聖ギオルギ教会)

ラマリア教会が建つ丘にぽつりと佇むもう一つの教会が、12世紀建造のジュグラーグ教会(Jgraag / წმ. ჯგრაგ)。
「ジュグラーグ」とはスヴァネティ地方で話されるスヴァン語での呼び名で、ジョージア語だと「聖ギオルギ(St. Giorgi)」という聖人を指します。
ジュグラーグはかつてこの地域で信仰の対象となっていた「月」を象徴する神とされ、キリスト教受容後に聖ギオルギと同一視されるようになりました。

ジュグラーグ教会裏手からは、谷間に広がるウシュグリ村の大部分を一望することができます。
ウシュグリ民俗博物館

スヴァネティ地方の伝統文化に興味があるなら、ウシュグリ民俗博物館に立ち寄ってみるのもおすすめ。
ジビアニ地区の集落内にひっそりと建つ石造りの建物内部を博物館に改装したもので、この地域の伝統的な家屋の様子が再現されています。
絶景ポイント①:ラマリア教会を望む高台

ラマリア教会とその背後にそびえるシュハラ山を同時に眺めたいなら、ジビアニ地区南側の高台にある道沿いがおすすめ。(マップ①)
静寂の中に家畜の鳴き声だけが響き渡る中、ただ凛とたたずむ中世の教会の姿には、宗教は違えど神々しさを感じるほどです。
シュハラ山がはっきりと見える、晴れた日の朝の風景は言葉が出ないほどの美しさなので、ぜひ早起きして立ち寄ってみましょう。
観光・滞在の拠点!チュヴィビアニ地区

ウシュグリ村の4つの地区の中で最も多くの民家が建つチュヴィビアニ地区(Chvibiani / ჩვიბიანი)は、どのエリアにもアクセスしやすいため、観光・滞在の拠点として便利なエリア。
見どころはそこまで多くはないものの、素朴な村の風景の中を当てもなく散策したい地区です。


チュヴィビアニ地区内の民家は、石造りと木造が半々といったところ。
ウシュグリのどこででも見られる「復讐の塔」と呼ばれる見張り塔も多く、その風景を独特のものにしています。


チュヴィビアニ地区で最も印象に残るかもしれないのが、やたら豚が歩き回っていること。
スヴァネティ地方ではどの村でも豚が放し飼いにされているのが普通なのですが、チュヴィビアニ地区の豚率はものすごいです(笑)
可愛い豚の家族に誘われるがままに、素朴な風景の村を散策しましょう。
プスド教会

チュヴィビアニ地区の東側、民家が建ち並ぶエリアから少々離れた場所にぽつりと建つのが、11世紀建造のプスド教会(Pusd / ფუზდ)。
「プスド」というのはスヴァネティ地方に独特とされる神の一人(=キリスト教受容後もそれに対応する聖人がいない)で、スヴァン語では「支配者」を意味するそう。
素朴ながらも堅強な外観で、村人たちの信仰の地として愛され続けています。
絶景ポイント②:地区南側の高台

チュヴィビアニ地区最西端に位置する丘の中腹付近(マップ②)は、チュヴィビアニ地区とジビアニ地区の町並みを一望できるポイント。
丘をさらに登ると、お隣チャジャシ地区のタマル女王の塔に至ります。
世界遺産の町並みと絶景ポイント!チャジャシ地区

伝統的な石造りの家々と見張り塔に象徴されるウシュグリ。
中でも最も「ウシュグリらしさ」が感じられるのがチャジャシ地区(Chazhashi / ჩაჟაში)でしょう。
地区内の建物はほぼ全て石で作られており、その統一感は圧巻のひとこと。
建物すべてがユネスコの世界遺産において景観保護文化財に指定されているほどです。

地区の東側の丘の頂上には、ウシュグリのシンボルの一つであるタマル女王の塔もあり、周辺に絶景ポイントも多く点在しているエリアです。
世界遺産の村を散策&「復讐の塔」に思いを馳せる

チャジャシ地区に一歩足を踏み入れた旅行者は、周囲360°を全て石造りの建物や塔に取り囲まれた独特の風景に息を呑むはず。
ウシュグリ全体で見ても、スヴァネティ地方全体で見ても、ここまで全ての建物が石造りで統一されている場所は他にありません。


各建物が肩を寄せ合うように建ち並び、まるで村自体が一つの要塞であるかのように思えます。
現在でもこの建物の中で生活をしている人々がいて、数百年前と同じような光景が現在でも見られる「生きた博物館」のような光景が広がります。

