こんにちは!ジョージア滞在も1年、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
「コーカサスの小国」と呼ばれることが多いジョージア。
面積は日本の5分の1、人口はなんと30分の1しかありません。
アメリカのジョージア州と間違えられることもしばしば…。
地理的にもアジアとヨーロッパの境目という微妙な場所に位置しており、「アジアだ!」「いや!ヨーロッパだ!」と(不毛な)議論になることも。
当ブログでも以前「ジョージアはアジア?ヨーロッパ?」という(不毛な)テーマの記事を書いたことがあります。
近年では観光ブームや移住ブームの波が来ていて、少しずつ注目を浴びつつあるジョージアですが、小さな国土の東西で大きく文化が異なっていることは意外と知られていません。
今回の記事は、ジョージアを東と西に分け、各地域の違いを10のテーマで紹介するもの。
トビリシだけに閉じこもっていてはもったいない!
この国が持つバラエティー豊かで奥深い魅力をお伝えできれば嬉しいです。
そもそも、ジョージアの東西って?
ジョージアをザックリ東と西に分けると、こんな感じ ▼
・首都のトビリシがあるジョージア東部
・第二の都市クタイシや、黒海沿いのリゾート都市・バトゥミがあるジョージア西部
となります。
ジョージアの地理がなんとなく理解できたなら、いよいよ東西対決十本勝負といきましょう!
(別に勝負でもなんでもないけど)
ジョージア東西対決①:自然の風景
ジョージアと聞いて多くの人がイメージするのは、コーカサスの山々が織りなす大自然の風景ではないでしょうか。
・東部:カズベキ / ヘヴスレティ / トゥシェティ
・西部:スヴァネティ / ラチャ
など、国土の北側に連なるコーカサス山脈の風景は、ジョージア東西のいずれでも見ることができます。
いっぽうで、コーカサス山脈地域以外の自然風景は、東西で大きく変わるのがポイントです。
東部:荒涼とした大地
ジョージア東部の自然風景をひとことで表すなら「茶色」。
降水量が少ない地域が多く、岩肌がむき出しの荒涼とした山々の風景が特徴的です。
首都のトビリシ南東部には、なんと砂漠地帯が広がっているほど。
世界遺産に指定されているダヴィット・ガレジ修道院は、砂漠地帯の岩山を利用して掘られたものです ▼
西部:緑あふれる山々
荒涼とした茶色の風景が目立つ東部とは対照的に、ジョージア西部には緑の大地が広がります。
渓流や滝も数多く、どちらかというと日本の地方部に近い山々の風景が見られるのも特徴的。
また、ジョージア西部の人が「これだけはぜったいに東に負けない!」と誇りに思う自然の恵みが黒海。
ジョージアの黒海沿岸のビーチのほとんどは、砂浜ではなく小石がゴロゴロ転がっているタイプ。
海水浴向きではなく、水質も地中海や大西洋には遠く及びませんが、海沿い特有の開放的な雰囲気はジョージア西部でしか味わえないものです。
ジョージア東西対決②:食文化
ところ変われば食文化だって変わるもの。
最近日本でも話題になりつつあるジョージア料理ですが、実は東部と西部で大きく食文化が異なることを知っている人は少ないのではないでしょうか。
交通や輸送技術の発達により、現在でこそジョージア国内での食文化の差は縮まりつつあります。
しかし旅をして各地域をまわっていると、いまだに大きな違いが存在することを舌で感じられるはず。
ジョージアの人たちの間でしばしば議題に上り、ヒートアップして喧嘩に発展することもある(まじで)ほどの「東と西、どっちがメシが旨いか」問題。
東西で驚くほどに異なる食文化を見ていきましょう。
東部:スパイス多用の肉食文化
ジョージア東部の食文化の一番の特徴は、羊や牛肉、豚肉を中心とした肉類や野菜、ハーブなど豊富な材料を用いて、各種スパイスを多用して調理する点。
日本人が食べて「エキゾチックで美味しい!」と感じるのは、間違いなくジョージア東部の料理だと思います。
トビリシの南部に位置するクヴェモ・カルトリ地方は肥沃な大地を持つことで知られ、野菜や芋、ハーブ類の多くがここからトビリシへ直送されています。
新鮮な食材が手に入りやすい点も、ジョージア東部の食文化の豊かさの理由かもしれません。
