こんにちは!アルバニア旅行を満喫中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
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アルバニア南部に位置するヴローラ(Vlorë)は、北にアドリア海、南にイオニア海が広がる町。
アルバニア人の間では、ビーチリゾートとして有名な町です。
ビーチ沿い〜中心街にかけてモダンな建物が立ち並び、他のアルバニアの海沿いの町同様に開発されすぎた感が強いヴローラ。
一見すると見どころも少なく、「通過の町」と考える旅行者も多いです。
しかし、ヴローラの町の起源は古く、青銅器時代から人類が居住していたほど。
また、1912年のアルバニア独立時には首都と定められた町でもあります。
ビーチだけではなく、アルバニアの歴史においても大きな役割を果たしたヴローラの観光スポットと他の町へのアクセス、ホステル情報を紹介します。
ヴローラの観光スポット
ヴローラ観光地図
黄色:バスステーション
赤:ヒマラ行きフルゴン乗り場(12:30発)
紫:ホステル
青:観光スポット
ビーチ
ヴローラの中心街の南には、イオニア海沿いのビーチが点在しています。
ヤシの木が並び、モダンなリゾートマンションが立ち並ぶプロムナードは、アルバニアとは思えないほどにビーチリゾートな雰囲気。
肝心のビーチはすごく綺麗なわけではありませんが、デュラスに比べたらだいぶましといった感じ。
(というかデュラスがひどすぎた)
前評判では、ヴローラのビーチはかなり混雑しているとのことだったのですが、ハイシーズン真っ只中の7月下旬でも比較的空いていました。
中心街からビーチまでは2kmほど離れているので、市内を南北に走る路線バスを利用するのが便利です。
10分に1本程度走っていて、運賃は30Lek(=¥30)。
路線も、メインストリート〜ビーチエリアを南北に走るものが1本だけなので分かりやすいです。
国立独立博物館
ビーチエリアと中心街のちょうど中間、ヴローラ港近くにあるのが国立独立博物館です。
1878年に現在のコソボで始まった、アルバニアのオスマン帝国からの独立運動。
(当時からコソボはアルバニアの一地域でした)
オスマン帝国の弱体化とともに独立の気運はアルバニア全土に広がり、最初的にアルバニアが独立を果たしたのが1912年のことでした。
初代首相として就任したイスマイル・チェマリ(Ismail Qemali)は、ここヴローラを首都と定め、西欧諸国に独立の承認を要求しました。
しかし、西側諸国がアルバニア独立に課した条件は、人口の9割以上がアルバニア人であるコソボの所有権をセルビアに委ねること。
アルバニア側はここで妥協し、コソボを失った状態での独立を達成することになります。
これが後のコソボ紛争へと繋がることを、この時誰が予想したのでしょうか。
かつての首都・ヴローラの独立博物館の小さな館内には、アルバニア独立時の公的書類や当時の指導者たちの遺品などが展示されています。
中でも興味深いのが、独立当時のアルバニア国旗の現物。
現在のものとデザインは同じですが、色褪せた赤色に時代を感じます。
こうして独立を達成したアルバニアですが、そのすぐ後に勃発した第一次世界大戦ではギリシャやセルビアに国土のほとんどを占領されてしまうこととなります。
上の写真は、1913年当時のアルバニアの地図。
北部の緑色の地域が、セルビアによって占領されていた地域で、南部の黄色の地域がギリシャによって占領されていた地域です。
当時独立したばかりのアルバニアは、ヴローラを中心とした中部(写真内赤色)だけだったそうです。
インフォメーション
国立独立博物館
営業時間:全日 8:00~11:00 17:00~22:00
入館料:100Lek(=¥100)
メインストリート
独立博物館近くから北にのびるのが、ヴローラのメインストリート。
ビーチ近くでは、高層ビルやモダンなお店が連なり、ここがアルバニアだとはにわかに信じられないほど。
東京のおしゃれな町の一角と言われても納得してしまいそうです。
しかし、メインストリートを北に歩いていくと、おしゃれでモダンな建物は徐々に少なくなり、安定のアルバニアな雰囲気になってきます(笑)
ムラディ・モスク
メインストリートの北端、かつての町の中心部に建つムラディ・モスクは、16世紀に建てられたもの。
当時のオスマン帝国の建築家によるもので、赤と白の石のコントラストが素敵です。
独立記念碑
ムラディモスクのすぐ北側には、アルバニア独立記念碑が立っています。
共産主義感丸出しのモニュメントは、独立時の偉人たちをあしらったもの。
