こんにちは!ジョージア北西部のスヴァネティ地方を3週間旅した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
「初めてジョージアを訪れるんだけど、どこがおすすめ?」と問われたら、のぶよは迷わず即答します。
「とにかくスヴァネティ地方へ行け…!」と。
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コーカサスの山々の大自然と、時が止まったような素朴な村々、地方部の温かなホスピタリティー…
と、「ジョージア」と聞いて多くの人が思い浮かべるような要素がギュッと詰まった地域であるからです。
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これほどに「コーカサスの秘境感」漂う山岳エリアでありながら、アクセスや観光面のインフラはかなり整備されているのもスヴァネティ地方の素晴らしい点。
自分の足で歩きたいアドベンチャー派にも、大自然を手軽に味わいたいファミリー派にも、ゆっくり過ごしたいリゾート派にも。
とにかく、全ての旅行スタイルに適した楽しみ方ができるのです。
今回の記事は、これまで10記事以上に渡って色々と書いてきたスヴァネティ地方の観光情報の総まとめとなるもの。
エリア内の見どころや独自の文化に触れる体験はもちろん、実際に旅行する際に役立つ情報をコンプリートしています。
・「スヴァネティ地方でしたい10のコト」(観光/文化体験まとめ)
・スヴァネティ地方旅行のベストシーズン
・スヴァネティ地方へのアクセス情報
・スヴァネティ地方の旅行計画のコツ(必要日数/宿選びのポイント)
これさえ読んでおけば、旅が充実したものとなること間違いなし!
「ジョージアの絶景街道」と呼ぶにふさわしい、スヴァネティ地方の魅力を堪能する旅の参考となれば嬉しいです。
スヴァネティ地方観光で絶対にしたい!10のこと
1:メスティアの美しい町並みを散策する
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スヴァネティ地方で旅行者が最初に足を踏み入れる町が、メスティア(Mestia / მესტია)。
スヴァネティ地方の中心となる町で、宿泊施設やレストラン、スーパーマーケットなど旅行者に必要なものは一通りそろいます。
中心街こそ開発が進むメスティアですが、少し散策すると、この地方独特の「復讐の塔」を持つ石造りの建物が並ぶ光景に気が付くでしょう。
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コーカサスの山々を背景に、昔ながらの風景が広がるメスティアは、スヴァネティ地方の旅のスタート地点としてもゴール地点としてもぴったりな場所。
伝統文化や歴史に触れることができるミュージアムも充実しているので、楽しみ方は無限にあります!
2:ウシュグリの絶景に圧倒される
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スヴァネティ地方を旅する人のほぼ全員が訪れるのが、エリア内で最も奥に位置するウシュグリ(Ushguli / უშგული)という村。
人口千人ほどの小さな村は中世の姿をそのままに残したもので、UNESCOの世界遺産にも指定されています。
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桃源郷のような現実離れした雰囲気の村には、絶景ポイントは数知れず。
スヴァンティ地方独自の歴史や文化を象徴する見どころも点在しており、ゆっくりと滞在したい場所です。
ウシュグリ村のすぐ後ろには、雪をかぶったコーカサスの山々がそびえ立っており、ここを起点として大自然の中をトレッキングすることも可能です。
3:コーカサスの氷河を目の前で眺める
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スヴァネティ地方が旅行者に人気である理由の一つが、ダイナミックな氷河へ手軽にアクセスできること。
通常、氷河を間近で眺めるためには、かなりの山道を歩かなければならないことが多いのですが、スヴァネティ地方では町や村から近い場所に氷河があるので、ハードなトレッキングなしでも観光することができるのです。
ウシュグリからさらに奥へと進んだ場所にあるシュハラ氷河(Shkhara Glacier / შხარის მყინვარი)は、その代表格。
絶えず解けだす氷河が発する「ピキピキッ」という音に、大地の息吹を感じずにはいられません。
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メスティアから簡単にアクセス可能なチャラアディ氷河(Chalaadi Glacier / ჭალაადის მყინვარი)も名物の一つ。
氷河の一部分がえぐれてできた洞窟のような地形があるのが特徴的で、「チャラアディ・ブルー」と称される氷河内部の神秘的な青の世界が見られます。
4:4日間トレッキングで大自然と伝統文化を五感で味わう
