こんにちは!ジョージア北西部のスヴァネティ地方を3週間旅した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアの山岳地域の中でも、観光客に最も人気のエリアの一つであるスヴァネティ地方。
名物の見張り塔がいくつも建ち並ぶ村々や、ダイナミックな大自然…とにかく見どころの宝庫なエリアです。
そんなスヴァネティ地方の最も奥地、ロシアとの国境地点にあるシュハラ氷河(Shkhara Glacier /
შხარის მყინვარი)は、この地域の名物である氷河を間近で見られることで人気のスポット。
草木も生えぬ荒涼とした大地を見下ろすように鎮座する氷河はとてもダイナミック。
日光の熱によって氷が解ける「ピキピキッ」という音や、目の前で遠くの氷河が崩れ落ちる光景が見られ、自然の力の偉大さが感じられます。
シュハラ氷河は、スヴァネティ地方観光のハイライトとして大人気のウシュグリ村からの日帰りトレッキングで訪れることが可能。
高低差も少なく、初心者でも簡単に歩けるコースです。
今回の記事では、ウシュグリ滞在時にぜひ足をのばしたいシュハラ氷河へのトレッキングコースを詳細に解説したもの。
・シュハラ氷河トレッキングコースの詳細情報&見どころ
・シュハラ氷河へのトレッキング以外のアクセス方法
・トレッキング時の注意点&アドバイス
の3つの項になっており、初めて訪れる人の参考になるはずです!
シュハラ氷河トレッキングコースの詳細&見どころ
シュハラ氷河が位置するのは、観光客に大人気のウシュグリ村の北東9kmほどの場所。
ロシアとの国境となるコーカサス山脈の山々の一つ、シュハラ山に形成された万年氷河です。
ウシュグリ村~シュハラ氷河間のトレッキングコースの大半は、平坦な未舗装道路をただ歩いていくだけ。
最後の1kmほどの区間のみ上り坂となるものの、傾斜はそこまできつくありません。
全体的に初心者でも問題なく歩けるコースで、往復トレッキングをしても所要時間は5時間~6時間ほどです。
シュハラ氷河トレッキングコース詳細
・所要時間:片道2時間15分~3時間
・距離:片道9.1km
・高低差:▲500m
トレッキングコースは、常にシュハラ氷河を正面に望みながら歩くもの。
青く澄み切ったエングリ川が形成する谷間の風景がずっと続く絶景コースです。
ここからは、シュハラ氷河のトレッキングコースを二つの区間に分けて、コースの詳細や見どころを紹介していきます。
ウシュグリ村~カフェ間
トレッキングの起点となるウシュグリ村から、休憩地点としておすすめの名もなきカフェまでは1時間半ほどの道のり。
コースはほぼ全てが平坦で、コーカサスの山々を目の前に望みながらのトレッキングが楽しめます。
ウシュグリ~カフェ間コース詳細
・所要時間:片道1時間半
・距離:片道6.5km
・高低差:▲160m
ウシュグリ村の最東端に位置する聖ギオルギ教会が、シュハラ氷河へと続く道の入口となる場所。
教会の左側にのびる道がトレッキングコースです。
メスティアからのマルシュルートカが到着するチュヴィアニ地区の橋付近から聖ギオルギ教会までは、800m/20分ほどの距離があります。
聖ギオルギ教会脇からトレッキングをスタートして10分ほど。
このコース上で唯一の橋が架かっているポイントに到着します。
ここで橋を渡り、平坦な未舗装道路を進んでいきましょう。
コーカサスの山々を目前にずっと続いていく未舗装道路を歩くこの区間が、コース上で最も距離があるところ(約5km)となります。
出発から1時間少々で、このコースで唯一湧き水が湧くポイントがあります。
湧き出した水は川のようになっており、靴を脱いで渡る必要があるでしょう。
ここから先には水は一切湧いていないので(エングリ川はありますが、氷河が解けた水なので飲めないと思います)、補給をお忘れなく!
