こんにちは!ジョージア滞在ももう半年。世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
東洋と西洋のさまざまな文化が入り混じった国・ジョージア。
首都であり最大の町であるトビリシは、ヨーロッパの風景にエキゾチックな町並みが溶け込んだ、観光客に大人気な場所です。
トビリシの定番観光スポットに関しては以前別の記事で特集したのですが、主要な見どころをまわるだけなら丸一日あれば十分。
それほどに、コンパクトなエリアに見どころがギュッと詰まっているのです。
のぶよ的に、トビリシの魅力は定番の観光スポットにあらず。
観光客向けに整備された町並みや有名どころをただ見てまわるだけでは、この町が持つディープな魅力を味わうことができないと思います。
そこで今回の記事では、トビリシに数日間滞在する予定の旅行者や長期滞在者におすすめしたい「トビリシのディープな魅力が味わえる穴場スポット&体験」を紹介していきます。
ナリカラ砦や旧市街のレトロ可愛い家々、ヨーロッパ調のお洒落な町並み…
そんなものはこの記事内にはありません(笑)
・この町で生活する人々のローカルな日常におじゃましたい!
・五感を使ってピュアなトビリシの魅力を味わいたい!
・有名どころは制覇したから穴場スポットを攻めたい!
そんなトビリシの魅力に溺れつつある人向けの記事となっています。
- 1.「ガチ旧市街」で、本物のトビリシの風景に出会う
- 2.山の上の教会からトビリシの秘密の絶景を眺める
- 3.ドライ・ブリッジでソ連の掘り出し物探し
- 4.中央市場でディープなカオス感と人情を味わう
- 5.リシ湖/トビリシ・シーでなんちゃってビーチ体験
- 6.野外民族博物館でジョージア地方部の伝統的な生活を学ぶ
- 7.クロニクル・オブ・ジョージアに圧倒される
- 8.カズベキビール工場でローカル的に飲む
- 9.手作り&出来立てのヒンカリをお持ち帰りする
- 10.ヒンカリ・ストリートアーティスト”LAMB”の作品を探す
- 11.旧ソ連の建造物&アートに萌える
- 12.ヴェラ地区でトビリシ伝統の中庭文化に魅了される
- 13.「スターリンの秘密の地下印刷所」で歴史の転換点を目撃する
- 14.異国の地で食べる日本の味に感動する
- 15.ムタツミンダ公園で「ジョージアの夢の国」を楽しむ
- まとめ:ディープなローカル感こそがトビリシ最大の魅力!
1.「ガチ旧市街」で、本物のトビリシの風景に出会う
「トビリシ旧市街」というと、19世紀のレトロな家々が美しい状態で保存された町並みをイメージするでしょう。
しかしながら、観光客が多く訪れる旧市街エリアの建物は、ほぼ全てリノベーションされたもの。
19世紀建造と言いながら、実はここ数十年の間に建て直されたりしたものがほとんどです。
トビリシ旧市街で観光客が足を踏み入れるのは、ナリカラ要塞がある丘の斜面に広がるカラ地区(Qala)。
カラフルなテラスを持つ家々はとても可愛らしいですが、なんとなく「お見せする用の町並み」という印象を受けるかもしれません。
リノベーションされた町並みも可愛らしくて良いのですが、どうせなら、19世紀から手つかずの町並みが残る「ガチ旧市街」エリアを散策してみましょう。
観光客に人気のカラ地区の目と鼻の先にあるガチ旧市街では、百年以上も変わらない風景をそこら中で見ることができるのです。
ガチ旧市街の家々の多くは、19世紀~20世紀初頭に作られたもの。
100年以上前の家々が、手入れされていない状態で残されているので、ご想像の通りボロボロです。
もはや人が住めるような状態ではない建物も多いですが、現役の住居として活躍しているものもあります。
中庭を持つ古い家も多く、はためく洗濯物や置かれた椅子などに生活感が感じられます。
トビリシの家の多くに設置されている中庭は、複数の建物に取り囲まれているのが普通。
