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ジョージアのキリスト教文化の象徴!イースターの伝統を体験してみた。

こんにちは!ジョージア滞在もまもなく2年、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

「世界で二番目のキリスト教国」であるジョージアにおいて、クリスマスと並んで重要とされる日がイースター(復活祭)です。

ジョージアでは毎年春に祝われるイースターは、宗教的な意味合いがとても強い日。
同時に、家族や親戚同士が集まって本格的な春の訪れを歓びあう日でもあります。

イースターにあたる日曜日の前後4日間はジョージアでは祝日となり、国全体が神聖な雰囲気に包まれたかのよう。
イースター当日に向けてのさまざまな準備やしきたりも含めて、ジョージアに息づく伝統文化が肌で感じられる期間でもあります。

「イースター=卵」は確かに正しい…けど?

キリスト教国ではない日本では、そもそもイースターとは何の日なのか知らない人も少なくないでしょう。
ジョージアでイースターがどのように祝われるものか知識がある人は、さらに限られてくると思います。

ジョージアで迎えるイースターも3回目となったのぶよ(いつまでおるねん)。
キリスト教徒ではありませんが、今年はこの国の伝統にできる限り忠実に、この聖なる日を迎えることにしました。

準備からイースター当日までの様子をこの記事にまとめたので、紹介していきたいと思います!
「ジョージア流にイースターを祝ってみよう!」という人(いないだろうけど)には参考になるはず!

ジョージアをはじめ、東方正教会では「イースター」という呼び方はされず、「パスハ(ロシア語)」「アグドゴマ(ジョージア語)」と称されますが、当記事内では分かりやすく「イースター」で統一しています。

ジョージアのイースター、何が特別なの?

イースターはキリスト教に基づく祝日

そもそも日本では、イースター自体に馴染みが薄いもの。
「よくわからないけど、ヨーロッパあたりではなぜか卵をカラフルに塗る日」くらいの認識の人も多いのではないでしょうか。

「復活祭」とも呼ばれるイースターは、十字架にはりつけにされたイエス・キリストが復活したとされる日のこと。
欧州をはじめとするキリスト教社会にとっては、クリスマス(キリストが誕生したとされる日)と並ぶ大切な日となっています。

日本人の大多数の人は「ジョージアのキリスト教」と聞いて、ヨーロッパの国々と同じようなものを思い浮かべるかもしれません。

実は、ジョージアのキリスト教は「ジョージア正教会(東方正教会)」という一派。
西ヨーロッパに多いカトリックやプロテスタントとは異なる性質を持ちます。

ジョージアと同じ正教会に分類されるのが、ギリシャ正教会やロシア正教会などヨーロッパ東部地域のキリスト教です。

「イースター=うさぎ」は主にカトリック社会で、ジョージアでは一般的ではない。

教義の違いなど難しい話は置いておくとして、ジョージアをはじめとする正教会におけるイースターの最大の特徴が、旧暦(ユリウス暦)で祝われること。

旧暦(ユリウス暦)とは、私たち日本人が現在使用するグレゴリオ暦よりも以前に使用されていた暦のこと。
日にちの数え方や1年の長さ、閏年うるうどしの定め方などが微妙に異なるため、グレゴリオ暦と常に数日間のずれが生じます。(2022年現在は13日間のずれ)

そのためジョージアのイースターは、グレゴリオ暦を使用するカトリックやプロテスタント教会のイースターとは異なる日付となることが多いのです。

この先3年間のイースターの日付
カトリック教会正教会
2022年4月17日4月24日
2023年4月9日4月16日
2024年3月31日5月5日
2025年4月20日4月20日

また、イースターの祝われ方は聖書に基づいてはいるものの、使用される道具や準備の手順など細かい部分が国によって違ってくるのも特徴的。
ここジョージアでも、土地の風土や気候、歴史に合わせて変化し、現在の形となりました。