チャジャシ地区の民家の多くには「復讐の塔」と呼ばれる見張り塔が併設されているのも特徴的。
スヴァネティ地方のどこの村でも見られるこの塔。
ほとんどが200年~500年ほど前のもので、現在ではその役割を終えて荒廃が進んでしまっていることも多いのですが、チャジャシ地区では完璧な状態の塔がそのままに残されているのが特徴です。
「復讐の塔」とは?
ジョージアの山岳部地域ではどこでも見られる見張り塔。
ジョージア語でコシュキ(koshki / კოშკი)と呼ばれ、そのほとんどはコーカサスの山を越えて侵入してくる異民族から、自分たちの村や家族を守るために建設されたもので、敵の侵入を見張ることができる高台などに位置しているのが普通です。

しかしながら、スヴァネティ地方では高台以外にも、一般の民家に見張り塔が併設されているのが独特。

ここには、15世紀~19世紀にかけてどこの国にも属さず、村ごとに自治が行われていたスヴァネティ地方独自の事情が関係しています。
村の掟を破る者や、他の村人を侮辱したり暴力をふるう者には「血の復讐」と呼ばれる制裁がなされ、本人はもちろんその家族も復讐の対象とされました。
(日本の村八分のエクストリームバージョンだと思ってください)
一応、「血の復讐」は村の偉い人の決定により行われるというルールがあったのですが、しばしばそのルールは破られ、個人的な怨恨などで復讐が実行されることも多かったそうです。
「何がきっかけで他の村人に復讐されるかわからない」という恐怖は、人々に見張りと防衛を兼ねた塔を自宅に作らせ、数か月間塔の内部で籠城生活を送ることを可能にしたのです。
現在ではその風習は廃れ(たとされてはいます)、人々は塔の外の自宅で生活を送るようになりました。
これらの塔はいつしか「血の復讐の塔」と呼ばれるようになり、スヴァネティ地方独自の風習や歴史を現在に伝え続けています。
絶景ポイント③:タマル女王の塔

チャジャシ地区の東側の丘の上に目をやると、他の見張り塔から離れたところに一本の塔がぽつりと建っていることに気が付くでしょう。
これが、タマル女王の塔(Queen Tamar tower / სუპარ)。
もともとはタマル女王が夏場にやってくる離宮兼要塞として建設されたもので、4本の塔と1つの教会がありましたが、現在では塔と教会が一つずつ残るだけとなっています。

タマル女王とは、中世ジョージア王国(1008年~1490年)において最初で最後の女性国王となった人物。
スヴァネティ地方を気に入ったタマル女王はたびたびこの要塞で夏を過ごしたとされ、ジョージアの他地域とは異なる歴史を辿ったスヴァネティ地方においても、人々から愛されている存在です。
この地域で話されるスヴァン語では、「スパル(Supar / სუპარ)」と呼ばれるこの場所。
地理的に隔絶されたスヴァネティ地方は、中世ジョージア王国崩壊~近世に至るまで各村で自治が行われていた地域。
かつては村中の男たちがスパルに集まり、外敵の侵入への備えや集落での揉め事への対応(=先述の「血の復讐」の決定)などについて話し合いが行われたそうです。
歴史的な背景も興味深いのですが、多くの旅行者にとってタマル女王の塔の最大の魅力は、ウシュグリを代表する絶景が見られることではないでしょうか。(マップ③)

よく観光案内のポスターなどに見られるウシュグリの写真は、ほとんどここで撮られているということもあり、文句なしの絶景が見られます。
特に美しいのが早朝の時間帯。
山に雲さえかかっていなければ、村の家々とシュハラ山が朝日によって淡い色に包まれる風景が目の前に広がり、一生の思い出となることでしょう。

タマル女王の塔からの反対方向の眺めもかなりのもの。
石造りの家々と塔がにょきにょきと生えたようなチャジャシ地区の全景と、その先にあるムルクメリ地区の遠景を一望することができ、こちらもウシュグリで有名な風景の一つとなっています。
絶景ポイント④:商店の庭

まるで一つの巨大要塞のようなチャジャシ地区を真横から眺めたいなら、川を渡った反対側にある商店の庭がおすすめ(マップ④)。
太さも高さも様々な塔が、地面から生えるようにたたずむ独特の景観が広がります。
この商店は、ウシュグリ全体で2軒しかないお店の一つ。
庭にはちょっとしたテラス席も設置されているので、ビールでも飲みながら絶景を楽しむのがおすすめです。
絶景ポイント⑤:未舗装道路

のぶよ個人的に美しいと感じたのが、お隣のムルクメリ地区へと続く未舗装道路から眺めるチャジャシ地区の風景(マップ⑤)。
にょきにょき建つ復讐の塔&澄み切ったエングリ川を見下ろすように、タマル女王の塔が建つ風景が見られます。
絶景ポイント⑥:ウシュグリ要塞ハイキングコース入口

