というわけで、ここからが本番。
5ヶ月間のアルメニア滞在で食べた・飲んだもの合計56品を、一挙公開していきます!
それぞれの料理の予算や食べられるお店情報も分かる限り掲載しているので、実際にアルメニアをグルメ旅する人の役に立つはず!
アルメニア料理:スープ類
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前菜としても、パンと一緒に食べるメインとしても愛されるスープ料理。
地方や各家庭によって、材料や味付けが大きく変わってくるのも面白いところ。
シンプルながらも奥が深いスープ料理には、アルメニアの「美味しい!」がギュッと詰まっています。
①スパス 定番!
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アルメニアのスープ料理の定番中の定番が、スパス(Spas / Սպաս)。
ヨーグルトとハーブのバタースープで、温かい状態で提供されます。
ほのかな酸味とバターのコク、ハーブのフレッシュな味わいが混ざったスパスは、アルメニア全土で愛される国民食。
お店によっては「タナプール」(Tanapur / Թանապուր)と表記されている場合もありますが、基本的に同じものです。
・予算:700AMD(=¥168)
・お店:基本的にどこでも。のぶよが食べたのは、ヴァナゾルの”Hayeni cafe”でした。
②マンティ・タナプーロフ おすすめ!
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①のスパスの進化版スープが、マンティ・タナプーロフ(Manti tanapurov / Մանթի թանապուրով)。
ヨーグルトとハーブのスープに、マンティというアルメニアのミニ餃子がたっぷりと入っています。
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アルメニアのマンティはオーブンで焼いて調理されるのが独特で、カリカリ&サクサクの餃子とヨーグルトスープの相性は抜群。
アルメニアらしさが詰まった心温まる味わいのスープ、ぜひ挑戦してみてください!
・予算:1150AMD(=¥276)
・お店:エレバンのZatar Pizzaで食べました。
③アヴェルーク
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「アルメニアの雑草のスープ」がアヴェルーク(Aveluk / ավելուկ)。
日本語名では「ギシギシ」と呼ばれるアヴェルークという草を、トマトとチキンブイヨンのスープで煮込んだものです。
「え…?雑草のスープ…?」と思うでしょう。(のぶよも思いました)
確かに、アヴェルークはかなりエグみや酸味が強く、しっかりアク抜きをしないと美味しく食べられません。
好き嫌いが分かれる味だと思いますが、のぶよは好きでした。
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春~夏にかけてその辺の野原にアヴェルークを採りにいくのは、アルメニア地方部の典型的なアクティビティーなのだとか(本当だろうか…)
余ったアヴェルークは天日干しにして、いつでもお湯で戻せる状態にしておくそう。
冬場の貴重なビタミン源となる食材で、商店や市場でも「しめ縄」のような状態の乾燥アヴェルークがよく売られています。
・予算:600AMD(=¥144)~
・お店:エレバンの”Lavash Restaurant”で食べられますが、自分でも余裕で作れます。
④アヌシャプール
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アルメニアの年末年始の定番といえば、アヌシャプール(Anushapur / Անուշապուր)。
ドライフルーツをふんだんに用いた甘いスープで、バターで炒めた刻み玉ねぎとお米にお湯を入れ、大量の砂糖を投入…という豪快な料理です。
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日本人的には「お米とフルーツが入った甘いスープ」の意味がわからないかもしれませんが、これが意外とイケます。
例えるなら、「温かいフルーツポンチ」といった感じ。(果たしてこの表現で食欲をそそるのだろうか…)
ブドウやアプリコットなどのドライフルーツがお湯を吸ってみずみずしさを取り戻し、フレッシュなフルーツの食感が楽しめるのです。
こちらも冬場の貴重なビタミン源であるのは言わずもがな。
アルメニアの保存食文化の結晶だと思います。
・予算:500AMD(=¥121)
・お店:アラヴェルディの“Atorik”で食べられます。
⑤ヴォスパプール おすすめ!
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アルメニア風スープカレーのような位置づけのヴォスパプール (Vospapur / Ոսպապուր)は、レンズ豆とほうれん草、ドライフルーツが入った冬の味覚です。
カレーと言いつつも、使用するスパイスはクミンただ一つ。
トマトペーストや各種野菜でコクを出し、大量のハーブで味を調えるのです。
夏場は水の量多め&ニンニクを入れないあっさりスープとして、冬場は水の量少なめ&ニンニクを入れた煮込み料理として食べられることも多いそう。
ラヴァシュと一緒に食べるのが定番ですが、個人的には冬バージョンのヴォスパプールはご飯との相性も抜群だと思います。
・予算:800AMD(=¥192)
・お店:アラヴェルディの“Atorik”で食べられます。
アルメニア料理:前菜・サラダ・パン類
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アルメニアの食文化に欠かせないのが、前菜やサラダ。
お洒落なレストランに行くと、チーズやピクルス、燻製肉などをのせたプレートが提供される場合も。
見た目にも美しく、ディナータイムを盛り上げてくれる存在です。
アルメニアの食文化を語るにおいて欠かせないサイドメニューやパンに関しても、この項で紹介していきます。
⑥バストゥルマ 定番!
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アルメニアの前菜の定番と言えば、バストゥルマ(Basturma / Բաստուրմա)。
牛肉を天日干しにしたもので、スパイスやニンニク、大量の塩で味付けされた保存食の一種です。
生ハムのように薄くスライスしたものがチーズやピクルスとともに「前菜プレート」として提供されることが多く、見た目も華やか。
近年ではバストゥルマをトッピングしたオムレツやハチャプリ(チーズパン)などもポピュラーになっており、進化が止まりません。
・予算:1200AMD(=¥288)~
・お店:エレバンの “Lavash Restaurant”など、ある程度のお店なら前菜として置いてあります。
⑦アルメニアの二大パン:ラヴァシュ/マトナカーシュ 定番!
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アルメニアを訪れるなら、あいさつよりなにより先に覚えておくべき言葉があります。
それが「ラヴァシュ」(Lavash / Լավաշ)
まるで紙のような薄さのぺらっぺらのパンで、ファストフードの具を巻く際や、スープや煮込み料理の付け合わせなど、どんな料理にもあわせて食べられるアルメニアの国民食です。
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大型スーパーマーケットから、個人商店、市場など、とにかくどこでも購入することができるラヴァシュですが、やっぱり一番美味しいのはラヴァシュ専門店の焼きたてのもの。
小麦粉生地を極限まで薄くのばす手さばきは芸術そのものですし、専用の窯の内側に貼り付けて焼く伝統的な工程が見られることも。
Q:アルメニアの主食・ラバシュってどれくらい大きいの?30cmくらい?
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) September 10, 2021
A:これくらいです。
(ちなみにワイ身長172cm。ちなみに1枚20円) pic.twitter.com/BNDU2lv8Tr
焼きたてのラヴァシュは、端っこはパリパリ/中心部はしっとりもちもち。
ふんわりと香る小麦の香ばしい香りもたまりません!
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ラヴァシュとライバル関係(?)にあるのが、マトナカーシュ(Matnakash / Մատնաքաշ)と呼ばれるパン。
楕円形をした厚さ10cmほどのパンで、ラヴァシュとは異なるふっくらした食感が特徴的。
ほのかに甘味が感じられる生地は、煮込み料理とよく合います。
・予算:100AMD~200AMD(=¥24~¥48)
・お店:どの町にもラヴァシュ/マトナカーシュの専門店があるので、スーパーよりもそこで買うのが◎
⑧ムショシュ
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アルメニアの名産・アプリコットを使用したサラダがムショシュ(Mshosh / մշոշ)。
レンズ豆と各種ハーブを混ぜ合わせ、甘酸っぱいアプリコットやドライフルーツをトッピングしたものです。
一見すると不思議な組み合わせですが、レンズ豆のホクホク食感とハーブの爽快感、アプリコットの甘酸っぱさが口の中で混ざり合う瞬間たるや…
余計な味付けはされておらず、どこまでもあっさりとした後味も◎
夏場は灼熱となるアルメニアにおいては、夏バテ予防のためのオアシスのような食べ物です。
⑨ロリコフ・ズヴァズェフ
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「アルメニア風スクランブルエッグ」といった料理が、ロリコフ・ズヴァズェフ(Lolikov dzvadzev / լոլիկով ձվածեղ)。
オリーブオイルで炒めたトマトを卵とじにしたもので、夏の朝食の定番です。
味付けは塩コショウのみととてもシンプルながら、一口食べるとトマトの甘味が口の中でぶわあ~っ。
シンプルな料理だからこそ、トマトの火の通り具合や卵の焼き具合などにこだわりを持つ人も多いようです。
⑩アリシュタ おすすめ!
