こんにちは!ジョージア滞在も4年目!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアの首都といえば、人口100万人以上を有する大都市・トビリシ。
歴史を感じる建造物の数々やエキゾチックな雰囲気の路地、数々のグルメスポットに活気あふれる市場の雰囲気…
ヨーロッパでもアジアでもない独特の風情とエネルギーに満ちたこの町は、多くの旅行者に愛され、ジョージア旅行の拠点とされます。
初めてトビリシを訪れるなら、まずは「定番」とされる見どころは制覇したいもの。
絶対に見逃せないスポットやトビリシならではの体験に関しては、別記事にまとめています。▼
今回の記事は、「定番なんてもうとっくに制覇した!」というトビリシ中級者や、「もうトビリシで知らないことなどない!」と思っているトビリシ上級者向けのもの。
旅行者はもとより、長期滞在者にもその存在がほとんど知られていないトビリシの穴場スポットを一挙解説するものです。
トビリシの定番観光地だけではなく、多くの旅行者が見過ごしてしまうマイナーなスポットがたくさん。
時間があれば訪れたいミュージアムや、街の至る所に点在するソ連スポット、トビリシのローカル食文化が感じられるグルメスポットまで…みんなでトビリシ通を目指そう!といった内容になっています。
のぶよがトビリシで過ごした計2年半ほどの期間で実際に訪れた場所や体験の数々を集めてみたら、合計で60個の大ボリュームになりました。(やばすぎる…)
各スポットの特徴やエリア別に以下の8項目に分類しているので、気になるところからチェックを!▼
すでに旅行者や観光客に大人気のトビリシですが、知れば知るほどに奥深い魅力が眠っているもの。
この町の底なしの魅力をさらにディープに堪能する手がかりになれば嬉しいです!
- トビリシ穴場スポットMap
- トビリシ旧市街の穴場スポット
- トビリシ中心街の穴場スポット
- トビリシの新スポット
- トビリシのソ連スポット
- トビリシの自然スポット
- トビリシの文化スポット
- トビリシの穴場散策エリア
- トビリシの穴場ローカルグルメ体験
- 伝統のローカル居酒屋文化に酔う!【ドゥカニ】
- ジョージアのBBQ文化にひたる!【ムツヴァディ街道】
- ジョージア流ビアガーデン!【ルディ・カズベキ】
- これぞジョージアならではの体験!【中央市場の立ち飲み屋】
- 伝統の窯焼きパン作りを見学!【トネ】
- ソ連時代の大衆食堂でタイムスリップグルメ体験!【Sasadilo Coca-Cola】
- トビリシの多民族な一面に触れる!【ロシア&ウクライナ料理の食堂】
- トビリシにいながらアジア気分!【フアリン地区のリトル中華街】
- 名物ワインが量り売りで買える!【ワインギャラリー】
- ジョージアの飲み文化を支える存在!【生ビール屋】
- 手軽にジョージアの味を再現!【手作りヒンカリをお持ち帰り】
- 昔ながらの雰囲気でローカルグルメに感動!【ローカル食堂めぐり】
- おわりに
トビリシ穴場スポットMap
黄色:Newスポット
灰色:ソ連スポット
緑:自然スポット
オレンジ:カルチャースポット
紫:穴場散策エリア
赤:グルメ&食文化体験スポット
トビリシ旧市街の穴場スポット
トビリシ旧市街は、この町を訪れる旅行者が100%足を運ぶであろう、トビリシ観光における超・超・超定番エリアの一つ。
町のシンボルであるナリカラ要塞に、カラフルな木製テラスを備えたカラ地区、エキゾチックな温泉街アバノトゥバニ地区や、人々の信仰心を集めるシオニ聖堂…と、トビリシを代表する見どころが小さなエリアにぎゅっと詰まっています。
ただ定番の見どころを順番に周るだけでも楽しいトビリシ旧市街ですが、意外と見過ごされがちな場所もいくつかあるのが奥深いところ。
ここでは、旧市街観光の合間にぜひ訪れてみたい至極の穴場スポットを紹介します!
千夜一夜物語の世界が目の前に!【モエダニ・バザール】
トビリシ旧市街のど真ん中に位置するモエダニ広場は、ナリカラ要塞と斜面に連なる可愛らしい家々が一望できるポイントとしても有名な、旧市街観光の拠点となる場所。
多くの旅行者が行き交う広場の風景とは裏腹に、その地下にも空間が広がっていることは、意外と見過ごされがちな気がします。
広場の地下にあるのは、モエダニ・バザールと呼ばれるお土産ストリート。【マップ 青①】
モエダニ広場に面した入口が二か所あるのですが、いずれもやや分かりにくい場所にあるためか、知らずに通り過ぎてしまう旅行者も少なくないそうです。
トビリシ旧市街が町の中心として機能していたのは、18世紀末まで(約250年前)。
当時のモエダニ広場は町の中心であり、広大なバザール=市場があったのですが、1795年のペルシア帝国によるトビリシ陥落によって旧市街は火の海に呑まれ、ほぼ全ての建物が焼失してしまいました。
その後19世紀初頭(200年前)にトビリシがロシア帝国の支配下に入ると、都市機能を現在のルスタヴェリ通りやリバティー・スクエアに移しての大規模開発が行われ、モエダニ広場と旧市街は町の中心としての役割を終えたのです。
そんなモエダニ広場の地下に広がる空間は、かつてこの場所が町の中心だった時代のバザールの雰囲気を再現したもの。
内部はそこはかとなくエキゾチックでどこか妖艶で、千夜一夜物語の世界観が広がっています。
モエダニ・バザールはそれほど大きな規模ではなく、地下に敷かれた通路を端から端まで歩いても5分もかからないほど。
しかし通路には雑貨や食器類、名物食材を売るお店がひしめき合っており、見ているだけでも楽しいです。
バザール内で売られている商品は、一部ハンドメイドのクラフトを除いて、ほとんどはここ以外でも購入できるものばかり。
旧市街ど真ん中ということもあり価格帯はかなり強気なので、ここでは見るだけにとどめておくのが良いでしょう。
本当のトビリシの美しさを見つけにいく!【ガチ旧市街】
トビリシ観光の定番とされる「トビリシ旧市街」の風景は、実はここ十年の間にリノベーションされたもの。
まるでおもちゃの町のような可愛らしさのカラフルな家々が並ぶ風景は、言わば「観光客にお見せするための旧市街」なのです。
それもそれでトビリシの魅力ではあるのですが、のぶよのように「その街で暮らす人の息づかいが感じられる町並み」が好みの人にとっては、どうしても作り物感というかハリボテ感のようなものを感じてしまいがち。
しかしながら、そんな「お見せする用旧市街」の目と鼻の先に、昔ながらの風情を残したガチ旧市街が存在している点が、トビリシの素晴らしさだと思います。【マップ 青②】
ガチ旧市街は、旧市街全体のメインストリートであるコテ・アブハジ通り(Kote Afkhazi St.)を挟んで南北にそれぞれ広がっています。
コテ・アブハジ通りの南側はここ数年で再開発の波が到達しつつあり、グディアシュヴィリ広場周辺など一部はすでに「お見せする用旧市街」へと変貌してしまいました。
いっぽうコテ・アブハジ通りの北側一帯は、全体的に百年以上前の町並みがそのままに残されています。
「トビリシの建物は傾き、通りはうねり、埃っぽさに満ちている。しかしそれこそがトビリシの美しさだ」とは、この町が生んだ映画監督・パラジャーノフの言葉ですが、まさにその通り。
今にも倒壊しそうなほどに傾いた建物や、長年の風雨を受けてどろどろになった木製テラス、頭上では洗濯物がはためくガチ旧市街のこうした光景こそが、トビリシが持つ美しさに違いありません。
ガチ旧市街の北側エリアを散策する際に見逃せないのが、廃アルメニア教会。▼
もともとトビリシ旧市街にはアルメニア人住民が多く暮らしていた歴史があり、かつて祈りの場として機能していたのがこの教会。
ジョージア正教の教会と比べると造りが異なっているのが一目瞭然で、外壁に施された緻密な彫刻やアルメニア文字に異国の文化を感じることができます。
綺麗に整備しつくされた旧市街の町並みと比べると、ガチ旧市街の町並みはとにかくぼろぼろで垢抜けていません。
しかしながら、お見せする用ではない本物の古き良きトビリシ旧市街の情緒は、このエリアだからこそ感じられるものです。
ガチ旧市街は、コテ・アブハジ通りの南側と北側それぞれをのんびりと歩いてまわっても1時間もあれば満足できるほど
旧市街の定番スポット観光と組み合わせて、気の向くままに歩いてみてください!
見過ごされがちなトビリシ最古の教会!【アンティスハティ教会】
トビリシ旧市街を散策する旅行者の多くが通る、旧市街北東部のエレクレ2世通り。
美しく整備された歩行者専用のストリートにレストランやカフェが並び、ピース・ブリッジやシオニ聖堂などの定番の見どころもあるので、常に多くの観光客の姿が見られます。
そんなエレクレ2世通りの最北端の一角にあるアンティスハティ教会(Anchiskhati Basilica / ანჩისხატის ტაძარი)は、意外と見落とされがちな見どころ。【マップ 青③】
すぐ北側にレゾあるレゾ・ガブリアジェ人形劇場の有名な時計台があるため、そちらにばかり注目が集まってしまうためでしょうか…
アンティスハティ教会は、現存する中ではトビリシ最古の教会。
建造は6世紀(1500年前)のことで、二等辺三角形の形をした建物にジョージアの初期キリスト教建築の特徴が感じられます。
教会内部の写真撮影は禁止されているのですが、内壁にびっしりと描かれたフレスコ画はとにかく圧巻。
小さな空間に漂う神聖な空気が肌で感じられます。
現役の祈りの場として機能しているアンティスハティ教会ですが、最も神聖さが感じられるのは日曜の朝。
礼拝に訪れる住民たちが伝統のポリフォニー(混声合唱)を捧げることで知られ、世界で二番目のキリスト教国ならではの伝統を体験することができます。
芸術的な崩れ方の聖地【メテヒ地区の廃アルメニア聖堂】
トビリシ旧市街からメテヒ橋を渡った先のメテヒ地区は、市内最大規模のサメバ聖堂や開放的な雰囲気のリケ公園など、観光客に人気の見どころが点在するエリア。
多くの旅行者がトビリシ観光の際に訪れるメテヒ地区ですが、ここにも知られざる見どころがあります。
それが、昔ながらの住宅街のど真ん中に堂々とたたずむ廃アルメニア聖堂。【マップ 青④】
18世紀末(200年前)の建造と歴史はそこまで深くはなく、現在は聖地としての機能を失っているものの、この聖堂の最大の特徴はその芸術的な崩れ方にあります。
実はここメテヒ地区は、トビリシの中でも歴史的にアルメニア人住民が多数派のエリア。
かつてこの聖堂は地区内の住民たちの祈りの場として機能していました。
しかしながら、ソ連時代末期にあたる1989年に爆破されてしまい、その後は半壊したまま放置されることに。
爆破の原因や実行犯は現在でも分かっていません。
聖堂への立ち入りは自由ですが、足場がかなり悪いのと崩落の危険がある箇所もあるので、自己責任で。
アルメニア文字が刻まれた外壁を抜けた先には、優雅な曲線を描いた窓枠やかつての祭壇部分が、ぽっかりと空いた天井の上に広がる青空とのコントラストを見せてくれます。
トビリシで一番の隠れ絶景ポイント!【タボルの変容教会】
トビリシ旧市街を散策していると、定番スポットであるナリカラ要塞のさらに南の山頂にぽつりと教会が立っていることに気が付くはず。
これがタボルの変容教会(Tabor Transfiguration Church)。【マップ 青⑤】
2012年に完成したばかりの建物には歴史的価値はほとんどありませんが、この教会最大の魅力はその眺望にあります。
温泉街アバノトゥバニ地区のエキゾチックな町並みと、トビリシのシンボルであるナリカラ要塞、町を二分するムトゥクヴァリ川の流れと、中心街の整然とした街並み…とにかくトビリシのすべてを一望することができるのです。(ナリカラ要塞と旧市街を同時に眺められるのは、トビリシでもここだけ!)
