こんにちは!ジョージア滞在も4年目!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
書こう書こうと思いながらも、ずるずると後回しにしていたテーマの記事をとうとう書くことにしました。
そう…これまでジョージア滞在のうち、合計2年以上の時間を過ごしたジョージアの首都・トビリシのおすすめレストラン情報です。
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「レストラン」と言っても、トビリシ旧市街ど真ん中にあるような観光客向けの店や、ライブ演奏があるようなお洒落店に関する情報ではありません。(そういう店を探している人、さようなら)
のぶよが愛してやまないローカル食堂や、トビリシっ子に愛される手軽なファストフード店、地元の人々に愛される庶民的なレストランに絞って紹介していきます!
そもそもジョージアは物価の割に外食費の水準がかなり高めな国なのですが、首都のトビリシの外食費は他都市とは比べものにならないほどに高価。
お洒落なジョージア料理レストランに行くとそれなりの金額になりますし、なんなら日本の外食費の方がお得感があるほどです。
とはいえ、大都会・トビリシにも良心的なお店はちゃんとあります!
せっかくなら、地元の人々が日々通うような気取らない雰囲気のお店で本物のジョージアの味に舌鼓を打ちたいものです。
というわけで今回の記事は、節約派の旅行者にもおすすめなトビリシの格安レストラン&食堂のまとめ。
ジョージア料理がお手頃価格で食べられる食堂から、気軽に購入できるファストフードのお店、アジアの味を手ごろな価格で提供してくれるレストランまで…
のぶよが実際に訪れて「ここは推せる!」と思った店に絞って、合計で28店を一挙公開しています。
価格帯別に3つのブロックに分けているので、予算や気分に合わせたお店を選ぶのが◎
実際に食事した際の潜入レポートやメニューの詳細に関しては別記事へのリンクを張っているお店もあるので、気になった場所は要チェックです!
本記事内で最も高価格帯のお店でも、一人一食1000円ほどで済んでしまいます。
せっかくなら様々なジャンルのお店を訪れて、トビリシのフードカルチャーにどっぷりひたりましょう!
2025年1月2日追記
再びトビリシに数か月間のんびり滞在し、新たなお店をたくさん開拓しました。
場末のローカル食堂から、リーズナブルなレストランまで…これにてトビリシのおすすめレストランは計35軒に。
新規開拓したお店は各項に追加しているので、ぜひともチェックしてみてください!
- トビリシの激安レストラン:8ラリ(400円以下)で食事できる店
- ①(たぶん)トビリシ最安値の食堂【マプシャリア】
- ②トビリシのファストフード界の新星【メクシクリ・ツェレテルゼ】
- ③炭火焼き豚肉の名店!【Joker Shaurma】
- ④地元民に愛される激安バーガー【Family Burger】
- ⑤絵に描いたようなローカル食堂【Matanuri】
- ⑥小麦粉料理ならおまかせ【Keria】
- ⑦トビリシ一番のディープな雰囲気【中央市場の立ち飲み屋】
- ⑧本当は教えたくない超穴場【トビリシで一番美味しいヒンカリ露店】
- ⑨スヴァネティ地方そのままの味をトビリシで味わう!【Svanuri Gemo】
- ⑩レバノン人家族が営む激安絶品ファラフェル店【Sorte】
- ⑪珍しいBBQ総菜パン!【中央駅前のベーカリー】
- ⑫ジョージアの家庭料理をテイクアウト!【Saojakho Samdzareulo】
- ⑬謎のムツヴァディ屋
- トビリシの格安レストラン:8ラリ~12ラリ(400円~600円)で食事できる店
- ⑭人情食堂で味わう飾らないジョージア料理!【ササディロ・コカコーラ】
- ⑮家族経営のアットホームな居酒屋【Old Time Sakhinkle】
- ⑯伝説の居酒屋は今も健在!【チュリ】
- ⑰ベジタリアンブームの火付け役?【ムフド】
- ⑱トビリシNo.1のシャウルマ店【ティフリス】
- ⑲トビリシのヒンカリ専門店【Klike’s Khinkali】
- ⑳クタイシの名物グルメをトビリシで味わう!【Bikentias sakababe】
- ㉑トビリシ中心街のオアシス【Family Kitchen TAR TUN】
- ㉒ローカル感に浸ってサクッと食べ飲み【ディドゥベ・バスステーションの場末居酒屋】
- ㉓トビリシの二郎系バーガー【Tarantino】
- ㉔炭火焼の魚は感動の美味しさ【魚のムツヴァディ露店】
- ㉕トビリシっ子に大人気の豚肉ぎっちりシャウルマ!【Shaurma Club】
- ㉖ちゃんとしたジョージア料理をリーズナブルに食べるなら!【Kutkhe】
- トビリシのおすすめレストラン:12ラリ~20ラリ(600円~1000円)で食事できる庶民的な店
- おわりに:トビリシのレストランマップ
トビリシの激安レストラン:8ラリ(400円以下)で食事できる店
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「とにかく出費を抑えたい…でも、本場のジョージア料理は食べたい…」という節約派旅行者は、激安食堂やファストフード店を利用しましょう。
予算は一人一食8GEL(=¥400)以下。
正直、現在のトビリシでこの低価格で食事ができる店はほとんど残っていないのですが、がんばって探せばちゃんとあります。
「安かろう、悪かろう」ではなく、安くてもちゃんとしたものが食べられるのもポイント。
地元の人たちに混ざって食事したい人や、素早く食事を済ませたい人におすすめです!
①(たぶん)トビリシ最安値の食堂【マプシャリア】
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おそらく、トビリシ最安値の価格帯でジョージア料理を食べることができるお店が、マプシャリア(Mapshalia / მაფშალია)。【マップ 青①】
その知名度は抜群で、トビリシに長期滞在している外国人の間で知らぬ者はまずいないほど。
旅行者であっても、一度は足をのばす機会があると思います。
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トビリシではもう風前の灯火となりつつある、昔ながらの食堂らしいリーズナブルな価格が最大の魅力ですが、味も抜群に美味しいです。
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マプシャリアが素晴らしい点は、何を食べてもハズれないこと。
もともとは地元のおじさんたちが飲みに来るような店であったため、飲兵衛に合わせてか味付けはやや濃い目ではあるものの、どれもジョージアの食文化を反映した絶品ばかりです。
・バドリジャーニ・ニグヴジット(Badrijani Nigvzit=なすとクルミの前菜)
・オーストリ(Ostri=牛肉のスパイシーシチュー)
・オジャフリ(Ojakhuri=豚肉とじゃがいものグリル)
・ハルチョー(Kharcho=豚肉/鶏肉のスープ)
マプシャリアのオーナーはジョージア西部のサメグレロ地方の出身だそうで、トビリシでは珍しいサメグレロ料理のメニューもいくつか並びます。
バジェ(Bazhe)と呼ばれるくるみのペーストをベースにした「サメグレロ風ハルチョー」は絶品なので、一度は挑戦するべき! ▼
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近年の観光ブームによって、あまりに有名になりすぎたマプシャリアは、常に多くの外国人で賑わいます。
とはいえ、外国人ツーリストに媚びたような店ではなく、あくまでもトビリシの昔ながらの食堂のスタイル&味を貫いている点も好印象です!
②トビリシのファストフード界の新星【メクシクリ・ツェレテルゼ】
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「格安で気軽にどこでも食べられるファストフード」といえば、シャウルマかハチャプリ(チーズパン)くらい…と、トビリシのストリートフード文化はまだまだ発展途上な印象。
いっぽう近年ではファラフェル専門店のムフドのように、オリジナリティーのあるファストフードを提供するお店も少しずつ増えつつあります。
その一つが、メクシクリ・ツェレテルゼ(Meksikri Tseretelze)というテイクアウト専門の小さなお店。【マップ 青②】
メニューは基本的に「メクシクリ」と呼ばれるピリ辛ソーセージのみで、パンの種類(普通のサンドイッチ用/ラヴァシュ/ハンバーガー用etc)によって料金が少し変わります。
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ここのソーセージがですね…とにかく美味しいのです!
「ソーセージ」に対する概念が根底から覆されるほどに。
自家製のソーセージをぶつ切りにして油でサッと揚げたものと、フレッシュな野菜を挟んだサンドイッチがメクシクリ。
ジョージア語で「メキシコ風」の名の通り、ピリッと辛い後味がクセになります。
中でも、具のソーセージはほわっほわ食感の極み。
口の中に入るやいなや溶けてなくなってしまうほどです。(大袈裟ではなく、ガチで溶ける)
ボリュームも文句なしで、物価上昇が激しいトビリシにおいてはリーズナブルな価格も◎
トビリシのファストフード界の台風の目となるか…?!
③炭火焼き豚肉の名店!【Joker Shaurma】
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トビリシ市内で(たぶん)最安値でムツヴァディ(ジョージア風の豚肉BBQ)が食べられるのが、市内北部のディドゥベ・バスステーション近くにあるJoker Shaurma。【マップ 青③】
地元の人が入れ替わり立ち替わりするようなお店で、例のごとく飾りっ気はありません。
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シャウルマやカバビ(棒状ひき肉グリル)などBBQ系のメニューが専門で、店名には「シャウルマ」とついているものの、このお店の隠れた名物がジョージア風BBQのムツヴァディ。
店頭では炭火を起こして肉がじっくりと焼かれており、良い香りが周囲にまでただよっています。
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炭火で焼かれた豚肉のジューシーさは言わずもがな。
無料でついてくる自家製サツェベリソース(トマトとハーブのピリ辛ソース)との相性も抜群です。
都市間マルシュルートカ(ミニバス)の発着拠点であるバスステーションすぐそばに位置しているので、移動のついでに立ち寄ることができる点も◎
生ビールも置いてあるので、地方部へのデイトリップ終了のシメにもおすすめです!
