こんにちは!ウクライナに滞在してすでに2週間、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
InstagramなどのSNSの普及により、それまでは地元の人だけが知っていたスポットが一躍有名になった場所は、日本のみならず世界中に数多くあります。
ウクライナの「愛のトンネル」は、その先駆け的存在と言えるでしょう。
どこまでも続く線路を取り囲むように、木々が緑のトンネルを作る風景…
日本だけでなく、世界中でかなりの知名度を誇る場所となりました。
「この場所にどうしても行きたくて、ウクライナを旅行先として選んだ」なんて人もいるそうなので、その人気ぶりがうかがえます。
いつしか、「このトンネルを恋人同士で手をつないで歩くと、その二人は一生一緒にいられる」なんていう「恋人の聖地」のような伝説までできあがる始末。(昔はそんなの無かったと思う)
そんな愛のトンネルに行ってきました。
…一人で。しかも冬に。しかも2回目の訪問。
何が楽しくて完全なるオフシーズンにこんな完全アウェーなスポットに再び行ったかというと、ただ単に移動の通り道だったためです!
キエフ~リヴィウの8時間の道のりを、座りっぱなしで移動するのが嫌だったのです!
…もはや何を言っても負け惜しみに聞こえそうだけど。
というわけで、オフシーズンの愛のトンネルにアラサー男一人で行ったら何が起こるのか、リピーターののぶよがとくとご覧に入れましょう。
ついでに、5年前(2014年)と現在(2019年)の愛のトンネル周辺の変化や、詳しい行き方も載せています。
疑問:オフシーズンの「愛のトンネル」には行く価値があるか
そもそも愛のトンネルがこうも世界的に人気となったのは、緑色の木々に囲まれた神秘的な雰囲気あってこそでしょう。
見ていただく方が早いと思うので、オフシーズン(3月)の愛のトンネルがどんなものなのかお見せしましょう…どどんっ ▼
はい。緑色の要素は全くありません。
スッカスカですし、「トンネル」と呼ぶにはちょっと寂しい感じがします。
ちなみに2014年の8月に訪れた際の写真がこちら (サイズが違くてごめんなさい)▼
百聞は一見に如かず。そういうことです。行くなら確実に春~夏でしょう。
紅葉の秋もきれいかもしれませんが、ウクライナの秋はとても短いのがネック。
ちょっと時期を逃すと、いかにも物寂しい雰囲気のただの田舎の風景に変貌してしまうでしょう。
ただ、教会や城塞、街並みの観光が続くウクライナ(というかヨーロッパ全体)において、ちょっとそれらから離れて田舎の林の中をハイキングする目的では、季節を問わず気分転換になっていいかもしれません。
5年で超有名になった愛のトンネル。しかし根本的なところは変わってない!
というわけで、トンネル自体にはもはや感動を覚えなかったのぶよ。
2回目だったというのもありますが、とにかくスッカスカのトンネルが物悲しくて…。
「悲恋のトンネル」の感じしかしませんでした。
トンネル自体よりも気になったのは、この5年間で愛のトンネル&周辺がいかに変化していたかという点でした。
2014年時点でもそれなりの知名度があった「愛のトンネル」ですが、そこから5年の間にもっと有名になり、より多くの観光客が訪れるようになりました。
2014年の愛のトンネル
まだまだB級観光地感が強かった5年前(2014年)の愛のトンネル。
地元の人が、「なんかあそこの線路有名になってるらしいよ?」「本当に?じゃあおもてなししとく?」的なノリで作った手作り看板や手作りオブジェがあふれる、温かみのあるスポットでした。
言うなれば、「慈愛のトンネル」。
▲ バス停からトンネルへ向かう道の唯一の目印だったのが、手作りのハート形のオブジェ。
おそらく地元の子供が作ったものだと思います。
何もないごく普通の田舎町らしい風景がそこら中に広がっていました。
放し飼いにされているのか、我が物顔で練り歩くニワトリやヤギたち。
こうした何気ない光景こそがウクライナの原風景なのかな。と、大都会・キエフからやってきた旅行者の目には映ります。
▲「愛のトンネル」の入口には、仮設テントが1つあるだけ。
おばあちゃんが謎のお土産(手作り)や自家製ワインを売っていました。
そしてトンネル入口には、微妙なセンスの手作りオブジェがいくつか。
なんというか…色々とクオリティー…(笑)
このすべてにおける手作り感、お分かりいただけるでしょうか。
もはや小学生の工作レベル(失礼)のクオリティーのオブジェがちらほらと並ぶ風景は、いろいろな意味で癒されるものでした。
地元のおじいちゃんおばあちゃんたちが色々な案を絞りだして作ったんだろうなあ、と感慨にふけったのを今でも覚えています。
2019年の愛のトンネル
かつてはハート形のオブジェがたった一つだけ、目印として存在していたトンネルへ続く道。
そこにはなんと、オフィシャル感漂う立派な看板が立っていました。
それにしても…もうちょっとデザイン、どうにかならなかったのだろうか。まさかの低予算…
と思っていたところで、すごいものを見つけてしまいました ▼
5年前に唯一の道しるべとなっていた、あのハートの標識も健在でした!