タボルの変容教会がある山の上までは、温泉街アバノトゥバニ地区から徒歩コースが敷かれています。
簡単な道のりではあるものの、一部山道となる区間もあるので、徒歩で訪れる場合は履きなれた靴で挑みましょう。
おすすめの時間帯は夕方~日没にかけての時間。
ぽつりぽつりと明かりが灯っていく旧市街の情景は、千夜一夜物語の世界を具現化したかのようなエキゾチックさと非現実的な美しさに満ちています。
トビリシ中心街の穴場スポット
トビリシ旧市街の少し北側、ルスタヴェリ通りを中心に広がるのがトビリシ中心街。
地下鉄リバティー・スクエア駅とルスタヴェリ駅という二つの地下鉄駅を有し、国会議事堂や政府機関の建物が点在する「ジョージア政治の中心」たるエリアです。
トビリシ中心街には、国立博物館やピロスマニの作品が展示された国立ギャラリーなど、ミュージアム系が充実しているのが特徴的。
滞在中に必ず一度は足を運ぶこととなるエリアです。
そんな中心街エリアにも、隠れた穴場スポットはたくさん。
どれも各地下鉄駅から徒歩でアクセスすることができるので、中心街散策に組み合わせて訪れてみましょう。
ひっそりと佇む聖地【青の修道院】
地下鉄ルスタヴェリ駅から大通りを北方向に歩くこと、徒歩5分ほど。
重厚な古い建物が建ち並ぶ閑静な住宅街といった雰囲気のヴェラ地区に至ります。
地元住民のお気に入りスポットであるヴェラ公園を有するエリアで、特に土日は多くの人で賑わいますが、公園のすぐ南側にある青の修道院は意外と見落とされがちなスポットです。【マップ 青⑥】
屋根が青いことからこの名前がついたそうで、トビリシの隠れた名所と言った雰囲気。
12世紀建造の歴史ある建物ですが、内部は近年改装されたようで新しいです。
内部のフレスコ画も青が基調となっていて、「青の修道院」の名にふさわしい雰囲気。
中心街から少し外れた場所にあるためか、他に人影はなし。
静かでピリッとした、聖地らしい神聖な空気が感じられます。
トビリシ伝統の中庭文化に触れる!【イタリアン・コートヤード】
トビリシの街を歩いていると、古めかしい瀟洒な雰囲気の建物が並ぶ表通りから、建物の裏側へと続く通路が設置されていることに気が付くはず。
通路を抜けた先には、「イタリアン・コートヤード」と呼ばれる中庭が広がっているのが一般的です。
トビリシのイタリアン・コートヤードは、中庭を取り囲む建物に住む家族の憩いの場として機能している空間。
建物にはひと家族ではなく、複数の家族が住んでいるのが普通で、各中庭が「共用スペース」のような役割を担っているのです。
トビリシの中庭文化が形成されたのは、ソ連時代のこと。
当時は一棟の建物の各部屋をそれぞれ別の家族に割り振って住ませるという政策が敷かれたため、「一つの建物の中に複数の家族が暮らす」という一見すると不思議な生活スタイルが根付いたのです。
住民たちは自分たち家族の部屋こそあれど、キッチンなどの水回りやトイレなどは共用で使用するのが普通でした。
そんな環境の中で、各部屋が面した中庭が住民同士のコミュニケーションの場として機能しはじめたというわけです。
現在でこそ、都市の再開発やインフラの向上によって、このトビリシ独自の生活スタイルは減少しつつあるものの、ヴェラ地区ではいまだにイタリアン・コートヤードが現役で機能する建物も少なくありません。【マップ 青⑦】
表通りから隔てられた中庭は、まるで独自の世界のよう。
他所者であっても自由に立ち入ることができますが、住民への挨拶や配慮はお忘れなく。
また、ヴェラ地区には味わいのある扉が備わった建物が多いのも印象的。
イタリアン・コートヤード散策のついでに、美しい扉を探して写真に収めるのもおすすめです!
アート地区散策の気分を盛り上げる!【タイルアートの階段】
ルスタヴェリ通りからトビリシ国立芸術大学へと続く小さな路地には、タイルアートがびっしりと敷き詰められた階段があります。【マップ 青⑧】
約30mほど続く階段の各段に、一枚一枚手作業で描かれたタイルがずらりと並ぶ光景は圧巻のひとこと。
タイルアートの階段を登り切った先、国立芸術大学があるアレクサンドル・グリボエドフ通り(Alexandre Griboedov St.)には、芸術大学の学生が描いたストリートアートやいくつかのオブジェが設置されており、こちらも要チェック。
アレクサンドル・グリボエドフ通りは、規模はかなり小さいものの、トビリシきってのアーティスティックな雰囲気漂うエリアとなっています。
トビリシ名物の蚤の市でお宝さがし!【ドライブリッジ】
観光の定番スポット!とまではいかないものの、本記事内で紹介している見どころの中では最も観光客にポピュラーかもしれないのが、ドライブリッジ・マーケット(Dry Bridge Market / მშრალი ხიდი)。【マップ 青⑨】
トビリシ中心街からマルジャニシュヴィリ地区方面へと続く橋の上で開かれる蚤の市です。
路上にありとあらゆる雑貨屋骨董品や謎のアイテムが所狭しと並ぶ雰囲気は、まさにがらくた市といった感じ。
毎日開催されているのも旅行者的には嬉しい点で、立地も良いので、中心街や旧市街観光の合間にちょっと立ち寄ることも可能です。
「こんなの、いったい誰が買うの…?」と疑問に思うようながらくたで溢れかえっているドライブリッジ・マーケット。
なかなかにカオスな雰囲気なのですが、まれに掘り出し物が見つかることもあります。
特に観光客に人気なのは、ソ連時代の雑貨やバッジ、ステッカーなど。
値段は書かれておらず言い値が基本なので、こちらが観光客とわかると少々ふっかけてくることも…値切り交渉をしてみるのも、蚤の市らしい楽しみの一つです。
がらくたそのものな品々とは別に、ジョージア伝統の工芸品もいくつか。
上の写真の「カンツィ」(khantsi / ყანწი)は、とてもジョージアらしいアイテムです。
カンツィとは、羊やヤギの角の内側をくりぬいて作られたグラスのこと。
ジョージアでは、このグラスにワインやチャチャという蒸留酒を注いで飲むのが伝統となっています。
見ての通り、真っすぐに立てておくことができないカンツィ。
一度飲み物を注いだらもう置くことはできないので、一気に飲み干すしかありません。
これが、ジョージア伝統の飲みの席。
飲めなくなるまでワインが注がれるという恐ろしすぎる文化なのです。
ドライブリッジ・マーケットの陳列方法は、とにかくめちゃくちゃ。
それぞれの売り手に縄張りのようなものがあるのか、場所がない人は自分の車を陳列台にしていることもあるほどです。
ヒンカリ柄の靴下やTシャツなど、お土産にも普段使いにもぴったりな可愛い雑貨も売られています。
見てまわるだけでも楽しいので、気が付けば時間が過ぎてしまっているかも。
観光客だけでなく、地元の人も比較的多く訪れるドライブリッジ・マーケット。
中心街からも比較的近く、後で紹介するサムゴリのがらくた市に比べるとかなりマイルドな雰囲気なので、トビリシ初心者でも問題なく散策することができます。
トビリシっ子お気に入りの絶景遊園地!【ムタツミンダ公園】
トビリシ中心街の西側にそびえ立つムタツミンダ山。
山頂に立つ赤いテレビ塔が目印で、トビリシ市内のどこからでも見えます。
ムタツミンダ山の山頂部分はムタツミンダ公園(Mtatsminda park)という遊園地になっており、老若男女問わずトビリシの人々に人気のスポット。【マップ 青⑩】
日本の遊園地とは異なり、ムタツミンダ公園の入場自体は無料なのが嬉しい点です。
遊園地のアトラクション自体は、どこにでもありそうな定番ばかり。
遊園地としての規模なら日本の方が圧倒的に強いですが、ムタツミンダ公園のウリはその独自のロケーション。
高い場所からトビリシ市内を一望することができ、晴れた日であれば遠くカズベギ山まで見渡すことができるのです。
中心街から距離的にはすぐそばに位置しているムタツミンダ公園ですが、山のてっぺんというわけで徒歩で登るのはなかなか大変。
中心街からはケーブルカーか路線バスで簡単にアクセスできるので、どこかでランチをテイクアウトして絶景ピクニックもできちゃいます!
トビリシの新スポット
人口百万人を超えるトビリシは、とても変化の激しい町。
昔ながらの食堂がいつの間にかお洒落なカフェになっていたり、数年前には空き地だった場所に新しい建物が建っていたり…ジョージア広しと言えども、ここまで変化のスピードが早い町は他にありません。
そんなトビリシには、近年新しい見どころやショッピングスポットが続々とオープンしています。
ここでは、2022年のコロナ禍以降に新しくできた、トビリシの新スポットを紹介!
トビリシ再開発のメインエリア!【オルベリアニ・スクエア】
2020年からトビリシ中心街のリノベーションプロジェクトの中心的なエリアだったオルベリアニ・スクエア(Orbeliani Sq.)。【マップ 黄色①】
コロナ禍での各種制限も解除された2022年に、新しい飲食店やショップが軒並み連なる歩行者専用のエリアとして生まれ変わりました。
中心街ど真ん中という好立地&トビリシ市の肝入りの再開発プロジェクト地区ということもあり、オルベリアニ地区は季節ごとのイベントの会場となるなど、かなり恵まれた状況にあります。
しかしながら、イベントの時期以外はなぜか人の姿はまばらで、ハコモノっぽい建物も相まってどこか閑散とした雰囲気が漂っているのがまた…
現在は土日でも閑散としているオルベリアニ・スクエアですが、かなり広大な敷地を活かしてコンサートを行ったり展示会を行ったりするなど、やり方によっては今後化けるかも…?
せっかく古い街並みを取り壊して自信満々で再開発したエリアなので、もうちょっと頑張ってくれることに期待しましょう…!」
かつての市場がお洒落フードコートに!【オルベリアニ・バザール】
地下鉄リバティー・スクエア駅からゆるやかな坂道を下って徒歩7分ほど。
ここ数年の再開発プロジェクトの中心となっていたオルベリアニ・スクエア地区の最南端に位置するのが、オルベリアニ・バザール(Orbeliani Bazaari)です。【マップ 黄色②】
かつてトビリシに滞在した人ならきっと見覚えのある、この二層構造の建物。
元々はローカルな市場が中に入っていたのですが、閉鎖され長い間放置されていたところに、一階部分でだけCarrefour(フランス資本の大型スーパー)が営業していました。
トビリシ中心街において最も品揃えが豊富なスーパーの一つであり、アジア食材もある程度充実しているこのCarrefour。
かつての在トビリシ日本人は醤油や海苔を求めて、わざわざここまで買い物に来ていたのです。
建物の二階部分は長らく閉鎖されていたのですが、2023年にようやく二階部分のリノベーションが完了してオープンしたのが、このオルベリアニ・バザール。
「バザール=市場」の意味ですが、実際は巨大なフードコートとして機能しています。
ジョージア料理を提供する店や各種ファストフードチェーンはもちろん、寿司店やメキシカン、アイリッシュパブまでがひしめき合うオルベリアニ・バザール。
トビリシでは初出店となる店もいくつかあり、流行に敏感なトビリシっ子の間で話題となっています。
どのお店も価格帯はかなり高めで、雰囲気も「お洒落フードコート」といった感じで外国人客をターゲットにしている感がぷんぷん漂いはするものの、一度は足を運んでみるのも良いでしょう。(ただ、食事は別の場所でするのが◎)
リノベーションが完了した新・お洒落旧市街!【グディアシュヴィリ広場周辺】
トビリシ旧市街の中でのぶよが「ガチ旧市街」と呼んでいる一帯の南側は、ここ数年間大規模なリノベーション工事が行われていました。
2023年に工事が完了し、ようやく立ち入ることができるようになったグディアシュヴィリ広場(Gudiashvili Square / გუდიაშვილის მოედანი)とその周辺の路地は、パステルカラーに塗られた可愛らしい建物に囲まれたフォトジェニックなスポット。【マップ 黄色③】
ここだけ切り取って見ると「東欧ジョージア」のようにしか見えませんねえ…(きらきらぁ~)
のぶよ的には、こうした作られた感満載のテーマパーク的な町並みはまったく好みではないのですが、写真映えはしますし、一度は足を運んでみるのも良いもの。
リノベーションが完了しているのはグディアシュヴィリ広場の周辺のみで、広場から少し離れると安定のガチ旧市街の町並みがまだまだ残っています。
ノマドに人気の癒しスポット!【バラ公園】
地下鉄マルジャニシュヴィリ駅前から南北にのびるメインストリートであるダヴィット・アグマシュヴィリ通り(Davit Aghmashvili St.)を5分ほど南に歩いていくと、少し奥まった場所にあるのがバラ公園(Roses Park)。【マップ 黄色④】
バラ公園自体は以前からあり、近隣住民の憩いの場として機能してきた場所ですが、2022年に敷地の一部がリノベーションされて生まれ変わりました。
公園の敷地の約半分を占める東側のエリアに、大規模なコワーキングスペースが整備されたのを皮切りに、もともとあった古い建物を利用したジムや、温室をテーマにしたカフェなどがオープン。
近年トビリシで増加しているノマドワーカーたちに人気のワーキング&ライフスタイルスポットとして、注目を集めています。
以前に比べて外国人の姿をかなり多く見かけるようになったバラ公園。
しかしながら、メインストリートから少し奥まった場所にあるためか「知る人ぞ知る場所」といった雰囲気は健在です。
マルジャニシュヴィリ地区散策の際には、ぜひ忘れずに立ち寄ってみてください!
