こんにちは!ジョージア西部のサメグレロ地方に合計3回、計1ヶ月ほど滞在した世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
「サメグレロ地方」と聞いて何か具体的なイメージが浮かぶ人は、この世界にいったいどれくらいいるのでしょうか…

ジョージア国内においても、かなり地味な存在であるサメグレロ地方。
行政区分的には、お隣の旅行の定番エリア・スヴァネティ地方と同類に扱われ、どうしても日陰の存在となってしまっています。
そんな「ジョージアの鳥取島根(失礼)」的なエリアになぜ何回も通い、1ヶ月も滞在したのか…
それは、単純にサメグレロ地方が素晴らしかったからです。

滝や渓谷など手つかずの大自然や、ジョージアの地方部らしいのどかな村々、ソ連感漂うディープな町並みに黒海ビーチまで…
中世の石塔やコーカサスの山々の絶景など「分かりやすい観光スポット」が無いだけで、サメグレロ地方の観光地としてのポテンシャルは、実はものすごく高いのです。


このジョージアの奥座敷のようなエリアにやって来る日本人旅行者がどれだけいるのか未知数ですが、のぶよ個人的には心からおすすめしたいサメグレロ地方。
特に、ジョージアの定番どころを制覇した人や、カルチャー面やグルメに興味がある人にとっては、サメグレロ地方はジョージアでも屈指の面白いエリアだと思います。

今回の記事では、おそらく日本で初めて(?)この隠れたエリアの魅力を解説するもの。
観光スポットはもちろん、サメグレロ独自の文化や歴史に関してもきつちり解説しているので、きっとこのエリアの魅力を感じてもらえるはずです。
サメグレロ地方は、ジョージアの中でも観光開発が最も進んでいないエリアのひとつ。
スレていない昔ながらのジョージアの良さを感じたい「本物を求める人」向きのエリアなので、ぜひゆっくりと滞在してほしいです!
- サメグレロ地方とは?訪問前に知っておくべき基礎知識
- サメグレロ地方観光でしたい12のこと
- ①優雅さとソ連感の融合?【ズグディディ】のカオス感に包まれる
- ②【エングリ・ダム】のターコイズブルーに感動する
- ③【インツラの滝】のミステリアスな雰囲気にひたる
- ④【ルヒ城塞】からアブハジア共和国を眺める
- ⑤アブハジア目の前の廃ビーチリゾート【アナクリア】で望郷スイミング
- ⑥【マルトヴィリ渓谷】の渓谷美を無料で堪能する
- ⑦【バルダ渓谷】の三つの滝をまわる
- ⑧【Karma Hostel】で田舎暮らし体験
- ⑨【ノカラケヴィ遺跡】で1500年前にタイムスリップする
- ⑩大自然に囲まれた【ノカラケヴィ温泉】でリラックス おすすめ!
- ⑪黒海のパリ【ポティ】でとれびあーんな町歩き
- ⑫世界自然遺産【コルへティ国立公園】で亜熱帯の湿原トリップ
- サメグレロ地方旅行のプランニングのポイント&アドバイス
- おわりに:サメグレロ地方の最大の魅力とは…
サメグレロ地方とは?訪問前に知っておくべき基礎知識

「観光」という観点から見ると、サメグレロ地方はやっぱりどうしても地味なエリア。
コーカサスのダイナミックな山があるわけでも、シルクロードのエキゾチックな隊商宿があるわけでもなく、多くの旅行者はより分かりやすい見どころがあるエリアを目指してしまいます。
しかし…!サメグレロ地方の魅力は観光地ではなく、文化面にこそあるもの。
ジョージアの中でも独自の言語や民族、意表を突く食文化に不思議なライフスタイルが根付くサメグレロは、ジョージアのエスニックカルチャー面に興味がある人にとっては聖地のような場所なのです。
むしろ、この独自の文化的背景を知らずにサメグレロ地方を訪れても意味はないと言えるほど。
サメグレロ地方ならではの独自性を五感を通して感じることが、旅行のハイライトとなります。


そんなわけで、まずはサメグレロ地方を訪問する前に理解しておきたいカルチャー面の基礎知識を解説していきます。
歴史や建築、言語に食文化まで…ここまで詳しくサメグレロ地方にスポットライトを当てた記事は他にないと思うので、じっくりと読んでもらえれば嬉しいです(書くの大変だったわい…)!
サメグレロ地方の風土:亜熱帯気候に育まれたジョージアのフルーツ天国

