こんにちは!ジョージア滞在も5か月目、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアの首都・トビリシは、観光スポットが中心街にギュッと詰まった町。
公共交通機関も発達しているので、主な観光スポットをまわるなら丸一日だけでも可能です。
しかしながら、トビリシの見どころは中心街だけではありません。
トビリシに数日間滞在する人(多数派だと思います)にぜひおすすめしたいのが、中心街からすぐのところにそびえる山や丘、点在する湖などの自然スポットへと足をのばすこと。
首都のすぐそばに自然が感じられる場所がたくさんあるトビリシなので、自分の足で歩いてみるのが良いでしょう。
今回紹介するのは、中心街の北側に位置するヴァケ地区(Vake)周辺の見どころをまわるお手軽なハイキングコース。
市民の憩いの場・ヴァケ公園
地元民に人気のタートル・レイク
ジョージアの歴史や建築に触れられる野外民族博物館
トビリシのお金持ちエリア・ヴァケ地区
の4つの見どころをまわるものとなっています。
ガッツリ歩きたい人にも、見どころだけを快適にまわりたい人にもおすすめなので、トビリシ滞在プランの参考にしてみてはいかがでしょうか。
ヴァケ地区周辺観光スポットのまわり方&アクセス
ヴァケ地区観光マップ&観光モデルプラン
灰色:ロープウェイ
青:見どころ
赤:AKASAKA(日本食レストラン)
- ヴァケ公園散策
・ロープウェイ/ハイキングでタートル・レイクへ
- タートル・レイク散策
- 屋外民族博物館見学
- ヴァケ地区散策
・AKASAKAで日本食を食べるのも◎
ヴァケ地区のまわり方
今回紹介するヴァケ地区周辺は、
平坦な住宅街エリア&ヴァケ公園
山の上に位置するタートル・レイク&野外民族博物館
の二つのエリアに大きく分けられます。
ヴァケ公園入口~タートル・レイクまではロープウェイがあって楽々アクセスが可能ですが、自分の足で登ってみるのもおすすめ。
2kmほどの山道を歩くコースで、片道40分~50分ほどでタートル・レイクに到着できます。
トビリシ中心街~ヴァケ地区のアクセス
ヴァケ地区には地下鉄が走っていないため、中心街からのアクセスは路線バスが便利。
地下鉄1号線(レッドライン)のルスタヴェリ駅(Rustaveli)から路線バス59番が、ヴァケ公園入口に停車します。
ヴァケ公園
スタート地点となるのが、ヴァケ地区西部の広大な敷地に広がるヴァケ公園(ვაკის პარკი)。
美しく整備された都市公園で、背後にそびえる山と一体化した自然スポットとなっています。
中心街から離れている&とにかく敷地が広大なため、人の数はとても少なく感じます。
トビリシのお金持ちエリアであるヴァケ地区にあるためか、ちょっとリッチな雰囲気の人(だいたい犬を散歩してる)が多いのも特徴的。
ヴァケ公園の南側は、タートル・レイクへと続くハイキングコースの入口となっており、そのスタート地点には第二次世界大戦のメモリアルである銅像と噴水があります。
かつては階段状の噴水を水が流れる美しい場所だったそうですが、いつの間にか放置されてしまっているのは、結構なジョージアあるある。
階段を登り切ったところにあるこちらの記念碑の後ろが、タートル・レイクへのハイキングコースの入口。
結構な上り坂が続いていきます。
ハイキングコースからは、高層ビルがいくつも建つヴァケ地区の町並みを一望することができます。
タートル・レイク
歩くこと40分ほどで到着するのがタートル・レイク(კუს ტბა)。
ヴァケ地区南側の山の頂上近くにある小さな湖ですが、どうして「タートル」なのかはわかりません。亀が棲んでいるのでしょうか。
タートル・レイクの周囲には、気持ちの良い遊歩道が整備されていいて、家族連れで賑わっていました。
ボートのレンタルや小さな砂浜もあるので、山の中の水辺でのんびりと休日を過ごすのも良さそうです。
タートル・レイク周辺には、トビリシ市街地北部を一望できるポイントがあり、かなりの絶景です。
中心街こそこぢんまりとした町ですが、郊外も含めるとかなり大きな町であることがわかりますね。
タートル・レイクの隠れた名物が、「ジョージアで最も長い&怖い」と噂のジップライン。
ジップラインとは、ワイヤーにぶら下がった状態で反対側までビューンと空中滑走をする、アレです。
こちらのジップラインは、タートル・レイクがある山頂付近からヴァケ公園までを滑空するという、頭がおかしいとしか思えないもの。
400mほどの標高差があり、市街地の真上を猛スピードで滑空することになるので、かなり怖いと思います。
料金は一人50GEL(=¥1751)と、ジョージア的にはかなり高め。
しかし外国人的にはそれほどでもないので、欧米圏の観光客を中心に人気となっているそうですよ。
トビリシ野外民族博物館
タートル・レイクで自然を感じたら、山の中腹部分へと下っていきましょう。
絶対に立ち寄りたいのが、トビリシ野外民族博物館(თბილისის ეთნოგრაფიული მუზეუმი ღია ცის ქვეშ)。
「民族博物館」と聞くと、建物の中に伝統衣装や工芸品などが並んでいるイメージを持ちますが、こちらは「野外」民族博物館。
その名の通り、広大な敷地内にジョージア各地方の伝統家屋をそのまま移築したパビリオンが点在している、まるで一つの村のようなミュージアムなのです。
