こんにちは!ジョージア南部のサムツヘ=ジャワヘティ州をのんびり旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
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多くの見どころが点在するジョージア南部ですが、中でも観光のハイライトと言えるのがヴァルジア(Vardzia / ვარძია)でしょう。
切り立った岩山の斜面をくりぬいて作られた穴が無数に見られる、なんとも不思議な光景の場所ですが、実はこれらは中世に築かれた洞窟住居と修道院の跡。
800年以上前にこの場所で暮らしていたしていた人々の生活の跡や、信仰の場としての機能を現在に伝えるもので、ユネスコの世界遺産の候補としても挙げられているほどに歴史的価値があるものです。
今回の記事では、ジョージア観光のハイライトの一つとなるヴァルジアの観光情報を解説していくもの。
の四つの項目に分かれています。
ヴァルジアはジョージア国内でも大人気スポットの一つなので、観光前にしっかりと事前知識を得て計画をたてておくのがおすすめです!
ヴァルジアの歴史
ジョージア南部を流れるクラ川の河岸の崖に位置するヴァルジアは、12世紀頃(800年~900年前)に修道院兼住居として築かれたものだと考えられています。
中世ジョージア王国の最盛期に王位についていたギオルギ3世(Giorgi Ⅲ)の時代(1156年~1184年) に、最初の洞窟住居が造られたとされており、そこから徐々に規模が拡大していきました。
その後、ジョージア初の女性国王として国を治めたタマル女王(Tamar)の統治時代に規模が大きく拡大され、現在にも残るヴァルジアの信仰の中心的存在である聖母昇天教会が1186年に建設されました。
その後1283年にこの地域を襲った大地震によってヴァルジアは大きな被害を受けたものの、また再建されたヴァルジアは、同時期のモンゴル帝国による支配を免れたという歴史を持ちます。
平地部分から遠く離れた地理的特性と、岩山に隠れるように張り巡らされたアリの巣のような通路を持つ洞窟住居には、トルコのカッパドキアにある地下都市を思い起こす人もいるのではないでしょうか。
カッパドキアの地下都市の方が時代は前で、異民族(アラブ人)による侵攻を恐れて隠れ住むという目的に特化しているものの、結果的に敵の侵攻から逃れることに成功したという面では似たような歴史的背景だと言えるかもしれません。
モンゴル帝国が衰退した後にジョージアに侵攻したペルシアのサファーヴィー朝による支配も、人里離れたこの地までは及ばず、ヴァルジアでは中世からのキリスト教文化が長い間守られ続けてきました。
その歴史に幕が下ろされたのは、南からオスマン帝国が侵攻してきた1578年のこと。
修道僧たちは全てヴァルジアを後にすることを余儀なくされ、以後400年以上に渡って放置されることとなったのです。
幾度となく起こった地震によって崩壊したヴァルジアに、ソ連による発掘の手が及んだのは1988年のこと。
この時期から再び修道僧たちがヴァルジアに住みはじめ、現在でも数人の人々が洞窟住居の一部で祈りを捧げながらの生活を送っています。
ヴァルジアで現在までに発掘されているのは、13階建てに相当する部分まで。
各洞窟住居は階段状の通路で繋がっており、文字通り岩山の斜面にアリの巣が張られているような「迷路そのもの」な状態です。
発掘作業は現在でも続けられており、最新の3Dスキャンによる解析では、岩山のさらに上部にも土に埋もれた住居部分が確認されており、13階どころかなんと19層にもなっているそう。
ヴァルジアは、当時としては超高層&最先端の「洞窟マンション」だったのかもしれませんね。
ヴァルジアの地名の由来
「ヴァルジア」という名前に関しては、タマル女王にまつわる伝説が残されています。
タマル女王が幼い時に叔父とこの場所を訪れた際に、アリの巣のように入り組んだ洞窟の中で迷子になってしまい、山の麓から彼女の姿を探す叔父に対して当時の言葉で「Var dzia!(=「叔父さん、ここです!」)」と呼び掛けて自分の居場所を知らせて助けてもらったというもの。
ジョージアではかなり有名な話なので、覚えておくのも面白いでしょう。