④地元民に愛される激安バーガー【Family Burger】
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サクっと気軽に、美味しいものを安く食べたい!という人におすすめなのが、Family Burger。【マップ 青④】
地下鉄ステーション・スクエア駅やトビリシ中央市場にほど近い公園の中に建つ、スタンド形式のファストフード店です。
店名の通り、このお店のウリはハンバーガー。
トビリシでは「ハンバーガー=ヨーロッパ風の高級ランチ」という意識が根強く、一般的なお店では単品で15GEL(=¥750)以上はする高級品で、外国人向けフードといった感覚。
しかしこのFamily Burgerはとてもリーズナブルで、トビリシの地元の人向けのお店です。
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ハンバーガー5GEL(=¥250)/チキンバーガー4GEL(=¥200)/チーズバーガー6GEL(=¥300)の三種類のバーガーが基本で、それぞれダブルバーガーにしたりベーコン入りにしたりすることも可能。
サイドメニューのフライドポテトも3GEL(=¥150)と良心的な価格です。
安いからといってあなどることなかれ。
ビーフもチキンもパテはすべて自家製のものをちゃんと鉄板で焼いてくれ、新鮮なレタスを挟んだふわふわのバンズで提供してくれます。
フライドポテトは冷凍のものだと思いますが、ほくほくさくさくの絶妙な揚げ具合でこちらもマスト!
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ソースにこだわったオシャレバーガー店(木の板にのって提供される的な)には及ばないものの、ここまでの低価格でここまでのクオリティーのバーガーが食べられる店は、トビリシではここだけ。
のぶよ的には、後述するTarantinoの「二郎系ぎっとりこってりバーガー」も捨てがたいところですが、やはり安さではこちらのFamily Burgerが強いです。
何かと訪れる機会があるステーション・スクエア地区に位置しているので、観光や買い物がてら立ち寄ってみるのがおすすめです!
⑤絵に描いたようなローカル食堂【Matanuri】
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地下鉄ステーション・スクエア駅を出て、小さな露店が所狭しと並ぶカオスな雰囲気のストリートを抜けると、一軒の食堂がひっそりと営業しています。
この店の名はMatatuni。【マップ 青⑤】
昔ながらの食堂&酒場といった雰囲気が色濃いお店で、近くの露店で働く人たちのたまり場のようになっています。
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小さな入口を抜け、地下へと数段の階段を下りていくと、木の長テーブルが4つあるだけの小さな食堂が姿を現します。
カウンターで仕切られた向こう側が調理場になっており、大鍋を豪快にかき混ぜるおばさんやハチャプリをこねるおばさん(たまにつまみ食いしてる)が5人ほど調理に励んでいます。
メニューはホワイトボードに書かれており、食堂の定番である煮込み料理やスープ料理から、揚げ物やグリル料理まで勢ぞろい。
サラダや前菜、おつまみなども豊富に揃っており、出来合いの料理を指差しで注文することも可能です。
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こうしたスタイルの食堂&酒場の客層は基本的に男性ばかりなのがジョージアあるあるですが、Matanuriの客層は幅広いよう。
昼から飲みまくっているおじさん軍団や、一人でさっと食事を済ませる若者、子連れの母親までおり、なかなかのカオスな雰囲気が面白いです。
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メインとなるスープや煮込み料理は7GEL(=¥350)~/前菜系は100g2GEL(=¥100)/生ビール1杯3GEL(=¥150)と、トビリシにしてはかなりの低価格で食事ができるのも魅力的。
味もかなり良く、トビリシの様々な客層に愛されているのも納得です。
観光客の姿はほとんどなく、トビリシではなかなか出会えない「リアルなジョージアの食堂」といった雰囲気がぷんぷん漂っているディープさも◎
初めこそ入るのに勇気が要るかもしれませんが、外国人が来ても愛想良く迎えてくれるのも嬉しいです。
⑥小麦粉料理ならおまかせ【Keria】
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ジョージアの食文化を象徴する、小麦粉生地を用いた粉もん料理。
ハチャプリやロビアニなどさまざまな種類がありますが、本来は庶民がサクッとお腹を満たすためのファストフード的な位置づけだったのが、近年ではお洒落店で提供される「高級ハチャプリ」のような扱いになりつつあります。
観光客向けの高級ハチャプリ店も良いのですが、せっかくならトビリシの地元の人が日々通うようなローカル店で本物の味に触れるのが◎
のぶよのおすすめが、トビリシで数店舗展開しているKeriaというレストランです。【マップ 青⑥】
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Keriaの素晴らしい点は、ローカルの店でありながらも清潔で綺麗な店内に統一されていること。
店内はちょっとしたカフェのような空間で、のんびりとくつろぐことができます。
さらに、Keriaのメニューのリーズナブルさはトビリシ最後の砦。
ロビアニ7GEL(=¥350)~/ハチャプリ11GEL(¥550)~となっており、サービス料も加算されません。
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メニューにあるのは、ハチャプリやロビアニなどの定番から、チュヴィシュタリ(トウモロコシ粉生地の中にチーズを入れて焼いたもの)やクブダリ(牛肉ステーキ入りパイ)などジョージア西部地域の名物料理もあり、果てはペリメニ(水餃子)まで…とにかくすべてが小麦粉料理ばかりです。
いわば小麦粉一本勝負なわけで、味に対する自信がひしひしと感じられます。
数ある小麦粉料理の中でも、この店で絶対に食べてほしいのが名物のロビアニ。
豆のペーストを薄い小麦粉生地に挟んで焼き上げたものです。▼
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Keriaで提供されるロビアニは、一般的なものとは異なる「ラチャ風ロビアニ」。
ジョージア西部のラチャ地方でポピュラーな、ラチャ風ハムを細かく刻んで豆ペーストに混ぜたものを具にして、焼き上がりに豚の脂を溶かした液体を生地に塗ったものです。
豆本来の甘味にラチャ風ハムの程良い塩気と肉の旨味が加わり、もちもち&パリパリ食感の生地が優しく包み込むロビアニは、まさに食べる芸術作品。
のぶよは本場ラチャ地方でラチャ風ロビアニを食べて感動したのですが、Keriaのロビアニはそれに劣らぬ芳醇さの絶品でした。
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また、トビリシ風ペリメニ(10GEL)もできたら挑戦したいもの。
サワークリームとバターのスープに、ぷりんぷりん生地のペリメニがたっぷりと入っており、一口かじると肉汁たっぷりの中身が姿を現します。
個人的には、トビリシで一番美味しいペリメニは後述するペリメニ No.1だと思うのですが、Keriaのペリメニも値段の割にはかなりの美味しさでした。
Keriaはトビリシ市内に数店舗展開しており、ルスタヴェリ通りやマルジャニシュヴィリ地区など中心街の支店もいくつか。
観光の途中にちょっと立ち寄るのにも便利ですし、格安価格でジョージアの粉もん文化に浸りたい人にはおすすめです!
