ジョージアで一番美味しいヒンカリのレストランを決めたい件。【おすすめランキング】

こんにちは！ジョージア滞在も間もなく2年半、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

近年、日本でもしばしば話題になるジョージア料理。
東洋と西洋の食文化が見事に融合したこの小さな国のグルメが、遠く離れた日本でも少しずつポピュラーになっていることを、なんだか嬉しく思います。

前菜から煮込み料理、グリル料理にスイーツまで…
とにかく種類豊富なジョージア料理ですが、中でものぶよがイチオシしたいのがヒンカリ(Khinkali / ხინკალი)です。

ヒンカリとは、およそ800年前にモンゴル帝国が襲来した際にジョージアにもたらされたと言われる、由緒正しき餃子系料理のこと。

小麦粉生地を薄くのばし、スパイスやハーブで味付けしたひき肉をたっぷりと詰めて包み、お湯で茹でて提供される「ジョージア風小籠包」のような料理です。

「ジョージア風水餃子」とも言われるヒンカリですが、個人的には水餃子と言うよりも「茹で小籠包」と呼ぶのが正しい印象。
というのもヒンカリには、水餃子とは比べ物にならないほどに大量のスープが薄い生地から溢れ出んばかりに詰まっているからです。

ジョージアを訪れるなら絶対に食べたいヒンカリですが、そのクオリティーは店によって本当にピンキリである点には要注意。
フレッシュなひき肉を用いて手包みしているお店もあれば、冷凍ひき肉を使っているような店もあるためです。

微妙なお店に当たってしまうと「…んん…まあこんなもんかな…日本の餃子の方が美味しいな…」なんて思ってしまいがち。

それ、まじでもったいないです！
本当に美味しいお店のヒンカリは、もはや天然記念物級の美味しさを誇るので。

というわけで今回の記事は、ジョージアで美味しいヒンカリのお店をランキング形式で紹介するもの。
「ここに行っておけば絶対にハズさない！」と、のぶよが自信をもっておすすめする名店ばかりです！

知っている人は知っているでしょうが、のぶよは2年半におよぶジョージア滞在において、もはや主食と言っても過言ではないほどに、日々大量のヒンカリを食べまくってきた人間。なのできっと説得力があるはず…！

「ジョージアで美味しいヒンカリを食べたい…！」と思っている人には、参考になること間違いなし。
本場・ジョージアでも店によって驚くほどにクオリティーが違うので、どうかお店選びは慎重に！

ジョージアの美味しいヒンカリ店BEST7マップ

ジョージアのBESTヒンカリ店 第7位：Klike’s Khinkali(トビリシ)

トビリシを出ることなく美味しいヒンカリが食べたい人におすすめなのが、Klike’s Khinkali(クリケス・ヒンカリ)という小さなお店。【マップ⑦】

店名に「ヒンカリ」とつけているくらいなので、もはやヒンカリに対する情熱がビシビシと伝わってきますね…。

そう、何を隠そうこのお店…ヒンカリのみを提供する専門店なのです。

ヒンカリは単価が安いこともあり、これ一本で勝負するお店はあまり多くないのが現状。
しかも飲食店の競争が激しいトビリシでヒンカリ一本とは、なかなか気合いが入ったお店だと思います。

そんなKlike’s Khinkaliのヒンカリがこちら▼

見た目からして「これぞヒンカリ！」と唸りたくなるほどに完璧なのですが、生地をひと噛みしてびっくり！食感が素晴らしすぎるのです。

トビリシのヒンカリは、小麦粉生地にコーンスターチ等を混ぜてツルっとした食感にしている＆調理時に破けにくくしている場合が多いのですが、Klike’s Khinkaliの生地のコーンスターチの量はかなり少なめ。

ツルっとした食感に加えて、もっちりとした小麦粉生地本来の食感も十分に感じられるのです。

具にはパクチー等のハーブは入っておらず、ひき肉の深いコクと旨味＆少量のスパイスが鼻にすっとぬける感じの絶妙なバランスで、肉汁がたっぷりと詰まっているのは言わずもがな。冗談でなく、無限に食べられそう…！

