こんにちは!二回目のアルメニア旅を満喫中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アルメニア北部のシラク地方(Shirak)には、訪問すること2回。合計で14日間ほど滞在しました。

アルメニア第二の都市であるギュムリ(Gyumri)を中心に、小さな村や壮大な教会などをまわったのですが、びっくりしたことが一つあります。
それは、シラク地方にはアルメニア他地域とは少し異なる食文化が根付いていて、ご当地グルメや名物料理が多く存在すること。


そもそもアルメニア料理自体が日本ではあまり知られていませんが、その中でもさらにマイナーなシラク地方の郷土料理の数々…
いったいどこに需要があるのでしょうか(笑)
でも、書きますわえ!
なぜなら、どの料理もこのエリアの風土や気候を反映しているものばかりで、味わい深いものだったので。

というわけで今回の記事は、滞在中にぜひ挑戦したいシラク地方の名物料理を17品紹介するもの。
実際に訪れる際は、この地域の魅力を舌で感じてもらえるはず!
シラク地方の食文化をザックリと。

シラク地方は、アルメニア北西部の高原地帯に位置しています。
すぐ西側にトルコ、北側にジョージアがあり、かつてはシルクロードの交易路の一つとして大いに栄えた地域です。
そんなシラク地方を、地元の人はこう表現します。
「アルメニアのシベリア」と。

どうしてそんな風に呼ばれるかというと、ご想像の通り、シラク地方はものすごい寒冷地帯であるため。
夏場でもエレバンより5℃~10℃ほど気温が低いことが普通ですし、冬場はマイナス20℃以下になることもあるのだとか…
また、シラク地方の土壌は瘦せていることで知られています。
そのため野菜や果物などの生産には適しておらず、古くから畜産業を中心とした生活が営まれてきました。
厳しい気候と不毛な土壌、限られた食材のバリエーション…
過酷な自然環境のシラク地方で生きる人々は、アルメニア他エリアと少し異なった食文化を発展させてきたのです。
・家畜由来の乳製品や肉類が中心
・痩せた土地でも育つジャガイモを多用
・保存がきく豆類を多用
・動物の内臓や牛タンなど他地域ではあまり食べない部位を多用
・ハーブ類をあまり使わない
・寒冷地域らしく味付けがやや濃い目
・ニンニクを多用
シラク地方最大都市であるギュムリの市場を散策してみると、他の地域ではあまり見かけない謎の食材や乳製品が多く売られていることに気が付くでしょう。


また、アルメニア料理は全体的にあっさりとした味わいで、塩や油を多用しないのが特徴。
いっぽうのシラク地方では味付けは概して他エリアよりも濃い目で、寒冷地ならではのスタミナ食であるニンニクを比較的多く用いるのも面白い点です。
シンプルな材料ながらも、奥深い味わいで体も温まる…
そんな「アルメニアの田舎料理」の世界に、どっぷりとひたっていきましょう!
シラク地方名物グルメ11選
①ハザン・ホロヴァツ おすすめ!

とにかく!なにがなんでも!絶対に!食べてほしい。
一つ目からいきなり自信満々におすすめしたい名物料理が、ハザン・ホロヴァツ(Khazan Khorovats / Ղազան խորոված)です。
「ホロヴァツ」とは、アルメニア全土で食べられる串刺し肉のBBQのこと。
一般的には炭火でグリルされることがほとんどですが、ここシラク地方のハザン・ホロヴァツはひと味もふた味も違います。
それは、串刺しにしてマリネしておいた牛肉を、トマトとワインのソースで煮込んで提供されるため。一口食べたときの感動は、今でも忘れられません。
口の中でホロッととろける牛肉。
トマトの甘味たっぷりのソースとの相性も抜群で、こんなに美味しい牛肉は数年ぶりに(もしかしたら初めて)食べたかも…と感じたほどでした。
冗談ぬきでビックリするほど美味しいので、旅行の際は絶対に味わってほしい一品。
どうしてこんな絶品料理がシラク地方だけにとどまっているのか…アルメニアの七不思議の一つです。
②チェチル