記念碑の一番上には、双頭の鷲のアルバニア国旗を持った人が力強く立っています。
ヴローラから各都市へのアクセス
ヴローラは、アルバニア中部と南部の間に位置する町。
両地域を結ぶバスが多く発着する交通の要所です。
ほとんどのバスは、ヴローラ鉄道駅近くのバスステーションの発着ですが、個人営業のフルゴンは町のいたるところから出ているので、現地の人に確認しましょう。
ティラナ~ヴローラ間のバス移動
首都・ティラナへは、30分に1本ほどの頻度でバスやフルゴン(乗り合いバス)が走っています。
所要時間:3~4時間
料金:バス 500Lek(=¥500) / フルゴン 600Lek(=¥600)
デュラス~ヴローラ間のバス移動
ティラナ近郊の港湾都市・デュラスへは、1時間に1本の頻度でバスが出ています。
所要時間:2時間半
料金:500Lek(=¥500)
ベラト~ヴローラ間のバス移動
「千の窓を持つ町」と称される世界遺産の町・ベラトへは、1日9本(6:30〜14:00の出発のみ)のフルゴンが出ています。
所要時間:2時間
料金:400Lek(=¥400)
アルバニア南部各都市~ヴローラ間のバス移動
ヴローラから、「アルバニアのリビエラ」と呼ばれるヒマラやサランダを経由してジロカストラへ行くバスは、1日2本(7:00、11:00)運行されていて、バスステーションからの発着です。
南部の都市へのバスは全てが同じ便となり、各都市を経由しながらジロカストラへと向かいます。
また、ヴローラ発ヒマラ行きのフルゴンは、毎日12:30にBig Marketというスーパーマーケット前を発着します。
(サランダやジロカストラへは行かないので注意)
ヴローラ~ヒマラ間
所要時間:2時間半
料金:500Lek(=¥500)
ヴローラ~サランダ間
所要時間:5時間
料金:900Lek(=¥900)
ヴローラ~ジロカストラ間
所要時間:7時間
料金:1000Lek(=¥1000)
ヴローラのホステル情報
Vlora Backpacker Hostel
料金:750Lek(=¥750) ※朝食込
部屋:テント
立地:4/10
ヴローラのバスステーションから1.5kmほど、中心街までは2kmほどと離れており、決して良い立地とは言えません。
中心街やビーチへは路線バスでアクセスすることとなります。
近くにスーパーマーケットがあるのが救いでした。
アクセス:9/10
大通り沿いではなく路地裏にあるものの、看板が出ているので簡単にアクセスできます。
入口も常に開いていてスタッフがいつもいるので、チェックインも簡単でした。
スタッフ:9/10
ヴローラ出身の夫婦が経営しているホステルなので、地元の情報は何でも知っています。
他の町へのバス情報や観光スポットなどを詳しく教えてくれました。
宿泊客に常に気を使ってくれているのも高ポイントです。
清潔さ:5/10
清潔さに関しては、もう少し頑張ってほしいところ。
バスルームはホステル全体に一つしかなく、常に床が濡れている状態でした。
共用部分であるキッチンやリビングは物であふれていて、乱雑な感じです。
設備:6/10
キッチンがあり、自炊ができます。
のぶよはテント泊だったのでドミトリーに関してはわかりませんが、とにかく共用部分にコンセントが少なかったです。
バスルームとトイレの少なさも、ホステルの規模に対してかなり際立っていました。
wi-fi:7/10
ホステル全体で問題なく接続できます。
ただ、時間帯によって速度が遅かったり電波が途切れたりすることがありました。
雰囲気:7/10
小さなホステルなのですが、あまりアットホームな雰囲気が感じられなかったのが残念なポイント。
屋外にはソファーが設置されていて、ゆったりとくつろぐこともできるのですが、何だか微妙に居心地が悪かったです。
ホステル全体に言えることなのですが、設備が古めなので、安宿感が強いです。
総合:6.7/10
総合的に微妙なホステルでした。
1泊だけなら問題ないでしょうが、長期で滞在するのにはあまり向いていないかもしれません。
ヴローラ最安値で宿泊できるホステルなのであまり文句は言えませんが、テント泊でこの値段は高いと思います。
とにかくバス・トイレの汚さが目立ちました。
おわりに
観光地としては、正直微妙なヴローラ。
近代アルバニアの歴史を感じられるスポットはいくつかあるものの、全体的に開発されすぎたビーチリゾート感が強いです。
ヴローラを拠点として、「アルバニアのリビエラ」と呼ばれるほどに美しい海岸線が連なるドリマデス地方へとアクセスすることも可能なので、移動の拠点と割り切って滞在するのがいいかもしれません。
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