片隅に追いやられてしまった感は否めませんが、今でも旅行者を案内する役目を果たしています。
のどかな田舎道の風景は、5年前と全く変わっていません。
それにしても5年前も今日も、自転車に乗る練習をしている子供がいたのは果たしてただの偶然なのでしょうか。
5年前は鶏やヤギなどが放し飼いにされており、好き勝手に道路を歩き回っていましたが、今回はアヒルが放し飼いになっていました。
トンネル入口近くには、「恋人の聖地」を演出するかのような、おしゃれで今風っぽい撮影スポットが新たに設置されています。
よ~く見てみると、このお洒落ベンチのデザインも手作りであることがわかります。
色の塗り方とか、やっつけ仕事か(笑)
しかし5年前に比べると、人々のアートの腕、というかセンスが総じて上がっているような…
かつては、おばあちゃんがテントの中で謎の自家製ワインや手作り民芸品を売っていた場所はきれいに整備され、カフェ兼ホテルが建っていました。
というか、ここに宿泊していく人がいることに驚きです。(トンネル以外には本当になにもないので)
5年前にはなかった小さなカフェのような建物もありました。
完全に愛のトンネルにあやかっていますね(笑)
上の写真内のおじいさんは、愛のトンネル内の木々に巻き付けるためのカラフルなリボンを売っていました。(5年前にはなかった)
そうやって新しい稼ぎ方を模索し続けていくのでしょう。
のぶよの想像でしかありませんが、このおじいさん、5年前の自家製ワインのおばあちゃんの夫のような気がしてなりません。
そして、愛のトンネルの入り口部分がこちら。木々には結構な数のリボンが。
おじいさんの商売、結構軌道に乗っているのではないでしょうか。
少なくとも自家製ワインよりはうまくいっているような…
これまでは「手をつないで歩くと恋愛成就」だったのが、「リボンを木に巻くと恋愛成就」に変わりつつあるのではないかと思いました。そうやって歴史は作り変えられていくものなのですね。
完全に素朴なB級観光スポット感が漂っていた2014年に比べると、自治体などが観光地としての力に目をつけ、周辺を整備し始めているような印象を受けました。
とはいっても、いまだに手作り感いっぱいの心温まる感じは健在でひと安心。
トンネル自体ももちろん美しいのですが、地元の人がみんなで町おこししてる感じも「愛のトンネル」の大きな魅力だと言えます。
これから観光客が増えてきても、この素朴な温かさは失わないでほしいな。と強く感じました。
結論:愛のトンネルに男一人で行くとどうなるか
さて、ここからが今回の記事の本題となるわけですが。
「愛のトンネル」に男一人で行くとどうなるのか、気になる人も多いのでは。
結論から言うと、何も問題はありません。
あとはあなたの自尊心の問題でしょう(笑)
①やたら「写真撮って!」と頼まれる
一人で旅行している旅人なら誰もが経験がある「すみません、写真撮ってもらえますか?」問題。
一人旅の人には頼みやすいからなのか、とにかく写真をお願いされます。
特に、「愛のトンネル」内ではその傾向がかなり顕著で、通り過ぎるカップルというカップルに写真をお願いされます。
冬のオフシーズンであまり人がいなかったにもかかわらず、のぶよは5回も写真を撮ってあげましたよ。もはやお金払ってほしい。
②「なんで一人で来たの?」と心配される
これ、本当に余計なお世話なんですが。
写真を撮ってあげた時に、「どこから来たの?」「ウクライナ好き?」等の当たり障りのない会話を何度かしました。
そのうちの一組のカップルに、「なんで一人で来たの?」と真顔で聞かれました(笑)
え、理由とかある?一人で旅行してるから一人で来るのは当たり前では?
