こんにちは!ブルガリアに1ヶ月半滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
海外旅行を計画する際にまず気になるのが、滞在先の国や都市の治安ではないでしょうか。
当ブログでは、これまでの世界半周中に訪れた国の治安情報やアドバイスなどを解説してきました。
今回は1ヶ月半滞在したブルガリアの治安について。
「ブルガリア」と聞くと、なんとなく長閑でのんびりとしたイメージが浮かぶのではないでしょうか。
実際に、ブルガリアは安全に旅行ができる国です。
ただ、ヨーロッパの南端に位置するブルガリアは、歴史的にも多くの民族が行き来してきた国。
そんな地理的な要因から、色々な人が集まってくるのも事実です。
結論から言ってしまうと、バルカン半島の周辺の国に比べて、ブルガリアの都市部には治安があまり良くなさそうなエリアが点在しているような印象を受けました。(その他のバルカンの国が安全すぎたのかもしれませんが)
今回の記事で解説するのは、のぶよが実際に訪れたブルガリア国内の6つの都市の治安 ▼
各都市で雰囲気があまり良くないと感じたエリアについても解説していきます。
また、ブルガリア旅行時の注意点やアドバイスものせているので、実際に旅行する際の参考となれば!
ソフィアの治安
ブルガリアが誇る首都・ソフィア。
明るく開放的な町並みで、シティーライフを楽しむ人々が作り出す自由な雰囲気が魅力的な町です。
ソフィア中心街の治安
観光の中心であるソフィア中心街の治安は、基本的に問題なし。
しかしながら、中心街南部の歩行者専用のメインストリート・ヴィトーシャ通り(Vitosha st.)では、外国人観光客を狙ったスリの被害が多数報告されているそうなので注意が必要です。
貴重品は常に肌身離さず持っておきましょう。
個人的に、治安面でやや微妙に感じたのがピロツカ通り周辺(Pirotska St.)。
観光客が多く訪れる聖ネジェラ聖堂や、ソフィアの交通のハブであるセルディカ地下鉄駅からもほど近く、一見すると明るく開放的な歩行者専用のストリート。
しかし、明らかに柄の悪い集団や酔っ払いが昼間からたむろしているのをよく見かけました。
余計なトラブルに巻き込まれないためにも、周囲に注意を払いながら散策するのが良いと思います。
ソフィア鉄道駅/セントラル・バスステーション周辺の治安
ソフィア鉄道駅とセントラル・バスステーションは、中心街から北に1.5kmほどの地点に隣接しています。
ヨーロッパの大都市の鉄道駅やバスステーション周辺の治安は要注意な場合が多いですが、ソフィアの場合は決して治安が悪い雰囲気は感じません。
いっぽう、日が暮れると驚くほどに人の数が少なくなる点には注意。
鉄道駅とバスステーションのいずれも、地下道で地下鉄の駅に直結しているのですが、この地下道が薄暗くてなんだか嫌な雰囲気がただよっていました。
大丈夫だとは思いますが、あえてこのエリアに夜に長居する理由もないはず。
さっさと中心街へと向かってしまうのが◎
プロブディフの治安
ブルガリア第二の都市・プロブディフ。
学生が多く活気ある中心街は、モダンさとスタイリッシュさの中にレトロ感が混ざった独特の雰囲気。
18世紀の邸宅が並ぶオールドタウンや、町中に点在する古代遺跡など、長い歴史を今に伝える見どころがいっぱいの美しい町です。
プロブディフ中心街の治安
プロブディフ観光の中心となる、中心街とオールドタウン。
昼も夜も多くの人で賑わっており、治安の悪さは全く感じられません。
夜のオールドタウンは、昼間に比べて人の数がかなり少なくなるものの、こちらも危険な感じは全くありませんでした。
プロブディフ鉄道駅/南バスステーション周辺の治安
プロブディフの玄関口である鉄道駅と南バスステーションは、中心街の南1.5kmほどの場所に位置しています。
決して治安は悪くないと思うのですが、昼間でも人が少ないのがこのエリア。
活気ある中心街に比べると寂れた印象で、なんだか陰気臭い雰囲気です。
特に見どころもなく、寂れた雰囲気の鉄道駅周辺エリアにずっといる理由もないはず。
鉄道駅・バスステーションへと徒歩でアクセスする際は、念のため明るいうちにこのエリアを通るようにしましょう。
ヴァルナの治安
ブルガリア第三の都市であり、「夏の首都」と称される黒海沿岸の町・ヴァルナ。
海沿いの町らしく開放的な雰囲気が漂う中心街は、多くが歩行者専用。
潮風を感じながらの散策が楽しい町です。
ヴァルナの治安は概して良かった印象でした。
夜に出歩くこともありましたが、不安を感じたことは全くありませんでした。
