こんにちは!ブルガリアに1ヶ月半滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ブルガリアを旅行するなら、伝統的なブルガリア料理に是非とも挑戦したいもの。
しかしながら、日本ではとてもマイナーなブルガリア料理。
いったいどんな料理なのかイメージすらわかない人も多いのではないでしょうか。
日本人の中では、「ブルガリア=ヨーグルト」。以上。(笑)
その料理にも、ヨーグルトが多く使われているように想像してしまいがちです。
実のところ、私たちが想像する以上にブルガリア料理はシンプル。
ヨーグルトを使ったり、トッピングとしてのせることは意外と珍しいんです。
今回の記事では、1ヶ月半のブルガリア滞在中に食べたおすすめのブルガリア料理22品を紹介します。
いつものように、だいたいの予算や食べられる場所の情報もシェアしているので、参考にしてください。
記事の後半では、ブルガリアでレストランを利用する際に知っておきたいこと(チップ、レストランの種類、etc)についても解説しています。
ブルガリア料理をひとことで!
・味付けは総じて薄め。卓上の調味料で好みの塩加減にするのがポイント
・煮込み料理は絶品ばかりでおすすめ!
・バルカン諸国よりもなぜかトルコ色は薄め
スープ類
ブルガリアで前菜として出されるのはスープが定番。
野菜を煮込んだシンプルなものから、肉が入ったボリューム満点のものまでそのバリエーションは様々です。
タラトール・スープ (Supa Tarator)
スープに対する概念が変わること間違いなしの一品が、タラトール・スープ。
液体状のヨーグルトにキュウリを入れ、仕上げにたっぷりのディルをのせた冷たいスープです。
いわば塩辛い牛乳なのですが、なんだかとても東欧の味がして意外にも美味しいです。
程よく塩気が効いていて、夏にはぴったりの料理です。
シュケンベ・チョルバ (Shkembe corba)
ブルガリアのスープの定番中の定番がシュケンベ・チョルバ。
牛モツのスープで、とろりとした白いスープに新鮮なモツを後入れしてできあがりです。
臭みは全くなく優しい味なので、朝食に食べるブルガリア人も多いそうです。
スパ・アグネシュカ (Supa Agneshka)
羊肉のスープであるスパ・アグネシュカは、小さく切った羊肉とお米が入った白濁色のスープ。
味付けはかなり薄めで、羊肉の臭みは全くありません。
香りづけにパセリが入っていたりディルが入っていたりと、お店によってまちまちです。
リビーナ・チョルバ (Ribina corba)
トマトベースの川魚のスープのリビーナ・チョルバは、美しい清流が流れるロドピ地方の名物。
ほぐした魚の身がこれでもかと言うくらいに入っていて、トマトの風味によく合います。
味付けも程よく、魚と野菜の旨味がとてもよく出ていました。
魚料理を食べる機会がかなり少ないブルガリアにおいては希少な存在です。
軽食・サイドメニュー
周辺諸国に比べて、ファストフード文化があまり発達していないブルガリア。
大都市に行けばケバブのスタンドなどは見かけるものの、ちょっと小腹が空いたときのチョイスに困ることもしばしばあります。
ここでは、ベーカリーやお惣菜屋などでテイクアウトして食べられるものや、バーでお酒のお供として提供される軽食類を紹介します。
ヴァニツァ (Vanitsa)
バルカン諸国全体ではブレク(Burek)という具入りのパイがポピュラーですが、ブルガリアではひと味異なるヴァニツァが主流です。
パイ生地の中に具が入っているのは共通なものの、ブルガリアで最もポピュラーなのは長ネギが入ったもの。
長ネギの風味と香ばしく焼き上げられたパイの相性は抜群です。
棒状のヴァニツァが手軽で食べやすいですが、ブルガリア西部のピリン地方では棒状のヴァニツァをとぐろで巻いたように円形にしたものが名物となっています。
ツァツァ (Tsatsa)
スプラットというニシン科の小魚をフライしたものをブルガリアではツァツァと呼びます。
レモンを絞って食べるのは世界共通のようで、ビールとの相性は抜群です。
ピレ・ハプキ (Pile Hapki)
なんてことはないチキンスティックであるピレ・ハプキは、ブルガリアのどこの食堂やバーにも置いてある定番の軽食メニューです。
ブルガリア人曰く、衣にゴマがふりかけてあるのが特別なんだとか。
想像通りの味ですが、軽食やおつまみにはおすすめ。