ジョージアのイースターの流れ

イースター当日は1年に1回だけではあるものの、ジョージアではこの1日に向けて早くから準備が行われます。

イースターにまつわるすべての準備や習慣は、聖書内に登場する各シーンを疑似体験するためのものと考えるのが最もシンプル。

どのイベントも、イエス・キリストが巡礼の旅に出て、聖地・エルサレムに入城し、磔の刑に処され、復活を遂げるまでの一連の過程にまつわるものとなっています。

イースター40日前:断食の開始

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ジョージアで動物性食品が入っていない料理を探すのは結構大変かも。

イースターの日から数えて40日前にあたる水曜日に、ジョージアの人々の中にはファスティング(断食)を始める人も多いです。

これは聖書内に登場するシーンの「悪魔の誘惑に40日間耐えて巡礼の旅に出たキリストの苦しみ」に思いを馳せるためなのだそう。

断食というと「太陽が昇っている間は飲食不可」というイスラム教のイメージが強いですが、ジョージアでの断食は食事の時間ではなく、食べられる食材を制限するものです。

その制限はかなり厳しく、肉類・魚類・乳製品全般・卵など、動物由来の食材はすべてNGという過酷なもの。
単純に言うなら、今流行りの(?)「ヴィーガン」のようなものかもしれません。

晴れて断食の制限が解かれるのが、イースター当日にあたる日曜日。
1ヶ月以上も信仰のために食事を制限してきた人々にとっては、イースターがどれだけ喜ばしい日か想像がつきます。

ジョージア料理の定番を一挙紹介しています!

イースター1週間前の日曜日:聖枝祭

ロバに乗ってエルサレムに入城するイエス・キリスト

イースターのちょうど1週間前にあたる日曜日は「聖枝祭」(英語:Palm Sunday)と呼ばれる重要な日。

巡礼の旅を終えたイエス・キリストが聖地・エルサレムに入城した日で、民衆がヤシの木の葉を地面に敷いて出迎えたとされています。

ジョージアでは、伝統にのっとって多くの人々が祈りを捧げるために教会に足を運びます。

聖枝祭のポイント①:柘植つげの枝

聖枝祭のジョージアの街を歩いていると、片手に植物の枝を持った人の姿を多く目にします。

これは柘植つげという植物の枝
イエス・キリストがエルサレムに入城する際に、ヤシの木の葉を敷いて出迎えられたことを象徴したものです。

ジョージアでは気候的にヤシの木が育たないため、代わりに用いられるのが常緑植物である柘植つげの枝。

聖枝祭当日は、各教会の周辺の路上に柘植つげの枝を売る露店が多く出て、教会で祈りを捧げ終えた人々が購入し、家に持ち帰って飾るのが伝統となっています。

聖枝祭のポイント②:ジェジリの種植え

芽が出た状態のジェジリ

ジョージアの聖枝祭の日に根付くもう一つの習慣が、穀物を塗れた綿の上にまいておくというもの。

まかれた穀物はすぐに発芽し、1週間後に控えたイースター当日に向けて青々とした新芽をのばしていきます。

芽が出た状態の穀物はジェジリ(ჯეჯილი)と呼ばれ、「種から芽が再生する=キリストの復活」を象徴しているのだそうです。

市場で購入してみた

聖枝祭以降の市場や商店では、すでに発芽した状態のジェジリが売られだし、イースター当日に向けての街を彩ります。

イースター3日前:聖金曜日(受難日)

