こんにちは!イスタンブールを満喫中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
イスタンブール観光のハイライトとも言えるのが、ヨーロッパとアジアの二つの大陸に挟まれたボスポラス海峡を船に乗ってまわるボスポラス海峡クルーズ。
陸から見るのとは異なったイスタンブールの町並みを堪能できるのはもちろん、近郊の見どころを海から眺めることができます。
観光客のほとんどは、ボスポラス海峡を約1時間半かけてまわるショートクルーズツアーに参加してお手軽に海上散歩を楽しみますが、のぶよ的にはおすすめしません。
今回の記事では、ボスポラス海峡クルーズツアーの種類や料金などの基本情報から、おすすめできない4つの理由、ツアー参加の代わりとなるボスポラス海峡観光の手段を紹介します。
ボスポラス海峡クルーズツアーの基本情報(料金・運航会社)
「ボスポラス海峡クルーズツアー」と呼ばれるのは、その名の通り、観光客向けに現地フェリー会社が運航している船に乗ってボスポラス海峡をまわるもの。
数社のフェリー会社がボスポラス海峡ツアーを取り扱っているものの、内容はどこもほぼ同じ。
ツアーのルートによって、所要時間が短いショートツアーと所要時間が長いロングツアーの2種類に分かれます。
ボスポラス海峡クルーズショートツアー
観光客の間で最もポピュラーなのが、所要時間1時間半ほどのボスポラス海峡クルーズショートツアー。
旧市街側のエミノニュを出発し、市街地から2本目の橋であるスルタン・メフメト橋付近で折り返すというコースです。
乙女の塔やオルタキョイ・モスク、ルメリ・ヒサルなどの基本的な見どころは押さえられているので、あまり時間をかけずにボスポラス海峡沿いの観光スポットをを見たい人に大人気です。
ボスポラス海峡クルーズロングツアー
ボスポラス海峡沿いの真の魅力を感じたい旅行者に人気なのが、黒海近くのアナドル・カヴァウという小さな村までを折り返すボスポラス海峡クルーズロングツアー。
船の往復4時間+アナドル・カヴァウでの滞在2時間で、所要時間の合計は6時間ほどとなります。
ショートクルーズツアーでは見られない、ボスポラス海峡北部の素朴な町や見どころが見られるので、よりじっくりとこの地域の魅力を感じたい旅行者に人気です。
ボスポラス海峡ロングツアーでは、片道での利用も可能です。
アナドル・カヴァウ到着後は、路線バスやローカルフェリーを使いながら個人でイスタンブールにもどることも可能です。
ボスポラス海峡クルーズツアー運航会社
↑旧市街側のエミノニュには、ボスポラス海峡ツアーの勧誘がたくさん。
ボスポラス海峡ショートクルーズツアーは数社の会社により運航されているものの、ショートツアーに限っては似たり寄ったりの内容です。
ロングクルーズツアー参加の場合は、シェヒル・ハトラル社しか選択肢がありません。
ここでは、ボスポラス海峡クルーズツアーの代表的な二社を紹介します。
シェヒル・ハトラル社
イスタンブール市が運営している、「公式フェリー会社」的な立ち位置なのがシェヒル・ハトラル社(Şehir Hatları)。
さまざまなフェリー路線を運航しており、いずれも市民の足として欠かせない存在となっています。
料金が抑えられているのがポイントですが、ボスポラス海峡ツアーに限っては本数が少ないので利用しづらいのが実情です。
シェヒル・ハトラル社のクルーズ(ロング・ショート)の特徴は、途中の停泊地で下船が可能である点。
途中停泊をしない他社のツアーに比べると、自由度が増します。
→シェヒル・ハトラル社のボスポラス海峡クルーズの料金、時刻表はこちら。
トゥルヨル社
プライベート・カンパニーであるトゥルヨル社(Turyol)は、中型船を利用した乗客輸送サービスを展開しています。
イスタンブール市内に多くの路線網を持っており、ボスポラス海峡クルーズショートツアーも1時間に1本ほどの運航をしているため、かなり利用しやすいです。
