こんにちは!トルコのエーゲ海沿岸を北上中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
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トルコ西部に位置するセルチュク(Selçuk)は、世界遺産のエフェソス(エフェス)遺跡の玄関口となる町。
よくあるトルコの地方都市といった感じのこじんまりとした中心街は、世界的観光地であるエフェソス(エフェス)遺跡のすぐそばにあるとは思えないほどに、のんびりした雰囲気です。
今回の記事では、エフェソス(エフェス)遺跡観光とセットで訪れたいセルチュク中心街&近郊の見どころを紹介するもの。
エフェソス(エフェス)遺跡観光のベースにもぴったりなセルチュクの町の魅力を発掘できるはず!
セルチュク中心街の見どころ
セルチュク中心街はかなり小さく、徒歩で十分に観光することが可能です。
見どころの多くは中心街の西側に位置しており、エフェソス(エフェス)遺跡と関連がある場所がほとんど。
エフェソス(エフェス)遺跡観光を完璧なものとするには、これらのスポットの見学が欠かせません!
セルチュク観光地図
青:見どころ
赤:おすすめレストラン
紫:ホステル
アルテーミス神殿
セルチュク観光で絶対に見逃せないのが、アルテーミス神殿(Artemis Tapınağı)。
「アルテーミス」とはギリシャ神話の狩猟の女神のこと。
紀元前8世紀頃(2800年前)にギリシャからこの地にやってきたイオニア人によって聖域とされ、以後は古代都市エフェソス(エフェス)の中心としての役割を担いました。
紀元前560年(2500年前)にはリュキア王国の支配下となったエフェソス周辺地域。
当時のクロイソス王によって修復されたアルテーミス神殿は、信仰の中心地としての地位を確固たるものとします。
当時の人々の信仰は多神教であり、異なる宗教の人が訪れる巡礼地として神聖視されてきたアルテーミス神殿。
紀元前356年の7月21日(2300年前)、一人の若い男によって放火され崩壊してしまいます。
その後のアルテーミス神殿は、幾度となく再建と崩壊が繰り返されてきました。
現在残るのは、かつて122本あった柱のうちのたった1本のみという寂しい姿に。
言われなければ通り過ぎてしまうほど質素な雰囲気ですが、エフェソス(エフェス)遺跡の始まりの地とも言える場所なので、歴史的価値は計り知れません。
聖ヨハネ聖堂
中世のビザンツ帝国時代のエフェソス(エフェス)を知る手掛かりとなるのが、聖ヨハネ聖堂(St. Jean Kilisesi)。
セルチュク西側の小高い丘の上に築かれた巨大な聖堂は、ビザンツ皇帝ユスティニアヌスの統治時代(6世紀半ば)のものです。
当時は多くの巡礼者でにぎわった由緒正しき場所であったものの、現在残るのは土台部分のみ。
かつての素晴らしい聖堂の姿を想像するのは難しいです。
アヤスルク城
聖ヨハネ聖堂から続く坂道を上っていくと、セルチュクの町を見下ろすアヤスルク城(Ayasuluk Kalesi)が堂々と建っています。
こちらもビザンツ帝国時代の建造で、その後オスマン帝国時代にも重要な防衛拠点として活躍してきました。
水道橋
セルチュク中心街にある数本のライムストーン&レンガ造りの柱は、ローマ帝国時代の水道橋の跡。
周辺はセルチュクで最もおしゃれな雰囲気のエリアで、オープンカフェなどが数軒点在しています。
エフェス考古学博物館
エフェソス(エフェス)遺跡の観光を完璧なものとしたいなら、エフェス考古学博物館の見学を外すことはできないでしょう。
エフェソス(エフェス)遺跡で発掘されたものが展示されており、その多くはヘレニズム時代~ローマ帝国時代のもの。
2000年前の人々が創り出した芸術作品の精巧さには、思わず息を呑むはず!
