こんにちは!ブルガリアに滞在してすでに1ヶ月、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ブルガリア北部のルセ(Ruse)近郊にある、世界遺産のイヴァノヴォ岩窟教会群。
13世紀の第二次ブルガリア王国時代に作られた、切り立った岩山の洞窟内に作られた教会は、当時そのままのフレスコ画が残る時が止まったような空間です。
周辺はルセンスキ・ロム国立公園に指定されており、ルセンスキ川沿いに広がる大自然も魅力的。
今回の記事では、イヴァノヴォ岩窟教会の見どころと、個人でのアクセス方法を紹介します。
断崖絶壁に建つイヴァノヴォ岩窟教会
イヴァノヴォ岩窟教会をまず特徴づけるのが、その不思議すぎるロケーションでしょう。
高さ38mの岩の中の洞窟内に作られた岩窟教会は、まるで人の進入を阻むように高くそびえ立っています。
イヴァノヴォ岩窟教会は1220年に作られたもので、15世紀頃まではこの地域の信仰の中心としての役割を果たしていました。
その後は人が住まなくなり放置されてきたものの、1936年にフランス人探検家により発見され、14世紀のまま残る美しいフレスコ画や歴史的価値が認められて世界遺産に登録されました。
岩窟教会には、光を取り込むための窓が作られ、現在はテラスとして周辺の大自然を望むことができるようになっています。
驚くべきが、かつての教会への入口はこの断崖絶壁のテラスだったという点。
岩にへばりつくように木製の橋が備え付けられていて、僧侶たちはそれを渡ってアクセスしていたそう。
これは、万が一教会が攻撃にあった際に、橋を落として外からのアクセスを遮断するためでした。
↑この断崖絶壁の岩の周りに木製の端が設置されていたというのだから驚き。
教会内の礼拝堂には、外側の橋を支える木が設置されていた跡の溝が残っています。
現在私たちが利用する岩窟教会への入口は、フランス人探検家が掘った小さな穴から。
狭い入口を一歩入ると、素晴らしいとしか言えないフレスコ画の世界が広がっています。
イヴァノヴォ岩窟教会の中に残る700年前のフレスコ画
イヴァノヴォの岩窟教会を特徴づけるのが、教会内一面に描かれたフレスコ画。
こちらは教会の建造から100年以上後の1360年頃に描かれたものだそうで、当時のブルガリア皇帝イヴァン・アレクサンデルによる資金援助によって実現したもの。
彼とその妻・テオドラ王妃を聖人として描いたフレスコ画は、テラスのすぐそばに描かれています。
全てが14世紀のオリジナルのものであるというイヴァノヴォ岩窟教会内のフレスコ画。
特に秀逸なのが、天井部分に描かれた聖書の内容を表したものです。
言葉がわからない人でも理解できるように、聖書の各場面を描いたフレスコ画の保存状態はとても良く、現在でも何が描かれているのかちゃんとわかります。
そして絶対に見逃せないのが、「最後の晩餐」を描いたフレスコ画。
実はこちら、有名なレオナルド・ダ・ヴィンチが同名の作品を描いた100年以上前に描かれたもの。
その歴史的価値は計り知れません。
教会内部には、かつて礼拝堂として利用されてきた部分があり、壁にはライオンの背に乗って聖地エルサレムへと巡礼する聖ヒエロニムスとその信者たちが描かれています。
ところどころ色褪せていたり剥がれていたりするものの、全てのフレスコ画は復元されたものではなく、700年以上前のオリジナルであるという、ものすごい歴史価値を誇るイヴァノヴォ岩窟教会。
現在では教会として利用されてはいないものの、かつてここを神聖視した人々の気持ちが理解できるような、静寂につつまれた不思議な空間でした。
かつての修道院を見渡すパノラマ
イヴァノヴォ岩窟教会へと続く道には、周辺のルセンスキ・ロム国立公園を一望できるポイントがあります。
深い森の奥に見える、切り立った岩の数々。
よく見ると、人の手が加えられているように見えます。
それもそのはず。
イヴァノヴォ岩窟教会を取り囲む岩山は、かつて聖地として多くの修道僧が生活をした場所。
教会の周辺の岩山の中には多くの礼拝堂や修道僧たちの居住スペースが設けられていました。
かつてはイヴァノヴォ岩窟教会を中心としたこの地域一帯が、聖天使ミハイル修道院として一つの聖地を形成していたそう。
崩落の危険があるため、現在一般公開されているのはイヴァノヴォ岩窟教会のみですが、この地に根付いていた信仰を感じることができます。
耳を澄ましても、聞こえるのは鳥の鳴き声くらい。
800年前から変わらない神聖な雰囲気に、心が洗われたような気分になりました。
イヴァノヴォ岩窟教会へのアクセス
イヴァノヴォ岩窟教会は、ブルガリア北部のルセ(Ruse)近郊に位置しています。
ルセから教会に最も近いイヴァノヴォ村(Ivanovo)へのアクセスは、バスか鉄道のいずれもありますが、のぶよは鉄道をおすすめします。
というのも、ルセからイヴァノヴォ方面へ行くバスは本数が少ない上に、ルセ中心街から4kmほど離れたイズトク(Iztok)バスステーション発着と不便極まりないため。
鉄道ならルセ中央駅の発着ですし、本数も3時間に1本ほどとさほど不便ではありません。
イヴァノヴォ修道院へのアクセス1:ルセから鉄道に乗車
ルセ中央駅からは、ゴルナ・オリャホヴィツァ(Gorna Orjahovica)行きの列車に乗ります。
イヴァノヴォは3駅目。所要時間25分ほどです。
切符は車内で係員から直接購入します。
料金は片道2.1Lv(=¥126)。
2019年10月現在のルセ発イヴァノヴォ方面への時刻表はこちらです。
6:25、8:25、11:25、14:25、18:25
イヴァノヴォ修道院へのアクセス2:イヴァノヴォ駅からは徒歩のみ
イヴァノヴォ駅周辺は、小さな商店が一軒あるだけのど田舎です。
ここからイヴァノヴォ岩窟教会へのアクセスは、片道5.5kmの舗装道路をひたすら歩くだけ。
バスは走っていませんし、駅前には客待ちしてるタクシーすらいません。
往復11kmも歩けない!という方は、大人しくルセからタクシーを利用するべきだと思います。
山道ではないのでアップダウンはさほどありません。
田舎の雰囲気を感じながらのんびり歩くのもおすすめです。
2019年10月現在のイヴァノヴォ発ルセ行きの列車の時刻表
2:03、6:53、10:16、13:15、14:54、16:20、19:57
おわりに
↑岩に直接描かれたため、曲線を描いたフレスコ画も。
中世ブルガリア王国の豊かな文化を現在に伝えるイヴァノヴォの岩窟教会群。
アクセスはかなり難ありですが、その秀逸なフレスコ画は必見です。
周辺には、現役の修道院として利用されているバサルボヴォ岩窟修道院(Basarbovo)や、中世に作られた城塞が残るチェルヴェン(Cherven)などの見どころも点在しているので、合わせてまわるのもいいでしょう。
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