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スヴァネティ地方の二大観光地であるメスティアとウシュグリ間は、マルシュルートカや現地ツアーで移動するのがポピュラー。
車では2時間ちょっとで移動できる二つの村ですが、体力と日程が許すならぜひともトレッキングで移動するのはいかがでしょうか。
総歩行距離70km/4日間に及ぶトレッキングとなりますが、コース自体は初心者でも問題なく歩けるほどのレベル。
各日の宿泊&食事は山の中の村にあるゲストハウスで済ませることができるので、特別な装備やテントなどは全く必要ありません。
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手軽&難易度低めのトレッキングであるにも関わらず、コース上の見どころの素晴らしさには言葉を失ってしまうほど。
自分の足で歩いた人だけが見られる大自然の風景や、観光地化の波にのまれていない小さな村など、スヴァネティ地方の魅力を全身で体験することができるのはもちろんのmこと。
ゴール地点のウシュグリに到着した時の達成感は言葉にならないものがあります。
のぶよ的に、この4日間トレッキングこそがスヴァネティ地方観光の真のハイライトだと思います。
5:天空の湖で鏡張りの風景に感動する
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メスティア滞在中に絶対に訪れたいのが、標高3000mほどの地点にあるコルルディ湖群(Koruldi lakes / კორულდის ტბები)。
人里離れた場所に点在する氷河湖では、周辺のコーカサス山脈を反射する鏡張りの風景が見られるのです。
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メスティアからはトレッキングでのアクセスが定番で、そのコース自体もかなりの絶景続き。
ただ、高低差はかなり大きく、傾斜も急な場所が多いので、スヴァネティ地方のトレッキングの中では最もハードな部類に入ります。
コース途中まではタクシーでアクセス可能なので、体力に自信がない人でもぜひ訪れてほしいスポットです。
6:ツヴィルミ村でスヴァネティの原風景に出会う
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メスティアからズルルディ山脈を隔てた南側の谷間にあるツヴィルミ(Tsvirmi / წვირმი)は、のぶよ個人的にイチ押しの村。
観光客に人気の村ではないため目立った見どころは少なく、旅行者向けのインフラも整ってはいないような場所なのですが、それこそがツヴィルミを特別な場所にしています。
近年、観光地化が激しいスヴァネティ地方では、だんだんと伝統的な村の風景や人々の生活が失われつつあるのが現状。
一方で、他の観光エリアから地理的にやや離れたツヴィルミでは、観光客がほとんどやってこないこともあり、「古き良きスヴァネティ地方の村」という雰囲気が色濃く残っているのです。
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メスティア起点に日帰りトレッキングで訪れることも可能ですし、先述の「メスティア~ウシュグリ間4日間トレッキング」と組み合わせることも可能。
あまり多くの観光客が訪れて観光地化されてしまうのは嫌ですが、ツヴィルミの素朴で懐かしい風景の素晴らしさはもっと多くの人に知られるべきだと思います。
7:名物グルメを制覇する
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実は、スヴァネティ地方はジョージアの他地域とは異なる歴史をたどってきた地域。
それは食文化にもよく表れていて、ここでしか食べられない名物グルメも多く存在するのです。
山岳部で農地が少ない&冬は雪に閉ざされる、ということで、スヴァネティの名物料理はかなり質素。
小麦粉・じゃがいも・チーズなど毎日の食事に使われる材料を最大限に利用したものが目立ちます。
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厳しい自然環境の中で生きていくために、昔から受け継がれてきた伝統の味。
豪華さや彩りとは無縁ですが、飾らない素朴な味わいの料理の数々は、なんだか心が温かくなるようなほっとする味わいのものばかりです。
8:「復讐の塔」に登って歴史に触れる
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スヴァネティ地方で絶対に体験したいことの一つが、どこの村にもある「復讐の塔」に登ること。
ジョージア山岳地域では、異民族の侵入を見張るために眺めが良い場所に見張り塔を建てることが多かったのですが、スヴァネティ地方の塔はかなり独特。
というのも、この見張り塔は一般の家庭に併設される形で建っていて、外敵ではなく他の村人による「復讐」から自分の家族を守る目的で造られたためです。
「復讐の塔」とは?