中庭に面した家に住む人みんなの共用スペースとして愛される存在で、現在でもトビリシの市街地全体で見ることができます。
ジョージア伝統の木工細工が施されたバルコニーも、トビリシ全体で見られる典型的な様式の一つ。
リノベーションされた旧市街では、パステルカラーに塗られていることも多いですが、ガチ旧市街のバルコニーはそんなお洒落には無縁な雰囲気。
派手さはなくとも、精巧な装飾には息を呑みます。
今にも崩れ落ちそうな傾いた建物が連なるガチ旧市街は、トビリシの原風景そのもの。
やはり安全上の問題のためか、市の再開発プロジェクトの波が徐々に迫ってきており、古い町並みはどんどんリノベーションされてきています。
数年後にはガチ旧市街の風景は、もう見られなくなってしまっているかもしれません。
綺麗に整備された「古い町並み」ではなく、そこで生活する人々の息づかいが感じられるようなガチ旧市街。
時代の流れに飲み込まれてしまう前に、心ゆくまで散歩して記憶に残したい場所です。
のぶよが「ガチ旧市街」と呼ぶのは、トビリシ旧市街エリアの中でも、コテ・アフハジ通り(Kote Afkhazi St / კოტე აფხაზის ქუჩა)から路地を入ったところにある二つのエリア。
地下鉄のリバティー・スクエア駅や、おしゃれに整備されたカレ地区 やシオニ地区など「美しい町並み」と呼ばれるエリアに隣接しているにもかかわらず、素朴さあふれる雰囲気が残っているのは奇跡的だと思います。
2.山の上の教会からトビリシの秘密の絶景を眺める
トビリシ市内には、市内を見渡す展望台や絶景ポイントがいくつもあります。
代表的で最も有名なのがナリカラ砦で、ロープウェイでお手軽に登れることもあって多くの人々が訪れます。
ナリカラ砦からの絶景はもちろん感動ものですが、町のシンボルであり始まりの地である砦自体を見ることはできません。
せっかくなら1600年の歴史があるナリカラ砦も含めて、トビリシ旧市街&新市街を一望できる絶景ポイントへ訪れてみるのはいかがでしょうか。
その秘密の絶景ポイントが、ナリカラ砦のさらに南の丘の頂上にあるタボルの変容修道院(Tabor Monastery of the Transfiguration)。
のぶよ的にトビリシで一番の絶景が見られる場所です。
温泉街として有名なアバノトゥバニ地区からも見えるので、教会の存在自体は知られていると思います。
しかし、教会までの交通手段は徒歩のみであるため、ほとんど人が訪れることのない超穴場スポットとなっています。
結構坂を登ることになるので夏場は特にしんどいですが、頂上に建つ教会からはトビリシの町全体を眺めることができます。
ナリカラ砦と異なって、観光地化は全くされていません。
なんなら人っ子ひとりいないので、自分だけの絶景を独り占めすることができるのもポイント。
教会までの道はややわかりにくく、坂もきつめなのが難点ですが、登った後の感動は保証します。
タボルの変容修道院は、温泉街・アバノトゥバニ地区の南にある丘の頂上に位置しています。
アバノトゥバニ地区から南に延びる坂を登っていくと、途中で標識が出ている場所があるので、右に曲がりましょう。
民家の合間の舗装された坂を200mほどさらに登っていきます。
初めの標識で右折して5分ほど登ると、民家の庭先のような場所に到着します。
一見行き止まりのように見えますが、実はこの奥が階段になっており、そこを登ると山道になります。
山道に入ってからは目的の教会が見えるので、あとはひたすら道に沿って登っていくだけ。
アバノトゥバニ地区~頂上の教会まで、約1km/20分ほどの道のりです。
3.ドライ・ブリッジでソ連の掘り出し物探し
「トビリシの蚤の市」として密かに有名なのが、ドライブリッジ・マーケット(Dry Bridge Market / მშრალი ხიდი)です。
がらくた市といった雰囲気で、 毎日開催されているのも嬉しい点。
観光の合間にちょっと立ち寄ることも可能です。
