こんにちは!ジョージア滞在も4年目、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアに4年近くも滞在していると、この国の酸いも甘いも体験しつくしてしまうもの。
のぶよにとってのジョージアの「酸い」の部分は、物価の上昇です。
毎年ジョージアの物価の最新情報をまとめては記事にしているのですが、昨年2023年の頭に更新した際に改めて出費を計算してみてびっくり。
もはや物価があまりに高すぎて、「いったいどうして、安くもない国に意地になって居座っているんだろう…」と本気で自問自答しかけたレベルでした。
2022年以前にジョージアを訪れた人は、さらに驚くことでしょう。
たったの数年で、かつての2倍や3倍の出費が必要な国になっているのですから…
かつてのジョージア(特に2019年~2021年の3年間)は、「もはやあのインドよりも安いのでは…?」なんて囁かれるレベルで激安だったジョージアの物価。
「月5万円で生活できる国ッ」なんて胡散臭い連中によるキャッチフレーズでSNSが賑わっていたので、記憶にある人も少なくないのではないでしょうか。
そんな「タクシーを使いまくろうが、お洒落なタワマンに住もうが、毎日外食ざんまいしようが、とにかく激安!」という時代はすでに過去のこと。
特に2022年~2023年にかけてのジョージアの物価の急騰はものすごく、コスパやら格安海外やら言っていた人たちのほとんどがどこかへ消えていく結果に。
「物価の安さ」という旨味がなくなってしまったジョージアに、わざわざ来ようという人もずいぶん減ったように思います。
しかし…!
これはのぶよの肌感なのですが、2023年半ばくらいからジョージアの物価は全体的に下がってきているように思えます。
毎日の食料品や、旅行者にとって重要な宿代の相場、長期滞在したい人が気になるアパートなどの家賃相場も…去年(2023年)の今頃と比べると、明らかに安くなっています。
というわけで今回の記事は、最新の2024年のジョージアの物価がどうなっているのか解説するもの。
過去数年間の記録も含め、この国の物価が上がっているのか下がっているのか、白黒つけたいと思います。
2024年にジョージアを旅行しようと考えている人には、役立つこと間違いなし!
「パスポートだけで1年間滞在可能」という制度を使ってジョージアに長期滞在してみようという人も、現地の物価感覚がなんとなくイメージできるはずです。
かつては猫も杓子も言っていた決まりゼリフ「月5万円生活」、果たしてジョージアにカムバックする…のか…?
2024年以前のジョージアの物価上昇について
2021年以前を知っている人からすると信じられないほどに、ここ数年間のジョージアの物価は急騰していました。
家賃相場、交通費、飲食費、食料品の価格…ありとあらゆるものの値段が短期間で一気に跳ね上がり、かつてのような「月5万円で暮らせる国」という称号(?)は完全に過去のものとなってしまいました。
ここまで急激にジョージアの物価が上がった理由は、私たち日本人にとっては円安のせいもありますが、最大の要因は2022年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻です。
①コロナ禍→長期のロックダウンにともなう不況によるインフレ
②国境開放にともなう外国人の急増→観光地での物価が上昇&ロシアからの避難民が殺到したことで家賃急騰
③ウクライナ情勢→輸入品である小麦や油、燃油が品薄になり、あらゆる生活費が急上昇
④円安→2年前に比べて日本円の価値が2割ほど低下(=すべての価格が1.2倍に感じられる)
2022年にジョージアの物価が跳ね上がった最大の理由が、ウクライナでの戦争によりジョージアに大量に流れてきたロシア人やウクライナ人によるものでした。
彼らが短期間に大人数でやって来たことで家賃相場は一気に2倍や3倍になり、外食需要の高まりから飲食店の価格も急騰。
戦争による石油価格の上昇から移動費は1.5倍~2倍となり、物流の停滞への不安から油や砂糖など輸入品の食品価格も跳ね上がることとなりました。
これらの物価上昇に円安は関係なく、現地通貨のラリ建てでこれほどに上昇しているのが恐ろしい点。
私たち日本人にとっては、ジョージアラリに対する円の価値が下がっているため、上記の物価上昇に拍車をかけて物価が上がったように感じられる…というわけ。
まさに戦争と円安のダブルパンチです。
しかしながら、2023年の一年間を通して、ウクライナ人やロシア人の数はかなり減少しました。
