こんにちは!トルコに3ヶ月滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ヨーロッパでもアジアでも中東でもない。
東西の文化がミックスした不思議な魅力を持つトルコ。
旅行者にも人気の国の一つですし、日本からの直行便も就航しているため、私たち日本人にとっても馴染みが薄い国ではありません。
ところ変われば文化も変わるとはよく言ったもの。
実際にトルコを旅行すると、日本や欧米とはかなり異なる文化や習慣にびっくりすることも多いです。
今回の記事は、トルコ旅行中に驚いたことや、事前に抱いていたイメージと異なっていたこと…つまり、トルコで感じたカルチャーショックを14個紹介していきます。
良い意味のビックリから「これはちょっとなあ…」といった衝撃まで。
トルコという国の良い面も悪い面も、包み隠さずにお伝えできているはず。
トルコで感じた14のカルチャーショック
①公共の場で靴を脱ぐのはNG
家に上がるときは靴を脱ぐのは、私たち日本人にとっては当たり前のこと。
「靴をずっと履き続けていると、なんとなく窮屈な感じがする」という人も多いのではないでしょうか。
一方のトルコは、かなりの靴文化。
家に上がるときも靴は履いたままですし、公共の場で靴を脱ぐことはNGとされています。
それは夜行バスや飛行機などで移動する際も同様で、靴を脱いだ状態で「さあ、寝るぞ!」と思っていると、車内アシスタントがやってきて靴を履くように注意されます。
周りを見渡すと、バスの車内で靴を脱いでいる人は皆無。
日本でもあまり行儀の良いことではありませんが、まあ黙認されていますよね。
理由としては、衛生面も考えられるものの、文化的な側面が強いのではないかと思います。
モスクに入場する前に、トルコの人々は靴を脱ぎ、丁寧に足を洗います。
その行為に象徴されるように、「靴を脱いだ状態=汚らわしいもの」という考えが根付いているのかもしれません。
いずれにせよ、郷に入りては郷に従うのは当たり前のこと。
いくら快適さを求めたくとも、良く思われない行為は慎むべきでしょう。
②チャイに始まりチャイに終わるトルコ人の一日
旧オスマン帝国領の国々でトルコ式コーヒーがポピュラーなこともあり、「トルコ=コーヒー文化」という勝手なイメージがあったのぶよ。
実際にトルコに入国して驚きだったのが、トルコは相当なチャイ(紅茶)文化であったこと。
もはや「文化」というよりも、「生活必需品」なのではないかと思ってしまうほどに、トルコ人はチャイを愛してやみません。
トルコの津々浦々、どんな小さな村へ行こうとも、「チャイハネ」と呼ばれるチャイを専門に提供するお店があるのは、この国のチャイ文化の象徴。
チャイハネは常に多くの人で賑わっており、年配の人はもちろん、若い女の子もチャイを飲みながらスマートフォンに夢中になっている光景がよく見られます。
トルコ人が一日何杯のチャイを飲むのか定かではないものの、とにかく相当な量を飲んでいることは確かです。
チャイハネのみならず、トルコの家庭でもチャイは無限に飲まれています。
大量の茶葉とお湯を投入したやかんと、お湯だけのやかんを二段重ねにして薪ストーブの上に置くことで、24時間好きな時にチャイが飲めるようになっているのです。
トルコのチャイはかなり濃い目。。
時間帯や好みに合わせて、紅茶のやかんとお湯のやかんを巧みに扱い、チャイとお湯の量を調節しながら、人々はその香ばしい味を楽しむのです。
街中で飲んでも1TL~2TL(=¥18~¥36)と格安なのに加えて、ホステルやホテルでは無料でチャイが飲み放題のところもあるほど。
客人が来た際には、とりあえずチャイを出すというおもてなし文化も根付いており、ちょっと会話しただけで何も言わずにチャイが出てくるということも珍しくありません。
(そして飲み干すたびに継ぎ足してくれる、「わんこチャイ」でもある。)
