こんにちは!3ヶ月のトルコ滞在もまもなく終盤、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
トルコのアマスラ(Amasra)と聞いて、何か具体的なイメージが浮かぶ人は、一体どのくらいいるのでしょうか。
トルコ北部の黒海沿岸にある小さな町は、トルコ人に聞いても「なんでそんなとこ行くの?」なんて言われてしまう始末。
そんな知名度皆無なアマスラをひとことで表すなら、「360°絶景の町」でした ▼
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黒海の離れ小島のような場所に造られた優雅で素朴な町並みは、まるでイタリアかどこかの海沿いの田舎町のよう。
カモメの鳴き声が響き渡るだけの夕暮れの風景を眺めていると、「来て良かった…」と心から思えるはずです!
今回の記事では、日本はおろか世界でもまだあまり知られていないトルコ観光の穴場スポット・アマスラの観光情報を徹底解説します!
個人でのアクセス方法も詳細に説明しているので、同じルートで旅行する人の参考になれば嬉しいです。
アマスラの見どころ
アマスラはとても小さな町で、ゆっくりと散策しても3時間ほどで一周できてしまう規模。
これと言って目立った観光スポットがあるわけではありません。
しかしながら、島のように黒海に突き出した半島の上に造られた町は、ポストカードのような絶景がどこからでも見られるのがポイント。
カモメの鳴き声に耳を澄ませながらのんびりと散策し、黒海の風を感じましょう!
アマスラ観光地図
灰色:バス会社オフィス
青:見どころ
緑:おすすめ絶景ポイント
絶景ポイントめぐり
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アマスラ散策で絶対にしたい(というか、絶対に目にすることになる)絶景ポイントめぐり。
半島のような場所の高台に町が位置するという地理的な特徴もあって、アマスラの町は至る所で絶景のオンパレードです。
ここでは、数ある絶景の中からのぶよが感動したものを紹介していきます。
1.アマスラ・ビーチの絶景
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アマスラ城へ東から登る階段の途中にある絶景ポイントは、アマスラ・ビーチを一望するもの。【マップ 緑①】
黒海沿いに広がるアマスラの町を一望する、開放的な風景が広がります。
2.アマスラ城と黒海の絶景
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アマスラ城の城塞には登ることができ、ここからも美しい風景が望めます。 【マップ 緑②】
半島部分に広がる町並みの奥には、どこまでも青く輝く黒海の雄大な眺め…
飛び交うカモメたちの鳴き声も、旅情をかきたてます。
3.ケメレ橋とアマスラの町並みの絶景
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アマスラで最も美しい絶景が見られるのが、半島部分と島部分をつなぐケメレ橋を渡った先のポイント。 【マップ 緑③】
独特な地形にひらけたアマスラの町を一望することができ、おそらくアマスラでNo.1の絶景ポイント。
青い海と可愛らしい町並みのコントラストは、まるでイタリアかどこかの地中海沿いの町のような美しさです。
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西日に町が照らされる午後遅めの時間帯は特に美しく、いつまでもぼうっと眺めていたい風景が広がります。
4.黒海と離れ小島の絶景
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ケメレ橋を渡った先の島の先端にあるポイントからの絶景も見逃せません。 【マップ 緑④】
すぐ沖合に浮かぶ離れ小島を一望することができます。
この島はカモメの住処となっているようで、かなりの数が上空を飛び交っていました。
5.オトガル前の絶景
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アマスラの入口であるオトガル(バスターミナル)の目の前にも、すでに絶景が広がっています。 【マップ 緑⑤】
半島部分のアマスラ城とその麓に広がる中心街を一望する眺めは、もはやトルコとは思えないような風景。
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頂上部分にあるファティ・ジャーミィのミナレット(尖塔)だけが、ここがイスラム圏であることを示しているかのようです。
アマスラ城塞内部の町を散策
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アマスラの町は、半島の大部分を占めるアマスラ城(Amasra Kalesi)の城塞の中にあります。 【マップ 青①】
アマスラ城塞はビザンツ帝国時代の1270年に建設されたもの。
コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)がオスマン帝国によって陥落した後の1460年に、当時のスルタン・メフメト2世の手によって、オスマン帝国の支配下になりました。
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城塞内に広がる町並みは、素朴でカラフルなものが多くて可愛らしいです。
また、黒海沿岸地域に共通する木造建築が多く見られるのもポイント。
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ブルガリアの黒海沿岸の町・ソゾポルの木造建築と似たような木造の家々がいくつか残っており、かつては同じ文化圏であったことを感じさせます。
ケメレ橋
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アマスラのシンボルが、半島部分と島の部分をつなぐケメレ橋(Kemere Köprüsü)。【マップ 青②】
アマスラがビザンツ帝国の支配下にあった9世紀の建造で、アマスラ城塞の入口の一つとして利用されていました。
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石造りのシングルアーチ式の橋は、観光客にも人気の撮影スポット。
