こんにちは!ジョージア西部アジャラ地方の夏を満喫中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アジャラ地方は黒海の目の前に広がるため、どこもビーチ天国。
バトゥミのシティービーチから、のんびりとしたコブレティのビーチまで…好みに合った雰囲気の海辺の風景に必ず出会うことができます。
そんなビーチ天国のアジャラ地方で、最も美しい海辺の風景が見られるエリアがツィヒスジリ(Tsikhisdziri/ციხისძირი)。
アジャラ地方の最大都市であるバトゥミと二番目に大きな町コブレティの中間に位置している小さな村の周辺は、亜熱帯の気候に育まれた南国ムードたっぷりの景観が魅力的です。

ツィヒスジリ周辺は起伏の激しい地形となっていますが、海沿いにはちょっとしたハイキングコースが敷かれ、アップダウンなしで歩けるのがポイント。
途中にはバナナの木が生い茂る小道があったり、ほとんど知られていないビーチがあったりと、黒海の大自然を五感で感じることができます。
トロピカルな空気と海沿いならではの開放感がただようツィヒスジリ。
バトゥミ在住の外国人は、このエリアをこう呼びます。
…「ジョージアのバリ島」と。


…ツィヒスジリがバリ島なのかどうなのかはいったん置いておくとして、南国ムードいっぱいの素晴らしい風景の数々は一見の価値あり。
バトゥミから格安&手軽に足をのばせる点も嬉しいです。
というわけで今回の記事は、ツィヒスジリのシーサイドハイキングコースを紹介するもの。
バトゥミ滞在中に半日ほど時間があれば満喫できますし、びっくりするほどに亜熱帯の雰囲気が楽しめるので、心からおすすめです!
ツィヒスジリのシーサイドハイキング概要

今回紹介するツィヒスジリのハイキングコースは、ペトラ要塞をスタートしてブクナリ村に至る合計3kmほどのコース。
ペトラ要塞→ペトラビーチ間のみ下り坂となっており、その他の区間はアップダウンがほぼない平坦な道となっており、子供から大人まで誰でも楽しめます。
ハイキングコースを歩く時間と各見どころに立ち寄る時間を含めても、所要時間は2時間半~3時間ほど見ておけば十分。
Cafe Bananaで食事をする場合やペトラ要塞に入場して観光する場合は、1時間~1時間半ほど足して4時間前後見ておけば十分です。
ツィヒスジリマップ
緑線:ハイキングコース
赤:Cafe Banana
オレンジ:ペトラ要塞前バス停
黄色:ブクナリ村バス停
ツィヒスジリ シーサイドハイキングの注意点・アドバイス

ツィヒスジリのシーサイドハイキングコースは誰でも問題なく歩けるレベルの簡単なコースですが、道のりの大部分は海沿いに敷かれた線路沿いを歩くことになります。
日本では線路への立ち入りは基本的にできませんが、ジョージアでは完全に自由。
しかしこの線路は現役で列車が通るものでもあるので(本数はとても少ないけど)、線路沿いを歩く区間では列車が来ないかどうかよく注意しながら歩きましょう。
また、記事内で紹介するCafe Banana以外には飲食店はなく、商店は一つも存在しません。
飲料水など必要なものは全て持参した上で歩きましょう。
ツィヒスジリ シーサイドハイキングの見どころ
ペトラ要塞

ツィヒスジリのシーサイドハイキングのスタート地点におすすめなのが、エリア最北端に位置するペトラ要塞(Petra Fortress/პეტრას ციხე)。【マップ 青①】
海にせり出すように聳える小高い丘の上にたたずむ城塞都市の跡で、建造は535年と今から1500年ほど前のことです。
ペトラ要塞建設当時のジョージア西部地域は、ビザンツ帝国の属国として栄えたラジカ王国によって支配されていました。
黒海を見渡す絶好のロケーションが注目され、防衛拠点として築かれたのがペトラ要塞のはじまりです。

ペトラ要塞の黄金時代はラジカ王国と同様に短く、10世紀(1100年前)にはもう城塞都市としての機能を失っていたことがわかっています。
その後、中世ジョージア王国の黄金時代やオスマン帝国による統治の中でその存在が忘れ去られ、要塞は荒廃。
ソ連時代の20世紀にようやく発掘作業が開始され、現在では観光地としての整備も完了して人気のスポットとなっています。

今回はシーサイドハイキングがメインなのでペトラ城塞には入場していませんが、時間が許すなら入場&見学していくのがおすすめ。
敷地上部からはツィヒスジリ周辺の風景を一望できますし、この地の歴史が詰まった海辺の要塞の浪漫が感じられます。
さてさて。ペトラ城塞からは、敷地の奥へと続くハイキングコースのスタート。
標識もいくつか出ていますが、一本道を海に向かって歩いていくだけなので簡単です。


