こんにちは!ブルガリアをのんびりと旅している、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ブルガリア東部、黒海に面したネセバル(Nessebâr)は、小さな半島状の土地に伝統的な建物がひしめき合う世界遺産の町。
その起源はとても古く、古代ローマ帝国時代から人が居住していたそうです。
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可愛らしい建物が並ぶネセバル旧市街は、ブルガリア観光に来たら絶対に訪れておきたい場所のひとつ。
ネセバルのすぐそばにはブルガリアNo1.のリゾート・サニービーチがあり、夏場はものすごい数のリゾート客で埋め尽くされます。
今回の記事は、ネセバルとサニービーチの観光情報を解説するもの。
ブルガスを拠点にデイトリップすることも可能なので、プランニングの参考にしてください!
ネセバル観光の基礎知識
ネセバル&サニービーチ観光マップ
青:観光スポット
ネセバルの歴史をザックリと
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現在でこそ道路で本土とつながっており、半島状の土地に位置しているネセバル。
この半島部分は人工的に造られたもので、かつては完全な島でした。
その特殊な地形は「天然の要塞」さながらのもの。
ローマ帝国時代には、海を越えてやって来る敵から本土を防衛するための役割を果たしていました。
そんな中世の繁栄を現在に伝えるかのように、ネセバルの小さな旧市街の敷地には古い教会が多く残っています ▼
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近代にはオスマン帝国によって500年以上もの長期間に渡って支配されたブルガリア。
多くの町で教会や町が破壊されることとなりましたが、ネセバルに関しては話が別でした。
その豊かな歴史と独特の町並みが重要視され、建築物が破壊されることなく保護されてきたため、現在でもキリスト教関連の遺跡や教会が多く残っているのです。
ネセバル旧市街を散策する際に注目したいのが、この地方独自の木造建築。
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どこか日本の町並みを彷彿とさせるような家々はとても可愛らしく、ネセバルらしい風景を演出しています。
古くからのキリスト教文化を現代に伝える長い歴史と、伝統的な建築様式の建物が残る景観が評価され、UNESCOの世界遺産にも登録されているネセバル。
町のすぐそばにはブルガリア屈指のビーチリゾート・サニービーチがあることも手伝い、夏場は連日多くの観光客で賑わう、ブルガリアのトップ観光地の一つです。
ネセバル旧市街の見どころ
旧市街入口の木造風車
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ネセバルのシンボルが、旧市街へと続く道路に堂々とたたずむ木造の風車。
かつては数十基の風車があったネセバルですが、現在残るのはこちらを含め二基のみだそうです。
風車の奥には美しいネセバル旧市街の町並みが見え、青い海とのコントラストがとても素敵。
世界遺産の町並み観光への気分を盛り上げてくれる存在です。
ローマ帝国時代の城門
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ネセバル新市街から木造風車を通り過ぎ、半島部分に敷かれた道路を渡ると、ネセバル旧市街となります。
旧市街の入口では、ローマ時代に築かれた要塞跡がお出むかえ。
ネセバルの旧市街には他にも多くの遺跡があり、二千年近く前のローマ帝国時代のものから、ビザンツ帝国領となった中世初期のものまで…その時代背景は様々です。
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青く輝く黒海をバックに凛と佇む遺跡の数々には、なんだか郷愁をそそられます。
聖ソフィア聖堂
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ネセバル旧市街に入ってメインストリートをまっすぐ歩いていくと、5世紀(1600年前)建造の聖ソフィア聖堂が堂々と構えています。
半分廃墟と化した聖ソフィア聖堂は、ビザンチン様式(ビザンツ帝国時代)で建てられたもの。
屋根はすべて落ちた状態で、周囲の壁だけが残る不思議な光景がとても印象的な建物で、観光客に人気の写真撮影スポットとなっています。
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聖ソフィア大聖堂を中心とした広場が、ネセバル旧市街の中心地。
広場の周囲はネセバル独自の木造の家々に取り囲まれ、観光客向けのお土産屋やカフェなどが並ぶ賑やかな雰囲気です。
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迷路のように路地が入り組むネセバル旧市街では、聖ソフィア聖堂が散策の拠点であり目印。