カルトフェニ・キュフテタ (Kartofeni Kyufteta)
ブルガリア風コロッケであるカルトフェニ・キュフテタは、じゃがいもをつぶしてチーズとディルを混ぜて丸め、焼いたもの。
日本のコロッケとは似て非なる味ですが、素朴な味がしてとても美味しいです。
中身には風味の強い羊のチーズが使われることが多く、なかなかボリュームのある一品です。
ストランジャンカ (Strandjanka)
ファストフード文化が希薄なブルガリアにおいて、伝統のファストフード的存在なのがストランジャンカ。
ブルガスなど黒海沿岸地方のみで食べられる、B級グルメのような存在です。
長めのトーストに、ハーブと塩胡椒で味付けした豚ひき肉をパテのように薄く塗って焼いたもので、軽食にはぴったり。
ブルガリアの他の地域では、「プリンツェサ(Printsesa)」と呼ばれる見た目が似た軽食があるのですが、こちらはキノコ類やチーズがのっているピザのような存在。
ストランジャンカとは似て非なるものです。
ミシュ・マシュ(Mish-Mash)
ブルガリア語で「ぐちゃぐちゃ」とか「ごちゃ混ぜ」を意味するミシュ・マシュ。
その名の通り、パプリカや玉ねぎなどの野菜にチーズを混ぜ卵でとじたものです。
味はまあ…見た目通りというか、そんな感じです(笑)
ブルガリアの家庭料理の定番だそうで、こんな見た目の割に意外と人気があるようです。
サルマ (Sarma)
トルコを中心に、東は中央アジア、西はバルカン半島に渡って食される、米とひき肉をブドウの葉で巻いたこちらの料理。
ブルガリアではサルマと呼ばれ、前菜としてもメイン料理としても食べられます。
ブルガリアのサルマの特徴は、ディルをふんだんに使用している点と、米をかなり固めに炊く点。
かなりハーブの風味が強い感じがし、米の芯が残っているような食感なので、好き嫌いが分かれるかもしれません。
中身の具の味付けは、ブルガリア料理あるあるでかなり薄め。
ルーマニアで食べるサルマーレ(ロールキャベツ)の方が数百倍美味しいです(笑)
煮込み料理
ブルガリアに来たなら是非挑戦してほしいのが、野菜や肉をじっくりと煮込んだ料理。
メハナ(Mehana)と呼ばれる田舎風の家族経営の食堂では、伝統的な陶器の器で煮込んだ料理を提供してくれることが多いです。
スヴィンスカ・カヴァルマ (Svinska Kavarma)
「カヴァルマ」とは、一口サイズに切った肉をパプリカとともにじっくり煮込んだ料理の総称。
店によって鶏肉だったり豚肉だったりするものの、なぜか牛肉は使われません。
のぶよが注文したのは「スヴィンスカ=豚肉」のカヴァルマ。
鶏肉の場合は「ピレシュカ (Pileshka)」となります。
パプリカの鮮やかな赤色の見た目とは裏腹に辛味は全くなく、なんとなく青椒肉絲を思い起こさせる味。(笑)
他のブルガリア料理同様に、余計な味付けはされておらず、あくまでも豚肉と野菜の旨味が引き出されていました。
食べ終わった後には、口の周りが真っ赤になっているという副作用もつきます(笑)
店によっては陶器の器で煮込んで提供してくれる場所もありますが、チープな食堂では大鍋で煮込んだものを小皿にのせて提供されます。
ギュヴェチェ (Gyuvetche)
ギュヴェチェとは、ブルガリア伝統の円形の陶器の器のこと。
その器で提供される煮込み料理を総称してギュヴェチェと呼び、地域や店によって様々なバリエーションがあります。
日本でいう鍋料理(土鍋で提供される料理の総称)のブルガリア版と考えると分かりやすいかもしれません。
のぶよが食したのは、牛ひき肉、ベーコン、じゃがいもなどを煮込んだものに卵を落としたギュヴェチェ。
いわば肉じゃがのような感じなのですが、素材の旨味が凝縮していてとても美味しかったです。
ボブ(Bob)
なんだか誰かの名前のようなボブ(Bob)は、パプリカや玉ねぎなどの野菜と豆をじっくり煮込んだ、ブルガリア風豆のシチューといったところ。
メインディッシュとして、パンと共に食べられます。
たっぷりのハーブで味付けされていて、なんだか少しカレーのような味がしました。
グリル料理
他のバルカン諸国に比べるとさほどポピュラーではないものの、ブルガリアでもスカラ(Skara)と呼ばれるグリル料理は定番の一つです。
炭をおこして焼いている店は絶対に外れがないので無条件でおすすめ。
逆に、観光地のど真ん中でいろいろなメニューの中の一つとしてグリル料理を出しているようなお店は基本的に美味しくありません。