ペトラ要塞~ペトラビーチ間はずっと下り坂。
ビーチの手前100mほどの場所に階段が設置されており、それを下りればビーチに到着です。
ペトラビーチ

ペトラ要塞が建つ丘の真下に広がるのが、ペトラビーチ。【マップ 青②】
車両でのアクセスが一切不可能であるため、アジャラ地方に数あるビーチの中でも髄一の穴場感ただよう雰囲気です。


ペトラビーチの水質は抜群に良く、静かな雰囲気も相まってまるで楽園のよう。
波はやや高めで子供連れには向かないかもしれませんが、ガッツリ泳ぎたい人はきっと満足できるでしょう。
ペトラビーチの美しい風景を満喫したら、さらに南へと歩いていきます。
ビーチからは階段が続いており、かなりの絶景の中を歩くことができます。▼

200mほど続いた階段は、ジョージア鉄道の線路にぶつかります。
ここからは主に線路沿いを歩くことになるので、電車には注意しましょう(1時間に1本通るか通らないか)。
黒海沿いに敷かれた線路上は、とにかく絶景の宝庫。
亜熱帯気候らしい植物が大地を覆い、なんとも言えない南国ムードがただよいます。▼


線路沿いを歩いていて電車が近づいてきた場合、音が響いてくるのですぐにわかるはず。
線路から少し離れて、電車の通過を待てばOKです。

こんな感じで線路沿いを南へ歩くこと500mほど。
ツィヒスジリのシークレットビーチに到着します。
シークレットビーチ

黒海に突き出した断崖絶壁に隠れるような場所にある小さなビーチは、「ツィヒスジリ・シークレットビーチ」と呼ばれる観光ハイライト。【マップ 青③】
知らなければその存在に気づけないような立地にあるのですが、近年ではその美しさが口コミで広まり、多くの人が訪れるようになりました。


シークレットビーチには海へ突き出すような木製のテラスが設置されており、確かにこのテラス周辺の風景はバリ島あたりにありそう。
木製テラス周辺には岩場が連なり、抜群の水質の良さを誇る海で自由に泳ぐことができます。

シークレットビーチの南側には小さな滝が流れ落ち、訪問客に人気の撮影スポット。
北側には中央に穴が空いた奇岩もあり、どこか日本の海辺の景勝地を思い起こさせる風景です。


シークレットビーチの木製テラスは、夏場のハイシーズンになると多くの人で混み合います。
午前中であれば人の数はかなり少ないので、できるだけ早い時間に訪れるのがおすすめ!
バナナの小道&Cafe Banana

シークレットビーチから少し内陸側に入った場所には、「ジョージアのバリ島」を象徴する風景が。
それが、バナナの小道です【マップ 青④】
その名の通りバナナ林の中に敷かれた遊歩道で、ここだけ切り取るともはやジョージアの風景ではないかのよう。
トロピカルムードでいっぱいの小道を抜けた先には、小さな掘っ立て小屋があります。

ここが、ツィヒスジリエリアで唯一の飲食店であるCafe Banana。【マップ 赤】
店名の通りバナナ林に囲まれたロケーションの家族経営の食堂で、南国感と海辺の開放感がただよう雰囲気が人気です。


Cafe Bananaは近くに住むジョージア人家族が経営しており、ドリンク類はもちろん家庭的なフードメニューも提供しています。
値段は平均よりちょっと高めではありますが、抜群のロケーション&雰囲気代金と考えれば納得のいくもの。
フードメニューの種類は限られてはいますが、BBQやヒンカリ、小麦粉系料理など何かしら食べたいものが見つかるはずです。▼


迷った挙句、のぶよが注文したのがアチャルリ・ハチャプリ。
ここアジャラ地方発祥のハチャプリ(チーズ入りのパン)で、日本人の間でもポピュラーになりつつある料理です。

アチャルリ・ハチャプリはとにかくチーズが塩辛く胃に重たいので、のぶよが食すのはなんと3年以上ぶり。
正直あまり好みの料理ではないのですが、Cafe Bananaの雰囲気にのまれて注文してみました。


こういったロケーションの飲食店にしては珍しく、生地からちゃんと手作りされたハチャプリ。
小麦の香ばしさとバターの芳醇さ、とろっとろのチーズの風味が結構美味しいです。
しかしながら、やはり塩気と重たさは健在。
他の客が注文していたムツヴァディ(豚肉BBQ)の方が断然美味しそうだったので、そちらにしておけば良かったかもしれません。

