こんにちは!ジョージア西部のアジャラ地方にのんびり滞在中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アジャラ地方(正式にはアジャラ自治共和国)と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、黒海沿岸のリゾート都市・バトゥミでしょう。
ロシアン・マネーのおかげで過剰にも程がある開発の波にさらされたバトゥミ。
石ころだらけのビーチに訳の分からないトンデモ建造物が建ち並ぶ光景は、お世辞にものぶよ好みの町ではありませんでした。
もしバトゥミだけを見て去っていたら、「アジャラ地方は開発されすぎてて、ジョージアらしい良さがない」と判断してしまっていたかもしれません。
第一印象こそ最悪だったバトゥミですが、訪問すること三回目にしてようやくその奥深い魅力に気付くことができました。
しかしながら、海沿いを離れて内陸部に行くにつれて、それまでの風景とは別世界に。
アジャラ地方らしい伝統的な文化や雰囲気が残る「マウンテン・アジャラ」と呼ばれるエリアがあることは、旅行者の間では意外にも知られていません。
マウンテン・アジャラ。つまりアジャラ地方山間部の最奥部に位置するのが、今回紹介するフロ(Khulo / ხულო)という村を中心とする地域です。
小コーカサス山脈の西端に位置するフロは、緑あふれる谷間にひらけた人口4000人ほどの小さな村。
たった80kmほどしか離れていないバトゥミの風景とは全く異なった、緑でいっぱいの山の風景が印象的です。
そんなフロの最大の名物といえば…反対側の谷との間を結ぶケーブルカー。
一見すると、雄大な自然の中を気持ちよく空中散歩できそうな素敵な乗り物に見えるでしょう。
「楽しそう!乗ってみたい!」と思ったそこのあなた。
この記事をよく読んでからもう一度考えてみるのも悪くないかもしれません…
ケーブルカーで谷の反対側に渡ると、タゴ(Tago /თაგო)という人口100人ほどの小さな村があり、こちらは一面緑に包まれたジブリの世界。 ▼
車がほぼ通行できないため、静寂に包まれた村の風景は21世紀のものではないかのようでした。
今回の記事は、名物のケーブルカーをはじめとするフロ村の観光情報を解説するもの。
観光地化からは程遠い、アジャラ地方の知られざる一面を満喫しに行きましょう!
フロ観光マップ
緑:ケーブルカー乗り場
青:見どころ
赤:おすすめレストラン
紫:ホステル
灰色:観光案内所
フロ最大の観光スポット!恐怖のソ連ケーブルカーに乗る
フロの中心街にマルシュルートカ(乗り合いミニバス)で到着すると、50mほど先にあるこちらの建物が、名物のケーブルカー。
チケットなどを事前に購入する必要はなく、直接2階の乗り場に行けばOKです。
乗り場で待っていると、可愛らしい赤い車体のゴンドラがゆっくりとこちらに向かってきます。
バックに広がる山々の深い緑色の風景とのコントラストが、まるで絵画のようで感動…!
しかし、ゴンドラが近づいてくるにつれ、感動は恐怖へと変わっていきました。
このケーブルカーは、ジョージアがソ連の支配下にあった1980年代に、谷の反対側にある陸の孤島・タゴ村とを結ぶ交通手段として敷かれたもの。
観光客向けに整備されたものではなく、タゴ村の住民が買い物などの目的でフロへ移動するためのものです。
その規模はかなりのもの。
・全長1700m
・高さ280m
・乗車時間8分
と、ものすごい距離&高さの場所を走るものなのですが、なんと途中に支柱が一切ありません。
つまり、1700mもの距離の最初から最後まで、ロープ一本でぶらさがっている状態なわけです。
そのため、重みがかかる谷の中央部にかけてロープがたわんでいる状態で、風が強い日が多い谷間ではかなり横揺れします。
安全のため、最大で7人までしか乗れないことになっているのですが、それでも多すぎるのでは…。
おまけに、ソ連時代から全くメンテナンスされている雰囲気がないため、車体はボロボロ&ぶらさがる部分は錆びているという恐ろしさ。
入口のドアは最後まで閉まらず、窓は一部抜け落ちているので、外からの谷風がダイレクトに入ってきます(笑)
実際、2020年にのぶよが抱いた恐怖心は現実のものとなり、その後フロのケーブルカーは故障してしまったそう…
その後リニューアル工事が行われ、2022年現在は少し新しめの車体&ケーブルが導入されています。
少し安全性がましになったとはいえ、支柱がいっさいなし&風でグラングラン揺れる恐怖のケーブルカーの醍醐味(?)は変化していないのでご安心を!