サメグレロ地方がジョージア他地域と大きく異なる点が、気候。
ジョージアの大部分は大陸性気候に属していますが、サメグレロ地方をはじめとする黒海沿岸地域は亜熱帯気候に分類されます。
そのため、サメグレロ地方は年間を通して温暖。
冬でも雪が降ることはかなり珍しく、気温もそこまで下がることはありません。


このマイルドな気候こそが、サメグレロ地方全体に漂うゆったりとした雰囲気の要因。
冬でも薄着で遊び回る子供たちや、自由に村を歩き回る家畜たちの姿を見ていると、「古き良きジョージアの田舎」といった風情が感じられるでしょう。

とにかく気候が良いサメグレロ地方は、フルーツの生産が盛んなことで有名。
みかんやレモンなどの柑橘類、キウイやフェイホアなど南国らしい果物などが多く実り、野生のバナナの木も見られるほどです。
サメグレロ地方の歴史をザックリと

サメグレロ地方は、ジョージア他地域とはやや異なる歴史をたどってきたエリア。
この地域の個性ある魅力を堪能するには、独自の歴史(特に近世)について少しでも知っておくのが絶対です。
ここではできる限りシンプルに、サメグレロ地方の歴史を解説します。
サメグレロ旅行中に何度も耳にすることになるキーワードの数々もしっかり押さえておきましょう。
古代のサメグレロ地方:コルキス王国の黄金郷伝説の舞台

今からおよそ3200年前、サメグレロ地方を含むジョージア西部地域はコルキス王国の領土でした。
ジョージア西部を旅していると必ず耳にする、この「コルキス王国」というワード。
コルキス王国とは、当時地中海世界を制していたギリシア人が黒海を渡って来てジョージア西部に築いた王国であるとされています。
なぜギリシア人がわざわざこの地にやって来たのか…全てはコルキスの黄金郷伝説によるものです。
ギリシャ南部を支配していたボエオティア王の息子・フリクソスは、継母によるいじめに悩まされていました。
ある日、とうとう継母の策略に引っ掛かり、フリクソスは絶対絶命の危機に。
彼を救ったのは、どこからともなく現れた、黄金の毛と羽を持つ空飛ぶ羊でした。
ギリシアから空飛ぶ黄金の羊に乗ったフリクソスは、黒海を越えてコルキス(古代の西部ジョージアを治めていた王国)に到着します。
コルキス王アイエトスは、海を越えてやって来たフリクソスを丁重にもてなし、自身の娘であるチャルシオペと結婚させることに。
フリクソスは感謝の印として、海神ポセイドンへの生贄に羊の肉を捧げ、アイエトス王にその黄金の毛皮を献上します。アイエトス王は、黄金の毛皮を聖木に吊るし上げて飾り、飼っていたドラゴンに寝ずの晩をさせたと言います。

コルキス王国に黄金の羊の毛皮があるという話は、黒海を隔てたギリシアで瞬く間に噂となりました。
その噂を聞きつけたある男が、海を越えて黄金の毛皮を盗みに行く旅を計画します。
彼の名はジェイソン。
ジェイソンは「アルゴ」の名を冠する船団の力を借り、黒海の東岸・コルキス王国に到着。
コルキス王アイエトスの娘であり魔力に長けていたメデアの力を借り、とうとう黄金の羊の毛皮を発見します。
ジェイソンとメデアは黄金の毛皮を手にコルキス王国を脱出し、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
黄金郷伝説はあくまでも「伝説」ではあるものの、実際に当時のジョージア西部地域では金が多く採掘され、黄金細工が生産されていたそう。
その噂を耳にしたギリシア人は「黒海の向こうに黄金郷があるらしい!」と活気づき、アルゴ(Argo)と呼ばれる帆船で現在のポティの港に到着。そこからリオニ川を遡り、現在のクタイシに至ったのです。


コルキスの黄金郷伝説の舞台となったサメグレロ地方やお隣のイメレティ地方(クタイシ周辺)には、現在でも当時の黄金郷伝説にまつわるスポットがたくさん。
日本ではまだ縄文時代であった太古の昔に、ジョージア西部地域ではまさに「黄金時代」そのものの華々しい時代を謳歌していたのです。
中世のサメグレロ地方:キリスト教文化黄金時代からオスマン帝国支配下に

コルキス王国滅亡後のサメグレロ地方は、それまでのギリシア人の影響下からローマ帝国の影響下に。
5世紀(1600年前)にはノカラケヴィを首都としてローマ系のラジカ王国が成立し、キリスト教を国教に定めます。
その後はジョージア他地域と同様に、アラブ人による支配を受けたサメグレロ地方。
11世紀初頭(1000年前)にクタイシで中世ジョージア王国が成立してサメグレロ地方もその領土となり、再びキリスト教文化の黄金時代が戻ってきました。


