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ジョージアが嫌いだった私が、3ヶ月後に大好きになった理由【コーカサスのスルメ国】

こんにちは!世界半周中で現在ジョージアに滞在中ののぶよ(@nobuyo5696)です。

タイトルの通りなのですが、ジョージアに入国してしばらくは「この国、無理かも…」と日々感じていました。

これまで60ヵ国以上に行きましたが、ここまで好きになれなかった国は初めて。
基本的に滞在している国や地域の良いところを見つけようとするのですが、ジョージアに関しては全く見つからず…。

twitterをフォローしてくださっている方はご存じかもしれませんが、毎日「まじでこの国無理かも」とネガティブ発言をしていました(笑)

そんな時期から早3ヶ月。
今では、「え、ジョージア、最高の国なのでは?」と思うほどに好きになっているのだから、人間とはわからないものです。

というわけで、今回の記事は、滞在中のジョージアの良いところ・悪いところ全て含めて本音で語っていくもの。
「ジョージア最高!ずっと滞在したい!」という人も、「なんか期待外れかも…」という人も、どちらの気持ちも痛いほどにわかるのぶよの実体験をシェアしていきます。

前半はただのジョージアの悪口、後半はジョージアの良さを語る内容です。
キラキラしたジョージアだけ見ていたい人は後半からどうぞ。

ジョージアが嫌いだった理由

1.期待が高すぎた

↑よく見る「ジョージアの美しい町並み」の写真は、実はほんっっっの一部。

長期で旅をする旅行者の間では、結構話題に上ることが多いジョージア。

・とにかく物価が安い
・食事がとても美味しい
・町並みがとても美しい
・人が優しい

など、旅人目線での評判の良さは髄一

・ビジネスを開業しやすい
・ノマドワーカーにも快適な環境
・1年間ビザなしで滞在可能

など、世界中の意識高い系デジタルトラベラーにも大人気の国という一面もあります。

ポルトガルから東方面に旅をしてきたのぶよは、反対方向(アジア→ヨーロッパ)で旅をする旅行者に出会う機会が多くありました。

定番の「どこの国が良かった?」という質問をすると十中八九返ってくる答えがジョージア」。
10人中8人くらいはこの国の名前を挙げるほど、旅人界での評判が良かったのです。

そんなに「ジョージア良いよ~」と口を揃えて言われると、自然と期待値が上がるもの。
ジョージアに関して何の知識もなかったのぶよでしたが、勝手にコーカサス山脈のふもとの楽園のような場所を想像して、とてもとても楽しみにしていました。

トルコのトラブゾンから国境を越え、黒海沿岸のバトゥミというジョージア領の町に入ったのですが、中心街でミニバスを降りた時の気持ちは今でも鮮烈に思い出せます。

え、これがジョージア?

ボコボコの歩道に旧ソ連風の集合住宅が建ち並び、路上生活者らしき人が数十メートル置きに座っている間を野犬が闊歩する薄暗い通りは、お世辞にも「コーカサス山脈のふもとの楽園」ではありませんでした。

事前にチェックしていた、ジョージアに関して書かれたブログやSNSのキラキラ情報とは全く違う、世紀末のような町並みと雰囲気で、この国の第一印象は決定づけられてしまったのです。
(のぶよのバトゥミの町に対する第一印象は、モルドバの首都・キシナウをさらに陰鬱にした感じでした(笑))

↑参考画像:モルドバの首都・キシナウ。のぶよは結構好きでした。

ジョージアからしたら、「そんなのお前が勝手に抱いていたイメージやんけ!知ったこっちゃないわ。」となるでしょう。
しかしながら、この時ののぶよの心は完全に裏切られた気分でいっぱいだったのです(笑)

打ちひしがれていたこの時期に、バトゥミの見どころを頑張って解説した記事はこちら。

2.トルコからの落差がすごすぎた

トルコとジョージアは隣同士で国境を接する国。
しかしながら、この二つの国の文化や習慣、社会システムなどは180°異なります。

滞在可能期間である3か月間丸々滞在するほどにトルコに魅了されたのぶよは、完全にトルコ沼にはまっていました。

コミュニケーションお化けなトルコ人は、年齢・性別関係なく、皆とてもフレンドリーで温かな人ばかり。
活気のある市場に行けば、ウザいほどの絡みで物を売ろうとしますし、レストランに行けば珍しがられてウザいほどに絡まれる国です(笑)