乗車前からかなりの恐怖心をあおってくるインパクト抜群のケーブルカーですが、ここまで来て乗らないわけにはいきません。
タゴ村の住人らしき3人(総じてふくよか)とジョージア人の観光客2人(ふくよか)、係のおじさんとのぶよで、最大乗車可能人数である7人MAXで地獄行きのケーブルカーの出発っ…!
初めこそゆっくりゆっくりと動き出したケーブルカーですが、なぜかすぐに速度が上がります。
こんな満員の状態で、しかも結構風が強い日に、しかもふくよか率高めなソ連ケーブルカーは、鈍~い速度で横にスイングし始めます。
のぶよは高所恐怖症でもなんでもないのですが、さすがにこの横揺れには恐怖を感じました。
ぶら下がり部分が外れないための安全装置くらい…あるよね?
このケーブルカーの何が怖いかって、「落ちたらひとたまりもない高さ」で「横にスイングする不穏な動き&割れた窓から吹き込む谷風」を感じながらの恐怖の空中散歩が「1700m/約8分間」続くことです。
↑「恐怖のロープウェイの車窓から」
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) August 10, 2022
いや、絶景よ?絶景だけど、それ以上にジリジリゴトゴトいってる音となぜか半開きのままの扉、風による横揺れが怖すぎてもう…(終始「ゔぅぅー」って変な声出てた) pic.twitter.com/cDawxFTcy6
「一度乗ったらもう逃げられない」。
そんな武士道精神が確かめられる禊のような乗り物なのですね。(大袈裟)
最後の数分間くらいにはようやく横揺れがおさまり、アジャラ地方の山々の絶景を眺める余裕ができました。
8分間の恐怖体験から無事生還した者だけが見られるのが、一面の緑に包まれたタゴ村。
まるでジブリ映画の世界に迷い込んだかのような美しい風景と、伝統的な木造建築が連なる小道をのんびりと散策しましょう。
谷の反対側にあるタゴ村に到着したケーブルカーを降りて、美しくものどかなタゴ村の風景に癒されながら、ふと気が付きました。
「タゴ村には道路がない=帰りも恐怖のケーブルカーに乗らなければならない」ということに…
(というわけで、みなさん往復分の心の準備をしておきましょう。)
フロ村のその他の見どころ
フロの観光のハイライトである恐怖のケーブルカーを体験したら、そのほかの見どころへも足をのばしてみましょう。
どれも徒歩で十分にまわることが可能ですが、アップダウンが多い地形なので意外に体力&時間を使う点にご注意を。
ケーブルカー&以下の見どころをあわせて、日帰りでもなんとかまわれますが、かなり忙しくなってしまうかも。
フロ村の魅力であるのんびりとしたローカル感を味わうなら、1泊はしていくのが良いと思います。
フロ・モスク
フロの村全体を見渡す高台に堂々とたたずむフロ・モスクは、この村の人々の信仰の中心的な存在。
外観は強固な石造り、内部は木を基調とした温かみのある空間となっており、現役の祈りの場として機能しています。
フロをはじめとするアジャラ地方山間部の村々は、イスラム教徒住民が大多数を占める地域。
歴史的にオスマン帝国(現在のトルコ)の支配が強かったアジャラ地方では、多くの人々がキリスト教からイスラム教に改宗させられました。
その後キリスト教国であるロシア帝国の支配下におかれても、住民はイスラムの習慣や教えを守り抜いてきたのです。
キリスト教国・ジョージアにおいて、民族的にはジョージア人でありながらも宗教はイスラム教という人々が多く住む地域は、他にあまり見られません。
アジャラ地方山間部の村にはどこも小さなモスクが建っているのですが、フロのモスクはかなり立派な部類。
山奥でひっそりとたたずむモスクから聞こえるアザーンの音を聞いていると、「ここはジョージアでありながらジョージアではない」といった不思議な気持ちになります。
聖アンドレイ使徒教会
フロの中心部を見下ろす高台にたたずむ聖アンドレイ使徒教会は、近年建設されたばかりの新しいキリスト教建造物。