スタートからおよそ1時間半で、夏季のみ営業している名もなきカフェがある地点に到着です。
ここから先は未舗装道路が途切れている区間。
道は少々分かりにくく、岩がゴツゴツした場所を歩くことになるので、その前にここで休憩していくのがおすすめです。
カフェ~シュハラ氷河間
名もなきカフェで体力を回復したら、いよいよゴール地点のシュハラ氷河に向かってて歩いていきましょう。
ここから先には車両が通行できる道がないため、4WDでアクセスする場合もこの区間は必ず歩くこととなります。
距離は2.6kmと短いですが、氷河に近づくにつれて坂道となり、足場が悪くなってくるのでご注意を。
カフェ~シュハラ氷河間コース詳細
・所要時間:片道45分
・距離:片道2.6km
・高低差:▲340m
カフェを出発しておよそ600m/10分ほどで、道が二つに分岐する地点に到着します。
上の写真の左側の方が正規の道のように見えますが、実はこちらは行き止まり。
右側の獣道のようなルートが正解です。
2020年はコロナウイルスの影響で観光客がほとんどいなかったためか、草木が生い茂って道がわかりにくくなっています。
例年であれば多くのトレッキング客で賑わうはずなので、そこまで道がわかりにくいことはないでしょう。
分岐点で右側の道を進んで10分/500mほど進むと、ようやくシュハラ氷河の全景が正面に見えてきます。
この辺りからは道がいくつも分岐していてかなり分かりにくいですが、結局どの道を行っても氷河へと至るので問題ありません。
だんだんと岩がむき出しになっている箇所も多くなってくるので、足元にはご注意を。
最後の数百メートルの区間は、もはやトレッキングコースではなく、岩場を登っていくものとなります。
氷河の手前までは比較的安全だと思いますが、落石や地滑りが起こる可能性もゼロではありません。
不安な人は、岩が転がっていない草木が生えている場所(=落石の被害に遭うリスクがない場所)までのアクセスに留めておきましょう。
かなり足場の悪い岩場を登った先には、弧を描くように鎮座するシュハラ氷河が間近で望めるポイントあり、こちらがトレッキングのゴール地点。
太陽が差している日なら、コーカサスの山々のダイナミックな全景が一望でき、息を呑むほどの素晴らしい風景が見渡す限り広がります。
また、少しずつ解けていく氷が出す小さな音や、リアルタイムで崩れ落ちる氷河も見ることができ、大自然の偉大さを五感で感じることができるでしょう。
さらに氷河に近づくことも可能ではあるのですが、氷河の裾の上を岩が覆った箇所を歩くことになるので、正直かなり危険です。
氷河を覆う岩々はどれも絶妙なバランスでその場所にあるため、その上に体重がかかると一気に崩落するリスクがあります。
また、岩の下にある氷河自体もかなりデリケートなもので、常に解け続けているもの。
どこまで進むかは完全に自己責任となりますが、のぶよ的にはそこまでリスクを負う意味はないと思います。(結局、氷河というものは少し遠くから眺めた方がきれいなので)
トレッキング以外でもアクセス可能!シュハラ氷河への行き方
シュハラ氷河へのアクセスは、ウシュグリ村からのトレッキングが基本となりますが、歩きたくない人のためのオプションもあります。
ウシュグリで馬をレンタル
トレッキング以外で最もポピュラーなアクセス手段が、ウシュグリ村で馬をレンタルすること。
特別な会社があるわけではなく、馬を飼っている村人が観光客に貸し出しているお小遣い稼ぎのようなものです。
馬のレンタルの料金相場は、1日・1頭で50GEL(=¥1557)~。
乗馬経験がない場合は村人にガイドとして付き添ってもらう必要があり、+50GELほど余分にかかってきます。
馬を利用した場合のウシュグリ~シュハラ氷河間の往復所要時間は3時間~4時間ほど。
午前中だけでも行って帰って来られるので、ウシュグリ滞在時間が限られている人でも利用可能なのがメリットですね。
馬をレンタルしたい場合は、宿泊先のゲストハウスの人に相談するのが基本。
自分たちで馬を飼っている場合もあれば、馬を持っている他の村人につなげてくれる場合もあるでしょう。
ウシュグリ/メスティアで4WDをチャーター
シュハラ氷河へのもう一つのアクセス手段が、4WDをチャーターすること。
ウシュグリ村起点の場合は馬と同様に、4WD車を持つ村人に運転してもらうこととなります。
料金相場は、シュハラ氷河までの往復+観光待機時間で1台80GEL(=¥2490)~。
また、スヴァネティ地方の中心的な町であるメスティアからは、「ウシュグリ&シュハラ氷河日帰りツアー」が催行されている場合もあります。(夏季限定)