彼らからすると、この愛のトンネルは決して一人で来る場所ではないのでしょう。
それでも、たかがトンネルのために誰かと一緒に行こうとする努力もそれはそれで虚しいので、堂々と胸を張って訪問しましょう。
むしろこちらから写真をお願いするくらいの勢いで!(もちろん写るのは自分一人だけ)
③結局やってることはただの一人森林浴(枯れてる)
まとめると、一人で歩く「愛のトンネル」は、ただの林の中のハイキングに過ぎません。
初めこそ、その美しさと神秘的な雰囲気に圧倒されるでしょうが、結局どこまで行っても同じ風景が広がっている「愛のトンネル」。
新緑の季節なら、良い森林浴になるでしょう。
しかし、オフシーズンはとにかく物哀しいです。
枯れた木がどこまでも続いていく寒々しい風景(そして実際に寒い)の中をただひたすら歩いていると、「いったい自分はここで何をしているんだろう?」と自問自答することになります。
というわけで、オフシーズンの愛のトンネルはおすすめしません!
特に、一人で行くのは本当に色々と虚無感に苛まれるのでやめましょう(笑)
ぜひとも初夏~夏にかけて訪問して、緑いっぱいのトンネルの風景を堪能するのがおすすめです!
「愛のトンネル」への行き方(キエフ/リヴィウから)
愛のトンネルは、ウクライナ北西部のクレヴァン(Клевань)という町にあります。
首都・キエフと西部のリヴィウのちょうど中間に位置しているクレヴァン。
キエフ/リヴィウのいずれの都市からもアクセスが可能です。
クレヴァンはとても小さな町で、キエフ/リヴィウから直接アクセスできるバスや電車はありません。
・キエフから向かう場合:リヴネ(Рівне)
・リヴィウから向かう場合は:ルーツク(Луцьк)
の町が、愛のトンネル観光の拠点としてアクセスしやすいです。
リヴネ/ルーツクのいずれの町にも安いホステルがあるので、キエフ→リヴィウ(もしくは逆)の移動の途中に一泊して「愛のトンネル」に足をのばすのが最もポピュラーです。
キエフ発の場合もリヴィウ発の場合も、愛のトンネルへのアクセスは次の3ステップ。
- ステップ1
・キエフ発→リヴネへ移動
・リヴィウ発→ルーツクへ移動 - ステップ2
- ステップ3
のぶよはキエフ→リヴネ→リヴィウと移動したので、そちらのルートを主に解説していきます。
ステップ①:キエフ→リヴネのバス移動
キエフ~リヴネ間は高速道路が走っており、毎日かなりの数のミニバスが運行しています。
キエフ中央駅近くのバスターミナルから1時間に1本ほどの頻度で、料金は230UAH(=¥945)。
所要時間は4時間ほどです。
キエフからの長距離ミニバスがリヴネ市内で停車するのは、基本的に2か所。
・リヴネ中心街から東へ4kmほどのバスターミナル
・リヴネ中心街から西へ1kmほどのリヴネ鉄道駅前
リヴネに宿泊する場合は、これら2か所のちょうど中間にあるリヴネ中心街で降ろしてもらうことも可能です。その場合は、あらかじめ運転手に頼んでおくのが◎
複雑なリヴネ市内交通
厄介なのが、旧ソ連の町あるあるを世襲しているリヴネの町の交通状況。
鉄道駅、中心街、バスターミナルがそれぞれ離れたところに位置しているのです。
灰色:リヴネ鉄道駅
赤:クレヴァン行き1404番バス乗り場
緑:64番路線バス乗り場(鉄道駅~中心街~バスターミナル)
青:リヴネ中心街
キエフやリヴィウに向かうバスは、市内東部の長距離バスターミナルが起点となります。
バスターミナル~中心街~鉄道駅間を結ぶのが、64番の路線バス。
鉄道駅の南20mほどの専用バス停の発着で、料金は6UAH(=¥25)です。