チャジャシ地区独特の石造りの家々の風景と、その奥にそびえるシュハラ山を一緒に眺めたいなら、地区南側の丘の斜面からがおすすめ(マップ⑥)。
この場所はウシュグリ要塞へと続くハイキングコースへの分岐点にあたるため、要塞の観光ついでに眺めることも可能です。
素朴な村の風景と要塞!ムルクメリ地区

ウシュグリ村の最西端に位置するムルクメリ地区(Murkmeli / მურყმელი)は、メスティア方面からやってきた旅行者が最初に目にする集落です。

他の3つの地区と少々距離があるため観光客がかなり少ないのが特徴で、垢ぬけないながらもピュアな「一昔前のウシュグリ」の魅力が詰まったエリアです。
時が止まった村の風景

ムルクメリ地区に足を踏み入れた旅行者は、他の3つの集落に比べるとどこか土臭くて田舎っぽい印象を持つかもしれません。
多くの観光客はムルクメリ地区まで足をのばすことなく、他の3つのエリアだけをサッと見学して帰っていくのが現状。
そのため、一大観光地となったウシュグリ村に位置していながらも、観光マネーに目が眩みきっていない人々の生活感が強く残っているのが最大の魅力かもしれません。


お隣のチャジャシ地区ほどではないものの、多くの家屋が伝統的な石造りなのも特徴的。
復讐の塔も多く残っており、素朴な集落の風景を独特なものとしています。


ムルクメリ地区は住人の減少が激しい集落だそう。
人が住まなくなって放置された結果、石の壁だけが残ったようなかつての民家も多く見られます。

反対に、現在でもこの場所で生活をする人々の姿も見られ、農作業や家畜の世話に精を出していました。
多くの人の生活が観光客マネーで成り立っているウシュグリですが、この地区では少々事情が異なるように感じます。
絶景ポイント⑦:ムルクメリ地区を川の対岸から眺める

ムルクメリ地区を一通り散策したら、集落の南側を流れるエングリ川を越えて対岸へと渡ってみましょう。
集落の全景と美しい清流が眺められるポイントがあります(マップ⑦)。

実はこの絶景ポイントは、次に紹介するウシュグリ要塞へ登る徒歩ルートの起点となる地点でもあります。
ウシュグリ要塞

ムルクメリ地区の南側にある山の頂上にひっそりとたたずむウシュグリ要塞は、観光客はまずやって来ない穴場スポット。
結構な上り坂を歩く必要がありますが、頂上からの景色は感動ものです。
ウシュグリ要塞へのハイキングルート詳細は後述しています!
ウシュグリ周辺の観光スポット
シュハラ氷河

ウシュグリを訪れた観光客にとって定番のデイトリップ先が、村の北東9kmほどの場所にあるシュハラ氷河(Shkhara Glacier / შხარის მყინვარი)。
間近で広大な氷河が見られることで大人気の場所となっています。


シュハラ氷河までのアクセスは、平坦な道のりを片道2時間半歩いて行くハイキングが定番。
他にも4WDをチャーターしたり馬をレンタルすることも可能です。
氷河までの道沿いの風景も含めてコーカサスの大自然が感じられる、アクティブ派にはぜひおすすめしたいスポットです。
ウシュグリ要塞

ウシュグリ最西端のムルクメリ地区の南側の山の頂上に建つウシュグリ要塞も、数時間あればハイキングで十分アクセス可能なスポット。
角度的にウシュグリ村自体を望むことはできないものの、村を取り囲む山々やダイナミックな谷間の絶景が広がります。

ムルクメリ地区~ウシュグリ要塞~チャジャシ地区と一筆書きのように歩くことができるのもポイント。
山の頂上まで登るので高低差はある程度あるものの、全部で2時間ほど見ておけば十分歩けるほどです。
ムルクメリ地区~ウシュグリ要塞~チャジャシ地区間コース詳細

・所要時間:1時間半
・距離:2.5km
・高低差:▲270m ▼270m

ムルクメリ地区から川を渡ると、南方向に向かってトレイルがのびています。
基本的にはこれを登っていくだけの超簡単なコースですが、一部道が草に覆われて分かりにくい場所もあります。


要塞がある山を南にぐるりと周るように登っていくと、だんだん要塞内の塔が目に入ってきます。
坂を登りきった場所が分岐点となるので、塔に向かって300mほど進んでいくだけ。
要塞観光後は、同じ道を300mほど戻り、先ほどの分岐点をまっすぐ(東方向)に進みます。


城塞を出発して10分ほどで、チャジャシ地区へと下る道(北方向)へと分岐する地点があり、あとは坂を下っていくだけなのですが、この坂がかなり急&湧き水で常に地面が濡れているのでご注意を。
ここを登るのはかなりきついと思うので、チャジャシ地区→要塞→ムルクメリ地区というルートはおすすめしません。