トルコで感じたカルチャーショックをまとめています。

そんなディープで温かみ&そこはかとないウザさ溢れるトルコ感に慣れきっていた状態でジョージアにやってくると、何もかも物足りなく感じてしまいがち。
旧ソ連ということもあり、街の雰囲気や人々の感じが、トルコに比べるとかなり閉鎖的で冷たく思えてしまうのです。

・トルコ料理に比べるとバラエティーが少なめで味が濃いジョージア料理
・ 旧共産圏あるあるな、やる気ゼロの市場や商店の人達
・外国人をいぶかしむような人々の視線

旧共産圏は初めてではないので(むしろ積極的に旅してきた)、特にジョージアだけ突出して雰囲気が悪いということではないのですが、3ヶ月間滞在したトルコが「陽」だとしたら、ジョージアは完全に「陰」

トルコがとても良かった分、余計にジョージアが微妙に感じてしまったのかもしれません。

3.人の第一印象&時期が悪かった

↑バトゥミの市場の陰鬱とした雰囲気と人々の視線は今でも鮮明に思い出せます。

トルコからの落差の話に関連しますが、ジョージア人に対する第一印象は必ずしも良いものではありませんでした。

陰鬱さ100%な雰囲気のバトゥミの市場に行くと、やる気のかけらもない店の人たちの訝しげな視線を一気に集めますし、レストランに入ってもなんとなく冷たい対応の人が多かったのです。
(もちろん良い人もいましたが)

数か月前にジョージアに滞在していた旅人たちは皆「ジョージアは本当に人が良かった」と言っていたのに、実際来てみたらそんなこと全然感じられません。
一体この短期間に何が変わってしまったの?」と、とても不思議に思っていました。

今考えると、こうした人々の冷たい感じの態度にはある原因があったのでしょう。

この時は2020年の1月末。
そう、コロナウイルスが中国で蔓延しているというニュースが世界中を駆け巡っていた時期です。

この時点では、ヨーロッパで感染者が数人出たかどうかというくらいの時で、誰もが「アジアで未知のウイルスが流行しているらしい」と対岸の火事くらいに考えていたとき。

日本人だろうと中国人だろうとタイ人だろうと関係ありません。
アジア人=ウイルスの国から来た人」という偏見がジワジワと広がっていたのです。

ジョージアの人が差別的だと言っているわけではありません。
こうした偏見は、むしろ西欧の「先進国」でも多く見られたそうですから。

ただ、時期的にジョージアの人々がアジア人を警戒していたであろうことは事実。
ジョージア人の第一印象がが何となく冷たくて嫌な感じがして、訝しがられているように思えたのは、タイミングが悪かったとしか言えません。

このやさぐれた気持ちの時に書いた記事がこちら。かなり尖っています(笑)

ジョージアが好きになった理由、それは「人」だった。

というわけで、ここまではジョージアの悪口を書き連ねてきました(笑)

今こうして思い返してみると、ジョージア自体が自分に合わないというよりも、自分が勝手に抱いていた期待の大きさや旅のルート、タイミングなど、自分自身の心構えが原因で好きになれなかったのかもしれません。

ジョージアに滞在して3ヶ月が経った現在では、この国の素晴らしさを実感している毎日

それは、観光地や自然が素晴らしいというよりも、この国で暮らす人々によるものでした。

ここからは、第一印象から180°変わってジョージアが好きになった理由を考えていきます。

1.人々の我慢強さ

ジョージア人はとにかく我慢強い人が多いと思います。

コロナウイルスの蔓延を防止するために、さまざまな対応策がとられているジョージア。

・商店への入店人数制限
・公共交通機関の停止
・夜間の外出禁止

など多岐に渡りますが、みんなちゃんと守っている印象。

一度に店内などの閉鎖空間に入れる人の数が限られているため、店の外には待つ人が集まります。

列を作る文化こそなく、みんな距離を保ちながら適当な場所で待っているのですが、ちゃんと順番を守る人ばかり。
割り込みは一切ありませんし、待たされて文句を言う人もいません。