定番のひき肉入りヒンカリは安定の美味しさですが、Klike’s Khinkaliには変わり種のヒンカリも。
そのひとつが、キノコのヒンカリです。▼

大量のハーブとスパイスがガッツリ効いたエスニックな味付けで、ピリ辛さは結構なもの。
スパイシーなものが得意でない人や子供にはやや厳しいかもしれませんが、個人的には大好物どストライクの味付けでした。

そして個人的に一番感動したのが、Potato/Sulguniのヒンカリでした ▼

マッシュドポテトに「スルグニ」というジョージア特産のチーズを混ぜ込んだものが生地にぎっしりと詰まっていて、塩加減もチーズのコクもポテトのねっとり食感も、すべてが完璧。

ヒンカリにチーズなんて邪道だと思っていたのですが、その常識はものの数秒でひっくり返されました。おそるべし…

今回食べた3種類のヒンカリはどれもかなり美味しかったのはもちろん、値段もトビリシで一般的なヒンカリの価格でとにかく大満足だったKlike’s Khinkali。
トビリシ中心街近くに位置しており、観光の合間に立ち寄りやすい点も嬉しいです。

もし訪れる際は、Potato/Sulguniには忘れずに挑戦を。あなたのヒンカリ観が変わるはず…！

ジョージアのBESTヒンカリ店 第6位：Saghighino(アハルツィヘ)

ジョージア南部のサムツヘ＝ジャワヘティ地方の中心都市・アハルツィヘにあるSaghighinoは、地元の人に愛される名店。【マップ⑥】

何を食べてもはずれないのですが、ヒンカリが美味しいことで評判だそう。
定番のひき肉ヒンカリはもちろんですが、このお店以外では見たことがない「チャカプリス・ヒンカリ」には絶対に挑戦を！▼

「チャカプリ」とは、ジョージア山岳部の伝統料理である、羊肉とタラゴンと梅のシチューのこと。

Saghighinoのチャカプリス・ヒンカリは、このチャカプリの材料をそのまま(肉は牛豚の合い挽き)ヒンカリの具にしたという、ヒンカリ界のダークホース的な料理なのです。

チャカプリ独自の甘酸っぱい味と、タラゴンの清涼感が絶妙なコンビネーション。
味つけはやや濃い目ではあるものの、しつこさは感じません。

また、アハルツィヘ周辺地域の郷土料理であるアポフティス・ヒンカリにもぜひ挑戦してみましょう。▼

アポフティス・ヒンカリは、干し肉を具にしたミニ水餃子のような料理。
ジョージアで一般的な「ヒンカリ」とは、大きさも見た目も大きく異なります。

アポフティス・ヒンカリにはヨーグルトとニンニクのソースをかけて食べるのが定番で、ちゅるちゅるの生地の食感と干し肉独自の旨味が食欲をそそります。

ジョージアのBESTヒンカリ店 第5位：Kiziki(バトゥミ)

黒海沿岸のリゾート都市・バトゥミで一番美味しいヒンカリが食べられるのが、中心街に位置するKizikiというお店。【マップ⑤】

何を隠そう、のぶよがジョージアに来て初めてヒンカリを食べたのがこのKiziki。
記憶補正ぬきにして、あまりのレベルの高さに感動したことを覚えています。

Kizikiのヒンカリは、「THE・都市風ヒンカリ」といった感じ。
ツルツルで薄い生地の中には、ハーブがふんだんに使用された芳醇なひき肉がたっぷりと詰まっています。

驚くべきが、ほろっほろのひき肉と、溢れ出んばかりに大量の肉汁。
新鮮なひき肉を使っていることがひと口食べれば伝わってくるほどで、肉本来の旨味が詰まったスープの味わいは、芳醇でありながらもあっさり風味です。

定番のひき肉ヒンカリはもちろん素晴らしいのですが、キノコのヒンカリもマスト！
スパイスとハーブがしっかりと効いたエスニックな味わいで、ビールが進むこと間違いなしです。

味的にはBEST3に入ってもおかしくないKizikiのヒンカリですが、近年の物価上昇によって値上げ(1個1.4GEL)したため、第5位にランクインさせました。

ジョージアのBESTヒンカリ店 第4位：Salobie(ムツヘタ)