どこのお店にも専用のグリルマシンがあったセルビアやコソボに比べると、グリル料理のレベルは総じて下がってしまうのが残念なところです。
キュフテ (Kyufte)
バルカン半島のどこででも食べられるミートボールは、ブルガリアではキュフテと呼ばれます。
スカラ(Skara)と呼ばれるグリルで焼いて提供されるのが一般的。
ハンバーグのようで、ぎっしり詰まったひき肉がジューシーで美味しいです。
ケバプチェ(Kebapche)
ブルガリアのどこででも食べられるケバプチェは、棒状のケバブ(肉を固めて焼いたもの)のこと。
「チェヴァピ」「チェヴァプチツィ」「チェヴァプ」など、国によって様々な名前で呼ばれるものの、バルカン半島(ルーマニア、アルバニア以外)ではとてもポピュラーなグリル料理です。
ブルガリアのケバプチェは他の国のものよりかなり長く、味付けに使用するハーブがかなり効いているのも特徴的です。
出来合いのものはどこででも食べられますが、焼き立てはとにかく絶品です。
ムサカ (Musaka)
ギリシャ料理のムサカは、ブルガリアでもとてもポピュラー。
じゃがいもとナス、ひき肉を重ねて焼き上げるのは同じですが、ブルガリアではヨーグルトをかけてオーブンで焼くのが主流です。
(店によっては、ヨーグルトを後がけして提供するところも。)
ブルガリア南部・ロドピ地方のビャパ・ムサカ(Byapa Musaka)はさらに独特。
ちょっと見た目がアレなのは置いといて。
ビャパ・ムサカは、ムサカがムサカたる所以であるじゃがいもを使わないのが一番の特徴。
鶏肉と野菜、ヨーグルトを層にしたものにチーズをのせて焼いたものです。
じゃがいもが入っていない(いわば、「鶏肉とヨーグルトのオーブン焼き」)ため、見たは一般的なムサカとは全く異なったドロドロした感じになりますが、味は絶品です。
パタトニク (Patatnik)
ロドピ地方の郷土料理で最もポピュラーなのがパタトニク。
ロドピ風じゃがいものパンケーキという感じのパタトニクは、細かく切ったじゃがいもにチーズをまぜたものを平たく伸ばし、フライパンで焼いたもの。
店によっては、仕上げにカシュカヴァル(Kashkaval)というチーズを乗せて提供するところもあります。
表面はカリカリ、中身はねっとりとしたじゃがいもの食感が味わえます。
日本人的には、お好み焼きを思い出してウスターソースが欲しくなること間違いなしの一品です(笑)
ピレ・トラキースキ (Pile Trakiski)
鶏肉とぶつ切りにした野菜をオーブンでじっくりと焼いたピレ・トラキースキは、ブルガリア南部のトラキア地方の名物。
ナス、パプリカ、玉ねぎ、ズッキーニなど沢山の野菜から出る水分と鶏肉の旨味が混ざったソースがとても美味しいです。
ピレ・ス・オリス (Pile s oriz)
ブルガリア風チキンライスであるピレ・ス・オリスは、骨つきのローストチキンと、チキンブイヨンを使って炊き上げたピラフの組み合わせ。
オーブンで鶏肉と米をこんがりと焼き上げた豪快な料理です。
鶏肉の焼き加減はとにかく最強。
ご飯にも程よく味が付いていて美味しいです。
ポークリブ (Svinski rebra)
ブルガリアのポークリブは、塩胡椒とハーブで味付けしてグリルしたシンプルなものが主流。
ソースなどは添えられず、あくまでも素材の味を堪能できます。
焼きたてはとても香ばしく、量のわりにすんなり食べられてしまうポークリブは、ビールのお供にも最適な一品です。
サチ (Satchi)
ブルガリア伝統のサチは、独特の円形の鉄板で焼いた料理の総称。
日本で言う陶板焼きにあたるのですが、そのサイズは比べ物にならないほど大きいです。
ブルガリアの山あいの地域でよく見られ、具は野菜やキノコ、肉が主流。
のぶよのおすすめは、牛、豚、鶏の三種類の肉とキノコ、地元産の野菜がたっぷり入ったサチ・ボリャル(Sachi Bolyar)。
味付けはブルガリア料理らしく薄めですが、何より素材が新鮮なので野菜の旨味がすごいです。
複数人でシェアするのが普通なので、一人分だと少々割高に感じるものの、ブルガリアの地方部に行くなら是非挑戦したい一品です。
日本にたった一軒しかないブルガリア料理レストランでは、本場と変わらない味の料理を提供しています。
ブルガリアでレストラン利用時の食事マナーとアドバイス
ブルガリアでチップは必要?
