こんにちは!イスタンブールを満喫中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
私たち日本人にとってイスタンブールといえば、モスク、ボスポラス海峡、そしてサバサンドでしょう。
(そうでない人、すみません。)
サバサンドとは、その名の通り焼いた鯖(サバ)をパンに挟んだサンドイッチのこと。
イスタンブール発のB級グルメとして、今や日本人だけでなく世界中から訪れる旅行者の間でのイスタンブール名物としての地位にまで上り詰めました。
(日本で言うと、大阪のたこ焼きや札幌ラーメンのようなものです)
英語では「フィッシュ・ケバブ」と呼ばれるサバサンド。
現地でもそのように呼ばれることが多いのですが、正式な名称は”Balık Ekmek”。
トルコ語で「魚のパン」というそのままの意味です(笑)
美味しいサバサンドのお店をインターネットで探していたのぶよの目についたのは、ガラタ橋の南側のエミノニュ(Eminönü)地区にある“Derya Balık Ekmek”というお店のもの。
超有名店のようで、ガイドブックなどにも掲載されているのだとか。
というわけで、食べてきました。サバサンド。
ひとことで言うと、衝撃的な不味さでした。
これを「絶品サバサンド!」とか「イスタンブール名物!」とか言っている旅行雑誌やまとめサイトを書いている人たちって、いったい何を食べて育ってきたのでしょうか。
というわけで今回の記事では、有名サバサンド店”Derya Balık Ekmek”がどれだけ不味いのか解説していきます(笑)
それだけだとアレなので、のぶよが発見した真の絶品サバサンドを提供してくれるおすすめのお店(?)を紹介します。
どうかこれ以上、知名度につられて痛い目を見るのぶよのような日本人が出ないことを願いながら。
船の上で作られるサバサンド(超まずい)の有名店!”Derya Balık Ekmek”
↑観光客で埋め尽くされるイートインスペース
ただディスるだけではフェアとは言えないので、一応お店の紹介をしていきます(笑)
イスタンブール新市街と旧市街を結ぶガラタ橋の南側にあるエミノニュ地区(Eminönü)。
ボスポラス海峡クルーズの船が出ることもあって、常に多くの観光客でにぎわうエリアです。
ガラタ橋の西側には、サバサンドを提供するお店が数軒ならんでおり、そのうちの一つが今回紹介する超有名店・“Derya Balık Ekmek”です。
隣接する店と同様、こちらではなぜか海に浮かぶ船の上でサバを焼いて、パンに挟むという方式です。
あたりにはサバを焼く香ばしい香りがたちこめて、サバサンド目的でなくてもついつい買ってしまいそう。
しかし、騙されてはいけません。
なぜなら、わざわざ船の上で調理している理由は、「水揚げされた新鮮なサバを船で持って帰ってきて、そのまま調理している」というパフォーマンスに過ぎないからです。
よくよく考えてみましょう。
こんなちゃっちい船で網などを積んで漁に出て、大量のサバを持ち帰ることなどどう考えても不可能です(笑)
いくら見え見えの観光客向けパフォーマンスだったとしても、味が美味しければそれで満足というもの。
しかし、結果はかなり残念なことに。
とにかく、美味しくないんです。ここのサバサンド。
いや、はっきり言いましょう。超不味いんです。
どうしたらこんなに不味くなるのか不思議になったのぶよは、その不味さの秘訣を分析してみることにしました。
有名店”Derya Balık Ekmek”のサバサンドの激まずポイント
1.完全なる流れ作業
船の上の調理場をよくよく見てみるとわかるのですが、大量に焼かれたサバが鉄板の隅に積み上げられています。
黙っていても次々と観光客がやってくるため、焼き置きしたサバを保温しているのです。
注文を受けてから10秒もしないうちに提供される秘密はこれ。
すでに焼いてあるサバと野菜をパンに挟むだけの、超シンプルな工程にすぎないのですから。
焼きたてではないため、提供されるサンドイッチ内のサバは冷めており、微妙な生温かさです。
サバの香ばしい香りはほぼありません。