このように、チャイはトルコ人のホスピタリティーの象徴的存在。
でも、あまり真似して飲みすぎると夜眠れなくなってしまうので、ほどほどに楽しみましょう。
③ハマムはスーパー銭湯的な位置付け
トルコを旅行するなら絶対に挑戦したいのが、トルコ式風呂であるハマム。
マーケティングなのか何なのか知りませんが、「ハマム=エキゾチックなスパ」というイメージが私たち日本人の間では定着しています。
イスタンブールやカッパドキアなどの観光地では、こうしたイメージを裏切らない「おしゃれスパ・ハマム」が点在していますが、それらは全て観光客向けのフェイクです。
トルコの一般の人々が利用するハマムは、超庶民的。
スパというよりも、日本の銭湯に近いものがあります。
湯舟につかるよりも、サウナとアカスリ、マッサージがメインのリラクゼーションスペースといった感じで、おじさんも若者も訪れる社交場としての雰囲気が強いのも特徴的。
ローカルハマムでは外国人は珍しいので、間違いなく注目を浴びます。
トルコ人には気さくな人が多く、とにかく話しかけられる(トルコ語で)ので、もはやリラックスできないほど(笑)
間違いなくトルコで最も面白い体験の一つとして挙げられるハマム。
せっかく旅行するなら、そのどローカルな雰囲気を一度体験してみるべきです!
④意外にもぼったくりが少ない
ずっとヨーロッパに滞在していたのぶよにとって、トルコは未知の国。
勝手に「トルコ人って、かなりぼったくってきそう」という先入観を持っていました。
しかしながら、実際にはトルコではぼったくりの類はかなり少ないのです。
8000万人のトルコ人の皆さん、勝手な偏見を持ってごめんなさい。
トルコでは、レストランや商店などでは値段の表示がされていないことが多いので、いちいち確認する必要があります。
その際も、こちらが外国人だからといって通常より高い金額を言われることはかなり稀。
3ヶ月も滞在しているとその国の物価がほぼ完璧にわかるようになりますが、今思い返しても観光客料金をふっかけられたことは一度もありませんでした。
しかしながら、完全に手放しで安心しきるのはNG。
完全に観光地化された場所(カッパドキアとか)では、ぼったくりではないものの、通常のトルコの価格よりも上乗せした価格がまかり通っていることがほとんどですし、観光客に対してふっかけてくる悪名高い場所もあることにはあります。
しかしながら、そうした場所はむしろ例外的。
トルコの一般の人々の間には、「観光客からぼったくってやろう」という考えは希薄であるように感じました。
⑤どこでも荷物検査
トルコを個人で旅行する際に必ず利用することとなる、オトガル(バスターミナル)。
バス大国であるトルコでは、国内のどこへでも長距離バスが走っています。
他の町へ移動する場合はとりあえずオトガルへ行けば、目的地へのバスが必ず見つかると言っても過言ではありません。
しかしながら、トルコのある程度の大きさの町の公共スペースでは例外なく、入場時に手荷物検査があります。
空港の手荷物検査と同様に、持っている荷物をX線で検査する機械と金属探知機が設置されており、携帯電話などを手放した状態で通り抜けなければならない…と、なかなか厳重なものです。
この厳しすぎるように見えるセキュリティーチェックの理由は、トルコという国の地政学的リスクを反映したものでしょう。
南側のシリア・イラクなどの国からやって来る大量の難民を抱え、東側のアルメニアとは政治的対立の挙句に国境が閉鎖。
西側のヨーロッパ諸国への通り道として、様々な種類・目的の人間がこの国に入国することに加え、国内でもクルド人の独立問題が…周辺諸国との関係も国内情勢もかなり複雑なのです。
数年前に発生した軍部によるクーデター未遂や、イスタンブールやアンカラでのテロ事件なども記憶に新しく、新たな事件が起きないように安全対策が徹底されてた結果が、厳重なセキュリティーチェック。