最新設備で快適空の旅!【ムタツミンダ公園新ロープウェイ】
地下鉄ルスタヴェリ駅前に堂々と構えるシネマ・ハウスと呼ばれる建物。
絵に描いたようなスターリン建築の尖塔を有し、中心街のランドマークとして機能しています。
このシネマ・ハウスの中庭部分には、ソ連時代に運行されていたロープウェイの乗り場があります。【マップ 黄色⑤】
旧ロープウェイはかつて大事故を起こして廃線となってしまい、それ以降は放置され続けて荒れ放題だった旧ロープウェイ乗り場。
外観・内装の優雅なデザインと絶妙な荒れ具合が「トビリシのソ連遺構」として一部マニアの間で人気となっていたのですが、数年前から何やら工事が始まり、立ち入りできなくなっていました。
こうして2024年に満を持してオープンしたのが、ムタツミンダ公園までを結ぶ新ロープウェイ路線。
旧乗り場の建物は取り壊されることなくそのまま活かされ、ロープウェイの設備には最新のものが使用されています。
ムタツミンダ公園まではすでにムタツミンダのケーブルカーが敷かれており、路線バスでのアクセスも可能で、しかもそもそもムタツミンダ公園に足をのばす人はそこまで多くありません。
なぜあえて今になって別の新しいロープウェイ路線を開業させたのか謎が深まりますが、まあお金が有り余っているのでしょう…(遠い目)
ルスタヴェリ駅前からの新ロープウェイは、乗車一回12GEL(=¥700)と、他の交通手段に比べてかなり高額。
果たして利用客がいるのかどうか疑問しかありませんが、ルスタヴェリ駅前側のケーブルカー乗り場はとても美しい建物なので、利用せずとも訪れる価値はあります。
▲ルスタヴェリ側ケーブルカー乗り場の裏手には、パステルブルーの美しいテラスを備えた民家が建っており、むしろこちらの方が必見かも。
市の重要文化財に指定されている建物だそうで、細かな装飾に目を見張ります。
ソ連エリアの新プロムナード!【イサニ地区の遊歩道】
トビリシ市内南東部、に位置する地下鉄イサニ駅周辺は、ソ連時代の灰色の共同住宅がずらりと建ち並ぶエリア。
観光客で賑わう旧市街や中心街から地下鉄で数駅という近さにもかかわらず、ソ連時代から何一つ変わっていない町並みはもはや別の町のようです。
そんなトビリシきってのソ連エリアの一つ・イサニ地区でも再開発プロジェクトが進められており、2023年に工事が完了しました。
トビリシの町を二分するムトゥクヴァリ川沿いに広々とした展望台やちょっとした遊歩道が新たに設置され、地元の人が集える場所ができあがったのです。【マップ 黄色⑥】
イサニ地区の再開発エリアには、特にこれと言って目立った見どころがあるわけでもなく、写真映えする町並みに生まれ変わったというわけでもありません。
しかしながら、開放感に溢れる新展望台でのんびりと過ごす地元の人たちの楽しそうな姿を見ていると、地域密着型の再開発の重要性を再認識させられます。
もしかすると、ここ数年のトビリシ再開発プロジェクトの中で最も成功したのは、実はこのイサニ地区だったのではないかとも思えてきます。
トビリシのソ連スポット
トビリシの観光ポスターやSNSに上がってくる写真の大半は、中心街や旧市街の美しい風景。
しかしながら、あれはこの町のほんの一部。トビリシの町の九割は、つい30年前までジョージアを統治していたソ連時代の建造物で占められています。
中心街から一歩出るだけで、ソ連時代の共同住宅がどこでも見られるトビリシ。
ソ連時代に建設されたモニュメントや巨大な建造物も、町の至る所に残っています。
ここでは、ソ連時代のトビリシが感じられるスポットを一挙紹介。
これもまた、この町を構成する要素のひとつです。
未完の巨大モニュメント!【クロニクル・オブ・ジョージア】
まずは、本記事で紹介している数々の穴場スポットの中ではおそらく最も知名度が高く、訪れる旅行者の数も少なくないであろう「準定番スポット」から。
トビリシ市内の東側に広がるトビリシ・シー(Tbilisi sea)という巨大な人口湖を一望する高台に堂々とたたずむ、クロニクル・オブ・ジョージア(Chronicle of Georgia)です。【マップ 灰色①】
「クロニクル=年代史」の意味で、その名の通り、ジョージアの歴史がモチーフとして刻まれた黒い石を積み重ねたもので、観光スポットとしても結構有名な場所です。
クロニクル・オブ・ジョージアの設計者は、ソ連時代に活躍したジョージア人彫刻家であるズラブ・ツェレテリ。
1985年に現在の形となったクロニクル・オブ・ジョージアですが、実はツェレテリ本人によると未完成のモニュメントなのだそうです。
建造物自体もかなり見ごたえがありますが、敷地内から望むトビリシ・シーの青く輝く風景は感動もの。
地下鉄ステーション・スクエア駅から路線バスで簡単にアクセスすることができるので、天気の良い日を狙って訪れたい場所です!
トビリシで最も有名なソ連建造物【旧運輸省】
トビリシに数あるソ連建造物の中でおそらく最も有名なものが、こちらの旧運輸省。【マップ 灰色②】
1974年完成の建物は、「どうしてこんなデザインに?」と疑問に思うほど前衛的。
レゴブロックをいびつに重ねたような不思議な形は、当時のソ連の建築技術やデザインセンス(?)がふんだんに詰め込まれたものです。
現在でもこの建物は現役で使われており、ジョージアの二大銀行の一つであるBank od Georgia本店オフィスが入っています。
一般人の内部への立ち入りは残念ながらできませんが、その不思議な外観を観察するだけでも足をのばす価値があるはず。
自然なのか人工なのかわかりませんが、一部の壁はツタで覆われていて結構フォトジェニック。
ジョージア経済を引っ張る大手銀行らしい格式が表れているような気がしました。
跨線橋の上に場末の衣料品店がずらり!【トビリシのポンテ・ヴェッキオ】
トビリシ観光の定番スポットの一つである、トビリシ中央市場。
カオスな雰囲気が漂う巨大な市場エリアの裏側へと抜けると、トビリシ中央駅を上からまたぐ歩行者専用の跨線橋があります。
これが、「トビリシのポンテ・ヴェッキオ」。【マップ 灰色③】
もちろんのぶよが勝手に名付けたのですが、ちゃんと理由があります。
「ポンテ・ヴェッキオ」とは、ご存じの通りイタリアのフィレンツェにある歴史ある石橋。
橋の上には商店が所狭しとならんでいる風景で有名です。
トビリシのポンテ・ヴェッキオの上にも、謎のお店がずらり。
中古の衣料品が主に売られており、思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。
本家フィレンツェのポンテ・ヴェッキオとは異なり、トビリシのポンテ・ヴェッキオの屋根はビニールシート(ところどころ破れている)というクオリティー。
やる気のない各お店の人たちの感じも含めて、なんとも言えないソ連的な雰囲気が感じられます。
トビリシ観光で中央市場を訪問する旅行者は多いでしょうが、せっかくならトビリシのポンテ・ヴェッキオでさらなるカオス感を味わうのもオツなものです。
SNSで話題の「映え系ソ連建造物」!【トビリシ・スカイブリッジ】
トビリシ西部の居住エリアの一つであるサブルタロ地区。
どこまでも連なるソ連時代の共同住宅の風景が圧巻のこのエリアの最も奥にあるのが「トビリシ・スカイブリッジ」と呼ばれる三棟の共同住宅です。【マップ 灰色④】
一目見て分かる通り、これらの共同住宅の建設はソ連時代。
三棟の建物のうち二棟は谷底部分に、一棟は山の斜面に建てられており、山側の高い場所にも入口を設置するための苦肉の策が、三棟を結ぶ橋でした。
谷底よりも数十メートル高い場所にある山側の地上部分から橋を渡っていくと、共同住宅の14階部分に到着するという不思議な体験ができます。
まるで天空に浮かぶような橋は、いつからか「スカイブリッジ」と呼ばれるように。
現在は、トビリシ在住の外国人を中心に「クールなソ連スポット」として密かな人気を博しています。
トビリシ・スカイブリッジ&共同住宅への立ち入りは自由ですが、ここは現在でも住人がいる場所。
訪問の際はマナーを守るようにしましょう!
人々に忘れ去られた博覧会跡地!【エキスポ・ジョージア】
トビリシの中でもソ連的雰囲気が色濃く感じられるエリアと言えば、地下鉄ステーションスクエア駅~ディドゥベ駅にかけて。
メインストリートであるアカキ・ツェレテリ通り(Akaki Tsereteli St.)沿いに姿を現すのが、エキスポ・ジョージア(EXPO Georgia)という施設です。【マップ 灰色⑤】
1971年にコンベンション・センター(会議などを行う複合施設)として完成したもので、ソ連時代には貿易の見本市や様々な会議に利用されてきました。
エキスポ・ジョージアの広大な敷地には11のパビリオンがあり、どれも(一応)現役で使用されているそう。
しかしながら敷地内には人影はほとんどなく、朽ちつつあるパビリオンや数々のソ連モニュメントがなんとも言えない哀愁を漂わせています。
近未来的なデザインのパビリオンばかりなのに、そこはかとない退廃的な雰囲気が漂うエキスポ・ジョージアですが、敷地内に点在するソ連アートは秀逸です。▼
カラフルなタイルを敷き詰めたたモザイクが敷地内にいくつか残り、どれも保存状態が良く圧巻。
どのモザイクも、いまいち何を表しているのかわからないというのもソ連アートあるあるです。
入場・写真撮影ともに自由で、好きなだけ旧ソ連建築やアートを味わえるエキスポ・ジョージア。
敷地内はちょっとした公園のようになっているので、ゆっくりと散策するのがおすすめです!
