こんにちは!ジョージア滞在も丸3年!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ジョージアが誇る炭火バーベキューといえば、ムツヴァディ(Mtsvadi / მწვადი)。
全国津々浦々で愛される料理で、下味をつけた豚肉を串に刺してじっくりと焼いたものが基本です。
ある程度のレストランであればどこでもメニューに載っているムツヴァディですが、本来はもっと庶民的な料理。
仲間同士で集まって、ビールやチャチャ(蒸留酒)片手にじゅうじゅうと肉を焼き、豪快にかぶりつくのがムツヴァディの流儀です。フォークとナイフで食べるようなおしゃれレストランのムツヴァディは、実は邪道なのかも?
ジョージア地方部の方が美味しい&ローカルなムツヴァディ店が多いような気がするのですが、首都のトビリシにも本来のムツヴァディの流儀にのっとって食事ができるディープな場所がちゃんとあります。
それが、今回紹介するムツヴァディ街道。
「ムツヴァディ街道」とは、幹線道路沿いに炭火で肉を焼く露店がいくつも建ち並んでいる場所です。
旅行者が訪れる旧市街などから外れているためか、ムツヴァディ街道の露店はどれもローカル感100%の雰囲気。
百万人都市・トビリシに位置していながら、ジョージア地方部にやって来たかのようなコテコテのジョージア感に満ち溢れています。
こういう場所を見つけると、全店食べ比べてみたくなるのが人の性というもの。
そう…制覇しましたよ…ムツヴァディ街道のすべての露店を!(1か月半かかった…)
というわけで今回の記事は、トビリシのムツヴァディ街道にスポットライトを当てたもの。
街道沿いのすべての露店の訪問&実食レポートをもとに、トビリシで一番美味しいムツヴァディを決めてやろう!という謎の企画です。
そもそも「ムツヴァディ?なにそれ?」という人が多数派だと思うので、前半ではジョージアの奥深いムツヴァディ文化についてしっかりと解説しています。
これさえ読めば、ジョージアの肉食文化の象徴であるムツヴァディに関する知識はバッチリ!という内容になっているはず。
肉食派旅行者の心に刺さること間違いなし!
トビリシから出ることなく、ローカルな飲食店の魅力に浸りたい人にもおすすめです。
ジョージア料理のBBQ「ムツヴァディ」を知るための五箇条
「肉を焼くだけでしょ?不味いもへったくれもないのでは?」と思うことなかれ。
たかがバーベキュー、されどバーベキュー。
ジョージアの肉食文化を象徴するようなムツヴァディは、知れば知るほど奥深い一品なのです。
まずは、ムツヴァディの基本知識をアレコレ解説していきます!
①ムツヴァディに使われる肉の種類は?
ジョージアの「ムツヴァディ」の定義は単純明快。炭火で焼かれる串刺し肉の総称です。
ロシア語の呼び名である「シャシュリク」が使われることもありますがいずれも同じもの。
絶対に木炭で焼くのがルールで、フライパンやオーブンで焼いたものは「ムツヴァディ」ではありません。
ムツヴァディに使用されるのは、99%が豚肉。
牛肉が使用されることはほとんどないのが不思議です。
「長い間ジョージアを支配したオスマン帝国やペルシア帝国などのイスラム教圏に対する抵抗の証として豚肉を使ったのがムツヴァディの由来だ!」なんて豪語する現地人もいますが、その真偽は不明です。
鶏肉のムツヴァディも存在しますが、「鶏肉のムツヴァディ=チープなバージョン」という認識があり、ジョージア人の間では邪道とされることも多いです。
中央アジアやお隣のアゼルバイジャンでは、羊肉を用いるBBQもポピュラーだそうですが、ジョージアでは羊肉のムツヴァディはかなりレア。
トゥシェティ地方など豚肉がご法度となっている一部山岳地域を除いて、なかなか羊肉に出会う機会はありません。
基本的には「ムツヴァディ=肉の炭火焼き」なのですが、魚を串刺しにして焼いたムツヴァディもごく稀に存在します。
炭火で焼かれた魚は、旨味がぎゅっと閉じ込められ、これでもか!と脂が滴る絶品。
なかなか出会うことができないのがネックですが、見つけたらぜひとも挑戦したいものです!