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アルメニアのレストランのサイドメニュー欄によく載っている定番が、ラヴァシュなどのパン、フライドポテト、そしてアリシュタ(Arishta / Արիշտա)です。
「アルメニア風ヌードル」といったところで、茶色みがある種類の小麦粉生地に卵と水を混ぜて作られます。
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アリシュタには色々な食べ方があるのもポイント。
・茹でたアリシュタを野菜と合わせたサラダ
・メイン料理の付け合わせ
・パスタのようにソースをかけて食べる主食
・スープの具
のぶよ的には、茹でたアリシュタをトマトペーストと絡め、ヨーグルトをかけたものが最も美味しいと思います ▼
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アリシュタの食感は、日本のきしめんに近い感じ。
小麦粉の風味が強く感じられ、ニンニクやトマトを用いた洋風の味付けとの相性もピッタリです。
アルメニア以外ではなかなか食べる機会がない料理なので、滞在中にぜひ挑戦してみては?
(スーパーで乾麺を買って自分好みに食べるのもおすすめ!)
・予算:500AMD(=¥120)
・お店:どこのお店にもサイドメニューとして用意されているのが基本ですが、アラヴェルディの“Atorik”で食べられます。
⑪シグのマリネ おすすめ!
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アルメニアは海のない内陸国ですが、同国最大の湖であるセヴァン湖周辺エリアでは湖でとれた魚を使った料理が食べられます。
セヴァン湖を代表する魚が、「シグ(Sig / Սիգ)」と呼ばれる白身魚。
新鮮なシグが手に入るセヴァン湖周辺では、生のシグを用いたシグのマリネ(Sig marinatsvats / Սիգ մարինացված)に挑戦してみましょう。
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オリーブオイルとお酢でマリネされたシグの身は、ふっくら&しっとりした極上の食感。
口の中に入れると一瞬でとろけてなくなってしまうほどの柔らかさです。
湖の淡水魚と聞くと、生臭そうなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、セヴァン湖周辺のシグに関しては臭みはいっさいなし。
新鮮な素材を使っているからこそ可能な、贅沢な食べ方です!
・予算:800AMD(=¥192)
・お店:セヴァンにある“Sevan brewery Kellers” で食べました。
⑫ムタバル
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中東諸国の食文化が由来のムタバル(Mutabal / մուտաբալ)は、アルメニアでもポピュラーな前菜。
焼きナスをペースト状にして、ハーブやスパイスで味付けしたエスニックな風味の一品です。
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一口食べてみるとびっくり。
焼きナスの香ばしさ&とろっとろ感はそのままに、ハーブの風味が口の中で大爆発…ものすごく美味しいです。
ラヴァシュをオーブンで軽く焼いてチップス状にしたものをディップして食べるのがアルメニア流。
見た目にも美しいので、ぜひとも挑戦してほしいです!
・予算:700AMD(=¥168)
・お店:セヴァンのBohem teahouseで食べました。
⑬タブレ おすすめ!
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続いても中東由来の食文化の影響を強く感じる一品。
ハーブやレタスをブルグル(粒状に丸めた小麦粉)と合わせてサラダにした、タブレ(Tabuleh / Թաբուլեհ)です。
レモン&オリーブオイルをたっぷりかけて食べる点は中東/地中海料理と共通していますが、アルメニアのタブレで面白いのが、野菜に軽く火を通して温かい状態で食べる点。
シャキシャキというよりも、しなっとした独特の食感が特徴的。
サッパリしていてとても美味しくヘルシーなので、肉料理が続くアルメニア滞在に疲れた際の休憩にもおすすめです!
・予算:800AMD(=¥192)
・お店:アラヴェルディの“Atorik”で食べられます。
⑭イーチ
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野菜やハーブがメインだったタブレを主食バージョンにしたものがイーチ(Eech / իչ)。
ブルグルの量を多めにしてボリュームを出し、トマトと刻みパセリを混ぜ合わせたものです。
メインディッシュの付け合わせとしてもOKですし、これ一品でベジタリアンメニューとしても◎
アルメニア料理には数少ない肉を使用しない料理なので、胃の休憩にはピッタリかも!
アルメニア料理:軽食・ファストフード類
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アルメニアの素晴らしい点は、手軽に格安で食べられるファストフードや軽食の種類の豊富さ。
お隣トルコのストリートフード文化の影響が強く、節約派旅行者の強い味方です。
「ファストフード」と言っても、ここは美食大国アルメニア。
色鮮やかなハーブ/新鮮な野菜を使用していたり、生地から手作りだったり、炭火でじっくり焼いてくれたり…という場合がほとんど。
そのため全然「ファスト」ではなく、注文から提供まで5分~10分かかるのが普通です。
「ファストフード=健康に悪いジャンクフード」という方程式は、アルメニアでは成り立ちません!
⑮ラフマジョ 定番!
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アルメニアの国民的ファストフードと言えば、ラフマジョ(Lahmajo / Լահմաջո)。
薄く円形にのばした小麦粉生地に牛ひき肉/羊ひき肉を塗り、ハーブをまぶして焼き上げたものです。
お隣・トルコでも「ラフマジュン(Lahmacun)」と呼ばれる料理があり、まったく同じものですが、それはアルメニアでは禁句…
のぶよ的には、トルコで食べたラフマジュンよりもアルメニアのラフマジョの方が、ジューシー&ハーブが効いていて美味しいと思いました。
ラフマジョの味付けやハーブとひき肉の調合は、お店によって大きく変わってくるのもポイント ▼
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パリパリの生地の食感とジューシーなひき肉の風味は、一度食べたら病みつき間違いなし。
レモンをキュッと絞って食べた日にはもう…アルメニアから出たくなくなってしまうかも。
どこでも格安で食べられるのも旅行者的には嬉しいポイント。
小腹が空いたときはぜひとも挑戦してみてください!
・予算:200AMD~450AMD(=¥48~108) ※具材による
・お店:エレバン最強のラフマジョ専門店は“Gaitz”一択です!
⑯ジェンギャロフ・ハツ
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肉料理に次ぐ肉料理…アルメニアの肉食文化に疲れてしまったときには、ジェンギャロフ・ハツ(Jengalov hats / Ժենգյալով Հաց)がおすすめ。
十種類ほどのハーブをサッとお湯で茹でて、ラヴァシュで巻いたシンプルな一品です。
塩コショウを含め、具にはいっさいの味付けがされていないのも面白い点。
各ハーブが持つ風味(苦味、甘味、酸味etc…)を考えて絶妙なバランスで調合するのが、ジェンギャロフ・ハツの美味しさのポイントとなるのです。
もともとはナゴルノ=カラバフ自治州(アルメニア語では「アルツァフ」)の郷土料理で、生地にハーブを混ぜて焼き上げた「チヂミ」のようなスタイルのジェンギャロフ・ハツもポピュラーです。
・予算:700AMD(=¥168)
・お店:エレバンの“Jengalov Hats”が安くて美味しいです!