他のクルーズ会社と同様、途中での乗下船はできないため、文字通り「船の上から景色を見るだけのクルージング」となります。
→トゥルヨルのボスポラス海峡クルーズの料金、時刻表はこちら。
ボスポラス海峡クルーズツアー比較表
ショートクルーズか、ロングクルーズか。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、簡単には決められないでしょう。
二つのツアーの内容を比較した表がこちら。
ショートツアー | ロングツアー | |
運航会社 | シェヒル・ハトラル社、トゥルヨル社、Ido社など数社 | シェヒル・ハトラル社のみ |
所要時間 | シェヒル・ハトラル社:2時間 その他の会社:1時間半 |
6時間 |
料金 | シェヒル・ハトラル社:12TL(=¥227) その他の会社:25TL(=¥473) |
片道:15TL(=¥284) 往復:25TL(=¥473) |
運航頻度 | シェヒル・ハトラル社:1日1本(14:35) その他:1時間に1本程度 |
1日1本(10:35) |
ショートクルーズツアーはトゥルヨル社のものに限っても、エミノニュ港から1時間に1本出発しているのでとても利用しやすいです。
料金的に格安のシェヒル・ハトラル社のショートクルーズツアーですが、1日1本(エミノニュ発14:35)のみの運航なので、スケジュールが合わないと利用が難しいです。
ロングクルーズツアーに関してはシェヒル・ハトラル社のみの取り扱いで、こちらも1日1本(エミノニュ発10:35)のみの運航スケジュールです。
ボスポラス海峡クルーズツアーをおすすめしない4つの理由
さて。ここまでボスポラス海峡クルーズの種類や料金、運航会社を紹介してきました。
しかしながら、のぶよ的にはショートツアー、ロングツアーにかかわらず、ボスポラス海峡ツアーへの参加はおすすめしません。
ボスポラス海峡クルーズツアーをおすすめしない理由1:ショートクルーズツアーは時間の無駄だから
↑ショートクルーズツアーでは、黒海近くの美しい風景が見られない
その手軽さから観光客に一番人気なのが、1時間半ほどでボスポラス海峡の南半分ほどをまわるショートクルーズツアー。
すでに解説した通り、ショートクルーズツアーは、イスタンブールから数えて2本目の橋(スルタン・メフメト橋)付近で折り返してしまいます。
多くの見どころはこの区間にあるものの、正直、スルタン・メフメト橋まではイスタンブールの市街地感が強く、ボスポラス海峡沿いの魅力である素朴な町並みの魅力が感じにくいです。
また、スルタン・メフメト橋までにある地域はイスタンブール中心街からバスやバプール(連絡線)でのアクセスも充実しているエリア。
ツアーに参加しなくても、二つの大陸間を移動するバプールで簡単にアクセスできるのですから、わざわざ割高な料金を払ってクルーズツアーに参加する意味がありません。
ボスポラス海峡クルーズツアーをおすすめしない理由2:ロングクルーズは1日1本で不便だから
↑エミノニュのボスポラス海峡クルーズツアー乗り場。ツアー時間以外は閉鎖されている。
ボスポラス海峡の真の魅力が感じられる北半分の風景を堪能したいなら、断然ロングツアーがおすすめです。
イスタンブール中心街からのアクセスがやや難しいこのエリアを海から眺めることとができるのは、大きな魅力。
しかしながら、ロングツアーはシェヒル・ハトラル社のみの運行で、1日1便しかないという不便さ。
しかも、最終目的地のアナドル・カヴァイ到着後に2時間以上空けて帰りの船が出るというスケジュールなのです。
つまり、ロングクツアーに参加すると、丸一日をクルーズに費やすことになります。
限られたイスタンブール滞在で、途中での観光もできず、ただ船の上で過ごすのに1日費やすのはもったいない気がします。
片道での利用も可能(15TL)なシェヒル・ハトラル社のロングクルーズツアー。