十字架に磔にされるキリスト

イースター当日を3日後に控えた金曜日は「聖金曜日」(英語:Good Friday)と呼ばれ、この日からジョージアでは4日間のイースター休暇に入ります。

この日はエルサレム入城後に数々の受難を経験したイエス・キリストが十字架にはりつけにされた日とされるため、「受難日」とも呼ばれます。

聖金曜日のポイント①:イースターエッグづくり

血のように真っ赤に染められた卵

ジョージアにおける聖金曜日の伝統の一つ目が、イースターエッグを作ること。

カトリックの国では卵にカラフルな模様を施すのが一般的ですが、ジョージアでは卵を真っ赤に染めるのが伝統。

これは、十字架にはりつけにされたキリストが流した血を象徴しているためです。

卵を染めるための茜の木の根がどこでも売られる

各家庭では、赤タマネギの皮あかねの木の根を煮出して真っ赤な汁を作り、その中で卵を殻ごと茹でて赤い色を付けます。

茜の木の根をお湯に投入
15分後には紫がかった赤い色に

茹で上がった卵は聖金曜日にはまだ食べられず(というか、動物性の食品はこの日はまだ食べられない)、3日後のイースター当日まで食卓に飾られます。

聖枝日に種がまかれ、芽が伸びつつあるジェジリの脇に飾るのもポピュラーなのだそうです。

聖金曜日のポイント②:パスカを焼く

ジョージアのイースターケーキ「パスカ」

聖金曜日のもう一つの伝統が、「パスカ(პასკა)」と呼ばれるケーキを焼くこと。

上部が丸みを帯びた独特な形のケーキは、キリストが十字架にはりつけにされた地であるゴルゴタの丘を象徴しています。

パスカのレシピは地域や各家庭によってさまざま。
ドライフルーツを入れて焼き上げたシンプルなものが基本ですが、チョコレートや砂糖で上部をコーティングしたものも見かけます。

パスカを売る露店の看板

伝統では各家庭で手作りで焼き上げられるパスカですが、トビリシなど都市部では購入するのもポピュラー。

市場やスーパーマーケット、その辺の路上などとにかくどこでも売られるので、旅行者でも目にする機会が必ずあるはずです。

イースター前日:聖土曜日

自家製ワインを売る露店

イースターを翌日に控えた土曜日は「聖土曜日」と呼ばれ、各家庭で翌日の宴に向けての準備が佳境に入ります。

肉の量り売りをする露店

市場はイースター前に足りない物を買い求めようとする人々で賑わい、聖なる日に向けた高揚感が町を包み込んでいるのを感じます。

聖土曜日のポイント①:イースター料理の準備

チャカプリは前日から煮込まれる。

多くの家庭では、翌日のイースターに向けて料理の下ごしらえに入ります。

ジョージアのイースター料理として最もポピュラーなのが、羊肉とタラゴンのシチューであるチャカプリ
数時間煮込んで調理する必要があるため、前日の夜からじっくりと準備されます。

チャカプリに使われるタラゴンは、春を代表するハーブの一つ。
春の訪れを歓びあうイースターにぴったりな食材です。

チャカプリに必須なハーブ・タラゴン
最低でも4時間は煮込む

他にも、生地から手作りされるハチャプリ(チーズ入りのパン)、春の野菜やハーブをふんだんに用いたサラダや煮込み料理など、各家庭・地域によってメニューは様々。

これまで食事制限をずっと続けて来た人々にとっては、翌日の宴が待ちきれないことでしょう。

聖土曜日のポイント②:教会での礼拝

トビリシ最大のサメバ大聖堂

聖土曜日には、多くの人々が家族で教会へと足を運び、祈りを捧げるのが伝統です。

特に多くの人々が集まるのが、夜遅くになってから
各教会では特別な礼拝が行われ、翌日のイースターの朝まで一睡もせずに祈りを捧げる人も少なくありません。

イースター当日

一年で最も重要な一日がはじまる。

イースター当日の日曜日は、十字架にはりつけにされて息絶えたイエス・キリストが復活を遂げたとされる日
冬から春に季節が変化し、再び青々と色づいた草木に覆われる大地の風景も含めて「再生」を象徴する一日でもあります。