⑰アルメニア風ホット・ドッグ
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すでにラヴァシュを使用した料理がいくつか出てきましたが、アルメニアのラヴァシュ文化を極めた一品が、こちらのアルメニア風ホット・ドッグ。
のぶよが宿泊していた宿のアルメニア人が「今日はホットドッグ作るよ~!」と言って出て来たのが、これでした。(ものすごくビックリした)
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ソーセージにケチャップをかけ、ラヴァシュでくるくると巻いたものを油で揚げ焼きにするだけのシンプルなもの。
しかしながら、本来のホットドッグよりもこちらの方が断然美味しいです。
カラリと揚がったサクサクのラバシュの香ばしさと、ソーセージ&ケチャップのジャンクなコンビネーション。反則ですよ…こんなの…
レストランではまず出てくることがない家庭料理(というか、のぶよの友人のアルメニア人のオリジナルかもしれない)なので、食べられたらラッキーかもしれません。
⑱シャウルマ 定番!
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アルメニアだけでなく、旧ソ連諸国やトルコ、中東諸国など広い地域でポピュラーなファストフードがシャウルマ(Shaurma / Շաուրմա)。
ドネルケバブのようにくるくると回転させながら焼き上げる肉を薄くそぎ落とし、野菜とともにラヴァシュで巻きあげたものです。
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ユーラシア大陸の多くの国や地域で食されるシャウルマを、どうして「アルメニア料理」の中で紹介しているのか…
それは、アルメニアのシャウルマはとにかく絶品だから。
周辺国のシャウルマ?あんなの比ではありません。
「シャウルマ論」で一記事かけそうなくらいには、バルカン半島・トルコ・ジョージア・アルメニアと、各国であらゆるお店のシャウルマを食べて来たのぶよが言うんだから間違いないはず…!
・大量のハーブが入る
・ケチャップではなく特製のソースを使用
・ソースの量は最低限→あくまでも肉と野菜の味がメイン
・肉を炭火で焼くお店も多い
・フライドポテトが入ってボリュームアップ
・生地のラヴァシュを専門店から仕入れている店もある
・周辺国の3分の2~半額ほどの激安価格
などなど。もはや「ファストフード」というくくりにして良いのか躊躇うほど、アルメニアのシャウルマはこだわりがすごいのです。
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概してレベルが高いアルメニアのシャウルマですが、やはり美味しい店とまあまあな店とはあります。
「美味っ…!なにこれ…?!」と感動間違いなしなのは、GoogleMap等に載ってすらいない小さな掘っ立て小屋のような名もなき店だったりすることも。
知りたい方はご連絡いただければ、のぶよ的エレバンの最強シャウルマ店のリストを伝授します(笑)
・予算:800AMD~1000AMD(=¥192~¥240)
・お店:どこの町でも食べられますが、セヴァンの”Tshak Mvash”がのぶよ的No.1。
⑲チェブレキ
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ソ連時代にロシアから持ち込まれたチェブレキ(Chebureki / Չեբուրեկի)。
アルメニアをはじめ、旧ソ連諸国ではポピュラーな軽食です。
直径15cmほどの半円形の生地を油でサクサクに揚げたもので、中には各種ハーブで味付けされた牛ひき肉がたっぷり。「巨大揚げ餃子」のイメージでOKです。
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生地のサクサク感と、ひき肉のジューシーさ…はい、もう旨いの決定ですね。
主にパン屋などで売られていますが、午後は作り置きを渡される場合がほとんど。
できたてが美味しいのはもちろんなので、朝の開店直後が狙い目です!
・予算:200AMD(=¥48)
・お店:エレバン中央駅前のベーカリーのチェブレキが美味しかったです!
⑳ブリンチク・ラヴァショフ おすすめ!
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ラヴァシュの魔術師・アルメニア人の発明が、ブリンチク・ラヴァショフ(Blinchik lavashov / բլինչիկ լավաշով)。
肉や野菜、チーズなどをラヴァシュでくるくるっと巻いて油で揚げた「アルメニア風春巻き」といったところでしょうか。
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具の種類は自由自在で、家庭で簡単に作れる点も◎
数層に重なったラヴァシュのパリパリ食感と、口の中にじゅわりと染み出す具の旨味…
アルメニアのラヴァシュ文化の最高峰となる一品に間違いありません!
・予算:400AMD(=¥96)
・お店:セヴァンのBohem teahouseで食べました。
アルメニア料理:グリル料理
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外国人がアルメニアの食文化に感動を覚える瞬間の一つが、グリル料理を食べた時。
炭火でじっくりと焼き上げるスタイルは全国共通で、むしろそれくらい手を込めて調理していない店は生き残れません。
グリル料理の基本は豚肉ですが、地域によっては豪快に炭火焼きにした魚や新鮮な羊肉が食べられることも。
肉汁したたるやわらかい肉のグリルと、ハーブのフレッシュな風味の相性はパーフェクト。
肉の焼き加減の絶妙さに関しては、アルメニア人の右に出る者はいないと思います。
㉑ホロヴァツ 定番!
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アルメニアに来てホロヴァツ(Khorovats / Խորոված)を食さずに帰る人などいるのでしょうか。
ホロヴァツとはアルメニア風BBQのことで、炭火で肉を焼くのが絶対条件。
アルメニア全国どんなに小さな町に行こうとも、炭火グリルを備えたホロヴァツ屋が必ずあるほどにポピュラーです。
「ホロヴァツ」の定義は、「炭火でグリルした肉料理の総称」。
肉の種類によって各料理の呼び方が変わるのが、アルメニア初心者にはややこしい点かもしれません。
・イキビル:串刺しにした豚肉/鶏肉
・キャバブ:牛/鶏ひき肉を棒状に固めたもの
・ギャラン・ホロヴァツ:羊肉のグリル
・シグ・ホロヴァツ:シグ(白身魚)のグリル
単に「ホロヴァツ」と言うと、串刺しにしたものではない骨付きの大きな肉を炭火でグリルしたものを指す場合が多いです ▼
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アルメニア人にとって、ホロヴァツの定番は豚肉か羊肉。
牛肉が用いられることはなぜかほとんどなく、鶏肉はどちらかというと「お金がない時のチープ版」といった認識が根付いているように思います。
・予算:1000AMD~2000AMD(=¥240~¥480) ※肉の種類/大きさによる
・お店:どの町にもホロヴァツ屋はありますが、アラヴェルディの“Atorik”で食べたものが美味しかったです。
㉒イキビル 定番!
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ホロヴァツ系料理で最もポピュラーなのがイキビル(Ikibir / Իքիբիր)。
串刺しにした肉を炭火でじっくりと焼き上げ、ハーブ等と一緒にラヴァシュで巻きあげたものです。
「イキビル」とは、トルコ語で数字の2と1のこと。
豚肉の赤身の部分と脂肪の部分を交互に一本の串に刺したものなので、「2 in 1」のようなニュアンスなのでしょうか。(どうして仲が悪いトルコ語で呼ぶのかはアルメニア七不思議)
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イキビルの定番は豚肉ですが、エレバンなどの大都市では鶏肉のイキビルがあるお店も。
いっぽうの地方部では「鶏肉?邪道邪道!」と一笑される場合もあります(実話)。
「ただのBBQでしょ?」と思ったら大間違い。
炭火でじっくりと火を通した肉と、熱でとろけた脂身のコンビネーションは、これ以上ない幸せの極み。
ハーブや玉ねぎのフレッシュな食感と香りも、肉の旨味を彩ります。
イキビルは、アルメニアのBBQ文化の結晶そのもの。
「このボリュームでこんなに安く食べられるの?」と驚くこと間違いなしの、リーズナブルな価格も嬉しいです。
・予算:800AMD~1000AMD(=¥192~¥240)
・お店:エレバン中心街の名もなきホロヴァツ屋が最強!
㉓ギャラン・ホロヴァツ おすすめ!
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アルメニアの地方部に行くなら絶対に挑戦したいギャラン・ホロヴァツ(Garran khorovats / Գառան խորոված)。
羊肉のBBQのことで、エレバンなどの都市部ではあまりポピュラーではありません。
(ある程度のランクのレストラン等にはあるけど高い&肉が新鮮じゃない)
アルメニア地方部(特にタヴシュ地方やロリ地方でポピュラーだそう)では、飼っている羊を屠殺したものがそのまま炭火に直行となるので、肉の鮮度が全く違う&羊肉特有の臭みがいっさいないのがポイント。
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成長しすぎた羊ではなく若い羊を使うことが多いそうで、羊肉とは思えないほどの柔らかさと臭みのなさにも納得です。
肩肘はるようなお洒落レストランよりも、その辺の道端でおじさんが炭火をパタパタと焚いている野良BBQ屋の方が確実に美味しいのもポイント。アルメニア地方部旅の楽しみの一つです!