チャジャシ地区を望む絶景ポイント⑥まで来たら、ゴールはもう目の前です。
ウシュグリへのアクセス・行き方

スヴァネティ地方の最も奥に位置するウシュグリ村へのアクセスは、便利とは言い難いもの。
この地方の中心となるメスティア(Mestia)から道路が一本通っているだけで、アクセスの拠点はメスティア一択。
トビリシやクタイシ等、ジョージア国内の他都市から直接ウシュグリ入りしたい場合でも、必ずメスティアを経由することとなります。
メスティア~ウシュグリ間の移動手段は、予算や日程に合わせて4通り。
観光客向けにある程度インフラが整備されたエリアでありながら、決まったスケジュールの路線バスやマルシュルートカ(ミニバス)等の公共交通手段は存在しないのが一番のネックとなります。
メスティア~ウシュグリ間の唯一の道路は50kmほどの山道で、最後の10kmほどの区間は未舗装道路となるため、4WD車が必須。
運転に自信がない人は、レンタカー利用は控えた方が良いかもしれません。
メスティアからウシュグリへの行き方4通り
1:マルシュルートカをシェア

個人旅行者の間で最もポピュラー&安い移動手段が、メスティア発のマルシュルートカをシェアすること。
「マルシュルートカ」と言っても、ジョージアの人々の移動手段としての乗り合いのミニバスではありません。
観光客向けのスケジュールでほぼ100%観光客相手に運行している「観光マルシュルートカ」といったところです。
チケットはメスティア中心街のバスステーション(らしきもの)周辺に数軒あるチケットオフィスでの購入。
購入時に集合時間や集合場所などの案内があるので、それに従って乗車するだけです。
マルシュルートカ利用時に注意したいのが、以下の三点。
・料金は乗客の人数によって変動する
・日帰りの往復利用のみ想定されている
・メスティアからの出発は午前中のみ
【料金は乗客の人数によって変動】
メスティア~ウシュグリ間のマルシュルートカは公式な路線ではなく、あくまでも村の人が自分の車に観光客を乗せてお金を稼いでいるもの。
4人以上の乗客が集まらなければ出発しませんし、3人以下の人数で走る場合は一人当たりの料金が上がってきます。
夏場のハイシーズンであれば確実に4人以上の乗客は集まるでしょうが、それ以外の時期だと、次に紹介するタクシー利用とあまり変わらない料金となることもあり得ます。
【基本は日帰りでの往復】
また、4人以上の乗客が集まった場合の40GELという料金は、日帰りでメスティア~ウシュグリ間を往復する場合のものであることもネック。
片道でのチケット販売・割引は行われておらず、復路を利用しようがしまいが同じ料金です。
ウシュグリに宿泊して往路とは別の日に復路を利用したい場合は、帰りに再び40GELを支払って乗車しなければならないという、謎過ぎるぼったくりシステムです。
【メスティア発は午前中のみ】
上で解説した通り、この区間のマルシュルートカはウシュグリを日帰りで観光する旅行者をターゲットにしたものなので、全ての便は午前中にメスティア発/午後にウシュグリ発というスケジュール。
ジョージア他都市からメスティアに到着後、そのままウシュグリに移動しようと思っても、行きのマルシュルートカは全て出てしまっている可能性が高いです。
2:タクシー
複数人での旅行や、自分の都合に合わせて移動したい場合は、メスティアからタクシーを利用するのも一つの手。
タクシーと言っても、村の人が自分の4WD車を運転しているだけのもの。
メスティア中心街のバスステーション(らしきもの)付近には、客待ちのおじさんたちが暇そうにしているので何の苦労もなく見つけられるでしょう。
料金の相場は、1台あたり往復で200GEL~300GEL(=¥6133~¥9200)
片道の場合は150GEL~200GEL(=¥4600~¥6133)ほどと、往復より少し安い程度です。
かなり割高にはなりますが、午後に他都市からメスティア到着後、直接ウシュグリへ移動したい場合でもOKなのは大きなメリットです。
3:現地ツアー
メスティアの中心街には、ウシュグリ村とそのさらに奥に位置するシュハラ氷河を訪れる日帰り/1泊2日の現地ツアーを販売しているオフィスも多くあります。
どこも内容は似たり寄ったりで、ウシュグリまでの往復4WD車 + シュハラ氷河までの乗馬体験がセットになったものです。(1泊2日の場合は、ゲストハウスと食事も込み)
いわば、
・地元の人が運転している4WD車
・その知り合いが飼っている馬のレンタル
・その家族が経営しているゲストハウス滞在
の3つを、村人ネットワークを駆使して組み合わせただけのもので、「ツアー」と呼べるような質のものではありません。(=英語ガイドなどは全く期待できない)
のぶよ的には日帰りでウシュグリを訪れることほどもったいないことはないと感じますが、日程に限りがある場合や、「歩きたくないけどシュハラ氷河は見たい!」という人には選択肢の一つかもしれません。
(現地ツアーに参加するとしても、絶対に1泊2日のツアーをおすすめします)
4:徒歩