またジョージア東部は、モンゴルや中央アジア、ペルシア帝国など数多くの異民族による侵攻や支配を経験した地域。
スパイス文化に代表されるように、アジアや中東の食文化が複雑に入り混じって、現在の食文化が形成されたのでしょう。
西部:小麦粉・チーズ・いも類のシンプル素材
エキゾチックでバラエティー豊かな食文化の東部に対して、ジョージア西部の食文化はかなり質素でシンプル。
平地が少なく、農業や牧畜にあまり適していない土壌の場所が多いジョージア西部では、小麦粉生地 + チーズ + じゃがいも あたりを組み合わせて作られた料理のオンパレードです。
ジョージア西部の食文化の代表的存在がハチャプリ。
地域によって形や材料が異なるハチャプリですが、その多くは西部発祥のものです ▼
日本ではやたらと持ち上げられている感があるハチャプリは、「チーズ+小麦粉生地」のパンの総称。
どれもかなり塩辛くてボリュームがあり、間違いなく途中で飽きます(笑)
また、日本で大きな話題となったシュクメルリの発祥は、実は西部山岳地域のラチャ地方。
日本では「鶏肉のガーリックシチュー」なんて当たり障りのない味のものとして受け入れられつつあるようですが、本場・ジョージア西部のシュクメルリは大量の油に大量のニンニクとフライドチキンを入れただけの、豪快にも程がある料理です。
トラウマ級の油っこさ&しつこさなので、のぶよ的には「これはちょっと…」といった感じ.。
若干味気ない&おおざっぱにに思えるジョージア西部の食文化ですが、例外はサメグレロ地方。
黒海に面して高温多湿なサメグレロ地方では、かつてマラリヤが流行した際に「辛い物を食べれば予防できる」という噂が広まったそうで、ものすごい激辛文化が根付いています。
今ではジョージア全土に広がったアジカ(Ajika)という激辛練りスパイスの発祥の地の一つとされるのもサメグレロ地方 ▼
とにかくどこで何を食べても辛いサメグレロ地方。
激辛好きの方はぜひ、訪れてみては?
ジョージア東西対決③:気候
近年大きな流れになってきている「ジョージア移住ブーム」。
この国に世界中の人が惹かれる理由は多々あるのでしょうが、一つだけ言っておきます。
穏やかな気候を求めている人は、東西関係なくジョージアに住むのは無理。
というのも、ジョージアは全国的にかなりエクストリームな気候であるためです。
東部:夏は灼熱・冬は極寒
ジョージア東部は、夏は灼熱/冬は極寒と過ごしにくさ100%。
山々に囲まれた谷のような地形のトビリシは、熱の逃げ場がない盆地のような気候。
そのため6月~9月にかけては、もはや地獄谷のような暑さになります。
さらに、ジョージア東部には海がありません。
水辺も限られているため、クールダウンできる場所が限られるのも残念なところ。
もともとの降水量が少ないジョージア東部では雪が積もることこそ珍しいですが、冬場の寒さは尋常ではありません。
実はトビリシは、「風の町」と呼ばれるほどに風が強い日が多い町。
冬場でも待ったなしで強風が吹き荒れるため、体感気温の低さは相当なものとなります。
西部:まあ温暖だけど雨、雨、雨
エクストリームな気候の東部に比べると、ジョージア西部はまだまし。
一年を通して温暖湿潤な気候です。
①自然風景の項で「ジョージア西部は緑の風景が多い」と書きましたが、緑が多い=降水量が多いということ。
何を隠そう、黒海沿岸のバトゥミは東ヨーロッパで最も降水量が多い町なのです。
(この国がヨーロッパかどうかは置いておくとして)
特に冬場の毎日毎日毎日、雨&灰色の空の日が延々と続く感じには、絶望感すら覚えるほど。
湿度が高いため、気温は10℃ほどあっても体感温度は意外と低く感じられるので、普通に寒いです。
というわけで、バトゥミの高層タワマンから撮った青空と青い海の写真を見て「バトゥミに住みたい!」なんて考えている人は、まじで現実を知った方が良いと思います(笑)
ジョージア東西対決④:歴史
2015年にグルジアからジョージアへと国名変更がされたジョージア。
この国の歴史は、東西で大きく異なるものだったことは意外に知られていません。
実はジョージアという国が一つの国としてまとまっていたのは、古代から今日までの合計でたったの350年ほど。
それ以外の時期は、東西が別々の国であったり大国の支配下にあったり…と複雑な歴史を送ってきました。
