【NEW】初のフォトエッセイ「ジョージア場末食堂探訪記」とうとう発売! ▶
さぼわーる。へようこそ!

今年こそ...今年こそは...世界の状況が落ち着いて、みなさんが行きたい場所に行けますように...!

穴場スポットや旅行に役立つ情報、各国グルメまで...
ヨーロッパ~コーカサス地域のニッチな情報多めの個人ブログ「さぼわーる。」へようこそ!

サイトのトップページをみてみる!

バトゥミのラーメンカフェVegan Broに行ってきた件。

こんにちは!ジョージア第二の都市・バトゥミにのんびり滞在中!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

もう二年ほど前から「バトゥミはジョージアの食いだおれの町だ!」としつこく言い続けてきました。

というのも、安くて気取らないローカル食堂が星の数ほど存在しており、どこも総じて味のレベルが高いため。
バトゥミでの外食に慣れてしまうと、二倍近い価格を支払って当たり外れがものすごく激しいトビリシの飲食店で食事をするのがもったいなく感じてしまうレベルで、バトゥミの外食文化はもうとにかく素晴らしいのです。

バトゥミのおすすめレストラン・食堂まとめはこちら!

「バトゥミ=ジョージア料理を食べるための町=ジョージア料理以外を食べる旅行者なんてナンセンス」と思ってやまない過激派ののぶよですが、ついこの間バトゥミ旧市街を歩いていると、不意に日本語が目に入ってきました。

x.com

カタカナで「ラーメン、」(この謎の句点が気になってしょうがない)。

よくよく見てみると、ヴィーガン料理を売りにしたカフェのようで、看板メニューが味噌ラーメンであるようです。

日本食不毛地帯であるジョージアの、さらに地方都市であるバトゥミでは、ラーメンなんてまずお目にかかれないもの。
醤油こそ近頃では色々な場所で買えるようになったジョージアですが、味噌に関してはその存在すら知られておらず、ほとんど入手することができない状態です。

そんな国で、しかもヴィーガンメニューとして味噌ラーメンをウリにするとは…しかも”Home made noodle”と書かれており、自家製の麺を使用しているようです。
まさに巡り合うべくして巡り合ったような気がしてなりません。

…というわけで、ジョージア料理食いだおれの町アドバイザー(自称)のプライドをかなぐり捨てて行ってきました。例のラーメンカフェへ。

外観

果たして、近頃ジョージアでも微妙に流行りつつあるヴィーガン料理としての味噌ラーメンは、遠く極東の島国からやって来たのぶよのお口に合うのでしょうか…

Vegan Broの店内の雰囲気とメニュー

微妙に消えかかっている看板…大丈夫そ?

のぶよはこの店を「ラーメンカフェ」と呼んでいますが、正式名称はVegan Bro

「ヴィーガンたるものみんな兄弟!」的なノリなのでしょうか…
ヴィーガンやらベジタリアンやら馬っ鹿でい!と思ってやまないのぶよ的には、ラーメンを提供していなければまず縁がないようなお店です。

隠しきれないやっつけ仕事感が漂う店内

Vegan Broの店内はかなり狭く、2~3人用の小さな机が5つだけ。
昔はバーだったのか、店の奥には謎のバーカウンターが設置されているものの、現在は使われていない様子。無駄にスペースを圧迫しています。

店内の照明はほとんど間接照明であるためやや薄暗く、やっつけ仕事感丸出しの豆電球が逆に良い感じ。
店の奥から流れる謎のヨガ的な音楽も相まって、なかなか不思議な雰囲気が漂います(正直、コンセプトが見えない…)。

使われないバーカウンターが謎に残る
奥の厨房

午後4時という微妙な時間ながら、薄暗い店内には他に2組の客がいました。

いずれも若い女性客で、ロシア語で話していることからおそらくロシア人。
ヴィーガン料理などというものは、肉食王国・ジョージアではほとんど受け入れられていないのが現状で、モスクワやサンクト・ペテルブルクなど都市部出身のロシア人でジョージアに移住してきた人たちによって、ヴィーガン文化やカフェ文化が支えられているように思えます。