⑦トビリシ一番のディープな雰囲気【中央市場の立ち飲み屋】
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トビリシのローカル酒場文化を五感で感じまくりたい人は、ソ連時代から続く立ち飲み酒場へ行ってみましょう。
かつてはそこら中に存在していたという立ち飲み酒場ですが、時代の流れには逆らえなかったよう。
現在のトビリシでは、なかなか見つけられないほどに数が減ってきています。
旅行者でもアクセスしやすい&立ち寄りやすい店の一つが、カオスな雰囲気のトビリシ中央市場の一角にある立ち飲み屋。【マップ 青⑦】
店名などは特になく、市場内の6畳ほどの激狭空間にキッチンを取り付けて、その周囲にカウンターを設置しただけの「THE・立ち飲み屋」といった場末の雰囲気のお店です。
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このお店の客層は、市場内で働く男性客がほぼ100%。
さっとビールだけを一気飲みして颯爽と立ち去っていくお兄さんや、いつから飲んでいるのかわからないほどの酔っ払い数人、それらを手のひらで転がすように上手にさばく店のおばさん…もう、とにかくカオスです。
果てしない場末の雰囲気なので万人向けではありませんが、行けばほぼ100%常連のおじさんたちに絡まれるので、リアルなトビリシ庶民の飲み文化に触れたい人にはおすすめ。
逆に、女性だけでの利用は控えるようにしましょう。(ジョージアでは女性がこうした飲み屋で飲むことは良く思われない&セクハラなどに遭いやすいので)
メニューなどは存在せず、おばさんが作った煮込み料理や軽食をつまみながらサクッと飲み食いするのがこの立ち飲み屋の流儀。
飲み食いの予算は5GEL~8GEL(=¥250~¥400)と安いので、勇気のある人は市場散策の途中に立ち寄ってみるのもおすすめです。
⑧本当は教えたくない超穴場【トビリシで一番美味しいヒンカリ露店】
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トビリシ中心街の東側に広がる丘陵地帯。
クロニクル・オブ・ジョージアやトビリシ・シーなどへ向かう途中の道路沿いに、店先で肉を焼くバーベキュー屋が連なるエリアがあります。
ここが、のぶよが発見したムツヴァディ街道。
ムツヴァディ=ジョージア風の串焼きBBQのことで、名もなきBBQ露店がいくつか点在して味を競い合っています。
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ムツヴァディ街道に点在する露店はそれぞれ微妙に雰囲気や味、肉の質が異なり、いくつか食べ歩きするのもおすすめ。
また、なぜかムツヴァディだけでなくヒンカリ(ジョージアの小籠包)を置いている露店も多いのも興味深いです。
のぶよ的に、ムツヴァディ街道全体で…いや、トビリシ全体で一番美味しいヒンカリを食べられるお店が、こちらの名もなき露店でした。【マップ 青⑧】
(後述しているKlike’s Khinkaliも美味しいけど、値段の安さとクオリティーの高さではこちらが圧勝)
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この露店のヒンカリは、注文してから一つ一つ包んでくれたものを茹でたてアツアツで提供してくれるもの。
ジョージアでは「ヒンカリ作り=女性の仕事」という概念が強く根付いているのですが、この店では男性陣がぶっとい指を器用に動かしながらちまちまとヒンカリを包んでいるのも面白いです。
ヒンカリ1個1.3GEL(=¥65)という価格は、トビリシでは最安の部類。
「最低○個以上の注文」といったルールもないようで、お腹の好き具合に合わせて好きな数を注文できるのも嬉しいです。
なにより驚くのが、ヒンカリのクオリティーの高さ。▼
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この露店のヒンカリ生地は、信じられないほどの極薄。
気を付けて持ち上げないと破れてしまいそうなほどで、ちゅるっちゅるの極上食感に感動します。
中のひき肉は、新鮮なことが一発でわかるほどのほろっほろ食感と果てしない旨味。
味付けはトビリシにしてはかなりあっさりした方で(トビリシはとにかく塩気どーんな店が多い)、フレッシュなハーブの風味が素晴らしいアクセントとなっています。
店先で焼かれるムツヴァディもおすすめですが、とにかくこの店のヒンカリは必食。
店のたたずまいとディープな雰囲気からは想像できないほどの絶品グルメ、どうかお見逃しなく!
⑨スヴァネティ地方そのままの味をトビリシで味わう!【Svanuri Gemo】
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次に紹介するのは、トビリシにある数多くの飲食店の中でも、のぶよが全力で推しているお店の一つ。
トビリシ中央駅の東側、地下鉄Station Square駅の東出口を出てすぐの場所にある、Svanuri Gemoです。【マップ 青⑨】
店があるのは、トビリシのローカル飲食店あるあるの半地下の空間。
入口はかなり分かりにくく、知らなければここが飲食店だとは気づけないかもしれません(Google Mapにすら載っていないこの店を偶然発見したのぶよ、天才では…?)。
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店名のSvanuri Gemoは「スヴァネティの味」といった意味。
その名の通り、ジョージア北西部に位置するスヴァネティ地方の郷土料理を提供するお店です。
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▲店内はテーブル席が二卓だけのがらんとした空間。
店の奥が広々とした厨房になっており、数人のおばちゃんたちが小麦粉をこねたり焼いたりしており、良い香りが店中に漂います。
Svanuri Gemoのメニューは、スヴァネティ地方伝統の小麦粉生地料理のみ。
一般的なハチャプリ各種やロビアニも置いてはあるものの、せっかくならスヴァネティならではのグルメに挑戦してみましょう。
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▲スヴァネティ地方のグルメの王様と言えば、もちろんクブダリ。
牛肉か豚肉をサイコロ状にごろごろっと切り、ニンニクやスヴァネティ塩などで下味をつけてソテーしたものを小麦粉生地にたっぷりと詰めて焼き上げた「ステーキパイ」のような絶品料理です。
元々はスヴァネティ地方のみで食されていたクブダリですが、最近ではトビリシでも提供する店がちらほら見られるようになりました。
しかし、トビリシで提供されるクブダリの99%は、ごろごろ肉ではなく挽き肉を使った偽物クブダリ。
肉肉しい食感も肉汁びしゃあ具合も、本場スヴァネティのクブダリとは似て非なるものである場合がほとんどなのが現状です。
その点、ここSvanuri Gemoのクブダリは完全なるスヴァネティ地方の味そのまんま。
ごろっごろの肉も、小麦粉生地にしびしびに染みた肉汁も、がっつり効いたニンニクとスヴァネティ塩の芳醇な風味も、スヴァネティの本場のクブダリと比べて何ら遜色ありません。
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クブダリ以外にも、スヴァネティならではの小麦粉生地系料理はいくつか。
・豆のペーストとチーズをミックスしたものを具にしたスヴァヌリ・ロビアニ
・マッシュドポテトとチーズを薄い生地に挟んだカルトプラアル
・ミルキーなチーズに麻の実を混ぜた具が入ったペトヴラアル
…などなど、トビリシではまず出会うことのできない山岳地域伝統の味が手軽に食べられるのです。
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Svanuri Gemoでは基本的に作り置きはしないスタイルで、注文が入ってから一枚一枚焼き上げてくれるのも嬉しい点。
5分~10分ほどの待ち時間を要するものの、いつでも焼きたての香ばしい小麦粉料理が食べられるのです。
そして何よりびっくりするのが、値段の安さ。
サイズによって料金は変わるものの、クブダリ一枚7GEL(=¥350)やロビアニ一枚4GEL(=¥200)など、もはや本場スヴァネティ地方よりも割安な値段です。
スヴァネティ出身だという店のおばちゃんたちのウェルカム感も、アットホームで良い感じ。
小麦粉料理が恋しくなった際には、ぜひとも訪れてみてください!
⑩レバノン人家族が営む激安絶品ファラフェル店【Sorte】
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トビリシの大人気ファラフェル店と言えば、後で紹介するMuhudoの右に出る者はいません。
しかし、有名ファラフェル店とは別方向のファラフェルで下剋上を狙う小さなお店があります。
それが、マルジャニシュヴィリ駅から徒歩3分ほどの好立地にあるSorte。【マップ 青⑩】
Muhudoが「ジョージア流にアレンジされたファラフェル」なら、ここSorteは「本場レバノンそのままのファラフェル」といったところです。
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Sorteはレバノン人家族が経営するファミリービジネスで、店内はかなり狭く三卓のテーブル席があるだけ。
多くの客はテイクアウトしていくようです。
Sorteのメニューは、看板メニューのファラフェルはもちろん、シャウルマや各種サンドイッチ系などのファストフードがメイン。
ジョージアではあまりメジャーではない中東のストリートフードが多く、未知なる味に感動すること間違いなしです。
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メニューはこんな感じ。ファストフード系の他にも、フムスやレバノンの煮込み料理などメイン系もいくつかあります。▼
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Sorteのファラフェルはたったの6GEL(=¥300)と、現在のトビリシの外食費水準を考えると信じられないほどの低価格。
しかしながら、安かろう悪かろうではありません。薄いピタパンに手作りのファラフェルや各種野菜、レバノンならではのレモングラスが入った本格的な味わいの絶品ファラフェルを提供してくれるのです。▼
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2024年にオープンしたばかりだそうで、今のところまた知名度は低めなSorte。
この価格でこのクオリティーの料理をサッと出してくれる店は、トビリシ広しと言えどもほとんどないので、マルジャニシュヴィリ地区に滞在する際はぜひ立ち寄ってみてください!
