キリル文字発祥の地!まるで兄弟なブルガリア語とマケドニア語の微妙な関係【旅行で使える表現】

キリル文字発祥の地!まるで兄弟なブルガリア語とマケドニア語の微妙な関係【旅行で使える表現】

こんにちは!ブルガリアに滞在して1ヶ月が経った、世界半周中ののぶよです。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

ブルガリアと北マケドニアの公用語は、それぞれブルガリア語マケドニア語です。

スラブ語族のうち南スラブ語派に分類されるこれら二つの言語は、歴史的にかなり密接なつながりがあり、まるで兄弟のように似ています。

いずれもキリル文字で表記され、共通の単語やフレーズもかなり多く存在する両言語。
発音が少し異なるだけで方言程度の差しかない」と言われることもあるほどです。
(特にブルガリア人には、「マケドニア語?そんなものは無い!」というスタンスの人も多いです。)

また、ブルガリアはキリル文字発祥の地と言われており、スラブ系の国の中でも最も早い段階で読み書きが行われたのがブルガリアと北マケドニアなのです。

今回の記事では、ブルガリアに1ヶ月、北マケドニアに2週間滞在したのぶよが毎日のように使ったブルガリア語&マケドニア語のフレーズを紹介していきます。

記事後半では、これら二つの言語を使う両国の微妙すぎる関係性や英語の通用度、他のスラブ系言語との関係を解説しています。

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ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現1:こんにちは

ブルガリア語:ズドラースチ(Здрасти)
マケドニア語:ズドラーヴォ(Здраво)

まずは基本中の基本、あいさつから。

日本語のように「おはよう」「こんばんは」など時間帯によって使い分ける表現もありますが、いちいち覚えるのも大変。

上で紹介した「ズドラースチ/ズドラーヴォ」は、一日中使えるとても便利な表現です。

少々フレンドリーな表現ではあるものの、みんなお店に入る際や声をかける際にはこの表現をよく使っているのを耳にしました。

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現2:ありがとう

ブルガリア語:ブラゴダリャ(Благодаря)
マケドニア語:ブラゴダラム(Благодарам)

続いては、お礼を言うときの表現。

ブルガリア語、マケドニア語ともにとても似ていますね。

ブルガリア人曰く、「ブラゴダリャ」は文法的に「甘いもの(幸運)をあなたに」という意味だそう。
なんだか可愛らしいじゃありませんか。

マケドニア語に関しては定かではないものの、おそらく同じような意味だと思います。

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現3:はい/いいえ

ブルガリア語:ダ / ニェ(Да/Не)
マケドニア語:ダ / ニェ(Да/Не)

ブルガリア語、マケドニア語だけでなく、ほとんどのスラブ系言語で共通の「はい/いいえ」。

これを覚えておけば、他のスラブ系言語の国へ行っても応用が利きます。

気を付けたいのは、ブルガリア人は「はい」という際に首を横に振り、「いいえ」と言う際に首を縦に振る点。
旅行者にとってはかなり紛らわしいです。

北マケドニアではこの習慣は見られないのも面白い点です。

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現4:ください/お願いします

ブルガリア語:モーリャ(Моля)
マケドニア語:モーラム(Молам)

買い物やレストランでの注文の際にとても便利な「~をください」の表現。

欲しいものを指さしながら「モーリャ / モーラム」と言えばあら不思議。
異国の地でも問題なくお買い物ができてしまいます。

応用としては、欲しいものの数をつけて、

「エディン(един) ~、モーリャ」(~を一つください)
「トリ(три) ~、モーラム」 (~を三つください)

などと、ちょっとした会話をすることもできます。

ちなみに、スラブ語圏での数の言い方は、発音が少しずつ異なるだけでほぼ共通
中欧や東欧を旅行するなら、覚えておくとかなり便利ですよ。

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現5:~してもいいですか?

ブルガリア語:モージュナ?(Можно?)
マケドニア語:モージュナ?(Можно?)

ブルガリア語とマケドニア語のみならず、スラブ語圏ならどこでも使える「モージュナ?」。

「座ってもいいですか?」や「入ってもいいですか?」など許可を求める際や、「食事できますか?」など可能かどうか尋ねる際の表現です。

「モージュナ?」と言いながら食べる真似をすれば「食べてもいいですか?/食べられますか?」、座席を指さしながら言えば、「座ってもいいですか?」の意味に早変わりする魔法の表現です。

返答としては

「モージュナ。」(いいですよ/できますよ)
「ネ。」(いいえ/できません)

となります。

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現6:いくらですか?

ブルガリア語:コルコ?(Колко?)
マケドニア語:コルク?(Колку?)

値段を尋ねる表現は、どこへ行っても役に立ちます。

ブルガリア語もマケドニア語も似通っているので、簡単に覚えることができます。

返答はもちろん数字で返されるので、やっぱり数字は覚えておいたほうが便利です。
もしくは、紙に書いてもらうのもアリ。

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現7:何ですか?