②東部と西部で大きく違う?ムツヴァディの味付け&調理法
ジョージアのムツヴァディは、3cm~4cmほどの大きさにに切った豚肉に塩コショウで下味をつけて串に刺し、炭火でじっくりと焼き上げるのが基本の調理法です。
店にもよりますが、ジョージア東部では下味をつける際にスパイスやハーブを用いるのは稀。
肉本来の風味と素材の旨味を100%堪能することができますが、人によってはやや大味でしっかりとした硬めの食感に感じるかもしれません。
対するジョージア西部では、お酒やスパイス、ニンニク等でマリネして数時間寝かせた肉が使用される傾向があります。
そのため、繊細で奥深い味付けと柔らかな食感となりますが、肉肉しさはやや失われます。
東西どちらのスタイルのムツヴァディを美味しいと感じるかは、人それぞれ。
トビリシのムツヴァディは絵に描いたようなジョージア東部スタイルで、「ああ、肉を喰らっているんだ…!」と実感するほどのミート感にあふれた豪快なムツヴァディが楽しめます。
③美味しいムツヴァディ店の見極め方
味付けや焼き方ももちろん大切ですが、ムツヴァディの味の最大の決め手となるのは、言わずもがな肉の質。
「ジョージアで一番豚肉が美味しい」と評判の東部・カヘティ地方では、新鮮な豚肉が手に入りやすいこともあり、驚くほどに柔らかくてジューシーな豚肉のムツヴァディに出会える機会も多いです。
いっぽうのトビリシでは、肉の質は店によってまちまち。
しかしながら、これだけは言えます。
メニューの種類が豊富なレストランのムツヴァディは美味しくないことが多いです。
その理由は、ムツヴァディ以外のメニューも多く出るため。
数日前の古い肉を焼いて提供するような店も、残念ながら存在します。
反対に、「ムツヴァディをメインに扱う店=ほとんどの客がムツヴァディを注文する=新鮮な肉が常に用意されている」ということ。
これも、レストランではなくムツヴァディに特化した露店で食べるのをおすすめする理由です。
④ムツヴァディの食べ方
ジョージアではどのレストランにも置かれている定番メニューの一つであるムツヴァディですが、当たり外れがものすごく激しいのが旅行者の悩みの種。
店によって使用される肉の部位や下味の付け方が大きく変わるのはもちろん、焼く人によって出来上がりが大きく異なってきます。
半分炭のようになったパサパサの肉が出された日には…泣きたくなってしまうかも。
ジョージア全国どこのレストランでも食べられるムツヴァディですが、地元の人に愛されるのは飾り気のない屋台で焼かれるムツヴァディ。
肉汁滴るジューシーな豚肉をビールとともにグイっと喉に流し込めば、そこはもう天国…
ジョージアのローカル食文化にどっぷりと浸ることができます。
ジョージアでは地域を問わず、「サツェベリ」というトマトベースのピリ辛ソースをムツヴァディにかけて食べるのが定番。
また、薬味がわり&殺菌作用がある生の玉ねぎが添えられることも多く、肉とよく合います。
⑤トビリシの「ムツヴァディ街道」とは?
ムツヴァディ街道が位置しているのは、トビリシ中央駅東側の丘陵地帯に広がる住宅街の一角。
トビリシ最大の貯水池であるトビリシ・シーや、観光名所としても知られるジョージアのクロニクルへ続く幹線道路の途中に位置しており、通りがかったことがある人も多いかもしれません。
▲ ムツヴァディ街道へのアクセスはとても簡単。
トビリシ中央駅東側(=地下鉄ステーション・スクエア駅東出口)のバス停から、360番のバスに乗車するだけです。
坂道をするすると登った先にあるのが、小さな露店がいくつも連なるムツヴァディ街道。
店先のバーベキュー機材から肉をやく煙が立っているので、すぐに分かります。
どのお店もムツヴァディをメインに出しており、お互いがライバル同士のようなもの。
各店によって塩加減や肉の食感はけっこう変わってきますが、この競争が激しい環境で不味いムツヴァディ店が生き残れるわけがないので、どのお店で食べても間違いありません!