ここまで東西ではっきりと歴史が異なる国も珍しいのではないでしょうか。
現在の東西の文化の違いに大きく影響を与えているのは、おそらく16世紀~18世紀の200年以上にわたる支配国の違いだと思います。
・東部:サファーヴィー朝(現在のイラン)
・西部:オスマン帝国(現在のトルコ)
と、いずれもイスラム系の国ではあるものの、文化は全く別のもの。
食文化や建築様式などの東西の違いに、その影響がいまだに見られます。
ジョージア東西対決⑤:民族音楽
伝統文化が現代に息づくジョージアでは、「ジョージアン・ダンス」と呼ばれる民俗舞踊や、「ポリフォニー」と呼ばれる混声合唱など様々な文化が継承されており、いずれも地域色がかなり豊かなものです。
ここでは、ジョージア伝統の音楽において東西でどう違うのか見ていきましょう。
東部:弦楽器を多用/宴会の席で歌われる
こちらはジョージア東部・カヘティ地方のシグナギという町のスタイル。
基本の主旋律は一人ずつ交代で歌われ、サビの副旋律はその場にいる全員で歌われています。
東部で特徴的なのが、パンドゥリ(Panduri)という弦楽器が使われる点。
カヘティ地方のみならず、東部の山岳部エリアでもこの楽器を使用して演奏されるものが多いようです。
ジョージア東部では、こうした伝統的な音楽が宴会の場(「スプラ(Supra)」と呼ばれる)で演奏されることが多く、その場にいる人全員で歌うのが伝統だそうです。
西:打楽器・吹奏楽器多用/祝いの場で歌われる
こちらはジョージア西部、アジャラ地方の村での伝統的なお祭りの風景。
全員が手を叩いてリズムをとり、踊りながら歌っている姿が印象的です。
ジョージア西部の伝統的な音楽は、弦楽器の他にグダストヴィリ(gudastviri)と呼ばれる大きな笛のような楽器やドリ(doli)と呼ばれる太鼓を用いて演奏されるものが多いそう。
曲調も明るくてリズム感もあるため、ただ歌うというよりも踊るのに適した曲が多いのが特徴的。
東部(特に山岳地域)では日常的に宴会の場で演奏されていましたが、西部では結婚式など特別な祝いの場での踊りのために演奏されるといった性格が強いようです。
ジョージア東西対決⑥:温泉
ジョージアには温泉が湧いているのは有名な話。
それも、ヨーロッパによくあるプールのような生温かい温泉ではなく、硫黄の匂いがぷんぷん漂う熱い温泉。
コーカサス山脈のふもとで極楽体験…素敵ですよね。
しかし、温泉に対する概念は東部と西部で大きく異なるようです。
東部:整備された温泉施設で入浴
ジョージア東部では温泉が湧いている場所はかなり限られています。
首都のトビリシにあるアバノトゥバニ地区(Abanotubani)は、もしかしたら唯一の入浴可能な温泉が湧く場所かもしれません。
「トビリシ」という町の名前の由来は、ジョージア語の「トビリ(=温かい)」であるのは有名な話。
そもそも1600年前にこの町が首都と定められたのも、この地で湧く温泉の神秘的な効能が注目されたから。という説まであるほどです。
古くからの温泉文化が根付くトビリシですが、露天風呂は存在しません。
ハマムのような温泉施設での内湯が中心となり、日本の銭湯のような雰囲気なので日本人には親しみやすいかも。
西部:野良温泉パラダイス
トビリシ限定&整備された温泉施設での入浴に限られる東部に比べると、ジョージア西部の温泉はとにかくワイルドでバラエティー豊か。
人里離れた場所に湧く野良温泉や野良露天風呂がけっこう多く点在しているのです。
地元の人が温泉に浸かりながら酒盛りをするのもジョージア西部の定番の風景。
(トビリシの温泉施設内は飲食禁止)
開放的で気の良い人が多いジョージア西部。
地元の人達に囲まれて、ローカル文化にどっぷりとひたれるのも面白い点です。
ジョージア東西対決⑦:言語
ジョージアの公用語はもちろんジョージア語。
どんな山奥に行こうとジョージア語が通じますし、ソ連統治の影響で30代以上の人ならロシア語も100%通じます。
ジョージア語は、カルトヴェリ語族という独自の言語グループに属するもの。
「カルトヴェリ=”カルトリ地方の”」という意味で、ジョージア東部のカルトリ地方発祥。
ジョージア東部全域では99%、このジョージア語が話されています。