メスティア中心街のバスステーション(らしきもの)の周りには、こうしたデイトリップを扱っているお店が数軒点在しているので、詳細なスケジュールや料金・申し込みはそちらで行いましょう
限られた時間でもウシュグリとシュハラ氷河を効率良く観光できるのがメリットですが、のぶよ的にはせっかくここまで来て日帰りでとんぼ帰りしてしまうのはもったいないと思います。
ウシュグリは数日間滞在してそののんびりとした雰囲気を味わいたい場所ですし、天気が良くなければせっかくのコーカサスの山々は雲に隠れてしまい、魅力が半減してしまうためです。
シュハラ氷河トレッキングの注意点・アドバイス
コーカサスの大自然の中を歩けることで大人気のシュハラ氷河トレッキング。
難易度は高くない&高低差も小さいため、初心者でも十分に挑戦することができますが、注意点はいくつかあります。
午前中のトレッキングがおすすめ
シュハラ氷河を観光するなら、絶対に午前中に訪れるのがおすすめです。
太陽の角度的に、午前中はトレッキングコース全体が明るい光に照らされるため、かなり美しい風景が見られるためです。
また、シュハラ氷河がある山々はかなり標高が高く、雲を集めやすい性質を持っています。
午前中は雲一つない青空が広がっていても、正午を過ぎると突然雲が出てきて山々を隠してしまうこともかなり多いです。
午後よりも午前中の方が、氷河~山頂まですっきりと見通せる確立は断然高いです。
食料は持参する
シュハラ氷河までのトレッキングコース上では、途中の休憩ポイントであるカフェ以外に飲食物を提供している場所はありません。
このカフェも夏季限定でウシュグリ村の人が営業しているもので、必ず開いているかどうかは微妙です。
トレッキング中のランチやスナックなどは、ウシュグリ村(もしくはメスティア)で購入しておいて持参するに越したことはないでしょう。
野生動物に遭遇するリスクは低め
ジョージアの山岳部でトレッキングをする際に最も悩まされるのが、野生動物や牧羊犬などに遭遇した時。
熊に出会ってしまったら終了ですし、襲い掛からんばかりに吠えてくる牧羊犬もとても怖いです。
シュハラ氷河のトレッキングコースに関しては、熊や牧羊犬いずれに対しても心配は要りません。
スヴァネティ地方には熊はほとんど生息していない(いたとしても、観光客が行くような場所には出てこない)と言われていますし、牧羊犬を利用しての家畜の放牧も一度も見かけませんでした。
氷河付近では落石・崩落に要注意
ダイナミックな景観を誇るシュハラ氷河。
かなり近づけることも魅力の一つではありますが(というか、氷河の上に乗ることができる)、あまり近づきすぎるのは危険。
氷河の内側にはクレバスと呼ばれる空洞ができている場合もあり、落ちてしまったらまず助かりません。
また、常に氷が解けだしているのも氷河の特徴なので、安定しているように見えても少し重みがかかっただけで崩落する可能性も十分にあります。
シュハラ氷河の裾の部分には大小さまざまな岩がゴロゴロと転がっていますが、これはつまり、どこかからその地点に岩が転がってきたということ。
自分が観光している時に落石が起こりえない保証はどこにもありません。
「せっかくここまで来たから、もう少し近づいてみたい!」という気持ちはよく分かりますが、完全なる自己責任となることを肝に銘じておきましょう。
本格的な装備は必要なし
最後の1kmほどの区間だけ、足場がかなり悪い岩場を歩くことになるものの、その他の区間はほぼ平坦&歩きやすい未舗装道路が続きます。
登山用のステッキなどは必要ないですしスニーカーでも歩けるレベルですが、より安全を求めるならトレッキングシューズを履いていった方が良いかもしれません。
地図アプリは必須
Google Mapは、ハイキングコースを網羅しているとは言い難いです。
のぶよがハイキングの際に使うのが、Maps.Meというアプリ。
オフラインでも地図の表示や近くのスポットの検索ができるだけではなく、ハイキングコースや自転車コースも詳細に表示されます。
また、ハイキングコースの高低差を表示する機能もあってかなり便利です。
おわりに
ウシュグリ滞在時にぜひ足をのばしたいシュハラ氷河の見どころとトレッキングコースの詳細情報を解説しました。
初心者でもトレッキング愛好者でも楽しむことができるコースで、コーカサス山脈が作り出す絶景が続く道のりは、きっと思い出に残るはずです。
シュハラ氷河以外にも、様々なトレッキングコースがあるスヴァネティ地方は、山好きなら誰もが憧れる地域。
3週間で色々な場所をまわったので、随時紹介していきます!
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