観光中に何度も戻ってくることになるので、覚えておきましょう。
ネセバルの三大教会
ネセバルの旧市街は「面積当たりの教会の数がブルガリアで一番」と言われています。
その言葉を裏付けるように、小さな旧市街は教会や聖堂だらけ。
路地をあてもなく歩いていようと、どこかしらの教会に行き当たるほどです。
ネセバルの教会が建造された時期は、5世紀から17世紀とバラバラ。
教会巡りをしながら、キリスト教建築の移り変わりを見ることができるのがポイントです。
ここでは、ネセバル観光で是非チェックしておきたい三つの教会/聖堂を紹介します。
聖ステファン聖堂
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ネセバル旧市街南部に位置する聖ステファン聖堂(Sv.Stefan)は、11世紀建造の初期キリスト教建築で建てられたもの。
教会を取り囲む外壁に囲まれており、観光客の間でとても人気のある場所です。
聖ヨハネ・アリトゥルゲトス教会
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聖ステファン聖堂のすぐ近く、黒海を望む崖の上に建つ聖ヨハネ・アリトゥルゲトス教会(Sv. John Aliturgetos)は、14世紀建造の小さな教会。
1913年にこの地を襲った大地震によって廃墟と化し、現在でも建物は半壊した状態のままです。
「アリトゥルゲトス」とは、「神聖でない、不純な」と言った意味。
ネセバルに伝わる伝説によると、この教会は一度も神の洗礼を受けたことがないためにこの名がついたそうです。
教会下のテラスからは、美しい黒海の絶景が望める点も◎
全能者ハリストス聖堂
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旧市街入口から中心地の聖ソフィア聖堂への道の途中にあるのが14世紀建造の全能者ハリストス聖堂(Christ Pantokrator)。
その外壁の美しさは、他の教会に比べて群を抜いたもの。
「ネセバルで最も保存状態が良い教会の一つ」と言われています。
現在では建物内部はローカルギャラリーとして利用されていて、教会としての機能は残っていません。
伝統建築と黒海ビュー
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古代都市・ネセバルで見逃せないのが、黒く塗られた木造の家が連なる独特の町並み。
一階部分より二階部分が外側に張り出しており、それを支える曲線の木の梁が特徴的。
「東ルメリア様式」と呼ばれているんだとか。
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ソゾポルなど近郊の町でもこの様式の家々は見られますが、ネセバルの家々は外壁の木造部分が黒で統一されているのが独特。
町に漂うシックで落ち着いた雰囲気は、この建築様式によって演出されているのかもしれませんね。
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建築に興味があるなら、ネセバルとソゾポルのどちらも訪れて、違いを見つけてみるのも面白いかもしれません。
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先述の旧市街の中心地・聖ソフィア聖堂周辺には、ネセバルを代表する伝統的な町並みがずらり。
しかしながら、お土産屋やカフェに改装された建物がほとんどなので、観光地感がすごいのはのぶよ的にややマイナス…。
観光地ではないネセバルの素顔の風景を見たいなら、中心地を少し離れて入り組んだ路地を歩いていきましょう。
世界遺産の古代都市で暮らす地元の人の生活感が漂う風景がちゃんと残っているからです ▼
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また、周りを海に囲まれたネセバルでは、黒海を眺めながら食事ができるレストランが点在している点もポイント ▼
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名物のシーフードを提供する店がほとんどで、値段はどこも観光地価格…
とは言ってもここはブルガリア。
ある程度のレストランに入っても、西欧諸国ほどの割高感は感じないでしょう。
世界遺産の美しい町を観光した後に、夕暮れの海を眺めながら食事…ああロマンティック。
バックパッカーののぶよには今のところ全く縁がありませんが、いつか実現させたい夢のリストに追加しておきました(笑)
サニービーチの見どころ
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ネセバル新市街のすぐ北側に位置するのが、ブルガリア人なら誰でも知っているサニービーチ。
ブルガリアで初めてリゾート開発が行われたエリアで、お洒落な響きにするためか英語で「サニービーチ(Sunny Beach)」の名がつけられました。
ブルガリア人がイメージする「ヨーロッパのビーチリゾート」をそのまま再現したような街の雰囲気は、浮かれたバカンス客に大人気の一大リゾート地です。