いっぽうのジョージア西部。
同じ国なのでもちろんジョージア語が話されてはいるのですが、地域によっては別の言葉が使われる場合があるのが面白い点。
代表的なのが、サメグレロ地方のメグレル語とスヴァネティ地方のスヴァン語です。
ジョージア語 | メグレル語 | スヴァン語 | |
こんにちは | გამარჯობა ガマルチョバ | გამარჯობა ガマルチョバ | ხოჩა ლადაღ ホチャ ラダフ |
ありがとう | მადლობა マドロバ | მარდი マルディ | ივასუ ხარი イヴァス ハリ |
どういたしまして | არაფრის アラフェリス | დემშა デムシャ | |
お元気ですか? | როგორ ხარ? ロゴル ハル | მუჭო რექ? ムチョ レク | მაგვარდ ხარი? マグヴァルド ハリ |
さようなら | ნახვამდის ナフヴァムディス | ჯგირო ヅィロ | |
こんばんは | საღამო მშვიდობისა サガモ シュヴィドビサ | ხოჩა ნებოზ ホチャ メボズ |
この全然違う感、いかがでしょうか。
メグレル語(Mingrelian / მარგალური ნინა)は、サメグレロ地方全域とアブハジア共和国の一部で話されているもので話者数は50万人ほど。
ジョージア語と同じカルトヴェリ語族の一つなので、「ジョージア語のいち方言」と言っても良いのですが、文法や表現はかなり異なるそうです。
スヴァン語もジョージア語と同じカルトヴェリ語族。
とはいえ、驚くほどに語彙の共通点がありません。
子音が多くカクカクした響きのジョージア語に対して、長母音が多いスヴァン語はどこか柔らかい響きを持つのも特徴的。
ジョージア語に関して赤ちゃんレベルの知識しかないのぶよでさえ、一発で「これはジョージア語じゃない…?」と聞き分けられるほど異なった響きでした。
ジョージア東西対決⑧:建築様式
ジョージア東部と西部で大きく異なるのが、建物の建築様式。
都市部の建築も一目でわかるほどに異なりますし、地方部の伝統建築はもはや同じ国とは思えないほどに異なります。
東部:ペルシア風装飾/石造り
トビリシを代表する風景が、カラフルな木造テラスを持つ家々。
細部までこだわったエキゾチックな装飾に、ペルシア建築の影響が強く感じられます。
トビリシを出て地方部に足をのばすと、重厚な雰囲気の石造りの民家が多いことに気が付くはず。
ジョージア東部で石造りの民家が好まれた最大の理由は、すでに③気候の項で説明した通り、夏は灼熱/冬は極寒という極端な気候であるため。
断熱性に優れた石の壁に囲まれた屋内は、一年を通して気温があまり変わることがないもの。
実際に中に入ると、夏場でも涼しさを冠るほどでした。
西部:木造/高床式倉庫
クタイシやバトゥミなどジョージア西部の都市を歩くと、トビリシによく見られる木製テラスを持つ建物がほとんどないことに気が付くでしょう。
町並みはロシア帝国の優雅で重厚な雰囲気のものとソ連時代の無機質なものが混ざった感じ。
トビリシとは完全に雰囲気が異なります。
ジョージア西部の地方部の建築は、木造が主流なのもポイント。
西部で木造建築が好まれる理由も、年間を通して高温多湿な気候のため。
風通しが良い木造の民家には広い庭があり、食料を保存するための高床式倉庫が現役で利用されていたりします。
ジョージア西部地域(の地方部)を旅していると、必ず見かける高床式倉庫。
「湿度が高い=食料が腐りやすい」ということで、少しでも風通しが良い場所に食料を保存しようとした先人の知恵の素晴らしさが感じられます。
ジョージア東西対決⑨:人の気質
ジョージアの地元の人に「東部と西部の一番の違いは?」と尋ねると、結構な確率で返ってくるのが「人の気質が全然違う」という答え。
ジョージア全国をまわったのぶよ自身も、東部と西部で人の気質がかなり違うことを肌で感じて驚きました。
東部:閉鎖的
ジョージア東部は、概して閉鎖的な気質の人が多いと言われます。
首都であり最大の町であるトビリシで生活している限りは、あまり感じる機会は多くないかもしれません。
しかし少し地方部へと足をのばせばすぐに実感するはず。(めっちゃジロジロ見られます)