最後に紹介するウシュグリへのアクセス方法は、徒歩。
メスティア~ウシュグリ間には70kmほどのトレッキングコースがあり、3日~4日間かけて歩いて移動することが可能です。
歩くのが大嫌いな私たち日本人からすると「4日も歩くの?絶対ムリ…」と思ってしまいがちですが、実はこのコースはジョージア国内で最もポピュラーな複数日トレッキングコース。
夏場のハイシーズンには、かなり多くのトレッキング客で大賑わいとなります。


間近に望む氷河とコーカサスの山々、観光地化の波にのまれていないピュアな村々…
コース上の見どころは数えきれませんが、一番のメリットはテントや登山道具等が一切必要ない点。
全長70kmほどのコースのちょうど良い場所に村が点在していて、どこもゲストハウスがあって宿泊&食事を気にする必要がないため、初心者でも普通に挑戦できてしまうレベルです。
のぶよはウシュグリまでの行きを4日間かけて歩いたのですが、とにかく素晴らしかったです。
(というか、このトレッキングを目的にスヴァネティ地方に来た)
万人向けのオプションではないかもしれませんが、想像よりもかなり簡単なコースで、健脚な人なら誰でも問題なくゴールできるでしょう。
数日かけてようやく視界に入ったウシュグリ村の遠景には、4WDで簡単に移動する際には感じられない感動や達成感が感じられるはずです!
ウシュグリからメスティアへの戻り方

日帰りでなく、ウシュグリに宿泊してメスティアへ戻る際に問題となるのが、帰りの移動手段の確保。
日帰りの場合は、交通手段にかかわらず行きと同じものを利用すれば良いだけなのですが、宿泊すると「あれ?どうやってメスティアに戻れば良いの…?」と気が付くはず。
先述の通り、決まったスケジュールで運行されるマルシュルートカなどは走っていないため、ウシュグリ宿泊を挟んでの帰りの移動は若干ハードルが高めになります。
【日帰り観光客用のマルシュルートカに乗せてもらう】
最もポピュラーな方法が、メスティア~ウシュグリを日帰りで往復する観光客向けマルシュルートカの運転手と交渉して乗せてもらうこと。
いくらハイシーズンでも、定員7名分の席が全て埋まっていることは稀なので、1人や2人分なら空席があることが多いです。
運転手としてもラッキーな収入となるので、喜んで乗せてくれるでしょう。
先述の通り、片道だけの利用でも往復の料金である40GELがかかってしまいますが、これが最も安いウシュグリ→メスティア方面への移動方法となります。
メスティアからやって来たマルシュルートカは11時頃にウシュグリに到着し、チャジャシ地区とチュヴィビアニ地区の境に位置する橋のたもとのバス停(「ブリッジ・バスステーション」と呼ばれます)付近で観光客を下ろします。
その時に運転手の一人に声をかけ、帰りの便に乗りたい旨を伝えて席を確保してもらいましょう。
(早いもの勝ちなので、午後のウシュグリ出発時に直接交渉してもすでに他の旅行客が席を押さえている可能性があるため)
ウシュグリ→メスティアのマルシュルートカが再び観光客を乗せてメスティアへと出発する時間は15時~16時の間。
運転手によって出発時間は変わるので、交渉時に確認するのをお忘れなく。
【ウシュグリで4WDを手配する】
午前中にメスティアへ戻りたい場合は、ウシュグリの村人が運転する4WDを手配するという手もあります。
ウシュグリはかなりの村社会。
宿泊先のゲストハウスの人は、必ず車を所有している人とつながりがありますし、自身で運転してくれることもあるでしょう。
料金相場は1台で150GEL~200GEL(=¥4600~¥6133)ほど。
宿泊先の人との関係や交渉能力によって120GEL(=¥3680)くらいまで下がることも期待できます。
ウシュグリ観光は日帰り?宿泊?~滞在おすすめエリア/宿情報~

