こんにちは!ジョージア中西部をのんびりと旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
様々な見どころが点在する、ジョージア第二の都市・クタイシ周辺エリア。
など、バラエティーに富んだスポットが目白押しです。
今回紹介するのも、クタイシから日帰りで訪れることができる見どころ。
有名ではないものの、知れば絶対に行きたくなること間違いなし!の超おすすめスポットです。
その名も、ディハシュホ温泉。
周囲2kmほどに渡って一切何もない平原の中にぽつりとある天然温泉で、日本の有名温泉地にも負けないほどの美しい乳白色のお湯で温泉体験ができるのです。
これまでの世界半周中に「温泉」と名の付くスポットにはくまなく訪れてきたのぶよですが、温度・泉質・景色・秘湯感などを総合すると、このディハシュホ温泉が暫定一位だと思うほど。
観光地化も全くされていないので、とにかくおすすめです!
記事後半では、ディハシュホ温泉とぜひともセットで訪れたいヴァニという町も紹介しています。
古代ジョージア西部にあったコルキス王国の遺跡が残る町で、モダンな考古学博物館や古代遺跡巡りをしながら、2500年前にタイムスリップできる場所です。
ディハシュホ温泉とヴァニは、クタイシからの日帰りでセットで訪れることが十分に可能なのも嬉しい点。
個人でも公共交通手段を使って、簡単にアクセスすることができます。
ネットにはほとんど情報がなく、多くの観光客が知らずに通り過ぎてしまうようなスポットですが、大満足のデイトリップとなることを保証します!
ジョージアで極上の露天風呂体験!ディハシュホ温泉
もはや言葉で説明するよりも、写真で見た方が早いでしょう。
イメレティ地方の広大な大地のど真ん中にこんこんと湧き出すディハシュホ温泉(Dikhashkho / დიხაშხო)は、秘湯中の秘湯といった雰囲気の天然の露天風呂です。
マルシュルートカ(乗り合いミニバス)が通る幹線道路から2kmほど入った場所にあり、周囲には民家はおろか、人っ子一人いないような原野がどこまでも広がります。
ディハシュホで湧き出すお湯は、湧き出したときは無色透明ですが、空気に触れると青みがかった乳白色のお湯に変化するよう。
石灰成分が豊富なようで、浴槽には凝固したミネラル成分がこびりつき、まるで真っ白な雪のよう。
トルコの世界遺産・パムッカレを思い出させる石灰棚(極小ではあるけど)が、湯舟にこびりついており、温泉気分を盛り上げてくれます。
浴槽の脇には、とってつけたような着替えスペースもあるので、気になる人は利用することもできます。(かなりボロボロではあるけど…)
貸切状態の温泉に体を沈めてみて、びっくり。
かなりの適温なのです。
体感では、温泉が湧き出している付近は42℃くらい。そこから離れると39℃くらいと、自分が好きな温度のポイントで入浴することができます。
海外の温泉はぬるめなことが多いので、これはかなり嬉しいポイントかも。
また、ミネラルを多く含んでいる泉質も良く、10分ほどつかった後はお肌スベスベになります。
温泉には欠かせない独特の硫黄の匂いも漂い、気分は完全に別府温泉での休日…
周囲には広大な原野が広がっており、まるで世界にたった一人取り残されてしまったような気分になります。
結局2時間くらいお湯に使ったり外で涼んだりしましたが、その間誰かが来ることはありませんでした。(野犬が3頭やってきたくらい)
ディハシュホ温泉への入場は完全に無料。24時間開放されています。
水着の着用は義務ではないそうですが、気になる人は持参しましょう。
日が暮れると地元の酒飲みたちの溜まり場となるそうなので、女性はできる限り昼間に訪れるのが良いと思います。(地元の人とワイワイ飲みながら入浴したい人は、あえて夕方以降を狙うのもアリ)
日本から遠く離れたこの国で、こんなに素晴らしい温泉体験ができるとは…
とにかくお湯の質が良く思えて、静寂に包まれた周囲の雰囲気も秘湯感も、総合的に大満足でした!
