こんにちは!ブルガリアをのんびり旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ソフィア近郊に「ブルガリアで最も小さな村」と公式に認められている場所があることをご存じでしょうか。
それがブルガリア南西部・ピリン地方にあるメルニク(Melnik)。
山の中にひらけた小さな村は、オスマン帝国時代の伝統的な家々と、上質なワインで有名。
ブルガリア人なら知らない人はいないほどです。
そんなメルニクの背後には、「メルニクのピラミッド」と呼ばれる不思議な形をした岩山が連なり、その風景をユニークなものにしています。
今回の記事ではワイン・町並み・大自然…と、小さなエリアに見どころが詰まったメルニクの観光スポットやアクセスを紹介します。
メルニク観光地図
黄色:メルニク/ロジェンバス停
緑:メルニクのピラミッドハイキングコース
青:観光スポット
自然の力に圧倒!メルニクのピラミッドをハイキング
メルニク村の背後にそびえる、いくつもの三角錐状の岩山の数々。
その形から「メルニクのピラミッド」と呼ばれるこの場所は、ピリン国立公園のダイナミックな風景が広がる絶景スポットです。
メルニク村のさらに奥に位置するロジェン(Rozhen)という村からメルニクまでハイキングコースが整備されており、手軽に絶景を楽しむことができます。
山の中の聖地・ロジェン修道院
ミニバスが到着するロジェン村から緩やかな山道を登ること800mほど。
時間にして15分ほどで到着するのが、ロジェン修道院です。
ブルガリア正教の現役の祈りの場であるロジェン修道院は、石造りの建物と木造の回廊が見事に融合したもの。
敷地内の教会では、祈りを捧げる修道僧の姿を見ることができるかもしれません。
歌うように節をつけながら、祈りを捧げる修道僧の姿。
それはまるで、映画の世界に迷い込んでしまったような不思議な光景でした。
教会の壁に残るフレスコ画も含めて必見のスポットです。
360°奇景!メルニクのピラミッドビューポイント
ロジェン修道院から再び緩やかな坂道を1km(20分)ほど登ると、メルニクのピラミッドと呼ばれる奇岩群を一望できるスポットに到着します。
生い茂る木々の上ににょきっと伸びる、三角形の岩。
背後にそびえるピリン山脈の雄大な風景も含めて、ここでしか見られない風景が広がります。
他に観光客は皆無で、とにかく静寂が広がる世界。
異世界感ただようこの風景を、きっといつまでも眺めていたくなることでしょう。
ビューポイントからメルニク村までは、急こう配の坂を下っていきます。
“メルニク方面”と書かれた標識に従って歩いていきましょう。
メルニク村の絶景ポイント
ピラミッドの絶景ポイントからは、2.5kmほどの道のりを下っていくだけ。
時間にして50分ほどで、メルニク村に到着します。
メルニクの観光を始める前にチェックしておきたいのが、ボリャルスカタ城(Bolyarskata Kushta)から眺める村の全景。
ボリャルスカタ城はメルニクを一望する高台の上に建つ廃城で、奇岩群の下に広がる小さなメルニク村を一望できるスポットです。
ここからは、村へと階段を下りていくだけ。
美味しいワインと可愛らしい村の風景を満喫しにいきましょう。
メルニク村を観光
「ブルガリアで最も小さな村」という称号を持つメルニク村は、その名に反することなくかなり小さな村。
端から端まで歩いても10分もかからないほどです。
この小さな村を有名にしているのが、品質の良いメルニクワイン。
ここでしか栽培されていない品種のブドウを用いたワインの多くは、各家庭や各レストランの自家製なのです。
格安で試飲と購入もできるので、ワイン好きにはたまらない場所です!
メルニクの可愛らしい町並みを歩く
到着していきなり飲むのもアレなので(笑)
まずは小さな村を散策してみましょう。
メルニクの家の造りは独特で、オスマン帝国風の石造りと現地の建築様式が混ざったものです。
どこも1階部分が高く作られており、2階部分は外側に張り出しています。
アルバニアの「石の町」・ジロカストラにどこか似ている気がしました。
メルニクの家で独特なのが、1階部分の壁の装飾。
白い漆喰の壁に、いくつもの蛇のような模様が描かれています。
干上がった川を挟んだ通りが、メルニク村の中心街。
「メハネ」と呼ばれる家族経営のレストランや、自家製ワインを販売するスタンドが並びます。
名物ワインに感動!
