こんにちは!ブルガリアをのんびりと旅している、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ブルガリア東部、黒海に面したブルガス(Burgas)は、周辺の黒海リゾートへの入口となる町。
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町自体には大した見どころはありませんが、ソゾポル(Sozopol)やネセバル(Nessebar)など周辺のリゾート地へのアクセス拠点として、夏場は多くの旅行者で賑わいます。
そんなブルガスにある隠れた穴場スポットが、塩田を利用したスパであるソルニツィ(Solnitsi) ▼
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一面ピンク色の絶景が広がるソルニツィ。
地球上の風景とはかけ離れたように見えるこの場所では、なんと泳ぐことができるんです!
そして見逃せないのが、黒海の天然の泥を使ったミネラルたっぷりの泥パック。
ソルニツィを後にするときには、スベスベになった肌に驚くこと間違いありません。(実体験)
今回の記事では、健康にも美容にも絶大な効果があるという「泥温泉」ソルニツィを中心に、ブルガスの観光情報を解説していきます。
ブルガス市内の観光スポット
泥温泉「ソルニツィ」
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ブルガス中心街から北に4kmほどの所に位置するのが、観光ハイライトとなるソルニツィ。
ソルニツィとはブルガリア語で「塩田」のこと。
東に黒海、西にアタナソフスコ湖(Atanasovsko Ezero)に挟まれた半島のようなこのエリアでは、黒海の海水を利用して塩田が作られ、塩の生産が行われています。
その一部を天然のスパとして一般に開放したのが、泥温泉・ソルニツィの始まり。
ソルニツィは、大きく分けて二つのエリアに分かれています。
・ライ(lye):アルカリ性のピンク色の塩湖
・泥温泉:黒海の天然の泥を体に塗るエリア
この二つのエリアを数回行き来し、ラストは目と鼻の先の黒海で体の泥を洗い流して終了!
そんなダイナミックなスパこそが、ソルニツァの泥温泉の楽しみ方です。
絶対沈まない!一面ピンクの塩湖で浮遊体験
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まるでこの世の景色とは思えない、ピンク色の水が一面に広がるライ(lye)。
塩田で特に塩分が高くなると、高度塩好菌というバクテリアの一種(人体には無害)が発生し、水を鮮やかなピンク色にする化学反応を起こすことで、このような風景が見られるのだとか。
ソディウム、マグネシウム、硫黄…など豊富なミネラルを含むライは強アルカリ性。
肌の余分な角質を落として、スベスベにする効果があるそうです。
また、塩による殺菌効果にも注目。
あらゆる肌の疾患や、果ては内臓の不調にまで効果があるのだとか。
とにかく、このピンクの水は魔法の水なんです。
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普通は塩田に入ることなどできないのですが、それができるのがブルガリア。
びっくりなのは、そのピンク色だけではありません。
ライの塩分濃度はものすごく高いため、体が自然と浮かぶんです。
その浮力は凄まじく、普通に泳ごうとしても上手くいきません。
バタ足をしても上手く水が蹴れず、前に進めないほど。
イスラエルとヨルダンの間にある死海と同じ原理なのですが、あちらは普通の水の色。
ピンク色の水の中でぷかぷか浮かぶ異世界すぎる体験は、世界広しと言えどもおそらくここでしかできないのではないでしょうか。
もはやバイオハザードの世界!泥温泉
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ピンクの湖ですでに大満足なのですが、ソルニツィのすごいところはここから。
ライで余分な角質や皮脂を落としてツルツルになった肌に、黒海産の天然の泥を塗りたくる泥温泉が待ち受けているのです。
海藻や貝殻、魚の死骸により長い時間をかけて作られた黒海の泥。
豊富なミネラルを含む泥は「ヒーリング・マッド(治癒の泥)」と呼ばれるほど、あらゆる疾患に効果があるそう。
そんなヒーリング・マッドはびっくりするくらいに真っ黒。
それをみんな一心不乱に体中に塗るのですから…
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わかりますか?
