こんにちは!イスタンブールを満喫中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ヨーロッパとアジア、二つの大陸にまたがる町・イスタンブール。
現在でこそ、海底トンネルで二つの大陸は結ばれているものの、ヴァプール(vapur)と呼ばれるフェリーはいまだに市民の足として大活躍しています。
格安で移動できるイスタンブールカードが使え、観光客でも簡単&気軽に利用できるヴァプール。
しかし、一つ難点があります。
それは、発着地が複数あるため、どこから船に乗ればいいのか分かりにくいこと。
今回の記事では、イスタンブールのヨーロッパ・アジア間の移動に使えるヴァプールの路線や料金、運航会社等の基礎知識をはじめ、市内に複数あるフェリー港について解説していきます。
イスタンブールの海上移動は、これでバッチリなはず!
イスタンブールのフェリー路線の3つの基礎知識
どの船がどこから出るのか解説する前に、イスタンブールのヴァプール(フェリー)について知っておくべき3つのことがあります。
・フェリーの運航会社
・各社の運賃
・フェリーが走っている路線
というのも、路線や会社によって、どこの港から船が出るか変わってくるためです。
1.主な船会社は2種類
イスタンブールの海上移動で、観光客が利用するのは、シェヒル・ハトラル社とトゥルヨル社の2つ。
いずれも同じ路線を運航していることが多いのですが、ターミナルは異なるので注意が必要です。
他にも、イスタンブール~ブルサ(Bursa)というユニークな路線を運航しているBUDO社などがあり、いずれも専用のターミナルを持っています。
シェヒル・ハトラル社(Şehir Hatları)
イスタンブール市が運航しているシェヒル・ハトラル社(Şehir Hatları)は、大型の船を使用し、最大の路線網を誇ります。
基本的に自社専用フェリーターミナルからの発着となりますが、エミノニュでのシェヒル・ハトラル社の出航場所は、行き先により細かく分かれているので要注意。
※詳細は後述しています。
トゥルヨル社(Turyol)
シェヒル・ハトラル社に次いで、豊富な路線網を誇るトゥルヨル(Turyol)社。
大型船ではなく、モトル(Motor)と呼ばれる中型船を運航しており、シェヒル・ハトラル社よりも所要時間がやや短めなのがポイント。
こちらも自社専用ターミナルを持ちますが、シェヒル・ハトラル社のものと比べるとこぢんまりとしたものが多いです。
2.各フェリー路線の運賃
基本的にどの会社のフェリーでもイスタンブールカードが利用でき、料金もほぼ同じであるイスタンブールのフェリー会社。
以下、シェヒル・ハトラル社とトゥルヨル社の路線別の運賃を比較した表です。
※各路線の詳細については次の項で解説しています。
シェヒル・ハトラル社 | トゥルヨル社 | |
ヨーロッパ~アジア線 | 3TL(=¥56)
※ウスキュダル~エミノニュ線のみ2.7TL(=¥51) |
3TL(=¥56) |
金角湾ライン | 2.6TL(=¥49) | 運航なし |
ボスポラス海峡ライン | 2.6TL(=¥49) | 運航なし |
プリンセス諸島ライン | 5.2TL(=¥98)
※乗り換え3.5TL(=¥66) |
10TL(=¥189) |
※全てイスタンブールカード利用時の料金。
プリンセス諸島線以外はほぼ同じ料金なので、都合にあった時間帯の船会社を選んでOKということとなります。
3.イスタンブールの主なフェリー路線は4種類
↑地元の人々の移動手段となっているヴァプール(フェリー)
観光客が利用するイスタンブールのフェリー路線は、以下の4種類に絞られます。
・ヨーロッパ側~アジア側ライン
・金角湾ライン
・ボスポラス海峡ライン
・プリンセス諸島ライン
各路線の発着地やルートを見ていきましょう。
ヨーロッパ側〜アジア側ライン
ヨーロッパとアジアを結ぶ路線は、旅行者の多くが一度は利用することでしょう。
ヨーロッパ側で利用しやすいのは、エミノニュ(Eminönü)、カラキョイ(Karaköy)の2つの港。
いずれも新市街と旧市街の間に位置しており、トラムヴァイ(路面電車)1号線の駅もそれぞれあるため、アクセスしやすいです。
それ以外にもカバタシュやベシクタシュなど新市街東側の地区からの船もあります。
アジア側で観光客が利用するのは、ユスキュダル(Üsküdar)とカドゥキョイ(Kadıköy)の2つの港。
特に、アジア側で最も発展しているカドゥキョイ地区への路線を利用する人が多いのではないでしょうか。