橋からは、運河のような地形の黒海とアマスラの可愛らしい民家が織りなす風景が見られます。
海に浮かぶ柱
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ケメレ橋から南に100mほどの海岸線には、一本の柱(Direkli Kaya)が立っています。【マップ 青③】
実はこの柱、かつてアマスラがビザンツ帝国の支配下にあった時代にこの場所に建っていた教会の名残。
現在ではたった一本の柱のみが残り、まるで海に浮かんでいるような不思議な光景が見られます。。
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海に浮かぶ柱周辺は、絶好の夕日鑑賞ポイントとして地元では有名なのだだそう。
黒海を赤く染めていく夕暮れをぽつりと見守るようにたたずむ柱…
言葉にならないほどの美しさで、なぜだか郷愁をかりたてられる風景でした。
アマスラ中心街
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アマスラ城のふもとに広がる中心街は、狭い路地にお土産屋が並ぶだけの素朴な雰囲気。【マップ 青④】
端から端まで歩いても5分もかからないほどの小さな規模です。
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海の近くだからか、お土産にも貝殻を使ったものや美しいブルーの雑貨などが多く見られます。
アマスラは、夏場はビーチ目的のトルコ人観光客で賑わうそう。
オフシーズンの中心街に人影は少なく、どこかノスタルジックな雰囲気が漂っていました。
教会
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アマスラ城塞内にある教会(Kilise)は、ビザンツ帝国時代に築かれた歴史あるもの。【マップ 青⑤】
内部への入場は残念ながらできませんが、その素朴な佇まいは一見の価値があります。
ファティ・ジャーミィ
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アマスラ城塞内にあるモスク、ファティ・ジャーミィ(Fatih Cami)は、キリスト教圏→イスラム教圏へと支配権が移ったアマスラの歴史を象徴する存在。【マップ 青⑥】
もともとはビザンツ帝国時代に築かれたキリスト教の聖堂をモスクへと改築したものなのです。
外見を一目見ただけで元はキリスト教の聖堂だったことが一目瞭然ですが、それは内部も同様 ▼
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イスラム教のモスクでは聖地・メッカの方角を正面として装飾が施されるのですが、この聖堂の祭壇だった部分は違う方向を向いていたよう。
聖堂の祭壇部分は使われておらず、ただの飾りのような扱いになっていました。
アマスラへのアクセス・行き方
アマスラはとても小さな町で、トルコ他都市からの交通の便はあまり良いとは言えません。
イスタンブールとアンカラからは直行バスが出ているものの、その他の都市からは南に20km離れたバルトゥン(Bartın)という町で乗り換えが必要です。
アマスラのオトガル(バスターミナル)は、バスターミナルというよりもただの駐車場。
チケットオフィスすらなく、数百メートル離れた所に数社あるバス会社のオフィスでチケットを購入しなければなりません。
オトガルには荷物預かり所等もなく、深夜&早朝営業しているお店もなし。
夜行バスで早朝到着の場合には困ってしまうかもしれません。
イスタンブール〜アマスラ間のバス移動
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イスタンブールのオトガルから1日5本の直行バスが出ています。
アンカラ〜アマスラ間の移動
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アンカラのオトガルから1日4本の直行バスが出ています。
サフランボル〜アマスラ間の移動
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観光客に大人気のオスマン帝国の町並みが残るサフランボル(Safranbolu)。
地図で見るとアマスラと近いためアクセスしやすそうですが、この区間を直接結ぶバスは存在しないため、実際は結構な面倒臭さです。
個人でサフランボル~アマスラ間を移動する場合は、上の2ステップでの移動しか方法がありません。
①サフランボル〜バルトゥン間の移動
サフランボルからアマスラへ移動するためには、Savas Turizmが運行しているカラビュク(Karabük)〜サフランボル〜バルトゥン間のバスを利用します。
注意したいのが、このバスはサフランボルのオトガル(バスターミナル)は経由しない点。
サフランボルの町の手前にあるカラビュクのオトガルを出発→サフランボル新市街にある近郊ミニバスターミナルに停車→その後バルトゥンへと向かいます。
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サフランボル新市街の近郊ミニバスターミナルは、観光メインとなる旧市街とオトガルのちょうど中間に位置し、どちらからも1kmほどの距離があります。
もう一つ注意したいのが、バルトゥン到着時。
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サフランボル新市街の近郊ミニバスターミナルを出発したバスは、まずバルトゥン中心街北側にある広場に停車し、中心街を経由した後に南に8km離れたオトガルへと向かいます。
青:バルトゥン中心街(バス会社オフィス有り)
黄色:バルトゥンのオトガル(バスステーション)
アマスラ行きのミニバスが出るのは、サフランボルからのバスが最初に停車する中心街北側の広場(地図赤色)。
間違えてバルトゥン中心街やオトガルまで行ってしまわないようにご注意を。
バスの運転手に「アマスラに行きたい」と言っておけば、降りる場所を指示してくれるでしょう。
②バルトゥン→アマスラ間のバス移動
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バルトゥン中心街北側の広場の一角から、アマスラ行きのバスが30分に1本出発しています。
車体に”AMASRA”と大きく書いてあるのですぐにわかるでしょう。
アマスラから他都市への移動には注意!