ヴァルジアの見どころ
広大な敷地&高低差がかなりあるヴァルジアですが、観光のハイライトとなるのは以下の2つ。
・ベル・タワー
・聖母昇天教会
敷地内は全て一方通行となっているので、この二つのハイライトを見逃してしまうことはまずあり得ないのでご安心を。
それ以外にも、 広い敷地内にはまだまだ見どころがたくさん。
中世の人々の生活の跡が残る洞窟住居部分を見学したり、秘密の通路を通って冒険気分を味わったりと、結構な高低差がある敷地内を歩くことになるので、それ相応の覚悟が大切です。
(13階建ての建物を階段で上ったり下りたりすることをイメージしてください)
ヴァルジアの敷地内には説明書きなどが一切ないため、各洞窟住居や見どころの詳細な歴史や情報を知りたい人は、チケット売り場でオーディオガイド(英語・10GEL=¥350)を借りるのが良いと思います。
ベル・タワー
一方通行となるヴァルジアの敷地内で、入口側からいくつもの階段を上り下りしてたどり着くのがベル・タワー(鐘楼)です。
正方形の建物は、洞窟住居群を見渡す部分に建てられており、ヴァルジアのシンボルの一つとなっています。
その名前が示す通り、内部にはかつて大きな鐘が吊り下げられていたのですが、13世紀後半にモンゴル軍が進軍してきた際に持ち去られてしまいました。
(ヴァルジアはモンゴル軍による盗難・略奪被害にはあったものの、支配下に置かれることはありませんでした)
かつての栄光の時代を名残惜しむようながらんとしたベル・タワー内の空間からは、800年前から変わっていないであろうクラ川沿いの渓谷の風景を望むことができます。
ベル・タワーの北側にはちょっとした展望台のような空間があり、ここからの眺めはヴァルジアを代表するものの一つ。
無数に開けられた洞窟住居部分の穴が斜面に広がる岩山と、クラ川沿いの緑あふれる渓谷の風景が見事なコントラストとなっていました。
洞窟住居部分
ヴァルジア自体が洞窟住居群の集まりであり、現在発見されているだけで641もの部屋があるほど。
(最新の研究によると、未発掘の部分を合わせると6000部屋にも及ぶ「超・共同住宅」だったようです。ソ連もびっくり。)
先述の通り、13層に渡って重なった住居部分の洞窟が階段状の通路でごちゃごちゃに繋がっているため、全部見てまわることは到底できません。
数千人が生活をしていた最盛期のヴァルジア。
一応、現在で言う「集落」のような概念があったようで、いくつかのエリアに分かれて生活がされていたと考えられているそうです。
薬局や教会などは集落ごとに最低一つは洞窟内に設置されていたそうですが、ワインセラーに関しては25か所も発見されています。
ワイン醸造所の跡地には、収穫したブドウを足で踏むための穴や、絞り出した果汁を流す溝などがそのままに残っていました。
居住スペース部分の洞窟は、大きさが様々あるのが特徴的でした。
6畳1間ほどのものから、いくつも部屋がある大きなものまで。
きっとこの時代から、身分や職業によって住む場所が決められていたのかもしれませんね。
他にも、各エリアの修道僧たちが集まって食事をした食堂(Refectory)の跡も残されています。
当時の人々は左右の壁を向いて一列に座りながら食事するしきたりだったそうで、誰も他の人の姿(正面/背中)の姿を見ることがないように工夫されていたそう。
みんなでテーブルを囲んで向き合いながら食事をする現在の私たちの文化とは対照的ですね。
聖母昇天教会
ヴァルジア観光のハイライトの2つ目が、12世紀末建造の聖母昇天教会です。
遠くから見るとアーチ状の建造物のように見えますが、これは後から付け足されたもの。
実際の教会はこのアーチの裏側の洞窟内にあります。
聖母昇天教会最大の特徴は、外壁と内壁のいずれにも描かれた色鮮やかなフレスコ画。
先述のアーチを含めて外壁が二層構造のようになっており、内側の外壁には日光が当たらないため、かなり素晴らしい状態で残っているフレスコ画には息を呑むはずです。
日光が届かない教会内部のフレスコ画はさらに素晴らしかったのですが、あいにく教会内部は写真撮影が禁止。
聖母昇天教会を建設したタマル女王が描かれたフレスコ画も内部にあるので、ぜひお見逃しなく!