というわけで、バナナ林の中でローカルなグルメが楽しめるCafe Banana。
気取らない雰囲気も素敵でローカルな感じもあり、「ジョージアのバリ島」にひたりながらの南国ランチにはぴったりです!
バナナの小道&Cafe Bananaでバリ島気分を満喫したら、再び南へと歩いていきましょう。
線路沿いをひたすらに歩いていくだけの簡単なコースです。▼

途中にあるトンネルを抜けてすぐの場所に、線路から海の方向に分岐する階段があります。
この階段を下れば、ブクナリビーチに至ります。
ブクナリ村

ツィヒスジリから岬を隔てた南側は、ブクナリという別の村になります。【マップ 青⑤】
村の西側にはブクナリビーチが数kmに渡って連なり、こちらの水質も抜群。
ビーチ沿いを1kmほど南に行くとブクナリの集落があり、こちらも素朴で南国情緒が漂う素敵な雰囲気です。


今回紹介するハイキングコースは、ここブクナリが終点。
ビーチでのんびりしながら黒海に沈む夕日を待つのも良いですし、さらに南に位置するチャクヴィの町に向けてハイキングを続けるのもアリです。

本記事で特集しているペトラ要塞~ブクナリのシーサイドハイキングは、長くとも所要時間3時間~4時間ほど。
お昼過ぎまでにブクナリ村に到着すれば、午後いっぱいを利用してチャクヴィの観光を済ませるのも余裕です。
「ジョージアのお茶栽培発祥の地」として知られるチャクヴィには、海沿いの風景以外にも歴史的な見どころが点在。
ツィヒスジリのシーサイドハイキングとはまた異なる魅力があるので、時間と体力が許すならぜひセットで観光を!
チャクヴィの観光情報記事は現在執筆中です!
ツィヒスジリへのアクセス
ツィヒスジリが位置するのは、バトゥミから北に10kmほどの場所。
アクセスの基本ばもちろんバトゥミ拠点となります。
ツィヒスジリのすぐ南にあるブクナリ村まではバトゥミ市内交通でのアクセスが可能ですが、ツィヒスジリの北側にあるペトラ要塞まではバトゥミ市内交通でのアクセスができないという点がやや複雑です。
ここでは、本記事で紹介しているハイキングのスタート/ゴール地点であるペトラ要塞&ブクナリ村までのアクセスを解説します。
バトゥミ~ペトラ要塞間:コブレティ行きマルシュルートカ利用

シーサイドトレッキングのスタート地点となるペトラ要塞までは、バトゥミの市内交通でのアクセスは不可能。
ペトラ要塞のさらに北にあるコブレティへ向かう近郊マルシュルートカを利用して、ペトラ要塞前で途中下車することになります。
決まった時刻表はなく座席が埋まり次第の出発となりますが、この区間を移動する人はかなり多いので20分~30分に1本の頻度で運行しています。
注意したいのが、コブレティ行きのマルシュルートカはバトゥミのバスステーション発着ではない点。
バトゥミ中心街の入口となるArgoケーブルカー乗り場から徒歩5分ほどの、教会の前が発着ポイントとなっています。▼
バトゥミを出発しておよそ30分ほどで、マルシュルートカはペトラ要塞の入口付近のバス停を通過します。【マップ オレンジ】
ここで運転手に停車してもらって途中下車すれば、ペトラ要塞はすぐ目の前です。
バトゥミ~ブクナリ間:バトゥミ市内路線バス/市内マルシュルートカ利用

シーサイドハイキングのゴール地点となるブクナリ村~バトゥミ間は、バトゥミの市内交通で移動することが可能です。
・市内路線バス:6番
・市内マルシュルートカ:27番/40番
市内路線バス/市内マルシュルートカのいずれも、バトゥミ中心街(Chavchavadze St.)を縦断し、トビリシ広場→Argoケーブルカー前などのバス停を経由して黒海沿いを北に走り、ブクナリ村中心部の広場【マップ 黄色】が終点。
路線バス6番は20分に1本/マルシュは2路線合わせて10分に1本と頻発しているので、簡単に移動できます。
バトゥミの市内路線バス利用は現金での支払いはできず専用のICカードが必要となる点にご注意を。
バトゥミ市内交通利用法の詳細は別記事にて解説しています!▼
おわりに
黒海の大自然を五感で満喫できるツィヒスジリのシーサイドハイキング情報を解説しました。
バトゥミから格安で簡単にアクセスすることができ、都市の喧騒とは無縁の開放感あふれる雰囲気に手軽にひたれるのがツィヒスジリの最大の良さです。
ハイキング後はビーチでのんびりするのも良し、さらに南のチャクヴィ周辺までハイキングを続けるも良し。
体力や気分に合わせて、さまざまなプランと組み合わせられる自由さも魅力的です。
バトゥミに滞在しているだけではもったいない!
アジャラ地方が誇る亜熱帯の大自然を全身で感じに行きましょう。
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