こんにちは!ジョージア滞在も2年半、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアの魅力あふれる観光スポットをピックアップして紹介する「ジョージア観光スポットまとめ三部作」。
いよいよ完結編となる記事をお届けするときがやって来ました!
①ジョージアの定番観光スポット11選
②ジョージアの穴場観光スポット10選
③ジョージアの秘境スポット11選 イマココ!
初めてのジョージア旅行で制覇したい定番スポットや、旅行者少なめの穴場スポットをまとめてきましたが、今回まとめたのは秘境スポット。
個人ではなかなかアクセスしにくいものの、手つかずの大自然の中で伝統が息づく場所を特集します。
国土の北側に大コーカサス山脈、南側に小コーカサス山脈が連なるジョージアには、山の大自然が満喫できる地域がたくさん。
人里離れた山奥に息づく昔ながらのライフスタイルや、山岳地域独自の伝統文化も見逃せません。
この小国に点在する秘境さながらのエリアは、どれもこれもまるで絵画の世界そのもの。
ジョージアという国を象徴する風景の数々は、ぜひとも自分の目で見ておきたいものばかりです。
21世紀も4分の1が過ぎようとしているのにいまだに電気もガスも通っていない村から、RPGゲームの世界に迷い込んだかのような天空の城、もうすぐ見られなくなってしまう「幻の秘境」まで…
2年半のジョージア滞在中にのぶよが実際に訪れた秘境スポットを、合計11か所ピックアップしました。
・自分の足で歩いていけない場所などない!
・本物のジョージアの魅力にひたりたい!
・ジョージアに長期滞在するので、隅々まで足をのばしたい!
どれもこれも「秘境」であるため、アクセス手段は絶望的に不便な場合がほとんど。
しかしご安心を。のぶよはこれら全ての場所に公共交通手段(もしくは徒歩)でアクセスしたので、やってやれないことなどありません…!
各スポットの詳細な観光情報やアクセス情報に関しては、別記事のリンクをそれぞれ貼っているので、気になった場所はぜひともチェックを!
- ジョージア旅行の秘境スポット11選マップ
- ジョージア旅行の秘境スポット①:裏カズベキエリア(ヘヴィ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット②:ダルトロ(トゥシェティ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット③:ライラシ(レチュフミ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット④:マゼリ(スヴァネティ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット⑤:チュフトゥネティ(アジャラ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット⑥:インツラの滝(サメグレロ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット⑦:グローラ(ラチャ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット⑧:ツフラジュヴァリ(イメレティ地方/ラチャ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット⑨:ツァナ(クヴェモ・スヴァネティ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット⑩:トモグヴィ城塞(サムツヘ=ジャワヘティ地方)
- ジョージア旅行の秘境スポット⑪:ハダバレー(ムツヘタ=ムティアネティ地方)
- おわりに
ジョージア旅行の秘境スポット11選マップ
ジョージア旅行の秘境スポット①:裏カズベキエリア(ヘヴィ地方)
ジョージアの秘境スポットのスタートを飾るのは、のぶよが勝手に「裏カズベキ」と呼んでいるエリア。【マップ ①】
カズベキといえば、ジョージア旅行の定番中の定番として有名なコーカサス山脈エリア。
「天国に一番近い教会」なんて呼ばれるゲルゲティの三位一体教会をシンボルとして、多くの観光客が集まる地です。
ここで紹介する「裏カズベキ」とは、観光客で溢れかえるカズベキ中心部から10kmほどの場所にある、小さな集落が点在するエリアのこと。