㉔シグ・ホロヴァツ おすすめ!
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セヴァン湖周辺エリアのグルメの定番が、シグ・ホロヴァツ(Sig Khorovats / Սիգ խորոված)。
「シグ」と呼ばれる湖水魚を炭火で豪快にグリルしたもので、セヴァン市内のレストランでもポピュラーなメニューです。
お店で食べるのも良いのですが、魚料理はいかんせん少々値が張るのがネック。
セヴァン湖エリアの地元の人は、自分でシグを買ってきて(or釣ってきて)自宅で炭火焼きにするのが普通です。
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レストランで食べると2000AMD(=¥480)ほどはしますが、自分でシグを買えば一尾200AMD(=¥48)と10分の1の値段。
セヴァンの中心街では、朝とれたばかりのシグがその辺の道端で売られているので、鮮度はレストラン以上かもしれません。
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白身魚らしい淡白な味わいながらも、脂もしっかりとのったシグ。
炭火でじっくりと焼かれるため、旨味がギュッと詰まった絶品でしかありませんでした。
のぶよがセヴァンで滞在したホステルでは、買ってきた魚をオーナーが喜んでBBQにしてくれるので、毎日がおさかな天国でした。
新鮮な魚をワイルドにBBQにしてみんなでワイワイと食べる夕方のひとときは、きっとアルメニア旅の素敵な思い出となるはずです!
・予算:2000AMD(=¥480)
・お店:セヴァナヴァンク近郊の“Semoyi Mot”で食べました。
㉕セヴァニ・イシュハン おすすめ!
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シグが「セヴァン湖エリアの庶民の味」ならば、セヴァニ・イシュハン(Sevani ishkhan / Սևանի իշխան)は「特別な魚」。
セヴァン湖固有のマス科の淡水魚で、漁獲量が限られていることから、なかなか味わえない高級魚として知られているのです。
セヴァン周辺のレストランで食べると1kgあたり15000AMD(=¥3606)ほどと、アルメニア的にはかなりの贅沢品。(それでもエレバンで食べるよりは格安&新鮮)
運が良ければ、セヴァンの中心街の路上の魚売りに1kg4000AMD(=¥961)ほどで売ってもらえるかもしれません。
(のぶよの場合は、毎日通い詰めて顔見知りになって「イシュハンが入ったら売ってね!」と根回ししていた)
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セヴァニ・イシュハンの味をひとことで表すなら、天国。
シグとは比べ物にならないほどの上品な旨味とほのかな甘さが特徴で、柔らかな身は舌先で溶けてしまうほど…
のぶよの料理の腕でも感動するほどの美味しさだったので、ちゃんと調理できる人なら絶対に感動するはず!(まじで日本で売られている適当な魚よりも断然美味しかった)
セヴァン湖を訪れる旅行者に言えることはただひとつ。
湖ビーチよりも修道院よりも、この魚を食べることを第一の目標にしましょう(笑)
・予算:15000AMD(=¥3606)/1kg
・お店:セヴァナヴァンク近郊の“Semoyi Mot”のメニューにあります。
㉖キャバブ 定番!
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BBQ料理で忘れてはならないのがキャバブ(Qyabab / քյաբաբ)。
ひき肉を棒状に固めたものを炭火でグリルした料理で、鶏肉か牛肉のいずれかが使用されます。
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「ひき肉を棒状に固めたもの」と聞くと、硬めな食感なのかと思うかもしれませんが、例えるなら「ハンバーグを最大限に柔らかくしたようなふわっとした食感&肉汁ビシャビシャ」。
アルメニアのキャバブは肉汁がすさまじく、手を汚さずに食べるのは難しいほど。
ひき肉には下味がしっかり付けられており、ふんわりした口当たりの肉の旨味が口の中で大爆発…
もうね、芸術です。
ジョージアやトルコなど周辺国にもこうした棒状ひき肉のグリル料理はありますが、比べるのが馬鹿馬鹿しいほど。
味も食感も肉汁お化け具合も価格も…とにかく全てにおいてアルメニアのキャバブを越えることはできません。
「どうやってここまで柔らかく、肉汁をギュッと閉じ込めながらグリルできるの?」と不思議に思うこと間違いなし。
BBQ文化の傑作となる「食の芸術作品」を、ぜひとも自分の舌で味わってほしいです。
・予算:600AMD~800AMD(=¥144~¥192)
・お店:アラヴェルディの名もなき食堂のケバブが最強でした。
㉗ケラツ・カルトピル・カラキフ
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サイドメニューとしておすすめなのが、ケラツ・カルトピル・カラキフ(Քերաց կարտոֆիլ կարաքիվ)。
細切りにしたじゃがいもを大量のバターで揚げたもので、見た目の通りカロリー爆弾です。
芳醇なバターの風味と、サクサク&しっとりの二つの食感が同時に味わえるポテトとの相性は抜群。
味付けは塩のみとシンプルなので、自分でも余裕で再現可能です!
・予算:1000AMD(=¥240)
・お店:セヴァナヴァンク近郊の“Semoyi Mot”で食べました。
㉘ハヴィ・コトレト おすすめ!
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アルメニアに来てものすごく感動したのが、ハヴィ・コトレト(Havi kotlet / հավի կոտլետ)。
鶏ひき肉のカツレツなのですが、キャバブと同様の肉汁お化け具合なのです。
(アルメニアのひき肉はどうしてここまで肉汁がしっかり出てくるのか、不思議で仕方がない)
個人的にはレストランで食べるものよりも、普通の商店で量り売りされている冷凍のハヴィ・コトレトを自分で調理した方が美味しかった印象。
油を敷いて、中まで火が通るように弱火でじっくりと揚げ焼きにするのが、ふっくらジューシーなカツレツに仕上げるポイントです!
・予算:1個100AMD(=¥24)
・お店:どこの商店の冷凍食品コーナーにも置いてある定番です。本当に美味しいので、ぜひ試してみて!
㉙ガパマ
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アルメニアの年末年始の定番料理の一つが、ガパマ(Ghapama / ղափամա)。
カボチャの中身をくりぬいて、ドライフルーツやくるみなどのナッツ類とともに炊いたバターピラフを詰めてオーブンで焼いたもので、まず見た目のインパクトがズバ抜けています。
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具のバターピラフはかなり甘めの味付けで、日本人的には不思議に感じるかも。
いっぽうのアルメニアでは「ガパマの歌」まであるほどにポピュラーなパーティー料理で、老若男女問わず愛されています。(みんなで歌いながら食べる家庭もあるのだとか)
↑アルメニアには「ガパマの歌」まであるほどで、皆で歌いながら食べるのが定番なんだと(なんて幸せな国😂)
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) October 31, 2021
かぼちゃと蜂蜜、バターの甘い香りが家中にただよって、幸福度爆上がる…(ただ今絶賛待機中)
一度聞いたら「ヘイ ジャン ガパマ♪」が耳から離れないガパマの歌→ https://t.co/94CZvVu2o8
レストランだと少々値は張りますが、ガパマはアルメニアの秋~冬の味覚を代表する一品。
一人では絶対に食べきれる量ではないので、数人でシェアするのがおすすめです!