「こんなの、一体誰が買うの?」と疑問に思うようながらくたで溢れかえっている、なかなかにカオスな雰囲気なのですが、まれに掘り出し物が見つかることも。
観光客に人気なのは、旧ソ連時代の雑貨やバッジ、ステッカーなど。
値段は書かれておらず言い値が基本なので、こちらが観光客とわかると少々ふっかけてくることもあります。
値切り交渉をしてみるのも楽しみの一つですね。
カンツィ(khantsi / ყანწი )という、ジョージア伝統の工芸品も売られていました。
カンツィとは、羊やヤギの角の内側をくりぬいて作られたグラスのこと。
ジョージアでは、このグラスにワインやチャチャという蒸留酒を注いで飲むのが伝統となっています。
見ての通り、真っすぐに立てておくことができないカンツィ。
一度飲み物を注いだらもう置くことはできないので、一気に飲み干すしかありません。
これが、ジョージア伝統の飲みの席。
飲めなくなるまでワインが注がれるという恐ろしすぎる文化なのです。
ドライブリッジ・マーケットの陳列方法は、とにかくめちゃくちゃ。
それぞれの売り手になわばりのようなものがあるのか分かりませんが、場所がない人は自分の車を陳列台にしていることもあるほどです。
ヒンカリ柄の靴下やTシャツなど、お土産にも普段使いにもぴったりな可愛い雑貨も売られています。
見てまわるだけでも楽しいので、気が付けば時間が過ぎてしまっているかも。
地元の人も多く訪れる、トビリシの蚤の市であるドライブリッジ・マーケット。
中心街からも比較的近い場所にあるので、ぜひ足をのばしてみることをおすすめします。
ドライブリッジは地下鉄1号線(レッドライン)のルスタヴェリ駅(Rustaveli)かリバティー・スクエア駅(Liberty Square)のちょうど中間に位置していて、どちらからも徒歩10~15分ほど。
再開発された美しい町並みが広がる「ニュー・トビリシ」と呼ばれるエリアにも徒歩5分ほどでアクセス可能なので、観光途中に立ち寄ってみるのもおすすめです!
4.中央市場でディープなカオス感と人情を味わう
のぶよ的にトビリシで最もディープな場所の一つだと思うのが、トビリシ中央市場です。
「ここで揃わないものはない」と言えるほどの品揃えの巨大なマーケットで、
・衣料品や日用品を売る屋内市場
・食料品を売るデゼルテル・バザール(Dezerter Bazaar / დეზერტირების ბაზარი)
の二つのエリアに大きく分けられます。
野菜・果物を始め、肉類、魚類、スパイスまで。
ジョージア料理に必要な食材が全て揃うデゼルテル・バザールの雰囲気は、とにかくカオスでローカルです。
初対面では不愛想な人が多いトビリシでは珍しく、気軽に話しかけてくる暇な人も多いのも中央市場の特徴。
なぜかビールや大量のナスをくれたり、自分たちの写真を撮るようせがまれたりと、謎な出会い&人情味に触れる機会がたくさん待っていることでしょう(笑)
そこはかとないアジア的なカオス感を味わいながら、トビリシのローカルの人々との触れ合いも楽しみたい素敵な場所です。
5.リシ湖/トビリシ・シーでなんちゃってビーチ体験
トビリシの夏は、連日35度以上の気温の日が続く灼熱。
あいにく黒海からは遠く離れているため、トビリシの人々は夏の暑さを少しでも紛らわそうと、近郊に点在する湖へと向かいます。
トビリシ中心街からバスで30分ほどでアクセスできる穴場の湖が、リシ湖(Lisi lake / ლისის ტბა)。
町の北西の丘陵地帯にある小さな湖で、トビリシ市内から出ることなく、自然に触れられることで人気です。
リシ湖にはビーチ(といっても小石ですが)があり、ここからの眺めはとても素晴らしいもの。
湖の奥には、ここがジョージア最大の大都市だとは信じられないほどに広大な自然の風景が広がっています。
湖沿いにはサイクリングコース&ハイキングコースも整備されており、手軽に自然を満喫できるのもポイント。
湖畔にはなんと温泉施設まであり、丸一日のんびりと滞在することもできますよ!
