こんにちは!ジョージア北西部のスヴァネティ地方を3週間旅した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
とにかくたくさんのトレッキングコースがあるスヴァネティ地方。
中心の町であるメスティアからの日帰りトレッキングで一番人気なのが、コルルディ湖群(Koruldi lakes / კორულდის ტბები)をめざす絶景コースです。
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コルルディ湖群とは、メスティアの町の北側にそびえる山の標高3000m以上の地点に点在する氷河湖のこと。
コーカサスの山々を反射するブルーの湖面がとても美しく、「天空の湖」と称されるほどに神秘的な風景が広がります。
心が震えるほどの感動を表したいときの人間の言語能力なんてたかがしれたもので、4時間歩いてようやくこの景色を目前にして、思った。いや、声に出してつぶやいた。
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の旅する翻訳家 (@taisuke5696) September 28, 2020
「え、何これまじで。やっっっば。」#ジョージア pic.twitter.com/ewvZcOK4HQ
また、コルルディ湖群に至るまでの道からもかなりの絶景が望め、丸一日かけて大自然の素晴らしさを感じることができます。
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今回の記事では、メスティア滞在中に絶対に挑戦したいコルルディ湖群トレッキングコースを紹介するもの。
高低差がかなりあるので体力がある人向けのコースとなりますが、実はトレッキング以外にも湖へアクセスする方法があるのもポイント。
子供連れの人や歩くのが苦手な人でも手軽に大自然の神秘を味わうことができますよ!
コルルディ湖群トレッキングコース詳細
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メスティアに滞在する多くの旅行者がコルルディ湖群の観光をスキップしてしまう理由の一つが、アクセスの難しさにあります。
距離こそ片道7kmほどと短いものの、標高1600mほどの場所にあるメスティア中心街から「天空の湖」までは、約1300mほどの高低差があり、ご想像の通り体力的に楽なトレッキングコースではありません。
往復で7時間ほどかかるため、ほぼ丸一日のトレッキングとなります。
メスティア~コルルディ湖群トレッキング詳細
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・所要時間:往路4時間/復路3時間
・距離:片道7.2km
・高低差:▲▼1300m
・難易度:★★★★☆
トレッキングコース上で最も難易度が高いのが、最初のメスティア中心街~十字架の丘の区間。
かなりの傾斜がある山道を3km以上歩くこととなり、歩き慣れていない人はかなりハードに感じるでしょう。
十字架の丘~コルルディ湖群までは比較的坂は緩やか&歩きやすい道が続くので、自信がない人は十字架の丘までタクシー等を利用してアクセスすることをおすすめします。
この区間のコース詳細
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・所要時間:2時間15分
・距離:3.5km
・高低差:▲800m
トレッキングの序盤に最大の難所が待ち構えているのが、このコース最大の特徴。
3.5kmの距離で高低差800mの山を登るというのは、結構なハードさです。
メスティア中心街を出発したら、集落を北西方面に歩いていきましょう。
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このあたりの集落はすでに山の斜面に広がっているものの、傾斜は緩やか。
途中で川にぶつかるので、それを北方向に歩いて行くと山道の入口に到着します。
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集落を抜けて山道に入ると傾斜がいきなりきつくなりますが、これはまだ序の口。
道なりに歩いていくとだんだんと雑木林が生い茂る山道となってきて、さらに傾斜がきつくなります。
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この急坂の雑木林ゾーンは、2.5kmほども休みなく続くもの。
想像以上に時間がかかり、体力を消費することを覚悟しておきましょう。
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メスティアを出発しておよそ2時間ほど。
斜面を登りきったところに現れるのが、最初のポイントである十字架の丘です。
十字架の丘までの東周りルート
実は、上で紹介した西周りルートとは別に、十字架の丘まで東周りに歩くルートも存在します。
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・所要時間:2時間半
・距離:4.9km
・高低差:▲790m
東周りルートは、西周りよりも1.5kmほど距離は長くなるものの、その分傾斜はまだまし。
どちらのルートが良いかは完全に好みとなりますが、少しでも坂が緩いコースを歩きたい場合のオプションとしては最適だと思います。
スヴァネティ地方の山々を一望!十字架の丘
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メスティア中心街から見ると、ちょうど真北に位置する十字架の丘。
その名の通り、一基の十字架が凛と佇むビューポイントとなっており、メスティアの東に広がるスヴァネティ・ヴァレーとテトヌルディ山を一望することができます。
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正面に広がるのは、メスティアの町の全景。
その奥(南側)にはズルルディ山脈にの山々が一望でき、スキーリフトが敷かれた先にあるハツヴァリ展望台も確認できます。
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北方向を振り向くと、空を突き刺さんばかりのコーカサス山脈の山々の堂々とした姿が。
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東西南北、360°の大パノラマに囲まれる十字架の丘は、コルルディ湖群まで残り半分くらいのポイントなので、休憩スポットにも最適。
この先もまだまだ道は続きますが、傾斜は比較的緩やかになります。
この区間のコース詳細
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・所要時間:1時間45分
・距離:3.8km
・高低差:▲550m
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しっかりと休憩をとったら、コルルディ湖群まで残り半分の道のりを歩いて行きましょう。
十字架の丘からは、ひたすら北方向に歩いて行くだけ。
一本道なので迷うこともありません。
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出発してやや急な上り坂が終わったあたりのエリアには、羊飼いたちが半居住している羊飼い小屋が点在しています。
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羊飼い小屋付近は、スヴァネティ・ヴァレーを望む絶景ポイントの一つ。
飼い犬が放し飼いにされていて、吠えてくる場合があるので、小屋自体にはあまり近づかない方が良いかもしれません。
羊飼い小屋から少し先に進むと、ジープが通った跡が重なってできた道にぶつかるのでそれにそって歩いて行きます。
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道の途中の右側には、メスティア北東部の国境付近にあるチャラアディ氷河とその谷間を一望できるポイントがあるのでお見逃しなく!