シラク地方名産のチーズと言えば、チェチル(Chechil / չեչիլ)。
まるで鶏の胸肉を思わせるような、「さけるチーズ」のような…
そんな不思議な見た目と食感が楽しいのですが、チェチル最大の特徴は、表面に付いた黒いツブツブ。
これらはすべて、カビなのです。
このカビの存在が、淡白な風味のチーズに独特の風味とコクを足すとされ、チーズを使用する料理では好んで用いられます。
ギュムリの市場ではチェチルを専門に売る店もあり、カビの付き方などによっていくつかの種類があるそう。
見た目こそ「うぇ…」ですが、味はまろやかで奥深いのが不思議。
市場を歩いていると試食させてくれる店も多いので、ぜひ挑戦してみては?
③チャナフ

シラク地方名物として知られる、羊肉とナスのシチューがチャナフ(Chanakh/չանախ)。
チャナフは伝統的な素焼きの器に、骨付きの羊肉とナス、トマトやじゃがいもなどの野菜を入れ、オーブンでじっくりと熱して調理されるもの。
素材自身から出る水分で煮込むという、一風変わった調理法が独特です。


お隣ジョージアにも「チャナヒ」と呼ばれる似た料理がありますが、シラク地方のチャナフにはひよこ豆などの豆類がたっぷりと入る点が独特。
じっくりと熱することで抽出された肉や野菜の旨味が、ひよこ豆の風味と見事に混ざり合い、ほっくり温かな美味しさです。
④シラク風コロリク

アルメニア人が大好きなコロリク(Kololik / կոլոլիկ)は、牛ひき肉にハーブとお米を混ぜて丸めたミートボールのこと。
地域によって調理法が大きく変わることでも知られていますが、多くの場合はビーフブイヨンを用いたスープの具として用いられます。
いっぽうのシラク地方では、スープ料理ではないシラク風コロリクがポピュラー。
コロリクの材料自体は、ひき肉&米&ハーブと一般的なものですが、じゃがいもや玉ねぎ、トマトなどの野菜とともにオーブンでグリルされるのが特徴です。
⑤カラゴシュ おすすめ!

「シラク地方の食文化」の項で解説した通り、厳しい気候と不毛な土壌のシラク地方では、もともと食材のバラエティーが多くはありませんでした。
そんな「アルメニアのシベリア」を象徴する料理が、カラゴシュ(Qyalagosh / Քյալագյոշ)。
長期間保存がきくレンズ豆をメインの具材としてヨーグルトで煮込み、仕上げに炒め玉ねぎを大量にのせてギー(バターのような乳製品)をたっぷりとかけた料理です。

レンズ豆とヨーグルトとバターと玉ねぎ…日本人的には味の想像がつかない組み合わせかもしれません。
実際は、ヨーグルトの酸味とバターのコク、玉ねぎの甘味がうまくミックスされたスープが、レンズ豆のホクッとした食感を引き立てており、まるで飲むクリームチーズのような濃厚なコクと奥深い味わいが感じられます。
余計な味付けはされていないのに、なぜか奥深いコクと旨味が感じられるキャラゴシュ。
家庭料理という位置づけのためかレストランではあまり置いてありませんが、見つけたら一度は味わってほしい一品です。
⑥タタール・ボラキ おすすめ!

続いて紹介するのは、「シラク地方といえばコレ!」と言われるほどに、定番の郷土料理。
その名もタタール・ボラキ(Tatar boraki / թաթար բորակի)です。
「タタール」とは、現在ロシア領のタタールスタン共和国のこと。
「ボラキ」とは、中央アジア~バルカン半島までの広い範囲で食される、小麦粉生地を薄く伸ばした料理ジャンルの総称のことです。
つまり「タタールスタン共和国の小麦粉料理」といった解釈になりますが、実際にタタールスタンから持ち込まれたものなのかどうかは謎のままです。(タタールスタンにこうした料理があるのだろうか…?)
タタール・ボラキは、薄くのばした小麦粉生地を菱形に切り分けて、お湯で茹でてできあがり。
茹でたてアツアツの生地に、ギー(バターのような乳製品)を絡めて提供されます。 ▼

この生地の食感こそが、タタールボラキのすべて。
例えるなら、日本のきしめんを究極までチュルンチュルンな食感にした感じ。
これはもはや食べ物ではありません。飲み物です。
チュルチュル生地自体には味はついておらず、マツン(ヨーグルト)やすりおろしニンニクを好みでかけながらいただくのがシラク地方流です。