個人的な経験ですが、地元の人の家に招かれて酒をごちそうになったり…といったことは、ジョージア東部では一度もありません。(ジョージア西部ではかなりの頻度であった)
のぶよ的にジョージア東部の人々の気質が閉鎖的と言われる一番の原因は、絶えず異民族の侵攻に悩まされた歴史のためではないかと感じます。
南にペルシアとアルメニア、北にはイスラム教徒であるコーカサスの諸民族(ダゲスタン人/チェンチェン人etc)。
中世にモンゴル帝国やティムール朝などが相次いで侵略してきたのも、ジョージア東部でした。
首都のトビリシも、数えきれないほどに異民族によって侵略&破壊されて来た町。
こうした歴史的な背景から、どこから来たかわからない&得体の知れない人間を、もてなす前にまずは警戒する風土であってもおかしくないと思います。
西部:開放的
ジョージア西部、とくにアジャラ地方やサメグレロ地方などの田舎に行くと、人々のホスピタリティーに驚くはず。
手招きされて行ってみると自宅に招かれ、次から次へと料理やお酒がでてきた(もちろん無料で)ことも一度や二度ではありません。
ジョージア国内の移動手段であるマルシュルートカ(乗り合いミニバス)の車内も、ジョージア西部エリアでは常に誰かと誰か(お互いに知らない人)が楽しそうに喋っているのがデフォルト。
東部ではまず見られない光景だと思います。
異民族・異教徒の土地に囲まれた東部とは対照的に、黒海という天然の防衛線がある西部。
こうした地理的な要因もあり、東部ほどには異民族の侵入に悩まされてはいなかったことも、こうしたホスピタリティー文化が根強く残る理由なのかもしれません。
トビリシで気前よく接してくれる人に出身地を聞くと、西部のサメグレロ地方やイメレティ地方であることもかなり多いです。
特にサメグレロ地方はとにかく喋りかけてくる人が多く、のぶよ的には「コミュ力お化けエリア」のひとつ。
ジョージア東西対決⑩:都市生活
ジョージア東西対決最後のテーマが、「都市生活」。
東のトビリシと西のバトゥミで、ライフスタイルは大きく異なってきます。
東部(トビリシ):インフラ抜群の快適シティーライフ
トビリシの生活はとにかく便利。
地下鉄・路線バスなどの公共交通手段が発達しているため、市内のどこへでもアクセスしやすいのが大きなメリットだと思います。
近年の移住ブームのおかげか、ジョージア料理以外にも多国籍料理のお店が充実しつつあるのも嬉しい点。
タイ料理、韓国料理、インド料理、果ては日本式のラーメンを出すお店もあるので、食事面で不便を感じることはないでしょう。
谷間に開けたトビリシは、ハイキングコースも充実。
中心街から30分ほどで、町を一望する絶景ポイントにアクセスできるので、手軽に自然を感じながら気分転換するにはぴったりです。
都市らしい便利さと、手軽に味わえる自然、様々なものが手に入りやすい点など、総合的にトビリシはジョージアの中で最も生活しやすい町であることは事実。
「さすが首都!」と実感するような便利なシティーライフが送れると思います。
西部(バトゥミ):のんびり過ごせるシーサイドライフ
トビリシに比べると、地下鉄が走っていないバトゥミは交通インフラ面ではやや不便。
いっぽうで、平坦な地形であるため自転車で移動するにはぴったりの町です。
食事面の充実度に関しては、やはりトビリシにはおよびません。
しかしバトゥミには魚市場があるので、新鮮な魚介類を入手しやすいのは嬉しい点です。
ごちゃっとした雑多な雰囲気がトビリシだとしたら、バトゥミはかなりスッキリした開放的な雰囲気。
海のそばでのんびりした滞在を送りたい人にはおすすめです。(先述の通り雨の多さは半端ないですが)
おわりに
食文化も、町並みも、人の気質も異なる、ジョージアの東部と西部。
こんなに小さな国の中にこんなにも違いが多くあることに、自分でも改めて驚きました。
どうしてもトビリシばかりが注目されがちですが、それ以外の地域も独自の伝統や文化が息づいているのがジョージアという国。
これからジョージアに来る予定の人には、この小国の奥深い魅力を余すことなく堪能してほしいです!
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