ただ、町の中心に位置する生神女就寝大聖堂の周囲には、ホームレスがたくさん溜まっており、あまり良い雰囲気とは言えません。(とはいえ、何かしてくるわけでもないので大丈夫でしょうが)
ブルガスの治安
ヴァルナのライバルと言われる、黒海沿岸南部のブルガス。
ヴァルナ同様に海沿いの町らしい開放感はあるのですが、なんとなく治安があまり良くなさそうな雰囲気が感じられました。
ヴァルナに比べるとこじんまりとした中心街には人の数は少なく、あまり活気が感じられません。
(9月という季節のせいもあるかも)
特に、鉄道駅/バスステーション周辺は要注意。
夜になるとほとんどの店が閉まり人影もまばらになるので、さながらゴーストタウンのような雰囲気になります ▼
中心街ではホームレスや売春婦が観光客に話しかける姿もよく見られ、ブルガリアの都市で唯一、治安面であまり良い印象を持ちませんでした。
ヴェリコ・タルノヴォの治安
かつてのブルガリア王国の首都であったヴェリコ・タルノヴォは、独特な地形に沿って美しい町並みが広がる古都。
ブルガリアを代表する観光地でもあるヴェリコ・タルノヴォの治安は概して良いです。
町の規模もさほど大きくないので、のんびりした雰囲気が漂っていてとても居心地が良かったのも印象的。
治安面を気にすることなく、美しい旧市街をのんびりと散策できるヴェリコ・タルノヴォ。
周辺にも魅力的な観光スポットが点在しており、数日間滞在するのもおすすめです!
ルセの治安
ブルガリア北部。ドナウ川を挟んでルーマニアに接するルセは、「ブルガリアで最もエレガントな町」と称される中心街を持つ町。
バロック建築であふれる中心街は素晴らしく、ここがブルガリアだと信じられなくなるほど異質な雰囲気です。
しかしながら、中心街の2kmほど南にある鉄道駅/南バスステーション周辺は、共産主義時代の雰囲気を色濃く残しています。
活気が全くなく、退廃的な雰囲気しか漂っていないこのエリア。
夜は人影もまばらになるため、少し不安を感じるかもしれません。
特に、鉄道駅前から幹線道路を渡るための地下道の雰囲気はやばいです ▼
半廃墟のように放置された地下道は真っ暗で、変な人が現れてもおかしくない雰囲気…
夜はもちろん避けるべきですし、昼間でもできれば通らないことをおすすめします。
ブルガリア旅行時の注意点とアドバイス
ヨーロッパの南端に位置するブルガリアは、色々な種類の人がやってくるヨーロッパの入口となる国。
EUに加盟したものの、この国の人々の間にある格差は想像以上に大きく、貧しさから犯罪に走る人も少なくありません。
そのため、周辺諸国に比べると「治安が突出して良い!」とは言い切れないのがブルガリアの現状です。
しかしながら、心配のしすぎは無用。
基本的なことに気をつけていれば、問題なくブルガリア旅行を楽しむことができます。
ここでは、ブルガリア旅行を安全&快適に楽しむための注意点やアドバイスを解説します。
バス車内の盗難に注意
ブルガリア人が観光客に最初に注意するのが、「バスの車内では絶対に荷物を肌身離さず持て」ということ。
大都市間のバスだけでなく、地方部でのミニバスの車内でさえ注意が必要だそうです。
特に気をつけたいのがバスを乗り降りするとき。
チケットを提示したり、行き先を確認したりと、旅行者の注意が他のことに向いているすきにスリの被害にあうことが多いそうなので、十分なご注意を。
タクシーの利用は要注意
単刀直入に言います。
ブルガリアのタクシーは、かなり悪名高いです(特に都市部)。
こちらが外国人だとわかると、まずぼったくってくるような人もしばしば…
メーターを使っても、わざと遠回りをして割高な料金を請求してくることも日常茶飯事だそうです。
流しのタクシーの利用はとにかく禁物。
鉄道駅やバスステーション付近で客待ちしているようなタクシーも絶対にNGです。
最も安全なのが、宿泊先でタクシーを手配してもらうこと。
その際に、だいたいの料金相場を訪ねてもらいメモしておくなどの対策をしておけば、料金トラブルにはつながりにくいでしょう。
もしくは、配車アプリを利用するのも手。
アプリで表示された料金以上を支払うことはないので、安心ですよね。
個人経営のゲストハウスの宿泊は、予め連絡をいれておく
ブルガリアの都市部では、旅行者向けのホステルが一般的になってきており、簡単に見つけることができます。
いっぽう、ブルガリア地方部では話は別。
ホステルという概念は存在せず、宿泊先は個人経営のゲストハウスのみなんて所もザラです。
ブルガリアのゲストハウスには大きく分けて二つの種類があります。
一つ目はカシュタ・ザ・ゴスチ(Къща за гости)と呼ばれるもの。