ディープな市場で掘り出し物探し!【サムゴリのがらくた市】
トビリシ南東部にあるサムゴリ地区は、市内にいくつかあるソ連エリアの中でもトップクラスにソ連っぽさが残るエリア。
地下鉄サムゴリ駅を出てすぐに、トビリシ三大バザールの一つであるサムゴリ・バザールが広がっており、中央市場など他の市場に比べてもそのカオス感は顕著です。
野菜や肉、衣料品などのゾーンに分かれているサムゴリ・バザールの中で、やや奥まった場所にあるのがサムゴリのがらくた市。【マップ 灰色⑥】
その名の通り、ありとあらゆる中古の雑貨や食器や調理器具が売られている場所で、すでに紹介したドライ・ブリッジの蚤の市など比べ物にならないほどにディープな雰囲気です。
店のたたずまいも、まるでゴミのように積み上げられた商品も、店の人の不愛想な感じも、とにかくすべてが「ソ連時代のバザール」といった雰囲気むんむんなのがサムゴリ。
バザール初心者が散策するのはなかなかハードかもしれませんが、こういう雰囲気が好きな人にとっては心踊る空間です。
▲サムゴリのがらくた市で売られている商品の大半は、文字通りがらくた。
しかし稀に、年代物の食器やハンドメイドの素敵な雑貨に巡り合えることもあります。
こうした宝探し感も、バザール探訪の醍醐味の一つ。
ディープすぎる雰囲気も慣れれば楽しめるようになるので、勇気を出して訪れてみては?
果てしない哀愁を感じさせる風景!【サムゴリのケーブルカー】
サムゴリのがらくた市があるバザールエリアから長い地下道を通って、地下鉄サムゴリ駅の北側に出ると最初に目に入るのが、真っ赤なケーブルカーが上空にぶら下がったまま放置された光景。
これがサムゴリのケーブルカー。【マップ 灰色⑦】
かつて地下鉄サムゴリ駅北側からさらに北の高台地区を結んでいた交通手段でしたが、時代の流れとともに運行が停止され、撤去されることのないまま放置されたものです。
正直、安全面的にゴンドラが宙づりのまま放置されているのはどうなのだろうか…と日本人的には思ってしまいますが、まあジョージアに長く居るとこうした「放置系の風景」は見慣れてくるもの。
サムゴリ地区のなんとも言えないソ連的な町並みを、やけに明るい赤色の車体で彩るそのコントラストがなかなかに芸術的だと思います(感性おかしい?)。
サムゴリのケーブルカー自体は、乗車することはもちろんできずケーブルカー乗り場への立ち入りもできませんが、この哀愁ただよう風景は一見の価値あり。
すぐ近くには、昔ながらのトビリシの居酒屋体験ができるNikalas Ezoというおすすめドゥカニがあるので、セットで訪れてみるのも良いでしょう。
トビリシで唯一現役のソ連ケーブルカー!【タートル・レイクのケーブルカー】
山に囲まれた谷底のような地形に広がるトビリシには、かつて谷底と山上を結ぶケーブルカーが数路線運行していました。
しかし時代の流れとともに、道路が整備され市内交通網が充実したことによって、ケーブルカーの多くは廃線に。
上で紹介したサムゴリのケーブルカーのように撤去されずに放置されたままのものもあれば、完全に撤去されて跡形もないものもあります。
そんなトビリシで、唯一現在進行形で市民の足として運行されているのが、タートル・レイクのケーブルカー。【マップ 灰色⑧】
トビリシ中心街西部のヴァケ地区から、数百メートル高い場所にあるタートル・レイクを結ぶもので、ソ連時代からそのままのレトロな車体での空中散歩が楽しめます。
タートル・レイクのケーブルカーは運賃たったの1GEL(=¥50)という激安価格も魅力的。
乗車時間は4分ほどと短いながらも、ごとごととレトロな(?)音を立てながら走るケーブルカーでの空中散歩はここでしかできない体験です。
山頂側にあるタートル・レイクは、トビリシっ子お気に入りの週末自然スポットの一つ。
週末はケーブルカーが混雑することもあるので、混雑しない平日の利用がおすすめです。
圧巻のソ連建造物をめぐる!【ソ連建造物街道】
トビリシ市内北部地下鉄の地下鉄ディドゥベ駅周辺は、ソ連時代の町並みが色濃いエリア。
(というか、トビリシ自体がほぼソ連な町並みですが、このエリアは特にすごい)
ディドゥベ駅からムトゥクヴァリ川を渡った対岸には、ソ連時代の末期である1980年代に建設された巨大建造物がいくつか点在する「ソ連建造物街道」があります。【マップ 灰色⑨】
1988年完成の旧考古学博物館や旧工業技術大学、すでに紹介した旧運輸省の建物など、大規模なソ連建造物が大通り沿いに次々に現れるのが圧巻です。
徒歩で各建造物をめぐるにはやや距離が長めなので、トビリシ市内路線バスを上手に使いながら各スポットを順番に移動するのがポイント。
ソ連建造物街道の周辺にはトビリシ・スカイブリッジやエキスポ・ジョージアなどその他にもソ連スポットがたくさんあるので、半日ほどかけて「ソヴィエト・トビリシ観光」を楽しむのもおすすめです!
隠れた絶景スポット!【ソ連ロッククライミング塔】
トビリシのソ連スポットの項目のラストを飾るのが、トビリシ東部の山の斜面に建つソ連ロッククライミング塔。【マップ 灰色⑩】
谷間に広がるトビリシの町並みの全てが見られる絶景ポイントですが、なぜかほとんど知られていません。
中心街からトビリシ・シー方面へと向かう道路を走っていると、進行方向右側の小高い山の頂上に立つ塔が目に入るはず。
ソ連時代に建設されたモニュメントだと思うのですが、実はこの塔、ただのオブジェではありません。
塔の内側は空洞になっており、壁にはロッククライミング用の石が設置されているのです。
完全なる直角の壁にズラリと並ぶカラフルな石。
塔は数十メートルの高さなので、落ちたら間違いなくあの世行きです。
いったい誰がこんなところでロッククライミングに挑戦するのか謎ですが、世の中にはきっといるのでしょう。命知らずな人たちが…
ロッククライミングをする/しないは別として、塔付近からの開放的な絶景は一見の価値があります。
塔から少しトビリシ・シー方面へ向かえば、伝統のBBQ文化に浸れるムツヴァディ街道が、さらに先へ向かえば、広大なトビリシ・シーやクロニクル・オブ・ジョージアがあるので、トビリシ東部エリア観光とセットで立ち寄ってみるのが良いでしょう。
トビリシの自然スポット
人口百万人以上を有し、ジョージアの首都として機能する大都会トビリシ。
中心街こそ「さすが一国の首都…!」とうなりたくなるような都会感ですし、郊外にも延々と広がる住宅街を見ていると、やはり大きな町であることを実感します。
しかし、中心街から少し外に出るだけで、広大な大自然が広がっているのもトビリシならでは。
周囲を山に囲まれた地形のトビリシは、谷底部分の中心街と山の上ではまるで別世界のような風景が広がっているのです。
また、わざわざ中心街から出なくても、広大な公園や緑地が点在しているのもトビリシの良さ。
大規模な公園も多く、首都にいながら自然に癒される時間を過ごすこともできます。
ここでは、トビリシ中心街から簡単にアクセスできる自然スポットを一挙紹介。
4月~11月にトビリシに滞在するなら、一度は足をのばしてみたい場所ばかりです!
トビリシ最大の水辺!【トビリシ・シー】
内陸部に位置するトビリシですが、水辺の風景もちゃんとあります。
市内最大の面積を誇る人口湖であるトビリシ・シー(Tbilisi sea)は、トビリシの若者たちに大人気のビーチを有するスポット。【マップ 緑①】
名前こそ「シー=海」となっていますが、もちろん海ではなく淡水の湖。
内陸民の海への渇望のような感情が感じられる、なんとも言えないネーミングにちょっと切なくなります(笑)
トビリシ・シーの水質は比較的良く、夏場はトビリシっ子お気に入りの遊泳スポットとしても大人気。
コバルトブルーの湖水と緑いっぱいの湖畔の風景は、泳がない人でも癒されるはずです。
トビリシ・シーの特に北岸にはいくつかビーチがあり、賑やかな雰囲気のビーチから人が少ないワイルドな雰囲気のビーチまでさまざま。
どこかジョージア地方部のようなゆったりした時の流れと、自然の癒しに溢れた美しい風景は、トビリシ滞在の良い思い出となるはずです。
トビリシ・シーのすぐそばにはクロニクル・オブ・ジョージアが、中心街からの道沿いにはムツヴァディ街道やソ連ロッククライミング塔などの穴場スポットも点在しているので、丸一日かけて周辺を観光するプランもおすすめです!
水辺の風景と天然温泉に癒される極上の休日を!【リシ湖】
トビリシの夏は、連日35度以上の気温の日が続く灼熱。
あいにく黒海からは遠く離れているため、トビリシの人々は夏の暑さを少しでも紛らわそうと、近郊に点在する湖へと向かいます。
すでに紹介したトビリシ・シーが最も人気の水辺ではありますが、中心街の西側の山の頂上付近にあるリシ湖(Lisi lake / ლისის ტბა)は、のぶよ的におすすめの湖。【マップ 緑②】
小規模なビーチがあるだけの小さな湖の周囲には遊歩道が設置されており、トビリシ市内とは思えぬほどのワイルドな自然風景を満喫できるためです。
夏場は期間限定のファストフード露店や屋外ビアガーデンも営業し、なかなかの賑わいを見せるリシ湖。
それでもやはりトビリシ・シーに比べると静かで、穴場スポット感が存分に感じられます。
リシ湖が美しいのは、春~秋にかけてだけではありません。
冬の雪景色もまた、とても美しいです。
そしてこのリシ湖、なんと湖畔には温泉施設まであるのがポイント。
個室浴場と共同浴場の二種類を備えており、共同浴場の場合は18GEL(=¥900)とリーズナブルな価格で利用することができます。
トビリシ旧市街にも温泉施設が建ち並ぶアバノトゥバニ地区がありますが、あちらはもはや定番スポットといった感じ。
リシ温泉を訪れる観光客の姿はかなり少なく、ローカルの人々がやって来る地元の公衆浴場といった雰囲気もまた素敵です。
アバノトゥバニ地区の温泉とは泉質も雰囲気も大きく異なる点も、リシ温泉の特徴。
内部も比較的清潔で、広々とした浴槽とサウナは素晴らしいので、温泉好きならぜひ一度は訪れてみたいものです!
ハイキングも楽しめる落ち着いた水辺の風景!【タートル・レイク】
すでにトビリシ・シーとリシ湖の二つの湖を紹介してきましたが、トビリシにある「三大湖」のラストを飾るのがタートル・レイク。【マップ 緑③】
三つの湖の中で最もアクセスが不便ということもあり、いつ行っても人の数は多くありません。
それが逆に、この場所の秘境っぽい雰囲気を演出しているようにも思います。
タートル・レイクは、雨水と地下水が溜まってできた天然の湖。
残念ながら湖での遊泳は禁止されていますが、湖畔をぐるりと周る徒歩コースが敷かれており、大自然を五感で感じながらリラックスすることができます。
また、近年ではタートル・レイクから山の下に位置するヴァケ地区までの空中をびゅーんと飛ぶZipラインも設置され、スリルを求める人々に話題となっています。▼
タートル・レイクへのアクセスは、すでに紹介したタートル・レイクのケーブルカーが便利。
体力がある人なら、ヴァケ公園に敷かれた徒歩コースをひたすら登ってのアクセスも可能です。
タートル・レイク周辺には野外民俗博物館やヴァケ公園などの見どころがあり、セットで訪れるのが◎
もしくは、ムタツミンダ公園までのハイキングコースも敷かれているので、タートル・レイク~ムタツミンダ公園~トビリシ中心街と徒歩で移動することも可能です。
トビリシ最大の絶景ポイント!【天空のベンチ】
トビリシ市街全体と、まわりの山々の全てを一望したいなら「天空のベンチ」を目指しましょう!【マップ 緑④】
タートル・レイク~ムタツミンダ公園間の5kmほどのハイキングコースの途中にある絶景ポイントで、岩の上にベンチが2台置かれているだけの質素なものです。
のぶよが勝手に命名したスポットですが、トビリシ全体を見てもここ以上に開放感が感じられる場所は他にないと思います。
天気が良い日なら、遥か北にそびえるコーカサスの山々も見られるそう。
山の国・ジョージアの首都に立っていることを実感できるはずです!