2022年現在、外観はほとんど完成しているものの内部はまだ未完成となっています。
イスラム教徒が多数派を占めるフロですが、キリスト教徒も少なからず居住しているそう。
古くから二つの宗教が折り合いをつけながら混在してきた、このエリアらしい建造物だと感じます。
中央広場
フロの住民の大半が居住するのが、バスステーションから石段を登った先の高台エリア。
高台エリアのど真ん中に位置する中央広場は、町役場や警察署などに面したフロの行政の中心。
同時に、住民たちの憩いの場としても機能しています。
人口4000人ほどのフロですが、周辺エリアの中心的な村として機能していることもあり、伝統文化を後世に伝えるためのカルチャーセンターが中央広場の西側に建っています。
不定期でアジャラ地方の伝統的な踊りや歌のコンサートが開催されているそうで、運が良ければ鑑賞することができるかもしれません。
フロ民俗博物館
フロ地域の伝統や建築、文化について知りたいなら、高台エリアに位置するフロ民俗博物館の訪問ははずせません。
「博物館」というか「公民館」のような存在で、一階部分がこの地域の歴史や伝統を伝える展示スペースとなっています。
フロ民俗博物館への入館は無料。
そのためか詳しい説明書きなどはほとんどなく、想像力を働かせなければならなかったのが残念な点。
(係員のおばさんたちがいるものの、ロシア語が通じずジョージア語オンリーだったのでちんぷんかんぷんでした)
一年を通して湿度が高いアジャラ地方の伝統建築は、木造が主流でした。
都市部やフロ村においてはこうした伝統的な家屋はほとんど残っていないものの、フロ周辺の小さな村々にはいまだに健在です。
メインの展示である伝統家屋の模型以外にも、興味深いものがいくつか。
オスマン帝国支配時代を感じさせる石碑やエキゾチックな刺繍、この地域の名産品である煙草の葉を加工するための道具など、アジャラ地方の歴史や伝統を視覚的に学ぶことができます。
博物館自体はかなり小さな規模のもので、20分もあれば見学できてしまうほど。
アジャラ地方の伝統を知ることができて興味深かったのですが、それよりなにより面白かったのが、博物館の係員らしき三人組のおばちゃんたちでした。▼
フロ村の民俗博物館がカオスだった。係員らしきニッコニコのおばちゃんたちに迎えられ、なぜか入場無料と言われ、のぶよが興味深そうに展示品を見て回っている時の姿をおばちゃんたちに写真や動画撮りまくりながら追いかけられて、もはや自分が珍しい展示品なんじゃないかと思えてきた。 pic.twitter.com/9WTqVz2flv
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) August 9, 2022
もはやこんなところにやってくる謎の外国人が珍しいのか、のぶよをジャニーズか何かと勘違いしたのかは不明ですが、とにかく訪問中ずっと動画や写真を撮りながら追いかけ回されました(笑)
ロシア語も通じないため(アジャラ地方山間部ではロシア語が話せない人もけっこういる)、いったい何だったのは闇の中ですが、とにかく楽しそうだったので良しとしましょう。
ビューポイント
フロ村の中心部から幹線道路沿いに西へ300mほど歩いた地点には、フロ村の全景を望めるビューポイントがあります。
山の斜面にひらけたフロ村の独特の地形と、その奥に連なるアジャラ地方の山々のコントラストが素敵。
東向きの眺望なので午前中は逆光となってしまうため、午後に訪れるのがおすすめです!
アジャラ地方の名物を味わう!フロのおすすめレストラン
フロ村は、人口規模の割に飲食店が充実しているのが特徴的。
村の中心となるバスステーション周辺には数軒の食堂が点在していますし、高台にある居住エリアにもいくつかの食堂があります。
また、フロが位置するアジャラ地方では、ジョージア他地域とは異なる食文化が根付いている点も見逃せません。
ここでは、フロ村でのぶよが発見した2軒のおすすめ食堂を紹介します!
