こんにちは!アルバニア北部の大自然を満喫中、世界半周中ののぶよ(@taisuke5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アルバニア北部に位置するテス国立公園。
「呪われた山」の別名を持つほどに、切り立った山々に囲まれた絶景が見られるスポットは、アルバニア観光のハイライトです。
ここに来ずしてアルバニアを語ることはできないと言えるほど素晴らしい景色が広がる呪われた山。
その西側に位置するのが、テス(Theth)の村です。
ものすごい山奥に位置するテスへのアクセスは、シュコドラからかなりの悪路を行くか、呪われた山の反対側に位置するバルボナ(Valbonë)から7時間のハイキングをするかのどちらかしかありません。
バルボナとテスを結ぶ、呪われた山のハイキングコースを詳しく解説している記事はこちら。
まさに「秘境」の名に相応しいテス。
これまで世界半周でいろいろな場所に行きましたが、五本の指に入るほど素晴らしい場所でした。
今回は、日本人は誰も知らないテスの魅力を、「テス国立公園で絶対にしたい5つのこと」というテーマで紹介していきます。
テス国立公園(Theth)で絶対にしたい5つのこと
青:テス国立公園の見どころ
赤:商店
紫:おすすめゲストハウス
1.もう一つのブルーアイの青さに感動する
「アルバニアのブルーアイ」と聞いて、ピンと来る旅人は多いのではないでしょうか。
アルバニア南部のサランダとジロカストラの間にある真っ青に住んだ泉は、その神秘的な青さから「ブルーアイ」と呼ばれるようになりました。
↑アルバニア南部にある有名な「ブルーアイ」
初めは知る人ぞ知るスポットで「アルバニアの秘境」なんて呼ばれていたものの、現在では団体ツアーも立ち寄るほどの超有名観光スポットとなっていて、秘境感よりも観光地感しかありません。
超有名観光地となった本家ブルーアイへはがっかりスポット?アクセスはこちらの記事で紹介しています。
一方のテスにも「ブルーアイ」と呼ばれる泉があり、こちらは地元の人が口を揃えておすすめする、正真正銘の知る人ぞ知るスポット。
テスの村からは往復5時間のハイキングのみでのアクセスという秘境感も伴って、「隠れた絶景スポット」の名にふさわしいものとなっています。
テスの村からブルーアイまでは、片道8kmほどのハイキングでのアクセスが基本となります。
ブルーアイまで2kmほどの地点までは砂利道が通っており、4WDで行くことも可能ですが、片道€15(=¥1814)ほどかかってしまいます。
↑美しい風景が広がる、ブルーアイまでのハイキングコース
川沿いを歩くハイキングコースは、簡単なものとは言えませんが、スニーカーでも十分に歩けるレベル。
後述する呪われた山のハイキングコースに比べてアップダウンもそこまで激しくないので、ゆっくり行けば誰でも走破できます。
↑手作りの橋を渡る場面も。スリル満載です。
片道2時間ほどでたどり着くブルーアイ。
泉のそばには手作り感満載のバーが一軒あるだけです。
山から流れ出た水が小さな滝となって流れ込むブルーアイは、青緑色の神秘的な色をたたえる美しい泉。
泳ぐこともできますが、水は相当冷たいのでなかなかの勇気がいります。
しかし、ここまで来たなら是非大自然を全身で感じてみたいもの。
日が差して暖かいタイミングを見計らって、ブルーアイにダイブしてみましょう。
ブルーアイには、観光客に興味津々の地元のおじいちゃんも来ていました。(アルバニア語のみ)
日傘代わりの木の枝…トトロか(笑)
このおじいちゃんでも歩いて来られるんですから、そこまで難しいハイキングコースではないことは確かです。
2.グルナスの滝の神秘的な雰囲気に圧倒される
テス周辺でもう一つの外せないスポットが、村から2kmほどの場所に位置するグルナスの滝。
崖の上から一直線に流れ落ちる滝は、まるで天から何か神聖なものが降りてきているように見えます。
グルナスの滝へのアクセスは完全に徒歩のみ。
道路は通っていません。
↑グルナスの滝の途中にある伝統的な造りの小屋
テスの町から片道1時間もかからないほどの距離ですが、滝に到着する前はかなりの登り坂なので結構ハードです。
先に紹介したブルーアイへのハイキングコースの途中の分岐点から数百メートルのところに位置しているので、二つの見どころを組み合わせてまわることも可能です。
ブルーアイ、グルナスの滝の両方を訪れる場合は、最低でも合計5時間ほどのハイキングとなります。
3.アルバニアの田舎の伝統的な建物を巡る
テスの村は本当にど田舎。