トビリシ中心街からリシ湖へのアクセスは路線バスのみ。
地下鉄1号線(レッドライン)のステーション・スクエア駅(Station Square)出口付近から、29番の路線バスが30分に1本ほど運航しています。
静かな雰囲気のリシ湖に比べて、若者が多めで賑やかな雰囲気のビーチならトビリシ・シー(Tbilisi sea)がおすすめ。
「シー(Sea)」と謳いながらも実際は人口の湖で、コバルトブルーの湖水がとても絵になります。
トビリシ・シーにはいくつかビーチがあって、どこも賑やかで楽しい雰囲気が特徴的。
湖畔にはアルコール類を提供するビーチバーもあるので、友達同士でワイワイ騒ぐならこちらの湖がおすすめです。
トビリシ・シーへのアクセスで最も便利なのは路線バス。
地下鉄1号線(レッドライン)のステーション・スクエア駅東側出口から、路線バス60番が20分に1本運行しています。
6.野外民族博物館でジョージア地方部の伝統的な生活を学ぶ
トビリシから出ることなく、ジョージア地方部のさまざまな伝統建築や文化に触れることができるのが、、トビリシ野外民族博物館(თბილისის ეთნოგრაფიული მუზეუმი ღია ცის ქვეშ)。
広大な敷地に十数軒の伝統家屋が点在しており、それらは全て実際に人が生活していた家を移築したもの。
内部には、各地方伝統の内装が施され、昔の生活を今に伝える道具が展示されているという生きた博物館なのです。
小さな国土のジョージアとはいえ、地域によって気候や文化は様々。
博物館内の伝統家屋も、木造のものから石造りのもの、半分地中に埋まった隠れ家のようなものなど様々な種類があり、小国の多様な伝統文化を感じることができます。
野外民族博物館からさらに山を登った頂上付近には、タートル・レイク (კუს ტბა) という小さな湖もあり、休日には家族連れで賑わう場所となっています。
タートルレイクと野外民族博物館をセットでまわるハイキングコースもあるので、半日~1日かけてのんびりとまわるのもおすすめですよ!
野外民族博物館入口へ直接アクセスできる交通手段はなく、最寄りのバス停から徒歩で20分ほど坂道を登る必要があります。
地下鉄1号線のルスタヴェリ駅(Rustaveli)北側の停留所から、15分に1本運行している路線バス59番に乗って山の麓のバス停で降りるのが最も早い方法です。
7.クロニクル・オブ・ジョージアに圧倒される
トビリシ郊外にあるトビリシシーを見下ろす小高い丘の上に建つのが、クロニクル・オブ・ジョージア。
一見すると旧ソ連アート丸出しな謎の巨大建造物ですが、実際はジョージアの歴史や伝説を描いた壁画で彩られているれっきとした文化的なスポットです。
16本ある柱の高さは36mもあり、主にキリスト教社会を反映したジョージアの歴史を象徴するレリーフが描かれています。
先述の人造湖・トビリシシーと目と鼻の先にあるので、観光後にビーチでのんびりと過ごす半日デイトリップも可能ですよ。
8.カズベキビール工場でローカル的に飲む
ジョージアが誇る国産ビール銘柄のひとつである「カズベキ」。
その醸造所兼直売所がトビリシ中心街近くにあり、激安価格でフレッシュな生ビールが味わえると言うことで、地元の人に大人気のスポットとなっています。
ジョージア語でルディ・カズベキ(Ludi Kazbegi / ლუდი ყაზბეგი)と呼ばれるこのビール工場では、お持ち帰り用の生ビールを購入することも可能ですし、2階のテラスにあるビアガーデンで入れたての生ビールを味わっていくことも可能です。
完全なるローカルな雰囲気の中で味わうビールは、キンキンに冷えていて最高の極み。
テラスで飲んでも1杯2GEL(=¥70)とかなりリーズナブルです。
川沿いに位置しているため、夏場でも涼しい風が吹いており、大満足の午後~夕方の時間を過ごせること間違いなしのカズベキ・ビアガーデン。
一人でも気兼ねなく利用できますが、できれば数人でワイワイ楽しむのがおすすめです。
カズベキ・ビール工場への最寄りは、地下鉄1号線(レッドライン)のマルジャニシュヴィリ駅(Marjanishvili)。
クラ川沿いの幹線道路を歩いていくと、巨大な緑の看板がある建物が見えるのですぐにわかると思います。
9.手作り&出来立てのヒンカリをお持ち帰りする
ジョージアを訪れた人でヒンカリを食べずに帰る人はいないのではないでしょうか。