訪れる観光客はほぼゼロ。コーカサスの手つかずの大自然と伝統文化が色濃く残り、カズベキ本来の美しさを存分に感じることができます。
ひとたび裏カズベキエリアに足を踏み入れた旅行者は、その風景の美しさに驚嘆するはず。
色とりどりの高山植物が咲き誇る、ベルベットのように滑らかな緑の絨毯。
伝統的な石造りの民家の周りで、山羊や羊が草を食む風景。
地元の人しか知らないハイキングコースの先に待ち受ける、ダイナミックな渓谷や滝の景観。
どうしてこの場所に旅行者がやって来ないのか不思議に感じるほどに、裏カズベキは魅力にあふれているのです。
カズベキの定番とされるスポットを制覇した人には、心からおすすめしたい裏カズベキエリア。
今回紹介している秘境スポットの中では、最もアクセスしやすい部類である点も嬉しいです。
ジョージア旅行の秘境スポット②:ダルトロ(トゥシェティ地方)
ジョージアに数ある山岳エリアの中でも最も秘境感が強いのが、北東部のトゥシェティ地方。
2023年になっても電気もガスも通っていない正真正銘の僻地で、豚肉の持ち込み厳禁/女人禁制の地多数などの山岳地域らしい伝統文化が息づいている地域です。
「ジョージア最後の秘境」の称号にふさわしいトゥシェティ地方の中で、最果てに近い場所に位置しているのがダルトロ村。【マップ ②】
周辺で採れる黒っぽい石で築かれた民家が軒を連ねる風景は、昔話の世界をそのまま現実にしたかのような雰囲気です。
コーカサスの山々に抱かれるように石造りの家々が並ぶ光景も素晴らしいのですが、ダルトロ村の魅力は独自の文化面にも。
キリスト教伝来以前から信仰されてきた独自の精霊信仰が現在でも息づいており、人々はさまざまな掟や儀式の元で昔ながらの生活を送っているのです。
ダルトロ村はもちろんトゥシェティ地方全体は、下界から完全に隔絶されたエリア。
アクセス方法は「世界一危険な道」とも言われる超絶悪路を延々と進むしかありません。
そのアクセスの難しさも、ジョージアの他地域とは大きく異なる文化や伝統も、圧倒的なコーカサスの大自然も…
すべての要素がこの場所を秘境たらしめているような気がしてなりません。
ジョージア旅行の秘境スポット③:ライラシ(レチュフミ地方)
ジョージアで最も旅行者が訪れないエリアの一つとされる、西部のレチュフミ地方。
深い山々に囲まれた自然豊かな大地を望む場所にあるのが、ライラシという人口200人ほどの小さな村です。【マップ ③】
ここ数年は、レチュフミ地方の山々を一望できる「天空のプール」があることでSNSで話題沸騰中のライラシ。
不便ではありながらも車両でのアクセスは可能であるため、少しずつ旅行者がやって来るようになりました。
しかしながら、ライラシ村の魅力は天空のプールだけではありません。
ライラシ周辺には3つの集落があり、いずれにも知られざる見どころがたくさん。
知名度がゼロであることが信じられないほどに、美しい風景が至る所で見られるのです。
この村に存在する光景のひとつひとつは、まるでひと昔前の映画の世界に迷い込んでしまったかのよう。
ライラシ村の住民は、ジョージアでも有数の多民族で構成されているのも興味深い点。
ユダヤ人、アルメニア人、ギリシャ人…宗教も文化も異なる人々が残した痕跡は現在でも色濃く感じられ、この村の雰囲気に厚みを加えてくれています。
ジョージア旅行の秘境スポット④:マゼリ(スヴァネティ地方)
ジョージア北西部の山岳地域に位置するスヴァネティ地方といえば、東部のカズベキと並ぶジョージア旅行の定番観光エリアのひとつ。
最大の町であるメスティアや、「ヨーロッパ地域で最も標高が高い村」とされるウシュグリなど、ジョージア山岳地域のアイコンのような存在の見どころが多く点在しています。
スヴァネティ地方の定番スポットを制覇した人におすすめしたいのが、マゼリという小さな村。【マップ ④】
旅行者が多く訪れるエリアから外れた「裏スヴァネティ」と呼ばれる(というかのぶよが勝手に呼んでいる)エリアの最奥部に位置する、桃源郷を具現化したような村です。
峻険なウシュバ山を背景に、スヴァネティ地方伝統の石造り&木製テラスを備えた家々が建ち並ぶマゼリ村の雰囲気は、どこまでも素朴なもの。
この地でしか食べられない名物料理の数々も、村での滞在を特別なものとしてくれます。
素朴な村の散策はもちろん、周辺へのトレッキングもマゼリ村滞在時の楽しみのひとつ。
すぐ向こうはロシア領という国境ギリギリの地に流れ落ちるシュドゥグラの滝や、牧歌的な風景の中を轟々と流れるドルラ川など、知られざるスヴァネティ地方の自然の魅力を存分に感じることができます。