食品や日用品を売る小さな商店が一軒あるだけで、あとは数十軒のゲストハウス兼民家がぽつぽつと建つのみです。
しかし、周りを360度高い山々に囲まれたテスは、村中が絶景スポット。
そんなテスには、アルバニア山岳地帯の伝統的な建物が多く残っています。
テスのシンボルとも言える、カトリック教会。
オスマントルコ帝国の影響でイスラム化が進んだアルバニアですが、もともとは中世にこの地を支配していたベネチア共和国の影響を受けたキリスト教圏でした。
その後、20世紀後半の共産主義時代には、一切の宗教活動が禁じられたアルバニア。
そんな激動の歴史の中で、敬虔なカトリック信者は人里離れたこの地に隠れ住み、信仰を守り抜いたのです。
アルバニアではなかなか目にすることがないカトリック教会は、美しい山々に囲まれながらひっそりと佇んでいます。
また、アルバニアの北部の村でよく見られる石造りの塔も健在です。
テスの村の建物は全てが伝統的な石造りの建築様式のもの。
コンクリートのリゾートホテルなどは存在せず、きっと時が止まったような感覚を覚えるはずです。
4.呪われた山へのハイキングに挑戦する
テスに滞在する旅行者のほとんどが挑戦する、呪われた山を越えるハイキング。
テスの村の東側、人の進入を拒むように大きく立ちはだかる呪われた山。
その名前とは裏腹に、初心者でもハイキングで登ることができるんです。
アルバニアに来たなら絶対に見たい、呪われた山のダイナミックな風景。
全長12kmのハイキングコースで、所要時間は7時間ほどと一日がかりにはなりますが、その先で見られる絶景には心を奪われるはずです。
呪われた山ハイキングコースのポイントと、上手なまわり方やアドバイスはこちらの記事でまとめています。
呪われた山の反対側に位置するバルボナ村(Valbonë)からは、コーマン湖フェリーでシュコドラ方面へと抜けることができます。
こちらもフィヨルドのような山々に囲まれた湖を走る絶景フェリー旅で、アルバニア北部に来たなら是非挑戦したいものです。
絶景すぎる船旅が待っているコーマン湖フェリーの利用方法やアクセスはこちらの記事で解説しています。
5.絶景ゲストハウスで手作りの絶品郷土料理を味わう
テスの村を特徴づけるのは、絶景だけではありません。
トラック等の大型車が通れない、狭い山道でしか下界と結ばれていないテス。
大量輸送ができないため、食料や日用品などの物資が限られています。
そのため、テスのゲストハウスで提供される食事はほぼ全てが自家製。
野菜や果物はもちろん、乳製品、肉類、はちみつなども全てが村内で作られたものです。
テスのゲストハウスは朝食付きの所がほとんどで、自家製のヨーグルトやチーズ、ジャムや卵料理などとにかく豪華。
絶景を見ながら、コーヒーとともに食べるホームメイドの朝食。
これだけでもかなり感動ものです。
(特にはちみつは人生感が変わるほどの美味しさでした)
のぶよ的には、ゲストハウスが別料金で提供してくれる夕食を是非食べていただきたいです。
のぶよが宿泊したゲストハウスでは、€8.5(=¥1028)で夕食をつけることができました。
アルバニアの物価を考えると決して安い金額ではありませんが、絶対に一度は挑戦するべきです。
アルバニア山岳地帯伝統のレモンスープに始まり、自家製チーズ、サラダ、煮込み料理、肉料理、デザートなど、計8品の超豪華ディナーが待ち受けていました。
↑大きなテーブルを囲んで、みんなでディナー
宿泊客みんなで食事をともにするスタイルで、旅の話に自然と花が咲きます。
どれも豪華な料理ではないものの、田舎らしい素朴な味わいの素晴らしいものばかりでした。
テスのおすすめ宿情報
Shpella Guest House
料金:1830Lek(=¥1830) ※朝食込
部屋:5ベッドドミトリー
・立地:7/10
商店があるテス村の中心街からは1.5kmほどと少し離れていますが、ブルーアイとグルナスの滝へのハイキングコースの入口にあるので、これらの見どころに行く場合はとても便利です。
・アクセス:10/10
そもそもがかなり小さい村なので、迷いようがありません。
看板が出ており、簡単に見つけることができます。
常に従業員がいるので、チェックインもとても簡単です。
・スタッフ:8/10
家族経営のゲストハウスで、みんなとても良い人たちでした。
英語が話せる従業員もおり、観光スポットやハイキングの情報などいろいろとアドバイスしてくれました。
・清潔さ:8/10
山小屋風の建物で、掃除は行き届いていてとても清潔です。
唯一のマイナスはトイレ兼バスルーム。
この宿だけではなく、アルバニア全体でそうなのですが、トイレの中にシャワーだけがついていて、仕切りなどはありません。
