こんにちは!ジョージア滞在もまもなく3年、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
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ジョージア西部のビーチシティー・バトゥミに滞在すること6か月越え…
「いったいいつまで居座ってるの…?大丈夫そ…?」なんて声が聞こえてきそうですが、それなりにこの町での滞在を楽しんでいます。
以前から声を大にして言っているのですが、バトゥミはジョージアで唯一無二の食いだおれの町。
人口15万人ほどの小都市だとは信じられないほどに、数多くのローカル食堂が点在しているのです。
ローカル食堂で味わう定番のジョージア料理も素晴らしいのですが、今回紹介するのは少し趣向が異なるお店。
ギリシャ料理をメインに提供するCafe Elladaという小さなレストランです。
バトゥミ旧市街の一角でひっそりと営業するCafe Elladaは、「格安で美味しいギリシャ料理が食べられる」と口コミで話題になりつつあるお店。
小綺麗な店内の感じを見ると小洒落たレストランのように思えますが、ここの価格帯は完全なる食堂価格なのも嬉しいです。
そしてもちろん、充実したギリシャ料理のメニューはどれも絶品ぞろい。
ジョージアでは珍しいギリシャ料理をコンプリートしに、何度でも通いたくなります。
今回の記事は、バトゥミ滞在時に一度は訪問してみたいCafe Elladaを特集するもの。
黒海目の前の町でエーゲ海の風を感じに、いざ…!
気分はサントリーニ島!バトゥミ旧市街のギリシャ料理店へ潜入
Cafe Elladaが位置しているのは、バトゥミ観光の中心となる旧市街エリアの一角。
バトゥミの旧市街はそれほど面積が大きいわけではないのですが、Cafe Ellada周辺にはなぜか観光客の姿は少なく、地元の人が買い物や食事に立ち寄るようなお店が並んでいるような雰囲気です。
青に塗られたガラス張りの扉を抜けると、そこはもうバトゥミではありません。
白い壁を背景にして、青に統一された家具やテーブルが並ぶ、ギリシャ国旗モチーフを具現化したような空間が広がっています。▼
Cafe Elladaは入口がある地上階と階段を下った先の地下階の二層構造。
とはいえ店の規模は小さく、全部で10卓ほどのテーブル席があるだけです。
内装の統一感も小物のセンスも素敵なのですが、椅子やテーブルクロスまで白と青に統一されているのには驚き。
正直、ジョージアの一般の飲食店においてここまで内装にこだわった店はそれほど多くないためです。
地下階にはエーゲ海に浮かぶサントリーニ島(?)の小道が描かれた巨大な写真があり、ここだけ切り取るともはやギリシャ旅行に来たような気分に。
目を瞑ればエーゲ海の陽光と潮風が五感を刺激してくるかのようです。(そう、すべては気持ちの問題)
とうとう!!!ギリシャ入国!!!さようならジョージア!!! pic.twitter.com/DKwFFVe8sl
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) April 30, 2023
そもそも「どうしてバトゥミにギリシャ料理店?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、実はここジョージア西部地域とギリシャは歴史的に無関係ではありません。
遥か二千年ほど前、ギリシャ系のコルキス王国がバトゥミ周辺で栄えた歴史的事実はもちろんのこと。
ギリシャ神話に描かれた「黄金の羊伝説」の舞台はここジョージア西部地域だと言われており、ジョージア西部と古代ギリシャ世界とのつながりを感じさせます。
ギリシャ南部を支配していたボエオティア王の息子・フリクソスは、継母によるいじめに悩まされていました。
ある日、とうとう継母の策略に引っ掛かり、フリクソスは絶対絶命の危機に。
彼を救ったのは、どこからともなく現れた、黄金の毛と羽を持つ空飛ぶ羊でした。
ギリシアから空飛ぶ黄金の羊に乗ったフリクソスは、黒海を越えてコルキス(古代の西部ジョージアを治めていた王国)に到着します。
コルキス王アイエトスは、海を越えてやって来たフリクソスを丁重にもてなし、自身の娘であるチャルシオペと結婚させることに。
フリクソスは感謝の印として、海神ポセイドンへの生贄に羊の肉を捧げ、アイエトス王にその黄金の毛皮を献上します。
アイエトス王は、黄金の毛皮を聖木に吊るし上げて飾り、飼っていたドラゴンに寝ずの晩をさせたと言います。
コルキス王国に黄金の羊の毛皮があるという話は、黒海を隔てたギリシアで瞬く間に噂となりました。