ムツヴァディ街道の露店はどこも同じような価格帯で、ムツヴァディ一串9GEL(=¥450)が基本。
カバビ(棒状挽き肉の炭火BBQ/8GEL=¥400)もどの店でも置かれているので、こちらを試すのもアリです。
▲ また、ムツヴァディ街道の隠れた名物が、ジョージア風小籠包のヒンカリ。
肉料理に特化した露店のヒンカリはどれも絶品なので、ムツヴァディとセットで食べ歩くのもおすすめです!
トビリシの隠れたグルメスポット「ムツヴァディ街道」食べ歩きレポート
「さあ!肉を食べるぞ!」と思い立ったが吉日。
トビリシ中心街から30分もかからずにアクセスできてしまうので、ムツヴァディ街道にやって来るまでは楽勝です。
しかしながら、実際にムツヴァディ街道に降り立つと、果てしなさすぎるローカル感に躊躇ってしまうかも…
そんなジョージアローカル飲食店初心者の人の不安を少しでも取り除けるように、各店の雰囲気もできる限りお伝えできるように紹介しているので、まずは入りやすそうな店から挑戦してみましょう。
路線バスを降りれば、そこは炭火で肉を焼く煙と香りに満ち溢れた異空間。
さあ、ベルトをがっつり緩めて、食べ歩きのスタートです!
①家族経営の居酒屋:Armare
最初に訪れたのは、ムツヴァディ街道の最も東に位置するAremareというお店。
本記事内で紹介しているお店の中ではもっともちゃんとした店構えで「レストラン」といった雰囲気が強いです。
広々とした敷地内は、屋内席と屋外テラス席に分かれ、すべて木を基調とした統一感あふれる内装が良い感じ。
かなり大規模なレストランですが、夏以外の季節はそこまで混雑することはなさそうです。
メニューはジョージア語しかないものの、種類はまあまあ豊富。
グリル系料理から煮込み料理まで揃っており、価格帯はトビリシ中心街のお店よりもかなりリーズナブルです。▼
ビール2.5GEL(=¥125)/ワイン1ℓで6GEL(=¥300)など、アルコール類の安さにはびっくり。
看板メニューである豚肉のムツヴァディは9GEL(=¥450)、ヒンカリは1.3GEL(=¥65)と、食事系メニューも良心的な価格です。
豊富なメニューの中から何を注文しようか迷いながらも、ここはやっぱりムツヴァディを食べてみることに。
Aremareのムツヴァディは、ゴロゴロと大き目の豚肉を「ラヴァシュ」と呼ばれる薄い小麦粉生地にのせた状態で提供されます。
豚肉からあふれた脂が染みこんだラヴァシュは、言葉を失うほどの絶品でした。
焼き加減も見た目も素晴らしいムツヴァディですが、肉の食感がやや硬めだったのが個人的にはマイナス。
しかしながら肉のジューシーさは健在で、素材の美味しさがしっかりと感じられます。
ムツヴァディ街道の隠れた名物であるヒンカリも注文してみましたが、正直こちらは微妙。
皮の食感と肉汁スープは美味しいのですが、肝心の具のひき肉がやや塩辛すぎる&旨味が感じられないように思いました。
ムツヴァディとヒンカリだけに限れば、個人的にはまあまあ~やや微妙だったAremareですが、他のメニューはもしかしたら大当たりがあるかも。
ムツヴァディ街道のお店では最も入りやすい雰囲気で、店の人も温かな感じだったので、「あまりローカルすぎる場所はちょっと…」という人はとりあえず行ってみるのも良いと思います。
②絶品ムツヴァディとトビリシNo.1のヒンカリ:肉屋直営ムツヴァディ&ヒンカリ露店
ムツヴァディ街道食べ歩き旅の二軒目は、幹線道路沿いの名もなきムツヴァディ露店。
ローカルさとディープさは120%で、初めての人はかなり入りにくい雰囲気かもしれません。
店頭では立派なBBQ機材で肉がじゅうじゅうと焼かれており、立ち込める香ばしい煙に誘われた地元の男性客が吸い寄せられるように次々と入店していきます。
店のたたずまい的に、もはやこの店が美味しいことを確信したのぶよ。
店内に足を踏み入れると、おじさんが二人がかりでムツヴァディ用の豚肉の下処理に励んでいました。▼
どうやらこの露店は肉屋も兼ねているよう。
大きな塊の豚肉を鮮やかな手つきで捌くおじさんたちの手際の良さは、まさにプロの仕事です。
店内の奥には中庭を利用したテラス席があり、ちょっとしたビアガーデンのよう。
中で注文を済ませたら適当な席で待つシステムのようです。▼