17世紀~19世紀頃に建造された20軒近くの伝統家屋が点在していますが、そのうち公開されているのは10軒ほど。
展示会場となっている各家屋には係員(英語OK)がいて、その地域の文化や伝統、建築様式を無料で解説してくれます。
各地域の伝統や文化などに関する掲示はほとんどなく、すべてが係員から口頭で説明されると言うスタイルのなので、英語(かロシア語)がわからないと面白さが半減してしまうかもしれません。
小さな国土のジョージアですが、「地方によってここまで建築様式が変わるのか!」と驚くこと間違いないでしょう。
木造建築が主流のジョージア西部
ジョージア西部、特に黒海沿岸地方は、夏場はかなりの湿度で蒸し暑くなる地域。
少しでも風通しの良い住居を確保するために、この地域では伝統的に木造建築が主流となっています。
なんだかレトロな風格漂う木造建築の住宅は、実際に風通しが抜群。
どの家も小さなテラスがあり、昔の人はここで涼を得たのでしょう。
屋内で際立っていたのが、家の中心に設置された六角柱型の暖炉。
冬に暖をとる目的に加えて、家を支える役割も果たしているそうです。
ちなみに、黒海沿岸の一部地域の木造住宅は釘を一本も使わない様式が主流だったそう。
日本の「校倉造」のようなものと考えると分かりやすいかもしれません。
黒海沿岸の伝統家屋では、家の中は住居スペースのみで、台所やトイレ、食糧庫などは全て屋外の別棟に設置されていたそうです。
湿度が高く、食糧が傷みやすい気候のため、食糧庫は高床式が基本となっています。
中には囲炉裏がある家(中流階級の家だったそう)もあり、家族が座る椅子が残っていました。
日本の「上座・下座」のように誰がどこに座るかは決まっていたそうで、椅子が大きい順に父・母・祖父母・子供となっていたそうです。
まるで「日本昔ばなし」の世界に迷い込んでしまったよう。
家屋はもちろん、備品も全て実際に使用されていたものだというのが驚きです。
ジョージア西部の木造建築を数軒見ましたが、どう考えてもアジアの文化圏そのものです。
気候面で共通点があるためかもしれませんが、日本の伝統家屋のような土間や囲炉裏などが見られて何だか懐かしい気持ちになりました。
石造りが主流のジョージア東部~南部
涼しげで開放的な印象だった西部の木造建築とは打って変わり、ジョージア東部~南部では石造りの住宅が主流です。
一番の理由は、冬の寒さが厳しい気候のため。
断熱性に優れた石の壁に囲まれた屋内は、一年を通して気温があまり変わることがないため、標高の高いこれらの地域では石造りの建築様式が主流となったそうです。
木造建築の建物に比べると、室内はかなり薄暗く、なんだか隠れ住んでいるような気分になります。
明かり取りの窓は天井部分に一つしか設置されておらず、夜は囲炉裏の明かりだけが頼りとなります。
衝撃だったのが、この地域の人々は石のベッドの上で寝ていたということ。
どう考えても寝心地が悪そうにしか思えません。
石造りの伝統家屋も数軒あり、それぞれ異なった内装です。
一部の石造家屋(主にジョージア南部のもの)には、寝室に秘密の地下通路が設置されていたのも驚き。
かつて強大な力を持っていたオスマン帝国(現在のトルコ)との国境近くに位置する地域では、オスマン帝国が攻め込んできた際にすぐ逃げられるように、こうした地下通路を設置するのが基本だったそうです。
どの家の係員の方の英語もとても流暢で分かりやすく、こちらの質問にもしっかりと答えてくれて大満足だったトビリシ野外民族博物館。
旅をしているとはいえ、本物の伝統家屋の中に入る機会は意外とないもの。
こうしてかつての民家の姿が完璧な状態で保存されていて、それを見ながら説明してもらえるのはとても貴重な体験となるので、ジョージアの歴史や文化に興味がある人は必見のスポットだと思います。
ヴァケ地区で〆のラーメンはいかが?
野外民族博物館から山道を下ると、再びヴァケ公園へと戻って来られます。
ここから東に広がるのが、トビリシのセレブなエリアであるヴァケ地区(Vake).
東西に長いエリアで、数本のストリート脇には今風のカフェやレストランが並ぶ華やかな住宅街といった雰囲気です。
洒落たカフェで休憩していくのも良いのですが、頑張って歩いたご褒美に、日本のラーメンを食べていくのはいかがでしょうか。
ヴァケ地区にあるAKASAKAという日本食レストランでは、15GEL(=¥525)ほどで本格的な日本のラーメンをいただくことができます。
一人でも気兼ねなく入れる(&ハイキングで汗ドロドロでもありました)のも魅力的。
アクティブな一日の〆におすすめですよ!
おわりに
「トビリシの中心街の定番スポット観光はもう済ませた!」という人におすすめな、ヴァケ地区周辺の見どころをまわるモデルプランを解説しました。
アクティブな人にはぜひハイキングで訪れるのがおすすめですし、そうでない人でもロープウェイでお手軽に自然を感じることができます。
ハイライトとなる野外民族博物館で歴史や伝統を学ぶこともできて、自然と文化体験のいずれも味わえるのもポイント。
中心街からも気軽に足をのばせるので、トビリシ滞在中にぜひ訪れてみてくださいね!
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