もはやバイオハザードの世界です(笑)
しかもこの泥温泉、何の仕切りもないので外から丸見え。
時々ソルニツァの入口にやってきては、写真だけ撮って去って行く団体観光客の注目の的となります(笑)
最初はなんだか恥ずかしく感じていたのぶよですが、旅の恥は掻き捨て。
せっかくここまで来たので挑戦することに。
あくまでも自然のままの泥。
木の枝や小石などの不純物が時々混ざっているのは良しとしましょう。
この夏かなり日焼けしたので、少しはお肌をいたわってあげられたでしょうか。
全身に泥を塗った後は、それが乾くまで天日干しをします。
ありがたいミネラルが皮膚を通して染み込んでいくような感覚。
そう、あくまでも気持ちの問題なのです。
体に塗った泥がカピカピになるまで乾いたら、ソルニツィの敷地外(徒歩30秒)にある黒海で洗い流します。
シャワーなんてものはありません。
あくまでも自然から始まり自然に終わります。
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全身の泥を綺麗に落とすと、肌がびっくりするほどツルンツルンに。
「温泉に入ってしっとり」なんてレベルではなく、ツルツルすぎて物がつかめないほど(まじで)。
弊害としては、スマートフォンの画面(イオン分子に反応する)が、肌についた塩分のせいで操作不可能になることと、体中からそこはかとない塩の香りが漂うことでしょうか。
なんだか体が軽くなった気もします。
…そう、すべては気持ちの問題です。
というわけで、視覚的にも体験的にも大満足な泥温泉・ソルニツィの実体験でした。
ブルガス中心街~ソルニツィへの行き方
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ソルニツィは、ブルガス中心街から北に4kmほど離れた場所に位置しています。
決して歩けない距離ではないものの、往復徒歩となると結構な距離を歩くこととなります。
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公共交通機関利用の場合は、ブルガスの鉄道駅前の路線バス乗り場から、11番か12番の路線バスがソルニツィ入口となる公園前へと向かいます。
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11番/12番バスが停車する公園内のパーキングからソルニツィまでは2kmほど。
海沿いの気持ち良い遊歩道をのんびり歩いてもいいですし、夏季限定で運行されているツーリストトレイン(観光地によくある、ゴルフカートを改造したもの)に乗って、ソルニツィまで楽々アクセスすることもできます。
ツーリストトレインは夏季の9時~18時の間、15分間隔で運転されているそうです。
のぶよが訪れた9月後半は、もう夏季ではなかったためか運行されていませんでした。
ブルガス市内のその他の見どころ
灰色:ソルニツィ入口11番/12番バス停留所&ソルニツィ行きツーリストトレイン乗り場
紫:ホステル
青:ソルニツィ
緑:その他の市内観光スポット
ブルガス中心街には、特にめぼしい観光スポットはありません。
小綺麗な建物が並ぶ中心街や、ビーチ沿いのプロムナードを散策するなど、黒海のリゾート地らしい雰囲気を楽しみましょう。
アレクサンドロフスカ通り
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ブルガス鉄道駅から北にのびるのが、歩行者専用のアレクサンドロフスカ通り(ul Alexandrovska)。
どちらかというと銀行や地元の人向けのお店が多く見られる、ブルガスのメインストリートです。
アレコ・ボゴリディ通り
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鉄道駅から北にのびるアレクサンドロフスカ通りを300mほど歩くと、東側のビーチエリアへと抜けるアレコ・ボゴリディ通り(bl. Aleko Bogoridi)があります。
洗練された建物が並び、リゾート客向けのお洒落レストランやカフェが連なる光景…
ブルガスのリゾート地としての一面が感じられる通りです。
アレコ・ボゴリディ通りは黒海沿岸まで続き、見渡す限りに広がる海の風景には、きっと感動するはず ▼
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黒海沿岸は風が強い日が多く、遊泳禁止になることもしばしば。(のぶよが滞在していたときもそうだった)
そんな時は、黒海沿岸に整備された公園を散策してみましょう。
押し寄せる波の音とカモメの鳴き声…
シーサイドリゾートの雰囲気を存分に感じられるはず!