タマル女王はジョージアの歴史で最初で最後の女性国王となった人物。
その姿が描かれたフレスコ画は国内に3か所しか残っておらず、ヴァルジアの聖母昇天教会内部のものはそのうちの一つです。
この聖母昇天教会内部に描かれたタマル女王のフレスコ画は、未婚であった時期の姿が描かれたもので、ジョージア国内でここでしか見られないとても貴重なものだそう。
当時既婚女性が頭に付けたリボンが描かれていないことがその理由とされ、このフレスコ画がタマル女王が王位に就いた1184年から結婚した1186年の間に描かれたものだと証明されました。
聖母昇天教会は現役の祈りの場として機能している一面もあるため、入場時には服装に注意が必要です。
男性なら長ズボン、女性ならそれに加えてスカーフで髪を隠す必要があります。
(教会入口でスカーフを無料貸し出ししています)
教会の少し先には現役の修道僧が生活するスペースがあり、観光客の立ち入りはできません。
真夏のうだるような暑さと岩肌に反射する日差しの中でも、黒いベールに身を包んだ修道僧たちの姿が見られました。
秘密の通路&”タマル女王の涙”
上で紹介した聖母昇天教会の脇からは、全長200mに及ぶ秘密の地下通路(地下ではありませんが)が張り巡らされています。
入口付近こそ二手に分岐していますが、後は一本道なので迷うことはありません。
地下通路の入口地点での分岐を左に進んだ一番奥にあるのが、「タマル女王の涙」と呼ばれる泉。
こんな洞窟の奥に泉があるのが不思議に感じますが、実はこの泉は上部の岩と岩の隙間からポタポタと水が滴り落ちて出来上がった天然のもの。
その水が滴り落ちる様子が、この場所に縁のあるタマル女王の涙に例えられてこの名がついたのです。
泉の水は聖なるものとされ、プラスチックのバリケードがされているので直接触れることはできません。
しかし、泉の横にはその水が貯められたポリタンクが設置されており、ジョージア人はみんな有難そうにその水を飲み干していました。
(のぶよは人様の涙をこんな洞窟の奥でポリタンクに貯めたものを飲むのが嫌だったのでパス)
「タマルの涙」に通じる通路は行き止まりになっているので、いったん引き返してもう一方の秘密の通路を奥へと進むと、アサイラム(Asylum)と呼ばれる空間にたどり着きます。
アサイラムとは、他国から亡命した難民たちを保護・収監するための施設で、多くの民族や国家が行き交ってきたヴァルジアの周辺地域からこの修道院の敷地に逃げ込んだ人々をかくまうための場所だったと考えられています。
アサイラムからは大人一人通るのがやっとな階段通路をひたすら上へと登っていきます。
その先にあるのが、現在ヴァルジアで立入可能なエリア内で最も高い場所にある小さな展望台スペース。
今まで通ってきた修道院と洞窟住居群のアリの巣のような風景と、その麓のクラ川の対岸に広がるヴァルジア村を一望することができます。
ここからはひたすら階段を下っていって、入口付近へと戻るだけ。
階段はものすごく急で滑りやすいので、最後まで十分注意しながら観光を終えましょう。
ヴァルジアは日帰り観光可能?アクセス・行き方
ジョージア南西部、トルコとの国境近くに位置するヴァルジアは、トビリシやバトゥミなどジョージアの主要都市からはかなり離れた場所にあります。
ヴァルジアの洞窟住居自体の観光所要時間は2時間~3時間ほどと、日帰りで十分に満喫できる規模なのですが、個人でアクセスするとなるとやや交通が不便なのがネック。
ここでは、ヴァルジア観光のプランニングに役立つアクセス情報を解説していきます。
結論から言うと、
・日帰り:アハルツィヘ拠点の往復の場合のみおすすめ。(それ以外の都市からは現地ツアー参加が基本)
・ヴァルジア周辺に宿泊:他の見どころもまわれるのでおすすめ!
といったところでしょうか。
ヴァルジアへの日帰り観光は可能?知っておくべき交通情報
ヴァルジアへ個人でアクセスしようと考えている場合は、その交通の不便さを理解しておかなければなりません。
というのも、ヴァルジアへのマルシュルートカが発着するのは、アハルツィヘ(Akhaltsikhe)という町のみ。
アハルツィヘからのヴァルジア日帰り往復&観光なら余裕で、多くの旅行者にとってはアハルツィヘに1泊してヴァルジアへデイトリップするのが定番です。
それ以外の町から個人でアクセスする場合は、まずアハルツィヘにアクセスし、バスを乗り換える必要があります。
アハルツィヘ~ヴァルジア間のマルシュルートカの本数は1日4便と多くはないので、日帰り観光の場合のスケジュールはかなり限られてしまいます。
サムツヘ=ジャワヘティ州最大の見どころであるヴァルジアへは、アハルツィヘのバスステーションから直行のマルシュルートカが1日4便出ています。
この区間のタイムテーブルは結構な頻度で変わるとも言われていますが、2023年現在は以下の通り。
・アハルツィヘ→ヴァルジア方面:10:30 / 12:20 / 16:00 /17:30
・ヴァルジア→アハルツィヘ方面:8:45 / 13:00 / 15:00
※最新のスケジュールはアハルツィヘのバスステーションで確認を!