アナドル・カヴァウから路線バスや船を利用して、観光スポットをめぐりながら自力でイスタンブールに戻ることも可能ですが、問題は時間です。
1日1本のロングクルーズツアーでは、アナドル・カヴァウ着が12:25。
そこから村の観光を済ませて、海峡沿いの他の町をめぐりながらイスタンブールに戻ろうと思っても、各町を結ぶ船やバス路線との接続がうまくいかず、思ったように観光できないのが実情です。
ボスポラス海峡クルーズツアーをおすすめしない理由3:途中下船できないから
↑せっかくなら気になる町や村を散策したいもの
のぶよがボスポラス海峡クルーズツアーをおすすめしない一番の理由は、ショート・ロングともに途中の停泊地での下船ができないため。
シェヒル・ハトラル社のクルーズツアーに関しては、途中下船自体は可能なのですが、再び乗船する際には新たに別のチケットを購入しなければなりません。
(つまり往復チケットを持っている限り、途中での乗り降りは不可能)
海から眺める町や見どころも美しいものの、結局ただ見るだけ。
イスタンブールから離れた素朴な町を散策したり、海沿いを歩いたり、観光スポットに入場することはできないのです。
ボスポラス海峡クルーズツアーをおすすめしない理由4:かなり混雑するから
世界的に有名なボスポラス海峡クルーズツアー。
しかし、有名である=混雑することを覚悟しなければなりません。
指定席ではないため、出発30分前には座席が埋まり始め、立ったままでのクルーズとなる場合も。
人が多くて座席の移動も難しいので、ヨーロッパとアジアにまたがって点在する見どころの写真を撮ることすらままなりません。
また、ロングクルーズツアーの場合は、終着点のアナドル・カヴァイで2時間時間余りの休憩時間があり、本来静かな村はクルーズ客で埋め尽くされてしまいます。
特に夏場の混雑は凄まじいそう。
開放感が売りのクルーズツアーに参加したのに、結局ぎゅうぎゅう詰めの船に押し込められる拷問のような時間でしかなかった、なんてことになってしまうかもしれません。
ボスポラス海峡をめぐるなら、おすすめはボスポラス海峡ライン!
というわけで、ボスポラス海峡クルーズツアーをおすすめしない理由をお伝えしました。
しかし、せっかくイスタンブールに来たのに、ボスポラス海峡の美しい風景を見ずに帰ってしまうのはもったいない!
クルーズツアー参加の代わりにのぶよがおすすめしたいのが、ボスポラス海峡ラインというローカルフェリーでの船旅です。
ボスポラス海峡クルーズツアーと名前は似ているものの、全くの別物であるボスポラス海峡ライン。
ヴァプール(vapur)と呼ばれる、イスタンブール市が運航するフェリーは、イスタンブール中心街からボスポラス海峡沿いの町の間にも走っており、観光客でももちろん利用可能です。
つまり、クルーズツアーに参加することなく、個人で公共交通手段としてのフェリーを利用してボスポラス海峡をめぐる手段、それがボスポラス海峡ラインなのです。
ボスポラス海峡ラインをおすすめする4つの理由
1.激安でロングクルーズツアーとほぼ同じ航路を走るから。
ボスポラス海峡ラインとは、一つの路線ではなく、イスタンブール〜ボスポラス海峡北部の町を結ぶ数種類の路線の総称。
そのうちのいくつかは、ボスポラス海峡クルーズのロングツアーとほぼ同じ航路を走るんです。
エミノニュ〜アナドル・カヴァイ線やカドゥキョイ〜サルエル線がこれにあたります。
(コース詳細は後述しています。)
そして、クルーズツアーに比べて格安の料金も魅力。
イスタンブール市の公共交通機関という性格上、イスタンブールカードが使用可能で、料金も市内交通利用時と同じ2.6TL(=¥49)。
どの路線を利用しても同じ値段です。
25TLのロングクルーズツアーもかなりお得感がありますが、さすがに50円では乗れませんよね(笑)
2.とにかく空いているから
住民の足であるボスポラス海峡ラインですが、観光客にはほとんど知られていません。