他の東欧・バルカン諸国同様、ブルガリアにはチップの習慣はありません。
お会計時には合計金額を払えばOKです。
しかしながら、ブルガリア人はお釣りの小銭をそのまま残していく人も多いです。
知っておきたい!ブルガリアのレストランのタイプ
「予算に限りはあるけど、ブルガリアの名物料理に挑戦したい!」
そんなのぶよと同じタイプの旅人にとって、レストラン選びはとても重要。
ファストフード文化があまり発展していないブルガリアでは、あらかじめ低予算でも美味しい食事ができる場所を知っておくのがポイントです。
ここでは、あまりお金をかけずにブルガリア料理が食べられる3つのレストランのタイプを紹介します。
ペカルナ
ブルガリアではベーカリーのことをペカルナ(Pekarna)と呼びます。
朝から営業しており、パン以外にもヴァニツァやピザ、菓子パンなど様々な軽食類を置いています。
セルフサービス形式の食堂
バックパッカーが最もお世話になるのが、出来合いの料理を指差しで注文できるセルフサービス形式の食堂。
味ではレストランに敵いませんが、言葉がわからなくても見た目で選べる手軽さと、リーズナブルな料金は大きな魅力です。
どこの町にも必ず一軒はあるこのタイプの食堂を利用するコツは、ランチタイムに地元の人が多く出入りしている場所を狙うこと。
ランチタイムには出来たての料理を提供していることが多く、地元の人がやって来るということは味はお墨付きというわけです。
さらに安く済ませたいなら、閉店間際の利用もおすすめ。
多くのセルフサービス形式のでは、閉店1時間前くらいから全品半額になるサービスを実施しているためです。
残りものなので品質は少々下がりますが、そもそもこうした食堂の料理なんてどっこいどっこいです(笑)
メハナ
ブルガリア滞在中に一度は挑戦してほしいのが、メハナ(Mehana)と呼ばれる家族経営の居酒屋兼食堂での食事。
価格は少々上がるものの、手間暇かけたブルガリアの伝統料理がいただけます。
メハナの内装は伝統的な雰囲気のところが多く、木を基調とした店内にはその地方の伝統工芸品や刺繍などが飾られていて、ブルガリアにいることを強く感じられます。
メハナで是非挑戦したいのが、煮込み料理。
グリル料理もいいのですが、グリルをメインにしているお店で食べた方が確実に美味しいです。
都市部ではなかなか見られないメハナですが、地方都市や山岳部の村へ行けば必ず見つけられます。
時間には余裕を持って!
ブルガリア全体に言えることなのですが、とにかくサービスがゆっくりめです。
それはレストランにおいても同様で、注文から提供まで長い時間がかかることは普通。
特に、スカラ(Skara)と呼ばれるグリル料理を注文した場合は、注文を受けてからじっくり焼き上げるので、20分以上の時間がかかることも。
手早く食事を済ませたいなら、スープやサラダを注文するか、先述のセルフサービス形式の食堂を利用しましょう。
一味違うブルガリア料理を食べるなら、ロドピ地方へ!
↑ロドピ地方の中心都市・スモリャン(Smolyan)
のぶよ的にはちょっと味つけが薄すぎるブルガリア料理。
普通のブルガリア料理に飽きたなら、ブルガリア南部のロドピ地方へ足を伸ばしてみましょう。
ロドピ山脈に囲まれた小さな村々が点在するロドピ地方は、美食の宝庫。
大自然の中で育まれた肉類や乳製品はもちろん、野菜やキノコ類、渓流でとれる川魚など、豊かな食材を利用したロドピ料理はとにかくハズレがありません。
オスマン帝国支配時代の影響が強かったロドピ地方は、現在でもポマク(Pomak)と呼ばれるイスラム教徒のブルガリア人が多く居住する地域。
山のすぐ向こう側はギリシャという地理的要因もあり、各国の料理が強く混ざった独特の食文化が形成されたのです。
ロドピの郷土料理をウリにするメハナや、地元の人が通うような安食堂まで、どこで何を食べても絶品料理に出会うことができますよ。
おわりに
日本ではほとんど食べる機会がないブルガリア料理を紹介してきました。
比較的国土が大きなブルガリアの食べ物は、地域によってもバリエーションが大きく、訪れる地域それぞれで名物料理が食べられるのも特徴的です。
全体的に田舎風のじっくりと調理されたものが多いブルガリア料理はどれも素材の旨味を活かした優しい味。
そして物価の安いブルガリアでは気軽にレストランを利用することができるのも嬉しい点です。
今回紹介した料理はブルガリア料理の定番であり、是非一度は味わってほしいものばかり。
ブルガリア旅行の際には、できる限りたくさんの絶品料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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