・予算:3600AMD(=¥865)
・お店:エレバン のLavash Restaurantのメニューにあります。
㉚チャホビリ
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ジョージア料理の「チャホフビリ」(鶏肉のトマト煮込み)がアルメニアで進化した一品が、チャホビリ(Chakhobili / Չախոբիլի)。
鶏肉とトマト、タマネギを用いる点は同じですが、最大の違いは調理方法。
チャホビリは煮込むのではなく、オーブンで焼き上げた鶏肉をトマトペースト&ローストオニオンと絡めて作られるグリル料理なのです。
玉ねぎの甘味が最大限に引き出され、鶏のカリカリとした食感も◎
なにはともあれ、とにかくビールに合います。
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ジョージアの「チャホフビリ」とアルメニアの「チャホビリ」…
「フ」が抜けていて、はじめは書き間違いかと思ったのですが、お店の人もみんな「チャホビリ」と呼んでいたので間違いではなさそう。(どうして「フ」が落ちて伝わったのか不思議)
ルーツ自体は同じ料理なのでしょうが、アルメニアのチャホビリはスパイスが用いられないのでスッキリした風味が特徴的です。
・予算:1200AMD(=¥288)
・お店: ヴァナゾルの”Hayeni cafe”で食べました。
㉛マンティ 定番!
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アルメニアの餃子料理と言えば、マンティ(Manti / Մանթի)。
かつてシルクロードを通して東方から伝わった餃子は、アルメニアで独自の進化を遂げました。
トルコなど近隣国にも「マントゥ(Mantı)」という餃子料理はありますが、最大の違いはその調理方法 ▼
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トルコの「マントゥ」をはじめ、ロシアの「ペリメニ」やポーランドの「ピエロギ」、ジョージアの「ヒンカリ」など…
餃子の派生形料理はユーラシア大陸の多くの地域で見られますが、ほとんどはお湯で茹でて調理される水餃子スタイルです。
いっぽうのアルメニアの餃子・マンティは、オーブンでカリカリに焼き上げる「ベイクド餃子」。
他にこのような調理法の餃子文化がある国は、おそらく存在しないのではないでしょうか。
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パリパリ&サクサクに焼きあがったマンティには、おろしにんにくをまぜたヨーグルトとトマトペーストをかけて食べるのがアルメニア流。
独特の食感はもちろん、ミント等のハーブが効いた牛ひき肉の風味とソースのハーモニーも極上。
アルメニアでしか食べることができない料理なので、絶対に一度は挑戦するべきです!
・予算:2500AMD(=¥601)
・お店:エレバンの有名店は”Mayrig”というお店。(高いです)
アルメニア料理:煮込み料理
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アルメニアの家庭的な味にふれたいなら、煮込み料理に挑戦したいもの。
特別なスパイスはほとんど用いられず、じっくりと時間をかけて肉や野菜の旨味が引き出された絶品ばかりです。
㉜トルマ 定番!
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アルメニアの煮込み料理の代表が、トルマ(Tolma / Տոլմա)。
バルカン半島~コーカサス、中央アジアまでの広い範囲で食される料理で、一般的にはブドウの葉でひき肉を巻くのがポピュラーです。
アルメニアにおいても「トルマ=ブドウの葉」は当てはまりますが、野菜にひき肉&お米を詰めた料理の総称が「トルマ」。
アルメニアの家庭では、ブドウの葉よりも手に入りやすいキャベツやトマト、パプリカなど色々な野菜で作られるのだそうです。
というか、「ブドウの葉のトルマ=レストランで食べるもの/その他の野菜のトルマ=家庭で作るもの」といった感じかも。
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トルマを煮込む際は、味のついたスープではなく少量のお湯を使うのがポイントだそう。
中に詰めた具に下味をしっかりとつけておくことでお湯に旨味を染み出させ、野菜から出る水分で自らトルマが煮込まれてくれるように調理するのだとか(宿のおばちゃん談)。
↑トルマの定番はブドウの葉で巻いたものだけど、家庭ではどんな野菜で作っても良いそう🇦🇲
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) July 15, 2021
今回はナス、パプリカ、トマトなど夏野菜がメインのトルマ。
挽肉と米を各種ハーブで味付けしたものを、くり抜いた野菜にぎっしり詰めてコトコト煮込む。
(赤ちゃんレベルののぶよのロシア語、恥ずかしい😇) pic.twitter.com/cIWTU5xwm3
1時間ほどじっくりコトコトと煮込まれたトルマは、ブイヨン等を使わずにお湯で煮込まれたものだとは信じられないほどに深いコクと味の染み込み具合。
アルメニアの食文化の素晴らしい点が詰まった一品に、感動間違いなしです!
・予算:1500AMD(=¥360)
・お店:エレバンのDolmalamaが超有名です。(高いけど…)
安く食べたいならKaras Restaurantにもあるので節約派にはおすすめ!
㉝パスツ・トルマ
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トルマのベジタリアンバージョンが、パスツ・トルマ(Pasuts tolma / պասուց տոլմա)。
見た目こそブドウの葉やキャベツで具を包んだトルマそのものですが、肉はいっさい使われていません。
ひよこ豆やレンズ豆を潰したものとお米、ハーブ類がギュッと詰め込まれていて、あっさりした味付けと豆類のホクホク食感がとても良い感じ。
お肉は入っていませんが、タンパク質をはじめとした栄養たっぷりです。
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今でこそベジタリアンの旅行者の間でポピュラーとなったパスツ・トルマですが、もともとは「メズ・バフク(Մեծ Պահք)」と呼ばれるイースター前の肉を絶つ期間に食べられるもので、宗教的な意味合いを持つ料理。
「世界最古のキリスト教国」であるアルメニアの伝統が感じられる一品です。
・予算:800AMD(=¥192)
・お店:エレバンのKaras Restaurantで食べました。
㉞ハリサ おすすめ!
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続いて紹介するのも、キリスト教国・アルメニアの伝統が感じられる料理、ハリサ(Harissa / Հարիսա)。
麦と鶏肉にバターを混ぜて炊き上げたもので、「アルメニア風おかゆ」といったところでしょうか。
鶏の旨味とバターのコクが染み込んだ麦おかゆは、とにかく美味しいです。
大量のバターが使われてはいるものの、味付けはとてもあっさりなのでぺろりと平らげてしまえるはず。
ハリサの名前の由来
「ハリサ」という料理名は、古アルメニア語の「ハレク(Hareq / Հարեք )=混ぜる」から来ているそう。
301年にアルメニアを世界初のキリスト教国とした啓蒙者グレゴリウスが、ホル・ヴィラップ修道院の地下牢から解放された際、貧しい民衆に羊肉とバターを煮込んで振舞おうとしました。
しかしながら、あまりに多くの人が集まったため羊肉の量が足りず、かさましとして麦を大量に入れることに。
水分を吸った麦が鍋の底にこびりついてしまったのを見た啓蒙者グレゴリウスは「ハレック・ザー(Hareq zsa / հարեք զսա)=それを混ぜろ!」と命じました。
それ以来、肉とバターを入れて麦を炊いたこの料理は「ハリサ」と呼ばれるようになり、1700年以上経った現在でも人々に愛され続けています。
もともと宗教的な意味合いを持つ料理・ハリサは、現在でもイースターの定番であり、世界最古のキリスト教国・アルメニア人々の誇りそのものです。
・予算:950AMD(=¥228)
・お店:エレバンのKaras Restaurantで食べました。
㉟ハシュラマ 定番!
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アルメニアの煮込み料理の代表格であり、この美食大国の「美味しい!」が詰まった一品がハシュラマ(Khashlama / Խաշլամա)。
骨付きの羊肉を野菜とともにじっくりと煮込んで、仕上げに大量のハーブをのせたものです。
お隣ジョージアのカヘティ地方の名物グルメにも、まったく同じ名前の「ハシュラマ」という料理が存在するのですが、材料も調理法も完全に別物です ▼
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名前的にルーツは共通なのでしょうが、もはや見た目からして何一つ共通点はなし…
調理法も味も大きく異なります。
・ジョージア:牛肉だけをお湯で茹でて、大量のニンニクと塩コショウで味付けしたもの
・アルメニア:羊肉を野菜とともにトマトベースのスープで煮込んだもの(ニンニクは入らない)
ジョージアのハシュラマは、ものすごく豪快で大味。
ニンニクを大量に入れることで、牛肉特有の臭みを消しています。
いっぽうのアルメニアのハシュラマは、人参やセロリなどの香味野菜とともに羊肉を長時間煮込むことで肉の臭みを消す調理法。
骨や野菜からスープに染み出した旨味が絶品です。
隣同士の二国の対照的な食文化を象徴するような料理・ハシュラマ。
のぶよ的には完全にアルメニアのハシュラマの方が好みなのですが、気になる人は実際に食べ比べてみるのがおすすめです!