さて、メルニク村の散策を満喫したら、いよいよお待ちかねのワインを味わう時。
村の至る所に個人経営のワイナリーがあり、ワインカーブの見学や試飲ができる所がほとんどです。
2Lv〜3Lv(=¥122〜¥183)で見学&試飲が可能なので、気になったワイナリーにふらりと入ってみるのもいいでしょう。
短い時間で数種類のワインを試飲したいなら、村の中心にあるワインミュージアムがおすすめ。
ワイン貯蔵庫を改装した小さなミュージアム内には、メルニク地域での伝統的なワインの製造方法や使用される道具などの展示がされています。
展示物に関する説明は全てがブルガリア語表記で、係員もブルガリア語オンリーという超ローカル博物館ですが、なんとなく雰囲気でわかるでしょう(笑)
そしてお楽しみの試飲は、4種類のワインが楽しめるのもポイント。
白、赤、ロゼ、ブレンドと、辛口で香り高いメルニクワインをおつまみ付きで味わうことができます。
のぶよのおすすめは、“Shiroka Melnichka”というメルニク独自の品種を用いたロゼ。
香りがものすごく芳醇で、辛口ながら口当たりの良い独特の風味はここでしか味わえないものです。
太っ腹なワイン博物館では、気に入ったワインはおかわり可能。
もはや試飲の域を超えて、合計7杯飲み干したがめつい日本人は私です(笑)
そしておつまみとして出されるハーブトーストがかなりの絶品でした。
また、ミュージアムという特性上、ワイナリー見学につきものの「お土産にボトル買っていけ」な雰囲気がありません。
さっと来てさっと飲んでいける気軽さも大きな魅力と言えるかもしれません。
メルニクワインが気に入ったなら、自分用やお土産用に買っていくのもアリ。
村の中心部では、そこら辺に自家製ワインを売るスタンドが立っています。
ボトルもありますが、自分で飲む用ならペットボトルのワインがおすすめ。
中身は結局同じですから。
1ℓで4Lv(=¥244)〜という格安料金で購入できます。
ディスプレイされたワインは日光にさらされて質が劣化している場合があります。
購入の際には、冷蔵庫で保存されたものを出してしてもらうようにしましょう。
ランチはメハナ(食堂)で名物料理を!
名物ワインを思う存分楽しんだなら、今度は腹ごしらえの時間。
とても小さなメルニク村ですが、その規模からは考えられないほど多くのメハナ(Mehana)という家族経営の食堂があります。
どこも同じような値段で同じような料金なので、適当なところに入っててみましょう。
多くのメハナでは、ブルガリア伝統の刺繍や工芸品で装飾されたテラスで食事することが可能です。
のぶよの場合は7杯のワインで既にお腹いっぱいだったので(笑)、メルニクがあるピリン地方の地ビールであるピリンスコ(Pirinsko)とスパ・タルトール(Supa Tartor)という冷製ミルクスープで軽いランチを済ませました。
お腹に余裕があるなら、ブルガリア伝統の肉料理や、この地方の郷土料理であるバニツァ(Banitsa)という野菜のパイに挑戦してみるのもいいでしょう。
メルニクへの行き方・アクセス
ブルガリア南東部に位置するメルニクへのアクセスは、ソフィア起点かサンダンスキ起点が基本。
英語はほとんど通じないので、あらかじめアクセス方法を確認しておくことをお勧めします。
ソフィアからメルニクへの行き方
ブルガリアの首都・ソフィアのセントラルバスステーションから、1日1本(14:00発)のバスがメルニクまで走っています。
所要時間:4時間
料金:17Lv(=¥1055)
メルニクからソフィアへ向かうバスも1日1本(6:10発)しかないため、同日中の日帰りは不可能。
メルニクに1泊するか、近郊の温泉保養地・サンダンスキ(Sandanski)へと足をのばしてみてはいかがでしょうか。
サンダンスキからメルニクへの行き方
温泉の町、サンダンスキとメルニクをセットで巡る場合や、ギリシャから国境を越えて来る場合、いちいちソフィアまで行く必要はありません。
サンダンスキのバスステーションから、1日3本のミニバスがメルニクを通り、終点のロジェンまで向かいます。
2019年9月現在のサンダンスキ発ロジェン行き時刻表 (平日・土日共通)
7:40、11:40、15:30
所要時間:45分
料金:3Lv(=¥182)
※メルニクまでは2.5Lv(=¥152)
サンダンスキのバスステーション内には各方面へのバスの時刻表が掲示されています。
全てキリル文字表記なので、難易度はかなり高めです。
のぶよの場合は、朝7:40サンダンスキ発のバスに乗り、メルニクを一旦通り越して終点のロジェンで下車。
↑ロジェン村のバス停。本当に何もありません。
そこからハイキングでメルニクまで行った後で、メルニクの観光を楽しみました。
ハイキングの所要時間は1時間半ほど。
メルニクの観光は、ランチやワイン博物館訪問を含めても3時間ほどで済むので、13時過ぎのバスでサンダンスキに戻ることが十分可能でした。
メルニクからサンダンスキへの戻り方
メルニク(ロジェン)からサンダンスキへ戻るバスは、8:50、13:00、17:10の1日3本です。
いずれもロジェン発の時間なので、メルニクにバスがやってくるのは各時刻の10分後くらいと考えておきましょう。
↑サンダンスキ~メルニク~ロジェン間の時刻表。上段がサンダンスキ発時刻、下段がロジェン発時刻。
おわりに
半日あれば十分満喫できるメルニクとその周辺の観光情報を解説してきました。
絶景を望むハイキング、美味しいワイン、可愛らしい町並み…
と、短い時間でいろいろな楽しみ方ができるのが最大の魅力です。
伝統的な町並みと大自然が作り出した奇岩の風景はとてもフォトジェニック。
まだまだ観光客には有名ではないので、「こんな穴場スポットに行ってきた!」と自慢できること間違いありません。
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