その噂を聞きつけたある男が、海を越えて黄金の毛皮を盗みに行く旅を計画します。
彼の名はジェイソン。
ジェイソンは「アルゴ」の名を冠する船団の力を借り、黒海の東岸・コルキス王国に到着。
コルキス王アイエトスの娘であり魔力に長けていたメデアの力を借り、とうとう黄金の羊の毛皮を発見します。
ジェイソンとメデアは黄金の毛皮を手にコルキス王国を脱出し、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
歴史的なつながりのみならず、現在でもギリシャ系ジョージア人は少数ながらもこの国に居住しており、なんとここCafe Elladaのおばさんもギリシャ系なのだそう。
もちろんギリシャ語を話すことができ、ルーツのあるギリシャの料理を提供するお店を開いたのだそうです。
Cafe Elladaのメニュー
Cafe Elladaのメニューは、とにかく種類が豊富。
看板メニューのギリシャ料理だけでも十数種類の異なる料理が用意してあります。
ギリシャ料理に関して知識がないのぶよ的には、どれもこれも聞き慣れないものばかり。
ムサカやスフラキなど「定番」とされるものから、どう発音するのか不明なものまで…すべて制覇したくなってしまいます。
何より驚かされるのが、良心的な値段。
ジョージアで外国料理を提供するレストランでは、どれもかなり割高なのが一般的ですが、このお店のギリシャ料理は7.5GEL~12GEL(=¥375~¥600)とリーズナブル。
ローカル食堂でジョージア料理を食べるのと変わらない値段で、未知なるギリシャ料理が楽しめるなんて…!
ギリシャ料理以外にも、ジョージア料理の定番系もほとんど揃っているのもCafe Elladaのすごいところ。
もちろん価格も、バトゥミの平均価格より少し安いくらいの良心的さです。▼
こんなに多種多様なメニューが揃っていると、いったい何を頼めば良いのか迷ってしまうもの。
しかしながら、せっかくのギリシャ料理のお店なので、ここはやっぱりギリシャ料理に挑戦してみましょう!
どれも絶品!Cafe Elladaのギリシャ料理たち
「安かろう悪かろう」なんて言葉がありますが、Cafe Elladaに関しては当てはまりません。
盛り付けも、ボリュームも、味も、リーズナブルな値段からは信じられないほどにクオリティーが高いのですから。
おすすめの一つが、ギリシャ料理の定番中の定番であるムサカ(Moussaka / Μουσακάς)。
じゃがいもとひき肉、ナスとチーズを重ね焼きにしたもので、ギリシャ風グラタンのような料理です。
オーブンで焼かれてすぐのアツアツの状態で提供してくれ、絶妙な味付けにノックアウトされます。
ギリシャ風BBQ串のスフラキ(Souvlaki / Σουβλάκι)もおすすめ。
豚肉か鶏肉か選ぶことができ、サラダとフライドポテト、ピタパンにツァジキソース(ヨーグルトとオリーブオイルのソース)がついた大ボリュームの一品となっています。
単品でも注文できるピタ(Pita / Πίτα)は、もちろん自家製。
ふんわりもっちりした食感が美味しく、ツァジキソースにディップして食べれば口内は完全にエーゲ海に…!
その他の聞いたことのないようなギリシャ料理も絶品だらけ。
・スズカキヤ(Soutzoukakiya / Σουτζουκάκια):ギリシャ風のミートボール。ハーブが効いていて美味しい
・ヒリノ・レモナート(Hirino Lemonato / Χοιρινό λεμονάτο):豚肉のレモン煮込み。驚異的に美味しい。
などを食べましたが、とにかくどれもハズレなしで抜群の美味しさ。
「このクオリティーでこの値段…?」と、経営が大丈夫なのか心配になってしまうほどでした。
いずれのメニューも一皿のボリュームが多めなので、頼みすぎには要注意。
万が一食べきれなかった場合は、お持ち帰り用の箱をお願いすることもできますよ!
おわりに
バトゥミで心からおすすめしたいギリシャ料理店、Caffe Elladaを紹介しました。
ジョージア料理に飽きてしまった際にはもちろん、リーズナブルかつ良い雰囲気のお店で食事がしたい場合にもおすすめです。
良心的な値段も、エーゲ海の風を感じる絶品料理の数々も、こだわりが光るお店の雰囲気も、温かく迎えてくれる店の人の感じも…とにかく全てが完璧なCafe Elladaは、バトゥミのオアシスそのもの。
一度訪問してしまうと、全メニューを制覇したくなる衝動に駆られるはずなので、そこだけはご注意を(笑)
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