オトガル(バスターミナル)以外にも、ショッピングセンターや街中の広場など、多くの人々が集まる場所では例外なく荷物検査が行われています。
荷物検査以上に注意したいのが、常にパスポートを携帯すること。
トルコ国内では至る所で警察による検問が行われています。
夜行バスでの移動中にバスが停められ、乗客全員の身分証明書の提示が求められたり、町を歩いていて引き留められることもあります。
旅行者にとってはかなり面倒ですが、それもこれもトルコの安全対策のため。
こちらが普通の旅行者だと分かればすぐに済むので、嫌がらずに協力するようにしましょう。
⑥びっくりするほど英語が通じない
トルコを訪れる観光客数は、なんと年間5000万人という脅威の数。
世界中から多くの人がこの魅力あふれる国を訪れるのです。
観光に力を入れていることもあって、英語が普通に通じると思ったら大間違い。
トルコの英語の通じなさは尋常ではありません。
多くの外国人が利用するであろう、大都市イスタンブールのオトガル(バスターミナル)ですら、チケットを購入するのに苦労するほど…。
地方都市に至っては壊滅的で、数字すら通じないことも珍しくありません。
「世界中どこでも英語が通じることは良いことでもなんでもない」というポリシーを持つのぶよ的には、こちらが少しでもトルコ語を覚え、コミュニケーションをとるように努力すればいいだけの話だと思うのですが、短期間の旅行で現地の言葉を覚えるのはハードルが高いのも事実。
カッパドキアやパムッカレなど観光で成り立っているような場所では、問題なく英語が通じますが(全員ではなく、「話せる人もいる」というのが正確)、そうではない普通の町では確実にトルコ語のみとなることは覚悟しておきましょう。
⑦食事のコスパが最強すぎる
世界三大料理の一つであるトルコ料理。
その称号に偽りはなく、トルコではとにかく何を食べても美味しいです。
それだけでなく、トルコでは絶品料理の数々がびっくりするくらいのリーズナブルな価格で食べられるのがポイント。
ケバブ1個€5(=¥605)以上するのが当たり前のヨーロッパ諸国と比べると、その安さは一目瞭然。
トルコでは鶏肉のケバブ1個6TL(=¥108)で食べられるのですから。
物価が安いと言われるアジア諸国に比べても、食事面のコストパフォーマンスの良さは負けていません。
低価格で、質の良い食材を使った食事が作りたてで提供されるのですから、グルメ重視の人にとっては天国のような国です。
アジアとヨーロッパ、さらに中東の食文化が見事に混ざったトルコ料理は、日本人なら絶対に虜になってしまう絶妙な味付けのものばかり。
数えきれないほどの名物料理があり、地域によってもご当地グルメのようなものが存在するのも魅力的です。
⑧「トルコ=親日」はただの幻想
日本人との会話でよく出現する、「親日」という単語。
のぶよ的に、「○○の国は親日だから~」という言い方ほど、自意識過剰なものはないと考えているのですが、ある国をなんとなくイメージする際に「親日であるかどうか」を気にする人が多いのは事実でしょう。
特に、トルコという国を表す際に、日本人の「親日幻想」は如実に現れます。
旅行会社のキャッチコピーなどには、まるで枕詞のように「親日国トルコ」なんて使われていたりしますし、外務省のオフィシャルサイトにさえ「親日家が多いトルコ人は~」なんて書かれていたりするほどです。
しかし、です。
実際に3ヶ月滞在したのぶよからすると、「トルコ人=親日」というのはただの幻想でしかないと思います。
これは「トルコ人は日本人に対して良い感情を持っていない」という意味ではありません。
「日本人だからといって、何らかの特別な良い感情を持ってもらえることは特にない」ということです。(そもそも8000万人のトルコ人全員が「日本大好き!」なわけがない)