紙に書かれたメニューは存在しませんが、豚肉のムツヴァディ(9GEL=¥450)と棒状挽き肉のカバビ(8GEL=¥400)の二種類のBBQ料理がメインであるよう。
注文から10分弱で焼きあがったムツヴァディは、なんとプラスチックの容器に入った状態で出てきました。ローカルすぎる…
見た目こそアレですが、このお店のムツヴァディはかなりの絶品。
肉は柔らかめで、焼き加減も完璧。新鮮さが舌で感じ取れるほどに、豚肉本来の旨味がたっぷりです。
別売り(1GEL=¥50)のソースを肉にたっぷりとかけて食べるのがこのお店の流儀のよう。
おじさんおすすめのツケマリ(プラムの甘酸っぱいソース)とジューシーな豚肉の相性は、とにかく抜群に良かったです。
ムツヴァディも満足でしたが、個人的にびっくりしたのがヒンカリでした。
もくもくと煙を上げるBBQコーナーの横では、でっぷりしたおじさん or 飄々とした態度のお兄さんのどちらかが、ぶっとい指でちまちまとヒンカリを包んでくれます。
一般的にジョージアでは「ヒンカリ作り=女性の仕事」という認識が強いので、このお店の「漢のヒンカリ」感は結構レア。
どんなもんかと思って試しに頼んでみたのですが、ここのヒンカリ、大げさでなくトビリシで一、二を争う美味しさのものでした。▼
この露店のヒンカリ生地は、信じられないほどの極薄。
気を付けて持ち上げないと破れてしまいそうなほどで、ちゅるっちゅるの極上食感に感動します。
中のひき肉は、新鮮なことが一発でわかるほどのほろっほろ食感と果てしない旨味。
味付けはトビリシにしてはかなりあっさりした方で(トビリシはとにかく塩気どーんな店が多い)、フレッシュなハーブの風味が素晴らしいアクセントとなっています。
ムツヴァディもおすすめですが、とにかくヒンカリは必食。
店のたたずまいとディープな雰囲気からは想像できないほどの絶品グルメ、どうかお見逃しなく!
③ジョージア西部スタイルのムツヴァディ:Okuni
続いて訪れたのが、これまた立派なたたずまいのOkuniというお店。
どちらかというと、レストランというよりも食堂っぽい雰囲気で、周辺住民のたまり場のようになっています。
Okuniの店頭では、でっぷりとしたおじさんがのっそりとした所作で肉を焼いています。
他の店に比べると、BBQ機材もなんだか立派。もしかしたら…けっこう儲かっているのか…?
Okuniで特筆すべき点が、ジョージア西部サメグレロ地方の料理をメインに提供している点。
ジョージアの中でも独自の食文化が根付く地域で、ゴミ(トウモロコシ粉のお粥)やエラルジ(ゴミにチーズが入ったもの)、サメグレロ風ハルチョー(くるみペーストで牛肉を煮込んだシチュー)など、トビリシではあまり見かけない料理がいくつか置いてあります。▼
サメグレロ料理にも心惹かれたのですが、今はムツヴァディを制覇すべきとき。
注文した豚肉のムツヴァディ(9GEL=¥450)は、飾り気のない見た目ながらも味はなかなかのものでした。▼
サメグレロ料理に特化した店であるためか、Okuniのムツヴァディは他の店とはやや異なる西部風の味わい。
塩だけでなくスパイスの風味がほのかに感じられ、下味をつけた肉をしばらく寝かせたのだろうと予想できます。
塩気はやや控えめで、あまり濃い味が好みではないのぶよはとても美味しくいただけました。
ムツヴァディ街道の裏名物であるヒンカリももちろん注文済み。
Okuniのヒンカリ(1.5GEL=¥75)は、かなり独特の味わいでした。▼
厚めの生地をひと口かじると、たっぷりのスープとともに牛挽き肉100%の具が姿を現します。
具のスパイスとハーブはかなり少なく、塩気も控えめ。
その代わりにバターの風味がほのかに感じられ、肉の旨味と芳醇さを極限まで引き出しています。
一般的なヒンカリは、合挽肉&スパイスと塩で味付けされるのが普通。
Okuniのバターを効かせた牛挽き肉ヒンカリは、独特の味わいで個人的にはかなり好きな味でした。
店の人の対応はサバサバ系でローカル感はかなりあるものの、そこまで入りにくい雰囲気ではない点もOkuniの魅力。
程よいディープさを感じながら、ムツヴァディやヒンカリはもちろん、珍しいサメグレロ料理を堪能したい人にはおすすめです!
