こんにちは!ジョージアの首都・トビリシにのんびり滞在中!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
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ジョージアの首都・トビリシには、伝統的なジョージア料理のレストランをはじめ、おしゃれなカフェやファストフード店まで、様々なタイプの飲食店が点在しています。
ジョージアは食に関してかなり保守的な国だと思うのですが、近年ではジョージア料理のみならず、タイ料理やインド料理などのレストランも少しずつ浸透しつつあるように感じます。(主に外国人に支持されている感が強いのが現状ですが…)
そんなトビリシには、ジョージア料理とは似て非なるウクライナ料理&ロシア料理を提供する小さな食堂があります。
しかも外国人向けではなく、完全にトビリシの人々に愛されるローカル食堂のような感じのお店が。
以前からこの店についてたびたび発信していたのですが、とうとうちゃんと紹介する日がきました!
家のオーナーが教えてくれたロシア&ウクライナ料理の食堂、すっごく良かった!
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) March 8, 2022
定番のボルシチと名物の自家製ペリメニ。目ん玉飛び出る旨さ。
店員さんはロシア系とウクライナ系のジョージア人ですごく優しい。ロシア語が飛び交う店内はトビリシの中の小さな東欧。旨いものある所に国境関係ない。 pic.twitter.com/jvBxkoVnur
地元の人に愛され続けているだけあって、値段はとてもリーズナブル&味は確かなもの。
実際にウクライナにもロシアにも訪れたことがあるのぶよですが、どれも現地で食べた料理の数々を思い出させるような「本場の味」でした。
美味しいものがある場所に国境などなし。
利用客はジョージア人をはじめ、ロシア人やウクライナ人、中央アジアからの旅行者、アルメニア系住民まで…このお店の中だけはロシア語が共通語となっている異空間です。
旧ソ連圏出身のトビリシ在住者が一堂に会する場所として機能する、絶品料理と平和な雰囲気に満ちた不思議な空間へ潜入しましょう!
トビリシのおすすめ食堂:店内のようす&メニュー
トビリシ地下鉄1号線のイサニ駅(Isani)を出て徒歩3分ほど。
イサニ・バスステーションの裏側の一角にたたずむのが、今回紹介するウクライナ&ロシア食堂です。
正式な店名は謎なのですが、唯一掲げられた看板には)はズバリ「ペリメニ No.1」とジョージア文字で書かれています。
「ペリメニ」とは、ウクライナやロシアをはじめ、旧ソ連圏全体でポピュラーな水餃子のこと。
料理名ががそのまま店名となっているのですから、並々ならぬ自信を感じます。
店内に一歩立ち入って驚き。
昔ながらの飲み屋の雰囲気と、ソ連時代の食堂の雰囲気が融合した空間となっています ▼
注文はカウンターで事前に行う→好きな席について食事→お会計は食事後に再びカウンターに出向くというTHE・食堂スタイル。
カード等は使用不可で現金のみという点も昔ながらです。
英語はいっさい通じず、ジョージア語かロシア語のみとなるので、初めての人には少々ハードルが高いかもしれません。
カウンターの横にメニューがずらりと書かれているので(ジョージア語で)、そこから食べたい物を選んで注文します ▼
ジョージア語が読めない人にはちんぷんかんぷんだと思うので、このお店の代表的なウクライナ/ロシア料理をいくつかピックアップしてみました。(これ以外は自分でどうにかしてねん)
・კიევრი კოტლეტი (12GEL):キエフ風カツレツ(バターを詰めた鶏肉を丸めて揚げたもの)
・ბიფ-სტროგანოვი (12GEL):牛肉のサワークリーム煮込み
・ბოლში ხორცით (8GEL):肉入りボルシチ
・ოკროშკა (5GEL):ヨーグルトの冷たいスープ ※夏季限定
・პელმენი–ქოთანცი (9~12GEL):ペリメニのサワークリーム煮込み
・პელმენი–შემწვარი (9GEL):揚げペリメニ
はじめて訪れるなら、看板メニューのპელმენი–ქოთანცი(ペリメニのサワークリーム煮込み)はとにかくマスト。
15個入りで9GEL(=¥397)/30個入りで12GEL(=¥529)なので、複数人なら30個入りをシェアするのもアリだと思います。
ბიფ-სტროგანოვი(ビーフストロガノフ)やკიევრი კოტლეტიなどの肉料理系にはサイドメニューがついてくるので、頼みすぎにはご注意を。
サイドメニューはპიურე(マッシュドポテト)かფრი(フライドポテト)のどちらかが基本で、注文時に好きな方を選びましょう。
飲み物はメニュー表には載っていませんが、生ビール3GEL(=¥132)/レモネード2.5GEL(=¥110)/などが充実。
ウォッカも瓶ごと購入できるようで(ショーケースに並んでる)、地元の人の中には酒場的な利用をしている人もいるようです。
看板メニューのペリメニ。そのお味は…?
注文してからおよそ10分ほど。看板メニューのペリメニの到着です。
まずびっくりしたのが、そのビジュアル ▼
“პელმენი–ქოთანცი“とは「壺入りペリメニ」という意味。
その名の通り、陶器の壺がどーんとおでましになります。
蓋がわりとなっているのが、自家製の薄いパン。
これを上手にはがすと、中からはお待ちかねのペリメニちゃんたちのお出ましです…!