国に戻った人もいれば、ジョージアから別の国へと飛び立った人も少なくありません。
ジョージア人にとって、いわば「太客」だったロシア人とウクライナ人が減少したことで、トビリシやバトゥミなどの大都市では家賃相場が緩やかに減少しはじめ、それにつられるようにホステルやホテルなどの宿泊費もかなり下がってきました。
また、物資の供給が安定しつつあることから、2023年を通して食料品の価格もぐっと下がりました。
油や卵、砂糖など、価格が跳ね上がっていた商品はどれもコロナ禍の水準まで価格が下がり、日常生活においてお得感が感じられるようになりました。
これら2023年のジョージアの物価のゆるやかな下降をひとことで表すなら、ウクライナ戦争によるジョージアのバブルのような好景気が終焉しつつあるというわけです。
こんな背景で迎えた2024年。
過去数年に比べると少し物価が下がったことは肌で感じられるのですが、実際にどうなのでしょうか。
コロナ禍以前によく言われていた「月五万円あれば生活できる!」という夢のような時代は戻って来るのでしょうか…?詳しく見ていきましょう。
2024年のジョージアの物価:食費
まずは、ジョージア旅行の楽しみの一つでもある食事にかかる費用に関して。
短期の旅行者であっても、長期滞在をしようと考えている人にとっても、日々の食費は家計に直結するもの。
ファストフードやレストランでの食事、スーパーでの食料品など、あらゆる面におけるジョージアの食費の変化を見ていきましょう。
ファストフード
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
シャウルマ | 5GEL (=¥165) | 7GEL (=¥281) | 8GEL (=¥394) | 8GEL (=¥419) |
グヴェゼリ | 1GEL (=¥33) | 1.5GEL (=¥60) | 1.5GEL (=¥74) | 1.5GEL (=¥79) |
ハチャプリ | 6GEL (=¥198) | 8GEL (=¥322) | 10GEL (=¥493) | 10GEL (=¥525) |
手軽に&格安で購入できるファストフードの価格は、横ばいといった感じ。
ウクライナの戦争勃発直後は、原料である小麦の価格高騰をダイレクトに受けて一気に値上がりしましたが、2024年はだいぶ価格が安定しているように思います。
主食であることからジョージア政府が価格決定権を持つパンの値段は現在1.5GEL(¥79)ほどに上がっており、家計を直撃しています。
レストラン等の外食費
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
安食堂でランチ (2品+飲み物) | 15GEL (=¥496) | 18GEL (=¥724) | 20GEL (=¥986) | 20GEL (=¥1051) |
安食堂でディナー (3品+アルコール) | 25GEL (=¥828) | 30GEL (=¥1207) | 33GEL (=¥1627) | 30GEL (=¥1576) |
シュクメルリ | 18GEL (=¥596) | 20GEL (=¥805) | 22GEL (=¥1084) | 22GEL (=¥1156) |
ヒンカリ10個 | 8GEL~10GEL (=¥265~¥331) | 12GEL~15GEL (=¥483~¥603) | 13GEL~15GEL (=¥641~¥739) | 13GEL~15GEL (=¥683~¥788) |
もともと、ジョージアは物価に比べて外食費がかなり高い部類の国でしたが、2020年当時はまだ割安感がありました。(一皿の量も多いし)
しかしながら、2022年から外食の価格帯はじわじわと上がり続け、ローカル食堂であってもあまりお得感が感じられなくなってきています。
ジョージアラリで考えると2024年は横ばいとなっている外食費ですが、日本円に換算すると話は別。
もはや日本の外食費と変わらないか、日本の方が安いレベルです。
油や小麦などの価格高騰は落ち着いたのですが、一度値上がりしてしまった外食費はなかなか下がりにくいのだと思います。
カフェ/アルコール/嗜好品
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
インスタント (商店で) | 0.5GEL (=¥16) | 0.8GEL (=¥32) | 1.2GEL (=¥59) | 1.2GEL (=¥63) |