鉄道駅は、クレヴァン行きのバスターミナルに近くて便利そうに見えますが、実はリヴネとほかの都市を結ぶ鉄道路線はあまり充実していません。
キエフ行きもリヴィウ行きも1日2本のみで、いずれも午後2時以降の電車はないという謎すぎるスケジュールなので、旅行者には利用しにくいです。
時間があって安く済ませたいのなら鉄道を利用するのも手ですが、かなり不便なスケジュールなため、あまりおすすめはしません。
というわけで、キエフから長距離バスでリヴネのバスターミナルに到着したら、64番の路線バスに乗り、クレヴァン行きのミニバスが出るバス停がある鉄道駅方面へと向かいましょう。
ステップ②:リヴネ→クレヴァンのバス移動
リヴネの駅前にある近郊路線専用バスターミナル(※市内の64番バスの乗り場とは異なる)から、1404番バスがクレヴァンの町へ向かいます。
クレヴァン行きのバスは、5年前と変わらず4番乗り場からの出発でした。
15分に1本運行されており、所要時間45分。料金は片道28UAH(=¥115)です。
▲ クレヴァンでの「愛のトンネル」最寄りの停留所がこちら。
運転手に「トンネル!トンネル!」としつこいくらいにアピールしておけば、この場所で降ろしてくれるはずです。
ステップ③:クレヴァンから「愛のトンネル」へ歩く
青:目印
赤:愛のトンネル
バスを降りたら、あとはひたすら歩くのみ。
距離にして1.3km/15~20分ほどの平坦な道です。
バスを降りて南に10mほど行くとトンネル入口を示す大きな看板【マップ①】があるので、そこからは道なりに歩いていくだけ ▼
とてもシンプルな道順で、迷うことはありません。
看板からのびる道を歩いていくと、突き当たるポイント【マップ②】があります ▼
ここを右に曲がってしばらく行くと、右側に沼【マップ③】が見えてきます ▼
沼を通り過ぎて、そのまま道なりに歩き続けましょう。
ウクライナ鉄道の線路【マップ④】が見えてきたら「愛のトンネル」はもうすぐそこ!
この線路は「愛のトンネル」がある線路ではなく、踏切を越えた先にある廃線となっている線路【マップ赤】がそれなので、お間違いないよう。
個人で行くのはなかなかハードル高めの愛のトンネル。キエフ発の現地ツアーなら、交通手段を気にすることなく日帰りで訪れることが可能です。
愛のトンネル観光のポイント
日本人の中には、キエフやリヴィウから日帰りで愛のトンネルを訪れようとする勇者がいるのですが、それ、修行です。
拠点となるリヴネまでキエフから4時間/またはルーツクまでリヴィウから3時間。
そこからローカルバスに乗り換えて約1時間。そこからさらに歩いて…。
のぶよは、とてもじゃないですがこの道のりを一日で往復する気にはなりません。
(正直、そこまでして行く場所でもないかと…)
先にも述べたように、キエフ~リヴィウ間の移動の途中で1泊しながらのんびりと立ち寄るくらいがいいのではないかと思います。
何度も言いますが、「愛のトンネル」の美しさを満喫するなら、おすすめの季節は夏。
他の季節だと、「なんか思っていたのと違う…」と感じてしまうでしょう。
ただし、トンネルの周りには林や沼が多くあるので、夏場は蚊が大量発生します。
虫よけスプレーや長ズボンなど、相応の準備をしておくのが◎
また、ウクライナ全体がそうなのですが、絶望的に英語が通じません。
せめて行き先くらいはキリル文字でメモしておいて、バス乗車時に運転手に見せて確認するなどの対策をしておくのが良いかも!
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