2.炭火ではなく鉄板で焼いている
“Derya Balık Ekmek”をはじめ、エミノニュのサバサンド店では、炭火ではなく鉄板でサバを焼くのが普通。
短い時間で大量のサバを焼くには効率的なのですが、炭火でじっくりと焼かれたサバの柔らかさと豊かな旨味にかなうわけがありません。
“Derya Balık Ekmek”の場合はさらに最悪で、中までちゃんと焼けていないためか、提供されたサバサンドは微妙に生臭いのです。
そもそもサバ自体が臭みのある魚なわけで、その生焼けの気持ち悪い匂いといったら。
間違っても食欲がわいてくるものではありません。
3.パサパサで冷たいパン
トルコは基本的にパンが美味しい国です。
しかしながら、このお店のパンは大きいだけで全く風味がありません。
パンを少しでも温めたり、ソースを塗ったりすれば変わってくるのでしょうが、そんなひと手間をかけるほど暇じゃないということなのでしょう。
4.スカスカの中身
見た目はかなり大きいサバサンドですが、中身はスッカスカです。
具は申し訳程度に挟まったレタスと玉ねぎのみ。
正直、パンが大きすぎてパンの味しかしません。(しかもそのパンも美味しくない)
5.味がない
のぶよ的に一番の問題点だと思うのは、この店のサバサンドには全く味がないこと。
焼き置きされて風味を失った(むしろ生臭い)サバと、何の味付けもされていないパンと野菜。
各テーブルにはレモン汁と塩コショウが置かれていて、客側が好みで味付けをするシステムのようです。
レモン汁をかけると生臭さは多少ましになったものの、それでもなんの味もしないという不思議な体験をしました(笑)
6.骨だらけ
流れ作業で大量にサバを焼きまくるこのお店では、魚の骨をとるなんて悠長なことはしません。
大きな背骨こそ取り除かれているものの、小骨はかなりたくさんついた状態で提供されるのです。
パンに挟まれているだけでも食べにくいのに、かなりの量の骨まであるのですから、たまったもんじゃありません。
“Derya Balık Ekmek”のサバサンドの値段は15TL(=¥285)。
イスタンブールのサバサンドはどこも均一価格で、決して高い金額ではありませんが、のぶよはこの不味いものに一銭たりともお金を払いたくありません。
おそらくイスタンブールNo1!カラキョイ地区の屋台(らしきもの)サバサンド
というわけで、この記事を読んでいるみなさんには“Derya Balık Ekmek”のサバサンドは絶対におすすめしません。
しかし、この店だけで「サバサンドは不味い」と決めつけてしまう前に、試してほしいお店があります。
それが、エミノニュ地区とガラタ橋を挟んだ対岸に位置するカラキョイ地区にある小さな屋台(らしきもの)のサバサンド。
「屋台(らしきもの)」と書いたのは、もはや屋台にすら見えない店のたたずまいのため。
近所のおじさんたちが発泡スチロールの上に家庭用バーベキューを置いて、その上でサバを焼いているといった感じなのです。
こんな感じのお店なので、正確な場所はなかなかお伝えしにくいのが現実。
一日の間でも、魚市場前、フェリー乗り場裏手と移動していましたから。(その距離たった10mほどですが)
↑カラキョイのフェリー乗り場。この建物の裏手におじさんたちが出現することも。
周りには他に同じような屋台は見当たらないので、ガラタ橋のすぐ近くでサバを焼く香ばしい匂いがしたら、十中八九このおじさんたちの屋台(らしきもの)だと考えてよさそうです。
知らなければ、なかなか手が出しにくいほどのローカル感ですが、とにかく食べてみてください。
“Derya Balık Ekmek”のサバサンドが生ごみに思えてくるはず(笑)
屋台(らしきもの)サバサンド店の絶品ポイント
1.目の前が魚市場
↑カラキョイの魚市場
カラキョイ地区のガラタ橋西のたもと、小さなカラキョイ魚市場付近に出店しているこちらの屋台(らしきもの)。
何がすごいかって、目の前の市場で買ったサバをその場で開いて焼いている点です。
屋台(らしきもの)のおじさんたちは三人組。
一人が焼き担当、一人が味付け&盛り付け担当、もう一人がサバの買い出し&開き担当のようです。