カドゥキョイの北側にあるユスキュダルには、有名な乙女の塔(Kız Kulesi)があります。
金角湾ライン
シェヒル・ハトラル社のみが路線を持つ、金角湾ライン。
新市街のカラキョイから、金角湾を西に走ってエユップ(Eyüp)へと至ります。
もちろん途中下船も可能なので、中心街とは一味違うイスタンブールの地区を観光するにはとてもおすすめ。
多くの観光客でごった返すボスポラス海峡クルーズに比べて、ローカルなクルーズ気分が味わえる穴場の路線です。
ボスポラス海峡ライン
ヨーロッパとアジアを隔てるボスポラス海峡を北上するボスポラス海峡ラインは、イスタンブール通におすすめしたいローカルな路線。
イスタンブールカードを利用すれば、市内交通と同じ2.6TLで移動することができます。
運航はシェヒル・ハトラル社のみで、旅行者にとってはなかなか利用しづらい時間のものが多いですが、上手に使えば途中下船しながらのボスポラス海峡船旅が楽しめます。
プリンセス諸島ライン
シェヒル・ハトラル社、トゥルヨル社他数社の船が運航しているプリンセス諸島ライン。
イスタンブール市街地の南20kmほど、マルマラ海に浮かぶ4つの島には、イスタンブール中心街の喧騒と人ごみとは無縁の世界が広がります。
こちらの路線もイスタンブールカードの利用が可能ですが、距離があるためか普通より高い運賃(5.2TL=¥98~)が適用されます。
イスタンブールの主なフェリーターミナル
エミノニュ港
イスタンブールのヨーロッパ側最大のフェリー発着地であるエミノニュ(Eminönü)。
トラムヴァイ1号線の駅があり、旧市街から最も近いこともあって、常に多くの人で混雑しています。
エミノニュのシェヒル・ハトラル社のフェリー出発港はかなりややこしく、行き先別に細かく分かれています。
一方のトゥルヨル社はどの行き先も一つの港なので分かりやすいです。
1.トゥルヨル社港
ガラタ橋の西側にあるのがトゥルヨル社専用の港。
エミノニュ発着のトゥルヨル社の全ての路線がこの港を使用します。
主な行き先
ユスキュダル
カドゥキョイ
Turyol社ボスポラス海峡ショートクルーズ
プリンセス諸島ライン
2.エミノニュ〜カドゥキョイ線
ガラタ橋の東側には、シェヒル・ハトラル社の港が行き先別に並びます。
最もガラタ橋に近い港からは、アジア側のカドゥキョイ行きのフェリーが発着します。
3.エミノニュ〜ユスキュダル線・ボスポラス海峡ライン
こちらもシェヒル・ハトラル社の港。
アジア側のユスキュダル行きのフェリーが発着します。
注意したいのが、ボスポラス海峡沿いの町へと向かうボスポラス海峡ラインの発着港でもある点。
次に紹介するボスポラス海峡クルーズツアーとは異なる、地元の人向けの定期船なので、お間違えの無いようご注意を。
↑よく見ると、”Bosphorus Line”とちゃんと書かれています。
4.プリンセス諸島線&ボスポラス海峡クルーズツアー港
シェヒル・ハトラル社のプリンセス諸島ラインやボスポラス海峡クルーズツアーを利用する場合は、こちらの港からの発着です。
ターミナル前には、クルーズツアーやアクティビティのチケットを売ろうとしてくる旅行会社のブースがあるので分かりやすいです。
↑客引きがかなりウザめのツアーブース
シェヒル・ハトラル社のボスポラス海峡クルーズツアーはロングコース、ショートコースともに1日1便ずつ。
それ以外の時間はプリンセス諸島行きのフェリー専用の港となります。
↑ツアー参加者専用の待合所は、ツアー出発時間前後のみオープン。
5.BUDO社ブルサ行フェリー
カフェに併設しているのが、BUDO社のブルサ(Bursa)行きのフェリー港。
バスよりも格安の40TL(=¥757)という値段でブルサまで船で行くことができます。
こちらはイスタンブール市内移動ではないので、イスタンブールカードはもちろん適用外。
ターミナルに併設されたチケットオフィスでチケットを購入する必要があります。
エミノニュの埠頭には、名物のスィミット(Simit)を売る屋台が建ち並びます。
スィミットとは、トルコ風ベーグルのことで、ゴマがたっぷりかかっていて香ばしい風味が特徴。
1個1.75TL(=¥33)と安く、軽食にはぴったり。
美しいボスポラス海峡の景色を眺めながらスィミットを食べる(時にカモメに餌付けも)のは、イスタンブール船旅の醍醐味の一つです。
カラキョイ港
エミノニュからガラタ橋を渡った北側にあるのが、カラキョイ(Karaköy)。
エミノニュと比べると人の数はぐっと減り、ローカル感漂う港町な雰囲気の地区です。