⑪珍しいBBQ総菜パン!【中央駅前のベーカリー】
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できる限り低予算で&短い時間で&美味しいものが食べたい!という人におすすめなのが、トビリシ中央駅西側のロータリーの角付近にあるベーカリー。【マップ 青⑪】
ぱっと見た感じでは、ハチャプリやロビアニなど焼きおきしたパンを売るような、トビリシ市内どこにでもある普通のベーカリー。
しかしこのお店、焼きおきである点は一般的なベーカリーと同じですが、メニューがかなり独特なのです。
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▲「豚肉のBBQサンドイッチ」や「カバビ(棒状挽き肉)サンドイッチ」など、ジョージアが誇るBBQ料理を挟んだパンがずらり。
具として挟まれているのは、ごろごろした肉の塊に玉ねぎ、申し訳程度のレタスがちょっこり…と、あくまでも「ムツヴァディ(炭火BBQの総称)をそのままパンに挟みました!」といった感じです。
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▲肉肉しいサンドイッチ以外にも、各種スイーツ系菓子パンも独特なものがたくさん。
価格も完全なるローカルプライスで、「こういうベーカリーが近所に欲しかった…!」と思うこと間違いなしです。
⑫ジョージアの家庭料理をテイクアウト!【Saojakho Samdzareulo】
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次に紹介するのは、トビリシ中央駅西側にのびる大通りの一角で、ひっそりと看板を掲げるこの店。
ジョージア文字でSaojakho Samdzaleuroと書かれているのですが、日本語にするなら「家庭料理屋」といったところでしょうか。【マップ 青⑫】
その実態は、奥のキッチンで調理した大量の料理がずらりと並ぶ、ビュッフェスタイルの食堂でした。▼
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店内はかなり狭い(テーブルが一卓あるだけ)ですが、料理の種類はかなり豊富。
ジョージアが誇る前菜やサラダ類から、オーストリなどの煮込み料理、カツレツや鶏の半身焼きなどガッツリ肉料理までが揃っています。
メニューはちゃんと表示されており、多くは100g単位で値段が決まっています。
まあジョージア語表記のみなので、見た感じで食べたいものを指差し注文することになるでしょうが…▼
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好きな料理を注文したら、基本はお持ち帰りするのがおすすめ。
店内のたった一卓のテーブルで食べることも可能ですが、次から次へとお惣菜をテイクアウトしていく地元の人が出たり入ったりするので、あまりゆっくりできないためです。
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サラダ系/メイン系ともに、作り置きとはいえかなりレベルが高い味なのも印象的。
大手スーパーなどでも各種お惣菜の量り売りはしていますが、値段も質もこのお店の圧勝だと思います。
⑬謎のムツヴァディ屋
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すでに本記事内にいくつか登場している、ジョージアの炭火BBQ「ムツヴァディ」。
トビリシで絶品のムツヴァディを安く食べるなら、すでに紹介したムツヴァディ街道のBBQ露店の右に出る店はありません。
しかしながら、ローカルが通う酒場のような雰囲気で酒場っぽいムツヴァディを食すのも、トビリシならではの体験の一つ。
そこでおすすめしたいのが、地下鉄サムゴリ駅南側にある謎のムツヴァディ屋です。【マップ 青⑬】
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地下鉄サムゴリ駅の南側には巨大なサムゴリ市場があり、市場の敷地外もかなりのカオス感が漂っているのですが、そんな雑踏の一角にある謎の小屋(?)が今回紹介するムツヴァディ屋。
看板などはいっさいなく、狭い店内には年季の入ったテーブル席が4~5卓ほど。
その奥で店主らしきおじさんが無言でひたすらに肉を炭火で焼いている、というディープな雰囲気です。(まじでこれが飲食店だと気づいたのぶよの嗅覚を、誰か褒めてほしい)
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豚肉のムツヴァディは、一本6GEL(=¥300)という驚異的な低価格。
しかもパンとサツェベリソースは無料でついて来るという、トビリシではもう風前の灯となりつつある出血大サービスです。
正直、ムツヴァディのクオリティーはムツヴァディ街道の露店のものには及びませんが、それでも値段の割にかなり美味しいです。
1杯2.5GEL(=¥125)の激安生ビールでクイッと流し込めば、ああもう天国…!
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店のおじさんは一見すると不愛想な感じですが、話してみると意外にも気さく(もちろんジョージア語かロシア語しか通じないけど)。
おじさんの妻らしきおばさんも、柔らかい態度で素敵な感じでした。
店に集まっているのは、地元民らしきジョージア人軍団が数組。
ムツヴァディを肴にして飲み会をしているようで、こういったディープな雰囲気が残っているのも素敵です。
ジョージアのローカル酒場初心者には入りにくいかもしれませんが、こういった雰囲気が好きな人にはたまらない空間。
サムゴリ地区に行った際は、ぜひ勇気を出して入ってみては…?
トビリシの格安レストラン:8ラリ~12ラリ(400円~600円)で食事できる店
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一人一食8GEL~12GEL(=¥400~¥600)ほどの予算があれば、飲食店の選択肢は大幅に増えます。
驚くほどの激安価格!…というわけではないものの、どこもかなりリーズナブルな価格で食事ができるお店ばかり。
トビリシ中心街に比べると割安感は顕著で、わざわざ足をのばす価値があります。
ローカルの人々にとってもこの価格帯のお店が適正価格のようで、どこも多くの地元客でにぎわいます。
⑭人情食堂で味わう飾らないジョージア料理!【ササディロ・コカコーラ】
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トビリシ北部のディドゥベ地区でひっそりと営業するササディロ・コカコーラ(სასადილო კოკა კოლა)は、「THE・ソ連時代のローカル食堂&酒場」といった雰囲気のお店。【マップ 黄①】
かつてはコカコーラの製造工場に併設されていた「社員食堂」のようなお店だったそうですが、工場が閉鎖。
現在は、近所のおじさんたちが集まるディープな雰囲気の食堂として営業しています。
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ムツヴァディ(ジョージア風BBQ)やカバビ(棒状ひき肉のグリル)などのBBQ系料理をはじめ、このお店のウリは種類豊富なスープ料理と煮込み料理。
チャカプリ、ハルチョー、チャシュシュリ…
どれも飾りっ気こそありませんが、じっくりと調理されたことが舌で感じられるものばかりです。
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英語はいっさい通じず、ロシア語すらも通じないというジョージア語100%のエクストリーム・ディープな環境ですが、店員さんたちはみんなとても温かく笑顔で迎えてくれます。
何回も通いたくなるような人情味と素朴なジョージア料理が味わえるおすすめの食堂。
ジョージア語の腕試しもかねて、訪問してみてはいかがでしょうか。
⑮家族経営のアットホームな居酒屋【Old Time Sakhinkle】
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「古き良きトビリシの食堂感」が強く感じられるのが、Old Time Sakhinkleというお店。【マップ 黄②】
トビリシ中心街からやや離れた、地下鉄グラミシュヴィリ駅近くのソ連住宅の一階部分でひっそりと営業しており、外国人などまずやって来ない場所柄、客のほぼ100%が近隣に住むジョージア人です。
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店内は8卓ほどのテーブル席が設置されているだけのこじんまりとした空間。
中央のテーブルはなぜか観葉植物コーナーになっており、店の人の謎センスに首をかしげたくなります。
さばさばしていながらも愛想は悪くないお店のおばさんが持ってきたメニューがこちら。▼
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煮込み系やスープ料理、ハチャプリにBBQ系など、食堂にしてはまあまあな品揃え。
しかしながら、ここはSakhinkle(=「ヒンカリ店」の意味)と店名にもなっているヒンカリを注文してみましょう。
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ヒンカリの注文は最低5個から。
注文から10分ほどで、アツアツのヒンカリが到着します。
この店のヒンカリは、皮がやや厚めの家庭的なスタイル。
具のひき肉は新鮮であることが舌で感じられるほどのジューシーさとほろほろ食感で、塩気はやや強めです。
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ヒンカリを半分以上食べたところで店のおばちゃんがやって来て「あんた!ヒンカリには黒胡椒かけなきゃ!」と卓上の胡椒をどばぁ~っと強制的にかけられるのもご愛敬。(くしゃみ出まくった…)
ジョージアでは「ヒンカリ=黒胡椒をかけて食べるもの」というのは常識なのですが、のぶよ的には肉の風味を存分に味わいたいので胡椒はかけずに食べたいもの。
まあ、郷に入りては郷に従うということでしょうか…(それにしてもかけすぎな気はしたけど)
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▲ 再訪した際に注文したチヒルトゥマ(鶏と卵とお酢のスープ)もかなりの美味しさでした。
Old Time Sakhinkleは完全なる家族経営のようで、注文担当のおばさんと調理担当のおばあさんがのんびりと働いている感じもなかなか素敵。
トビリシ中心街にはもうほとんど残っていないアットホームな雰囲気の食堂で、飾らない家庭的な味を楽しみたいなら、わざわざ足をのばす価値アリです!
⑯伝説の居酒屋は今も健在!【チュリ】
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かつて「バックパッカーの聖地」と称されたトビリシ。
この町を旅し、ときには沈没し…そんな往年の旅行者たちに愛され続けてきた伝説の店が、トビリシ中央市場の目の前にあります。
その名もチュリ(Churi / ჭური)。【マップ 黄③】
リーズナブルな価格と、市場目の前というロケーションが生み出すローカル感が魅力的な、レストラン&飲み屋といった雰囲気のお店です。
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こちらも①マプシャリアと同様に、もともとは市場で働くおじさん達が一杯ひっかけにくるようなお店でした。
そのため、はっきりした分かりやすい味つけが特徴的です。
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チュリのメニューは、ジョージア料理の定番はほぼすべて揃ったもので、初めてジョージアを訪れる旅行者にはぴったり。
客層はローカルと外国人が半々といったところで、程良いローカル感でディープすぎない雰囲気であるのも人気の理由かもしれません。
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日本人の間では「シュクメルリ(鶏肉をニンニク&大量の油で揚げて牛乳を入れたもの)を食べるならここ!」と言われることが多いそうですが、それ以外にも美味しいものがたくさんあります。
・チヒルトゥマ(Chikhirtma=鶏肉と卵のレモンスープ)
・ヒンカリ(Khinkali=ジョージア風小籠包)
・アプハズラ(Apkhazura=ハンバーグ)
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昼間の時間帯は空いていることが多く、一人での食事でも問題ありません。
いっぽう、夜になると市場のおじさんたちがわらわらと集まってきてディープな雰囲気になるそう。
複数人でローカル酒場感を味わいたいなら、夕食の時間帯もおすすめです。
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近年では外国人の間でもポピュラーになったチュリですが、昔ながらの居酒屋感がまだまだちゃんと残っている点も◎
「ローカルに食事がしたいけど、ディープすぎる食堂はちょっと…」という人でも入りやすいですし、数人でワイワイ飲み食いするのもおすすめです!