古代美術に興味があるなら、是非ゆっくりと鑑賞していきたい場所です。
セルチュク周辺の見どころ
セルチュクの魅力は中心街だけにとどまりません。
むしろ、周辺に点在する観光スポットを訪れる拠点としても有能な町なのです。
いずれの場所へのアクセスも簡単で、エフェソス(エフェス)遺跡とセットで訪れることも可能です。
エフェソス(エフェス)遺跡
セルチュクに来てここに行かない人はまず居ないと断言できるのが、世界遺産のエフェソス(エフェス)遺跡。
セルチュクの南西3kmほどと比較的近い場所に位置しているので、徒歩でのアクセスも可能です。
七人の聖者の洞窟
セルチュクとエフェソス(エフェス)遺跡のちょうど中間地点に位置しているのが、「七人の聖者の洞窟」と呼ばれる場所。
一見何の変哲もない洞窟が並んでいるだけの光景ですが、この場所には不思議な伝説が伝えられているのです。
今から1800年ほど前、250年のローマ帝国時代のこと。
当時は禁止されていたキリスト教を信仰していた七人の男たちが、自分たちの信仰を守り貫くために、全ての富を貧しい人々に与え、この場所にあった洞窟に隠居することとなりました。
それから数世紀後のこと。
この土地の所有者が、偶然に洞窟内にいた七人を発見します。
彼らが洞窟にこもってから数百年が経っていたものの、彼らは生きた状態で眠り続けていました。
目を覚ました七人のいずれも、数百年もの時が経っていたことに気づかず、ただ一日眠っていただけだと思っていたそう。
彼らが眠っていた数百年の間に、ローマ帝国は東西分裂しビザンツ帝国になり、キリスト教が国教と認められ、領内には教会が建設されていました。
エフェソス(エフェス)の町へと出向いた七人はその変化に驚いたのはもちろんですが、それは町の人も同様。
七人が持っていた数百年前のコインを見た人々からこの話が町中に広まり、彼らは奇跡を起こした聖人として、洞窟は奇跡が起こる場所として語り継がれることとなったのです。
この奇跡のような話が話題となり、七人が眠り続けていた洞窟は、この地域を訪れる巡礼者が必ず立ち寄る聖地として有名になったそうです。
実際のところは、この洞窟はビザンツ帝国時代のネクロポリス(墓地)だという説が有力で、七人の聖者の話はあくまでも伝説に過ぎません。
しかしながら、「奇跡が起こるミステリアスな場所」とされ、多くの観光客でにぎわうようになりました。
アクセス方法は、セルチュクかエフェソス(エフェス)遺跡から徒歩のみ。
いずれの場所からも1.5kmほど/20分の道のりなので、エフェソス観光後にセルチュクに戻る途中に立ち寄るのがおすすめです。
入場料が無料である点も◎
シリンジェ村
エフェソス(エフェス)で古代のロマンを感じた後は、中世オスマン帝国の雰囲気が感じられる場所へ足をのばしてみてはいかがでしょうか。
セルチュクの東の山の中に位置するシリンジェ村(Şirince)は、山の斜面にオスマン帝国風の民家が連なる小さな村。
かつてはギリシャ人が居住していたこともあって、半石造りの独特な建築様式の家々と、点在するキリスト教の教会が特徴的です。
中心部こそ観光地化されてしまっている感がすごいシリンジェ村。
ですが村はずれまで歩いてみると、オスマン帝国時代にタイムスリップしてしまったかのような風景が至る所で見られます。
2時間もあれば十分に観光できるので、セルチュクからのデイトリップにはぴったりです!
セルチュクのおすすめレストラン
セルチュクの中心街には、街の規模の割に多くのレストランが点在しています。
どこも気取った雰囲気ではなく、地元の人が通うようなお店ばかりなのも嬉しい点。
のぶよがセルチュクに滞在した3日間通い詰めたお店が、Okumuş Pide Salonuという小さな食堂でした ▼
看板メニューのピデ(トルコ風ピザ)はもちろん絶品ですが、とにかく推したいのがキレミッテ・キョフテ(Kiremitte köfte)。
「キョフテ」とはトルコ全土で食べられるミートボールのことで、一般的には炭火でグリルしたものを指します。
しかし、このお店の「キレミッテ・キョフテ」は独特。
野菜などと一緒に、ピデを焼く窯でじっくりとローストされるのです ▼
直火で焼かれていないため、中までフワフワの独特の食感…めっちゃくちゃおいしいです、これ!