観光客にクルーズツアーを利用させるために、あえて情報を伏せているのではないかと勘ぐってしまうほどに情報がありませんが、ちゃんと存在しているのでご安心を。
クルーズツアーの混雑とは無縁で、とにかくガラガラに空いているボスポラス海峡ラインの船。
こんな状態なので、アジア側・ヨーロッパ側の見どころを写真に収めようと動き回ろうと何の問題もありません。
経営か大丈夫なのか心配になるほどの空き具合でした。
3.朝発便で1日の時間を有効に使えるから
↑朝日に照らされるボスポラス海峡はとても美しい
路線にもよるものの、ボスポラス海峡ラインの本数はそこまで多くはありません。
しかしながら、朝発のフェリーに乗れば、昼前発のロングクルーズツアーに比べて時間を有効活用することができます。
たとえば、イスタンブールのアジア側のカドゥキョイから、ボスポラス海峡北部のサルイェルを結ぶ路線は、カドゥキョイを7:50発。
終点のサルイェル着が9:15で、その後9:30にイスタンブール旧市街側のエミノニュに戻る船があるので、11時頃にはクルーズを終えてイスタンブール旧市街に戻ることが可能です。
単純往復ではなく、ボスポラス海峡沿いの見どころを観光しながらイスタンブールに戻る場合でも、十分すぎる時間があります。
1日がかりとなるボスポラス海峡ロングクルーズツアーに比べると、かなり効率的に観光できるのは大きな魅力です。
4.途中での乗り降りが自由で、自分だけの旅程を組めるから
↑好きなところで降りて、きままに散策するのも醍醐味
ボスポラス海峡ライン利用の一番のメリットが、好きなところで途中下船・乗船が可能である点。
ただ船の上から見どころを眺めるだけのクルーズツアーに比べて、それぞれの場所の魅力をより感じることができます。
先述の通り、ボスポラス海峡ラインの路線は複数あるため、自分だけのデイトリップの行程を組むことができます。
各地区は路線バスでも結ばれているため、船とバスを組み合わせて計画を組むのが、上手に観光するポイント。
アジアとヨーロッパを船で行ったり来たりしながら、観光スポットをめぐったり、ローカルグルメを味わったりと、自分だけののんびり旅を味わうことができます。
ボスポラス海峡ラインの乗船地と見どころ
先述の通り、「ボスポラス海峡ライン」というのは一つの路線のことではなく、イスタンブール~ボスポラス海峡北部(もしくはボスポラス海峡北部沿いの町同士)を結ぶフェリー路線の総称です。
朝イスタンブールに向かい、夕方各地域に戻るという地元の人向けのスケジュールのものが多いのが難点ですが、観光客にも利用しやすい路線はあります。
それが、アジア側のカドゥキョイ(Kadıköy)~ヨーロッパ側のサルイェル(Sarıyer)を結ぶ路線。
カドゥキョイ発が7:50、サルイェル着が9:15という朝早いスケジュールですが、その分1日を有効活用することが可能です。
天気が良ければ、朝もやに包まれた神秘的なボスポラス海峡の風景を望むことができるのもポイント。
ロングクルーズツアーでこの地域を通るのはすでにお昼頃で、多くの船が行き交っているので、静寂につつまれた景色は見られません。
ボスポラス海峡クルーズとほぼ同じコースを走るボスポラス海峡ライン。
ここからはコース上の見どころを紹介していきます。
カドゥキョイ(アジア側)
ボスポラス海峡ラインのサルイェル行きの出発地点となるのが、イスタンブールのアジア側に位置するカドゥキョイ(Kadıköy)。
三つほどの港がありますが、サルイェル行きが出発するのはオールド・フェリーターミナルと呼ばれる所。
普段は対岸のベシクタシュやプリンセス諸島への便が出ている港なのですが、サルイェル行きの船はこのプリンセス諸島行き乗り場を出発します。
何の表示もされておらず、かなり分かりにくいのでご注意を。
係員に尋ねるのが一番です。
ゆっくりと北に進んでいく、定刻通りに出発したフェリー。
さあ、ボスポラス海峡クルーズのスタートです!