コーヒー (カフェで) | 3GEL (=¥96) | 5GEL (=¥201) | 6GEL (=¥296) | 5GEL (=¥263) |
カフェラテ (カフェで) | 5GEL (=¥165) | 7GEL (=¥281) | 8GEL (=¥394) | 7GEL (=¥368) |
「外に出てコーヒーや紅茶を嗜む」という喫茶文化が強く根付いていなかったジョージアでは、もともとコーヒー類やカフェの価格帯は高めでした。
2022年~2023年にかけては一気に値上がりしたのですが、2024年になるとカフェで飲むコーヒーの価格がぐっと下がったように思います。
その理由が、戦争で逃れてきたロシア人向けにあまりにも多くのカフェがオープンしたため。
カフェ間の価格競争も激しく、コーヒーの価格はぐっと下がりました。
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
缶ビール (500ml) | 2GEL (=¥66) | 3.2GEL (=¥128) | 3.5GEL (=¥173) | 3.5GEL (=¥184) |
ボトルビール (2.5ℓ) | 7GEL (=¥231) | 8.5GEL (=¥342) | 9GEL (=¥444) | 9GEL (=¥473) |
ボトルワイン (中級クラス) | 12GEL (=¥397) | 15GEL (=¥603) | 18GEL (=¥887) | 20GEL (=¥1051) |
自家製ワイン | 8GEL~ (=¥265) | 12GEL~ (=¥483) | 15GEL~ (=¥739) | 12GEL~ (=¥630) |
バーでビール1杯 (500ml) | 3GEL~ (=¥99) | 5GEL~ (=¥201) | 6GEL~ (=¥296) | 5GEL~ (=¥263) |
タバコ1箱 (Marbolo) | 5.4GEL (=¥178) | 6.4GEL (=¥257) | 6.7GEL (=¥330) | 8GEL (=¥420) |
アルコール類に関しては、ほとんど横ばいか若干安くなっている印象。
特に、バーなど外で飲むビールの価格が前年に比べて安くなっている印象を持ちます。
これも理由はカフェと一緒で、ロシア人経営の新しいバーが多くオープンして価格競争が起こったため。
正直、カフェもバーも飽和状態にあると言えます。(地元の人は価格が高すぎるのでまず足を運ばない)
タバコの値上がりはコロナ禍の初期からジワジワと進んでいましたが、もはや東欧やバルカン諸国の方が安く感じられるレベル。
それでもヨーロッパや北米に比べればまだまだ低い価格に抑えられていますし、銘柄によっては5GEL(=¥262)~で購入できるものもちゃんとあります!
スーパーマーケットの食料品
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
水1本 (1.5ℓ) | 1.25GEL (=¥41) | 1.45GEL (=¥58) | 1.6GEL (=¥79) | 1.19GEL (=¥62) |
牛乳1ℓ | 3.5GEL (=¥115) | 4.3GEL (=¥173) | 4.7GEL (=¥232) | 5.3GEL (=¥278) |
米1kg | 3.5GEL (=¥115) | 4.9GEL (=¥197) | 5.8GEL (=¥286) | 5.1GEL (=¥268) |
鶏肉1kg | 12GEL (=¥397) | 12.9GEL (=¥519) | 16.75GEL (=¥826) | 17.65GEL (=¥927) |
卵12個 | 4GEL (=¥132) | 5.9GEL (=¥238) | 6.3GEL (=¥311) | 6.49GEL (=¥341) |
じゃがいも1kg | 1.5GEL (=¥49) | 1.6GEL (=¥64) | 2GEL (=¥99) | 2GEL (=¥105) |
トマト1kg | 3GEL (=¥99) | 3.8GEL (=¥153) | 4.25GEL (=¥210) | 4.5GEL (=¥236) |
りんご1kg | 2.8GEL (=¥92) | 3.5GEL (=¥141) | 3.45GEL (=¥170) | 3.6GEL (=¥189) |
のぶよ個人的にはかなり価格が下がったと思っていた食料品ですが、あれれ…?