ヒンカリとは、モンゴル帝国支配時代にジョージアに持ち込まれた小籠包のような料理で、蒸すのではなくお湯の中で直接茹でて調理されるのが特徴。
可愛らしい肉まんのような形の生地の中にひき肉とスープが入っています。
レストランでも食べられるヒンカリですが、場所によってクオリティーはさまざま。
特に、冷凍されたヒンカリを茹でたものは、中のひき肉が固まってしまうため、あまりジューシーさが感じられません。
保存料などが使われないため、日持ちしないヒンカリ。
一般の商店ではほぼ冷凍したものが売られていますが、中には出来立てのヒンカリを生の状態で販売している専門店もあります。
地下鉄のマルジャニシュヴィリ駅近くにあるこちらのお店(店名が読めません)は、ヒンカリやペリメニ(水餃子)やブリヌイ(肉入りクレープ)など、小麦粉の生地を使ったジョージア料理をお持ち帰り用に販売している店です。
ガラス張りの窓を通して、せっせとヒンカリを造っているお姉さま方の姿が目に入ります。
その手際はかなり良く、さすがプロといったところ。
店内奥には、お姉さま方が作ったヒンカリやペリメニなど数種類の料理が並んでいて、いずれも冷凍ではなく冷蔵されている「生」の状態。
どれもバラ売りで購入することが可能です。
ヒンカリは1つ0.8GEL(=¥27)。
冷凍で売られているものよりもやや高めですが、自宅で包みたてのヒンカリが味わえるなら安いものではないでしょうか。
家に帰ってさっそく茹でてみると、冷凍ヒンカリとの違いは歴然。
具のひき肉はホロホロとした状態で、スープもたっぷりと入っています。
冷凍ものだと生地がずっしり重たくなっていることが多いのですが、生ヒンカリの生地はツルツルでまるでうどんのような食感でした。
自宅で簡単に調理できる(茹でるだけ)本格的な絶品ヒンカリを購入できる、おすすめの生ヒンカリのお店。
ヒンカリを包んでいる工程も見ることができるので、トビリシ滞在中に一度は足を運んでみてはいかがでしょうか。
のぶよおすすめの生ヒンカリのお店は、GoogleMapにも表示されないような場所。
地下鉄1号線のマルジャニシュヴィリ駅(Marjanishvili)からファブリカ方面へ続く通りを東に進んでいくと、右手にあります。
(下の地図ではSparとなっていますが、だいたいその辺の場所という目印にどうぞ)
10.ヒンカリ・ストリートアーティスト”LAMB”の作品を探す
トビリシの街を歩いていると、そこら中に落書き(という名のストリートアート)が描かれていることに気が付くでしょう。
若者を中心に豊かなストリートアート文化が根付くトビリシでは、数多くの有名アーティストが腕を競い合っているのです。
中でもかなりの知名度&絶対的な支持を誇るのが、LAMBという一人のアーティストです。
英語で「羊」という意味を持つLAMBが作品のモチーフにするのは、羊やヒンカリなど、ジョージアを象徴するキャラクターたち。
のぶよは勝手に「ヒンカリアーティスト」と呼んでいます(笑)
LAMBはジョージア北東部のトゥシェティ地方(Tusheti)という超・ド田舎の出身。
未だに4WDでしかアクセスができず、10月~5月はヘリコプターでしか行けないという秘境中の秘境です。
そんな場所からトビリシにやってきて、ジョージアらしいモチーフの作品を多く描いているLAMB。
彼の作品は、トビリシ市内の地下道や住宅街はもちろん、ファブリカ(Fabrika)という旧ソ連時代の紡績工場をリノベーションした複合施設内など、色々な場所で見ることができます。
ストリートアートという性質上、今ある作品の上に別の作品が描かれてしまうことも多く、LAMBの作品がどこで見られるか詳細な場所を解説することは難しいのが現状。
しかしながら、トビリシ中心街を普通に歩いているだけで、彼の作品を2~3個は簡単に見つけることができました。
日々新しい作品が消されては生まれているので、同じ作品に同じ場所で出会えるかどうかは運しだい。
トビリシ散策の際には、ぜひ何てことない建物の壁や地下道の入口など、周りにも目を向けながらヒンカリ&羊アートを探してみてはいかがでしょうか。
11.旧ソ連の建造物&アートに萌える
「トビリシ=ヨーロッパとアジアが混ざったようなレトロで可愛らしい町並み」と考えている人がいるとしたら、その方はどうしようもないほどに洗脳されています。
なぜなら、トビリシの町並みの95%は、70年間続いたソ連統治時代の無機質な町並みであるため。