アジャラの郷土料理に挑戦!”Mate”
フロの住民の多くが生活の場とする高台エリアにあるのが、こちらの“Mate”というゲストハウス兼レストラン。
料理上手なおばさんが切り盛りしており、家庭的な味わいが魅力的です。
定番のジョージア料理はもちろん、アジャラ地方山間部の伝統料理も充実しているメニューがMateの良いところ。
アジャラ料理の代表といえば、シノリ(Sinori / სინორი)です。▼
シロニとは、アジャラ地方山間部の郷土料理の一つ。
「ラヴァシ」と呼ばれる薄いピタパンを細く切ったものに、カッテージチーズをのせてくるくると巻いて作ります。
巻いた生地を並べて、大量のバターとともにオープンで焼き上げたらできあがり。
いわば、「ラザニアのトマトが入っていない版」といったところでしょうか。
ほど良い焼き加減の生地には、甘味たっぷりで芳醇な風味のバターが染み込んでとても美味しいです。
チーズは塩気が強いので、あまり大量に入っていると塩辛すぎると思いますが、このお店のものは適量で美味しくいただけました。
しかしながら、アジャラ地方の名物料理の例に漏れず、大胆な味付け&かなり重ためなシノリ。
食後は「もうしばらく食べたくない…」と思ってしまうかもしれません(笑)
また、清流が流れるアジャラ地方らしいグルメといえば、「カルマヒ」(Kalmakhi / კალმახი)と呼ばれる川マスも忘れてはいけません。
Mateのカルマヒは、塩と少々のスパイスで味付けされて油でごんがりと焼いて提供されます。
これ…本っっっ当に美味しいです!
カルマヒはアユやイワナの仲間だそうで、日本の山間部で夏に食べたあの味そのもの…
上品な味わいの身はほんのりと甘く、口のなかでふわっと溶けてしまうほどの柔らかさでした。
他にもさまざまなアジャラ料理のメニューが揃っているので、何回訪れても新しい驚きが待っているはず。
フロ滞在中の馴染みの食堂の一つとして、全力でおすすめしたいです!
手軽に食べる家庭料理!「謎のカフェ」
フロ村でもう一軒、のぶよが毎日のように(「ように」というか、「毎日」)通っていたお店が、中心部のバスターミナル付近にあるこちらの食堂。
ジョージア語で「カフェバー・ギア」と書かれた看板が出ていますが、これが正式名称なのかは不明です。
店内のスペースは限られており、テーブルが三卓ある食事コーナーと調理場が板で仕切られているだけのやっつけ感。
なんだか不安になってしまうたたずまいですがご安心を。味は確かです!
この謎食堂のメニューは数個しかなく、どれも家庭料理感MAXの見た目&味わい。
ここフロ村で製造されている超レアなレモネード「フロス・リモナティ」(Khulos limonati / ხულოს ლიმონათი / 1GEL=¥50)か、ビール(2GEL=¥100)でも飲みながら待ちましょう。
個人的にこの店でおすすめしたいのが、「グリアシ」(Guliashi / გულიაში)とメニューに書かれた謎料理。
ジョージア広しと言えども、他の地域では見たことがありません。
やってきたのは、牛肉をパプリカペーストで煮込んだシチューのような料理。
そう、グリヤシとはハンガリー料理の「グヤーシュ」がここアジャラ地方で独自に進化したものなのです。
おそらく、東ヨーロッパやバルカン半島に広がった「グヤーシュ」が、トルコ経由でここアジャラ地方に伝わったのかもしれません。
肝心の味は…抜群の美味しさでした。
ハンガリーのグヤーシュに比べてやや水っぽいですが、トロトロの牛肉とハーブのフレッシュな風味の相性は抜群。
皿の底に敷かれたマッシュドポテトもよく合い、大満足のひと皿でした。
グリヤシ以外のメニューもすべて手作りの温かみがあるものばかり。
どれも6GEL~8GEL(=¥300~¥400)と安いのも嬉しいです!