⑰ベジタリアンブームの火付け役?【ムフド】
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ここ数年、ベジタリアン/ヴィーガンブームが脈々と根付きつつあるトビリシ。
その火付け役となったお店の一つが、地下鉄ルスタヴェリ駅すぐそばにあるムフド(Muhudo)です。【マップ 黄④】
ムフドのメニューはファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)ただひとつ。
ここのファラフェルがとにかく美味しいのです ▼
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野菜とファラフェルがたっぷり詰まったラップサンドスタイルで提供され、お肉が入っていないとは思えないほどにボリューミー。
特製のタヒーニ(ごまのペースト)も香り高い絶品で、スパイシーソースを無料で入れてもらうことも可能です。
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注文を受けてからファラフェルを揚げるため、提供までには10分ほどの時間がかかりますが、それこそが美味しいことの証。
トビリシNo.1のヘルシーフード、ぜひ一度は味わってみては?
⑱トビリシNo.1のシャウルマ店【ティフリス】
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ジョージアでのファストフードの定番と言えば、鶏肉/豚肉を削ぎ落して野菜と一緒に巻きあげたシャウルマ(Shaurma)。
ジョージアのみならず、シャウルマは西アジア~旧ソ連地域の多くの国で食されています。
正直に言いますね。
トビリシのみならず、ジョージアのシャウルマはレベルが低い店が多いと思います。
ソース入れすぎで味が濃い、肉の焼き方がイマイチでジューシーさがない、生地の巻き方が下手、などなど。
本当に当たりはずれが激しいので、美味しい店を見つけた時の喜びといったら…
そんなトビリシですが、地元民の間で「トビリシで一番美味しいシャウルマ」と囁かれる店があります。
それが、地下鉄アヴラバリ駅近くにあるティフリス(Tiflis Fast Food)。【マップ 黄⑤】
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このエリアはアルメニア系住民が多いこともあり、隣国・アルメニア風の炭火焼きシャウルマが食べられるのです。(ジョージアで一般的なシャウルマは、専用の電動マシンで肉を焼く場合がほとんど)
新鮮な野菜と特製ソースが入るのはもちろん、ザクロの実がトッピングされる点もユニーク。
ほのかな甘みと酸味が、脂したたる肉とよく合います。
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アルメニアのシャウルマは、炭火で肉を焼く以外にも特徴があります。
・フライドポテトが入る
・フレッシュハーブが大量に入る
・ソース/マヨネーズは最低限
ティフリスでは肉の焼き方こそアルメニア風の炭火焼きですが、それ以外はおなじみのジョージアンスタイル。
そんな隣同士の二国のフュージョンのようなシャウルマがこちら ▼
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肉のジューシーさはギュッと詰まっており、野菜もシャッキシャキに新鮮。
ラヴァシュ(周りの生地)も良い感じにサクサク&もちもち食感で、総合的にとても美味しいです。
地元民の間で人気なだけあって、のぶよ的にもここのシャウルマがトビリシでは暫定一位。
まだまだ絶品シャウルマ探しの旅は続けるつもりですが(笑)、とりあえずここなら間違いないです!
⑲トビリシのヒンカリ専門店【Klike’s Khinkali】
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旅行者にも地元民にも大人気のジョージア風小籠包といえば、ヒンカリ。
多くのレストランで提供される定番メニューですが、クオリティーはお店によって結構異なるもの。
せっかくなら、美味しいヒンカリを食べたいものですよね。
のぶよ的に、トビリシで一番美味しいヒンカリ露店と良い勝負になるくらい美味しいヒンカリを提供するお店だと思うのが、中心街に位置するKlike’s Khinkali。【マップ 黄⑥】
このお店のすごいところが、食事メニューはヒンカリのみだという点。
トビリシ広しといえども客単価の安いヒンカリ一本で勝負している店はかなり珍しく、揺るぎない自信がうかがえます。
また、こちらは露店ではなくちゃんとしたお店であり入りやすいので、ローカルレストラン初心者でも安心。
半地下のような空間が飲食スペースとなっており、レトロで絶妙なお洒落感が素敵です。
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Klike’s Khinkali名物のヒンカリのお味は、もはや感動もの…!
定番のひき肉入りのヒンカリはもちろん美味しいですが、スパイスの効いたキノコソテー入りのものやポテト&チーズ入りのものなど、すべてがかなりレベルが高いです。
肩肘張らない雰囲気なので、一人でも気兼ねなく利用できる点も◎
どうか実際に訪れて、絶品ヒンカリに感動してほしいです!
⑳クタイシの名物グルメをトビリシで味わう!【Bikentias sakababe】
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車の修理屋や部品工場が建ち並ぶツェレテリ地区の一角にあるビケンティアス・サカバベ(Bikentias sakababe / ბიკენტიას საქაბაბე)は、一見するとただの民家や倉庫のような外観のお店。【マップ 黄⑦】
実はここ、ジョージア中西部の都市・クタイシ発祥の「クタイシ風ケバブ(カバビ)」の名店と同系列のお店。
クタイシでは伝説級の知名度を誇る名物グルメが、トビリシでも食べられるレアな場所なのです。
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店内は「THE・食堂」といった質素な雰囲気。
カウンターが設置されており、事前に注文&支払いをするのもよくあるスタイルです。
メニューはジョージア語のみで、初めての人にはやや難易度が高いかも。
クタイシ本店のメニューはケバブ + パン + ビールのセットが10GEL(=¥440)の一種類のみでしたが、トビリシ店ではジョージア料理の定番は押さえた豊富なラインナップ。
価格はクタイシに比べて少々高めとなっています ▼
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オーストリ、ヒンカリ、シュクメルリなど、ジョージア料理の定番系はほとんど揃っていますが、やはりここは名物のカバビ(Kababi /ქაბაბი)を注文するのが流儀でしょう!
「カバビ」とはジョージア語で、棒状に固めたひき肉をグリルした料理のこと。
一般的にはラヴァシと呼ばれる薄いパンで巻かれた状態で提供され、ファストフード感が強いです。
いっぽうで、このお店が提供するカバビは「クタイシ風」。
何が違うのかというと、トマトとビールを煮詰めたソースにどっぷりと浸った状態のメイン料理として提供されるのです ▼
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ジューシーなお肉とスパイシーなソースのハーモニーは、クタイシで食べたものと遜色ない美味しさ。
とにもかくにも、ビールとの相性が抜群です!
一つ異なるのは、ここトビリシ店のソースはかなりスパイシー(というか激辛)だった点。
クタイシの本店のソースも辛味はありましたが、もう少し甘味やコクが全面に出ていたような気もします。
また、トビリシ店ではビールがついてこない(別料金で3.5GEL=¥157)点も大きな違い。物価が高めなトビリシなので仕方ないかもしれませんが…
とはいえ、クタイシ風ケバブといえばビールでグイッと流し込むものなので、ここはぜひ注文しておくのが◎
本店との多少の違いはあるものの、わざわざクタイシまで足をのばさなくとも、トビリシにいながら本場の味が楽しめるのは大きな魅力。
ローカルな食堂&酒場感も素敵ですし、他にもメニューは豊富なのでぜひ一度は足を運んでみてください!(できればクタイシ本店のカバビもぜひ食べ比べてほしい…!)
㉑トビリシ中心街のオアシス【Family Kitchen TAR TUN】
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トビリシの旧市街や中心街は、市内で最も飲食費が割高なエリア。
観光客向けや外国人向けのお店が多く、手軽に&安く&美味しい料理を食べられるスポットはかなり限られています。
そんなエリアにおけるオアシスのような存在のお店が、Family Kitchen TAR TUN。【マップ 黄⑧】
トビリシ中心街ど真ん中の地下鉄リバティー・スクエア駅から徒歩4分ほどの場所に位置していますが、メインストリートであるルスタヴェリ通り(Rustaveli Av.)の一本西側の通りに位置しているためか、意外にもあまり知名度は高くありません。
このお店の特徴は、ソ連時代の大衆食堂のスタローバヤスタイルである点。
出来合いの料理がずらりと並んでおり、重さで金額が決まるシステムで、好きなものを好きなだけ指差し注文できるため旅行者の強い味方です。
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出来合いの料理だからと言って、あなどることなかれ。
このお店の料理はすべて奥の調理場で手作りされており、ジョージア料理の基本的な前菜やメインが多く揃っているのです。
また、こうしたスタローバヤスタイルのお店は果てしない場末感が漂っている場合も多いのですが、このお店は内装もお洒落。
ちょっとしたカフェのような雰囲気で、四卓のテーブル席に加えてカウンター席もあるので、一人でサクッと食事をしたい場合でも気兼ねなく利用できます。▼
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メニューの価格帯は、トビリシ中心街のレストランに比べて3分の2ほどと低めなのも嬉しい点。
何を選ぶかにもよりますが、前菜一品+メイン一品+サイドメニューで9GEL~13GEL(=¥450~¥650)ほどが相場です。
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このお店の料理は、どれも家庭的で素朴な味わい。
全体的に塩気もちょうど良く、ランチにはぴったりです。
“Family Kitchen”という店名の通り、家族経営の温かな雰囲気も魅力的。
英語も問題なく通じますし店の人の愛想も抜群に良いので、気持ちよく食事をすることができる「トビリシ中心街の小さなオアシス」のようなお店です。
㉒ローカル感に浸ってサクッと食べ飲み【ディドゥベ・バスステーションの場末居酒屋】
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トビリシ中心街北部に位置するディドゥベ・バスステーション。
トビリシから近郊の町やジョージア各都市へのミニバスが発着する巨大なバスターミナルで、ジョージアを旅行するなら一度は利用する機会がある場所です。
ディドゥベ・バスステーションの敷地はとにかく広大&カオスで、行き先別にターミナルが分かれています。
その中でも旅行者が最も利用するであろう、ムツヘタやカズベキ、ジョージア軍用道路方面へのミニバスが発着するターミナルの一角でひっそりと営業するのが、ディドゥベ・バスステーションの場末居酒屋。【マップ 黄⑨】
外観はもはや掘っ立て小屋で、内部はトタン屋根に覆われた空間にテーブル席が8席ほどあるだけのお店です。
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他都市へのミニバスが発着するバスターミナル内に位置しているため、外国人客の利用も多いのかと思っていたのですが、このお店の客層はほぼ100%地元のジョージア人。
ミニバスの運転手の休憩場所として機能しているのはもちろん、バスステーション併設のディドゥベ市場で働く人が飲みに来る場所にもなっているようで、どの時間帯でも多くの人で賑わっています。
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あまりのローカル感に最初は戸惑うかもしれませんが、一度入店してしまえばこっちのもの。
家族経営の居酒屋のようで、店の人たちも笑顔で出迎えてくれますし、意外にも居心地は良いです。
メニューは、ジョージア料理の基本がほぼそろったもの。(写真撮り忘れた…)
スープ系やグリル系、酒のおつまみまで色々とありますが、とりあえずヒンカリ(1個1.5GEL=¥75)を注文してみました。
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ヒンカリの生地はやや厚めで、手作り感あふれるもの。
具のひき肉もジューシーで、やや濃い目の味付けは酒飲みに合わせたものかもしれません。
すでに紹介した絶品ヒンカリ露店やKlilke’s Khinkaliには及ばないものの、まずまずの味わいでした。(こういう場末居酒屋はフード類の当たり外れ激しいので、まずまずの味わい=合格点)
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周りを見渡してみると、平日の真っ昼間からワインを飲みまくっている常連客三人組や、一人で20個ほどのヒンカリを貪り食うおじさん、タバコをふかしながら無言でスマホをいじる若者二人組など、なかなかにカオスな雰囲気。
トビリシではもうほとんど残っていないディープな酒場感が色濃く残っており、こうした雰囲気に浸りながらちょい飲みしたい人にはおすすめです!