・予算:2650AMD(=¥637)
・お店:エレバンのKaras Restaurantのメニューにあります。
㊱ペリメニ
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ロシア由来の水餃子・ペリメニ(Pelimeni / Պելմենի)は、アルメニアでもポピュラー。
レストランでも食べられますし、冷凍のものも格安で売られているので、節約派旅行者の強い味方でもあります。
一般的にはチキンブイヨンで茹でたスープ料理として食べられるペリメニですが、のぶよが生み出した「アルメニアらしいペリメニ」の調理法があります ▼
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タンというヨーグルトドリンクでペリメニをゆでるだけなのですが、これがものすっっっごく美味しいです。まじで世紀の大発見さながら。
タンの酸味とコクが肉汁たっぷりのペリメニと見事にマッチし、「これ以上に美味しいペリメニの食べ方はない!」と思っていました。が…
アルメニア人が作ってくれたペリメニは、のぶよの「タン・ペリメニ」に負けない美味しさ&独創性だったのです ▼
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とにかくトマト味が大好きなアルメニア人らしく、チキンブイヨンとトマトペーストを合わせたスープでペリメニを煮込んだだけ。
それなのにどうしてこんなに美味しくなるのでしょう。
トマトソースのコクと甘酸っぱさが、ペリメニの具の肉の風味と最高のハーモニーを醸し出しています。
「アルメニアン・ペリメニ」と勝手に名付けた、トマトソースのペリメニ。
冷凍ペリメニが手に入る場所であればどこでも再現可能なので、ぜひ一度、感動体験を分かち合いたいです!
㊲キュフタ
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アルメニアで一度は食べたいミートボールが、キュフタ(Qyufta / Քյուֆթա)。
トルコやバルカン諸国では「キョフテ」「チュフタ」などと呼ばれ、調理法はグリルか煮込みのいずれかであることが普通ですが、アルメニアの調理法は独特。
巨大なミートボールをお湯の中で茹でたものを、薄くスライスして提供されるのです。
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アルメニアでは「キュフタ=茹でたもの」。
トルコのようにグリルして提供されることはまずありません。
茹でてあるため、まるでソーセージの中身だけ食べているようなもってりと弾力のある食感が特徴的。
これはこれでアリですが、のぶよ的にはグリルの方が好きかも…
アルメニアにはキュフタで有名な町がいくつかあり、そのうちの一つがセヴァン湖エリアのガヴァルという町。
ガヴァルは隠れた美食の里で、キュフタ以外にもパフラヴァが美味しいことでも有名。グルメ旅にはピッタリの旅行先です!
・予算:1000AMD(=¥240)
・お店:ガヴァルの市場内の謎の食堂で食べました。
㊳ストロガノフ
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ロシア由来のストロガノフ(Stroganov / Ստրոգանով)は、アルメニアでもポピュラーな煮込み料理。
ストロガノフ=ビーフのイメージがありますが、アルメニアには豚肉や鶏肉を使ったバージョンもあります。
クリームで煮込んだお肉の柔らかさとコクの深さに、大量の野菜の旨味とハーブの爽快な口当たり…
付け合わせのポテトとの相性も抜群でとても美味しいです!
・予算:1200AMD(=¥288)
・お店:セヴァンの”Maku”で食べました。
㊴コロリク
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アルメニア全国でポピュラーなコロリク(Kololik / կոլոլիկ)は、牛肉とお米を丸めたミートボールのこと。
キュフタに比べると大きさはかなり小さくひと口サイズで、茹でて調理されることはありません。
コロリクは地方色が色濃い料理で、地域ごとに異なる調理法がされますが、最もポピュラーなのは、ビーフブイヨンのスープの具として食べること。
北部のシラク地方では、各種野菜と一緒にオーブンで焼き上げるシラク風コロリクが定番です。
・予算:900AMD(=¥216)
・お店:ギュムリのGwoog Gastrohouseのメニューにあります。
㊵アルガナク おすすめ!
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のぶよ的にアルメニア料理で最も感動したものの一つが、アルガナク(Arganak / արգանակ)。
コロリク(お米入りミートボール)をチキンブイヨンで煮込み、卵とレモンで味付けしたものです。
「チキンブイヨンと卵とレモン」と聞くと、なにやら不思議な組み合わせな感じがしますが、これが最強のコンビネーション。
野菜と肉の旨味が染み出したスープに卵のコクが加わり、レモンの酸味がほのかに感じられる上品な味になります。
特別なスパイスは何一つ必要ない家庭の味なので、日本でも簡単に再現することができます!
④ミートボール投入→水分足りなかったら足しつつ、塩胡椒で味整えつつ弱火で15分
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) November 12, 2021
⑤極弱火に→③の別皿の卵黄レモンをそーっとかき混ぜながら入れ1分
⑥器に盛り付けてハーブどーん(ディル+イタリアンパセリが定番)
特別なスパイス等不使用だから世界中どこでもできる。こってり派はバター投入も◎
㊶ピティ
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お隣のアゼルバイジャン料理由来のピティ(Piti / Փիթի)は、アルメニアでもポピュラーな煮込み料理。
羊肉とひよこ豆、各種野菜を陶器の壺の中で煮込んだもので、サフランを使って鮮やかな黄色のスープに仕上げます。
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アゼルバイジャンでは、羊肉を壺から取り出してスープと別々に食べるのが定番だそうですが、アルメニアでは煮込み料理としてスープも肉も一緒に食べられます。
スパイスが香る奥深い味のスープは、アルメニア料理においては異色の味わい。
コーカサス地域の食文化の多様性が感じられる一品です。
・予算:1400AMD(=¥336)
・お店: ヴァナゾルの”Hayeni cafe”で食べました。
㊷ボズバシュ
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アルメニアの羊肉のシチューが、ボズバシュ(Bozbash / Բոզբաշ)。
お隣のアゼルバイジャンやイランでもポピュラーな料理ですが、アルメニアのボズバシュは少々独特。
・羊肉や野菜を炭火でグリルしてから煮込む
・地方によってリンゴやカリンなどの果物が入る
じっくりと煮込まれた羊肉は、とろっとろ食感で天国そのもの。
炭火で焼いてから煮込まれるため、スープに独特の香ばしさが染みわたり、それはそれは美味しいです。
・予算:1200AMD(=¥288)
・お店:アラヴェルディの“Atorik”で食べられます。
㊸アユラザン 定番!
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アルメニアの夏の定番料理が、アユラザン(Aylazan / Այլազան)。
ナスをメインに、ズッキーニやパプリカ、トマトなどの野菜をトロトロになるまで煮込んだ夏野菜シチューで、肉は入っていません。
野菜の旨味がふんだんに染み出したスープが美味しいのは言わずもがな。
仕上げに大量にのせられるハーブも、スッキリとした味わいを加えてくれます。
・予算:800AMD(=¥192)
・お店:アラヴェルディの“Atorik”で食べられます。
アルメニア料理:デザート・飲み物類
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アルメニアで忘れてはいけないのが、スイーツ文化です。
お隣のトルコやジョージアとは異なり、アルメニア人はかなりのコーヒー党。
ほろ苦い「アルメニアン・コーヒー」に合うように作られた、上品な甘さが際立つ絶品スイーツの宝庫なのです。
また、歴史的にアルメニアとの結びつきが強いフランス(大虐殺の際に多くのアルメニア人を受け入れた)の影響で、ケーキや焼き菓子の文化が発達しているのも面白い点です。
㊹タン 定番!