ジョージアの山岳部地域ではどこでも見られる見張り塔。
ジョージア語でコシュキ(koshki / კოშკი)と呼ばれ、そのほとんどはコーカサスの山を越えて侵入してくる異民族から、自分たちの村や家族を守るために建設されたもので、敵の侵入を見張ることができる高台などに位置しているのが普通です。
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しかしながら、スヴァネティ地方では高台以外にも、一般の民家に見張り塔が併設されているのが独特。
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ここには、15世紀~19世紀にかけてどこの国にも属さず、村ごとに自治が行われていたスヴァネティ地方独自の事情が関係しています。
村の掟を破る者や、他の村人を侮辱したり暴力をふるう者には「血の復讐」と呼ばれる制裁がなされ、本人はもちろんその家族も復讐の対象とされました。
(日本の村八分のエクストリームバージョンだと思ってください)
一応、「血の復讐」は村の偉い人の決定により行われるというルールがあったのですが、しばしばそのルールは破られ、個人的な怨恨などで復讐が実行されることも多かったそうです。
「何がきっかけで他の村人に復讐されるかわからない」という恐怖は、人々に見張りと防衛を兼ねた塔を自宅に作らせ、数か月間塔の内部で籠城生活を送ることを可能にしたのです。
現在ではその風習は廃れ(たとされてはいます)、人々は塔の外の自宅で生活を送るようになりました。
これらの塔はいつしか「血の復讐の塔」と呼ばれるようになり、スヴァネティ地方独自の風習や歴史を現在に伝え続けています。
そんな恐ろしい歴史を持つ「復讐の塔」。
中には一般に開放されているものもあり、最上部まで登ることが可能です。
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のぶよが登らせてもらったのが、メスティアにあるマルジアニ・ハウスミュージアム(Margiani’s House Museum)という伝統家屋をそのまま博物館にした場所の塔でした。
かつては緊急時に家族全員が数か月間籠城生活をするための空間だった復讐の塔。
現在の塔の最上部からは、平和な雰囲気に満ちた風景だけが広がっていました。
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スヴァネティ地方の歴史や伝統文化をもっと知りたい人は、メスティア中心街近くにあるスヴァネティ歴史民俗博物館を見学するのもおすすめです。
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この地域での出土品や中世の武器などの展示から始まり、かつて実際に使用されていた家財道具や民族衣装などの展示が充実しているのがポイント。
スヴァネティ地方の歴史や文化を深く理解することができる場所です。
9:スヴァン語を使ってみる
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ジョージア国内に位置するスヴァネティ地方ではもちろんジョージア語が100%通用しますし、ソ連時代を経験した40歳以上の人にはロシア語も必ず通じます。
しかしながら、スヴァネティ地方は長い間どこの国家にも属さずに、各村で独自の自治システムが存在していた地域。
その独自の歴史の影響は、すでに紹介した食文化や伝統文化にも表れていますが、最も驚くのがスヴァン語という独自の言語が話されている点です。
ジョージア語 | スヴァン語 | |
こんにちは | გამარჯობა ガマルチョバ | ხოჩა ლადაღ ホチャ ラダフ |
ありがとう | მადლობა マドロバ | ივასუ ხარი イヴァス ハリ |
お元気ですか? | როგორ ხარ? ロゴル ハル | მაგვარდ ხარი? マグヴァルド ハリ |