ただ散歩しているだけで旧ソ連の雰囲気が強く感じられるトビリシですが、町中に点在する旧ソ連時代の建造物やアートを見てまわるのもおすすめです。
放置されたままで完全に廃墟と化したものから、何を表しているか理解不能な旧ソ連あるあるのアート作品まで。
マニアにはたまらないノスタルジー漂う遺産の数々も、この町がたどってきた歴史の一部を象徴するものです。
今にも崩れそうなほどに傾いた共同住宅や、メンテナンスされないままに朽ちていくのを待つだけのコンクリートの建造物など、「トビリシならでは」な光景がいたるところで見られる旧ソ連さんぽ。
「普通のキラキラした観光にはもう飽きた!」という人にこそおすすめしたいのはもちろんのこと。
これこそがトビリシ観光の真髄と言えるかもしれません。
12.ヴェラ地区でトビリシ伝統の中庭文化に魅了される
トビリシ中心街の北端に位置するヴェラ(ヴェレ)地区(Vere / ვერე)は、19世紀~20世紀にかけて開発された町並みが広がる居住エリア。
煉瓦造りのお洒落な建物と旧ソ連風のコンクリートの建物が入り混じった独特の雰囲気です。
一見すると、ただの富裕層の住宅街のように見えるヴェラ地区ですが、このエリアの真の魅力は表通りから通路を入ったところにある中庭にあります。
旧ソ連的な四角い集合住宅に設けられた通路を抜けた先には、トビリシの伝統的な木造の家が残っており、現在でも地元の人々が生活する場となっています。
この記事の初めに紹介した「ガチ旧市街」でも見られる中庭ですが、ヴェラ地区の方がちゃんと手入れされている印象。
しかしながら、中庭で見られるローカルの人々の生活感は健在です。
表通りを歩いているだけでは、まさか中庭スペースにもこんな空間があるなんて信じられないほど。
周囲を建物に囲まれているため日陰が多い中庭スペースは、現在でも住民同士の交流の場として機能しています。
ヴェラ地区の建物に設けられた通路を見つけたら、ためらわずに入ってみるのがおすすめです。
住人の生活スペースの一部でありながら、公共スペースという性格も兼ね備えている中庭はへの入場・見学は完全に自由です。(入口の通路の門が開いている限り)
しかしながら、住人に会ったら挨拶をする&節度を守って見学することを意識しておくことは忘れてはいけません。
中庭以外にも、可愛らしいデザインの扉やロシア帝国時代の重厚な門などのトビリシの美意識が感じられる場所も多くあるのもヴェラ地区の魅力。
1時間ほどあればのんびりとまわれるほどの小さなエリアなので、ゆっくりと散策してみてはいかがでしょうか。
ヴェラ地区は、地下鉄1号線(レッドライン)のルスタヴェリ駅(Rustaveli)の北側に広がるエリアで、駅から徒歩10分ほどでアクセスできます。
路線バスも多く走っているので、あまり歩きたくない場合はこちらもおすすめです。
13.「スターリンの秘密の地下印刷所」で歴史の転換点を目撃する
ジョージアがつい30年ほど前まで属していたソビエト社会主義連邦共和国(ソ連)を代表する人物として有名なのが、ヨセフ・スターリンでしょう。
反体制的な活動家や、芸術家、政敵などを次々に処刑した「大粛清」を行ったスターリンは、ソ連の恐怖の時代を率いた人物として悪名高いですが、実は彼はジョージアのゴリ(Gori)という町出身。
ゴリにはスターリンの生涯に焦点を当てた博物館がありますが、トビリシにも彼の足跡をたどることができる場所があります。
それが、一見普通の民家のように見える秘密の地下印刷所。
現在は博物館となっていて見学することができます。
時は1903年。
当時は帝政ロシアの一部であったジョージアですが、帝政に代わる社会主義国家を建設しようとする共産党員の違法な活動が秘密裏に行われていました。
共産党のプロパガンダをジョージアに広めるべくトビリシにやってきた共産党員のスターリンは、 民家の地下に秘密の印刷所を造り、社会主義思想を広める新聞やパンフレットをこっそりと印刷して住民にばらまいていたのです。
(帝政ロシア時代は、こうした国家転覆を狙う行為は違法でした)
スターリンの秘密の活動が功を奏したのかは分かりませんが、結局1917年のロシア革命によって社会主義のソビエト連邦が誕生し、その後大きく歴史が動いたのはご存じの通り。
一見普通の民家にしか見えないような小さな敷地に設置されたスターリンの秘密の地下印刷所は、後に70年あまり続いた社会主義時代の始まりとなった場所の一つ。