ブルガリア語:カクヴォ?(Какво?)
マケドニア語:シュトー?(Што?)

ブルガリア語とマケドニア語で唯一異なるのが、「何?」と尋ねる際の表現。

ある物がなんなのか知りたい際に、指をさしながら「カクヴォ?シュトー?」と言えば、それが何なのか教えてもらえます。

しかしながら、ほとんどの場合は教えてもらったところでその単語がわからないことでしょう。
最終的にモノを言うのは、ボディーランゲージです

北マケドニアのローカルレストランで、メニュー内の料理が何の肉なのかわからず「シュトー?」と尋ねて教えてもらったものの、その単語がわかりませんでした。

ボディーアクションで鶏の真似をしたり豚の真似をしたものの違うとのことで、羊の真似(「ベェー」と言いながら耳元でくるくるする動作(羊の角))をしたところ、「ダー!(はい!)」と言われたので、注文しました。

そしてやってきたのは、なんとウサギ肉

一体どう理解したらそうなるのでしょうか(笑)

こんなことも、旅の良き思い出となるかもしれません。

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現8:どこですか?

ブルガリア語:カゥデェ?(Къде?)
マケドニア語:カデ?(Каде?)

旅行中には場所を尋ねる機会も多いです。

ブルガリア語もマケドニア語も、母音の発音が異なるだけでほぼ同じ表現で「どこですか?」と尋ねることができます。
(ブルガリア語独自の”ъ“は、「ア」と「ウ」の中間のような音)

返答はもちろん現地語ですが、ボディーランゲージでなんとかわかります。

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現9:すみません

ブルガリア語:イズヴィネテ(Извинете)
マケドニア語:イズヴィネテ(Извинете)

ブルガリア語とマケドニア語で全く同じである「すみません」。

「イズヴィネテ」は謝る際ではなく、道をあけてほしい時や知らない人に話しかける際に使います

ブルガリアも北マケドニアも、体格が良くノロノロ歩く人が多いので、結構な頻度で使用する表現です(笑)

ブルガリア語&マケドニア語の旅行表現10:乾杯!

ブルガリア語:ナズドラヴェ(наздраве!)
マケドニア語:ナズドラヴィエ(Наздравје! )

最後は全世界共通のコミュニケーション手段である「乾杯!」にあたる表現。

両言語でほぼ共通なのですが、マケドニア語ではセルビア語の影響か拗音(ヤ、ユ、ヨ)を表す”j”の音が最後に入ります。
(ブルガリア語では”j”は存在せず、ブルガリア人はマケドニア語に対して「ラテン文字の影響を受けやがって」と優越感を抱いています。)

少々複雑な関係であるブルガリアと北マケドニアですが、「ナズドラヴェ/ナズドラヴィエ」と言えばみんな笑顔に。

名産のラキア(ブドウの蒸留酒)やワイン、格安のビール片手に、Let’s ナズドラヴェ/ナズドラヴィエ!

似ているけど気持ちは複雑?ブルガリア語とマケドニア語

紹介した表現を見ても分かるように、ブルガリア語とマケドニア語はとても似ています。

単語だけでなく文法もほとんど同じなので、お互いに自分の言語で話しても問題なく通じ合えるそう。

しかしながら、このそっくりな二つの言語に対する態度には、それぞれの国で温度差があります。

ブルガリアでは、「マケドニア語?ブルガリア語の方言みたいなものでしょ(笑)と考える人がかなり多いそう。

というのも、現在北マケドニアとして独立している国は、歴史的に何度もブルガリアの領土となった地域。

オスマン帝国からいち早く独立したブルガリアは、第一次世界大戦ではマケドニア地域への領土拡大を夢見てドイツと組んだものの、呆気なく降伏します。

マケドニア地域はギリシャやユーゴスラビアを加えた三国による分割ということになり、降伏したブルガリアが得たのはマケドニア東部の小さな地域(現在のブルガリア南西部・ピリン地方)だけでした。

こうしてマケドニアを支配する夢は潰えてしまったものの、「民族的にもスラブ系で言語的にも共通点が多いマケドニアはブルガリアのもの」という意識は根強く、ブルガリア語と線引きをしようとするマケドニア語に対する反応は冷やかです。

一方のマケドニアでは、マケドニア語はブルガリア語とは異なる一つの言語である」といった考えが定着しています。

2000年以上前のアレキサンダー大王時代の栄光を現在でも誇りに感じている小国・北マケドニア。

↑かつての大マケドニア王国を表した石碑。

実はそのアレキサンダー大王はギリシャ人だったという事実や、民族的にはマケドニア人はブルガリア人と全く同一という事実など、いまいち独自性にかけていることは否めません。

ひたすら影が薄くて観光客もほとんど素通りしていくこの国では、「マケドニア語はマケドニア独自のもの」と誇りに思うしか、民族的自我を保つ術がないというのが本音なのかもしれません。

ブルガリア / 北マケドニアで英語は通じる?