こんばんは | საღამო მშვიდობისა サガモ シュヴィドビサ | ხოჩა ნებოზ ホチャ メボズ |
比べて見ると一目瞭然ですが、スヴァン語とジョージア語は同じ南コーカサス語族とはいえ、驚くほどに語彙の共通点がありません。
子音が多くカクカクした響きのジョージア語に対して、長母音が多いスヴァン語はどこか柔らかい響きを持つのも特徴的。
ジョージア語に関して赤ちゃんレベルの知識しかないのぶよでさえ、一発で「これはジョージア語じゃない…?」と聞き分けられるほどでした。
スヴァン語の話者は年々減り続けているそうで、消滅が危惧されている言語の一つだそう。
一方で、のぶよが滞在したゲストハウスのオーナー家族間での会話はスヴァン語で行われていることがしばしばあり、「生スヴァン語」にとても感動しました。
10:ゲストハウスでホスピタリティーに触れる
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スヴァネティ地方を訪れた旅行者の多くが宿泊することになるのが、家族経営のゲストハウス。
「ゲストハウス」とひとことで言っても様々なタイプがあり、モダンな設備が自慢のお洒落なものから、本当に普通の家でしかないものまで。
好みや予算に合わせて、自分に合った宿を選ぶことができます。
モダンで快適な宿も良いですが、せっかくスヴァネティ地方に来たなら、家族の一員になったかのように温かなおもてなしが受けられる小規模&ローカルなゲストハウスがおすすめ。
飾り気こそありませんが、この地で暮らす人々の生活にお邪魔したような気分になり、ローカルな文化に深く入り込むことができるためです。
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英語なんて通じるわけもなく、どうにか身振り手振りでお互いコミュニケーションをとっていると、どちらともなく自然と笑顔になるもの。
地元の食材をふんだんに使用した手作りの料理も、ゲストハウス宿泊の楽しみの一つです。
観光ボケしたようなぼったくり宿もないとは言いませんが、多くのゲストハウスではできる限り客人をもてなす伝統がまだまだ根付いて魅力的。
高級ホテルのような快適な滞在とはいきませんが、質素ながらも心温まるゲストハウスでの滞在は、スヴァネティ地方旅の思い出として心に残るはずです。
(この記事はまだまだ続きますが、実際に旅する人向けの実用的な内容となっています)
スヴァネティ地方観光のベストシーズン
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スヴァネティ地方へは、年間を通してアクセスが可能です。
とはいえ、ここはコーカサスの山々に囲まれた山岳部エリア。
平野部とは気候が大きく異なりますし、もちろん冬場は一面雪で覆われます。
「スヴァネティ地方のベストシーズン」は、何を目的にするかによって変わってくるものですが、大まかに言うと次の通り。
・トレッキング目的:夏~秋(7月~9月)
・スキー目的:冬(12月~3月)
・紅葉目的:秋(9月下旬~10月初旬)
このように、季節ごとにそれぞれの楽しみ方があるのもスヴァネティ地方の魅力ですが、何を目的にするにかかわらず避けた方が良い時期もあります。
それは、4月~6月にかけての春から初夏の季節。
ジョージア全体が梅雨のような気候となる時期で、とにかく雨に降られる可能性が高いためです。
各季節ごとのスヴァネティ地方の気候の詳細は、以下のタブ内にまとめているので参考にしてください。
長い冬が終わり、スヴァネティ地方でようやく雪解けが始まるのは4月に入ってからのこと。
草木もまだ芽吹いておらず、一面真っ茶色で寂しい風景&地面はグチャグチャとなるこの時期。
トレッキングにも向きませんし、山岳リゾート気分を味わうには気温が低すぎるでしょう。
5月に入ると気温は上がってくるものの、ジョージア全体が梅雨のような気候となり、雨が降る確率がかなり高くなります。
不安定な天気は7月上旬頃まで続くので、この時期の旅行は悪天候リスクと隣り合わせであることを覚えておきましょう。