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アルメニアの国民的ドリンクと言えば、タン(tan / թան)の右に出るものはないでしょう。
ヨーグルトを水っぽくしたような感じで、トルコやバルカン半島でポピュラーな「アイラン(Ayran)」と似たようなドリンクです。(アイランよりも水っぽさが強めな気がする)
ホロヴァツなどBBQのお供となる飲み物といえばタンですし、タン・ペリメニのように料理に使える場合も。
タンにもいくつか種類があり、炭酸入りのものもポピュラーです。
「ヨーグルトに炭酸…?」と疑問に思う組み合わせですが、これはこれでアリ。
灼熱となる夏場にグイッとタンを飲み干すときの「三ツ矢サイダー」的な青春っぽさ(?)は、アルメニアで一度は体験するべきかも。
・予算:150AMD(=¥36)
・お店:どこでも。商店で普通に変えますし、ホロヴァツ屋なら必ず置いてあるはず。
㊺クヴァス
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日本の夏の風物詩と言えば麦茶ですが、アルメニアをはじめとした旧ソ連圏の夏の風物詩と言えば、クヴァス(Kvas / կվաս)。
麦芽を発酵させて砂糖を加えた飲み物で、ほんのりと甘い風味とスッキリした後味が特徴です。
キンキンに冷やした状態で提供されるので、散策のリフレッシュにも最適。
一口飲むだけで「ああ…旧ソ連圏に来たんだなあ…」と感じさせてくれるアイテムです(のぶよ的には)。
夏になると、レトロなタンクを備えたクヴァス売りが街のあらゆるところに出現します。(みんな冬は何やってるのか不思議)
町ゆく人々が引き込まれるかのようにカップに入ったクヴァスを購入し、その場でクイっと一杯立ち飲みしていく…
そんな光景もアルメニアの夏を象徴するものです。
・予算:50AMD(=¥12)
・お店:エレバンの南バスステーション付近で飲みました。
㊻アルメニアン・ワイン 定番!
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アルメニアは、もともと「ワイン発祥の地」として自国PRをしていた国。
2011年にアルメニア中部のアレニで6000年前のワイナリーの遺跡が発見され、「世界最古のワイン製造跡」として観光PRの起爆剤にしようと活気づいていた矢先のこと…
2015年にお隣ジョージアで発見されたクヴェヴリ(ワイン醸造用の甕)が8000年前のものだと判明してしまい、あれよあれよという間に完全に持っていかれる形となりました。
8000年前だろうと6000年前だろうと気の遠くなるような昔のことで、いずれもものすごいことなのですが、「アルメニア=ワイン」のイメージを世界に発信することはできませんでした。
アルメニア語では「ギニ(Gini / Գինի)」と呼ばれるワイン。
「ワインづくりに人生をかけている」と言っても過言ではないお隣ジョージアに比べると、アルメニアのワイン文化はかなり薄めな印象です。
ジョージアのように、そこら中でペットボトルに詰めた自家製ワインが売られている(そして昼間っからおじさん達が酒盛りしている)光景はほぼ見られないですし、そもそもアルメニア人はあまりアルコールを多く摂らない人が多い気もします。
…まあ、すべて「ジョージアに比べると」という但し書きは付きますが。あそこはみんな飲みすぎ(笑)
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アルメニアのワインは、概して甘めの口当たりのものが多いです。
名産のザクロやサクランボ、アプリコットを使ったワインなど、アルメニアらしいフルーツワインの種類が多いのも特徴的です。
普段からがぶがぶとワインを飲む文化こそ強く根付いていませんが、6000年の歴史を持つアルメニアのワイン文化は見逃せないもの。
国内にはワイナリーも点在しているので、ワイナリー巡りの旅もおすすめです!
アルメニアのワインで最もポピュラーなのは、
・イジェヴァン(Ijevan)
・アレニ(Areni)
のいずれか。
どちらも町の名前がそのままついており、いずれの町にもワイナリーが点在しています。
予算はピンキリですが、最も安いもので1800AMD(=¥432)~です。
㊼アルメニアン・ビール
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アルメニアはビール好きでも満足できる国。
アルメニア語ではガレジュール(Garezhur / Գարեջուր)と呼ばれ、どこでも気軽に注文することができます。
アルメニアのビールで面白いのが、各都市ごとに町の名前を冠した銘柄が作られている点。
・エレバン:Kilikia/Erebuni(いずれも「エレバン」の古い呼び方)
・ギュムリ:Gyumri/Alexandropol(ロシア帝国時代の旧名)
・ディリジャン:Dilijan
・コタイク地方:Kotayk
・アララト地方:Ararat
アルメニア各地のビールを味わう旅…素敵ではないでしょうか。
また、近年は都市部を中心にクラフトビールの人気も高まってきています。
ワインを観光PRの起爆剤にする作戦はジョージアに持っていかれる結果となりましたが、ビールで推していくのも良いのでは?と、ビール党ののぶよ的には応援したいです。
㊽オギ おすすめ!
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ワインよりもビールよりも、アルメニアの人々がこよなく愛するアルコールが、オギ(Oghi / Օղի)。
いわゆる「ウォッカ」のことですが、アルメニアのウォッカはまじで美味しいです。
ほのかな甘みとフルーティーな香り、のどごしの良さが特徴的で、アルコール度数の高さを感じさせないほどにスッキリとした後味。
…とはいえ、ウォッカなので飲みすぎは危険です(笑)
アルメニアではウォッカは買うものではなく、自分の家で作るもの。
自家製ウォッカを瓶に詰めたものを持ち歩く人も多く、ちょっと地元の人と話しただけで「ウォッカ飲むか?」という流れになるのもお約束。(そしてみんなちゃんと紙コップも常備している)
強いアルコールが得意ではない人にも、一度は挑戦してみてほしいです。本っっっつ当に美味しいので。
㊾コニャック 定番!
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アルメニアと言えばコニャック(Cognac / Կոնյակ)をイメージする人も多いのではないでしょうか。
コニャックとは、いわゆるブランデーのこと。
エレバンには二か所の有名コニャック工場があり、観光客向けに試飲ツアーも開催されています。
アルメニアの物価を考えると、コニャックはかなりの高級品。
特別な機会に年代物のコニャックを開封するくらいで、普段飲みの場にはまず出てきません。
いっぽうで、外国人が客として現地の人の家を訪ねると、おもむろに棚からよさげなコニャックを出してくれる…なんてことも。
そうした場合には、ありがたくいただいておくのが良いと思います。
エレバンには2つの有名コニャック工場があります。
・エレバン・ブランデーカンパニー(Yerevan Brandy Company)
・NOY ブランデーカンパニー(Yerevan Noy Wine Brandy Vodka Factory)
4500AMD(=¥1081)~で工場見学&試飲ツアーに参加できますよ!
㊿チチュハン
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9月か10月にセヴァン湖周辺エリアを訪れるなら、絶対に覚えておきたいのがチチュハン(Chichkhan / չիչխան)。
日本では「サジー」と呼ばれる木の実で、その栄養価の高さや美容への絶大な効果から「スーパーフルーツ」と言われているそう。
セヴァン湖周辺ではこのスーパーフルーツが自生していて、秋になるとオレンジの実をつけます。
日本ではかなり高価だそうですが、アルメニアでは取り放題食べ放題。そう、美容天国そのものなのです。
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「良薬口に苦し」とはよく言ったもので、チチュハンを絞った100%ジュースはとても苦くて酸っぱいです。
しかしながら、一口飲むだけで体が喜んでいるのが実感できるはず。健康に良さそうなのが舌で感じられます。
地元の人の間では、砂糖水にチチュハンを漬けこんで「コンポート」と呼ばれるジュースにしたり、ジャムに加工して食べるのが一般的。
セヴァン湖周辺ではチチュハンを使用したドリンクが置いてあるカフェもあるので、滞在の際にはぜひ訪れてみるのがおすすめです!
・予算:1000AMD(=¥240)/500ml
・お店:セヴァンの Bohem teahouse にはチチュハンのワインやお茶があります!
51.ポンチク 定番!