④のぶよ的にNo1の店:立ち食いムツヴァディ小屋
ムツヴァディ街道の旅、4軒目となるのは名もなき露店。
③で紹介したOkuniに隣接するような位置にありますが、経営は別のようです。
この露店最大の特徴は、他の店の追随を許さないローカル感。
屋内には飲食スペースはなく、トタン屋根の下に置かれた切り株がテーブル代わりの立ち食いスタイルです。▼
なかなかにディープな雰囲気ではじめは戸惑うかもしれませんが、勇気を出して店の人に声をかけてみましょう。
店のおじさんの愛想は結構良く、ショーケースの中に入った肉から好きなものを選ばせてくれます。
定番の豚肉のムツヴァディ(9GEL=¥45)は、脂身多めや赤身多めなど好きな部位を選んで焼いてもらえるのが◎
他にも、レバー系やアブハズラ(牛の大膜につつまれたハンバーグ)、ムツヴァディの食材としては珍しい仔牛肉なんかも揃っており、肉の種類が周辺の店に比べてとても多いです。
注文後に目の前に広がるのは、ドライヤーの風で炭火を起こす定番の光景。
煙にまみれながら焼きあがる肉を待つのも、なかなかオツなものです。
提供はやはりプラスチック容器で。
フォークやナイフの用意はないようで、手づかみでそのまま食べるスタイルです。
熱々の豚肉をサツェベリソースに浸して食べてみると、びっくり。
肉がものすごく柔らかく、炭火焼きの香ばしい風味が口の中いっぱいに広がるのです。
肉のジューシーさも申し分なしで、やや辛みが強めなソースとの相性も抜群。
もしかすると、この立ち食い露店のムツヴァディがNo.1かも…?
このお店にはヒンカリは置いていませんが、BBQ用の肉の種類が豊富である点も◎
定番の豚肉以外にも色々と試したくなりますし、肉をガッツリ食べたい人にはおすすめです!
⑤魚の炭火焼きをリーズナブルに!:魚のムツヴァディ屋
ムツヴァディ街道制覇の旅のラストを飾るのは、最も西側に位置する小さな露店。
こちらも店名はなく、まあまあ立派なBBQ機材とプレハブ小屋で営業している限界感がなかなかに素敵です。
このお店の最大の特徴は、定番の豚肉のムツヴァディやカバビ(棒状挽き肉)はもちろんのこと、魚のムツヴァディがメニューにある点。
サーモンやカルマヒ(川マスの一種)など、仕入れに合わせて魚の炭火焼きが楽しめるのです。
ジョージアでは魚料理は値が張る場合が多いのですが、この店は別。
カルマヒの炭火焼きが9GEL(=¥450)/サーモンの炭火焼きが12GEL(=¥600)と、肉と変わらない低価格で提供してくれるのが嬉しいです。
魚の炭火焼きも、串に刺した状態でじっくりと焼かれます。
辺りに漂う魚を焼くときのあの良い香りは、縁側に座って七輪で魚を焼くときと全く同じもの…ここがジョージアであることを忘れそうになります。
待つこと10分弱で、注文したサーモンの炭火焼きが到着しました。▼
もうね、天国でした…
持ち上げるとほろほろっと崩れてしまうほどに柔らかな身は、脂ののり具合が完璧。
炭火で焼かれているためなのか、サーモン本来の風味や旨味がしっかり閉じ込められているように感じられます。
食感はほわっほわの極みで、生臭さはゼロ。
サーモン本来の味わいを楽しめるように塩加減はかなり控えめで、上品な甘味と脂のコクに完全にノックアウトされました。(でも欲を言えば醤油ほしい…)
サーモンの他にもカバビ(棒状に固めた合挽肉のグリル)を試してみましたが、こちらはのぶよ的にはやや微妙。
肉がやや硬めで、肉汁がぶわあ~という感じではなかったのが残念でした。
というわけで、このお店では魚のムツヴァディを食べるのが断然おすすめ。
トビリシ広しと言えども、この価格で魚を炭火焼きにしてくれる店は他に存在しないと思います!