おもしろオブジェが点在する都市型公園!【ムジウリ公園】
トビリシ市内西部のヴァケ地区は「トビリシで最もハイソなエリア」として、外国人に人気の居住エリア。
ソ連的な共同住宅が並ぶ街並みをベースに、近年では新たなキラキラビルが多く建設されるようになり、外国人ターゲットのお洒落カフェなども続々とオープンしているエリアです。
そんなヴァケ公園には大きな公園が二か所あります。
そのうちの一つが、このムジウリ公園。【マップ 緑⑤】
ムジウリ公園は、ヴァケ地区の北側の崖の斜面を利用して整備された独特の地形が特徴的。
斜面を利用した階段やスロープが多く設置されており、敷地内には不思議なオブジェや彫刻がいくつも点在する、なんとも独特な雰囲気の公園です。
広々としたムジウリ公園の敷地は、四季折々の草木でいっぱい。
ヴァケ地区散策の際にはぜひ立ち寄ってみましょう。
トビリシ最大規模の公園!【ヴァケ公園】
「トビリシで一番のセレブエリア」と称されるヴァケ地区にある二つの公園のうちもう一つが、とにかく広大なヴァケ公園(Vake park)。【マップ 緑⑥】
「公園の北半分は平地、南半分は山の斜面」という独特な地形の公園なのですが、周辺に住む住民の憩いの場として機能しています。
ヴァケ公園の広大な敷地は林のようになっており、北側の平地エリアでも十分に自然が感じられます。
南側の斜面エリアはさらにワイルドな雰囲気となり、斜面に敷かれた長~い階段を登った先にはヴァケ地区の町並みを一望できる絶景ポイントもあります。
謎デザインのキラキラ高層ビルが建ち並ぶヴァケ地区の風景は、大都市さながら。
ヴァケ公園の緑の風景とのコントラストが、なかなかに素敵です。
階段をさらに登った先にはタートル・レイクがあり、そこからタートル・レイクのケーブルカーに乗って下ることも可能。
もしくは、ムタツミンダ公園へと続くハイキングコースを歩いてトビリシ中心街方面へ徒歩で移動することも可能です!
中心街ど真ん中の癒しスポット!【ヴェラ公園】
トビリシ中心街すぐそばに広がるヴェラ公園(Vera Park)は、地元の人々に大人気の緑地。【マップ 緑⑦】
ムトゥクヴァリ川が形成する断崖絶壁の頂上に広がる独特の立地が特徴で、敷地内の至る所からトビリシの町並みを一望することができます。
ヴェラ公園自体には特に見どころはなく、「ちょっと眺めの良い公園」といった感じ。
しかし公園のすぐ南には青の修道院が、すぐ西にはLAMBのストリートアートがしばしば出現するトンネルがあり、ヴェラ地区のイタリアン・コートヤード探訪の途中に立ち寄るには絶好の場所にあります。
ナリカラ要塞を裏から望む隠れ絶景ポイント!【トビリシ植物園】
トビリシ旧市街近くにありながら、なぜかみんなあまり訪れないトビリシ植物園(Tbilisi Botanical Garden)。【マップ 緑⑧】
入場料がかかる(4GEL=¥200)のが理由なのか、微妙に入口がアクセスしづらい場所にあるからなのか分かりませんが、のぶよ的には結構おすすめの自然スポットです。
トビリシ旧市街南側の谷間を利用して整備されたトビリシ植物園は、起伏がけっこう激しくて散策には体力が必要。
その代わり、園内の至る所に絶景ポイントが点在しているのがおすすめする理由です。
ナリカラ要塞やジョージア母の像など「トビリシのランドマーク的存在」を裏側から眺めることができるのは、トビリシ市内でもトビリシ植物園だけ。
もちろん植物園なので、季節ごとに谷間を彩る花々も素晴らしいです。
園内はとにかく広大で、数時間かけて散策するにはぴったり。
植物園の入口ゲートは温泉街アバノトゥバニ地区にあるので、散策後に温泉でリラックスしていくことも可能です!
トビリシの文化スポット
伝統文化が近代的なポップカルチャーと混ざり合うトビリシは、ジョージアが誇るカルチャーの都。
古き良きジョージアの魅力が感じられるカルチャースポットはもちろん、トビリシの若者文化が肌で感じられるスポットまで、文化的な香りただよう見どころはぜひチェックしたいものです。
トビリシ独自のカルチャー最大の特徴が、「古いものの良さはそのままにしながら、新しい風を吹き込む」という気概。
築百年以上の建物のぼろぼろ加減を逆に活かした雑貨店や、レトロな内装をウリにしたレストランなど、トビリシらしい気質は町の至るところで感じられるはずです。
ここでは、トビリシ滞在時に訪れたいカルチャースポットを紹介します。
穴場のミュージアムから、ジョージアの伝統文化を存分に味わえる場所まで…きっとこの町の奥深い魅力に気が付けるはず!
ジョージアの伝統建築と郷土の文化に浸る!【野外民俗博物館】
トビリシから出ることなく、ジョージア地方部のさまざまな伝統建築や文化に触れることができるのが、トビリシ野外民族博物館(თბილისის ეთნოგრაფიული მუზეუმი ღია ცის ქვეშ)。【マップ オレンジ①】
広大な敷地に十数軒の伝統家屋が点在しており、それらは全て実際にジョージアの各地方で人が生活していた家を移築したもの。
内部には、各地方伝統の内装が施され、昔の生活を今に伝える道具が展示されているという、生きた博物館なのです。
小さな国土のジョージアとはいえ、地域によって気候や文化は様々。
博物館内の伝統家屋も、木造のものから石造りのもの、半分地中に埋まった隠れ家のようなもの…など様々な種類があり、小国の多様な伝統文化を感じることができます。
野外民俗博物館の入場料は、かつて5GELだったものが近年には25GEL(=¥1250)とものすごいレベルで値上げされてしまいましたが、それでも訪問する価値は大いにあります。
各民家が丸ごと展示会場となっており、ガイドが常駐していて、それぞれの家具の使い方や家の造りの特徴を事細かに説明してくれるのですから。
トビリシに居ながらジョージア地方部の伝統が感じられるのはもちろん魅力的ですし、夏季の土日であれば民族楽器の演奏やクヴェヴリ造りなどのカルチャー体験も実施されているのがポイント。
ジョージア地方部を旅する前の予習にもぴったりな施設だと思います。
野外民俗博物館からさらに山をるとタートル・レイクがあり、カルチャー体験の後に自然体験もセットで満喫することも可能。
半日~一日かけてのんびりとまわるのもおすすめです!
放蕩の画家の晩年を追体験!【ピロスマニ通り&博物館】
ジョージアで最も有名な画家と言えば、ニコ・ピロスマニ。
19世紀後半から20世紀前半の、ジョージアという国にとって激動の時代を生きた人物で、「放蕩の画家」としても知られています。
ピロスマニは日本人の間でも抜群の地名度を誇り、彼の出身地であるジョージア東部のカヘティ地方を周る「ピロスマニの聖地巡り」をする旅行者もいるそうで、その人気の高さがうかがえるというもの。
トビリシにも、彼が晩年の2年ほど居住していたアパートが残っており、現在その部屋は小さなミュージアムとして公開されています。【マップ オレンジ②】
ピロスマニの家博物館が位置しているのは、トビリシ中央駅から徒歩3分ほどの場所。
彼のアパートがある建物の前の通りは「ピロスマニ通り」と名付けられており、彼の作品の模写やウォールアートが施された建物がいくつか点在しています。
ピロスマニ通りの一角にある、三階建ての黄色い建物が、放蕩の画家が過ごした部屋を有する場所です。▼
ピロスマニの部屋は地上ではなく地下に位置しており、窓がなく光の差さないなんとも陰鬱な雰囲気の空間。
特に作品が残されているわけではなく、言ってしまえば「普通の古い部屋」なのですが、鬱屈とした晩年を過ごしたピロスマニの情念が壁に染みついているかのような不思議な感覚になるかもしれません。
ジョージアの負の歴史に目を向ける!【ソ連占領博物館】
トビリシ中心街ど真ん中にあるジョージア国立博物館内には、ジョージアを70年間もの長い間統治したソ連時代に関する展示がされたソ連占領博物館があります。【マップ オレンジ③】
入場チケットはジョージア国立博物館と共通で、こちらも近年値上げされて30GEL(=¥1500)とものすごく高額になってしまったのですが、展示の内容を考えると一見の価値があります。
「占領」という言葉が使われていることからも分かるように、このミュージアムの展示は「ソ連がいかにしてジョージアに侵攻し、占領下に置いたか」という視点に終始しています。
1921年のソヴィエト赤軍によるトビリシ侵攻から、スターリンによる大粛清など、主にソ連時代前半の暗黒時代にスポットライトが当てられた(やや偏った)展示となっている点にはご留意を。
この暗黒の歴史も、かつてジョージアという国が実際に経験したことの一部。
この国の激動の近代史をきちんと理解し考えるためには、ぜひとも訪れておきたい場所です。
ここで歴史が動いた!【スターリンの秘密の地下印刷所】
ジョージアがつい30年ほど前まで属していたソビエト社会主義連邦共和国(ソ連)を代表する人物として有名なのが、ヨセフ・スターリンでしょう。
反体制的な活動家や、芸術家、政敵などを次々に処刑した「大粛清」を行ったスターリンは、ソ連の恐怖の時代を率いた人物として悪名高いですが、実は彼はジョージアのゴリという町の出身。
ゴリにはスターリンの生涯に焦点を当てた博物館があり、先述のソ連占領博物館とは別の角度からジョージアのソ連時代について学ぶことができるので、こちらも必訪です。▼
「スターリンの町」ゴリはもちろん、ここトビリシにも彼の足跡をたどることができる場所があります。
それが、一見すると普通の民家のように見える秘密の地下印刷所。【マップ オレンジ④】
現在は博物館となっていて、見学することができます。
時は1903年。当時はロシア帝国の一部であったジョージアですが、帝政に代わる社会主義国家を建設しようとする共産党員の違法な活動が秘密裏に行われていました。
共産党のプロパガンダをジョージアに広めるべくトビリシにやって来た共産党員のスターリンは、 この民家の地下に秘密の印刷所を造り、社会主義思想を広める新聞やパンフレットをこっそりと印刷して住民にばらまいていたのです。(帝政ロシア時代は、こうした国家転覆を狙う行為は違法)
スターリンの秘密の活動が功を奏したのかは分かりませんが、結局1917年のロシア革命によって社会主義のソビエト連邦が誕生し、その後大きく歴史が動いたのはご存じの通り。
一見普通の民家にしか見えないような、小さな敷地に設置されたスターリンの秘密の地下印刷所は、後に70年あまり続いた社会主義時代の始まりとなった場所の一つ。
ジョージアという国の運命が大きく変わった場所と言えるかもしれません。
200年前の民家での生活に触れる!【ガチ旧市街の古民家ギャラリー】
すでに紹介したガチ旧市街は、ただ散策して歴史ある建物を外から眺めるだけでも楽しいのですが、中には実際に旅行者向けに建物の内部を開放しているところもあります。
このニニ・バカシュヴィリ・アートギャラリー(Nini Bakashvili Art Gallery)もそんな建物のひとつ。【マップ オレンジ⑤】
「THE・トビリシ旧市街の古い長屋」といった二百年前の建物に住む女性が、自分のアート作品を自宅内の歴史ある木製テラスに展示しているのです。
この民家は、複数の家族が各部屋に住みつつ台所やトイレなどは共同で利用するという、昔ながらのトビリシの生活スタイルがそのままに残っている場所。
建物内部を見学するだけでも価値ある体験ですが、そこにアートが融合されているのも素晴らしいです。
アート作品は購入することも可能で、お土産に良さそうな小さな雑貨類もいくつか。
ガチ旧市街散策の際には忘れずに立ち寄ってください!