乙女の塔(アジア側)
出発してすぐ、アジア側のユスキュダル地区の沖合に浮かぶ小島にあるのが、乙女の塔(Kız Kulesi)。
イスタンブールを象徴するような風景で、よくポストカードなどにも描かれている有名な場所です。
現在の塔は18世紀建造のもので、かつては灯台と検疫所としての役割を担っていました。
朝日に照らされた乙女の塔は、とても神秘的。
これから続いていくクルーズへの期待が高まります。
ドルマバフチェ宮殿(ヨーロッパ側)
乙女の塔を過ぎ、イスタンブール新市街を左手に望みながら進んでいく船。
白亜に輝くドルマバフチェ宮殿(Dolmabahçe Sarayı)の優雅な姿が見られるまで、そう長い時間はかかりません。
オスマン帝国時代後期のスルタン(皇帝)たちの住まいであったドルマバフチェ宮殿は、西洋化が進められていた当時を象徴するかのようなバロック様式の壮大な建築。
海から眺めると、その巨大さに改めて圧倒されます。
↑ウォーターフロント感ただようベシクタシュは、若者が集まる活気ある地区。
ドルマバフチェ宮殿を通り過ぎた船は、ヨーロッパ側のベシクタシュ(Beşiktaş)に停泊します。
ヨーロッパ側に宿をとっている場合は、ここから乗船することも可能です。
チュラーン宮殿(ヨーロッパ側)
ベシクタシュを出発した船は、チュラーン宮殿(Çırağan Palace Kempinski)の前を通ります。
ドルマバフチェ宮殿に比べるとこぢんまりとした宮殿は、かつてのスルタン・アブドゥラジズの住まいだった場所。
現在では高級ホテルとなっており、観光客が陸側からアクセスすることはできないため、ボスポラス海峡を船でめぐる人だけが見られる風景となります。
オルタキョイ(ヨーロッパ側)
ヨーロッパ側とアジア側をつなぐ、7月15日殉教者の橋(旧名:ボスポラス大橋)の手前にあるのがオルタキョイ(Ortaköy )地区。
地元の人のデートスポット的な雰囲気の地区のランドマークが、海沿いに建つオルタキョイ・モスク。
イスタンブール広しと言えども、ここまで海に近い絶好のロケーションのモスクは他に見当たらないのではないでしょうか。
アルナヴトキョイ(ヨーロッパ側)
7月15日殉教者の橋を越えた先に広がるのは、アルナヴトキョイ(Arnavutköy)の可愛らしくて優雅な町並み。
「アルバニア人の村」という意味のアルナヴトキョイには、木製の家々が点在しており、かつては「イスタンブール近郊で最もシックな地区」として栄えました。
現在ではその中心は隣のベベク地区へと移り、ローカル感とかつてのシックさの名残が絶妙なハーモニーを醸し出しています。
↑橋の下を通りすぎる時のワクワク感もポイント
ベベク(ヨーロッパ側)
高級ブティックやおしゃれなカフェが連なるベベク(Bebek)は、わざわざイスタンブール中心街から買い物に訪れる人も多いシックなエリア。
海岸沿いを散歩する人たちもどことなく上品で、地区全体に洗練された空気が漂っています。
「世界の必見スターバックス50選」に選ばれたスターバックスがあるのもこの地区。
さすがといった感じです。
ルメリ・ヒサル(ヨーロッパ側)
ボスポラス海峡クルーズのハイライトの一つであるルメリ・ヒサル(Rumeli Hisarı)は、イスタンブール中心街から数えて2本目の橋であるスルタン・メフメト橋の手前に佇んでいます。
1452年、当時コンスタンティノープルと呼ばれていたイスタンブールの陥落に成功したメフメト2世が建設を命じた城で、なんとたった4か月間で築かれたそう。
この場所は、ボスポラス海峡が最も狭くなる地点。
対岸のアジア側には、こぢんまりとしたアナドル・ヒサル(Anadolu Hisarı)が建ち、かつてのオスマン帝国の防衛の要所として大きな役割を担っていました。
↑海から見ると、ルメリ・ヒサル付近で海峡が狭まっているのがわかる
ルメリ・ヒサル付近には、同じ名前の可愛らしい町があり、スルタン・メフメト橋とのコントラストがとても美しいです。
ボスポラス海峡ツアーのショートクルーズで見られるのはここまで。
スルタン・メフメト橋を越えた辺りで折り返して、イスタンブールへと戻っていきます。