染み出した肉汁とこの地域名産のオリーブオイルが混ざって、なんとも言えない絶妙な風味になるのがポイント。
いわば、「ピデ屋のキョフテ」と言ったところなのですが、不思議なことに他の町では全く目にすることがないキレミッテ・キョフテ。
もしかしたらセルチュクのご当地グルメなのかもしれません。
Okumuş Pide Salonuではベーシックなキレミッテ・キョフテの他にも、チーズをトッピングしたものや鶏肉を使ったものなど、いくつかのバリエーションがあります。
嬉しいのが、いずれのメニューにも窯焼きの手作りパンとサラダがついてくる点 ▼
これで16TL(=¥296)という驚異のコストパフォーマンスの高さも魅力的。
エフェソス遺跡の周辺でぼったくり価格の微妙な料理を食べるよりも、断然にこちらがおすすめです!
セルチュクの市内交通&他都市へのアクセス
多くの旅行者がエフェソス(エフェス)遺跡観光の拠点とするセルチュクですが、世界遺産の遺跡の玄関口とは思えないほどにとても小さな町です。
市内観光は全て徒歩でOK。
近郊の観光スポットへは、オトガル(バスターミナル)から「ドルムシュ」と呼ばれるミニバスを利用してのアクセスとなります。
セルチュク~エフェソス(エフェス)のアクセス
セルチュクからエフェソス(エフェス)遺跡までは、平坦な道を徒歩30分ほどの道のり。
体力がある人は普通に歩ける距離ですし、途中にはアルテーミス神殿もあるので、最低でも片道は歩くのがおすすめ。
少しでも時間を無駄にしたくない人は、セルチュクのオトガル(バスターミナル)から出ているエフェソス(エフェス)遺跡行きのドルムシュ(ミニバス)を利用するのが便利です。
20分に1本(冬場は30分に1本)の運行なので、とても利用しやすいです。
セルチュクのオトガルを出発したミニバスは、エフェソス(エフェス)遺跡の北ゲート(ロウワータウン側)への到着。
エフェソス→セルチュク方面のバスも同じ場所からの出発となるので、帰りもバスを利用するなら覚えておきましょう。
のぶよ的には、行きはバスで北ゲートから入場し、帰りは南ゲートから退場した後徒歩でセルチュクへと向かうのもアリだと思います。
セルチュク~他都市へのアクセス
セルチュクにはバス以外に鉄道駅があるのもポイント。
・トルコ第三の都市・イズミル
・パムッカレ観光の拠点・デニズリ
など、この地域の大都市や観光スポット間を結ぶ鉄道路線なので、移動にはとても便利です!
イズミル~セルチュク間のアクセス
トルコ第三の都市・イズミル(İzmir)~セルチュク間の移動には、鉄道利用が確実に便利です。
セルチュクでは、オトガル(バスターミナル)と鉄道駅の両方が中心部にあるものの、イズミルのオトガルは中心街から離れており、アクセスが面倒(地下鉄とトラムの乗り換えが必要)なためです。
セルチュク方面への鉄道が発着するイズミルのバスマネ駅(Basmane Garı)は市内中心部に位置しており、イズミルの観光エリアからは十分に徒歩圏内 ▼
バスマネ駅~セルチュク駅間は、1日7本の列車が走っています。
イズミル発セルチュク方面の鉄道は全て、イズミル空港を経由します。
他都市から飛行機でイズミルに入り、そのままセルチュク方面に向かう場合も、鉄道の利用が便利&最安の移動手段となります。
デニズリ(パムッカレ入口)~セルチュク間のアクセス
パムッカレ観光の玄関口となるデニズリ(Denizli)~セルチュク間は鉄道・バスで結ばれていて便利です。
実は、イズミルを出発した列車は全て、セルチュクを経由してデニズリへと向かうもの。
デニズリの鉄道駅とバスターミナルはいずれも中心街にあって隣接しているため、デニズリ到着後にパムッカレへ移動するにも便利。
のぶよ的には料金が安い鉄道の利用をおすすめします。
エフェソス(エフェス)とパムッカレを1日で観光することは可能?