カラキョイにはフェリー港は二つしかなく、シェヒル・ハトラル社のとトゥルヨル社の会社別に分かれているだけなので簡単です。
1.トゥルヨル社ターミナル
ガラタ橋の西側にあるのが、トゥルヨル社のフェリーターミナル。
行き先はアジア側のユスキュダル・カドゥキョイか、ガラタ橋対岸のエミノニュのみとなります。
2.シェヒル・ハトラル社ターミナル
ガラタ橋東側を100mほど歩いたところにあるのが、シェヒル・ハトラル社のフェリーターミナル。
アジア側のユスキュダル行きがメインですが、金角湾ラインの発着地としても利用価値が高いです。
主な行き先
金角湾ライン
ユスキュダル
カドゥキョイ
カドゥキョイ港
イスタンブールのアジア側の中心的な地区が、カドゥキョイ(Kadıköy)。
観光客であふれかえるヨーロッパ側に比べると、地元の人の普段の生活が感じられるエリアです。
エミノニュ、カラキョイとは頻繁に運航されているヴァプールで結ばれており、日帰りで散策することも十分に可能です。
1.メイン・フェリーターミナル(シェヒル・ハトラル社・トゥルヨル社)
ヨーロッパ側とカドゥキョイを結ぶ船は、メイン・フェリーターミナルの発着となります。
シェヒル・ハトラル社、トゥルヨル社に関係なく、同じターミナルなのがポイント。
しかし、ターミナル内で乗り場が数か所に分かれているため、乗船時には行き先の確認が必須です。
主な行き先
エミノニュ
カラキョイ
2.オールド・フェリーターミナル(シェヒル・ハトラル社)
メイン・フェリーターミナルから100mほど南にあるのが、オールド・フェリーターミナル。
こちらはシェヒル・ハトラル社専用の港で、新市街側北に位置するベシクタシュやプリンセス諸島へ向かう便や、ボスポラス海峡沿いの町へと向かうボスポラス海峡ラインが発着します。
ターミナル内には二つの乗り場があり、ベシクタシュ行き、プリンセス諸島/ボスポラス海峡ライン方面と分かれています。
↑”Adalar”はトルコ語でプリンセス諸島のこと。
主な行き先
ベシクタシュ
プリンセス諸島
ボスポラス海峡ライン
3..トゥルヨル社プリンセス諸島線ターミナル(トゥルヨル社)
オールド・フェリーターミナルからさらに南100mほどのところにあるのが、トゥルヨル社専用の港。
トゥルヨル社運航のプリンセス諸島線が主に発着します。
プリンセス諸島線の始発地/終着地は旧市街側のエミノニュなので、ここからでもエミノニュへ移動することが可能です。
ユスキュダル
アジア側北側に位置するユスキュダル地区(Üsküdar)は、ヨーロッパ側はもちろん、金角湾沿いの町を結ぶ金角湾ラインや、ボスポラス海峡沿いの町を結ぶボスポラス海峡ラインの発着地となっている場所。
アジアとヨーロッパをたった4分で結ぶ海底鉄道・マルマライ(Marmaray)の駅もあり、アジア側の交通のハブとして大きな役割を持つ地区です。
1.トゥルヨル社ターミナル
ユスキュダル港の最も北側に位置するのが、トゥルヨル社専用ターミナル。
ユスキュダルでは、トゥルヨル社の船は全てここからの発着となります。
主な行き先
エミノニュ
カラキョイ
トゥルヨル社ボスポラス海峡クルーズショートツアー
2.Dentur Avrasya社ターミナル
次の港が、ユスキュダルとヨーロッパ側のカバタシュ(Kabataş)を拠点とするDentur Avrasya社のターミナル。
新市街北側のカバタシュやベシクタシュを結ぶ船が発着します。
主な行き先
カバタシュ
ベシクタシュ
Dentur Avrasya社ボスポラス海峡ショートクルーズ
3.シェヒル・ハトラル社金角湾ラインターミナル
2.のDentur Avrasya社のターミナルのすぐ隣にあるのが、シェヒル・ハトラル社の金角湾ライン専用ターミナル。
ヨーロッパ側のカラキョイを経由して、金角湾沿いの町を結ぶ路線が発着します。
4.シェヒル・ハトラル社メインターミナル
最も南に位置するのが、シェヒル・ハトラル社のメインターミナル。
ヨーロッパ側のエミノニュへ向かう路線が頻繁に発着しますが、同社のボスポラス海峡クルーズツアーの発着地点でもあります。
おわりに
イスタンブール市内の4つの地区のフェリー乗り場を解説しました。
初めて訪れると、いくつも並ぶ乗り場に戸惑ってしまうもの。
船会社・行き先別に港が分かれていることさえ理解してしまえば、目的の船乗り場を探すのがとても楽になりますよ!
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