㉓トビリシの二郎系バーガー【Tarantino】
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すでに「トビリシの地元民に愛される格安バーガー店」としてFamily Burgerを紹介しましたが、少し趣向が異なるバーガー店をもう一軒紹介します。
その名も、Tarantino。【マップ 黄⑩】
トビリシ市内北部の地下鉄グラミシュヴィリ駅から徒歩10分ほどの住宅街にあります。
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外観もメニューも、トビリシによくあるファストフード店のようなたたずまい。
シャウルマやハンバーガーなどが販売されていますが、Tarantinoで挑戦したいのがチーズバーガーです。
何を隠そう、ここのチーズバーガーは脂ギットギト&究極にこってりなチーズソース&野菜皆無という、健康に悪すぎるジャンクな絶品なのですから…
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牛肉100%の厚めのパテは、たっぷりのラードを敷いた鉄板で焼かれたもの。
とろ~りとろけるチェダーチーズがすでに数枚挟まっているにもかかわらず、チーズベースの特製ソースをこれでもか!とさらに塗りたくった状態で提供されます。
サイズが爆弾のように巨大で、チーズソースもかなりこってりした味付けなので、食べた後は放心状態になります。
それでも、気が付いたらまた食べたくなっているのですから…中毒性に関してはトビリシのファストフード界No.1かもしれません。
そんなTarantinoにのぶよがつけた名前は「トビリシの二郎系バーガー店」。
一度食べてみれば、きっと誰もが納得するはずです。
さらに、このお店は24時間営業。
気が向いたときにいつでも禁断の食体験ができてしまいますねえ。ああ…まことにけしからぬ…
㉔炭火焼の魚は感動の美味しさ【魚のムツヴァディ露店】
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すでにトビリシで一番のヒンカリ店の項で紹介したムツヴァディ街道ですが、他にも絶品のローカル露店があります。
それが、魚のムツヴァディ(炭火焼き)を提供してくれる露店。【マップ 黄⑪】
定番の豚肉のムツヴァディやカバビ(棒状挽き肉)はもちろんのこと、サーモンやカルマヒ(川マスの一種)など、仕入れに合わせて魚の炭火焼きが楽しめるのです。
ジョージアでは魚料理は値が張る場合が多いのですが、この店は別。
カルマヒの炭火焼きが9GEL(=¥450)/サーモンの炭火焼きが12GEL(=¥600)と、肉と変わらない低価格で提供してくれるのが嬉しいです。
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炭火で焼かれた新鮮な魚の美味しさは、もう天国そのもの。
持ち上げるとほろほろっと崩れてしまうほどに柔らかな身は、脂ののり具合が完璧。
炭火で焼かれているためなのか、サーモン本来の風味や旨味がしっかり閉じ込められているように感じられます。
食感はほわっほわの極みで、生臭さはゼロ。
サーモン本来の味わいを楽しめるように塩加減はかなり控えめで、上品な甘味と脂のコクに完全にノックアウトされました。(でも欲を言えば醤油ほしい…)
店の人も愛想が良く、開放的な中庭席なのでローカル店なのに入りやすい点も◎(でも店内席はないので雨の日はキツイかも…)
トビリシ広しと言えども、この価格で魚を炭火焼きにしてくれる店は他に存在しないと思います!
㉕トビリシっ子に大人気の豚肉ぎっちりシャウルマ!【Shaurma Club】
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トビリシっ子には、みんなそれぞれにお気に入りのシャウルマ店があるものなのだそう。
中でも、市内の若者に絶大な人気を受ける店が3~4軒存在しているそうで、「トビリシのシャウルマ四天王」さながらの状況となっています。
本記事内でも紹介したTiflis Fastfoodはその四天王の一つですが、それに負けない人気を誇るのがShaurma Club。【マップ 黄⑫】
トビリシ中央市場の南側の交差点付近に位置しており、常に多くの客がシャウルマの出来上がりを待機しています。
この店のシャウルマは、基本的に豚肉。
トビリシのシャウルマ店は、ソースがべちゃっとなっていたり野菜で肉の量を誤魔化したりする場合もあるのですが、Shaurma Clubのシャウルマ(中サイズ12GEL)はどこまでも質実剛健たるものです。▼
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端から端までぎっちりと詰まった豚肉と、それを邪魔しない程度に入ったフレッシュな野菜。
ソースの量も控えめでマヨネーズは入っていないので、豚肉本来の旨味や食感が全面に感じられるのです。
肉肉しさ部門なら、トビリシのシャウルマ界でおそらくトップレベルのShaurma Club。
大人気なので待ち時間が長い&飲食スペースが屋外のみである点がネックですが、それでもあえて挑戦する価値大のお店です!
㉖ちゃんとしたジョージア料理をリーズナブルに食べるなら!【Kutkhe】
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「外食にあまりお金を使いすぎたくない…でも、ちゃんとしたジョージア料理も食べたい!」なんて贅沢な悩み(?)を持つ旅行者におすすめなのが、Kutkhe。【マップ 黄⑬】
マルジャニシュヴィリ地区の瀟洒なストリートの一角、ちょうど交差点に面した角に位置している小さな食堂チックなレストランです。(店名のKutkheは、ジョージア語で「角/コーナー」の意味)
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店内は半地下に位置しており、テーブル席が七卓のみという狭さ。
暖色系の明かりにぼうっと照らされた空間は、なんとなく隠れ家のような雰囲気を醸し出しています。
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Kutkheのメニューはこちら。写真も全て掲載されているので、ジョージア料理初心者にも優しいです。▼
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Kutkheのメニューは、前菜系からメインとなるグリル料理や煮込み料理、ハチャプリ系まで充実しているもの。
今でこそメニューはかなり豊富になっていますが、かつてはヒンカリ専門店のような存在だったそうで、現在でもヒンカリは看板メニューのひとつなのだそうです。
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ヒンカリと言えばのぶよ、のぶよと言えばヒンカリ…といったことわざがジョージアにはありますが、この小国の津々浦々で絶品ヒンカリを探し歩いてきたのがのぶよ。
正直、「うわ…なにこれ…!」と心の底から感動するレベルのヒンカリはトビリシではなかなか出会えないのですが、Kutkheはどうなのでしょうか…?
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▲ 結論から言うと、ヒンカリは「う~ん…」といった感じ。
いや…決して不味くはないのです…味付けも優しく、肉汁も申し分ないのですが、どうも何かが足りないような…
皮の厚さも結構あり、あまり好みのヒンカリではありませんでした。(トビリシならやっぱりKlike’s Khinkaliが一番かも)
しかしながらこのKutkhe、看板メニューらしいヒンカリ以外の料理はとてつもなくレベルが高いです。
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じっくり丁寧に調理されたことがわかるスープ料理や、スパイスの使い方が絶妙な野菜のくるみ和え「プハリ」など、どれも味のレベルがかなり高いです。
さらに、値段もトビリシ的にはかなりリーズナブルなのが嬉しい点
8GEL(=¥400)ほどの前菜系や、メイン系で10GEL前後(=¥500)というのは、トビリシにおいては完全に食堂の価格。
このクオリティーでこの価格なら大満足ですし、このご時世でサービス料が加算されないという奇跡のような明朗会計も素晴らしいです。
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▲シュクメルリ(18GEL)も、トビリシ最安値レベルなのにかなりの絶品。
ニンニクの量がやや控えめで、かなり食べやすいのが嬉しいです。
トビリシの飲食店は概して塩気が強すぎる店が多いのですが、Kutkheの料理は全体的にあっさり目の味付けなのも◎
メニューもバラエティー豊富なので、何度も通いたくなること間違いありません。
店の人の対応も悪くなく、テキパキ動いていたのも印象的。
価格、味、サービスともに、トビリシの飲食店の中ではかなりバランスのとれたお店だと思います!