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ブルガス発のビール・ブルガスコをその辺の商店で購入して、海沿いで一杯やるのもおすすめ。
潮風を感じながらご当地ビールを飲む幸せ…
「はるばる遠くまで来たなあ」と実感する瞬間です。
ブルガス郊外の見どころ
ソルニツィ以外は、これといった観光スポットに乏しいブルガス。
しかしながら、周辺にはブルガスから日帰りでアクセス可能な観光スポットが点在しており、この町に数日間のんびり滞在すべき理由となっています。
ソゾポル
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ブルガスの南30kmほど。
黒海に突き出した半島に位置するソゾポル(Sozopol)は、紀元前から続く長い歴史を持つ可愛らしい町です。
木造の家が並ぶ石畳の路地を散策したり、透き通るような水の色の黒海ビーチでのんびりすごしたり…楽しみ方はいろいろ。
ブルガスから40分ほどでアクセスでき、半日でも十分満喫できる点も◎
ブルガス市内観光と組み合わせるのもおすすめです!
ネセバル
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ブルガスから北に30kmほど。
世界遺産の町・ネセバル(Nessebar)は、小さな半島に伝統的な家々が建ち並ぶ美しい町です。
旧市街には教会がいくつも建ち並んでいて、最古のものは5世紀建造という歴史あるもの。
古代ローマ時代から続く長い歴史を持つネセバルですが、ブルガリア人の間ではビーチリゾートとしても大人気。
町のすぐ北には、後述するサニービーチが広がります。
サニービーチ(Sunny Beach)
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ネセバルの北に広がる広大な砂浜は、「サニービーチ」と呼ばれる、ブルガリアが誇る一大リゾートエリア。
夏場はブルガリア国内はもちろん、ロシアやドイツからのリゾート客で大混雑します。
ちょっと浮かれすぎたリゾート地感は否めないものの、少し時期を外すと落ち着いた雰囲気となり、ホテル代もグッと下がるので狙い目。
ネセバルとセットでブルガスから日帰り可能なので、一日で町並み観光とビーチのどちらも味わいたい人にはおすすめです!
ブルガスのホステル情報
【A16 Hostel】
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・料金:18Lv(=¥1083)
・部屋:10ベッドドミトリー
・立地:10/10
鉄道駅/南バスステーションから徒歩1分、歩行者天国のメインストリートに面した超便利なホステルです。
大型スーパーも徒歩5分以内にあるので、ちょっとした買い物にも便利です。
・アクセス:6/10
建物には看板が出ていてわかりやすいのですが、入口の鍵は閉まっており、コードを入力するかいちいち受付を呼び出さなければいけないシステム。
また、建物の五階に位置しているので、いちいち上ったり下りたりするのが面倒でした。
(エレベーターはあります)
・スタッフ:6/10
若いスタッフが交代シフトで働いています。
一人はとても愛想のいいお兄さんでしたが、他の女性スタッフは何となく微妙な。
観光スポットの案内等もなく、「自由に地図持って行って」といった感じです。
・清潔さ:9/10
部屋、バスルーム、共用エリアともにとても清潔です。
各ベッドにはカーテン、ライト、電源コンセントが完備されていたのも嬉しいポイント。
一人一人にロッカーもありました。
・設備:8/10
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上の階は屋根裏を改装した広い共用エリア兼キッチンとなっており、ソファーも設置されているのでのんびりとすることができます。
キッチンもゆったりとしており、調理器具も完備。
個人的には、タバコが吸えるテラスなどがなくいちいち下の階に下りなければいけないのがマイナスでした。
・wi-fi:6/10
wi-fiに関しては少々不満。
というのも、繋がってはいるるのにどうもうまく動かない状態にしばしばなるためです。
共用エリアでは電波が弱いことが多いのもマイナスでした。
・雰囲気:7/10
広々としており、快適な滞在ができます。
ただ、こういったモダンな設備のホステルは概してあまりコミュニケーションをとろうとしない人が多く、このホステルも例外ではありませんでした。
せっかくいい雰囲気の共用エリアがあるのに、みんな無言で自分の世界に入っている感じはもったいないなと感じました。
総合:7.4/10
ロケーション、快適さ、清潔さには文句ありません。
wi-fiだけ改善してくれれば、かなりおすすめできるホステルです。
しかしながら、アットホームで小さめの、ちょっと小汚いくらいのホステルが好みののぶよにとっては、いちいち入口のドアを開けるのにコードを入力したり旅行者同士のコミュニケーションが少なめなのは微妙に感じました。
ただ泊まるだけと割り切るなら、かなりコストパフォーマンスの高いホステルだと思います。
【ブルガスの宿をさがす!】