ヒンカリモチーフのアートを探せ!【LAMBのグラフィティー探し】
トビリシの街を歩いていると、そこら中に落書き(という名のストリートアート)が描かれていることに気が付くでしょう。
若者を中心に豊かなストリートアート文化が根付くトビリシでは、数多くの有名アーティストが腕を競い合っているのです。
中でもかなりの知名度&絶対的な支持を誇るのが、LAMBという一人のアーティストです。
英語で「羊」という意味を持つLAMBが作品のモチーフにするのは、羊やヒンカリなど、ジョージアを象徴するアイテムたち。
のぶよは勝手に「ヒンカリアーティスト」と呼んでいるのですが、このLAMBの作品はトビリシ中心街にいくつもある地下通路をメインに、市内の至る所で見ることができます。
LAMBはジョージア北東部のコーカサス山岳エリアであるトゥシェティ地方の出身。
未だに4WDでしかアクセスができず、10月~5月はヘリコプターでしか行けないという秘境中の秘境です。
そんな場所から大都会トビリシにやってきて、ジョージアらしいモチーフの作品を多く描いているLAMB。
いつの間にか描かれている可愛らしい羊や、ヒンカリやハチャプリなどの絵は、一部マニアの間で人気となっています。
彼の作品は、トビリシ市内の地下道や住宅街はもちろん、ファブリカ(Fabrika)という旧ソ連時代の紡績工場をリノベーションした複合施設内など、色々な場所で見ることができます。
ストリートアートという性質上、今ある作品の上に別の作品が描かれてしまうことも多く、LAMBの作品がどこで見られるか詳細な場所を解説することは難しいのが現状。
しかしながら、最も見られる確率が高いのが、ヴェラ公園に続く地下通路の壁。【マップ オレンジ⑥】
市内に多くある地下通路のうちここだけは、LAMBのアートが消されずにずっと残されています。
日々新しい作品が消されては生まれて…を繰り返しているので、同じ作品に同じ場所で出会えるかどうかは運しだい。
トビリシ散策の際には、ぜひ何てことない建物の壁や地下道の入口など周りにも目を向けながら、ヒンカリ&羊アートを探してみてはいかがでしょうか。
空間自体が芸術の学びの場!【トビリシ国立芸術大学】
中心街のルスタヴェリ通りから一本西側のアレクサンドル・グリボエドフ通り(Alexandre Griboedov St.)に堂々と構えるトビリシ国立芸術大学は、アートを学ぶ学生たちが集う現役の学びの場。【マップ オレンジ⑦】
旅行者でも敷地の一部に立ち入ることが可能で、さすがは芸術大学!と唸りたくなるようなアーティスティックな内装を心ゆくまで鑑賞することができます。
大学構内への立ち入りは基本的に自由で無料ですが、建物最上階にある「鏡の間」だけは入場料が12GEL(=¥600)かかる点にご留意を。
その名の通り、壁や天井に至るまで小さな鏡がびっしりとはめ込まれた鏡の間は、幻想的な雰囲気が旅行者に人気です。
大学の建物の北側にはカフェも併設。
各種ドリンク類からフード類まで揃っており、学生たちに人気の憩いの場として機能しています。
カフェの利用はもちろん旅行者でもOK。
アーティスティックな雰囲気の落ち着いた空間でひと休みしていくにはぴったりです。
またトビリシ国立芸術大学が位置するアレクサンドル・グリボエドフ通りは、学生たちが施したアート作品の宝庫。
民家の壁を利用したアートや、不思議なオブジェなど、アート好きならゆっくりと探訪したいものです。▼
芸術大学からルスタヴェリ通りの間には、タイルアートの階段も設置されているのでこちらもお見逃しなく。
中心街すぐそばの好立地なので、観光の途中に立ち寄るにはぴったりです!
ジョージア伝統楽器と音楽を深く知る!【民族音楽と楽器の博物館】
ジョージア伝統の音楽文化を深く知りたいなら、民族音楽と楽器の博物館の訪問がおすすめ。【マップ オレンジ⑧】
トビリシ旧市街ど真ん中という絶好の立地にある小さなミュージアムですが、微妙に奥まった場所にあるためなのか、知名度は高くありません。
その名の通り、ここはジョージアで古くから使用されてきた伝統的な楽器をメインに展示するミュージアム。
館内は三つのコーナーに分かれており、ジョージア古来の楽器/アジアの影響を受けた楽器/ヨーロッパの楽器とそれぞれ異なるテーマの展示がなされています。
展示された数々の楽器を見学することはもちろん、希望すれば職員による楽器の演奏を聴くことも可能。
館内は大きくなく、30分ほどあれば一周できてしまう規模なので、旧市街散策とセットで立ち寄るのがおすすめです!
ドイツ人地区の名残を感じるアート空間!【芸術の宮殿】
およそ200年前にドイツ人移民の居住地として開発されたマルジャニシュヴィリ地区の北側。
閑静な住宅街の一角に突如として姿を現すお城のような建物が、芸術の宮殿(Art Palace)です。【マップ オレンジ⑨】
建物の建造は1885年のこと。当時トビリシに居住していたドイツ人侯爵が自身の居住用の宮殿を建設させたもので、優雅な外観はもちろん、三階建ての建物内部の美しさも含めて必見です。
「芸術の宮殿」の名の通り、宮殿のような外観の建物内部には数十の部屋が設置されており、各部屋ごとに内装のテーマや展示物の種類が異なっているのが特徴的。
特に圧巻なのが、二階の南側に位置する豪華絢爛な部屋です。▼
宮殿最上階となる三階の最奥部には、ドイツ人侯爵が作らせた隠し部屋も残されており、細部までくまなく見学したいもの。
トビリシ中心街のミュージアム系は2023年に大幅に値上げされてしまい、正直それだけの入場料を払う価値があるか微妙に思う施設も少なくないのですが、この芸術の宮殿に関しては入場料以上の価値があります。
ソ連時代のクラシックカーがずらり!【Tbilisi Auto Museum】
トビリシ市内南東部に位置するサムゴリ地区から、さらに郊外方面へと路線バスを乗り継いだ先にあるのが、Tbilisi Auto Museum。【マップ オレンジ⑩】
なんとも場末感漂う郊外エリアにぽつりとある自動車博物館といったところで、「こんなところにこんなコレクションが…?」と驚くほどに豊富な、クラシックカーやバイクの展示がされています。
ミュージアム内のクラシックカーの数は数十台にものぼり、すべて個人のコレクションだったのだそう。
そのほとんどはソ連時代のロシアで製造されたもので、レトロさがたまりません。
展示物である自動車やスクーターは、どれもピカピカに整備されており、保存状態の素晴らしさは文句なし。
いくつかのクラシックカーには希望すれば実際に乗って写真を撮ることもできるので、自動車好きにはたまらない体験となるはずです!
トビリシの穴場散策エリア
トビリシの定番観光スポットを周り終わったら、この魅力が尽きない町をさらに細かく散策するとき。
旧市街や中心街など「定番散策ルート」をただ歩くのも良いのですが、そのすぐそばにもほとんど知られていない穴場の散策ルートが存在しています。
ここでは、トビリシ滞在中に数時間の余裕があれば散策可能なエリアをいくつか紹介します。
それぞれ雰囲気が大きく異なり、建物の建築様式一つとっても個性的なので、トビリシという町の多様な魅力が感じられるはず!
中心街目の前なのに果てしないレトロ感【裏ルスタヴェリ】
トビリシ最大の大通りであり、首都のど真ん中らしく立派な建物が建ち並ぶルスタヴェリ通り。
通りの西側はムタツミンダ山の斜面にひらけた住宅街となっており、起伏の激しい地形に迷路のように入り組んだ路地が連なります。
ルスタヴェリ通りから距離にして数十メートル。そうとは信じられないほどに、レトロでローカルで昔ながらの風景が至るところに残っており、まさに「裏ルスタヴェリ」と呼ぶにふさわしい穴場感が感じられるでしょう。【マップ 紫①】
どこからどこまでが裏ルスタヴェリ地区かと定義するのは難しいのですが、大まかな目安はあります。
東がルスタヴェリ通り/西がアルセナ通り(Arsena St.)/南が国会議事堂に面した4月9日通り(9th April St.)/北が地下鉄ルスタヴェリ駅のあるルスタヴェリ広場で、これらに挟まれたエリア=裏ルスタヴェリ地区といったところです。
裏ルスタヴェリ地区には、全体的にロシア帝国時代の建造であろう瀟洒で重厚な造りの建物が目立ちます。
ルスタヴェリ通り自体が、およそ200年前のロシア帝国統治時代に開発されたストリートであることを考えると、そのすぐ近くである裏ルスタヴェリに当時の建物が多く残っているのも納得です。
裏ルスタヴェリ地区の北側、地下鉄ルスタヴェリ駅に近いエリアには、立派な木製テラスを備えた民家も多く残っています。
どの家も斜面に建てられているため、傾斜を利用して斜めに建てられているのが独特です。
また、裏ルスタヴェリ地区の西の端であるアルセナ通りからさらに西側は、急斜面に昔ながらの民家がひしめき合うムタツミンダ地区となります。▼
ムタツミンダ地区の建物は、ロシア帝国調というよりもソ連調のもの。
こちらも現在進行形で住人がおり、生活感が色濃く感じられます。
裏ルスタヴェリ地区とムタツミンダ地区をのんびりと歩いて周っても、1時間半ほどみておけば十分。
中心街の目と鼻の先なのに喧騒とは別世界のローカル感を感じに、訪れてみてはいかがでしょうか。
アールヌーヴォー建築とレトロ可愛い風景!【裏マルジャニシュヴィリ】
古い建築に興味がある人におすすめしたいのが、地下鉄マルジャニシュヴィリ駅の東側一帯に広がるエリア。
マルジャニシュヴィリの駅があるダヴィット・アグマシュヴィリ通り(Davit Aghmashvili St.)は、都市開発の一環でリノベーションされた建物がずらりと並ぶもの。
よくSNS等で見かける「東欧ジョージアッ」の町並みは、だいたいこのダヴィット・アグマシュヴィリ通り周辺で撮られた写真です。
しかし、のぶよがここで紹介しているのは、地下鉄マルジャニシュヴィリ駅の東側数ブロックのストリートのこと。
ハリボテっぽい東欧チックな建物が並ぶダヴィット・アグマシュヴィリ通りとは対照的に、重厚で歴史が感じられる建築の宝庫の「裏マルジャニシュヴィリ地区」です。【マップ 紫②】
マルジャニシュヴィリ地区は、およそ200年前にドイツ人移民の居住エリアとして開発されたことが地区の起源。
現在ではドイツ風の街並みはほとんど残っていないのが残念ですが、往年の雰囲気を彷彿とさせる落ち着いた空気は感じられます。
裏マルジャニシュヴィリ地区は、トビリシ中心街全体で最もローカルな雰囲気が強く感じられるエリア。
小さな個人商店や八百屋などが多く営業しており、昔ながらのトビリシの日常風景がちゃんと息づいています。
落ち着いた雰囲気のストリートを気の向くままにぶらぶら歩くだけでも楽しいのですが、建築に興味がある人は周囲の建物にも注目しながら歩いてみましょう。
実はこの裏マルジャニシュヴィリ地区、建築マニアの間ではかなり有名なエリア。
というのも、ロシア帝国時代に建設されたアールヌーヴォー様式の建物が多く残っているためです。
フランスで生まれたアールヌーヴォーは、ヨーロッパの建築様式に大きな影響を与え、当時フランスと深い関係があったロシア帝国にも受け入れられました。
ロシア帝国統治下で19世紀に大規模な都市開発が行われたトビリシでは、当時最先端の流行であったアールヌーヴォー様式を取り入れた建物が多く建設され、それが現在にまで残っているのです。
優雅な曲線を組み合わせた柱や、表通り側に設置された彫刻の数々が、アールヌーヴォー様式最大の特徴。
程度の差こそあれど、裏マルジャニシュヴィリ地区にはこうした様式が取り入れられた建物が星の数ほど点在しているのです。
また、裏マルジャニシュヴィリ地区の特に南側一帯には、百年以上前の古い建物をそのまま活かした古着屋や雑貨屋、カフェなどが点在しています。
どこもトビリシの若者の間で人気となっており、古いものの良さを最大限に活かしながら新しいものと融合させるトビリシらしいソウルが感じられます。
裏マルジャニシュヴィリ地区のランドマーク的存在となっているのが、定番スポットの一つであるファブリカ。
ソ連時代の紡績工場をリノベーションした宿泊施設&多目的スペースといった感じの場所ですが、このファブリカの周辺あたりが若者に最も人気の「トビリシで一番クール」なエリアです。
トビリシの歴史の証人たる川の橋めぐり!【クラ川沿い】
トビリシの町を東西に二分するムトゥクヴァリ川。【マップ 紫③】
多くの文学作品や音楽の題材となってきたこの川は、トビリシ1600年の歴史をずっと物言わずに見守ってきた存在です。
せっかくトビリシ中心街にある貴重な水辺であるムトゥクヴァリ川ですが、川沿いは全くと言って良いほどに整備されていません。
交通量が多い幹線道路が川の両岸に敷かれているだけで、遊歩道のようなものもなし。
うまく整備すれば、パリのセーヌ川のように観光客を呼ぶ起爆剤になりそうな気もするのですが…(高望みしすぎ?)