市場で買った新鮮なサバをその場で焼くのですから、その香ばしい香りはエミノニュの生ごみサバサンドとはけた違い。
日本人にとっては何だか懐かしくなるような香りが周囲に立ち込めています。
2.炭火で一尾ずつじっくり焼く
こちらのお店では、家庭用バーベキュー器で炭をおこしてサバを焼きます。
バーベキュー器は、ホームセンターで1000円台で売っていそうなクオリティーの小さなもので、ぎゅうぎゅうに詰めても一度に五尾焼くのが限界といったところ。
バーベキュー器の横には、先ほど紹介したサバサンド店のようにすでに焼かれたサバが積み上げられており、この店でも焼き置きをしているかのように思ってしまいます。
しかし、これは下焼きをしたサバを積み上げているだけ。
注文すると、この下焼きしたサバをじっくりと時間をかけて本焼きしてくれるのです。
注文してから5分~10分ほどの時間がかかるものの、提供されたサバサンドのサバは中まで火が通ってホクホク。
臭みは全くありません。
3.小骨まで丁寧にとってくれる
小骨だらけでもはや猫のご飯のようだった生ごみサバサンドに対して、こちらのお店では小骨をしっかりと取り除いてくれます。
ピンセットのような道具を使って、細かな骨まで一本一本とってくれるという丁寧さ。
驚くことなかれ、実際に食した際に骨は一本もありませんでした。
このおじさんの技術、ただ者ではありません。
4.まさかの醤油投入。日本人歓喜の味付け
このお店のすごいところが、醤油を豪快にかけてサバを焼く点。
下焼きの段階ですでに醤油をかけて焼かれているものの、注文後の本焼きでも惜しみなく醤油を投入します。
それだけでなく、数種類のスパイスで味付けをするのでとてもエスニックな風味のサバサンドのできあがり。
サバに醤油という組み合わせを拒む日本人が、いったいどれほどいるのでしょうか。
まさに「和」な味(+エスニック)で、完全に無味だった先ほどのサバサンドとは雲泥の差です。
おじさんの裁量によって味付けは変わってくるので、あまり濃い味やスパイシーな味が苦手な人は、”NO スパイシー!”と言ってあっさり目の味付けにしてもらいましょう。
5.ぎっしり詰まった中身
美味しいのはサバだけではありません。
こちらのサバサンドは、薄い生地で具を巻くラップサンドのような形式で、ぎっしりと詰まった具の美味しさを味わうことができるのです。
生地には醤油と謎のオイルが塗られ、その上にレタス、玉ねぎ、トマトを乗せ、レモンを絞って焼きたてのサバを包み込みます。
6.温かい生地
↑ちゃんと焦げ目がついた香ばしい生地
とても嬉しいのが、具をのせて巻いたサバサンドを、再度バーベキュー器で軽く焼いて焦げ目をつけてくれる点。
提供される時にはアツアツもっちりの生地の食感も楽しむことができます。
正直、魚を二度焼きしたり、小骨を取ったり、生地で巻いた後にさらに焼いたりと、かなり手間と時間がかかっています。
これで、先ほどのサバサンドと同じ15TL。
正直、手間に見合わない格安さだと思います。
おわりに
というわけで、天と地ほどの差がある二つのサバサンドのお店を紹介しました。
あまり悪いことをブログに書かないのぶよがここまでけちょんけちょんに言うのですから、あとはお察しください(笑)
日本でも言えることなのですが、有名になりすぎた店って、実際に行ってみるとあまり美味しくないこともありますよね。
今回のサバサンドの場合は、その究極形だと考えてください。
知名度にあぐらをかいて手を抜く有名店よりも、みすぼらしいたたずまいでもちゃんとしたものをやってる店の方が美味しいに決まっていますし、個人的にはそういう店にお金を落としてあげたいと思います。
これからイスタンブールを訪れて、サバサンドを食べようと考えている日本人の方、どうかガラタ橋を渡ってカラキョイ地区で食べてみてください。
ネット規制の影響で、Booking.comでの予約ができないトルコ。代わりの宿泊予約サイトではAgodaがおすすめです。
期間限定セールを利用すればかなりお得な料金で宿泊できるのもポイント。チャンスを逃さないで!