材料自体はとてもシンプルで、自分でも簡単に作れそうな気がしなくもないのですが、あの生地の食感だけは素人には絶対に再現不可能。
シラク地方に古くから伝わる職人の腕前の結晶を、ぜひ本場で味わって感動してほしいです!
⑦ポチョヴァプール

アルメニア全土で食べられる、赤うずら豆のスープ・ポチョヴァプール(Pochov apur/փոչով ապուրur)も、シラク地方では一風変わったスタイルで提供されます。
メイン具材である赤うずら豆をたっぷりと用いるのはもちろんのこと、小麦粉生地を平たくのばした麺のようなものをたっぷりと入れ、スープというよりも主食のような扱いとなっています。

この平たい麺の食感は、「さすが小麦粉文化のシラク地方!」と唸りたくなるほどの絶妙なちゅるちゅる食感。
深紅の色をしたスープは一見するとこってりしているように思えますが、実際の味わいはかなりあっさりしているのも面白い点。
トマトの風味はほとんど感じず、豆の旨味や甘味が前面に出された素朴で温かな風味が美味しいです。
⑧パンルハシュ

日本の家庭で食べられるファストフードと言えば、お茶漬けやカップラーメン。
いっぽう、ここシラク地方の家庭のファストフードと言えば、パンルハシュ(Panrkhash / Պանրխաշ)の一択です。
材料はとてもシンプルで、
・ラヴァシュ(アルメニアの薄いパン)
・チェチル(シラク地方のチーズ)
・バター
・炒め玉ねぎ
・お湯
以上5つだけです。


シラク地方の家庭ならどこにでも常備してあるラヴァシュとチェチルをちぎって器に入れ、大量のバターをのせたらほぼ完成。▼

これに熱湯をたっぷりとかけて、ふたをして10分待機するだけ。
仕上げに炒め玉ねぎを大量にのせれば完成です。
「いったいどんな料理だよ…」と思うでしょう(のぶよも思いました)。
しかしですね、これが結構イケるのです。

熱湯でふやけたラヴァシュとトロトロチーズを豪快にかき混ぜて食べると、バターの豊潤さと玉ねぎの甘味が口いっぱいに広がります。
「アルメニアのMac&Cheese(チーズとマカロニをまぜたアメリカ料理)」なんて表現されるのも納得な、簡単さ&美味しさ。
個人的には、ちょっとラザニアに近いような感じがしたので、トマトソースなんかを合わせてアレンジするのも良さそうです。
⑨ギュムリ風フルジン

とにかくラヴァシュ(紙のように薄いパン)を使いまくるアルメニアの食文化。
そのラヴァシュ文化の最高到達点である料理の一つが、フルジン(khurjin/խուրջին)です。
フルジンとは、ラヴァシュの上に牛肉や羊肉、トマトやパプリカなどをのせて包み、オーブンで焼き上げた宴会料理。
ギュムリのフルジンは一風変わっており、中に入れる肉に牛タンやレバーなどの内臓系が使用されるのが定番なのです。


さすがは、食べられる部分は全て食べ尽くすシラク地方。
フルジンの中に入った内臓系には臭みがなく、あまり得意でない人でも問題なく食べられます。
⑩チュロフ・ピラフ

お米大好きな日本人にとって見過ごせない料理が、チュロフ・ピラフ(Chrov pilaf / չրով փլավ)。
直訳すると「乾いたピラフ」の意味ですが、何が「乾いて」いるのかというと、具材として入るドライフルーツのこと。
どんなフルーツも乾燥させて保存食にしてしまうアルメニアは、隠れたドライフルーツ大国。
とうとう「お米とドライフルーツ」という禁断の組み合わせを生み出してしまったのです。
ブドウ、プルーン、アプリコットなど数種類のドライフルーツを、バターを入れて炊き込んだご飯にあわせるだけのシンプルな調理法で作られるチュロフ・ピラフ。
日本人的には「米とドライフルーツ…?うぇ…」となるかもしれませんが、これが意外とイケます(さっきからこれしか言ってない気がする)。
バターがきいたピラフとドライフルーツのギュッと詰まった甘味…未知なる組み合わせですが相性は悪くありません。
シラク地方では、ドライフルーツは保存食として古くから重宝されてきたもの。
「ただのおやつではなく、どうにかして主食として利用できないか」と考え抜いた昔の人々の知恵が舌で感じられるようです。
⑪ポンチク おすすめ!

