こんにちは!ジョージアの首都・トビリシにのんびり滞在中!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
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トビリシの格安食堂の発掘に精を出している今日この頃。
今回紹介するのは、とびっきりのローカル感が味わえるおすすめのお店です。
飾りっ気こそゼロ&ローカル感120%の雰囲気は、はじめこそ入るのに勇気がいるかも…
いっぽうで、ジョージア料理の定番メニューを格安で食べられる点は大きな魅力です。
トビリシでは年々減ってきている、地元の人が集まる酒場兼ダイナーの雰囲気も素敵。
「おしゃれレストランではなく、地元の人が普通に食べるものを食べたい!」という人には心からおすすめですよ!
店内のようす&雰囲気
トビリシ市内の北部に位置するディドゥベ地区。
カオスな雰囲気漂うバスステーションを中心に、ソ連時代の共同住宅がずらりと並ぶエリアです。
町工場が点在する一角に店を構えるササディロ・コカコーラ(სასადილო კოკა კოლა)が、今回紹介する食堂。
「ササディロ」とは、ジョージア語で食堂の意味。「コカコーラ」は、もちろんあのコカコーラです。
2年前までこの食堂のすぐ隣にはコカコーラを製造する工場があり、そこで働く従業員が通う食堂としてオープンしたのだそう。
現在ではコカコーラ工場は閉鎖され食堂だけが残った状態ですが、地元の人に変わらず愛されて続けています。
店内は意外に広々としており、「THE・ソ連時代の食堂」そのままの雰囲気です ▼
店内には20台ほどのテーブル席があり、ガラス張りの窓から自然光が差し込んで明るい印象。
店内に一歩足を踏み入れた瞬間こそ、広々とした開放的な空間が目に入りますが、すぐにそこはかとないローカル感が漂っていることに気がつくはず。
客層のほぼ100%が男性客であり、大量に積み上げられたパンをむしゃむしゃしながらビールをグイグイ飲んでいるような感じ…
女性一人/女性のみでのグループでの利用は、良くも悪くも注目の的となってしまうかもしれません。
夏場の天気の良い日であれば、店内の奥に広がる中庭のテラス席の利用も可能です。
緑に囲まれたテラス席は、店内同様に広々としていて開放的な雰囲気。
こんなところで飲むビール…美味しいに決まっています!
メニュー&システム
トビリシのローカル食堂ではどこもそうですが、このお店のメニューはジョージア語で書かれたもののみ。
英語はいっさい通用せず、いつもカウンターを陣取っている注文&お会計担当の頑固親父(たぶん店主)は「ワシゃジョージア語以外話さんぞ!」というスタイルなので、ロシア語もなかなか使いにくい感じがあります。
(最悪、店員の愛想の良いおばさんがロシア語でも助け舟を出してくれると思うけど)
メニューは黒板にチョークで手書きされたもので、訪れるたびに内容が変わっている点も独特。
季節や気分によって(?)何を作るか決めているのかもしれません。
ジョージア文字が読める人であれば何とかなるでしょうが、おそらく一般の旅行者はちんぷんかんぷんでしょう。
この日のメニューの内容は以下のタブ内で解説しているので参考にしてください!
(先述の通り日によってメニューが変わるため、ここに書いたものが必ずあるかどうかは分かりません)
・ხაში:牛足を煮込んだスープ
・სუპ-ხარჩო:牛肉と野菜のスパイシースープ
・თათარიახლი:牛肉とパクチーのあっさりスープ
・ჩაქ-ხბო:仔牛肉とタラゴン、梅のスープ
・ჩაშუშული:牛肉とトマトのピリ辛スープ
・ყაურმა-ჯიგრის:牛の内臓の煮込み
・პიურე-კატლეტი:カツレツとマッシュドポテト
・საქ-ხაშლამა:茹でた牛肉に大量のニンニクをかけたもの
・მწვ-ხბო:仔牛肉のグリル
・მწვ-ღორი:豚肉のグリル
・ქაბაბი:棒状に固めたひき肉のグリル
・ხინკალი:ジョージア風小籠包
・ოჯახური:じゃがいもと豚肉のグリル
・შქმერული:鶏肉とニンニクのグリルに牛乳を加えたもの
・ხაჭაპური:チーズ入りのパン
・პური:パン
・კუპატი:スパイシーなソーセージ
・ყავა:コーヒー
・ჩაი:紅茶
・ლობიო:豆とスパイスの煮込み
このお店のウリは、豊富なスープ系料理とグリル料理のよう。
ジョージア料理の定番のスープ類はいつ行ってもメニューにあるので、迷ったらとりあえずスープ系を頼んでおくのが◎
何も言わないとパン(1.5GEL=¥68)が勝手についてくるので、必要ない場合は注文時にპური არ მინდა.(=「パンはいりません」)と言っておきましょう。
飲み物はメニュー内にはほとんど書かれていませんが、定番のレモネード(2GEL=¥90)や生ビール(2.5GEL=¥114)などリーズナブル。
酒場的な雰囲気を味わいたいならぜひ注文を!