ブルガスのバスステーション/市内交通
ブルガスの二つのバスステーション
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他のブルガリアの都市同様、ブルガスにも二つのバスステーションがあって、旅行者にとってはやや複雑。
ほとんどの場合は、鉄道駅に隣接するユーグ(南)バスステーションを利用することとなるので、そこまで難しく考えることはありません。
ここでは、ブルガスの二つのバスステーション情報と、市内移動に便利な路線バスを紹介します。
①ユーグ(南)バスステーション
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ブルガス鉄道駅に隣接したモダンな建物のユーグ(南)バスステーションは、ブルガスのメインバスステーション的な存在。
・ブルガリア中部・西部:ソフィア / プロブディフ
・黒海沿岸:ヴァルナ / ソゾポル /ネセバル
・国際バス:イスタンブール
②ザパト(西)バスステーション
ブルガス中心街の西側に位置するザパト(西)バスステーションは、南バスステーション/鉄道駅からは1.5kmほど離れています。
ヴェリコ・タルノヴォへ向かうバスはここからの発着となります。
・ブルガリア中部:ヴェリコ・タルノヴォ
旅行者に便利!ブルガス市内路線バス11番/12番
ブルガスの中心街とビーチエリアは、徒歩でも十分にまわることができます。
しかしながら、
・南バスステーション~西バスステーションの移動
・中心街‘~ソルニツァ
などやや距離がある場所へのアクセスには、市内を走る路線バスの利用も便利。
ブルガス市内路線バスで旅行者が利用する路線は、11番か12番のたった二つだけ。
いずれも、ザパト(西)バスステーション~ユーグ(南)バスステーション~ソルニツァ入口と走り、料金は市内ならどこまででも均一で1.50Lv(=¥91)。
この二路線だけで、ブルガス観光&他都市への移動に必要な場所の全てにアクセスすることができます!
ブルガスと他都市間の移動
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黒海沿岸のブルガスは、ブルガリアの他都市とは少々距離が離れているため、移動に時間がかかりがち。
首都のソフィアとの間なら夜行バスや夜行列車が走っているので、上手く利用することで宿泊費を節約することも可能です。
それ以外の町とのアクセスもバスの便数は比較的多いので、あまり不便を感じる古都はないでしょう。
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ブルガリアの首都・ソフィア~ブルガス間は、距離が長いので所要時間はかかりますが、バス、鉄道のいずれも利用することができます。
【バス】
ブグラスのユーグ(南)バスステーションとソフィアのセントラル・バスステーション間を1日6~10本のバスが走っています。
【鉄道】
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ブルガリア第二の都市・プロブディフとブルガス間は、バス・鉄道のいずれでもアクセス可能です。
【バス】
ブルガスのユーグ(南)バスステーション~プロブディフのセヴェル(北)バスステーション間を、1日7本のバスが走っています。
【鉄道】
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黒海沿い北に位置する港湾都市ヴァルナは、ブルガスのライバルと言われるビーチシティー。
ブルガスのユーグ(南)バスステーションとヴァルナ間を、30分~40分に1本のバスが走っています。
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かつてのブルガリア王国の首都・ヴェリコ・タルノヴォは、ブルガリア中部に位置する美しい町。
ブルガスのザパト(西)バスステーションとヴェリコ・タルノヴォ間を、1日4本のバスが走っています。
バラ祭りで有名なカザンラク(Kazanluk)とブルガス間の移動は鉄道が便利。
1日2本の列車が走っています。
お隣トルコの首都・イスタンブールは、ブルガスから国境を越えてすぐそば。
ソフィアかプロブディフのいずれかの町~イスタンブール間を鉄道orバスで移動するのが旅行者にとっての定番ですが、ブルガスからもイスタンブール行きのバスが発着しています。
ブルガスのユーグ(南)バスステーションからイスタンブール中心街西側のオトガル(バスステーション)間を1日5便のバスが走っており、夜行便もあるので便利。
チケットは、当日でもバスステーション内のチケットオフィスで購入できますよ!
おわりに
あまり知名度が高くないブルガスですが、すぐそばに海があってゆったりとした雰囲気は素敵。
観光ハイライトとなるソルニツィの「泳げる絶景」は必見ですし、周辺に点在するスポットへのアクセス拠点としても便利です。
町の規模も大きすぎず、物価もそこまで高くない点も◎
潮風を感じながらのんびりと滞在するにはぴったりだと思います!
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