【2022年11月追記:ディハシュホ温泉の混雑について】
かつては「知る人ぞ知る」といった秘湯感に満ちていたディハシュホ温泉ですが、ジョージアの観光ブームや昨今のロシア人大量流入により、このエリアきっての人気スポットに変貌しています。
地元の人も変わらず訪れるそうですが、インスタ映え大会をする外国人旅行者(主にロシア語圏の)でごったがえすことも珍しくないそう…まじで嫌だ…
ディハシュホ温泉の浴槽は写真で見る以上に小さく、十人も集まればたちまちイモ洗い状態に。場合によっては人が多すぎて入浴できないことも考えられます。
週末はできるだけ避けるのはもはや鉄則。夏場の観光シーズン(6月~9月)も避けた方が良いでしょう。
オフシーズン(11月~3月)の平日の午前中を狙って訪れることを強くおすすめします。
「ジョージアの別府」こと(勝手にそう呼んでる)、ディハシュホ温泉へ。見渡す限りの平原に湧く、40℃ほどの青みがかった乳白色の野良露天温泉。
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) November 9, 2022
無料だし誰もおらず貸切だし適温の極みだし硫黄臭すさまじいし、なにこれもう日本。極楽過ぎて溶けそう… pic.twitter.com/ACUVXMihVy
古代ジョージアの歴史を学ぶ!ヴァニ遺跡
ディハシュホ温泉だけでもわざわざ足をのばす価値があるのですが、せっかくここまで来たなら近くにあるヴァニ(Vani / ვანი)という町もセットで訪れるのがおすすめ。
一見すると、「ただの寂れた地方部の町」といった雰囲気のヴァニ中心街。
実はこの場所は、古代コルキス王国時代に町があった場所だと言われており、2500年前の遺跡が点在しているのです。
ヴァニ観光の中心となるのが、町の西側の高台の上に建つヴァニ考古学博物館。
この地で発掘された出土品を中心に、古代コルキス王国の歴史を学ぶことができるとして、ジョージア人にも大人気の博物館です。
コルキス王国とは、紀元前6世紀~紀元前1世紀(約2500年~2000年前)にかけて西ジョージア一帯を統治した国。
特産品の金を用いた装飾や黒海を利用した貿易で栄え、古代ギリシアとも交易があったとされています。
ヴァニ考古学博物館には、金を利用した石碑や装飾品が展示されているそうで、のぶよはここの見学目当てにヴァニに足をのばしました…が…
何とこの時は改装中で閉館していました…(この5日後に再オープン予定)
肩を落としていると、一人の警備員がやってきて、「あそこのつり橋を渡って向こうに行ってみろ」とのこと。(英語通じなかったので身振り手振りですが)
博物館自体は閉館していたものの、その広大な敷地内にはかつてのコルキス王国時代の遺跡が点在しているエリアがあり、そちらへの入場は自由とのことでした。
というわけで、博物館の展示の見学は諦めて、屋外ミュージアム部分だけでも周ることにしました。
ヴァニ遺跡の見どころ&古代コルキス王国の歴史
コルキス王国は、紀元前6世紀(2500年前)に黒海を越えてやってきたギリシア人の植民地として、黒海沿岸部~ジョージア中西部一帯に住み着いた人々が自治国家を築いたのが始まりだと言われています。
ヴァニに残る遺跡が何という名前の都市だったのかは解明されておらず、多くの謎が残っています。
しかし神殿や祭壇、大規模な墓地の跡が多く発見されていることから、この場所が当時の祭祀や信仰の中心地であったと考えられています。
博物館の敷地内にある遺跡の多くが神殿の跡ですが、
・周囲を見渡す高台にひらけた町→敵の侵入に気づきやすい
・円形の神殿が多い→見張り塔も兼ねていた?