ジョージア旅行の秘境スポット⑤:チュフトゥネティ(アジャラ地方)
ジョージア屈指の黒海リゾートシティーとして有名なバトゥミを有する、西部のアジャラ地方。
どうしても「アジャラ地方=海」のイメージばかりが先行しがちですが、実はすぐそばに美しい山岳エリアが広がっていることはほとんど知られていません。
アジャラ地方の山間部の最奥部、トルコとの国境まで目と鼻の先の場所にあるのが、チュフトゥネティという山村。【マップ ⑤】
緑あふれる自然風景や素朴な村の雰囲気はもちろん魅力的ですが、この村の一番の特徴は独自の文化にあります。
伝統的な高床式木造建築の民家や、カラフルに彩られたモスクなど、まるで村全体が屋外民俗博物館さながらなのです。
チュフトゥネティ村をはじめ、アジャラ地方山間部はオスマン帝国(現在のトルコ)の支配が強かったエリア。
そのため、キリスト教国ジョージアに位置していながらも住民のほとんどはイスラム教徒である点も興味深いです。
チュフトゥネティ村では、一般の民家の一部を旅行者向けに開放したゲストハウスでの滞在も楽しみ。
どこも家庭的で温かなおもてなしをしてくれますし、ジョージア他地域とは大きく異なるアジャラ地方山間部の郷土料理に挑戦するチャンスも多くあるでしょう。
ジョージア旅行の秘境スポット⑥:インツラの滝(サメグレロ地方)
ジョージア西部に位置するサメグレロ地方は、独自の文化や言語を誇る人々がのんびりと暮らす、リピーターにおすすめのエリア。
その山間部にあるインツラの滝は、自分の足で歩いた人だけが見られる神秘的な緑の世界に迷い込める場所です。【マップ ⑥】
インツラの滝と周辺の渓谷の風景は、もののけ姫の世界そのものでした。
じめっとした湿度と、渓谷周辺の岩場をびっしりと覆う苔、ぽっかりと口を開ける洞窟。
どこか不気味で、神妙としていて、まるでこの場所に神様が宿っているかのよう…そんな畏怖の念がふつふつと湧いてきます。
インツラの滝自体も魅力的ですが、そこに至るまでの道のりで見られる風景も素敵。
素朴で明るく、どこか謙虚なサメグレロの人々との出会いも楽しみです!
ジョージア旅行の秘境スポット⑦:グローラ(ラチャ地方)
近年観光地化の波が訪れつつあるジョージアのコーカサス山脈エリア。
観光ブームによって大きく変わってしまった地域も少なくはないものの、まだまだ手つかずの状態の美しい村は多く残っています。
のぶよ的に「コーカサス山脈エリアの古き良き情緒が最も残っている」と感じたのが、西部ラチャ地方の最奥部に位置するグローラという村でした。【マップ ⑦】
絶望的に不便なアクセスや知名度のなさ、インフラの未発達さなどから、観光地としてのグローラ村の注目度はゼロ。
だからこそ、ジョージア山岳部本来の美しい自然や伝統、人々の温かさがちゃんと残っているのかもしれません。
グローラ村の魅力は、圧倒的な大自然や素朴な村の雰囲気だけではありません。
観光地化とは無縁の場所だからこそ、昔ながらの自給自足のライフスタイルが残っており、その中にどっぷりと入り込んでの滞在が可能な点も素晴らしいのです。
ジョージア広しと言えども、ここまでポテンシャルにあふれていながら旅行者がほとんどやって来ない場所はとても珍しいもの。
この記事を読んだ人には、ぜひ実際にグローラを訪れて「ひと昔前のジョージア山岳部」の雰囲気を感じてほしいです!
ジョージア旅行の秘境スポット⑧:ツフラジュヴァリ(イメレティ地方/ラチャ地方)
ジョージア中西部のイメレティ地方とラチャ地方の境界を成す、標高1500mほどの切り立った岩山。
その頂上に凛とたたずむ「天空の聖地」が、ツフラジュヴァリです。【マップ ⑧】
ジョージア語で「九つの十字架」の名を冠する聖地は、麓の住民たちによる伝説が語り継がれてきた場所。
この地域では最も神聖な地とされ、現在でも人々の信仰を集める場所です。
ツフラジュヴァリがある崖のすぐ真下には、1000mほど低い場所に広がる大地の風景がどこまでも。
崖上の聖地と下界の間を遮るものはいっさいなく、一歩でも足を踏み外したらアウトです。
個人でのアクセスには難ありなものの、自分の足で聖地に立った瞬間の感動は言葉では言い表せないほど。
絶景と、人々の信仰心と、エクストリームなスリル…アクティブ派の旅行者にはぜひ訪れてほしい場所です。
ジョージア旅行の秘境スポット⑨:ツァナ(クヴェモ・スヴァネティ地方)
「ジョージアのコーカサス山脈エリアの中で、最も訪れる旅行者が少ない」と言われるのが、西部のクヴェモ・スヴァネティ地方。