というわけで、観光客には見向きすらされないムトゥクヴァリ川沿いですが、のぶよ的には結構お気に入りの散策コース。
中心街エリアに限ってもそれぞれ異なる歴史を持つ橋がいくつも架けられており、どれも風情ある水辺の風景を演出してくれます。
地下鉄ステーション・スクエア駅から川沿いに出て中心街方面へと歩いていくと、「定番スポット」とされる見どころの数々を違った角度から見ることができるのもメリット。
川沿いらしく開放感のある空気も素晴らしいです。
ムトゥクヴァリ川沿いには、トビリシの定番観光エリアである旧市街や中心街はもちろん、本記事内で紹介している穴場の見どころやグルメスポットも多く点在しています。
ムトゥクヴァリ川沿いをのんびり歩くことをメインに、近くの見どころに立ち寄るというスタイルでのトビリシ散策も、また違った趣があっておすすめ!
若者が集まるナイトライフエリア!【ソロラキ地区】
実はトビリシは、ナイトライフが充実していることで有名な町。
特に2020年のコロナ禍前までは、ナイトライフの聖地であるベルリンの名を冠した「ニュー・ベルリン」なんて表現されることもあったほどで、既存の枠にとらわれないクラブシーンやバーなどが評価されていました。
コロナ禍でナイトライフ文化はやや下火になってしまった感はあるものの、それでもトビリシの若者たちが集まるクールでヒップなエリアはちゃんと残っています。
それが、中心街ど真ん中にあるソロラキ地区(Sololaki)。【マップ 紫④】
ソロラキ地区は、トビリシ中心街の中でもど真ん中であるリバティー・スクエアの南西に広がる小さなエリア。
東西南北に数本のストリートがあるだけですが、その面積の小ささからすると驚くほどに多くのバーやカフェが営業しています。
ナイトライフ自体が目的なら、ソロラキ地区への訪問はもちろん夜がおすすめ。
しかし、昼間の人影がまばらなソロラキ地区の雰囲気もまた、独特で素敵なものがあります。
ソロラキ地区のバーのの多くは、近代的なきらきらあ~な雰囲気ではなく、百年以上前の古い建物の一角でひっそりと営業するこぢんまりとしたもの。
看板が出ていないお店も多く、知る人ぞ知る店といった隠れ家的な雰囲気も感じられます。
ソロラキ地区は、トビリシ中心街ど真ん中とは信じられないほどに、古い建物が昔のままに残っているのも素晴らしい点。
老朽化が進む建物も多いため、ここもそのうち再開発の対象となってしまう可能性が高いです。
なので、ぜひともその前に、ソロラキ独特の情緒やレトロな風景を堪能しに行きましょう!
トビリシっ子の間では「ソロラキ=ナイトライフ」という方程式ばかりが先行するものの、ソロラキ地区にはちゃんと住民が居住しているのもポイント。
昔ながらのパン屋やローカルな商店、八百屋なども多く見られ、目と鼻の先にある中心街の喧騒とは無縁の落ち着いた雰囲気が素敵です。
中心街ど真ん中&ローカルな店が多いというわけで、ソロラキは意外とトビリシ滞在の拠点としても有能なエリア。
地下鉄リバティー・スクエア駅まで徒歩5分以内ですし、トビリシの中では坂道が少ない平坦な地形である点も嬉しいです。
ナイトライフ以外にも、重厚な建物を見学しながらの散策やおしゃれカフェ探訪などの楽しみ方があるソロラキ。
目だった観光スポットこそありませんが、1時間ほどぶらぶらと散策するにはぴったりのエリアですし、すでに紹介した裏ルスタヴェリ地区の散策と組み合わせてのロングさんぽもおすすめです!
トビリシの穴場ローカルグルメ体験
ジョージアが誇る首都であるトビリシは、この国のフードカルチャーが一挙に集まる町。
ジョージア各地域の郷土料理を出す店もあれば、外国人が集まるインターナショナルなお店、日本の味を提供する寿司屋やラーメン店など、特にここ数年は食の選択肢が驚くほどに豊富になりました。
そんなトビリシに滞在するなら、本場のジョージアグルメをどっぷりと味わいたいもの。
有名なレストランも良いですが、ローカルの人に愛され続ける食堂や居酒屋で味わうフードカルチャーだってはずせません。
ここでは、トビリシ滞在中に体験したい食に関する体験や、独自のフードカルチャーが味わえる穴場店を紹介します。
トビリシのおすすめレストランに関しては別記事にまとめているので、そちらも合わせてチェックしてください!▼
伝統のローカル居酒屋文化に酔う!【ドゥカニ】
ジョージアと言えば、ハードコアな飲み文化が有名。
延々と続くエンドレス宴や、ビールをチェイサーにアルコール度数60%の蒸留酒をあおりまくるおじさんたちの姿は、この国の風物詩たる風景です。
トビリシでは、こうした昔ながらの飲み文化に出会える機会が激減してきているのですが、探せばまだまだ残っているもの。
ローカルな飲み文化を肌で感じたいなら、ジョージア風居酒屋のドゥカニ(Dukani / დუქანი)を訪れてみましょう。【マップ 赤①】
ドゥカニの定義はなかなか難しいものがあるのですが、ひとことで言うなら「田舎風の居酒屋」といったところ。
客層はローカルがほとんどで、内装もトラディショナルな感じにされているお店も多く、伝統的なジョージアの飲み文化が息づいています。
トビリシ中心部にはもうドゥカニスタイルの店はほとんど残っていないのが現状ですが(いくつか残っている店も観光客向けに舵を切ってる)、中心街から少し離れたエリアに足をのばせばまだまだ健在。
中央市場周辺やサムゴリ地区、ディドゥベ地区などが狙い目です!
ジョージアのBBQ文化にひたる!【ムツヴァディ街道】
ジョージア人の大好物と言えば、串刺しにされた大きな塊肉を炭火で豪快に焼いたムツヴァディ。
ロシア語では「シャシュリク」と呼ばれ、旧ソ連圏全域で愛されるこの料理、実は発祥はジョージアを含むコーカサス地域だとされており、ジョージアで食べるムツヴァディはまさに本場の炭火バーベキューというわけです。
トビリシ市内のどこのレストランでもムツヴァディは提供されているくらいにポピュラーですが、せっかくなら本場らしくローカルな雰囲気で味わうのがおすすめ。
それが、市内東部のトビリシ・シーに至る道路沿いにあるムツヴァディ街道です。【マップ 赤②】
ムツヴァディ街道は、道路沿いに炭火で肉を焼く露店が数軒点在する、トビリシきってのディープなローカルスポット。
それぞれの露店はライバル関係にあるようで、個性あふれるメニューや秘伝の焼き方(?)で競い合っています。
値段もリーズナブルで、本場のムツヴァディが食べられるムツヴァディ街道は、トビリシの昔ながらのフードカルチャーを象徴する場所。
初心者にはなかなか勇気が要る雰囲気ではあるものの、一度は体験してほしいです!
ジョージア流ビアガーデン!【ルディ・カズベキ】
日本の夏の風物詩といえば、屋外で夜風に吹かれながらのビアガーデン。
ここトビリシにも似たようなスタイルの飲食店があり、ムトゥクヴァリ川からの風に吹かれながらジョージアンビールを堪能することができます。
それが、このルディ・カズベキ(Ludi Kazbegi / ლუდი ყაზბეგი)。【マップ 赤③】
「ルディ=ビール」の意味で、その名の通り、ジョージア国内最高峰であるカズベキ山の名を冠した「カズベキビール」を製造する工場に併設されたビアガーデンです。
全国的にポピュラーな銘柄であるカズベキビールは、日本のラガービールに近いキレとのどごしで根強いファンも多い銘柄。
スーパーやコンビニでももちろん購入可能ですが、開放的な空間で飲むできたてのビールは、ひと味違う美味しさです。
ルディ・カズベギのビアガーデンは、広々とした半屋外のテラス席を有する超開放的&ローカルな雰囲気がウリ。
価格もかなりリーズナブルで、生ビールが1杯3GEL(=¥150)で飲めてしまう天国そのものな空間です。
フードメニューも充実していて、ジョージア料理の定番系は勢ぞろい。
仲間たちと数人でワイワイ楽しむにはもってこいです!
ローカル感あふれるビアガーデンではあるものの、このお店の料理は意外に味が良いのもおすすめポイント(やや塩がきつめの日もあるにはあるけど)。
フード類の値段もトビリシにしてはかなり良心的な方で、とにかく開放的な雰囲気が素晴らしいので、ぜひとも一度は足を運んでみては?(特に夏場は最高に良い)
これぞジョージアならではの体験!【中央市場の立ち飲み屋】
ジョージアという国は、果てしない飲み文化が強く根付いている地。
「スプラ」と呼ばれる伝統的な宴においては、神への感謝や家族への愛を語ってはただひたすらにワインや蒸留酒を飲みまくる…というエクストリームな飲みの場が日夜繰り広げられています。
そんなジョージアの飲み文化を象徴しているのが、トビリシ中央市場に数軒残った立ち飲み屋。【マップ 赤④】
時代から取り残されたような雰囲気と、果てしない場末感に満ち溢れた小さな飲み屋は、その名の通り市場で働く男たちがその日稼いだお金でサッと飲んでいくための場所です。
客層はほぼ100%地元の男性ということもあり、初心者にはなかなかハードルが高めなトビリシの立ち飲み屋。
客たちは言葉こそ通じませんし絶えず酔っぱらっていますが、実は話してみると意外に良い人だったりすることも。外国人を見かけるとやたらと奢りたがるおじさんなんかも、いまだに存在しているくらいですから…
そんなわけで、飲める口ならぜひとも一度は体験してみたい立ち飲み屋。
とにかくエンドレスに飲まされることになるので、それなりの覚悟を持って挑みましょう(笑)
伝統の窯焼きパン作りを見学!【トネ】
ジョージア人の主食と言えば、もちろんパン。
最近ではヨーロッパのようなスタイルのパンも手に入りますが、伝統的なパンは「トネ」と呼ばれる地中に設置された窯の中で焼かれるものです。
トビリシには各ストリートに一軒は必ず、このトネを備えたパン屋があり、焼きたてアツアツの窯焼きパンを安価で提供してくれます。
中には、上の写真のように凝った外観の窯焼きパン屋も。【マップ 赤⑤】
昔ながらの低価格でパンが買えることもあり、のぶよはこの店を「トビリシで一番美しい窯焼きパン屋」として、勝手に推しています。
地中の窯でパンが焼かれる光景は、まさにジョージアならではの異文化体験。
喜んで見学させてくれる店も多いのが嬉しいです。
塩気が効いたジョージアのパンは、やや硬めの食感と巨大なサイズが最大の特徴。
伝統のパン文化を実際に見学し、焼きたてのパンを買ってその場でかぶりつくのも、トビリシで絶対に体験したいことの一つです。
ソ連時代の大衆食堂でタイムスリップグルメ体験!【Sasadilo Coca-Cola】
トビリシでのフード体験。続いては、ソ連時代にタイムスリップしたような雰囲気が味わえるダイナー(大衆食堂)を紹介します。
市内北部のアカキ・ツェレテリ通り沿いにあるSasadilo Coca Colaは、ソ連時代から営業を続ける大衆食堂。【マップ 赤⑥】
こうしたお店はもうトビリシには数えるほどしか残っていないのですが、このお店が往年の雰囲気を最も色濃く残していると言えるかもしれません。
観光客はまずやって来ない立地もあり、客層はほぼ地元の男たち。
さっと食事してさっと去っていくのが定番スタイルのようで、ソ連エプロンを着用したおばさんたちが常に忙しそうに広々としたホールを行き交っています。
雰囲気はもはや21世紀のものではないSasadilo Coca-Colaですが、料理の味は確かなのでご安心を。
メニューは定番のジョージアの食堂料理といった感じで、特にスープ系がおすすめです。
時が止まったようなソ連感も、なかなかに美味しい料理も、キンキンに冷えたビールも魅力的なこの店ですが、最大の魅力はオーナーの頑固おやじ。
「ジョージア語以外は絶対に話さない!」という信念の持ち主のようで、外国人には素っ気ない対応をしてくるのですが、こちらが少しでもジョージア語で注文しようとすると心を開いてくれます。
店のおばさんたちの愛嬌も良く、トビリシにまだこういった店が残っているのは奇跡のようなもの。
店の周辺にはエキスポ・ジョージアなどのソ連スポットもあるので、セットで訪れてみては?