トルコ人からすれば、日本なんて大陸の反対側の遠い国。
韓国や中国、台湾などと同様に、「どこかアジアの東の方の端っこにある国の一つ」という認識でしかありません。
こちらが日本人だと言うと、「ハッラハッラー!ジャポーニャ!(Oh my God! Japan!)」と笑顔で言われることもあるものの、それだって別に日本人に対して特別に言っているわけではありません。
ブラジル人には「ハッラハッラー!ブラジル!」と言うでしょうし、中国人には「ハッラハッラー!チン!」でしょう。
私たち日本人が、遠い異国から日本を訪れた人に会った際に、「あらまあ、インドから!」とか「わざわざメキシコから!」とか言いはするものの、別にその国に対して特別な感情があって言っているわけではないのと全く同じことです。
それを「日本が受け入れられている!トルコって親日~!」と解釈してしまうことほど、痛々しいことはないと思います。
もちろん、日本人に対して特別な良い感情を持つトルコ人だって存在しますが、それは「ナガトモ」や「アニメ」のおかげであることがほとんど。
どこの国にも、ある国を贔屓目で見る人はいるものです。
だからと言って、日本人に特別に悪い感情を持つトルコ人は多くないはず。
良くも悪くも「あまり関係がない遠い国」という認識の人がほとんどなのではないかと思います。
まとめると、
・トルコ人は別に親日でも何でもなく、誰に対しても人懐っこく優しいだけ
・遠い国から来た旅行者に興味津々なだけ
ということになります。
「トルコと日本の歴史的つながりがうんぬんで~…だからトルコは親日!」なんて言う偉い人達や、薄っぺらいまとめ記事を書いている人たちには、一度トルコで3ヶ月間「私は日本人っ!」アピールをしつづけながら滞在してみて、どう感じるか伝えていただきたいものです。
⑨イスラム色の濃さが地域によって変わる
「トルコ=イスラム教の国」というイメージは、何となく浮かぶ人が多いかもしれません。
確かにトルコではイスラム教を信仰している人が多く、どこの町にもあるモスクから流れるアザーン(お祈りの時間を伝える、大音量で流れる声)や、頭部をスカーフで覆った女性たちの姿に、宗教的な一面を感じることができます。
実際のところ、トルコは政教分離が原則とされている国。
イスラム教の戒律は全体的に緩めで、お酒も普通に販売されているほどです。
(さすがに豚肉はありませんが)
そんなトルコですが、地域や町によって宗教色の濃さが変わるのも特徴的。
「トルコで最も宗教色が強い町」と言われる、イスラム教神秘主義(スーフィズム)の聖地・コンヤや、セルジューク朝時代から続く伝統が残る中部のカイセリ、オスマン帝国時代の古都・ブルサなどでは、私たち旅行者であってもすぐに感じられる凛とした神聖な雰囲気が漂っています。
これらの町では女性は皆頭部を隠し、お酒もほぼ売られていないという徹底ぶりです。
一方で、地中海沿岸やエーゲ海沿岸のアンタルヤ、フェティエ、イズミルなどの町では、ギリシャに近いという地理的要因もあってか、宗教色はかなり薄め。
「トルコで最も自由な町」と呼ばれるエスキシェヒルを始め、若者が多く集まる町においても同様のことが言えます。
このように、地域によって大きく異なる町の雰囲気も、トルコという多様性に富んだ国を象徴するものの一つです。
⑩トルコ人は赤と青が区別できない
トルコに来て最も驚いたことの一つが、「トルコ人は赤と青の区別ができない」という点。
これは色覚異常でもなんでもなく、横断歩道に設置されている信号機の色を指します。
イスタンブール、イズミル、アンカラなどの大都市では、街中でもかなりの交通量があるのですが、トルコ人は全くもって信号を守りません。
それも、車両用の信号が赤になったのを見計らって「まだ赤だけどいける!」なんて可愛いものではありません。
赤だろうと車が来ていようと全く関係なし。とにかく自分が渡りたいときに渡るのです。