ジョージアという国の運命が大きく変わった場所と言えるかもしれません。
スターリンの秘密の地下印刷所があるのは、トビリシ中心街対岸にあるアヴラバリ地区(Avlabari)。
最寄りの駅は、地下鉄1号線の300 Aragveli駅(300 არაგველი)。
駅からは徒歩10分ほどです。
14.異国の地で食べる日本の味に感動する
短期のトビリシ滞在では、できるだけジョージア料理に挑戦したいもの。
一方で、トビリシ滞在が長期間になってくると、食べなれた日本の味が恋しくなってくるものです。
トビリシには寿司などを提供するレストランも多くありますが、何より嬉しいのが日本のラーメンを手頃な価格で提供しているお店が数軒あること。
日本で食べるのと同じくらいか割安な値段で、しっかりとダシが効いた本格的なラーメンを食べることができるのです。
数軒のラーメン屋を訪問したのぶよですが、どれも海外によくある「なんちゃってラーメン」ではなく、見た目も味もかなりクオリティーが高いもので大満足でした。
長期滞在している日本人にはもちろん、流行に敏感なトビリシの若者の間でも、徐々にポピュラーになってきている日本の料理。
異国の地で味わう日本のラーメンというのも、面白い経験になるのではないでしょうか。
トビリシで食べられる日本の味はラーメンだけではありません。
日本人が経営している「屋台のストリートフード」を格安で提供しているカフェもあります。
お好み焼きや焼きそば、豚丼にたい焼きなど、日本人の心をギュッとつかむ飾らないメニューで、とにかく絶品です。
屋台風のスタンドの中で、鉄板を使って焼いてくれるパフォーマンスも面白く、トビリシの地元の人にも話題になること間違いなしなこちらのお店。
ジョージア料理を提供するローカルレストランよりも安い価格で、本物の日本の味が食べられるなんて…。
ジョージア料理に飽きてしまったらぜひ訪れてほしい、超おすすめのお店です。
15.ムタツミンダ公園で「ジョージアの夢の国」を楽しむ
トビリシ市内のどこからでも見える、ムタツミンダ山の頂上にそびえたつ観覧車とテレビ塔。
これらの施設があるムタツミンダ公園(მთაწმინდის პარკი)は、トビリシっ子に大人気のアミューズメントパークです。
アトラクションの利用こそ有料ですが、園内への入場は完全無料。
お金を使わずとも、「ジョージアの夢の国」の可愛らしい雰囲気やトビリシ市内の絶景を望むことができるのです。
ムタツミンダ公園のアトラクションや町並みは、トビリシの伝統的な家々を模したオリジナリティーあふれるものから、某・本物の「夢の国」を明らかにパクったものまで様々。
楽しい雰囲気がただよっている園内ではしゃぎまわる地元の子供たちの目は、どこまでもキラキラと輝いています。
園内にはピクニックエリアやデッキチェアでくつろげる絶景ポイントも整備されているので、遊園地目当ての人でもそうでない人も、色々な楽しみ方ができる場所です。
トビリシ中心街~ムタツミンダ公園のアクセスは3通り。
・フニキュレール(ケーブルカー)
・路線バス90番
・徒歩
フニキュレールは雰囲気があってユニークな体験ができるので良いですが、乗り場が中心街から1kmほど離れていてやや不便なのがネック。
のぶよ的には行きは路線バス、帰りは徒歩で下るのがおすすめです。
まとめ:ディープなローカル感こそがトビリシ最大の魅力!
トビリシの穴場の見どころから、ローカル体験まで。
滞在が楽しくなること間違いなしのトピックを15個紹介しました。
エキゾチックな美しい町並みや、ジョージア最大の町らしい都市での快適な生活ばかりが取りざたされますが、トビリシという町の一番の魅力はローカル感が多く残っているところにあるのかもしれません。
まだまだ隠れた魅力がたくさんあるに違いないトビリシ。
当ブログでは、新しいスポットや体験を見つけ次第発信していきます!
有名どころや温泉体験など定番の観光情報は別記事にまとめているので、そちらもあわせて参考にしてください。
トビリシの宿泊におすすめのエリアは、リバティー・スクエア周辺の中心街。
観光の中心となる旧市街やナリカラ要塞などは徒歩圏内で、ショッピングや食事にも抜群のロケーションです。
地下鉄赤線が通っているので、移動や近郊へ足をのばすときでもとても便利です。
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