しかしながら、ここまでは「イスタンブールの郊外」といった雰囲気が強い地域。
素朴な村や自然というよりも、普通の町並みが広がっています。
ボスポラス海峡の真の美しさを味わうなら、この先の地域は外せません。
ボスポラス海峡ラインでは、朝もやに包まれた海峡をまだまだ先へと進んでいきます。
カンルジャ(アジア側)
スルタン・メフメト橋を越えてアジア側を見ると、カンルジャ(Kanlıca)の村が目に入ります。
イスタンブールの喧騒とは無縁の小さな漁村は、オスマントルコ時代の木造の建物が多く残っているのが魅力。
カンルジャの名物と言えば、ヨーグルト。
わざわざイスタンブール中心街から買い付けに来る人もいるほどに有名なヨーグルトを生産しているのです。
イスティニェ(ヨーロッパ側)
海沿いに建つ美しい家々を望みながら進んでいく船が次に停泊するのが、イスティニェ(İstinye)。
町自体はとても小さいですが、ここから眺めるボスポラス海峡の朝の風景は格別です。
これまで通ってきた海路は朝の光につつまれてとても幻想的な雰囲気。
他の船の姿もなく、静寂だけが海峡を支配しています。
イスティニェを出発した船が向かうのは、終点のサルイェル。
ここまで来ると、家よりも山の緑が目立つようになります。
時折目に入る、海沿いに建てられたカラフルなヴィラ(邸宅)を眺めているうちに、ボスポラス海峡北部の中心地であるサルイェルの町並みが見えてきます。
サルイェル(ヨーロッパ側)
今回のボスポラス海峡ラインの終点であるサルイェル(Sarıyer)。
この地域最大の町であるものの、その雰囲気はかなりのんびりとしています。
サルイェル到着時刻は9:15。
9:30にイスタンブール旧市街のエミノニュ行きの船が出るので、それで戻ってもいいのですが、のぶよ的にはここまで来たなら周辺の見どころもあわせて観光していくのがおすすめです。
サルイェルから対岸のアナドル・カヴァウまでは、別のフェリー路線が出ており、所要時間は10分ほど。
黒海を望む丘の上の廃城と、伝統的な舟屋が残る小さな村へと足をのばしてみてはいかがでしょうか。
アナドル・カヴァウ(アジア側)
サルイェルの対岸に位置するアナドル・カヴァウ(Anadolu Kavağı)は、伝統的な舟屋が残る小さな漁村。
サルイェルからの渡し船に乗ると、その可愛らしい町並みに目を奪われると同時に、丘の上に建つ廃城の存在に気が付くことでしょう。
かつて黒海から入ってくる船を監視するために築かれたこの廃城の名はヨロシュ城。
現在は完全に放置されているものの、無料でボスポラス海峡&黒海の絶景が望めるビュースポットです。
アナドル・カヴァウは、ボスポラス海峡ロングクルーズツアーの最終目的地。
ツアー船到着時には、小さな村は観光客えあふれかえるものの、この時間はただただ静か。
このように、人が少ない時間帯に村本来の雰囲気を味わうことができるのも、今回紹介しているボスポラス海峡ライン利用の大きなメリットです。
おわりに
ネット上にほとんど情報がないボスポラス海峡ラインを利用して個人で行くボスポラス海峡クルーズを紹介しました。
情報がなさ過ぎて不安になりましたが、船に乗ってしまえばあとは簡単。
朝焼けに照らされた美しい風景が待っています。
観光地化が進むイスタンブール。
その波はボスポラス海峡沿い地域にも確実に訪れています。
格安&観光客ゼロ&自分だけの旅ができる、と良いことづくしのボスポラス海峡ライン。
のぶよ的には、路線バスや他フェリーラインと組み合わせて、ボスポラス海峡沿いの観光スポットや小さな町を訪れながらイスタンブールまで戻るのがおすすめです。
ネット規制の影響で、Booking.comでの予約ができないトルコ。代わりの宿泊予約サイトではAgodaがおすすめです。
期間限定セールを利用すればかなりお得な料金で宿泊できるのもポイント。チャンスを逃さないで!
おすすめ書籍
旅人マストの一冊、「地球の歩き方」。
写真が多く、訪れる場所のイメージがわきやすいです。安心して旅行したい人にオススメ。
英語ができるなら、“Lonley Planet”は世界最強の旅人のバイブル。
とにかく情報量が半端じゃありません。人と違う場所へ行ってみたい人は是非!
コメント