また、欧米や日本で報じられたような食料品やトイレットペーパーの買い占めも一切なく、パニックになることもありませんでした。

滞在している家のオーナー曰く「みんなソ連時代の配給制を経験しているからね」とのことですが、あながち間違っていないのかもしれません。

2.人の温かさ

ジョージアが嫌いだった理由の項で、「人が冷たい」と書きましたが、それはあくまでもコロナウイルスに対する警戒心や恐怖心がもたらした一面でしかなかったのでしょう。

ジョージアの人々は、とても温かい人ばかりです。

お隣のトルコのような人懐っこさやフレンドリーさこそないものの、毎日顔を合わせるうちに自然と話しかけてくれたり笑顔を見せてくれたりすることが多くなります。

のぶよが滞在しているアパートの一階には、野菜を路上販売しているおじさんがいるのですが、その人の第一印象も決して良いものではありませんでした。

気難しそうな感じのいがぐり頭のおじさんは、ずっとビールを飲みながら野菜を売っているというジョージア人を絵にかいたような人です(笑)

初めこそ、ジョージア語が全く分からないのぶよにぶっきらぼうに野菜を売っていたおじさんですが、こちらがジョージア語の野菜の名前などを言えるようになってくると、だんだんと笑顔を見せてくれるように。
今では会うたびに挨拶しますし、ジョージア語で話しかけてきては一人で豪快に笑っています。(もちろん何を言っているのかは謎)

近所の商店のおばさんたちも、初めこそ例の訝しむ視線でいっぱいだったのですが、何回も顔を合わせるうちに笑顔になってくれました。

3.こんな状況でも楽しむことを忘れない

のぶよがジョージア人に関してすごいと感じるのは、こんな先が見えない状況でもみんな日々の生活を楽しんでいるように見える点。

実は若者たちの間では、「パーティーの国」と言われるほどに、ジョージア人はお祭りごとやイベントが大好きな国民性で有名だそうです。

家族や友人同士で集まって、怪しげなジョージア音楽をかけながらワインやビールを飲みまくるのが、老若男女問わず大好きなジョージア人。
自宅の庭やバルコニーに椅子とテーブルを持ってきて、楽しそうに過ごしている人たちの姿は、のぶよのアパートのテラスからも見ることができます。

昼間の外出制限はないため、暖かな陽気の下でビール片手に過ごすおじさんたちもなんだか楽しそう。

他人との距離や外出時間などのルールは守りつつ、日々の生活を最大限に楽しもうとするバイタリティーあふれる人々の姿には勇気をもらえますし、こちらの気分まで明るくしてくれます。

おわりに:ジョージアが教えてくれたこと

↑ジョージアといえば山の絶景。ああ、行きたい…。

のぶよは、まだちゃんとジョージアという国を見られてはいません。

訪れたのもバトゥミとトビリシの二都市のみですし、ジョージア最大の魅力であるコーカサス山脈の大自然の風景も未だ見られていません。
コロナウイルスの影響でレストランは営業していないため、ジョージア料理を食べたのも10回ほどと少ないですし、現地の人々との触れ合いもまだまだ十分とは言えません。

しかしながら、ジョージアという国は、旅する上でとても大切なことを思い出させてくれました。
それは、ある国の一部分だけを見て好きか嫌いか判断することの愚かさ

のぶよのように、第一印象が良くなかったからと言って、その国が絶対に自分には合わないと頭から決めつけるのはもったいないです。
反対に、トビリシ中心街のほんの一部分でしかない綺麗な町並みや、外国人しか行かないようなおしゃれな店だけを切り取って、盲目的に褒めたたえるのも違うと思います。

この世界に完璧な国などありません
どんなにその国の文化や風景が好きでも、受け入れられない部分は絶対に出てくるものです。

その「好き」と「嫌い」の割合こそが、ある国を好きになるかどうかの境目ですし、捉え方は人によってそれぞれ異なります。

一度「自分に合わない」と感じてしまうと、その国に対する見方がずるずるとネガティブ方向に引っ張られてしまうもの。

何も知らない状態での第一印象なんて当てになりませんし、出会った人やそれまで自分が経験したこと、タイミング等によって変わってくるものなので、できる限り心を広く持ってニュートラルな視点を持つようにしたいものですね。

これからもっともっとこの国を知りたい気持ちでいっぱい。
良いことも悪いことも包み隠さず、この小国の魅力を再び発信できる日が戻ってくることを心から祈っています。

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