ということで、各神殿には外敵の侵入から町を守る防衛拠点としての役割もあったのではないか、と考えられています。
紀元前4世紀のマケドニアのアレキサンダー大王による東方遠征の際には、周辺の多くの国が征服されてしまう中、コルキス王国は征服されることなく残ります。
ヴァニ遺跡内で最も保存状態が良いのが、12段の階段を持つ神殿跡 ▲
紀元前2世紀(2100年前)頃の建造で、ぴったり揃った石の切断面などに建築技術の進歩を感じることができます。
当時は、ジョージア東部で興ったイベリア王国の勢力がコルキス王国に及んでいた時代。
一応は独立を保っていたコルキス王国ですが、領内では勢力分裂が起こり、紀元前1世紀(2000年前)にポントゥス王国(現在のトルコ北東部)による征服によって完全に消滅してしまいます。
コルキス王国を征服したポントゥス王国の支配は長くは続かず、当時強大な力を誇ったローマ帝国の支配下となります。
その後600年ほどの間の西ジョージア一帯は、ローマ帝国とペルシア帝国の支配権が絶えず争われる場所となり、不安定な時代に突入することとなります。
ヴァニ遺跡に残るのは、ポントゥス王国に征服される前の「コルキス王国の黄金時代」の建造物群。
当時のジョージア東部と西部は全く異なる国家であったことを知ることができ、かなり発達していた当時の建築技術に驚くことでしょう。
「2500年前~2100年前の町」と聞くと、気が遠くなるほど昔に感じますが、元々一つの国ではなかったジョージア東部と西部では現在でも文化の違いを感じる場面もあるほど。
この国の歴史や文化をより深く理解したいなら、ぜひ訪れてみたい場所の一つです。
(できれば博物館が開館しているか事前に確認するのが◎)
ディハシュホ温泉&ヴァニのアクセス / まわり方
ディハシュホ温泉とヴァニはそれぞれ10kmほどの距離で、いずれもクタイシからのアクセスが便利。
これらのスポットへのアクセス方法は以下の2つのみです。
①タクシー
ディハシュホ温泉やヴァニへと効率良く移動するなら、タクシーが一番楽。
クタイシからのタクシー代の相場は、以下の通りです。
・クタイシ~ディハシュホ温泉往復(待機時間30分ほど込み):100GEL(=¥5000)
・クタイシ~ディハシュホ温泉(待機時間30分ほど込み)~ヴァニ片道:150GEL(=¥7500)
・クタイシからタクシー1日チャーター:250GEL(=¥12500)~
いずれの場合も言い値が基本となるので、事前交渉が必須です。
②マルシュルートカ(ミニバス)
ディハシュホ温泉&ヴァニへは、マルシュルートカ(乗り合いのミニバス)での移動も可能です。
ディハシュホが終点の便は存在しないので、利用すべきはクタイシ~ヴァニ間の便。
ディハシュホ温泉入口付近で途中下車することになります。▼
ここでは、クタイシ発着のディハシュホ温泉&ヴァニの効率的なまわり方とアクセス情報を解説していきます。
①クタイシ~ディハシュホ間マルシュルートカ
まずは、クタイシの中央バスステーションへ行き、ヴァニ行きのマルシュルートカを探しましょう。
雑然とした雰囲気のクタイシ中央バスステーションですが、一応行き先によって発着場所が決まっています。
・長距離(都市間)便:マクドナルド裏側
・短距離(近郊)便:マクドナルド東側・バスステーションの建物前
クタイシ~ヴァニ間は短距離にあたるので、マクドナルド裏側ではなくバスステーションの建物前からの発着となります ▼
赤:近距離便(ヴァニ行き)発着ポイント
クタイシ~ヴァニ間のマルシュルートカには一応時刻表があり、1時間に1本程度の割合で走っています。
午後になるとやや減便(1時間半に1本)となるのでご注意を。
のぶよが利用したのは、クタイシ発11:00ちょうどのヴァニ行きミニバスでした。
②ディハシュホ温泉までの徒歩ルート
クタイシからヴァニ行きのマルシュルートカに乗ったら、あとは地図とにらめっこするだけ。
出発から25分ほど走ったところに、ディハシュホ温泉へと至る未舗装道路に分岐するポイントがあるので、その付近で降ろしてもらいましょう。