数週間前からこの日を見据えてあらゆる物事が動いてきたジョージア。
クリスマスと並んで、1年で最も大切とされる1日が幕を開けます。

普段は別々に住む家族が一堂に会するのもジョージアのイースターの特徴。
街には人も車もまばらとなり、驚くほどに静まり返った厳かな雰囲気に支配されます。

イースターのポイント①:挨拶

イースター当日&翌月曜日は、ほぼすべての店が閉まってゴーストタウン状態になる。

イースター当日のジョージアでは、普段とは異なる挨拶あいさつが交わされます。

それが「クリステ・アグスドガ!」(ქრისტე აღსდგა)
「キリストが復活した!」という意味です。

これに対する返答は「チェシュマリタド・アグスドガ!」(ჭეშმარიტად აღსდგა)
意味は「実に、キリストは復活した!」というもの。

いずれも、聖書内のキリストの復活のシーンに登場する言葉です。

とても宗教色の強い挨拶ではあるものの、イースター当日は「こんにちは」と同じように使われるので、使ってみるのも良いでしょう。

イースターのポイント②:お墓参り

家族全員で先祖が眠るお墓へ足を運ぶ。

ジョージアのイースター当日最大のイベントが、集まった家族・親戚一同でお墓参りに赴くこと。

イースター当日のお墓参りでは、聖金曜日に赤く染めた卵を持参し、お墓の周りにばらまくという習慣も息づいています。

こうして、あの世で眠る先祖たちにキリストの復活を報告し、親族一同が元気でいる姿を見せるのだそうです。

イースターのポイント③:エッグファイト

お墓参りが済んだら、いよいよ赤く色づけした卵の出番。
集まった家族全員でエッグファイトが行われるのです。

西ヨーロッパでは隠されたイースターエッグを探し当てるのがポピュラーですが、ジョージアでのエッグファイトはひと味違ってかなりシンプル。

まず一人一つ卵を選び、トーナメント形式で順番に手に持った卵をぶつけ合います。
先に殻が割れてしまった方が負け/割れなかった方が勝ち というシンプルなルール。

このエッグファイトで勝ち進み、最後まで殻が割れない卵を持っていた人がチャンピオンとなります。

子供も大人も本気で楽しむ、ジョージアのエッグファイト。
普段は離れて暮らす親戚みんなが一つになって楽しむイベントです。

イースターのポイント④:スプラ(宴会)

食卓はごちそうでいっぱいに。

お墓参りを終えた後は、お待ちかねの宴会のはじまりです。

ジョージアでは「スプラ」(სუფრა)と呼ばれる伝統的な宴会ですが、イースター当日はとにかく豪勢の極み。
前日から手間暇かけて作られた伝統的な料理の数々が、ワインとともに食卓に並びます。

この日まで40日間に渡る断食をしてきた人にとっては、ようやく食事制限が解かれる日。
多くの人がこの宴会を楽しみに、イースター当日を迎えるのです。

ジョージア西部では「ゴミ」というトウモロコシ粉のお粥がポピュラーなよう。

イースター当日のスプラは長時間続き、ひたすらに飲み食いを重ねて日が暮れる頃にようやくお開きに。

ジョージアではイースター翌日の月曜日も祝日となっているため、引き続き家族が揃った時間を満喫するのが一般的です。

イースターが明けると、街の雰囲気が一気に夏めいたように感じられるのはジョージア七不思議のひとつ。
気温がグッと上がり、太陽の光もギラギラと熱を帯び出します。

まるで人智を越えた何かによって、イースター当日を境に季節が操られてるかのように感じられるのも、キリスト教の伝統が息づくジョージアならではなのかもしれません。

おわりに

日本ではおそらくほとんど知られていない、ジョージアのイースターの流れや伝統を現地からレポートしました。

できる限りしっかりと(もちろん断食はしてない)ジョージアのイースターを祝ってみて、「伝統や宗教観が現在にまで色濃く残り、ジョージアという国全体がこの日を中心に動いている」ということを強く感じました。

ジョージアのイースターは「家族や親戚同士で祝うもの」という性格が強いため、他所から来た外国人旅行者にとってはなかなか味わいにくい面はあります。

しかしながら、イースターを中心に街や人々が動いていることは肌で感じられ、イースター期間がどれほどに現地の人々に大切にされているか実感できるでしょう。

春にジョージアを旅行/滞在する人は、遥か昔からこの国に息づいてきた伝統に直に触れることができるので、とてもラッキー。
伝統的なジョージアのイースターを自分流に再現してみるのも、極上の文化体験の一つとなるでしょう。

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