7月中旬になると、それまで数か月続いた梅雨のような天気が嘘のように晴れ渡る日が続き、スヴァネティ地方にも夏がやってきます。
夏本番である7月中旬~8月末は、天気が安定している文句なしのベストシーズン。
大自然を眺めながらのんびりリゾートステイするには最適な時期となります。
しかしながら、ベストシーズンのスヴァネティを体験しようと、バケーションシーズンにあたる欧米諸国から多くの旅行者がやってくるのもこの時期。
メスティアやウシュグリなど人気の村は外国人であふれ、トレッキングコースでさえ人でいっぱいになるそうです。
小さな村のゲストハウスは客室数が少なく、宿泊先の選択肢が限られてしまうのはもちろんのこと。
「せっかくの大自然を味わうために歩いていても、目に入るのは人の姿ばかり…」なんてちょっと幻滅してしまうかも。
のぶよ的にイチ押しなのが、夏の超ハイシーズン明けの9月。
9月も中旬になると、それまでの観光客の波が嘘のように落ち着いた雰囲気になります。
特に9月下旬の紅葉の進み具合は感動もの。
到着した時は一面が緑色だった山が、10日足らずで真っ黄色に変化していたくらいですから。
気温も7、8月に比べると涼しいので、トレッキング目的なら最適な時期だと思います。
一方で、紅葉が見頃を終える10月上旬を過ぎると、スヴァネティ地方は一気に冬の空気に包まれ、天候は不安定になります。(1週間で最高気温が10℃以上下がることも)
年によっては10月中に雪が降ることも珍しくありません。
11月に入ると雪が降る日が次第に多くなり、11月末にもなるともう冬真っ盛りになるスヴァネティ地方。
12月になるとスキー場もオープンし始め、ウィンターアクティビティーを楽しむ人達で賑わうようになります。
スキー目的なら、12月~3月までがベストシーズン。
ただ、気温はかなり下がりエリア全体が大雪に覆われるため、一般的な観光やトレッキングはほぼ不可能となります。
スヴァネティ地方へのアクセス・行き方
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「スヴァネティ地方観光のベストシーズン」の項で解説した通り、スヴァネティ地方へは1年を通してのアクセスが可能です。
ジョージア国内他都市から来た旅行者が最初に足を踏み入れることになるのはメスティア。
アクセス方法は以下の3通りとなります。
・マルシュルートカ(乗り合いミニバス)
・鉄道* + マルシュルートカ
・飛行機
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スヴァネティ地方はジョージア他都市からかなり距離があるため、マルシュルートカだと移動が長時間となってしまうのがネック。
トビリシ / クタイシからアクセスする場合は、たった1時間ほどで移動可能な飛行機の利用も選択肢の一つです。
各都市~メスティア間の詳細な移動情報に関しては別記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください!
スヴァネティ地方旅行のプランニングのコツ(必要日数 / 宿の選び方)
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見どころがたくさんあるスヴァネティ地方の旅行は、時間をたっぷりと使ってのんびりと楽しみたいもの。
とは言え、のぶよのように3週間もまとめてダラダラ過ごせる人は多くないと思います(笑)
この項では、スヴァネティ地方の旅行のプランニングに役立つ情報を解説していきます!
スヴァネティ地方旅行の必要日数
初めてのスヴァネティ地方旅行なら、どの場所にどれくらいの日数が必要なのか、なかなかイメージが湧きにくいものです。
多くの観光客が訪れるメスティアとウシュグリの二大観光地に最低限必要な日数は以下の通り。
・メスティア:最低1泊2日 (理想:2泊3日)
・メスティア周辺:1日~4日 (どこまでまわるかによる)
・ウシュグリ:最低1日 (理想:2泊3日)
以下は、各スポット観光に必要な日数に関しての詳細情報です!