多くの日本人にとって、イズミル~エフェソス(エフェス)遺跡~パムッカレを一日で移動&観光するプランが定番。
普段は急ぎすぎる観光スタイルにはあまり賛成しないのぶよですが、このコースなら1日でも十分にまわることができると思います。
・エフェソス(エフェス)遺跡:2~3時間
・パムッカレ&ヒエラポリス:4時間
イズミル~エフェソス~パムッカレの移動時間の合計は4時間~5時間ほどなので、イズミル(もしくはパムッカレ)を朝一番にスタートすれば一日でもなんとか移動&観光ができるはず。
ただし、今回紹介したセルチュク中心部やエフェス考古学博物館、その他周辺の見どころまで足をのばすなら、日帰りは絶対に不可能。
のぶよ的にはセルチュクに1泊し、2日間に分けてのんびりと観光するのが良いと思います。
トルコの他観光地と組み合わせて効率良くエフェソスを観光するなら、現地ツアーの参加もおすすめ。
ガイドが付いているので、各スポットの歴史をより深く知ることができるのは大きな魅力です。
エフェソス遺跡の現地ツアーに関しては、近郊のシリンジェ村や聖母マリアの家などにセットで訪れるものも多く、1日で周辺の観光スポットを見学できるのが特徴です。
・イスタンブールから2泊3日で!古代遺跡エフェソスと世界遺産パムッカレ&地中海リゾート・クシャダス 3日間<国内航空券込/日本語ガイド/食事付/イスタンブール発>
・トルコ感動旅!イスタンブール、カッパドキア、エフェソス、パムッカレ 6泊7日<イスタンブール発着>
セルチュクのホステル情報
ANZ Guesthouse
・料金:35TL(=¥646)
・部屋:8ベッドドミトリー
・立地:10/10
セルチュクのオトガル(バスターミナル)から徒歩5分ほどの場所にあり、どこへ行くにも便利な立地の宿です。
スーパーマーケットも近く、エフェソス遺跡(3km)までも徒歩でアクセスすることも可能です。
・アクセス:10/10
オトガルから宿までの道にはいくつか看板が出ているので、迷わずに到着することができます。
チェックイン対応時間には入口の扉は開いており、常に人がいるので、チェックインもとても簡単でした。
・スタッフ:4/10
悪い人ではないのですが、なんとなくビジネス臭ばかり感じられるような感じでした。
観光案内なども全くなく、ただお金のためにやっている感じです。
気に入らなかったのが、コーヒーを作るためのお湯をもらうのに3TLをとってくる所。
お金の問題ではなく、そういった考え方が受け入れられませんでした。
・清潔さ:6/10
汚くはないものの、とても清潔であるとは言えない状態です。
建物自体が古いこともあり、なんとなく薄暗い室内の雰囲気も相まって、場末感が漂っていました。
・設備:5/10
シャワーは2か所あるのですが、ホステルの規模を考えたら足りないと思います。
共用エリアは屋外のテラス部分しかないため、冬場は部屋に閉じこもるしかなくなってしまうのが残念。
先述の通り飲み物は有料なため、ゆっくりとくつろげる感じではなかったのも気に入りませんでした。
・wi-fi:6/10
ドミトリーは地下にあるのですが、wi-fiのシグナルがかなり弱く、途中で途切れることもかなりありました。
受付に近い共用エリアでは問題なく接続できるものの、写真のアップロードには恐ろしいほどの時間がかかります。
・雰囲気:6/10
冬場は必然的に部屋の中で過ごすこととなるので、同じ部屋の宿泊客同士では自然とコミュニケーションが生まれます。
ただし、宿自体の雰囲気があまり良くないため、何となく気分的に盛り上がらない部分がありました。
総合:6.7/10
セルチュクで最安値で宿泊できることと、抜群のロケーション以外には何の存在価値もないホステルです。
1泊だけならまだしも、数日間滞在する場所としてはかなり微妙だと思います。
【この宿を料金確認・予約する!】
【セルチュクの宿をすべて見る!】
おわりに
エフェソス(エフェス)遺跡観光の拠点となるセルチュクと周辺の見どころを紹介しました。
正直なところ、町自体にはそこまで見どころはないセルチュクですが、パムッカレやイズミルからのアクセスはとても便利。
地方都市らしいのんびり感も素敵なので、観光&移動のついでに数泊していくスタイルがおすすめです!
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