適当に空いている席に座ろうとすると、何やらもふっとしたものが姿を現しました。▼

まじで暗くて見えなかった

客席で昼寝していたのは、なんと黒猫
招き猫に徹するでもなく、客席ど真ん中でお昼寝中でした。なんかもう、すでに色々と自由すぎる…

Vegan Broはテーブルサービスは行っておらず、厨房につながる小窓から先に注文してお会計を済ませるシステム。
支払いは現金/カードのいずれでも可能で、メニューはジョージア語とロシア語と英語の三種類が壁に張り出されています。▼

ラーメン以外にもヴィーガンメニューが色々

看板メニューである味噌ラーメンは15GEL(=¥750)と、外食費が高めなジョージアにおいてはまあまあ良心的。
坦々うどん(12GEL=¥600)なるメニューもあり、どうやらこちらも自家製のうどん麺を使用しているようで気になります。

ヴィーガン料理の定番であるファラフェルやフムス、韓国料理のビビンバまで揃っており、決してラーメンだけで勝負しているわけではないようです。

ほんの少し迷ったものの、ここはやっぱりラーメンを注文することに。
味つけ卵のトッピング(+1GEL=¥50)も追加して、あとは待つだけです…!

言葉では説明できないけど、なんとなくロシア人的なセンスがぷんぷん漂う店内

店の雰囲気やメニューの内容、そこはかとないやっつけ仕事感のおかげで半ば予想はついていたものの、やはりこの店はロシア人経営でした。
注文時にはロシア語しか通じず(簡単な英語くらいならいけるかも)、おそらく客層もほとんどがロシア人なのでしょう。

2022年のウクライナでの戦争勃発以降にジョージアに逃れてきたロシア人の数は数十万人に及び、ビジネスを開業している人も多いのですが、おそらくこの店もそのうちの一つ。
みんな新しい国で活路を見出すために、色々頑張っているんですねえ。

ウクライナでの戦争後にジョージアに移住してきたロシア人に関してはこちら!

人生初のヴィーガン・ラーメンのお味は…?

注文から5分少々で、カウンターから「味噌ラーメン!」との声がかかります。
注文を取りに行くのもセルフサービス。少ない人件費で小さな店を回すための工夫が感じられます。

さてさて…お待ちかねのヴィーガン・味噌ラーメンがこちら…どどん!▼

具がぎっしり

お?結構良い感じなのでは…?
具だくさんでほとんどスープや麺が見えませんが、恥ずかしそうにちらちらと具の影から顔を覗かせる黄金色に輝くスープからは、そこはかとない味噌の良い香りが漂ってきます。

具は、細かく刻んだ海苔、ゴマ、ネギ、コーン、ガーリックオイル、そして味玉(これは追加で注文した分)。

そして上の写真手前に、何やら見慣れない茶色い物体が大量に。
一見するとそぼろのようにも見えますが、ここはヴィーガンカフェ。肉でないことは確かです。

まあ細かいことは後にして、とりあえずひと口…
ん??お…!結構美味しいぞ?

黄金色に白濁したスープは味噌の芳醇な香りを放つ

▲ラーメンの命であるスープは、白味噌をコンソメのような野菜のブイヨンで割ったもの。
日本で一般的な味噌ラーメンの味に比べるとかなり味噌の風味が強めで、結構な量の味噌を使用しているような気がします。

ガーリックオイルが仕上げに用いられているようで、香ばしさも加わったスープはなかなかに美味。
動物由来の食材がいっさい使用されていないとは信じられないほどに芳醇で、クリーミーささえ感じる奥深い風味があります(豆乳でも使っているのだろうか…?)。

ただ、あっさり風味が好みののぶよ的には若干塩気が強めだったのがマイナス。
ご飯のお供にはちょうど良いかもしれませんが、ラーメン単体だと結構塩分がきつめな気がします(とはいえ、のぶよは日本のラーメンですら塩がきついと思うタイプなので、普通の日本人にはちょうど良い塩気かも)。