データによると、多くの品物が2023年に比べて微妙に上がっているという結果に。
いったいどういうことなのかと考えたところ、地域による価格差が大きいのではないかという結論に至りました。
データの価格はすべてトビリシの平均値であり、のぶよが滞在しているバトゥミの食料品価格はこれより2割ほどは安い印象です。
食料品の価格に関しては、正直ピンキリ。
安いスーパーに通ったり、地元の人が食べるものと同じような食材を購入するなど、いくらでも抑えようがあります。
まあ、2022年と2023年の鬼のような値上がりに比べれば、2024年の値上がりは微々たるものだと個人的には感じています。
2024年のジョージアの物価:市内交通・長距離移動費
旧共産圏の国あるあるなのですが、ジョージアでは市内交通や長距離交通にかかる移動費はかなり安く抑えられていました。
地下鉄はどこまで行っても0.5GEL(=¥16)と破格でしたし、マルシュルートカと呼ばれるミニバスで1時間移動しても3GEL~5GEL(=¥99~¥165)と、この国をあちこち見てまわりたい旅行者の強い味方でした。
それらはもう過去の話。
2022年のウクライナ戦争勃発による原油価格高騰によって、ジョージアの移動費はそれ以前に比べて1.5倍~2倍に。
高騰した移動費は2024年になっても下がることなく、横ばいとなっています。
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
ミニバス30分 (トビリシ~ムツヘタ) | 1.5GEL (=¥48) | 2GEL (=¥81) | 2GEL (=¥99) | 2GEL (=¥105) |
ミニバス3時間 (トビリシ~クタイシ) | 15GEL (=¥495) | 20GEL (=¥805) | 20GEL (=¥986) | 20GEL (=¥1051) |
バス長距離移動7時間 (バトゥミ~トビリシ) | 25GEL (=¥828) | 36GEL~ (=¥1449) | 40GEL~ (=¥1972) | 36GEL~ (=¥1891) |
鉄道移動7時間 (バトゥミ~トビリシ) | 20GEL (=¥662) | 25GEL~ (=¥1006) | 36GEL~ (=¥1774) | 36GEL~ (=¥1891) |
トビリシ市内交通 (地下鉄・路線バス) | 0.5GEL (=¥16) | 1GEL (=¥40) | 1GEL (=¥49) | 1GEL (=¥52) |
タクシー初乗り | 3GEL (=¥99) | 3GEL (=¥121) | 3.5GEL (=¥173) | 4GEL (=¥210) |
タクシー1kmごと | 1GEL (=¥33) | 1GEL (=¥40) | 1.75GEL (=¥86) | 2GEL (=¥105) |
かつては「どれだけタクシー移動しても格安!」なんて言われていたジョージアのタクシー料金の相場に関しても、じわじわと値上がりしている状態。
数年前に比べると、同じ距離を移動した際にかかる料金は2倍以上(日本円換算すると3倍以上)となっています。
2024年のジョージアの物価:宿泊費・アパートの家賃
2022年2月にウクライナ戦争が勃発した際、一気に急騰したのが家賃相場。
トビリシとバトゥミの二大都市に関しては、戦争勃発からたったの数週間の間に家賃相場がそれ以前の3倍以上に急騰したことも。
地元の人が住む部屋が見つからなかったり、それ以前から住んでいた人が追い出されたり…といったケースが多く発生し、社会問題と化しつつありました。
もはや東京より高いレベルにまで急騰したトビリシとバトゥミの家賃相場は、賃貸ではない宿代の相場も急上昇させます。
「そんなに家賃を払えない!」という地元の人や外国人が、ホステルやゲストハウスなど旅行者向けの宿泊施設に流れたため、各宿のオーナーが「しめた!」とばかりに宿代を釣り上げたためです。
いくら食事を質素にしたりや買い物を控えたり…と節約しても、出費の大部分を占めるのが家賃というもの。
当時のジョージア都市部では「もはや生きているだけで高い」という異常事態となっていたわけです。
そんな阿鼻叫喚のウクライナ戦争初期から約2年が経過した2024年。
現在のジョージアの宿泊費と家賃の相場が一体どうなっているかというと…
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
ホステル (ドミトリー) | 8GEL~12GEL (=¥265~¥397) | 15GEL~20GEL (=¥603~¥805) | 15GEL~20GEL (=¥739~¥986) | 12GEL~18GEL (=¥630~¥945) |
ゲストハウス (1部屋あたり) | 20GEL~ (=¥662) | 30GEL~ (=¥1207) | 30GEL~ (=¥1479) | 25GEL~ (=¥1313) |