おわりに:ムツヴァディ街道No.1の店は…?
というわけで、ジョージアが誇る肉料理の真髄であるムツヴァディに関するアレコレと、トビリシで安くディープに肉ざんまいができるムツヴァディ街道について紹介しました。
ムツヴァディ街道の露店5軒の特徴をまとめると、以下の通りです。
ムツヴァディ | ヒンカリ | 入りやすさ | ローカル感 | 対応 | こんな人におすすめ | |
①Aremare | 〇 | △ | ◎◎◎ | ○ | ◎◎◎ | ゆっくり食事したい! 程良いローカル感が味わいたい! ムツヴァディ以外にもいろいろ食べたい! |
②肉屋直営ムツヴァディ露店 | ◎◎ | ◎◎◎ | △ | ◎◎ | ◎◎ | 絶品ヒンカリを食べたい! ローカル感にどっぷり浸りたい! |
③Okuni | ◎ | ◎◎ | ○ | ◎◎ | ◎ | ディープな雰囲気の食堂に行きたい! 珍しいサメグレロ料理も食べたい! |
④立ち食いムツヴァディ小屋 | ◎◎◎ | なし | △△ | ◎◎◎ | ◎◎ | 一番美味しいムツヴァディが食べたい! 色々な種類の肉を食べまくりたい! ディープさを味わいたい! |
⑤魚のムツヴァディ露店 | ◎◎◎(魚) | なし | ○ | ◎ | ◎◎◎ | 魚のムツヴァディを食べたい! 程良いローカル感が味わいたい! |
というわけで、のぶよ的にムツヴァディが最も美味しいと思ったのは④立ち食いムツヴァディ小屋。
雰囲気こそ場末の極みで、立ち食い&手づかみで食べるというディープさではありますが、味はとても良かったです。
次点で、②肉屋直営ムツヴァディ露店のムツヴァディもなかなかのもの。
こちらの店はヒンカリ部門ではダントツ1位でした。(というか、トビリシ全体で最も美味しいヒンカリ店の一つだと思う)
その他のお店もそれぞれ素晴らしい点があり、雰囲気もメニューの種類も異なるのが魅力的。
ムツヴァディ街道初心者の人は、自分に合いそうな&入りやすそうなお店から攻めていくのがおすすめです!
ここまで、トビリシのムツヴァディ街道について事細か~く書いてきましたが、元も子もないことを言います。
ジョージアで一番美味しいムツヴァディは、トビリシには存在しません!!
ジョージアで一番美味しいムツヴァディを提供するのは、西部のコブレティという町にあるノダリの家という謎の食堂。
すでに「ジョージア東部と西部でムツヴァディの味付けは異なる」という点には触れましたが、このノダリの家のムツヴァディはスパイスに漬け込まれた西部風のもの。
肉は信じられないほどに柔らかく、トビリシでここまで柔らかく風味豊かで肉汁どぴゅぅ~なムツヴァディに出会うことはとうとうありませんでした。
というわけで、ノダリの家にはぜひとも全日本人に訪れてもらって絶品ムツヴァディに感動してほしいのですが、なかなか気軽に行ける距離ではないのが現実。
ノダリの家ほどではないものの、トビリシのムツヴァディ街道の露店もかなり美味しいですし、ヒンカリや魚のムツヴァディなどもレベルが高いです。
大都市トビリシに位置していながらも、果てしないローカル感と昔ながらの人情が残る雰囲気もムツヴァディ街道の魅力。
観光客であふれる旧市街のお洒落BBQ店よりも、断然こちらがおすすめです!ぜひとも勇気を出して、ローカル民の輪へ飛び込んでみては?
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