上の手書きメニュー以外にも、カウンターのショーケースにはおつまみ系の小皿料理がずらりと並んでいるので、好きな人は注文するのも◎
料金はだいたい3GEL~6GEL(=¥137~¥274)の間です ▼
カウンターでの注文が済んだら、好きな席に座ってしまってOK。
お会計は食事後にふたたびカウンターに出向いて行うスタイルです。
「食堂のジョージア料理」感たっぷりの料理
トビリシのお洒落レストランなんかに行くと、綺麗に盛り付けられたものやザクロを散らして色味を加えたものなどが提供されることも多いもの。
いっぽうのこのお店では、そうした見栄えに対する気遣いはいっさいありません(笑)
大きな器からこぼれんばかりになみなみと注がれたスープ料理に、大量に積み上げられたパン。
「これぞ、ジョージアのローカル食堂!」と感動を覚えるほどの飾りっ気のなさが、もはや潔いです。
▲ 多くの利用客が頼んでいた人気メニュー(?)が、ひき肉を棒状に固めてグリルしたカバビ。
「ラヴァシュ」と呼ばれるペラペラの薄い小麦粉生地にくるまった、長さ20cmほどはある肉塊…
「サツェベリ」と呼ばれる自家製のトマトソースと、ジューシーなお肉の食感はこれ以上ないほどの完璧な組み合わせで、それはそれは美味しかったです。
春~夏の季節に訪れるなら、ぜひ挑戦したいのがチャカプリ ▼
ジョージアの春の味覚の代表的存在であるチャカプリは、羊肉とタラゴンというハーブ、梅をじっくりと煮込んだスープ料理のこと。
コーカサス山脈エリアが発祥の地だと言われています。
トビリシでは羊肉が手に入りにくいため、牛肉が使われるのも一般的で、こちらの食堂では仔牛肉が使われています。
トロットロの肉の食感とスープに溶け込んだ脂の旨味、タラゴンの清涼感が素晴らしいです。
また、トビリシではあまり見かけることがないタタリアフリというスープも、たまにメニューに載っています。
タタリアフリは骨付き牛肉をじっくりと煮込み、仕上げにパクチーを大量に入れただけの豪快過ぎる料理。
かなりあっさりした味わいで、二日酔いの救世主となりそうです。
ニンニクを蒸留酒につけた特製ソースもついてくるので、ガッツリ系に味変して楽しむことも可能。
ローカル食堂らしい、素朴で温かみのある一品だと思いました。
おわりに:ローカルな空間での人情を楽しもう!
昔ながらの飾らないローカル食堂の味が楽しめるササディロ・コカコーラを紹介しました。
正直に言うと、味に関しては1食25GEL(=¥1144)以上はするようなお洒落レストランの繊細な味付けには敵いません。
しかし、地元の人が毎日通うような雰囲気の中で地元の人と同じものを格安で食べられるという点は大きな魅力だと思います。
のぶよ的にこの食堂をおすすめする最大の理由が、人情味あふれるお店の人たちにあります。
注文&お会計係の頑固親父は、はじめてのときこそ外国人であるのぶよを怪訝な目で見て「ここはジョージアだからジョージア語話せ!」と言ってくるような感じだったのですが、数回通うにつれ(そして毎回拙いジョージア語で注文やちょっとした会話をするにつれ)だんだんと笑顔で対応してくれるようになりました。
外国人がほとんどやってこないためなのか、ホール係の女性たちものぶよに興味津々。(はじめは「なんか変なの来た!」って思われていたのだろう)
ホール係の女性には30代以下の若い世代が多いためかロシア語はまったく通じず(もちろん英語もゼロ)、ジョージア語オンリーでのコミュニケーションとなりますが、こちらが少しでも言葉を知っているととても喜んでくれましたし、次に訪問した時もちゃんと顔を覚えていてくれました。
ちょっとしたコミュニケーションでも、きっと心に残る思い出となるはず。
トビリシの昔ながらの人情味に触れたい人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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