家族が住んでいる一軒家の一室を、旅行者に提供しているタイプのゲストハウスです。
こちらはオーナー家族が同じ建物内にいるので、チェックイン/チェックアウトも簡単。
何か問題があってもすぐに対処してもらえます。
もう一つは、オーナーが所有しているアパートの一室を部屋貸ししているタイプ。
もはやゲストハウスでも何でもないのですが、宿泊予約サイトでは”Guesthouse”という名前で表示されているのがややこしいところ。
このタイプの宿の一番の問題は、オーナーが常にいるわけではない点。
チェックイン時には電話をかけて、オーナーに来てもらう必要がある場合がほとんどです。
とは言っても、ほぼ英語は通じないので、コミュニケーションに困ってしまうこともしばしば。
こうした個人経営のアパートタイプの宿に宿泊するなら、予約完了と同時に到着時刻を連絡しておくのがおすすめです。
もっと確実なのが、ブルガリア語が話せる宿の人などにあらかじめ電話をかけてもらって、到着時刻を伝えるというもの。
事前連絡なしに当日直接宿泊先に行ったところで、誰もおらず鍵が閉まっていて途方に暮れてしまう…
なんて状況になることもあります(のぶよは実際にありました)。
とにかく全てがキリル文字表記
ブルガリアはキリル文字発祥の地。
だからなのか分かりませんが、ブルガリアのキリル文字に対するこだわりは、執念のようなものがあります。
町の看板はほとんどがキリル文字で、ラテン文字を見かけることは珍しいくらい。
旅行者が困るのが、バスステーションの案内や時刻表、バスの行き先表示なども100%キリル文字だという点 ▼
首都のソフィアですらローマ字の併記がないほどなので、地方部がどんな感じか想像がつくでしょう。
しかも、ブルガリアのバスステーションのチケット売り場は、行き先別ではなくバス会社別に分かれていることがほとんど ▼
自分の行き先をキリル文字で見つけて、そこに行くバス会社のチケットオフィスをキリル文字で見つけて、自分が乗るバスの行き先をキリル文字で解読して…正直、相当難易度高いです。
キリル文字が読めないといちいちその辺の人に訪ねなければならず、ただバスに乗るだけなのに恐ろしいほどの時間がかかってしまうことも。
キリル文字はとてもシンプルで、一度覚えてしまえば東欧、バルカン〜中央アジア、モンゴルまでの多くの国で使用できる超便利な文字。
のぶよ的には、覚えてしまったほうが早いと思います。
最低でも、バス利用の前に自分の行き先の町のキリル文字表記を調べておくほうが良いでしょう。
マケドニアの話題は避けた方が良い
憎しみが憎しみをよび、「ヨーロッパの火薬庫」と称されたバルカン半島。
ボスニアやセルビア、コソボなど、民族問題が現在もくすぶっている国も多くあります。
いっぽうのブルガリアは、ユーゴスラビア連邦に属していませんでした。
地理的・歴史的にも旧ユーゴスラビアの国々とは結びつきが少なかったためか、目立った民族問題はありません。
しかしながら、お隣のマケドニア(現在は北マケドニア)についてブルガリアで話す際は、注意が必要かもしれません。
というのも、現在「北マケドニア」として独立している国は、かつての中世ブルガリア王国時代にはブルガリア領だった地域。
現在のマケドニア人の祖先は、ブルガリアから山を越えてやってきたスラブ人ということもあり、言語もほぼ同じで方言程度の差しかないくらいです。
歴史的・民族的・言語的にもブルガリアと同じであるマケドニアが、さも独自の文化を持った独立国のように振る舞うのに、我慢がならないブルガリア人も…
そのため、ブルガリア人の間には「マケドニアが嫌い」とか「マケドニアはブルガリアのものだ」と公然と口にする人も多いんです。(実体験)
正直、「勝手にしてくれ!」という感じなのですが、ブルガリアの人々には自国の歴史や文化に相当な誇りを持つ人が多く、そのプライドに水を差したところで何も生まれないでしょう。
個人的には、どうせ面倒な議論になるのは目に見えている(実体験)ので、ブルガリア人にマケドニアに関する話をするのは控えておいたほうが良いかなと思います。
おわりに
最低限のことに気をつけてさえいれば、安全に旅行できるブルガリア。
旅行者に対して開放的で親切な人も多いので、言葉が通じなくても地元の人に助けられた場面もありました。
バルカン半島の中では、ブルガリアは比較的大きな国土に見どころが点在している国。
のんびりと時間をかけて旅すれば、素朴で誇り高いこの国の魅力をより一層感じられることでしょう。
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