交通手段が基本的に日帰り観光客をメインに考えられているウシュグリ。
日帰りするのが楽ではありますが、のぶよ的には絶対にウシュグリに宿泊するべきだと思います。
メスティアからの日帰りでウシュグリを訪れる場合、現地滞在時間はたったの4時間ほど。
見張り塔を眺めて、お昼ご飯を食べて、ラマリア教会を観光して…それだけで終わってしまい、この人里離れた地に流れるのんびりとした空気など感じる間もなく後にすることとなるでしょう。
断言します。「うわあ~宿泊すれば良かった…」と後悔します。
さらに奥のシュハラ氷河もウシュグリとセットで日帰りで訪れるような鬼のようなツアーもありますが、それではただ山の空気を吸いに来ただけ。
大切なことなのでもう一度言いますが、絶対に宿泊しましょう。
ここからは「ウシュグリに宿泊する」という前提で、滞在時のアドバイスや宿泊エリア、おすすめ宿情報などを紹介していきます。
「それでも日帰りでOK!」という人は、この項の情報は必要ありません。読み飛ばして最終項へどうぞ。
ウシュグリ観光の必要日数
ウシュグリ観光に必要な日数は、最低でも1泊2日(2日間)で、さらに奥のシュハラ氷河まで足をのばす場合は、もう1日追加するのが理想的。
2日間あってようやくウシュグリの4つの地区をまわることができ、点在する見どころをくまなく見学することができるでしょう。
標高が高い場所にあるウシュグリの天気は不安定なことも多く、曇りや雨だと素晴らしい絶景の魅力が半減してしまうかもしれません。
特に、ウシュグリの背後にそびえるシュハラ山の山頂部分は雲がかかる確率がかなり高め。(特に昼過ぎ)
「雪に覆われた山と美しい村」というウシュグリを象徴する風景が絶対に見たい場合は、予備日を含めて3日~4日間滞在するのが良いでしょう。
ウシュグリ滞在&宿選びのポイント
ウシュグリには近代的な設備を誇る高級ホテルなどの宿泊施設は存在せず、一般の民家を旅行者向けに改装したゲストハウスでの宿泊となります。
宿泊先を決める際のポイントや、滞在時のアドバイスなどをまとめてみました。
宿泊エリア選びはぬかりなく!

東西に細長い地形に4つの集落が点在するウシュグリ。
最も離れているムルクメリ地区~ジビアニ地区間は2kmほどの距離があり、歩くと30分ほどかかるので行ったり来たりするのは結構大変です。
ウシュグリでの宿泊先を決めるポイントは、自分が何を重視して滞在したいか。
好みや旅のスタイルによって、どのエリアに宿泊するのがベストか変わってくるのです。
・静けさ重視:ムルクメリ地区
・雰囲気・利便性重視:チャジャシ地区
・利便性・価格重視:チュヴィビアニ地区
・宿からの眺め重視:ジビアニ地区
4つの地区で最も観光地化が進んでいないムルクメリ地区は、ウシュグリ本来の素朴な雰囲気を感じながら滞在したい人におすすめ。
特に、夏場のハイシーズンには他の3地区は観光客であふれかえってしまい、かなり観光地っぽい雰囲気となってしまうのが残念。
その点、ムルクメリ地区では比較的静寂が保たれています。
デメリットは、他の地区から1km~2kmほど離れているため、観光の際に歩く距離が増えることでしょうか。
ウシュグリ村全体において、日用品や食料品などを売っている商店は2軒だけ。
中央に位置するチャジャシ地区とチュヴィビアニ地区の各地区に1軒ずつあります。
メスティアからのマルシュルートカが発着するバス停があるのもこの二つの地区の境目。
村全体の中央に位置している地区であるため、ウシュグリ内のどこにでもアクセスしやすいのは大きなメリットです。
チャジャシ地区には、名物の見張り塔が併設された伝統家屋をゲストハウスにしている宿もあるので、ここでしかできない宿泊体験をしたい人にはおすすめ。
また、ウシュグリで最もゲストハウスの数が多いチュヴィビアニ地区は料金が他の地区に比べてリーズナブルなのも魅力的です。
ウシュグリのシンボルであるラマリア教会の美しい風景が眺められることで有名なのが、ジビアニ地区にあるGuesthouse Miranda。
実際に行くとわかりますが、立ち入り禁止の柵などがかなり多いため、ラマリア教会を眺められる場所は意外に少ないのです。
宿から常に絶景を眺めていたい人は、一考の価値があるかもしれません。
(のぶよは直接宿を見学に行きましたが、宿の人が微妙に感じ悪かったので泊まりませんでした。)
ぼったくり宿に注意

近年、観光地として急激に有名になったスヴァネティ地方。
ウシュグリだけでなくどこもそうなのですが、外国人観光客を狙ったぼったくりの類がジョージア国内で最も多いです。
ゲストハウスにもそれは当てはまり、料金に見合わないような設備の部屋・質素な食事・嫌な感じのオーナーなど「ぼったくり宿」として晒したいような宿もあるにはあります(体験談)。
一方で、昔ながらの山岳部らしいホスピタリティーにどっぷりと浸ることができる宿もまだまだ健在。
インターネット上の写真やコメントだけでは、どうしてもオーナーの人柄や食事の内容までは見えてこないものですが、せっかくなら気持ち良く滞在できる宿を選ぶ方が良いですよね。
完全なる個人的な主観なのですが、スヴァネティ地方において宿泊予約サイトに掲載しているようなゲストハウスはかなり当たり外れが激しいと思います。
のぶよはそれに気づいて、途中から予約なしの飛び込み(部屋やオーナー家族の感じを見て決める)スタイルに変えたところ、一度も失敗することはありませんでした。
スヴァネティ地方で「ここだけはやめておけ!」という宿も実体験で知っているのですが、ここで書くのもアレなので(笑)、気になる人はお問い合わせください。
また、ウシュグリ村のおすすめゲストハウスに関しては後述しています。
食事は基本的にゲストハウスで