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先述の通り、アマスラにはイスタンブール行きやアンカラ行きへの直行長距離バスが出ています。
しかし時間帯によっては(特に夕方以降)、アマスラ→イスタンブール/アンカラのバスがなく、バルトゥンで乗り換えなければならない場合があるのがややこしい点。
アマスラ~バルトゥンのミニバスは夜9時頃まで、30分に1本の頻度で出ているのでこの区間の移動は大丈夫。問題はバルトゥンでの乗り換えです。
青:バルトゥン中心街(バス会社オフィス有り)
黄色:バルトゥンのオトガル(バスステーション)
アマスラ〜バルトゥン間のミニバスは、先述の中心街北側の広場を経由してバルトゥン中心街が終点となります。
つまり、バルトゥンの中心街から他都市への長距離バスが出るバルトゥンのオトガルまでは自力で行かなければならないということ。
右も左も知らない町で、8km離れたオトガルまで自力でアクセスするのはかなりハードモードだと思います…
のぶよのおすすめは、自力でオトガルに行くのではなく、バルトゥン中心街と中心街北側の広場のいずれにもあるバス会社のオフィスでチケットを購入してしまうこと。
バルトゥン発着の長距離バス便がある会社は、中心街/北側の広場のどちらにもオフィスがあります ▼
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バス会社のオフィスでチケットを購入した人は、各バス会社が運行している「セルヴィス」という無料シャトルバスを利用でき、オトガルへ簡単にアクセス可能なのです。
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チケット購入時に「セルヴィス」と言えば、長距離バスの出発時刻に合わせたシャトルバスの時間を教えてくれるので、あとはバス会社のオフィスで待つだけです。
アマスラ観光のプランニングのコツ
サフランボルとアマスラをセットでまわることは可能?
旅行者としては、距離が比較的近いサフランボルとアマスラを一日で観光したくなりますよね。
結論から言うと、可能です!
先述の通りサフランボル~アマスラ間の公共交通はなかなか厄介で、スケジュール的にも忙しくはなりますが、しっかりと時間を計算すれば1日で2か所の訪問も大丈夫です。
のぶよは大きな荷物の置き場のことを考えるのが面倒だったので、この強行スケジュールでいきました。
- 7:00アンカラ出発
- 9:15サフランボル着・観光
- 13:30サフランボル出発
- 15:10バルトゥン着
- 15:30バルトゥン発
- 15:50アマスラ着・観光
アマスラ→アンカラの最終直行バスは、16:15 アマスラバスステーション発なので、もちろん乗れるわけもなし。
帰りはアマスラ→バルトゥン→アンカラと乗り継いでの移動となりましたが、なんとかなんとか同日中にアンカラに戻ることができました。(鬼のように疲れましたが…)
アマスラ観光におすすめな時間帯
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のぶよ的には、アマスラには遅くとも15時台までに到着するのがベスト。
16時台の到着でも、いちおう観光を終えることはできましたが、あまりゆっくりできなかったのがとにかく残念にだったので。
また、アマスラ最大の魅力である絶景の数々は、海の明るさや色が大きく変える太陽の当たり方で大きく表情が変わります。
夕方だと西日がとにかく強すぎたので、柔らかい光に包まれる午前中の方が綺麗に見えるかも。
そして、帰りのバスはバルトゥン乗り換えではなく、直行便の方がどう考えても楽。
日帰りの場合でも早めにアマスラに着いておいて、ゆとりを持って観光するのがおすすめです!
やっぱり宿泊が絶対おすすめ!
のんびりとアマスラ&サフランボルを観光したいなら、どちらかの町に宿泊するのが断然おすすめです。
黒海を望むアマスラのペンションもいいですし、オスマン帝国時代の家を改装したサフランボルの小さな宿も魅力的。
宿泊するなら荷物の置き場所の心配をしなくて良いのも嬉しい点ですよね。
アマスラにはホステルや大型ホテルはなく、ゲストハウスのような宿がほとんど。
海を眺めながら数日間のんびりと滞在するスタイルも良いと思います!
【アマスラの宿をみてみる!】
おわりに
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ほとんど知名度はないものの、風光明媚な風景と素朴な雰囲気がとにかく素晴らしかったアマスラ。
できれば宿泊して、カモメの声を聞いて目を覚ましたり、名物のシーフードを味わったりしながらのんびりと過ごしたかった場所です。(ホテル代が少々高かった…)
点在する木造の民家のためか、なんとなくお隣ブルガリアの黒海沿岸の町・ソゾポル(Sozopol)に雰囲気が似ているような気がして、少し懐かしく感じました。
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観光地化された場所も良いですが、まだ知名度が低いこうした場所にこそ、トルコの魅力が感じられるもの。
「トルコの穴場」として胸をはっておすすめしたいアマスラ。この素朴な魅力を失わないでほしいなと感じます。
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