アハルツィヘ発が4便あるのに、ヴァルジアから戻る便が3便しかないという謎すぎるスケジュールなのですが、こういうものだそうです。
(かなり色々な人に確認しましたが、ヴァルジア発は1日3便のみだそう)
ヴァルジア観光には最低でも1時間半はかかるので、アハルツィヘからの日帰り観光の場合は、
・往路:10:35アハルツィヘ発→12:00頃ヴァルジア着
・復路:15:00ヴァルジア発→16:30頃アハルツィヘ着
のスケジュール以外に選択肢はありません。
ボルジョミ~ヴァルジア間を直接結ぶ交通手段はありません。
ボルジョミ~アハルツィヘ~ヴァルジアと乗り換えを含む移動をしなければならないため、とても不便です。
ボルジョミ~アハルツィヘ間は多くの便が走っているものの、アハルツィヘ~ヴァルジア間は1日4便のマルシュルートカしかないので、個人での移動は難しいです。
(朝早くボルジョミを出れば、スケジュール的に日帰りはいちおう可能ですが)
のぶよ的には、直行のマルシュルートカがあるアハルツィヘに宿泊してヴァルジアへ往復するか、ボルジョミから現地ツアーを利用してのアクセスが良いのではないかと思います。
トビリシを拠点にヴァルジアを日帰りで往復することは不可能ではないものの、かなり移動時間が多くなってしまうのがネック。
①トビリシ~アハルツィヘへ移動 (所要3時間)
②アハルツィヘ~ヴァルジアへ移動 (所要1時間半)
と、ヴァルジア滞在3時間ほどに対して往復の移動時間の合計は9時間にもなるので、かなりの強行スケジュールとなります。
アハルツィヘ→ヴァルジア間は、アハルツィヘ発10:35の便しか時間的に無理なので、逆算するとトビリシを朝7時台のバスで出発する必要があります。
復路に関しては、ヴァルジア発15:00のマルシュルートカ一択でアハルツィヘ着が16:30。
バスを乗り換えて、トビリシ帰着は20:00頃となります。
どうしてもトビリシから日帰りで観光したい場合は、ヴァルジアだけを個人で往復するのはもったいないと思います。
トビリシ発着の現地ツアーに参加すれば、アハルツィヘのラバティ城やボルジョミ中央公園などの周辺の見どころもセットでまわることが多いので、効率的だと言えるでしょう。
トビリシ以外のジョージア内各都市からヴァルジアを日帰りで観光するのは無謀です。
トビリシの場合と同様に、各都市~アハルツィヘ~ヴァルジアとバスを乗り継がなければならないのはもちろん、各都市~アハルツィヘ間のバスは本数が少ないため。
途中のハシュリ(Khashuri)という町で乗り換えて、各都市~ハシュリ~アハルツィヘ~ヴァルジアとアクセスすることは可能ではあるものの、そこまで移動に移動を重ねて苦行のような日程を送るなら、おとなしくアハルツィヘに1泊すれば良いと思います。
というわけで、アハルツィヘに宿泊せずにヴァルジアを個人で日帰りで観光するのは、スケジュール的に結構キツいと思います。
トビリシやボルジョミからどうしても日帰りでヴァルジア観光をしたい場合は、個人ではなく現地ツアーに参加するのがおすすめ。
本数の少ないバスのことを考える必要はありませんし、ヴァルジア以外の見どころにもセットで立ち寄るものも多いので、効率良く観光できるためです。
一方で、クタイシやバトゥミなど西部の都市からは、個人でのアクセスが不便&現地ツアーが出ていないため日帰りはさらに難しくなります。(というか、やめた方が良いです)
拠点となるアハルツィヘまで移動&宿泊→翌日にヴァルジア日帰り観光
と、アハルツィヘに宿泊するプラン以外に選択肢がないのが現状です。
【この宿を料金確認・予約する!】
ヴァルジア観光のアドバイス・注意点
ヴァルジアは、ジョージア他都市からやや距離が離れた場所にあるにもかかわらず、多くの観光客が訪れる有名な観光スポットでもあります。
春~秋にかけてのハイシーズンには、大型バスでやってくる団体ツアーも多くあるほど。
ただでさえ一方通行で上り下りがある狭い通路を歩くことがヴァルジア観光のメインとなるので、観光客で混雑して前に進めないなんてことも…たまったものではありません。
また、ヴァルジアはただの観光地ではなく、現役の修道院として機能する場所である点も忘れてはなりません。
ここからは、ヴァルジア観光時の注意点やアドバイスをいくつか解説していきます。
朝早く観光するのがおすすめ!