ウシュグリ村滞在時の食事(朝食・夕食)は、基本的にゲストハウスで提供してもらうことになります。
村にはレストランもいくつかあるので、昼食はそちらでとることもできますし、宿によってはランチボックスを用意してくれる場合もあります。(別料金)
ぼったくり宿ではないまともなゲストハウスであれば、メイン(スープ系が多い) + 3~4皿ほどの小皿料理を提供してくれるのが一般的。
中には全部で10皿近い料理が出てくるホスピタリティーの塊のような宿もあるほど(笑)
総合的に量は多めなので、夕食だけお願いして朝食に残りを食べることも可能です。
(普通は無料で対応してくれます)
食料品・日用品はメスティアで購入しておく

先述の通り、ウシュグリ村全体に商店の類はたったの2軒しかありません。
その2軒の商店も、スーパーマーケットのようなものではなく、場末感漂う個人の商店といった感じ。
もちろん品ぞろえが良いわけもなく、値段も高めです。(ただ、ビールは意外と良心的な価格で売られていたので助かりました)
スナックや食材、タバコなどウシュグリ滞在中に必要なものは全てメスティア中心部のスーパーマーケットで購入していくのがおすすめです。
ウシュグリのおすすめゲストハウス
Caucasus Guesthouse

・部屋タイプ:トリプルルーム1人利用
・料金:45GEL(=¥1380)
※夕食・朝食込み
・立地:9/10
チュヴィビアニ地区の入口付近に位置するゲストハウスで、バス停&商店まで徒歩3分、村で一番の絶景ポイントであるタマル王女の塔まで徒歩10分という便利な立地です。
・アクセス:9/10
常にオーナー家族がいて、入口の門にも鍵がかかっていないため、簡単にチェックイン可能です。
入口の門がかなり重たく、いちいち開ける時にひと苦労だったのが若干マイナス。
・スタッフ:10/10

家族経営のゲストハウスで、息子がまあ英語を話せます。
オーナー夫妻はジョージア語/ロシア語のみですが、つねに笑顔のお二人。
言葉は通じなくとも温かい人柄が伝わってきます。
宿泊客はのぶよ一人だけだったのに、数時間キッチンにこもって色々な料理を作ってくれました。
・清潔さ:6/10

予想外の客だったこともあってか、清掃は若干甘めに感じました。
バスルームは広々してはいるものの、水回りの多少の汚れなどが気になる人は気になるかもしれません。
部屋は質素ながら、暖房を使うことができたのはポイント高めです。
・設備:8/10
いわば一般家庭の2階部分をゲスト向けに改装しただけの普通の家なのですが、宿泊客専用のリビングなどがあり、ソファーなども置かれていてかなりリラックスできる雰囲気。
本来ならば、多くの旅行者で賑わうはずです。
広い庭があり、村の風景を眺めながらのんびりできるのも良かったです。
・wi-fi:10/10
感動したのが、Wi-Fiがあったこと。
スヴァネティ地方ではインターネットがない宿も多く、宿泊予約サイトにも対応していないこの宿でネットに繋げるとは想像もしていませんでした。
Wi-Fiの速度も問題なく、部屋でも庭でも普通に接続できました。
・雰囲気:9/10
他に宿泊客がいなかったので何とも言えませんが、宿泊客同士がコミュニケーションをとるスペースもあるので、かなり良い感じのゲストハウスだと思います。
オーナー家族の人柄も良く、のんびりとしたスヴァネティ地方らしい雰囲気を感じながらの滞在ができました。
・総合:8.7/10

かなり安いのに2食ついてくる点や、立地の良さ、居心地の良さなど、総合的に大満足の滞在ができました。
おばさんは料理名人で、毎日異なるメニューをいろいろ作って出してくれます。
予約サイトに掲載されていないのが残念ですが(「そういうのは面倒くさい」そう)、きっとウシュグリ滞在をより印象深くしてくれる場所となると思います。
ウシュグリ滞在の感想:素晴らしいけど「ヨーロッパ最後の秘境!」ではない。