格安ホテル (1部屋あたり) | 20GEL~ (=¥397) | 30GEL~ (=¥1207) | 30GEL~ (=¥1479) | 25GEL~ (=¥1313) |
中級ホテル (1部屋あたり) | 100GEL~ (=¥3312) | 130GEL~ (=¥5232) | 130GEL~ (=¥6408) | 120GEL~ (=¥6303) |
高級ホテル (1部屋あたり) | 150GEL~ (=¥4969) | 200GEL~ (=¥8050) | 200GEL~ (=¥9859) | 180GEL~ (=¥9455) |
ボロアパート (1LDK/月) | 400GEL~ (=¥13200) | 700GEL~ (=¥28177) | 900GEL~ (=¥44365) | 800GEL~ (=¥42022) |
おしゃれアパート (1LDK/月) | 900GEL~ (=¥29700) | 1600GEL~ (=¥64406) | 1800GEL~ (=¥88731) | 1500GEL~ (=¥78791) |
ホステルもゲストハウスもアパートも…ジョージアの宿泊費や住居費は驚くほどに下がっています。
円高の影響があるため、日本円に換算するとそこまで恩恵が感じにくいものの、ジョージアラリで考えると20%~25%ほどとかなりの下降具合です。
2024年のジョージアの宿代&家賃相場がぐっと下がった最大の理由は、やはりロシア人とウクライナ人が減ったため。
それまで毎月高額な家賃を払うことを厭わない層の人々が、ジョージアを去って新天地や母国へと去ってしまったため、それまでの2年間甘い汁を吸い続けていた不動産所有者は涙目というわけです。(あ~いい気味)
また、アパートの価格が下がり、予算に見合った住居が探しやすくなったことから、それまでホステルやゲストハウスで暮らしていた人々の多くはアパートに流れました。
その結果、かつてはどこも満員&値段を釣り上げていたホステルやゲストハウスも本来の適正価格に値下がりしました。
かつて「ジョージアが安い!」と言われていた最大の要因が、周辺諸国の追随を許さないレベルの宿泊費や住居費の割安さにありました。
食料品や外食費、日用品などの価格は、もともとそこまで激安ではなかったので。
ジョージアが多くの旅行者や長期滞在者を惹きつける最大の要因となった、宿泊費&住居費の安さという根本的な部分が少しずつ昔の水準に戻りつつあるということは、外国人にとっては嬉しいこと。
毎日かかる&滞在時の予算の大部分を占める「住むためのお金」が低く抑えられると、全体の出費も大きく下がると思います。
2024年のジョージアの物価:観光スポットへの入場料
ジョージアを旅行する人の多くが訪れる、「定番」とされる見どころの数々。
この国の豊かな歴史を伝える見どころから、ぜひチェックしておきたいミュージアムまで…せっかく旅行するなら、一度は足を運びたいスポットが多くあることでしょう。
コロナ禍が終焉し、観光客が戻ってきた2023年のジョージアでは、まるで旅行者の足元を見るかのように観光スポットやミュージアムへの入場料が値上げされました。
2023年以前 | 2024年 | |
野外民俗博物館 (トビリシ) | 5GEL (=¥263) | 20GEL (=¥1050) |
ソ連占領博物館 (トビリシ) | 10GEL (=¥525) | 30GEL (=¥1575) |
ウプリスツィヘ洞窟住居群 (ウプリスツィヘ) | 15GEL (=¥788) | 15GEL (=¥788) |
スターリン博物館 (ゴリ) | 15GEL (=¥788) | 15GEL (=¥788) |
ヴァルジア洞窟住居群 (ヴァルジア) | 12GEL (=¥630) | 15GEL (=¥788) |
ボルジョミ中央公園 (ボルジョミ) | 2GEL (=¥99) | 5GEL (=¥263) |
ダシュバシ渓谷 (ツァルカ) | 無料 | 49GEL (=¥2574) |
ラバティ城 (アハルツィヘ) | 7GEL (=¥368) | 18GEL (=¥946) |
マルトヴィリ渓谷 (マルトヴィリ) | 17.25GEL (=¥906) | 17.25GEL (=¥906) |
いかがでしょう…日本の観光地よりも高い入場料をとるスポットもいくつかあり、正直躊躇してしまうレベルです。
特にここ数年での入場料の値上がり幅が激しいのが、トビリシのミュージアムや美術館。
正直、トビリシのミュージアムは世界的に有名な作品があるわけでもなく、展示方法などのクオリティーも高いとは言えません。
それに1000円以上の入場料とは…ちょっとやりすぎな印象も受けます。
「なんか…ジョージア旅行お金かかりそうだな…」なんておもったそこのあなた!