【メスティア:1泊2日】
メスティアの中心エリア自体には、あまり見どころの数は多くはないので、限られた時間でも観光することができます。
しかし、他都市からメスティア入りする旅の1日目は、ほとんどの場合午後遅くなってからの到着となるため、観光する時間はほとんどありません。
午後に到着してからウシュグリへと移動しようと思っても、タクシー以外の手段がないのが現状。
時間がかなり限られている場合以外は、1泊目はメスティアに宿泊するのがベターでしょう。
1泊2日の日程であれば、主要な見どころは全てまわることができますが、ミュージアムを訪れたり名物グルメに挑戦したりと楽しみ方が色々とあるのもメスティアの魅力。
のぶよ的には、最低でも2泊はしてスヴァネティ地方らしいのんびりとした雰囲気を味わうのがおすすめです。
【メスティア周辺:それぞれ+半日~1日】
メスティアの周辺には数多くの見どころが点在しており、足をのばす場合はそれぞれ半日~丸一日の時間を要します。
トレッキング | 現地ツアー/タクシー | |
コルルディ湖群 | 往復7~8時間 | 往復4時間 |
チャラアディ氷河 | 往復6~7時間 | 往復2~3時間 |
ハツヴァリ展望台 | 往復5時間 | 往復1時間 |
ツヴィルミ村 | 往復6~9時間 | 往復3時間 |
スヴァネティ・ヴァレー | 片道4~5時間 (日帰りは△) | 往復5時間 |
自分の足で歩くのか、タクシーや現地ツアー等を利用して快適にアクセスするのかによって所要時間は変わってきます。
トレッキングの場合は、体力面も考えて1日1か所にしておくのが基本。
(ハツヴァリ展望台とツヴィルミは組み合わせ可能)
トレッキングで全ての場所を訪れる場合、プラス4日間は必要になります。
反対に、タクシーなどを利用する場合は、1日でいくつかの見どころをセットでまわることも可能です。
2日間~3日間あれば、全ての見どころをくまなく見学することができるでしょう。
【ウシュグリ:1泊2日】
世界遺産のウシュグリへは、メスティアからの日帰りで訪れる旅行者がかなり多いのですが、絶対に1泊はすることをおすすめします。
というのも、ウシュグリは東西に細長い地形で意外と面積が大きく、見どころも広範囲に散らばっているため。
ウシュグリ村内での交通手段は馬くらいしかないので、日帰りで主要スポットを全てまわるのは至難の業です。
のぶよ的には、最低でも1泊2日、理想的には2泊3日の日程を組んでおいて、桃源郷のような村の雰囲気を味わってほしいです。
また、ウシュグリ近郊のシュハラ氷河へと足をのばす場合は、トレッキングで往復6時間 / 馬で往復3時間ほどの時間が必要です。
スヴァネティ地方の宿泊先の選び方
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スヴァネティ地方に滞在する際は、各町や村での宿泊先の選び方がとても大切。
山がちな地形&村内の交通が発達していない場所が多いので、一歩間違えるとかなり不便を感じながらの滞在となってしまうためです。
スヴァネティ地方での宿泊先選びのポイントは、エリアによって大きく変わります。
・メスティア
・ウシュグリ
・それ以外の村
の3つに分けて見ていきましょう。
メスティア:中心街ならどこでも!予算や好みに合わせてチョイス
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スヴァネティ地方最大の町であるメスティアは、宿泊先の選択肢も比較的豊富。
高級リゾートホテルのような施設こそないものの、快適な中級ホテルから格安ゲストハウスまで、予算や好みに合わせた滞在が可能です。
メスティアの宿泊先選びのポイントは、中心街に位置する宿を選ぶこと。
南北を山に挟まれた谷にひらけた町なので、中心街を外れると坂道が多くなり、ちょっとした移動が不便になるためです。
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スーパーマーケットやレストラン、バスステーションなど旅行者が利用する施設は全て中心街の半径200m以内の狭いエリアにあるため、ここから離れれば離れるほど移動に不便を感じることになるでしょう。