メスティアやウシュグリなどの定番スポットを有するスヴァネティ地方とは峻険な山々に隔てられ、ひたすらに日陰の存在のエリアです。
そんなマイナーの極みなクヴェモ・スヴァネティ地方の最奥部に位置するのが、ツァナ村。【マップ ⑨】
驚くことなかれ…現在この村に定住しているのは、三人家族が一組だけ。正真正銘の限界集落なのです。
もはや旅行者はおろか、ジョージアの人々からも忘れ去られてしまったかのようなツァナ村。
ご想像の通り、アクセスの不便さは最難関レベルで、インターネットも商店も何もありません。
だからこそ、この限界集落でも自給自足でたくましく生活する家族の姿が印象的ですし、めったにやって来ない旅行者を精一杯もてなしてくれる温かさが、余計に心に沁みるのかもしれません。
ツァナ村より先にはもう人が住む集落はなく、人間から山の神へと支配権が移ったエリア。
峠にぽつりとたたずむ絶景教会や、ソ連時代に築かれた廃工場、季節によって様々な表情を見せるコーカサスの山々の大自然など、ジョージアの最果ての地らしい風景に心を奪われることでしょう。
ジョージア旅行の秘境スポット⑩:トモグヴィ城塞(サムツヘ=ジャワヘティ地方)
ジョージア南部のサムツヘ=ジャワヘティ地方は、歴史的に「メスヘティ地域」と呼ばれ、ジョージア他エリアとは大きく異なる文化が息づく穴場エリア。
かねてから異民族の侵攻に悩まされてきたこの地域の歴史を象徴する存在が、深い峡谷を見渡すトモグヴィ城塞です。【マップ ⑩】
荒涼とした大地に浮かび上がるかのような中世の城塞の姿は、もはや現実のものではないかのよう。
「天空の城塞」という表現がぴったりの、異世界感たっぷりの光景に感動させられます。
トモグヴィ城塞だけでも見ごたえはかなりのものですが、せっかくこんな所まで来たのなら、さらに奥に位置するゼダ・トモグヴィ村にも絶対に足をのばしたいもの。
丘陵地帯の斜面を利用して、地中に穴を掘って造られたメスヘティ地域の伝統的な家屋が残る廃村です。
村人の姿はなくなってしまったゼダ・トモグヴィ村には、中世そのままの姿の教会がぽつりと残るだけ。
荒涼とした大地の風景と透き通るような青空を背景に、最果ての地らしい雰囲気が存分に感じられます。
ジョージア旅行の秘境スポット⑪:ハダバレー(ムツヘタ=ムティアネティ地方)
錚々たる顔ぶれの超穴場スポットを紹介してきたジョージアの秘境スポット11選。
ラストを飾るのは、ハダバレーです。【マップ ⑪】
ジョージア東部の山岳地域。古くはロシアへと至る交易路として賑わった谷間には、異民族の侵入に備えた見張り塔がいくつも建設され、「六十の塔の谷」の異名を持ちます。
そんなハダバレーには、昔ながらの生活風景や文化的な建造物がたくさん。
訪れる旅行者の数は限りなくゼロに近く、「お見せする用」ではないジョージア山間部本来の美しさを感じることができます。
現在のところ、ハダバレーへのアクセス方法は自分の足で歩くしかなく、絶望的に不便。
しかしながら、2024年を目途にこの地に幹線道路が敷かれる計画が持ち上がっており、すでにコーカサスの山々を貫く巨大トンネル工事が施行されています。
トンネル工事のためにハダバレーの住人の多くは立ち退きを強いられ、現在でも居住するのはエリア全体でもたったの数十人だそう。
もうあと数年で、この美しい山里の風景は過去のものとなり、観光バスや大型トラックが行き交う風景に入れ替わることとなるのです。
ジョージアの国としての発展のために、古来からの文化や自然が犠牲となりつつあるハダバレーは、もうすぐ見られなくなってしまう「幻の秘境」そのもの。
ぜひとも今のうちに訪れて、儚くも美しい楽園の風景を目に焼きつけておきたいものです。
おわりに
ジョージアの中でも、秘境感満載のスポットを11か所紹介しました。
もはやこんな最果ての地にわざわざ足をのばしてくれる日本人旅行者がいるのかどうかは疑問しか感じないものの、「ジョージアにはこんなに美しい場所がまだまだ残っているんだ!」と知ってもらえるだけでも嬉しいです。
今回紹介した場所以外にも、ジョージアにはまだまだ秘境スポットは数多く眠っているはず。
新しい秘境を発見しだい、追加していこうと思います!
①ジョージアの定番観光スポット11選
②ジョージアの穴場観光スポット10選
③ジョージアの秘境スポット11選 イマココ!
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