また、海外のラーメンあるあるなのですが、スープがアツアツの状態ではなく微妙に冷めた状態で提供されるのも人によってはマイナスかもしれません。
のぶよ的には、バトゥミという蒸し暑い亜熱帯性気候の町でアツアツのラーメンはまず受け入れられないと思うので、仕方ないかなという部分もあります。

麺は短くて箸で持ち上げるのにひと苦労

麺をすくいあげてみると、かなり太めのちぢれ麺が姿を現します。

ロシア人経営ということで「グデングデンになるまで茹でられた柔らか麺」を恐れていたのですが(彼らはスパゲッティーなどを極限までぐぢゅぐぢゅに茹でたがる)、杞憂だったよう。
自家製の麺ということで、形がやや不揃いで長さが短めではあるものの、コシは結構しっかりしています。

スープがやや濃い味付けであるため、太め&ちぢれ麺との相性は抜群。
もしや、麺との相性まで考えてスープをこの塩気の強さにしているのだろうか…だとしたらすごすぎるのでは…(まあこうした食の細かいところにまでこだわりを持つロシア人などほとんどいないので、成り行きでこうなったに違いないけど)

トッピングされた具材もそれぞれ異なる食感が楽しく、それぞれの量が多め。
ヴィーガン料理とは思えないくらいに満腹感が感じられるのも嬉しいです。

最初に触れたそぼろのような茶色い物体は、豆腐を揚げて細かく刻んだものなのだそう。
まるで肉を食べているようなむっちりとした食感で、これはこれでラーメンの具材としてありかも…?

無料のトップング類も揃う

▲嬉しいのが、各種トッピングを無料で好きなだけかけられる点。

上の写真の左側から、シラチャ(辛いソース)/ガーリックオイル/ごま/漬物/フライドガーリック/自家製ラー油と並んでおり、ラーメンのみならず他の料理であっても自分好みの味にカスタマイズすることができるのです。
どれも材料費がかかるというのに、かなり太っ腹なサービス…

とろとろの味玉

追加でトッピングした味玉は、ぷるぷるとろとろの完璧な茹で加減
こちらも味付けはかなりしっかり目でやや塩気が強いですが、完成度は高いです。

Vegan Broで働く若きロシア人たちも、こちらが日本人である(そしてロシア語が通じる)ことを知ると興味津々なようす。

普通に美味しくいただいたので、退店時に「とても美味しかった!」と声をかけると、「日本のラーメンとどっちが美味しかった?(キラキラお目々)」と問われましたが、そこははっきりと「もちろん日本!」と答えておきました(笑)

よく考えれば、店の外の看板の「ラーメン」の謎の句点を指摘して訂正させ、お節介してあげれば良かったなあとちょびっと後悔しています。

おわりに

というわけで、バトゥミに新しくできたラーメンカフェ”Vegan Bro”の訪問レポートをお送りしました。

「日本の味そのままのラーメン!」というわけではもちろんないものの、このアジア食材不毛地帯で、そしてヴィーガンという制約の下で、あそこまでラーメンの味が再現できるのはすごいことだと思います(「なーにがヴィーガンじゃ!偉そうに!芋食っとけ!」とか馬鹿にしててごめん)。

個人的には、やや塩気がきつめだった点と、麺の長さがもう少し長くなるように頑張ってほしい点はあるものの、十分に合格点。
何より、15GEL(=¥750)という低価格でラーメンを提供してくれていること自体が、近年物価上昇が止まらないジョージアという国における最後の良心のような気がしてなりません(大袈裟)。

Vegan Broは、バトゥミ観光の中心となる旧市街エリアに位置しており、一人でもふらりと気軽に立ち寄れる感じなのも魅力的。
連日のジョージア料理ざんまいに疲れてしまったときに、訪れてみてはいかがでしょうか。(のぶよは坦々うどんが気になって仕方ないので、またそのうち再訪する予定)

Vegan Bro

・営業時間:全日10:00~22:00
・予算:10GEL~15GEL(=¥500~¥750)
※サービス料なし

コメント

error: さぼわーるの全記事は保護されています。
タイトルとURLをコピーしました