トビリシからのデイトリップ先として大人気の世界遺産の町・ムツヘタ。
この町で伝説的な知名度を誇る名店がSalobieです。【マップ④】

「Salobie＝ロビオ(豆の煮込み)の店」という店名の通り、この店の一番の名物はロビオ。
しかしながら、実はヒンカリがものすごく美味しいことで有名で、休日になるとトビリシからわざわざヒンカリ目当てにやって来る地元民の姿も多く見られます。

Salobieのヒンカリは、もっちりとした厚めの生地＆ハーブ/スパイス少なめの「山岳地域風」に近いタイプ。
信じられないほどに大量に詰まった肉汁はとても芳醇で、ややしっかり目の味つけのバランスも抜群に良いです。

皮の絶妙なもっちり感、中のひき肉のホロホロ感、味付けの絶妙さ、たっぷり詰まった肉汁…

冗談抜きで、めっちゃくちゃ美味しかったです。
この店で食事するためだけにでも、わざわざトビリシから出て来る意義があると断言できるほどに。

ヒンカリ以外のメニューも総じてレベルが高く、リーズナブルな価格も魅力的。
トビリシ市内に星の数ほどある飲食店と比べてもズバ抜けた美味しさで、総合的に最も万人向けのお店だと思います！

ジョージアのBESTヒンカリ店 第3位：EL DEPO(クタイシ)

ジョージア第二の都市・クタイシで、地元の人からの絶大な支持を誇るのがEL DEPO。【マップ③】

観光の中心となるクタイシ中心街から徒歩5分ほどと好立地ですが、観光客向けではなく地元の老若男女で賑わう雰囲気が素敵です。(英語はまったく通じない)

EL DEPOのヒンカリは「クタイシで一番美味しいヒンカリ」と称されるほどだそうですが、一度訪れればその評判にも納得するはずです。

まず驚いたのが、ヒンカリの皮が極限まで薄いこと。
手で持ち上げると破れてしまいそうなほどにぺらっぺら。でもギリギリ破れない…そんな絶妙なバランスで具を包んでいます。(たぶんジョージアのヒンカリの中で最も生地が薄いかも)

実は、ヒンカリの皮を薄く作るのはものすごく大変なこと。
調理時に皮が破れてしまうリスクが高まる＆熟練の技が必要となるためです。

ぺらっぺらの皮を一口かじると、たっぷんたぷんの肉汁のスープとジューシーなひき肉がガマルジョバ。感動の瞬間です。

味つけはあっさりした方で、塩気もちょうど良い感じ。皮が薄いこともあり、5個なんてぺろりと食べられます。

チュルッチュルの皮の食感を強調するためなのか、中の具はぎっしり詰まっているわけではなく控えめな量。
もはや飲み物ですこんなの…美味しすぎる…

▲ 定番のひき肉ヒンカリはもちろん、キノコ入りのヒンカリ(1個0.8GEL=￥40)も極上。
こちらはあっさりしていながらもスパイスがしっかり効いたエスニックな味わいの旨味爆弾です。

何よりすごいのが、このレベルのヒンカリを1個0.8GEL～1GEL(=￥40～￥50)の昔ながらの価格で提供していること。

ジョージア全国のヒンカリをウリにする店を見渡しても、味の良さと価格のリーズナブルさでこの店の右に出る店はなかなか見つからないと思います。

ジョージアのBESTヒンカリ店 第2位：Chveni Ubani(パサナウリ)

「ジョージアのヒンカリ発祥の村の一つ」と言われるのが、東部山岳地域にあるパサナウリという村。

この村のヒンカリのレベルの高さはジョージア全国で知られており、小さな村にもかかわらず十数軒のヒンカリ店がしのぎを削り合う「ヒンカリ好きの聖地」のような場所です。

パサナウリのヒンカリ店はどれもものすごくレベルが高いのですが、個人的におすすめなのが中心部にあるChveni Ubani(ჩვენი უბანი)という小さな食堂。【マップ②】
昔ながらの家族経営のお店で、家庭的な雰囲気も魅力的です。