ペリメニというと、茹でた水餃子にサワークリームを後がけするのが基本的な食べ方ですが、このお店の壺ペリメニはひと味違います。
サワークリームとバターのスープに手作りのペリメニを入れてパンで蓋をし、オーブンで焼き上げるという独特の調理法。
グツグツと煮立った状態で提供され、ずっと温かい状態のまま食べることができるのです。
お店の雰囲気こそソ連時代そのままの食堂ですが、壺ペリメニはビジュアル的にも時代の流れに沿っているような…(陶器の壺が欠けていたりするのはご愛嬌)
ビジュアル的にも感動の壺ペリメニですが、その味も衝撃が走るほどの美味しさ。
これ…ものすごいです。これを食べずに死なないで良かったなと本気で思いました。
絶妙な厚さのちゅるっちゅる皮と、ハーブで味付けされたジューシーな肉…冷凍のペリメニでは絶対に味わえない食感と風味には誰もが感動するはず!
サワークリーム&バターのスープも芳醇で、とにかく全てのバランスが完璧。
正直、ロシアやウクライナで食べたペリメニよりも美味しく思ったほどです。
さすがは看板メニューとしてかかげているだけはあり、ほとんどのお客さんが壺ペリメニを一心不乱に食べていたほど。
本当に本当に美味しいので、初めての訪問であれば絶対に食べてほしいです!(ここのペリメニが美味しすぎて市販の冷凍ペリメニが食べられなくなるという副作用がつくかも…)
ペリメニ以外のメニューも充実!
とにかく必食なペリメニに感動した後は、他の料理も攻めてみましょう。
先述の通り、このお店のメニューはけっこう豊富。
ウクライナ料理の定番からロシアの家庭料理、ジョージアの国民食であるハチャプリ(チーズ入りのパン)までなんでもござれの「国境なき食堂」のような様相です。
どれもかなり本格的で、一つ一つ手作りされたことがわかる味わい。
キエフ風カツレツを注文すると、調理場から「ドンッ!ドンッ!」という音(おそらく鶏肉を叩いて薄くのばしている)が聞こえてくるくらいなので、冷凍の食品等はいっさい使われていないのだと思います。
いずれのメニューも飾りっ気とは無縁ではありますが、手作りならではの温かみが感じられるものばかり。
一緒に訪れたルームメイトのロシア人たちも「ロシアで食べるのと同じ味!」と感動していたくらいなので、味のレベルはかなり本格的なのかもしれません。
一度の訪問ですべてを制覇するのは無理。何回も通って色々な料理に挑戦したくなる魅力で溢れています。
おわりに:国境のない雰囲気も魅力的!
料理の味もリーズナブルな料金も大満足のペリメニ食堂ですが、のぶよ的にすごく素敵だなと感じたのが、お店の人たちの笑顔でした。
もう5回ほど訪問していますが、いつ行っても同じメンバーの女性二人組が切り盛りしており、どちらの人もサバサバしていながらも温かい感じ。
このお店の利用客の大半は周辺エリアで働く男性客のようで、酔っ払いたちをうまいこと転がしてきたプロ意識(?)のようなものを感じなくもありません。
英語こそまったく通じませんが、ロシア語は完璧に通じます。(というか店の人たちはロシア系やウクライナ系のジョージア人なんだそう)
絶品ペリメニや東欧の香り漂う料理を求めてこの店に集まる客層も、なんだか多文化な感じ。
・地元のジョージア人家族
・アルメニア系(このお店の周辺エリアはアルメニア系住民が多い)の若者たち
・最近増加しているロシア・ベラルーシ・ウクライナからの移住者
・中央アジアからの旅行者
などなど。全員に共通しているのはロシア語が話せることで、このお店の中に限ってはジョージア語よりもロシア語の方が圧倒的に多く聞こえるほど。
30年前まで存在していたソ連という国の影響の名残が強く感じられます。
厄介な国際情勢となっている今日この頃でも、この小さな空間の中には諍いは存在しません。
美味しいものを求めて食したいという気持ちに、国境や民族など関係ないんだなと考えさせられる場所でした。
ウクライナやロシアに行きにくくなっている今だからこそ、本場の味が食べられるお店で現地の食文化に思いを馳せるのも素敵なこと。
私たち日本人がふらりと訪れても、温かく迎えてくれる懐の広さも素敵。
トビリシ滞在中に異国の味を体験したくなったら、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
個人的なお願いなのですが、昨今ジョージアに滞在する外国人によくある、大人数でずかずかがやがやと群れて足を踏み入れるような利用法はまじでやめてほしいなと思います。
完全にローカルの人が訪れる場所で外国人向けではいっさいないですし、その雰囲気こそ逆に現在のトビリシでは貴重だと感じるため。
外国人にポピュラーになりすぎて、地元客に敬遠されてしまった店は数えきれないほどありますからね…
できれば2~3人の少人数でしっぽりと行くのがおすすめ。
ふらりと訪れて異空間に溶け込みつつ食事をするような、スマートな利用法を心がけたいものですし、「ローカルな店にお邪魔している」という感覚は忘れたくないものです。
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