そのため、常に床が水浸しの状態になってしまいます。
・設備:7/10
部屋にあるのはベッドとコンセントのみ。
心配していたシャワーのお湯も問題なく出ました。
村の商店から遠いのが欠点ですが、ビールなどはゲストハウス内で販売しています。
他のゲストハウスと同様に、キッチンはありません。
・wi-fi:8/10
テスの安ゲストハウスには珍しく、wi-fiが利用可能です。
部屋ではやや速度が遅かったものの、テラスやメインロッジでは問題なく接続できました。
・雰囲気:10/10
とにかく素晴らしいのが、ゲストハウスから眺める山々の風景。
庭に設置された開放的なベンチに座って朝食を食べたりくつろいだりすることができます。
また自家製の夕食は宿泊客みんなで食べるスタイルなので、自然とコミュニケーションが生まれます。
ここに集まる人も、自然が好きでゆっくりと旅を楽しんでいる人が多く、ゲストハウス中が温かい雰囲気に包まれていました。
総合:8.3/10
テスに滞在するなら是非おすすめしたいゲストハウスです。
最安値の部類ですが、価格以上の滞在ができます。
何度も書きますが、夕食オプション(€8.5)は絶対に一度はつけるべき。
温かみのある絶品の伝統料理を食べることができます。
テス(Theth)への行き方
テスへのアクセスの拠点は、アルバニア北部最大の町であるシュコドラのみとなります。
のんびり滞在したいシュコドラ。観光スポットやおすすめホステルを紹介しています。
そもそも道路が一本しか通っていないテス。
移動手段はかなり限られてしまいます。
シュコドラからテスへは、フルゴン(乗り合いバス)を利用します。
この区間のフルゴンは、ドライバーへの事前予約が必須。
アルバニア語なんてわかるわけがない私達旅行者は、シュコドラの宿泊先の人に頼んで予約してもらうことになるでしょう。
シュコドラからテスへのフルゴンの出発時刻はほぼ固定で、朝7時頃です。
出発する場所は、どのフルゴンに乗るか、どこの宿から予約するかによって変わってくるので、予約をお願いした宿の人に確認する必要があります。
テスへの道の最後の1時間半ほどは想像を絶する悪路になります。
文章にするとそうでもなさそうですが、まじでヤバいです(笑)
よく今まで死人でなかったなレベル。
USJのインディージョーンズのアトラクションを、より激しく、より速く、安全バーなしにしたもの。と言えば分かりやすいでしょうか。
とにかく凄まじいくらいに揺れるので、酔いやすい人は要注意です。
「気持ち悪くなって絶景が楽しめない…」なんてことにならないようにしましょう。
料金:1250Lek/€10(=¥1220)
所要時間:3〜4時間
呪われた山ハイキング、コーマン湖フェリーとの組み合わせがおすすめ
シュコドラからテスだけを訪れるのもいいですが、せっかくこんな山奥まで来たのなら周辺の見どころも押さえたいもの。
先述の呪われた山へのハイキングと、コーマン湖フェリーを組み合わせて周遊するのがおすすめです。
これら全ての見どころへ行くなら、最低でもこのエリアに2泊3日の滞在が必要です。
(それでもかなり厳しいスケジュール)
テス国立公園、呪われた山、コーマン湖フェリーの全てを100%満喫するなら、3泊4日は欲しいところ。
アルバニア旅行で日程を詰めすぎるのは禁物。
ゆっくりと大自然を満喫してみるのがおすすめです。
今回紹介したテス国立公園の見どころと呪われた山のハイキング、コーマン湖フェリーを組み合わせたモデルプランや交通手段、おすすめの宿情報等は以下の記事内で解説しるので、あわせて読んでみてください。
おわりに
心からおすすめしたい、テス国立公園を含む呪われた山周辺エリア。
日本人の多くは、アルバニアの首都・ティラナだけに滞在して他の国へとさっさと移動しますが、そんなの肉まんの白い部分だけ食べて満足しているようなもの。
確実に間違っています。
ハイキングする、しないに関わらず、アルバニアに来てテスに滞在しないなんて本当にもったいない!
数年後には一躍脚光を浴びて、大きな道路が通ったり、団体観光客かこぞって訪れたりするような場所になってしまう可能性だってあります。
有名になって開発されすぎれしまう前の今がチャンス。
アルバニアへ行くなら、他の日程を変更してでも絶対にテスには行ってください。
きっと、ここまでおすすめする意味がわかってもらえるはずです。
テス国立公園と組み合わせて訪れたい他の見どころについては、以下の記事で解説しています。
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