世界遺産への登録を目指しているヴァルジアは、ジョージア国内では知らない人はいないほどの超有名観光スポット。
アクセスが不便な場所にあるため、観光客の多くはトビリシなど別の都市から団体ツアーで訪れることが多いです。
ヴァルジア自体はかなり広大な敷地なのですが、全て一方通行となっているのがポイント。
階段を上り下りしたり足場の悪い狭い通路を通ったりする場面が多くあるため、団体ツアー客に遭遇してしまうと間違いなく人間の渋滞が起こります。
中世の洞窟住居群らしい静寂に包まれた雰囲気を味わいながら自分のペースで観光したいなら、観光客が訪れる午後の時間帯を避けて訪れるのが基本となります。
食料・飲料水は準備しなくてもOK
ヴァルジアのバス停付近には小さな商店と数軒のレストランがあり、昼~夕方まで通し営業しています。
レストランの相場は意外とリーズナブルなので、食事をとる場所としては最適だと思います。
ヴァルジアの洞窟住居に至る道の途中には飲用可能な水が湧いているので、大量の水を持って行く必要もありません。
とにかく歩きやすい靴で行く
先述の通り、ヴァルジアの敷地内には数多くの階段や狭い通路がアリの巣のように張り巡らされています。
上ったり下りたり、身をかがめながら狭い洞窟に入ってたりする場面も数多くあり、観光には想像以上に体力を使うでしょう。
また、洞窟住居を結ぶ通路や階段には手すりが設置されてはいるものの、地面は岩肌そのものな場所がほとんどなので、サンダル等では滑りやすく危険です。
トレッキングシューズまでは必要ありませんが、履き慣れた運動靴などを履いていくのがおすすめです。
服装には注意!
ヴァルジアは一大観光スポットであると同時に、現役の修道僧が祈りを捧げながら生活を送る聖地でもあります。
敷地内のほとんどの場所では服装に関する規定などはないものの、観光の中心となる聖母昇天教会の内部に入場する際は、女性はスカーフの着用が必須で、男女ともに肩を露出した服装や脚を露出した状態では入場できません。
スカーフに関しては教会入口で無料で貸し出されていますが、長ズボンに関してはあらかじめ着用していく必要があります。
夏場は日差し対策を!
観光のハイシーズンである夏場(6月~9月)にヴァルジアを訪れる場合は、照り付ける日差しへの対策もお忘れなく。
岩山の東南向きの斜面に開けたヴァルジアでは、観光のメイン時間帯である午前中~午後3時ごろにかけて、日光が直接当たるためです。
また、ヴァルジアの白っぽい岩は日光を反射するため、日差しの威力はさらに倍増することに。
サングラスや日焼け止めなど、日差し対策は必須です。
できれば近郊に宿泊するのがおすすめ!
ヴァルジアを訪れる旅行者の多くは、アハルツィヘを拠点に日帰りで観光を済ませていきます。
1日3~4本しかないマルシュルートカの不便なスケジュール上、日帰りだとヴァルジアの洞窟住居部分だけを観光してアハルツィヘに戻ることとなってしまうのですが、時間が許すならヴァルジアや周辺の村に宿泊してみるのもおすすめです。
ヴァルジア周辺には他にも多くの見どころが点在しており、どれも有名ではないもののかなり印象的なものばかり。
ムトゥクヴァリ川沿いに点在する素朴な村々に滞在することで、ジョージア地方部らしいのんびりとした雰囲気を存分に味わうことができます。
ヴァルジアを目前に望むヴァルジア村での宿泊も良いですが、のぶよ的にはさらに北に位置するトモグヴィ村(Tmogvi)での宿泊が、その他の観光スポットへのアクセスを考えると便利だと思います。
【この宿を料金確認・予約する!】
おわりに
中世ジョージア王国の歴史を現在に伝えるヴァルジア観光に必要な情報を全て解説してきました。
他のエリアからは少々離れた場所にありますが、個人でも問題なく訪れることができます。
ヴァルジアの洞窟住居群自体も歴史が感じられて素晴らしいですが、雄大な渓谷の風景にもきっと感動するはず。
周辺スポットとあわせて、数日間のんびりと旅するのがおすすめです。
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