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旧共産圏の定番スイーツといえば、ポンチク(ponchik / պոնչիկ)。
名前からして可愛らしいポンチクは、カスタードクリームがたっぷりと入った揚げドーナツのこと。手軽にどこでも購入できるとあって、老若男女問わず人気のスイーツです。
エレバンをはじめ、アルメニアの大部分で一般的なのは上の写真のような平べったい形のポンチクですが、古都・ギュムリの名物ポンチクは形が大きく違います ▼
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中に空気を入れながら揚げることで、まん丸の球体ポンチクのできあがり。
ギュムリでしか食べられないローカルグルメのひとつなので、旅行の際にはぜひお忘れなく!
・予算:120AMD~200AMD(=¥28~¥48)
・お店:エレバンなら“Grand Candy”が定番。
ギュムリなら“Ponchik Monchik”一択です!
52.エクレール
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フランスの焼き菓子文化の影響が感じられるエクレール(Ekler / Էկլեր)もアルメニアの名物。
名前自体はフランス菓子の「エクレア」(カスタードクリーム入りの焼き菓子をチョコレートでコーティングしたもの)ですが、見た目は完全にシュークリームのようです。
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一口かじってみると、中からカスタードグリームがとろ~り。
生地はシュークリームよりも硬めで、エクレアのサクサク生地に近いです。
甘さ控えめで軽く食べられるのも◎
アルメニアン・コーヒーや紅茶のおともにピッタリです!
・予算:100AMD(=¥24)
・お店:エレバン中心街の名もなきお菓子店のものが美味しかったです!
53.ガタ 定番!
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アルメニアの国民的菓子パンといえば、ガタ(Gata / Գաթա)。
小麦粉に卵や砂糖を混ぜて甘くした生地をオーブンで焼き上げたもので、子供から大人までみんな大好きな定番スイーツです。
ガタの定番は直径25cmほどの円形のガタですが、四角形のガタやパイのように数層に重ねて焼いたガタなど、地域によって形や表面の模様が大きく異なるのもポイント。
一般的にはパン生地だけを焼き上げますが、ドライフルーツを入れて焼く地域もあるそうです。
ガタで有名なのが、世界遺産のガルニ神殿があるガルニ村。
美しい模様が施されたガタを売る露店が連なる風景が、観光客に人気となっています。
・予算:800AMD(=¥192)
・お店:スーパーなどで気軽に購入可能ですが、ガルニ村の焼きたてガタは本当に美味しいのでぜひ!
54.スジュフ
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フルーツ果汁を乾かして作るスジュフ(Sujukh / Սուջուխ)も、お土産の定番。
くるみやナッツ類を糸に通して棒状にしたものを軸にして、フルーツ果汁と小麦粉を混ぜた液体につける→天日干し→また液体につける…を数回繰り返して作られる、かなり手が込んだスイーツです。
お隣ジョージアの「チュルチュヘラ」と似ている(というかほぼ同じ)ものなのですが、アルメニアのスジュフの方がナッツ類が多めでゴツゴツした見た目。
ジョージアのチュルチュヘラは、フルーツグミのようなグニャッとした柔らかい食感がメイン/ナッツ類のカリカリ感はアクセント といった感じ。
対するアルメニアのスジュフはナッツ類の存在感が大きめで、カリカリ感が強いように感じました。
(まあ同じ材料&工程なので、どちらも同じようなものですがね…)
55.パフラヴァ おすすめ!
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アルメニアに来たなら絶対に食べたいスイーツが、パフラヴァ(Pakhlava / Փախլավա)。
「バクラヴァ(Baklava)」とも呼ばれ、中東地域~トルコ~バルカン半島まで広いエリアで食される焼き菓子ですが、アルメニアのパフラヴァは本当に美味しいです。
特徴的なのがサイズの大きさ。
トルコやバルカン半島では一口サイズの小さなバクラヴァが普通ですが、アルメニアのパフラヴァはでかい&ずっしりと重たいのです。
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アルメニアのパフラヴァはナッツ類をこれでもか!と大量に使用するため、カリカリした食感が特徴的。
トルコのバクラヴァは生地のサクサク食感がメインですが、アルメニアでは「パイ生地はついで」といった感じです。
糖蜜ではなく、名産のハチミツが使用されるのも◎
たっぷりとハチミツを染み込ませた生地とナッツ…一度食べたらやみつきになってしまう美味しさです。
「アルメニアで一番美味しいパフラヴァが食べられる」と有名なのが、セヴァン湖エリアのガヴァルという町。
地産のハチミツやナッツをふんだんに使ったガヴァルの焼きたてパフラヴァは、エレバンで食べるものとはひと味もふた味も違いますよ!
・予算:1個700AMD(=¥168)
・お店:ガヴァルの”Express cafe”のパフラヴァが最強です!
56.モーツァルト おすすめ!
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アルメニア料理56品のフィナーレを飾るのが、モーツァルト(Mozart / Մոցարտ)。
かの有名音楽家の名を冠するチョコレートケーキなのですが、そのネーミングセンスはだてじゃありません。
今まで食してきたありとあらゆるチョコレートケーキの中で、このモーツァルトがダントツでNo.1でした(まじで)。
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モーツァルトは、ハチミツを染み込ませたパイ生地を数層に重ね、各層にチョコレートクリームを挟んだケーキ。
パフラヴァのチョコレート版と考えるのが近いかもしれません。
甘すぎないチョコクリームも、生地からじゅわりと染み出すハチミツも、上にのった削りチョコレートの食感も…とにかく全てがパーフェクトでした。
アルメニアど田舎の場末店の20円のチョコケーキ。人生で食べた中で一番美味しいかもって、誰が信じてくれるだろうか。
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) September 23, 2021
蜂蜜を染み込ませた数層のサクサク生地(パフラヴァ由来?)の各層にチョコクリーム丁寧に挟んだやつ。その名も”Mozart”。
まさにヨーロッパとオリエントの融合。神がおりはべる。 pic.twitter.com/WdsMsvYCUg
セヴァンで宿泊したホステルで食べて感動し、その後あらゆる町で探したのですが結局出会えたのはあの一度きり。(同じような見た目の類似品はあったけど、味も食感もぜんぜん違った)
見つけたらラッキーかもしれない、幻のチョコケーキ「モーツァルト」。
大げさではなく、これを食べるためにアルメニアに行く価値があると思います。
・予算:100AMD(=¥24)
・お店:セヴァンで宿泊したホステル併設の商店で売られていました。(仕入れ元きいとけば良かった…)
おわりに
知られざるアルメニアの食文化や、現地で食べたいアルメニア料理の数々を紹介しました。
情熱があり余ってかなりのボリュームとなりましたが、みなさん大丈夫ですか~?ついてこられてますか~?(笑)
今回紹介したのは、アルメニア全土で食べられる定番料理の数々。
それだけで56品もあることが恐ろしいのですが、実はこれ以外にも、アルメニアには地方食豊かな郷土料理やご当地グルメが数多く点在しています。
定番はもちろん、各地方ごとの名物グルメを制覇するのもアルメニア旅の醍醐味。
地方別の記事もいくつか書いているので、興味のある人はそちらもチェックしてください!
コメント
こんにちは、いつも楽しく拝見しています。といいますか、現在、インターネット規制がとても厳しい国に住んでいて日本でおなじみのありとあらゆるサイトやSNSがブロックされているのですが、のぶよさんのブログはなぜか(!)さくさく見られ、もはや読み物みたいなかんじで拝見してて全ページ制覇できそうな勢いです。
そして、私はアルメニアに2度ほど行ったことがあり、今まで行った国の中でもアルメニアがとても好きなのですが(1度目はジョージアとのセット旅行の予定だったのが、アルメニアの人の魅力にどっぷりはまり、一泊だけお世話になる予定だった民家にずるずる何日もお世話になり抜け出せなくなった)、のぶよさんもアルメニアを推されてて、アルメニアのページにもかなりの熱を感じ、嬉しくなりました。近々3回目のアルメニア旅行を予定してますが、参考にさせていただきます。
そしてエレバンの最強シャウルマリスト、気になります。
今後の更新も楽しみにさせていただきます。