トビリシのおすすめレストラン:12ラリ~20ラリ(600円~1000円)で食事できる庶民的な店
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一人一食あたり12GEL~20GEL(=¥600~¥1000)ほどの予算があれば、庶民的なレストランで食事する選択肢も得られます。
ジョージアの人にとっては「毎日利用するにはちょっと高いけど、たまに友人たちと飲み食いするのに適した場所」といったお店がこの価格帯。
日本人的にはまだまだ割安感が感じられると思います。
この価格帯の店は、食堂的に一人でふらりと訪れてサッと食事を済ませる食堂スタイルというよりも、居酒屋のように利用されるお店が多いのも特徴的。
数人で訪れて数品注文し、シェアするスタイルが断然おすすめです!
㉗1杯150円の格安ビアガーデン!【ルディ・カズベキ】
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ジョージア国内最高峰のカズベキ山の名を冠した「カズベキビール」。
全国的にポピュラーな銘柄で、日本のラガービールに近いキレとのどごしには、根強いファンも多いです。
スーパーやその辺の商店でももちろん購入可能なカズベキビールですが、せっかくなら製造している工場に併設されたビアガーデンで味わうのもおすすめ!
それがこちらのルディ・カズベキ(Ludi Kazbegi / ლუდი ყაზბეგი)です。【マップ 赤①】
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広々とした半屋外のテラス席は、なんと生ビールが1杯3GEL(=¥150)で飲めてしまう天国。
開放的な雰囲気の中で味わう生ビールは、瓶のものとはひと味もふた味も違います。
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フードメニューも充実していて、ジョージア料理の定番系は勢ぞろいしています。
仲間たちと数人でワイワイ楽しむにはもってこい!(他の地元客はみんな数人連れだって来ている)
…まあ、のぶよは一人で行きましたが、普通に楽しめました(笑)
ローカル感あふれるビアガーデンではあるものの、このお店の料理は意外に味が良いです。(やや塩がきつめの日もあるにはあるけど)
値段もトビリシにしてはかなり良心的な方で、とにかく開放的な雰囲気が素晴らしいので、ぜひとも一度は足を運んでみては?
㉘トビリシのファミレスでお手軽ジョージア料理!【サミキトノ】
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「初めてのジョージア旅行でどこのお店に行けば良いのかわからない…」という人は、とりあえずサミキトノ(Samikitno Georgian Cuisine)へ行きましょう。【マップ 赤②】
サミキトノは、トビリシに数店舗チェーン展開しているファミレスのようなお店。
・一人でも入りやすい雰囲気
・写真付きメニューがある
・量がそこまで多すぎない
・比較的リーズナブルな料金
と、ジョージアのレストラン初心者にとっては嬉しい点ばかり。
地下鉄リバティー・スクエア駅から徒歩5分ほどの場所にも支店があるため、旧市街や中心街の観光時にも便利です。
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サミキトノのメニューは、ジョージア料理の基本的なものは一通りおさえたもの。
スープ系、前菜、メインなど…どれも普通に美味しいです!
・キノコのクリームスープ(Sokos Krem Supi)
・ヒンカリ(Khinkali=ジョージア風小籠包)
・ハルチョー(Kharcho=牛肉/鶏肉のスープ)
ヒンカリは定番のひき肉入りのもの以外にも、ポテト入りやキノコ入りなどバリエーション豊か。
一人では食べきれない量が出されるのが一般的なシュクメルリも、ハーフサイズがあるので注文しやすいです ▼
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反対にオジャフリ(豚肉とポテトのグリル)やムツヴァディ(BBQ)などのグリル系料理に関しては、個人的には少々焼きすぎでイマイチだった印象。
その他はリーズナブルに美味しいものが食べられるので、気軽にレストラン利用したい人にはおすすめです!
㉙心温まるウクライナ&ロシア料理の食堂!【ペリメニNo.1】
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トビリシ南東部のイサニ地区の一角にぽつりとたたずむ、ウクライナ料理とロシア料理を提供する食堂。【マップ 赤③】
「ペリメニNo.1」とだけ書かれた看板が出ているだけで、知らないと通り過ぎてしまうようなたたずまいですが、その内部は別世界。
絶品の東欧の味を求めて、地元のジョージア人をはじめ旧ソ連圏出身の人々が集まる異空間となっています。
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店名にもなっている通り、このお店の一番の名物はサワークリームで煮込まれたペリメニ(水餃子)。
一つ一つ丁寧に手作りされたペリメニはとにかく美味しく、本場で食べるものにも負けていません。
ボルシチやビーフストロガノフなど、他にもウクライナやロシアの家庭料理が充実。
どれもかなりの絶品なので、何回も通って制覇したくなるはずです。
お店の人のサバサバしていながらもウェルカムな対応も含めて大満足間違いなし!
トビリシ滞在中にぜひ一度は足を運んでみては?
㉚トビリシ旧市街に残る昔ながらの居酒屋風レストラン【Racha】
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トビリシ観光の中心となるのが、トビリシ旧市街。
かつては旧市街にも地元の人が集まるような店がいくつかあったのですが、コロナ禍でほぼすべてなくなってしまい、現在では旅行客をターゲットにしたお高めのレストランばかりになってしまいました。
そんなトビリシ旧市街における「最後の砦」のような店が、Racha。【マップ 赤④】
観光ストリートからほんの少しだけ外れた立地に位置しており、怪しげな入口から店内に入ると、半地下に飲食スペースが広がる「THE・ジョージアの居酒屋」といった空間が広がっています。
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Rachaの客層は、やはり土地柄なのか8割ほどが外国人で地元のジョージア人客は少数派。
しかしながら、旧市街でジョージア人の地元客が通う店はもうほとんど残っていないことを考えると、かなり地元密着型で頑張っていると言えそうです。
そんなRachaのメニューがこちら。▼
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価格的には、旧市街という立地を考えるとだいぶリーズナブルな方。
トビリシの観光エリア外のローカルレストランに比べるとやや高いかな…?といった感じでしょうか。
観光エリアすぐそばにあるにもかかわらず、サービス料をとらないという点も好印象。
トビリシ旧市街&中心街の店で会計時に10%やら18%やらを加算してこない店は、もはやここRachaくらいなのでは…
Rachaは注文のシステムがやや独特な点に注意。
最初に着席するとメニューが渡されるのですが、いくら待っていても席に注文を取りに来てはくれません。
店の奥のカウンターに陣取るボスキャラのおばちゃんのところに自分で出向き、欲しい物を注文してその場で料金を払うのです。
この注文システムにも、昔ながらのトビリシの酒場っぽさ(=後払いだと酔っ払い客が料金トラブルを起こしやすいため、先払い)を感じます。
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店名になっているRachaとは、ジョージア西部の山岳地域であるラチャ地方のこと。
ラチャ地方はジョージア髄一のグルメエリアとして名高く、シュクメルリやロビオなど数々の定番料理の発祥の地という一面もあります。
そんなグルメエリアの名を冠するRacha。これは期待できそうです…が……
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▲のぶよが新しい店に行くと「とりあえずお手並み拝見」とばかりに注文するヒンカリは、正直微妙でした。
…いや、はっきり言いましょう。美味しくなかったです。
具の肉が新鮮ではないのをスパイスでごまかしている感じで塩気もかなりきつめ。
ヒンカリの生地も分厚くて微妙な食感で、一度冷凍されているものだと思います。
もうヒンカリに関しては、トビリシではKlike’s Khinkaliかムツヴァディ街道のヒンカリ屋の右に出る店はおそらくないので、ここは何か違う料理を注文しましょう。▼
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▲ ラチャ地方名物のひとつであるハルチョーは、油多めのこってりとした味わいが絶妙。
牛肉はやや硬めではありましたが、スパイスの使い方や味付けはかなり上手だと思います。
そんなわけで、Rachaを訪問するならとりあえずヒンカリ以外を注文しましょう。
のぶよは食べていませんが、この店のシュクメルリは本場ラチャ風のにんにくどーんなスタイルで美味しいそうなので、シュクメルリ愛好家はぜひ挑戦してみましょう。
㉛ウイグル料理をリーズナブルに【新疆餐庁】
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トビリシ中心街から地下鉄と路線バスを乗り継いで40分ほど。
市内最大の湖であるトビリシ・シーの近くに、近年造成されつつあるフアリン地区というエリアがあります。
フアリン地区は、中国資本の輸入家具店や不動産店などがある「リトル中華街」といった感じのエリア。
いまだ開発途中といった感じなのですが、本場のアジアの味をリーズナブルに提供している食堂がいくつかあります。
その一つが、新疆餐庁という店名の小さなお店。【マップ 赤⑤】
店名からわかる通り、ウイグル料理を提供する食堂です。
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メニューの数はそれほど多くはないものの、プロフ(羊肉の炊き込みご飯)やラグマン(ウイグルのうどんのような料理)など、トビリシでは珍しい料理がラインナップ。
お店のウイグル人のおばさんおすすめの牛肉麺は、これ以上ないほどの旨味と滋味にあふれた絶品でした。
このお店の麺はすべて自家製だそうで、タイミングが合えば製麺の工程も見られるかも。
さばさばしていながらも笑顔が素敵なお店のウイグルの人たちとの触れ合いも楽しみです!
