こんにちは!トルコのリビエラをのんびりとまわっている、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ターコイズブルーの美しい海岸線が続く、トルコ南部のリュキアの道周辺。
夏場は多くのバカンス客で賑わうエリアで、ほとんどの人は点在するビーチへと直行します。
美しいビーチや海沿いのダイナミックな風景も魅力的ですが、この地域には他にはない独特の観光スポットがあります。
それが、100年前の姿のまま放置されたゴーストビレッジ・カヤキョイ村(Kayaköy)。
半壊した石造りの民家が丘に連なる光景は圧巻で、打ち捨てられた教会などもそのままに残っています。
今回の記事では、他の観光スポットとは一味違う不思議な光景が見られるカヤキョイの歴史や見どころ、個人でのアクセス情報を紹介します。
どうしてゴーストタウンに?カヤキョイの歴史
かつて人が住んでいたにも関わらず、その後放置されて現在にいたる古代遺跡が多くあるトルコ。
有名なエフェス遺跡やヒエラポリス、カッパドキアの洞窟住居が良い例です。
ヨーロッパにはこうした遺跡は元より、ゴーストタウンとして知られている町がいくつかあります。
その中でも世界的に有名な場所の一つが、ウクライナにある(あった)プリピャチ村。
こちらはチェルノブイリ原子力発電所事故により退去命令が出されたため、一夜にして人の姿が消えた村でした。
しかしながら、カヤキョイが現在のようにゴーストタウンとなった理由は少々特殊。
もともとトルコ人でありながらギリシャ正教徒の村であったカヤキョイは、オスマン帝国統治時代には肩身の狭い思いをしながらも信仰を守り続けていました。
しかしながら、オスマン帝国がトルコ共和国にとって代わられたトルコ独立戦争(祖国解放戦争)の後にギリシャとの間で結ばれた住民交換条約がこの村の運命を変えることとなります。
1923年に結ばれた、ギリシャ人のイスラム教徒とトルコ人のキリスト教徒を交換するというこの条約によって、トルコの地中海・エーゲ海沿岸に居住していたトルコ人キリスト教徒はギリシャへと移住させられることとなったのです。
村の人口の全てがキリスト教徒であったカヤキョイは、その村の姿を残したまま放置されることとなります。
その後、1957年にこの地域を襲った大地震によって壊滅的な被害を受けたカヤキョイ。
もはや人が住める状態ではなくなったこの村に、周辺地域同様に観光開発の話が持ち上がったのは1980年代のことでした。
しかしながら、一部の芸術家や建築家によるカヤキョイの特異な歴史と景観の保護を訴える活動により、大規模開発の波を逃れることに成功します。
こうしてカヤキョイは、100年近く前の村の風景がそのまま残ったトルコではかなり珍しい場所として、新しいツーリズムの形を模索しているのです。
カヤキョイの見どころ
カヤキョイの魅力は見どころを順番に見てまわるというよりも、独特すぎるかつての村の雰囲気を味わうことにあります。
朽ち果てた家々に残る生活の跡や、自然に還りつつある村の路地。
確かに100年前まで人々の生活があった場所なのですが、人の手が加わらなくなるとこうも簡単に一つの村が死んでしまうということを肌で感じることができます。
インフォメーション
カヤキョイ
営業時間:9:00~19:00 (冬季~17:00)
料金:7TL(=¥129)
カヤキョイ観光地図
黄色:バス停
青:見どころ
教会(アッパー・チャーチ)
バス停から続く石畳の坂道が、かつてのカヤキョイのメインストリート。
それを登りきったところにあるのが、アッパーチャーチ(Yukarı Kilise)と呼ばれる大きな教会です。
中世に造られたギリシャ正教の教会なのですが、見事なまでに廃墟と化しています。
内部の装飾などはほとんど残っていないものの、神聖な雰囲気は健在。
城塞とともに、カヤキョイで最大規模の建物です。
廃城塞
カヤキョイの中心部分の高台に位置しているのが、中世の廃城塞(Aşağı Kilise)。
城塞自体は半壊しており、外側の壁だけが残っている状態なのですが、ここから眺めるゴーストビレッジの風景はとにかく圧巻です。
山の斜面に並ぶ家々の全てが廃墟。
まるでここだけ別世界に切り離されてしまったかのような不思議な感覚になります。
チャペル
カヤキョイ村の西端、村で最も高い場所に位置するのが、小さなチャペル。
元々の形が比較的保たれていますが、内部の装飾等はなくかなり寂しい印象です。
高台とだけあって、ここからの眺めも秀逸です。
びっしりと並ぶモノクロの廃墟の奥には、新しく築かれた家々の赤い屋根が見え、そのコントラストはまるで「生と死」を表しているよう。
少し坂を上らなければならないものの、それだけの価値がある絶景でした。
かつての村の路地を散策
カヤキョイ観光の一番の魅力が、かつて人々の生活があった村の路地をあてもなく散策すること。
どこまでも石造りの家々が連なり、結構な規模の村であったことがうかがえます。
静寂に包まれた路地には人の姿は全くありません。
不思議なのが、猫の一匹も見かけなかったこと。
トルコのどこにでもいる猫。
カヤキョイのバス停付近にも数匹の猫がいたのですが、廃村となっている部分ではその姿を見かけることは一度もありませんでした。
人はおろか、猫すらもいない不思議なスポット。
何か感じ取るものでもあるのでしょうか。
カヤキョイへの行き方
フェティエ~カヤキョイのアクセス
カヤキョイへのアクセスの拠点となるのはフェティエ。
旧市街側のドルムシュ(ミニバス)ターミナルからバスが出ています。
↑フェティエのドルムシュターミナル
夏期は30分に1本、冬季は1時間に1本の運行です。
フェティエ〜カヤキョイ間
所要時間:40分
料金:7.5TL(=¥138)
オルデニス~カヤキョイのアクセス
↑カヤキョイのバス停
カヤキョイ観光とセットで、南に位置するビーチタウン・オルデニス(Ölüdeniz)を訪れようという人も多いでしょう。
カヤキョイ~オルデニス間を直接結ぶミニバスは存在せず、カヤキョイ~フェティエ間のミニバスで幹線道路沿いのヒサロニュという町に行き、フェティエ~オルデニス間のミニバスに乗り換える必要があります。
今回紹介したスポットへのアクセス拠点となるのがフェティエの町。リーズナブルなホステルからおしゃれなブティックホテルまで、すべての人に合った宿が見つかります。
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おわりに
ミステリアスなゴースト・ビレッジ、カヤキョイを紹介しました。
観光自体は1~2時間も見ておけば十分な規模ですが、その独特な雰囲気は体験する価値があると思います。
トルコの近代史の一端を垣間見ることができるのもポイント。
他の定番観光スポットとはちょっと違う場所に行きたいなら、おすすめの場所です。
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