若い男性はもちろんのこと。杖を突きながらあるくおじいちゃん、ベビーカーを押した女性まで、とにかくみんな怖いもの知らず。
車もそんなことにかまわずに、クラクションを鳴らしながら無理やり走り抜けようとするので、交差点はちょっとしたカオス状態となります。
近くに警察が居る場合でも特に注意するでもないので、信号なんてさも存在しないかのよう。
「赤信号=とまれ」の意識が広く根付いている日本人からすると、かなり異様な光景に感じられるでしょう。
⑪結構な勢いで独裁体制
続いて紹介したいのが、トルコ人のコンサヴァティブ(保守主義)の強さに関して。
中東諸国に比べると大したものではないものの、トルコは全体的にかなり保守的な国だと言えるでしょう。
エルドアン大統領率いる保守派の長期政権に象徴されるように、トルコ国民の大半は保守的な考え方の人が多いです。
トルコの町を歩いていると、建国の父であるケマル・アタテュルクの肖像画が飾られていたり、至る所でトルコ国旗がはためいていたりする光景がよく見られます。
日本で日の丸や天皇の肖像画が連なる光景など考えられないため、多くの人が驚くのではないでしょうか。
そんなトルコの保守主義は、日本では考えられないような独裁的な政治体制にも表れており、私たち短期旅行者にとっても決して他人事ではありません。
その最たる例が、トルコではインターネット規制が敷かれていること。
イスラム教の原則に基づいて、性的なコンテンツを含むサイトはもちろんのこと、トルコ政府に否定的な論調で書かれる可能性があるウィキペディアの閲覧もできません。
世界中に広がる宿泊予約サイトであるBooking.comも、トルコ国内からトルコ国内の宿泊施設の閲覧&予約はできないようになっています。
このように、旅行者にとっては若干不便な点があるトルコですが、さらに気を付けなければならないことがあります。
それは、警察や軍に対して反抗することは犯罪であるという点。
この「反抗」には、暴力はもちろんのこと、汚い言葉や行動で罵ることも含まれているのが驚き。
日本に比べて、トルコでは政府や警察などの機関が持つ権力が強いのです。
良いか悪いかは別として、そういう国であることを理解した上で、現地の人との会話における発言や行動には注意を払わなければいけません。
⑫犬・猫の我が物顔がすごい
トルコ人の動物に対する愛情には、常に驚かされます。
特に際立っているのが、猫への寵愛。
トルコではどこの町へ行こうとも、必ず野良猫がたくさんいます。
日本の10倍は猫に遭遇するほど。冗談ではなく。
野良猫たちがこうもたくさんいる理由は、トルコ人が猫好きだからでしょう。
民家の軒先に野良猫用のえさ箱が置いてある光景は至って普通ですし、餌付けする人々の姿もかなり目にします。
中には懐いた数匹の野良猫を家の中に招き入れる人もいるほど。
(そこまでするならいっそ飼えばいいのに)
道で猫を見たら、じっとしていられないのがトルコ人。
「プシップシッ!」という音を出して、猫の注意を引き、触ったり抱き上げたり一緒に写真を撮ったりとやりたい放題です。
女子ばかりではなく、強面の若者も「プシップシッ」言っているのはなかなか面白いところ。
対する猫側も、人間との距離のつめ方を理解しているようで、とにかくのんびりしています。
レストランに侵入してきたり、カフェの空いてるテラス席で我が物顔にくつろぐ姿もよく見かけます。
トルコ人にとって猫が動物界の頂点なら、犬のランクはやや低めといった印象。
野良猫同様に野良犬も多いトルコですが、人々は猫に対するような愛情を見せることは少ないのです。
だからといって追い払うわけではなく、あくまでもその場にいても気にしないといった感じ。
カフェの暖房が効いた空間に野良犬がくつろいでいる光景は、トルコ以外ではなかなか見ることができないかもしれません。
⑬歩行者優先?何それ美味しいの?