㉜ガチの激辛中華と絶品焼き餃子【中国味道】
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「トビリシのリトル中華街」フアリン地区にあるもう一軒の食堂が、中国味道というお店。【マップ 赤⑥】
こちらは中華料理専門で、主に四川料理のメニューが幅広く揃っています。
トビリシでは「中華=高級なお店」というイメージが根強いもの(くるくる回るテーブルに北京ダックのってる的な)。
いっぽうの中国味道は、店の雰囲気も価格帯もかなり庶民的で、飾らない本格中華がリーズナブルに味わえるのです。
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麻婆豆腐や青椒肉絲、回鍋肉など日本人にとっての中華の定番メニューはひと通り揃っていますし、どれもかなり本格的でレベルが高いのが嬉しい点。
特にのぶよが好きなのが焼き餃子(15個で15GEL=¥750)で、ラー油と醤油をちょこっと垂らして食べれば、口内は一瞬でアジアの懐かしい味わいでいっぱいになります。ああ食べたい…
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四川料理を得意としているだけあり、中国味道の料理は全体的にどれも辛めの味付け。
ジョージア人向けにアレンジされた味ではなく、中国本場の味をそのままに出しているブレなさも素敵です。
麺料理や一品料理はどれも15GEL(=¥750)~と良心的な価格設定も魅力的。
トビリシのレストランでジョージア料理を食べると、メイン一品15GELでは済まないので、貴重な材料を用いた本場の中華がこの値段で食べられるのはとても嬉しいです。
お店の人には中国語しか通じず、客層のほとんどがこの町に暮らす中国人というのも特徴的。
トビリシでに居ながら中国の庶民的な食堂に迷い込んでしまったような感覚になるはずです!
㉝中心街ど真ん中でアジアの味に癒される…!【中国小吃】
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すでにトビリシ郊外のフアリン地区にある中華料理の食堂を紹介しましたが、立地的にどうしても足を運びづらいのがネック。
トビリシ中心街でサクッと中華を食べたいなら、こちらの中国小吃を利用するのも一つの手です。【マップ 赤⑦】
立地は、トビリシ中心街の心臓部にあたるリバティー・スクエアから徒歩5分ほど。
近年再開発によって生まれ変わったオルベリアニ・スクエアすぐそばに位置しており、観光や街歩きの途中にちょっと立ち寄るには便利な場所にあります。
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店内はかなり狭く、数卓のテーブル席があるのみ。
店の奥には中国から輸入したらしき各種食材がずらりと並ぶミニ商店のようなコーナーもあります。
調理場から聞こえてくるのは、中国語オンリー。
ホール担当の女性も中国出身のようですが、少しなら英語が通じるので安心です。
この店のメニューは多岐に渡り、日本人にもポピュラーな回鍋肉や青椒肉絲や麻婆豆腐から、聞いたこともないような謎の一品まで揃っています。
基本的に大皿でどーんと提供される料理を数人でシェアするスタイルのようなので、一人で行くよりも数人で訪れて数皿注文するのが良いかも。
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メニューの最後のページには、一人でも頼みやすい牛肉麺や炒飯、餃子などの料理が載っているので、のぶよのように一人で訪問した場合はそのあたりの注文がおすすめ。
というわけで、牛肉麺をば…▼
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想像以上の量とシンプルな見た目、ぷ~んと漂ってくる美味しそうな匂い…
赤いスープはかなり辛そうに見えますが、実際そこまで激辛というわけではなく「旨辛」といった感じでした。
麺は自家製のようでやや不揃いではあるものの、それもまた味わいというもの。
牛の旨味がばっちり出きったスープの奥深い味わいと、薄くスライスされた牛肉の風味も文句なしです。
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残念だったのは、ニラなど中華の野菜ではなくパクチーがのっていたことでしょうか。
ジョージアではパクチーは安く手に入るので、まあ経費削減なのでしょう…
のぶよはこの牛肉麺しか食べていませんが、味はかなり美味しかったので他のメニューも期待できそう。
価格もトビリシ中心街ど真ん中の立地にしてはかなり良心的だと思います。
ガチの中華を安く食べたいならフアリン地区の中華食堂に遠征/中心街でサクッと中華を食べたいならこのお店…といった感じで、予定や気分に合わせてトビリシの中華レストランを使い分けするのも良いと思います。
㉞本物のシュクメルリにノックアウト!【Restaurant Ortachala】
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トビリシ中心街南部のオルタチャラ地区にあるレストラン・オルタチャラ(Restaurant Ortachala)は、グリル料理の名店。【マップ 赤⑧】
野菜系も肉系も…とにかく、グリル料理ならまずこの店で間違いありません!
レストラン・オルタチャラ最大のポイントが、日本人にも人気があるシュクメルリの元祖バージョン(発祥の地であるラチャ地方風)が食せること。
鶏まるまる一羽 × 大量の油 × ニンニクまるまる1個(“1片”ではなく)といった恐ろしい料理なのですが、勇気のある人は挑戦してみてください(笑)
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いずれのグリル料理も「ケツィ」と呼ばれる伝統的な陶器の器で提供してくれる点も◎
平日でも多くの地元民が食事にやってきており、その人気の高さがうかがい知れます。
㉟田舎風居酒屋で絶品料理を【Nikalas Ezo】
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トビリシ中心街の南東に位置するサムゴリ地区は、ソ連時代の共同住宅がずらりと建ち並ぶ中に巨大なサムゴリ市場が賑わいを見せる、独特な雰囲気のエリア。
地下鉄サムゴリ駅の北出口すぐそばに、このローカル感100%のエリアの住民に愛される居酒屋があります。
その名もNikalas Ezo。【マップ 赤⑨】
日本語にすると「ニカラ(オーナーの名前)の庭」といったところで、その名の通り広々とした中庭のテラス席が自慢のお店です。
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こうしたジョージア伝統のスタイルの居酒屋は「ドゥカニ」(Duqani)と呼ばれますが、トビリシではもうあまり多く残っていません。
その点、ここNikalas Ezoは昔ながらの雰囲気をちゃんと残しており、まさにトビリシローカル居酒屋界の最後の砦のような存在です。
Nikalas Ezoのメニューはとにかく豊富で、ジョージア料理の基本的なものはほぼ全て揃っているほど。
以前に比べてやや値上がりしてしまいましたが、それでもかなりリーズナブルな価格設定も魅力的です。
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そしてのぶよがこの居酒屋を推す最大の理由が、フード類のクオリティーの高さ。
店の人の多くはジョージア東部のカヘティ地方(豚肉料理が美味しいことで有名)の出身だそうで、肉料理が信じられないほどに美味しいのです。
特におすすめしたいのが、オジャフリ。
フライドポテトに豚肉のグリルを合わせたもので、じゃがいもよりも豚肉の量の方が多いという出血大サービスです。
また、カヘティ地方はヒンカリも有名な地域。
カヘティ料理の流れを組むNikalas Ezoのヒンカリもものすごくレベルが高く、トビリシ全体でもBEST3に入るほどの絶品なので、ぜひ挑戦を!
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料理の味や良心的な価格はもちろんのこと、大都会トビリシにありながらもゆったりのんびりした雰囲気が漂っているのもNikalas Ezoの魅力。
どこか地方部の居酒屋に来てしまったかのようなまったりしたローカル感は、今のトビリシではとても貴重なものだと思います。
一人でサクッと飲み食いするのも、数人のグループで飲み会するのも、色々な利用法ができるNikalas Ezo。
観光客向けの飲食店とは一線を画すジョージア伝統のドゥカニ(居酒屋)の古き良き雰囲気を、五感で感じに行きましょう!
おわりに:トビリシのレストランマップ
トビリシのおすすめ食堂やレストランを一挙紹介しました。
どれもリーズナブルに美味しいものが食べられるお店ばかりなので、旅行や滞在の際にはできる限り多くのお店へ足を運んでもらえれば嬉しいです。
本記事内で紹介したお店のマップはこちら。▼
黄色:8GEL~12GEL
赤:12GEL~20GEL
ここまで書いておいてアレですが、正直トビリシで安くて美味しい飲食店に出会うのは至難の業である場合も。
のぶよ的にはクタイシやバトゥミなど中部や西部の町の方が、コストパフォーマンス高めなお店が圧倒的に多い気がします。(というか、そもそもジョージアは西側の方が食べ物が断然美味しい)
とはいえ、本記事で紹介したお店はすべて、トビリシにしては良心的で美味しい料理を提供してくれる場所ばかりなのでご安心を。
外国人だからといってぼったくってくるようなお店もいっさいありません。
せっかくジョージアの首都に滞在するなら、観光だけでなく本場のジョージア料理を存分に楽しんで、ローカルな飲食文化にちょっとでも浸りたいもの。
楽しくて美味しいトビリシ滞在に本記事を役立ててもらえれば、これ以上ないほどに嬉しいです!
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