入場料をとるような観光スポットは正直割高な価格に感じられますが、ジョージアには無料の観光スポットが多く存在している点も忘れてはいけません。
修道院や教会への入場は例外なく無料ですし、歴史ある城塞なども多くは入場無料。
ジョージアという国のシンボルであるコーカサスの大自然の風景だって、もちろん無料で見ることができます。
「ジョージア旅行の定番」とされるスポットのうち、3分の2以上は入場無料の場所ばかり。
定番ではない穴場スポットに関しては、ほとんどが無料で見学できる場所となっています。
ヨーロッパ諸国のように「お金を払わないとその国の観光ハイライトが見られない」なんてことは、ジョージアには当てはまりません!
2024年のジョージアの旅行1日にかかる予算&1か月の生活費の目安
2024年のジョージアの物価をひとことで表すなら、「2023年と比べて横ばいか、やや下がった」といった感じ。
日本人にとっては、止まらぬ円安のせいで恩恵が感じられにくいのが残念ですが、現地通貨で考えるとかなり物価高騰が落ち着いてきた実感があります。
ここからは、ジョージアを2024年に旅行&滞在してみようと考えている人にために、1日の旅行に必要な予算を考えていきます。
・節約バックパッカースタイル:外食は1日1回まで!安宿に泊まって削れるところは削る旅
・快適エコノミー旅行スタイル:外食や観光はぬかりなく!個室泊でも贅沢はしすぎない旅
▲ 毎年、上の2種類の旅行スタイル別にで予算モデルを計算しているのですが、2024年はどうなるのでしょうか…!
例年とまったく同じ条件で、現在のジョージア旅行にかかる予算を計算してみました。
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
朝食 (グヴェゼリ) | 1GEL (=¥33) | 1.5GEL (=¥60) | 1.5GEL (=¥74) | 1.5GEL (=¥79) |
昼食 (ローカル食堂) | 15GEL (=¥496) | 18GEL (=¥724) | 20GEL (=¥986) | 20GEL (=¥1051) |
夕食 (自炊) | 4GEL (=¥132) | 6GEL (=¥241) | 7GEL (=¥345) | 6GEL (=¥315) |
市内移動 (基本は徒歩) | 0GEL (=¥0) | 0GEL (=¥0) | 0GEL (=¥0) | 0GEL (=¥0) |
長距離移動 (バス3時間) | 15GEL (=¥496) | 20GEL (=¥805) | 20GEL (=¥986) | 20GEL (=¥1051) |
宿泊 (ホステルのドミトリー) | 10GEL (=¥331) | 18GEL (=¥724) | 18GEL (=¥887) | 14GEL (=¥735) |
観光 (有名どころだけ入場) | 10GEL (=¥331) | 10GEL (=¥402) | 15GEL (=¥739) | 15GEL (=¥788) |
缶ビール1本 | 2GEL (=¥66) | 3.5GEL (=¥141) | 3.5GEL (=¥173) | 3.5GEL (=¥184) |
合計 | 57GEL (=¥1888) | 76.7GEL (=¥3081) | 85GEL (=¥4190) | 80GEL (=¥4202) |
2020年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
朝食 (カフェで軽食) | 10GEL (=¥331) | 15GEL (=¥603) | 17GEL (=¥838) | 15GEL (=¥788) |
昼食 (ローカル食堂) | 15GEL (=¥496) | 18GEL (=¥724) | 20GEL (=¥986) | 20GEL (=¥1051) |
夕食 (レストラン) | 35GEL (=¥828) | 35GEL (=¥1408) | 40GEL (=¥1972) | 35GEL (=¥1838) |
市内移動 (公共交通利用) | 0.5GEL (=¥16) | 1GEL (=¥40) | 1GEL (=¥49) | 1GEL (=¥52) |
長距離移動 (バス3時間) | 15GEL (=¥496) | 20GEL (=¥805) | 20GEL (=¥986) | 20GEL (=¥1051) |