トビリシの多民族な一面に触れる!【ロシア&ウクライナ料理の食堂】
引き続き、「ソヴィエト・トビリシ」らしいフードカルチャーが味わえるスポットをば。
市内南東部のイサニ地区にあるPelmeni No.1という、ソ連時代から何ひとつ変わらぬ内装とソ連時代の料理が名物の食堂です。【マップ 赤⑦】
このお店の料理は、ソ連時代に各地に広まった定番メニューが揃ったもの。
ボルシチやキエフ風カツレツ、ビーフストロガノフなどの定番はどれも美味しいのですが、看板メニューは店名の通り、ペリメニ(ロシア発祥の水餃子)です。
Pelmeni No.1のペリメニは独特で、陶器の壺に手作りのペリメニとたっぷりのサワークリームを入れてオーブンで焼き上げるという調理法が特徴的。
ちゅるんちゅるんの生地と肉汁たっぷりの具、まろやかなサワークリームとバターのスープの相性が抜群で、正直「これを食さずにトビリシを去るのは人生損してる」と断言できるレベルに美味しいです。
お店の人のサバサバしていながらもウェルカムな対応も含めて素敵なお店なのですが、Pelimeni No.1最大の良さは、客層の多民族さにあります。
Pelmeni No.1があるイサニ地区周辺は、昔からアルメニア人住民が多いエリア。
近隣のアルメニア人に加え、他エリアからペリメニを食べに来たジョージア人、最近ではトビリシに長期滞在しているロシア人やウクライナ人客の姿も増えてきました。
そんなわけで、店内での共通語はジョージア語ではなくロシア語。
母語も宗教も異なる民族が肩を寄せ合いながらロシア語で意思疎通しつつ暮らしていたソ連時代を、ここまでぎゅっと凝縮したような空間は、もうトビリシにはこの店以外に残っていません。
トビリシにいながらアジア気分!【フアリン地区のリトル中華街】
最近でこそ、ジョージア料理以外の食事の選択肢がグッと増えたトビリシ。
しかしながら、本格的な味の異国料理をちゃんと出す店はまだまだ少なく、日本食や中華などのアジア料理に関しても「なんちゃって」な店ばかりなのが現状です。
そもそも外食費が高めであるトビリシにおいて、異国料理はかなりの贅沢品。
アジアの味を食べようとしてもそれなりの値段がする店ばかりで、しかも高いのに味は本格的ではない…というジレンマに陥る日本人も多いかもしれません。
そんな時に救世主となるのが、中心街から路線バスで40分ほど行った場所にあるフアリン地区。【マップ 赤⑧】
トビリシ・シーの南側にある広大なエリアで、中国資本のショッピングモールや家具屋が誘致された、「ジョージア&中国友好」を象徴する未来のリトル中華街のような地区です。
フアリン地区はまだまだ開発途中で、なんともがらんとした寂しい雰囲気。
見どころこそ何もないエリアですが、中華料理とウイグル料理の二軒のアジア食堂がひっそりと営業しており、どちらも味はガチの本場ものです。
いずれのお店も、調理や接客は中国人やウイグル人。
客層もほぼ100%中国出身者で占められていることもあり、味はお墨付きです。
価格も中心街の中華レストランに比べてかなり良心的で、食のためだけにわざわざフアリン地区に出向く価値が大いにあるというもの。
連日のジョージア料理漬けに飽きてしまったら、気分転換も兼ねて足をのばしてみては?(まじでここの中華食堂で焼き餃子を食べて感動してほしい)
名物ワインが量り売りで買える!【ワインギャラリー】
ジョージアと言えば、ワイン発祥の国。
約8000年前から現在にまで続く伝統的なワイン造りはUNESCOの世界無形文化遺産にも登録されており、ジョージアという国を語る上でワインは切っても切れない存在です。
ジョージアならではのワイン文化にどっぷり浸りたいなら、トビリシを抜けて地方部へと足を運ぶべきなのですが、首都のど真ん中でもワイン文化が感じられるスポットはあります。
それが、マルジャニシュヴィリ地区の南部にあるワインギャラリー(Wine Gallery)。【マップ 赤⑨】
優雅なたたずまいの建物の一階部分は普通のワインショップそのものですが、この場所の真髄があるのは地下部分。
ワイナリーを模したであろうミステリアスな雰囲気の巨大な地下空間が口を開けており、これまた巨大な樽に詰められたワインを量り売りしてくれるのです。
ワインギャラリーで量り売りしてくれるワインは、季節にもよるものの常時7~8種類。
定番の白ワイン「ルカツィテリ」から、伝統のクヴェヴリ製法のワインなど、どれもトビリシにしてはかなりリーズナブルな料金で購入できます。
ジョージアの飲み文化を支える存在!【生ビール屋】
ジョージア=ワインのイメージが強いですが、実はビール文化もかなり強く根付いています。
ジョージアのスーパーマーケットや小さな商店に行くと、アルコール売り場にビールサーバーが設置されており、ペットボトルに生ビールを注いで量り売りしてもらうことが可能。
他の国ではあまり見かけない光景なので、最初はびっくりするかもしれません(日本にもあったら良いのに…)。
トビリシのみならず、ジョージア全国どこでも見られるペットボトル生ビールを売る店ですが、のぶよのおすすめはこちら。
マルジャニシュヴィリ地区の南側にある、生ビール専門店です。【マップ 赤⑩】▼
このお店で売られているのは、十種類ほどの異なる銘柄の生ビール。
他にはつまみ用のスナック菓子や魚の干物が売られているだけで、飲みたい人向けに特化しまくった店です。
ジョージアの国民的銘柄であるKazbegiや、安ビールの代名詞であるHerzogなど定番系の銘柄が揃っていますが、おすすめはGoodmanというビール。
トビリシで製造されている地ビール銘柄で、缶や瓶で出回っているのはレア。
生ビールとして置いてある店もほとんどなく、幻のビールといったところです。
Goodmanはやや濃厚な舌触りとコクが感じられるラガーといったところで、奥深い風味がクセになる味わい。
このマルジャニシュヴィリ地区の生ビール屋以外で見かける機会はほとんどないので、ぜひとも購入してトビリシならではのビール体験をしてほしいです!
手軽にジョージアの味を再現!【手作りヒンカリをお持ち帰り】
数あるジョージア料理の中でも、最もアイコニックな存在であるヒンカリ。
ヒンカリ柄の靴下やマグネットがどこでも売られているように、この国を象徴するアイテムの一つだと言えます。
「ヒンカリはレストランで食べるもの」と考えている旅行者も多いでしょう。
確かに、小麦粉生地をこねて、具を包んで…と自作するのはかなり大変&難易度が高いです。
しかしながら、トビリシでは手作りのヒンカリを冷蔵/冷凍したものを販売しているお店が多くあります。
店によって皮の質感や具の味付けが異なるので、好みの味のヒンカリを売る店に出会えたらラッキー。
のぶよ的にかなり美味しいヒンカリを売っている店が、マルジャニシュヴィリ地区の裏通りにあるこちらのお店です。【マップ 赤⑪】▼
売られているのはヒンカリだけではなく、ペリメニやクパティ(ソーセージ)、トルマ(ロールキャベツ)やコトレテイ(ハンバーグ)などさまざま。
いずれもこのお店の自家製で冷凍/冷蔵したものが安価で販売されており、各家庭で茹でたり焼いたりして調理するだけというスタイルです。
ジョージアの中でも、こうした半出来合いの料理を冷凍/冷蔵で売るスタイルはトビリシに顕著に見られるもの。
首都だけに忙しい人が多い=半出来合いの料理の需要が高いのではないかとのぶよは睨んでいます。
旅行者でも1個単位から購入できるヒンカリですが、自分で調理する際にはいくつかのポイントを押さえておきましょう。(ちゃんと手順に従わないと破けてしまう)
①できるだけ大きな鍋にたっぷりのお湯を沸かし、塩を少々
②お湯が沸騰したら冷凍/冷蔵のヒンカリを入れ、ヒンカリが浮かび上がってくるまで絶えずかき回す
③ヒンカリが浮かびあがってきたら蓋をせずに、冷凍→8~10分/冷蔵→7~8分茹でる
こんな感じ。ポイントは皮が破けてしまうことをいかに防ぐか。
ヒンカリが鍋にくっついたりヒンカリ同士がくっついてしまうと、皮が破れて具が外に出てしまいます。
大きな鍋を使い、茹でる際に鍋底にくっつかないようにかき回し、皮が破けないように蓋をしない(蓋をすると生地が膨張しすぎて破ける)というのがヒンカリ調理時のポイント。
これを守らずに適当に茹でてしまうと、皮がやぶれてお湯でびしゃびしゃの激マズヒンカリとなってしまうので要注意です。
そんなわけで、お気に入りのヒンカリ屋で購入したヒンカリを宿泊先で調理してみるのも、トビリシならではのフード体験。
せっかくジョージアに来たなら、ヒンカリくらい茹でられるようになってから日本に帰りたいものです!
昔ながらの雰囲気でローカルグルメに感動!【ローカル食堂めぐり】
トビリシのとっておきのスポットを色々と紹介してきた本記事。
そのラストを飾るのは、トビリシのフードカルチャーが詰まったローカル食堂めぐり体験です。
お洒落なレストランやモダンなフードコートばかりになってきているトビリシの外食シーンですが、数十年前から何一つ変わらぬ雰囲気で営業を続けるローカル食堂もちらほらと残っています。
ローカルの人々に愛される食堂は、もはやトビリシでは風前の灯。
それぞれ看板メニューとなっているメニューは異なるので、できるだけ多くの店を周ってローカルな味を堪能したいものです。
飾らないローカルな味わいが素敵な絶品料理はもちろんのこと、地元の人々が集まる昔ながらの雰囲気が色濃く残っているのも、トビリシの食堂の醍醐味の一つ。
トビリシのおすすめ飲食店については別記事(こちらもかなりのボリューム)で一挙紹介しているので、気になるお店をピックアップして探訪してみましょう!▼
おわりに
トビリシ観光の際にぜひともチェックしたい穴場の見どころや、この町ならではの体験、グルメやカルチャーや散策コースまで…とにかく、トビリシという町を楽しみつくすためのTipsを一挙紹介しました。
ここまで読んでくれた人、疲れたのではないでしょうか?…書いてるのぶよはもっともっと疲れています(笑)
定番観光スポットを順番に周るだけでももちろん楽しめるトビリシですが、できればたっぷりと時間をとって暮らすように滞在したいもの。
長く居れば居るほどにこの町の底なしの魅力に気づき、そしてさらに長く滞在したくなることでしょう。
とてつもなく長い&マニアックな内容の記事となりましたが、この記事がトビリシという町の奥深い魅力を感じるためのヒントになればなにより嬉しいです!
それではみなさん、どうぞ充実したトビリシ滞在を!
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