トルコに旅行する人には必ず頭に入れておいていただきたいのですが、トルコには歩行者優先という概念がありません。
「概念が薄い」のではなく、存在しないのです。ゼロです。
運転が荒いと言われるバルカン諸国を数ヶ月旅してきたのぶよからしても、あの辺の国はまだまだ可愛いもの。
トルコの交通マナーの悪さは尋常ではありません。
一方通行の狭い通りを全力疾走(歩行者もいる時に)や逆走なんて序の口。
信号なんて存在しないかのように、赤になっても交差点に進入する車が立ち往生して渋滞を作り出し、クラクションの嵐となるのも日常の光景です。
信号のない横断歩道を渡ろうとしても、道を譲ってくれる運転手はほぼゼロ。
3ヶ月トルコに滞在したのぶよですが、何百回交差点を渡ったうちのたった一回だけです、停車してこちらを渡らせてくれたのは。
今考えれば、あの運転手はトルコ人ではなかったのでは?という疑念がよぎらないこともないですが(笑)、とにかくそれくらい自分優先という意識が根付いているのです。
トルコ人のこの意識が見られるのは、何も運転だけに限りません。
何かを買おうと並んでいると平気で割り込んでくる人も多いですし、長距離バスを降りる際は我先にという人が一気に立ち上がって車内は大混乱となります。
普段散々のんびりしているくせに、一体何にそんなに急ぎたがるのか全く理解できませんが、それもこれも文化の違いということで納得するしかありません。
⑭「アッサラーム・アライクム」には全員返答
トルコ語で「こんにちは」を表すのが、「メルハバ(Merhaba)」。
かなりよく耳にしますし一日中使えるのも◎
旅行者でも簡単に覚えられる、便利なあいさつフレーズです。
メルハバと同様に「こんにちは」の意味でつかわれるフレーズに「アッサラーム・アライクム」があります。
「あれ?”アッサラーム・アライクム”って、アラビア語の挨拶じゃ?」と思ったあなたは大正解。
トルコでは、「メルハバ」と「アッサラーム・アライクム」の二つの「こんにちは」が使われているのです。
両者の間には微妙なニュアンスの違いがあるよう。
・「メルハバ」:一般的な挨拶。相手と一対一のときに使用。
・「アッサラーム・アライクム」:イスラム教的な挨拶。相手が複数いる時に使用。
トルコ人の友人によると、ザックリとこんな感じだそうです。
(地域や世代、その人の宗教観によっても変わってくると思いますが)
つまり、お店に入る際に複数の従業員が居る場合や、モスクに入場する場合(常に複数の人がいるため)などは「アッサラーム・アライクム」が使われることが多いのです。
注意したいのが、一人が「アッサラーム・アライクム」と挨拶した場合、その場にいる全員が「アッサラーム・アライクム」と返答しなければならないという暗黙のルールがあること。
実際トルコのローカルレストランやモスクなどに足を運ぶとすぐに理解できますが、かなりの確率でこの暗黙のルールは守られているようです。
「アッサラーム・アライクム」の元々の意味は、「アッラー(神)の平和の上に」。
政教分離が進むトルコでは、宗教的な意味を意識して挨拶している人はそう多くはないかもしれません。
しかしながら、「日々の平和を願う」という意味の挨拶が交わされる文化って、なかなか素敵だと思いませんか。
おわりに
3か月間のトルコ滞在中に感じた、のぶよ個人的にカルチャーショックだった14の出来事を紹介してきました。
良い面も悪い面もありますが、それら全てをひっくるめてトルコは面白い国です。
短期でただ観光地を点から点へとまわるだけの旅行では到底感じることのできない、その国の文化や人々のライフスタイル。
3ヶ月で全て理解することは到底不可能ですが、日本と比べながら人々の考え方や習慣の違いを理解することはとても大切だと思います。
どれだけ滞在しようとも日々新たな発見や驚きがあるトルコは、魔法の国そのもの。
毎日がサプライズに満ちあふれた「東洋でも西洋でもない国」の魅力をじっくりと噛みしめる旅、いかがでしょうか。
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