宿泊 (安ホテル個室) | 25GEL (=¥828) | 40GEL (=¥1610) | 40GEL (=¥1972) | 30GEL (=¥1575) |
観光 (有名どころ制覇) | 20GEL (=¥662) | 20GEL (=¥805) | 30GEL (=¥1479) | 30GEL (=¥1575) |
バーでビール1杯 | 3GEL (=¥99) | 5GEL (=¥201) | 7GEL (=¥345) | 6GEL (=¥315) |
カフェでコーヒー1杯 | 3GEL (=¥99) | 5GEL (=¥201) | 6GEL (=¥296) | 5GEL (=¥263) |
合計 | 120GEL (=¥3975) | 161GEL (=¥6480) | 177GEL (=¥8725) | 162GEL (=¥8509) |
さてさて…いかがでしょうか…
もちろん2022年以前に比べると高っっっかい!!と思ってしまいますが、ここ数年の値上がりは若干ましになったように思えます。
これらの旅行1日の予算はいずれも、「目いっぱい観光して、移動して、外食もして…」といった超アクティブな1日のモデル。
観光や移動を控えてのんびり過ごす日を設けたり、自炊の頻度を上げることで、もう少し出費を抑えることはもちろん可能です。
アクティブに動く日とのんびりする日を平均すると、以下くらいが目安となるはず。▼
・節約バックパッカースタイル旅行:1日2500円~(月7万5千円~)
・快適エコノミースタイル旅行:1日4500円~(月13万5千円~)
・1ヶ所ノマドスタイル滞在:1日2800円~(月8万4千円~)
これくらいが、2024年現在のジョージア旅行・滞在1日にかかる最低の予算だと思います。
これを安いと考えるか、高いと考えるかは人それぞれ。
しかしながら、世界的な物価上昇が叫ばれる2022年以降でも1日2500円ほどの予算で満足に旅できるという点を踏まえると、ジョージアはまだましな方なのではないかと思います。(というか、かつてがあまりにも安すぎた)
まとめ:ジョージアは月5万円で生活できる?のぶよの1か月の出費を公開
もはや答えは明確であるような気がしますが、いちおう「ジョージアで月5万円で生活できるか」という話にも白黒つけておきましょう。
答えは、「月5万はまず無理!!!!
…でも、やろうと思えば5万円台ならいけるかも(小声)」です。
昨年(2023年)に書いた「ジョージアの物価」の記事では、「激安ホステルに籠って一日三食じゃがいもを食べて節約しようが、月5万は無理!!」と書きましたし、実際に月5万なんて夢のまた夢でした。
そんなのぶよが、2024年になって「いや、ジョージア、思ったより安くいけるのでは…?」と態度を軟化させたことにはある理由があります。
まずは、のぶよの先月(2023年12月)1か月の出費を見てください。▼
いかがでしょうか…衣食住すべて合計してほぼほぼ月6万円という結果に。
しかも、別に節約節約!と気にしていたわけではなく、毎日を慎ましくも普通に送っている感じでこれくらいの出費でした。
のぶよがこの1か月どんな生活をしていたかをもう少し詳しくまとめると、こんな感じ。▼
・外食:ローカル食堂で12回=週3回(お洒落レストラン等は行っていない)
・旅行:ビーチタウンで1週間バケーション
・宿泊:バトゥミのホステル(個室ではない/トビリシではない)
・移動:公共交通機関&徒歩のみ(タクシーは使っていない)
・日々の食事:ほぼ全てジョージアの現地料理を自炊(日本食や外国料理は食べていない)
・大きな買い物:一つもしていない
出費が抑えられた最大のポイントは、特別な材料や調味料が必要な日本食や外国の料理をほとんど食べなかったことでしょうか。
そもそものぶよはジョージアの一般家庭で食べられているような料理で満足なタイプなので、購入するのは地元産の商品=食材費はかなり安い方。
日本人はやたらと日本食にこだわる人が多いと思いますが、ジョージアにはないものを作ろうとすればするほどに、食材費はびっくりするほどに跳ね上がると思います。
日々の食材費に加えて、滞在先をアパートではなくホステルにしたり、タクシーを使わなかったり、外食する頻度や店の価格帯を考えれば、特に不自由なく月6万まではいけます。
そして!