ブルガリアや北マケドニアを旅行する際に気になるのが、英語が通じるかという点。

ブルガリアでは、比較的英語が通じます

特に近年海外からの旅行者が増えているソフィアや、かねてから多くの旅人が行き来してきた歴史をもつプロヴディフなどの大都市では、かなり流暢な英語を話す人に出会うことも少なくありません。

しかしながら、ブルガリア人の英語はかなり訛りが強く、何を言っているのかわからないこともしばしば。
できる限り簡単な英語でゆっくり話すとコミュニケーションが取りやすいかもしれません。

しかしながら、地方部に行くとびっくりするほど英語の通用度が下がるのは東欧あるある。
都市部でさえ、観光客が来ないエリアの店では全く英語が通じないこともよくあります。

また、ブルガリアのバスステーションやバスの行き先表記は全てがキリル文字

キリル文字のアルファベットが読めないとかなり厄介なので、勉強しておくといいかもしれません。

北マケドニアでは、ブルガリアほどではないものの英語が通じます

首都のスコピエや観光地のオフリドなどでは、問題なくコミュニケーションをとることができるほど。

北マケドニアでもブルガリアと同様、地方部においては英語の通用度はガクッと下がるのでご注意を。

二ヶ国ともキリル文字表記!だけど異なる使用率

東欧やバルカン半島の多くの国で使用されるキリル文字
しかしながら国によってどこまでキリル文字表記をするかは異なってきます。

キリル文字=ロシア語というイメージが強いのですが、実はキリル文字の発祥はブルガリア

13世紀に聖クリメントと聖キリルという人達がスラブ人の言語を文字で表すことができるよう発明したものが紀源です。

そのキリル文字の整備を手助けしたのが、マケドニア人の聖ナウムという人。

そのため、ブルガリアと北マケドニアでは、キリル文字発祥の地としてその表記をかなり大切にしている感があります。

ブルガリアでは、とにかく全てがキリル文字表記
ラテン文字で書かれた看板はかなり少数派ですし、バスステーションなどの表記も全てがキリル文字です。

↑何かと思いきや、某有名ハンバーガーチェーン店の看板(ブルガリア

一方のマケドニアでは、ブルガリアに比べるとラテン文字を目にする機会も比較的多いです。

旅行者が利用する鉄道駅やバスステーションではキリル文字とラテン文字が併記されている場合がほとんどなので、あまり苦労せずに旅することができます。

↑観光地のオフリドでは、特にラテン文字の看板が目立つ

他のスラブ系言語同士でコミュニケーション可能?

スラブ系言語は、ロシア語、ポーランド語、セルビア語など中央〜東欧にかけて多くの国に分布しています。

一括りにスラブ系言語といっても、実際は大きく三つに分かれています。

・東スラブ諸語:ロシア語、ウクライナ語など
・西スラブ諸語:ポーランド語、チェコ語、スロバキア語など
・南スラブ諸語:セルビア語、ブルガリア語など

各言語グループ間では、違う言語同士でもコミュニケーションが成立する場合が多いそうなのですが、違うグループ同士ではほとんどコミュニケーションがとれないそう。

ブルガリアのホステルで出会ったポーランド人は、ブルガリア語がまったくわからないと言っていましたし、モンテネグロで出会ったロシア人もモンテネグロ語はほぼ聞き取れないと言っていました。

では、ブルガリア人やマケドニア人は、同じ南スラブ諸語に属するセルビア語やクロアチア語が理解できるのでしょうか。

答えは”No”だそう。

とは言っても全く理解不能というわけではなく、「ときおり単語が聞き取れて何となく言いたいことは分かるけど、コミュニケーションは成立しないレベル」だそう。

例を挙げれば、日本人が韓国語を聞いて、漢字由来の単語をいくつか聞き取れてもコミュニケーションにはならないのと同じようなことなのでしょう。

おわりに

マイナーにもほどがある、ブルガリア語とマケドニア語。

この記事がいったい誰の役に立つのかとても疑問ではありますが、旅しながら学んだ表現や、それぞれの言語の背景にある文化をシェアしようとこの記事を書くに至りました。

英語で何でも通してしまうのは簡単ですが、せっかく旅するなら現地の言葉を少しでも使ってみたいもの。

拙い現地語でコミュニケーションが成た時にはこちらも嬉しいですし、相手も少し心を開いてくれることでしょう。

ブルガリア語やマケドニア語を少しでも知っておくと、他のスラブ系言語の国を旅する際にも、似たような表現があってとっつきやすいもの。

バルカン半島や東欧、中欧を旅するなら、少しでもその国の言葉やキリル文字の読み方、数字を覚えておくと、驚くほどに旅が快適&楽しくなりますよ。

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