ウシュグリ:基本ゲストハウス泊。中央部の集落が便利
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ウシュグリは人口千人ちょっとの小さな村で、ホテル等の大規模な宿泊施設は存在しないため、基本的にゲストハウスでの宿泊となります。
(改築をして近代的な設備&雰囲気のゲストハウスならあります)
ウシュグリのゲストハウスを選ぶ際に覚えておきたいのが、村内は4つの集落に分かれている点。
最も端に位置する2つの集落間の距離は2kmほど離れており、集落間を結ぶ交通手段も(馬以外には)ないため、行ったり来たりするのは結構大変です。
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おすすめは、中央に位置するチャジャシ / チュヴィビアニのどちらかの集落の宿を選ぶこと。
村全体で2軒しかない商店もこれらの集落にありますし、メスティアからの観光マルシュルートカが停車するバス停もこれら集落の中間地点に位置しています。
その他の村:宿泊予約サイトに載っている宿には注意
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メスティアとウシュグリ以外の村は、どれも人口数十人~百人ほど。
もちろんホテルなどの設備はなく、一般の家の一部の部屋を旅行者に開放したゲストハウス泊が基本となります。
どの村もかなり小さいので、特に立地を気にする必要もありません。
しかしながら、観光地化が激しいスヴァネティ地方の一部の村では、宿泊先となるゲストハウスの当たり外れがかなり激しい点に注意が必要です。
疑ってかかったほうがいいのが、Booking.comなどの宿泊予約サイトに掲載されている宿。
こうした宿は多くの外国人観光客が予約して訪れるため、宿の人が観光ボケしてしまったところが多いのです。
特に、メスティア~ウシュグリ間の4日間トレッキングの宿泊拠点となる村でその傾向は顕著。
トレッキング客のコースはほぼ決まっており、みんながみんな「トレッキング→1泊→翌朝には出発」という流れでこれらの村に滞在することから、「温かくもてなしたところで、どうせ1泊して朝には出ていく→適当にあしらっておけば良い」という残念な意識が蔓延しつつあるのです。
のぶよが4日間トレッキングの1泊目にBooking.comを通して予約していた某村の某宿では、
・かなり高い金額(ジョージア的に)だったのに夕食は芋とパンだけ
・後から色々別料金を請求してくる
・暖房をつけていたら勝手に消される
なんてこともありました。
もちろん、全ての宿がそうであるわけではありませんが、せっかくの旅行なら気持ちよく過ごせる宿に泊まりたいですよね。
のぶよが実体験で学んだのは、「予約なし(飛び込み)で部屋を見学させてもらうのがベスト」ということ。
小さな村ではゲストハウスの設備や料金などはどこも同じようなものなので、決め手になるのは宿の人の人柄以外にはありません。
部屋の下見をしながらオーナー家族の感じを見て決めるのが、最も失敗しにくい方法だと思います。
おわりに
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ジョージア観光のハイライトとなるエリアの一つ、スヴァネティ地方の観光・滞在に必要な情報を全て解説しました。
メスティア以外の場所は情報もかなり限られているため、実際に訪れる人の参考となれば嬉しいです。
日本ではまだまだ知られていないエリアですが、実際は欧米人たちによって「もう見つかってしまった感」が感じられるのがスヴァネティ地方。
そう遠くない未来には一大観光地として開発され、団体ツアーなども多く訪れるようになるでしょう。
そうなる前に、ピュアな魅力が残る村々の素晴らしい風景や、人々の間に息づく伝統のホスピタリティー文化を感じに行ってほしい地域です。
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