スヴァネティ地方観光のハイライトであり、ジョージア全体でも一、二を争うほどに人気のウシュグリ村の観光情報を徹底解説しました。
見どころや絶景ポイントはもちろん、アクセスや宿泊時のアドバイスなどかなり詳細に解説したつもりなので、きっと満足のいく滞在となるはずです!
のぶよはウシュグリに4泊したのですが、本当に行って、滞在して良かったと思います。
むしろ「あと3日くらいのんびりしても良かった」と思うくらいに気に入った場所となりました。
(4日間かけて歩いた後に到着したため、感動も増し増しだったのはもちろんです)
近年、旅行者や移住者の間で話題になりつつあるウシュグリ。
「ヨーロッパ最後の秘境!」なんて紹介されているのもよく目にするのですが、一つだけ言わせてください。
そもそものぶよ的にはジョージアはヨーロッパではなくアジアですし、ウシュグリ自体は本当に素晴らしい場所ですが、正直、秘境でもなんでもありません(笑)
・1年を通してアクセス可能
・個人でも簡単に行ける
・デイトリップも可能 (ってか、日帰りできる「秘境」とはいったい…?)
・電気、ガス、インターネット完備
・観光客の数が急激に増えて、色々変わってきている感 (人とか、人とか、人とか…)
など、知名度が上がるにつれてインフラ面もかなり便利になってきている&人々も観光客慣れしてきている(良くも悪くも)という印象を持ちました。
この場所が「山岳リゾート」として大規模開発の波に呑み込まれる日もそう遠くないのかもしれません。
この記事をここまで読んでいただいた方には、そうなってしまう前にぜひウシュグリを訪れてほしいです。
現実離れした風景が残る素晴らしい場所であると同時に、観光地化の波はもう押し寄せつつあるのが現状。
伝統と発展の間で揺れ動くジョージアという国を象徴しているような場所なのかもしれません。

コメント
遂にスヴァネティの最奥ウシュグリへ到達しましたね。昨年見た光景が懐かしいです。メスティア~ウシュグリのこの
区間だけの為にスズキの4WDを借りたのでした。(途中、生活物資を満載したトラックが坂を登れなくなり、退避できる場所まで後退してきたのでこれは正解でしたが)この道は数か所湧水の出ている場所を通り、汲んでいる人がいたので私も飲んでみたものの、冷たいだけで美味しくは感じませんでした。私も橋の横のマルシュルートカのたまり場に車を置いてタマリア教会まで歩いて行きました。というよりも車がいっぱいでこれ以上先へは進めなかったのです。韓国からの観光客のツアーがマルシュルートカ4台に分乗して来ていました。画像を見る限り観光客はいないようですね。メスティアから日帰りで行き、5時間滞在しましたが、一泊すれば良かったなぁ、と思っております。
メスティアからの帰途、ズグディディマデノ山岳区間で岩の角に当ててタイヤをパンクさせてしまいました。スペアに交換すべく、路肩でジャッキアップしているとズグディディに住んでいるというジョージア人の車が停まり一緒に手伝ってくれました。こちらから頼んだわけでもないのに心の温かさに触れました。(日本から持ってきたうちわをあげたらとても喜んでくれました。
昨年は20日で3か国+未承認国1か国(アゼルバイジャンはバクーに半日しか居なかった)駆け足で回りましたが次回はジョージア1か国+未承認国アブハジア(レンタカーそのまま乗り入れられるのかは不明。ロシア側から鉄道が走っている)だけでしっかりとみてきたいものです。
あっ!でもアゼルバイジャンの飛び地ナヒチェバンにも行きたいと思っているのですがね。(ここの列車は古い機関車を使っており、注目なのです。)
クヴェリワインは体験できましたか?良い旅を続けてください。
小杉弘一 HN機関車好き様
コメントいただきありがとうございます!
そうなんです、とうとうウシュグリまで行って参りました!
今年は大袈裟ではなく「観光客ゼロ」状態だったので、ウシュグリ本来の大自然や静寂さを楽しむことができた半面、移動や宿の確保などに結構苦労することとなりました。
小さな村ですので日帰りでも十分に観光することは可能ではあるものの、やはり宿泊して良かったなと思います。こんなコーカサスの奥地でのんびりとすごす贅沢な機会も人生においてなかなかないと思いますので。
コーカサス3国を旅行なさったのですね。私自身ももともとのプランではアゼルバイジャンとアルメニアにも立ち寄るつもりだったのですが、このコロナ禍と紛争のために今回は諦めることとなりそうです。
アブハジアはジョージア側から出入域できていたようですが、この状況なので現在は往来することができなくなっています。ロシア側から立ち入れるのかどうかは微妙なところですね。
クヴェヴリワインは、ボトルとして販売されているものは飲んだことがありますが、ワイナリーで醸造されているところはまだ見たことがありません。
ジョージアを発つ前にやりたいことのうちの一つではあるのですが、果たして達成できるかどうか…
日本でも寒くなってくるにつれ、コロナの再拡大が始まっているという話を耳にしました。
どうぞお体にお気をつけて、状況が落ち着いた後のジョージア(や、その他海外諸国)への旅への期待を高めるための期間となさってくださいね!