(事前に運転手に温泉の写真を見せて「ここに行きたい」と言っておくのも◎)
未舗装道路は1.7kmほど続く平坦なもので、片道25分ほどでディハシュホ温泉に到着します。
徒歩の往復1時間 + 温泉の入浴時間(1時間くらい?)=2時間~の所要時間だと考えておきましょう。
③-Ⅰ:ディハシュホ→クタイシへ戻る場合
「ヴァニの古代遺跡なんて興味ない!温泉に入ればOK!」という人は、ディハシュホ温泉を満喫してからクタイシへとそのまま戻ることになります。
温泉~幹線道路までの1.7kmの未舗装道路を再び歩いて分岐点に到着したら、クタイシ方面へと走るマルシュルートカに途中乗車しましょう。
このマルシュルートカのヴァニ発時刻表は以下の通り。
7:00 / 8:00 / 9:15 / 10:00 / 10:30 / 11:30 / 13:30 / 14:30 / 15:45 / 17:00 / 18:00
このバスがディハシュホ温泉入口の分岐点を通過するのは、ヴァニ出発時刻+15分~20分ほど。
時間を逆算して、間に合うように待機するようにしましょう。
2022年11月追記:ディハシュホ温泉に再訪しました。
今回はヴァニへは向かわずに、クタイシからの単純往復のプラン。
ディハシュホ温泉入口→クタイシの復路は14:30ヴァニ発のバスに乗ろうと思って待機していたら、14:50頃にちゃんとやって来ました。
③-Ⅱ:ディハシュホ→ヴァニへ向かう場合
本記事のようにディハシュホ温泉の後にヴァニをセットで観光する場合も、温泉から温泉入口の分岐点に徒歩で戻ります。
早い時間(正午前)であれば、1時間に1本程度ヴァニ行きのマルシュルートカが通るので、のんびり待ちましょう。
正午を過ぎている場合は、下手すると1時間半ほどマルシュルートカが来るのを待つことになってしまいます。(こればかりは運)
この地点からヴァニまでは8kmほどなので歩けない距離でもありませんし、ヒッチハイクしてしまうのも一つの手だと思います。
④ヴァニ→クタイシ間マルシュルートカ
ヴァニの観光を終えたら、来た時と同じクタイシ~ヴァニ便に乗ってでクタイシへと戻ります。
バスステーションの人に尋ねたのですが、ヴァニ→クタイシの最終バスの時間は定かではありませんでした。
(人によって「17時だ!」「いや18時がある!」というジョージア地方部あるある)
しかしながら全員一致していたのは、17時ちょうどのクタイシ行きのマルシュルートカがあると言う点。
地元民の言葉を信じて時間までにバスステーションに戻ってきたのぶよですが、ちゃんと17時ちょうど発の便に乗ってクタイシに戻ることができました。
2022年11月追記:ヴァニ→クタイシ行きのバス時刻表を聞き込みしたので追加しておきます。
(でも、実際に現地で自分で確認するのをお忘れなく!)
7:00 / 8:00 / 9:15 / 10:00 / 10:30 / 11:30 / 13:30 / 14:30 / 15:45 / 17:00 / 18:00
おわりに
クタイシ滞在中のデイトリップ先を探している人にぜひおすすめしたい、ディハシュホ温泉とヴァニ遺跡を紹介しました。
温泉はとにかく素晴らしく、絶対に感動するはず。
かなり不便な場所にあるものの、わざわざ足をのばす価値は十分にあります。
また、ここまで来たならヴァニにもぜひ立ち寄ってみてほしいもの。
ジョージアの古代史に興味がある人はそこまで多くはないでしょうが、ヴァニ考古学博物館の展示はジョージア人が「絶対に見た方が良い!」と胸を張っておすすめするほどなので一見の価値があると思います。
(先述の通り、のぶよは見学することができませんでしたが…)
コメント
このブログでディハシュホ温泉を知り、昨日行ってきました❣️
たしかにロシア人家族が2組ほど…(笑)
行って本当によかったです、ありがとうございました
nana様
コメントをいただきありがとうございます。
ディハシュホ温泉に行かれたのですね。楽しんでいただけたようで何よりです!