フロへのアクセス・行き方
バトゥミの東80kmほどの山間部に位置するフロですが、このエリアの中心的な村だけあって交通網は意外にも発達しています。
ほとんどのマルシュルートカ(ミニバス)はバトゥミとの区間を結ぶものですが、東に山を越えたアハルツィヘ(Akhaltsikhe)へも道路が通っているので、移動がてら立ち寄ることも可能です。
バトゥミ~フロ間のアクセス
バトゥミ~フロ間は多くのマルシュルートカが走っていて、とても便利です。
・午前中:1時間に1本(始発8:00、以後毎時正時)
・正午以降:30分に1本(12:00/12:30…と毎時正時と30分)
フロ→バトゥミのマルシュルートカも同様のスケジュールですが、最終便は18:00や17:00など人によって言うことが違うので、少し早めの便を利用するのが良いかもしれません。
(のぶよはフロ発17:00の便を利用しました。)
フロ方面のマルシュルートカが出発するのは、バトゥミ旧市街近くの「オールド・バスステーション」の敷地内北側。
“Mayakovsky 通り”に面した一角からです。(その辺の人に尋ねれば一発でわかるはず)
アハルツィヘ方面~フロ間のアクセス
フロの東80kmほどの場所に位置するアハルツィヘ(Akhaltsikhe)は、地図で見ると近いですし、道路も通っているので簡単に移動できるように思えます。
しかしながら、フロ~アハルツィヘ間は未舗装の山道が続く区間で、かなりの悪路であることで有名です。
かつては1日1便のマルシュルートカが走っていたそうですが、2020年現在はこの区間を直接結ぶ公共交通機関はありません。タクシーをチャーターして移動することは可能ですが、先述の通りかなりの悪路なため結構な料金を請求されることとなるでしょう。
2022年8月現在、フロ~アハルツィヘ間にはいくつかのミニバス路線が走っています。
・バトゥミ(8:00頃発)~フロ(10:30頃発)~アハルツィヘ(14:00頃着):1日1本
・フロ(11:00発)~アハルツィヘ(14:30発)~ニノツミンダ(17:00発)~ツァルカ(19:00着):1日1本
・フロ(11:30発)~アディゲニ(14:00着):1日1本
いずれもフロの中心街で実際にミニバスを目撃して運転手に時刻を尋ねたものなので、確かなはず。
とはいえ、通年運行されるわけではないでしょうし(冬季は峠が雪で通行止めになるため)、変更されることもしばしばあるので、現地で自分で確認することをお忘れなく。
このように、いちおうアハルツィヘ方面から/へのミニバスでのアクセスも可能ではありますが、いずれも長時間&悪路なので上級者向け。
のぶよ的にはフロへのアクセス拠点はバトゥミにしておくのが無難だと思います。
日帰り?宿泊?フロ観光のプランニングのコツ&おすすめ宿情報
ミニバスが頻発&所要時間2時間少々ということで、フロは十分にバトゥミからの日帰り圏内だと言えます。
フロはこのエリアで最も発展した村という感じで、観光のハイライトとなるのは恐怖のケーブルカーに乗ってタゴ村を観光することでしょう。
タゴ村観光に必要な時間は1時間~2時間ほどなので、往復の移動時間を考えても日帰りが十分可能だと思います。
しかしながら、観光エリアから外れたこの地でのんびりと滞在してみるという経験も捨てがたいもの。
フロにはいくつかゲストハウスがあり、格安のホステルも1軒あるので、宿泊に困ることはありません。
商店やレストラン、ATMもあるので、滞在中に不便を感じることもないでしょう。
また、フロの人々はみんな気さくで、外国人に対してもオープンな感じだったのも印象的。
気軽に声をかけてくれたり、なぜか知らない人にビールやお菓子をもらうことも…
6日間も滞在していたのですが、もはや中心部にいくといつものメンバーが勢ぞろいしていることも珍しくなく、まるで村の一員であるかのように飲みの場に混ぜてくれたこともありました。
ちょ!!煙草吸ってたら知らないおばちゃんに話しかけられ、最後にすごいもんくれたんだが!!
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) August 9, 2022
「アチャルリ・バクラヴァ(აჭარული ბაქლავა)」と言うらしく、パイ生地&ナッツに糖蜜染み込ませたアジャラ地方名産のお菓子でおばちゃん手作りらしいのだが、完全にお隣トルコのアレのでかい版では…?😳 pic.twitter.com/ejm0Giuqzt
そして、フロ近郊のアジャラ地方山間部エリアには、他にもたくさんの魅力的なスポットが点在しているのもポイント。
タゴ村観光&フロに宿泊→次のスポットへ移動&観光というプランも組めるので、旅程的にもフロに宿泊することはメリットがあるはずです。
というわけで、のぶよ的にはフロ村に最低1泊はしていくのがおすすめ!