アルメニアはもとより、旧共産圏の多くの国で愛され続けるスイーツと言えば、ポンチク(Ponchik / Պոնչիկ)。
「カスタードクリーム入りの揚げドーナツ」といったところで、国や地域によって形状や中身が変わってくるのも面白いです。
アルメニアでもポンチクは全国的にポピュラー。
一般的なのはこんな感じで、ぺちゃっと潰れたような見た目のものです ▼

いっぽうのシラク地方のポンチクは、見た目が大きく異なるのがポイントです。
その名物ポンチクが食べられるのが、シラク地方の中心都市・ギュムリにある”Ponchik Monchik“というお店。
「ギュムリでは知らぬ者はいない」と言われるほどの知名度を誇り、ギュムリっ子の誇りにもなっている名物ポンチクがこちら ▼

まず驚くのが、完璧な球体そのものな形。
油で揚げる際に空気を注入することで、ぷっくりとまん丸の形になるようにしているんだそうです。
仕上げにたっぷりとかけられたパウダーシュガーも含めて、もはや芸術そのものな見た目。
食べるのがもったいなく感じてしまうかも…

一口食べてみると、サクッとしていると同時にもっちりとした薄い生地の食感と、中のクリームのほどよい甘味が口の中いっぱいに広がります。天国です。
見た目的にかなりボリュームがあるのかと思いきや、生地が薄めなのでペロリと平らげられます。
油で揚げているにもかかわらず、油っこさはほとんどない点も◎
Ponchik Monchikの店舗はギュムリ市内にしか展開しておらず、正真正銘のご当地グルメ。
ギュムリ中心街ど真ん中にあるので、観光の途中に気軽に立ち寄ってみては?
⑫ボズバシュ

シラク地方とお隣のロリ地方の郷土料理として知られるボズバシュ(Bozbash/Բոզբաշ)は、羊肉と夏野菜のシチュー。
夏場ならナスやトマトなどが入りますが、冬場はひよこ豆やじゃがいもなどの具を入れて代用される場合が多いです。

羊肉をじっくり煮込むことで旨味たっぷりのスープを作るのがボズバシュの特徴。
とろとろ食感の羊肉には他の野菜の味も染み込んでおり、スープの羊風味溢れる味わいとよく合います。
⑬鶏肉のカルカンダク おすすめ!

5ヶ月間アルメニアに滞在していて、なぜかシラク地方でしか目にする機会がなかったのが鶏肉のカルカンダク。
「カルカンダク」(Karkandak/)とはロシア料理の定番の軽食で、中に具が詰まったパンのこと。
ロシアはもちろんのこと、旧ソ連圏では(名前こそ違えども)同じような「具入りパン」がどこにでもあり、アルメニアにおいても安くて手軽な軽食としてポピュラーです。
通常のピロシキの具は、牛ひき肉やじゃがいもである場合がほとんどですが、シラク地方では鶏肉が入ったピロシキを多く見かけました。

中でもおすすめなのが、鶏肉とキノコのバターソテーがたっぷりと詰まったピロシキ。
その暴力的な旨味たるや、もはや異次元。
数個くらいパクッと食べられてしまうほどに美味しいです。
エレバンなどの他都市ではまず見かけることがないので、おそらくはシラク地方のご当地ピロシキ。
同じ料理であっても、地域ごとに微妙に異なっているのを食べ比べていくのも、旅の醍醐味ではないでしょうか。
⑭ハシュ

アルメニアの冬の味覚と言えば、ハシュ(Khash / խաշ)。
10月頃になり気温が下がってくると、食堂やレストランの入口に「ハシュあります」と書かれた看板(冷やし中華的な)が出され、酒飲みたちが吸い込まれるように店内へ入っていきます。
アルメニア全土で冬になると食べられるハシュですが、その本場だとされるのがここシラク地方。
冬でなくとも食べられる店も多く、地元の人に愛されている料理であることがわかります。
ハシュとは、牛の足を一晩中煮込んで作られた白濁したスープのこと。
その香りや味は強烈で、人によって好みが分かれることで有名です。

のぶよは以前ジョージアでこの料理を食べたことがある(ジョージアでは「ハシ」と呼ばれる)のですが、まあ無理でした(笑)
とにかく匂いが獣そのもので、どうしても食欲がわかず…
そして強烈な匂いとは対照的に、スープには味がほとんどついておらず、ニンニクや塩を自分で入れて調節するのです。