おすすめ書籍
旅人マストの一冊、「地球の歩き方」。
写真が多く、訪れる場所のイメージがわきやすいです。安心して旅行したい人にオススメ。
英語ができるなら、“Lonley Planet”は世界最強の旅人のバイブル。
とにかく情報量が半端じゃありません。人と違う場所へ行ってみたい人は是非!
コメント
美味しいと紹介してるモノは既にサバサンドじゃ無い
サバタコスじゃないか。しかも醤油で味付けって…
大阪で美味しいからって広島焼き食べてる様なもん。
例え味が合わなくても、普通のサバサンドを食べるかな
あの雑に置いてる感じ最高に美味しそうだし。炭火焼とかに拘るなら最初から家で食べる。
めんこ様
コメントいただきありがとうございます。
ご存じないようでございますので、僭越ながら「サバサンド」の定義についてお話させていただきます。
そもそも、トルコには「サバサンド」というものはなく、日本の旅行会社や旅行者の間で俗称として呼ばれていたものが定着したもので、現地トルコでは通じません。(英語で”Mackerel sandwich”と言っても、ほとんど理解してもらえないでしょう。)
日本人が「サバサンド」として話題にしているものは、Balık ekmek(パンに魚を挟んだもの)やBalık Dürüm(当記事で紹介しているロールタイプのもの)などの種類がございまして、店によって通常のパンを用いるか薄いピタパンを用いるかは変わります。英語名は”Fish kebab”となり、魚を焼いたものを何らかの生地に挟んだものということとなります。
また、トルコ語のBalıkは「魚」という意味なので、原則どんな魚を使ったものでも「サバサンド」と呼ばれ得るのです。
イスタンブールの金角湾周辺は古くからサバが良く取れて安価だったため広がっているだけであって、私たち日本人がイメージする「サバサンド」の中身はイワシやアジ、カレイであることもあるほどなので。
ですから、「これはサバサンドだ/ではない」という議論は、「サバサンドたるもの」の前提が成り立たない詭弁となってしまいます。(そもそも私たち日本人が、現地トルコに存在しない「サバのサンドイッチ」という概念を勝手に内輪で広げたものにに過ぎません)
また、おっしゃっている「タコス」の定義がよくわからないのですが、メキシコ料理のタコスのことでしたら、あちらではタコス=生地に具が巻かれた状態で提供されるものではありません。おそらくブリトーか何かとお間違えになっているのではないでしょうか。一度「普通のタコス」についてお調べになることをおすすめさせていただきます。
先述の通り、「普通の」サバサンドというものは存在しませんし、どのような味を好むかは人それぞれ変わります。
イスタンブールは本当に素晴らしい町です。ぜひ、めんこさまがご希望のように、屋台で雑に焼き置かれた骨だらけの、生ぬるくて生臭い「普通の」サバサンドを食べて、楽しいイスタンブールの思い出がより彩り深いものとなりますよう、心からお祈りしております。
この情報は凄く良いですね。名物うまいものなし、と言いますが、要は評判にあぐらをかいて努力をしなくなった、というだけですからね。
私としては小山さんのお考えに完全に同意で、しょせん(って言ったら怒られるか?)、B級グルメの類なので、醤油を導入しようが何しようが、美味しいことが第一です。こんなもん(ってのもまた失礼?)に伝統求める方がバカ、本末転倒です。魚介類+醤油(およびそれに類した発酵調味料)があうのは万国共通。勝手な想像だけど、ローマ伝統のガルムを使ったらさらに地中海風味になるかもしれないですね。
とおりすがり様
コメントありがとうございます。
トルコあるあるなのかもしれませんが、「有名になる→手を抜き始める→それを真似た他のお店の方が安くて美味しいものを提供するようになる」という流れがあるように感じます。
言ってしまえば、その辺で大量にとれるサバをどこにでもあるパンに挟んだだけの料理(と呼べるのか微妙ですが)なので、同じ値段を出すなら美味しい方が良いと思います。
「ガルム」という調味料を知らずに調べたのですが、魚醤のようなものだということで…絶対に合いますね(笑)
アジアでよくある魚醤とは風味が異なるということなので、個人的にとても興味があります。