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サニービーチの中心街は、どうしても開発されすぎた感が否めません。
リゾート客向けのレストランやクラブ、ものすごい数のアパートメントホテルが建ち並び、その人気の根強さが感じられます。
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家族や友人と一週間単位でアパートを借りて、ただひたすらビーチでのんびりと過ごすのが、この国の人々の夏の過ごし方。
7月、8月は砂浜に横たわる場所もないほどに混雑するサニービーチですが、のぶよが訪れた9月後半はガラガラ。何だかもの寂しい雰囲気が漂っていました。
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ホテルやレストランもほとんどが閉まっていて、人気もあまりなし…
個人的には、夏場の阿鼻叫喚のビーチリゾートよりも、少し時期をずらしてのんびり滞在した方が楽しめるかなと思いますし、世界遺産のネセバル観光のついでに、ちょっとリゾート気分を味わいに来るにはいいかも。
ただし、サニービーチの物価はブルガリアの一般的な物価の2倍はするので、食事や買い物は他のところで済ませるのが◎
ネセバル&サニービーチへのアクセス情報
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鉄道が走っていないネセバルへのアクセスは、バスが基本となります。
最も便利なのは、南に位置するブルガス(Burgas)を拠点にアクセスすること。
バスが頻発しているので、日帰りも十分可能です。
北に位置するヴァルナ(Varna)からのアクセスも可能ですが、日帰りだと移動時間が長くなってしまうのがネック。
この項では、ネセバル&サニービーチへのアクセスを解説します。
①と②のバス路線を上手に組み合わせることで、ブルガス〜ネセバル〜ヴァルナと移動しながらの観光も可能です!
①ブルガス~ネセバル間の移動
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ブルガスのユーグ(南)バスステーションから、ネセバル経由サニービーチのバスステーション行きのバスが40分に1本の頻度で出ています。
ブルガスのユーグ(南)バスステーションでは3番プラットホームからの発車です ▼
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チケットはバス車内で係員から直接購入するスタイルです。
【ブルガスの宿をさがす!】
②ヴァルナ〜ネセバル間の移動
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黒海沿岸北部のヴァルナ(Varna)は、「ブルガリアの夏の首都」と呼ばれる活気ある町(夏限定ですが…)。
ヴァルナのセントラル・バスステーションから、サニービーチ経由ネセバル行きのバスが1日7本出ています。
③ネセバル〜サニービーチ間の移動
ネセバル旧市街~サニービーチ南端間は、1.5km/徒歩20分ほどと簡単にアクセスが可能です。
いっぽうで、サニービーチに宿泊する場合は、ホテルの立地によって徒歩移動が厳しい場合もあるので注意。
というのも、サニービーチは南北6kmほど続く砂浜沿いに造られた人工の町であるため。
レストランやクラブなどが集まるサニービーチの中心街まではネセバル旧市街から5kmほどの距離があるのです。
タクシー移動でも良いのですが、ネセバル~サニービーチを結ぶ路線バスも頻発しているので便利。
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ネセバル旧市街入口~サニービーチ~さらに北に位置するスヴェティ・ヴラス(Sveti Vlas)間を往復するのは、5番の路線バス。
30分に1本(夏季は15分に1本)運行しているので、簡単に利用することができます。
【サニービーチの宿をさがす!】
おわりに
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ブルガリアの中でも人気の観光地・ネセバルと、ブルガリア人歓喜のリゾート・サニービーチを紹介しました。
ブルガスからの日帰り観光で二か所をセットで訪れられるのも嬉しい点です。
のぶよ的には、9月後半にもかかわらず、ネセバルの観光地感はかなり強めに感じられました。
ハイシーズンど真ん中にあたる7月、8月の大混雑ぶりは想像に難くありません。
逆に冬季は、サニービーチも含めゴーストタウンのようになるそう。
レストランやお土産屋などもほとんどが閉まるそうなので、オフシーズンの旅行には注意が必要です。
世界遺産に登録されているだけあり、豊かな歴史や情緒が感じられるネセバル。
短い夏を極限まで楽しむために造られた、何でもありのサニービーチ。
全く毛色が異なる二つの見どころが、すぐそばで隣り合っている点も面白いなと感じました。
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