と、さんざんなことを書きましたが、好きな人はとことん好きだというのがハシュの不思議なところ。
ハシュの本場・シラク地方には「冬のハシュセット」なるものを取り扱う店もあり(居酒屋の「もつ鍋プラン」的な?)、ウォッカひと瓶&ハシュ&BBQ&サラダなどがセットで提供される恐ろしい食文化が根付いています。
冬にシラク地方を訪れる人で好奇心旺盛なら、ぜひ一度はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(のぶよは金輪際食べたくない)
⑮ギュムリ風トゥジュヴジク

アルメニア全土で食べられるトゥジュヴジク(Tzhvzhik/տժվժիկ)と言えば、牛レバーをニンニクやハーブと炒めた料理。
何とも子音ばかりで発音しにくい料理ですが、手軽に&安く作れることもあり、酒のつまみとしても根強い人気があります。
いっぽう、ギュムリを中心としたシラク地方のトゥジュヴジクは独特。
炒める調理法ではなく、トマトやパプリカをたっぷりと入れて煮込む調理法で提供されるのです。

牛レバーならではの独特の風味は健在ながらも、濃い目に味付けされた煮汁のおかげで臭みは気にならずに食べられるのが◎
どこの店でも比較的安く提供されており栄養満点なので、ギュムリ滞在中に一度は挑戦してみましょう。
⑯キャラ

ここまで色々とシラク地方の郷土料理を紹介してきましたが、おそらくギュムリの地元民に「シラク地方ならではの料理と言えば?」と尋ねると、多くがキャラ(Qyala / Քյալա)と答えるはず。
キャラとは、牛の頭を丸ごとオーブンで焼いた(もしくは大鍋で煮込んだ)料理のこと。
普段の食卓に上がることはまずあり得ず、結婚式などのお祝いの席で大人数で食される宴会料理のような存在です。
「牛の頭の丸焼き」でなんとなくのイメージが伝わるでしょうが、そのイメージそのままです(笑)
仰々しい見た目の料理で、どう考えても一人や二人で食べられる量ではありません。
ギュムリのレストランでは、前日までの事前予約制でキャラを提供している場合がほとんど。(牛の頭を用意するんだから当然ですが)
「どうしても食べてみたい!」という人、挑戦した際には感想をお待ちしています(笑)
⑰ギュムリ風カツレツ

ギュムリを中心とするシラク地方には多種多様なグルメが存在することは、もうお分かりでしょう。
本記事のシラク地方名物グルメ17品特集のラストを飾るのが、ギュムリ風カツレツです。
見た目はでっぷりごろんとした俵型のカツレツで、キエフ風カツレツ(鶏肉のカツにたっぷりバターが入ったやつ)に似ているかも…?
しかし、ナイフを入れてみるとびっくり。
ギュムリ風カツレツの中には、とろ~りとろけるチーズとソテーされたマッシュルームがたっぷりと詰まっているのです。▼


さらに、カツに使用されている肉はギュムリ名物の牛タンである点も独特。
牛タンを薄く叩き伸ばしたものを何枚も重ねてキノコとチーズをのせて丸め、油で揚げているのです。
のぶよは牛タンがあまり得意ではないのですが、独特のコリコリ感や臭みとは無縁でとても食べやすかった印象。
アルメニアでもここギュムリでしか食べられないので、ぜひとも挑戦を…!
おわりに
アルメニア北部・シラク地方の食文化や名物料理を紹介しました。
そもそも旅行者があまり訪れないアルメニアという国の中でも、穴場感強めなエリアのグルメ情報。
「いったい誰の役に立つのだろう…」なんて最初は思っていましたが、書いていてとても楽しかったです。
その土地の名産を食べることや飲むことは、その土地をより深く理解するための近道。
「何コレ…」という驚きとともに、自分が知る食文化との違いに感動を覚えることも、旅することの醍醐味だと思います。(でもハシュだけは金輪際食べたくない)
見どころは数多く、歴史や伝統文化が色濃く残るシラク地方は、この先きっと脚光を浴びること間違いなしのエリア。
旅する際は独自のグルメにもアンテナをはって、この地域の魅力を存分に満喫してほしいです!
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