とはいえ、フロはかなりの沼なので注意。
この村にただようの~んびり&ぐだ~っとした空気に包まれていると、「もう下界には帰りたくない…」といった気持ちになるかもしれません(そういうわけで1週間近くいた)。
フロ村のおすすめ宿
【Hostel 13】
・料金:25GEL(=¥1200)
・部屋:6ベッドドミトリー
フロ村唯一のホステル系宿がこちら。
他の旅行者に出会えることを楽しみに訪れたのですが、なんと夏場の超ハイシーズンだというのに宿泊客はゼロ&オーナー家族も旅行中でいなかったため、完全なる無人ホステルでした。(さすがにこのパターンは初…)
今泊まってる宿がパンチ効いてる。
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) August 9, 2022
・他に宿泊客いない(定期)
・オーナー家族もいない(どこかに旅行中)
・つまり無人
・玄関の鍵開いてて勝手に入って寝るシステム
・支払いは「出るときテーブルの上置いといて」
・「冷蔵庫のもの勝手に食べてね」
ジョージア地方部は人を信じる心でまわっている😂 pic.twitter.com/WogyC9khJd
・立地:8/10
フロ村の中心部(バスステーション)から100mほどの階段を上がった先にある高台の居住エリアの一角に位置しています。
小さな村のちょうど真ん中に位置しているのでどこに行くにも便利ですが、中心部まで石段を登ったり下りたりする必要がある点に注意。
・アクセス:10/10
この宿のすごすぎるところが、玄関の鍵が開いている点。
Booking.comで予約するとオーナーから連絡があり、「いま旅行中でいないから、勝手に入って泊まってね!お金はテーブルの上に置いといて!」とのこと。
3年以上旅していて、このパターンは初めてです(笑)
いずれにせよ、その言葉の通り鍵は開いており、問題なく宿へのアクセスができました。
(おそらく普段は宿の人がいるのだと思います)
・スタッフ:?
もはや宿の人に直接会っていないので、どんな感じなのかはいっさい不明。
とはいえ、SMSでやり取りしている限りは良い人そうでしたし、英語での対応も可能でした。
・清潔さ:8/10
ドミトリー部分、リビング部分、キッチンともに明るく開放的な雰囲気で、清潔に保たれていました。
リビング部分のデコレーションのセンスがすてきだったのも◎
トイレやシャワーの水回りも問題ありませんでしたが、若干清掃が甘かった気もします。
・設備:7/10
キッチンにはひと通りの調理器具が揃っており、自炊派でも問題なく滞在することが可能です。
トイレ&シャワーは2か所あり、ドライヤーも備わっていました。
・wi-fi:6/10
インターネットはあるのですが、速度がかなり遅いように感じました。(なので携帯のデータ通信を使っていた)
普通にネットに接続する分にはまったく問題ありませんが、仕事などをしたい場合には難アリな気がします。
・雰囲気:8/10
いちおう「ホステル」ではあるのですが、他に人が誰もいなかったためホステルらしい賑やかな雰囲気はありませんでした。
とはいえ、広々とした空間を独り占めできたのは大きなポイント。
こればかりはタイミングによるでしょうが、フロののんびりした空気感もあいまって、ゆったりとした滞在ができると思います。
・総合:7.8/10
フロ村最安値の宿でしたが、問題なく滞在できました。
むしろ、一人で滞在するのが久々だったため、のんびりと羽をのばすことができて大満足(結局5泊もした)
フロ村&周辺エリアの観光拠点としてぴったりな宿だと思います!
【この宿を料金確認・予約する!】
【フロの宿をすべて見る!】
おわりに
アジャラ地方山間部のフロ村の魅力を紹介しました。
真夏の「THE・ハイシーズン」に訪問したにもかかわらず、観光客の姿はほとんどなし。
完全なるローカル感に包まれた村は、なんだかずるずると長居したくなる不思議な魅力があります。
この村を拠点として、周辺の小さな村を訪れたり、トレッキングに挑戦したり…フロの楽しみ方は無限大。
バトゥミを拠点とした個人でのアクセスも不便ではないので、これから観光地としてこのエリアが注目されるようになる時がやってくるかもしれません。
こうした場所にも観光地化の波が訪れるのは時間の問題。
古き良きジョージア地方部の良さが残る田舎町での滞在、心からおすすめしたいです!
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