Chveni Ubaniのヒンカリでまず驚いたのが、見た目の美しさでした。

皮はどちらかというと薄めで、上部の溝の部分もとても綺麗。
ぺたっとした形のヒンカリを持ち上げると、大量のスープのずっしり感が感じられます。

一口食べて見ると、相変わらずの肉汁おばけ具合…最高すぎます。
牛豚の合い挽き肉を使った具はギュッと詰まっており、すごくあっさりした味わいが特徴的。

ハーブやスパイスは使われていないのもポイントで、「山岳地域風ヒンカリ」のお手本のよう。
ハーブ系が苦手な人でも美味しく食べられるはず！

まるでバターを使っているかのようなまろやかで芳醇なスープと、あっさりした具の味付けは、「体に優しいヒンカリ」と言った感じ。

「ハーブやスパイスを使わない＝肉の新鮮さに自信がある」ということでもあり、肉の旨味が100％活かされていて、もはや食べる芸術作品のようです。

わざわざヒンカリ目当てにトビリシから足をのばす価値は十分にあり！
のぶよはパサナウリに3回通ってひとりヒンカリ食べ歩きツアーをしました(笑)

ジョージアのBESTヒンカリ店 第1位：Cafe Camomile(オニ)

ジョージアの中でも訪れる旅行者が少ない穴場エリアといえば、西部のラチャ地方。
ジョージアの人々にとって、「ラチャ地方＝グルメの聖地」のようなエリアで、何を食べても美味しいことで知られています。

ラチャ地方の山間部の中心的な町であるオニの町で、ひっそりと営業するCafe Chamomile(კაფე გვირილა)こそが、今回のヒンカリランキング堂々の1位を飾ったお店です。【マップ①】

のぶよはオニ散策中に偶然このお店の前を通りかかって、調理場でヒンカリを作っているおばちゃんたちを見かけて入店したのですが、後から聞いた話では、実はこのお店はかなり有名なのだとか。

「ラチャ地方の絶品ヒンカリの店」として知られ、わざわざここのヒンカリを食べるためにオニまでやってくるジョージア人旅行者もいるほどなのだそうです。(外観的には想像さえつかないけど)

このお店のヒンカリは、皮はツルツルながらも具のハーブは少なめ、その代わりにスパイスは多めに使われ、中の具はぎっしりと詰まったハイブリッド型。
エスニックな風味がちゃんと楽しめ、肉の旨味や食感が存分に楽しめる…そんな「良いとこどりのヒンカリ」というわけです。

感動したのが、これでもか！とばかりにタップタプに詰まった肉汁のスープと、完璧すぎる具の味つけ。

ジョージアのヒンカリの具は、塩を入れすぎて味が濃すぎる場合が多かったり、肉の鮮度が悪くて旨味が感じにくい場合も多いもの。
肉がひと塊となってしまっている場合(=いったん冷凍されている)も多いです。

いっぽうのCafe Chamomileのヒンカリは、もうとにかく非の打ちどころがありません。

味つけは濃すぎず、スパイスも適量。口の中で広がる肉の旨味は信じられないほど芳醇ですし、ほろほろのひき肉の食感は新鮮な肉を使っているからこそ出せるものです。

いままでジョージア各地で数百…いや、数千個のヒンカリを食べてきたのぶよが言うんだから間違いなし。このお店のヒンカリこそが、ジョージアで一番美味しいヒンカリです！

言葉で説明するよりも、これだけはぜひ実際に自分で味わってみてほしいもの。
本っっっ当に衝撃的に美味しいので、オニに滞在する際は観光より何よりも、ここのヒンカリを食べることをお忘れなく！

おわりに

ジョージアを訪れるなら絶対に食べたい料理のひとつ、ヒンカリ。

星の数ほどに存在するヒンカリを提供するお店の中でも、「ここのヒンカリはとにかく旨い！」と自信をもっておすすめできるお店7軒をランキング形式で紹介しました。

ジョージア旅行の際にはぜひ訪れて、ヒンカリ本来の美味しさを感じてほしいです。

もし今後、このランキングが入れ替わるほどに美味しいヒンカリ店を見つけた際には、随時更新していきたいと思います！

「このお店のヒンカリが絶品だった！」などあれば、ぜひともご一報を。
ヒンカリのためならばコーカサスの山の果てまで足をのばしますので。