先ほどのグラフ、特に左上の部分をもう一度よく見てください…▼
緑色の酒代と、黄緑色のタバコ代が占める比率にお気づきでしょうか…
外食費+食費の合計よりも、1か月の宿泊費よりも、多くの金額を費やしていて合計2万円以上…(震え声)
これさえなければ、月4万円台でいけていたかと思うと…なんだかもうやるせない気持ちになります。(ちょっとまじで禁酒と禁煙を考えてる)
というわけで、「酒は飲まないし煙草も吸わない!日々の食事は適当に現地の食材こねくり回したものでOK!」という人であれば、月5万円台の出費でジョージアに滞在することは2024年であっても可能です。
頑張れば、月4万円台も夢ではないかも…?
とはいえ、トビリシでは4万円台も5万円台も無理。
バトゥミやクタイシなど、比較的家賃相場や物価が安めな「地方都市に滞在するなら」という条件付きとなります。
誤解しないでほしいのが、このジョージア月5万円台滞在は万人向けではないこと。
・他人との共同生活を許容できるか?
・外食や飲み会などを極限まで控えることができるか?
・日本食やアジア料理なしで生きていけるか?
・せっかくジョージアに居るのに、どこにも旅行できなくても良いのか?
などなど、予算が限られている=我慢しなければいけない面がとてつもなく多いです。
のぶよはすでにジョージアに4年近く滞在しているため、毎月どこかに旅行に行きたいと思うことはなく、一か所でのんびり過ごしたい派です(冬という季節的に、どこへ行ってもあまり楽しめないからというのもあるけど)。
いっぽうで、ジョージアに初めて来る人が「月5万円台の出費に抑えたいから」という理由で、旅行や外食などを我慢しながら滞在するのは、完全に本末転倒ですし時間の無駄だと思います。
それなら、もっと物価が安い東南アジアなんかの国に滞在した方が良いかと。
1ヶ所だけ滞在ではなく、ある程度節約しながら色々旅行したり、本場のジョージアグルメを満喫したり…というスタイルだと、やっぱり月5万円台は無理。
贅沢をしない日々を過ごす予定であっても、最低でも7万円/月くらいの予算はみておくことを強くおすすめします。
というか、たかだか2万円ちょっとをケチって月5万円台に抑えることを最大の目的に、やりたいこともできない&食べたいものも食べられない毎日をジョージアで送るのって、不毛すぎるのでは。
お金を使わなくても楽しめる観光スポットやイベント、文化体験が目白押しであるのが、ジョージアという国の素晴らしい点。
節約しながらでも、この歴史と伝統にあふれた国の奥深い魅力を満喫することだって可能です。
目先の安さだけが取り沙汰される時代はすでに過去のものとなってしまいましたが、物価の安さ以上の楽しさが詰まっているのがジョージア。
欧米諸国に比べればまだまだ物価はましな方ですし、旅するハードルもものすごい高いわけではありません。
というわけでみなさん、2024年はジョージア旅行なんていかがでしょうか…!
当ブログにはジョージアのありとあらゆる旅行情報記事が200記事以上はあるので、ぜひともごひいきに!
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