十字架の丘を出発しておよそ30分ほどで、「ジョージア湖」と呼ばれる氷河湖に到着します。
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見ての通り、夏の間に水が蒸発してしまい、湖というよりもただの草原と化していました。
6月・7月など初夏なら、雪解け水が溜まった美しい湖本来の姿が見られると思います。
ジョージア湖を過ぎて500mほど歩くと、それまでかなり緩やかだった坂道が一気に急になる区間となります。
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この1km弱続く急坂が最後の難所。
登り切った地点には小さな十字架が設置されており、ゴール地点のコルルディ湖群は目と鼻の先です。
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コーカサスの山々を反射する天空の湖!コルルディ湖群
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メスティアから歩いた場合は、およそ4時間ほどかけてようやく到着するコルルディ湖群。
到着した地点から眺める湖の第一印象は、「え…普通の湖では…」と、決して感動の風景ではないかもしれません。
コルルディ湖群には大小さまざまな湖がいくつか点在しているのですが、注目すべきは最も東側にある湖。
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さほど大きくない湖ではあるものの、雪をかぶった山々を間近に望む風景には心を奪われるはず。
そして湖畔へと近づいていくにつれ、さらなる感動が待っているのもポイント。
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この最も東の湖の湖畔からは、神秘的なブルーの湖水にコーカサスの山々が反射する景色を見ることができるのです。
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標高が高いからなのか、雲の形の移り変わりもかなり激しく、一瞬ごとに湖面に映る風景は変わっていきます。
まるで大自然が作り出したショーを観ているかのような気分になり、ずっとその場に残って観賞していたくなるはずです。
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最東部の湖に加えてもう一つおすすめしたいのが、コルルディ湖群の北側の斜面を少し登ってみること。
かなり傾斜はきつく、「ここまでさんざん登ってきたから、もう登るのはイヤ!」と思ってしまいそうですが、ぜひ登りましょう!
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急坂を200mほど登った地点は、山々の間に点在するコルルディ湖群全体を一望できるポイント。
近くで眺めるよりもさらに開放的で神秘的な風景が広がっていて、「天空の湖」と称される理由が一目瞭然です。
実はこのポイントからも道はさらにさらに北へと続いており、急斜面を越えた先にはウシュバ山が一望できるビューポイントがあるそうで、体力と時間が許すなら先へ進むのもおすすめ。
のぶよの場合はコルルディ湖群到着前の時点で、ウシュバ山は雲に覆われて見えなかったため、今回はここまでにしておきました。
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苦労してここまでやってきた人だけが見られる、特別な「天空の湖」。
現実離れした風景から離れるのは名残惜しいですが、ここからメスティアまで下山するなら同じコースを下って3時間ほどの所要時間。
日が暮れてから急斜面を下るのはかなり危険なので、時間には余裕を持って帰路につきましょう。
徒歩以外のコルルディ湖群へのアクセス方法
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コルルディ湖群トレッキングコースの詳細情報と見どころを解説してきました。
メスティア滞在中に絶対に訪れたい場所の一つなのですが、湖まではかなりの急坂が続くコースなので、歩くのが得意ではない人には難しいのがネック。
ご安心を。コルルディ湖群へのアクセス方法はトレッキングだけではありません。
メスティア中心街からタクシー利用(十字架の丘まで)
トレッキングコースのちょうど中間地点に位置する十字架の丘までは、一般の車でも通行できる道が敷かれているので、タクシーでアクセスすることも可能。
メスティア中心街のバスステーション付近には、客待ちしているタクシーが常に数台は停まっているので料金を交渉しましょう。
相場は、十字架の丘までの片道で、1台100GEL~150GEL(=¥3128~4692)。
往復では1台200GEL(=¥6256)~となりますが、十字架の丘~コルルディ湖群間を往復トレッキング(所要3時間)している間に待機していてもらう場合は、料金が跳ね上がってくることを覚悟しておきましょう。
行きのメスティア→十字架の丘までがコース上で最も傾斜がきつい最難所となるため、この区間のみタクシーを利用して、あとは自分の足で歩くのが良いかもしれません。
十字架の丘→コルルディ湖群間は上りではあるもののまで傾斜はましで、コルルディ湖群→メスティア間はずっと下り坂なので体力的にはそこまでハードではありません。
メスティア中心街から4WDツアー利用(コルルディ湖群まで)
「とにかく歩く距離を最低限にしたい!」という人は、メスティア中心街から4WDの現地ツアー利用も一つのオプション。
メスティア中心街のバスステーション周辺には、観光マルシュルートカ(乗り合いミニバス)のチケットを販売しているオフィスが数軒あり、周辺への4WDツアーの斡旋も行っています。
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ツアーの料金相場や内容は、季節や参加人数によって大きく変動してきます。
・人が集まらない場合は催行されない
・結構強気な料金設定
であることがほとんどなので、こちらも交渉は必須です。
おわりに
メスティアに滞在するなら絶対に見逃せないコルルディ湖群へのトレッキングコースを解説しました。
スヴァネティ地方の日帰り可能なトレッキングコースの中では、おそらくここが最難関だと思います。
とは言え、歩き慣れている人なら特に問題なく歩けるでしょう。
ただ、往復全ての区間を自分の足で歩くなら、翌日は筋肉痛で動けなくなること必至なので(笑)、プランニングにはくれぐれも余裕を持って挑戦してくださいね!
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