しかし、中世ジョージア王国の栄光は長くは続かず、16世紀(500年前)にはジョージア西部地域一帯がオスマン帝国(現在のトルコ)の支配下に。
以後数百年に渡ってキリスト教文化は停滞し、イスラム教化が進むこととなります。
近世:ダディアニ家による黄金時代

ここまでは、ジョージア西部地域と同じような歴史をたどってきたサメグレロ地方。
この地域の歴史が大きく転換したのが、17世紀~19世紀にかけての二百年余りの期間でした。
当時のサメグレロ地方は、南のオスマン帝国と北のロシア帝国に挟まれた力の空白地帯のような地域にありました。
これを背景として有力豪族であるダティアニ一族が権力を拡大し、サメグレロ地方を半独立国として発展させたのです。


ダディアニ一族が代々拠点としたのが、現在のズグディディの町。
ダディアニ一族のサメグレロ統治黄金時代とも言える19世紀(200年前)のズグディディでは、当時結びつきが強かったフランスの影響を強く受けた宮殿が次々に建設されます。

莫大な富とともに独自に発展していたサメグレロ公国でしたが、19世紀後半にはロシア帝国に完全に併合され、その後20世紀にはソ連の支配下に。
肥沃な大地と温暖な気候が注目され、フルーツやとうもろこし等の作物の一大産地として社会主義的な産業開発が進められました。
近現代:紛争、そして貧困

1991年にソ連が崩壊し、独立を達成したジョージアは、暗黒時代を経験します。
象徴的なのが、各地で勃発した民族紛争。
特に、サメグレロ地方と接するアブハジア地域の分離・独立派とジョージア中央政府との対立はアブハジア紛争に発展し、双方に甚大な被害をもたらしました。


アブハジア紛争でアブハジアを追われた人々は難民となってすぐ隣のズグディディに流入し、サメグレロ地方は混乱の時代に。
紛争から30年が経過した現在でもアブハジア問題は未解決のままとなっており、その影響はいまだに感じられます。
また、ソ連崩壊後に経済システムが一気に変わり、工場の閉鎖や計画農業政策の転換などによってそれまでの経済活動が成り立たなくなってしまったのも、サメグレロ地方が抱える大きな問題。
町から少し外に出ると、人々の厳しい生活を目の当たりにする光景が多く見られ、ジョージアの他エリアに比べても「限界」な雰囲気が強く感じられるのが現状です。

華やかな時代から混乱の時代までを経験してきたサメグレロ地方。
ジョージアに到来しつつある観光ブームの波に乗り、新たな方向へと進むことができるのか…ポテンシャルはとても高いはずなので、今後が楽しみなエリアです。
サメグレロ地方の民族と気質

サメグレロ地方に住む人々は、ジョージア人でありながらも「メグレル人」に分類されるという、やや複雑な状況。
メグレル人とは、ジョージア人と同じ民族グループにありながらも独自の文化や言語を有する人々のこと。
日本で例えるなら、同じ「日本人」でありながらも歴史や言語、民族的なルーツが異なる沖縄の人々をイメージすれば分かりやすいかもしれません。
メグレル人の人口はおよそ40万人ほどと言われ、その大半がここサメグレロ地方に居住しており、かつてはアブハジア側にも多くのメグレル人が居住していました。
そもそも「サメグレロ」という地名自体が「メグレル人の土地」を意味するもの。
サメグレロ地方を旅しているとよく耳にする「メグルリ~」という言葉は、「メグレル人の~」を意味する形容詞形で、この地域独自の料理名などにも多く見られます。

そんなメグレル人に対するジョージア他地域の人々のイメージは、なかなか興味深いもの。
・明るく人が良い
・歌うような抑揚で話す
・お喋り好き
・のんびりしている
・辛い食べ物が好き
こんな感じで、「明るく陽気でのんびりしている」というイメージは、日本人が沖縄の人々に対して抱くイメージと似たようなものがあるのかも。
実際にこのイメージは結構正しく、サメグレロ地方の人々は柔らかな態度で、旅行者にも話しかけたがる気さくな人が多いように思います。

また、サメグレロ地方の人々はジョージア他地域に比べて、老若男女問わずシュッとした外見の人が多いのも特徴的。
すらりと背が高くて毛深さもなく、髪や肌の色素がやや薄いのが印象的でした。
サメグレロ地方の歴史の項で解説した通り、サメグレロ地方は元々ギリシア人によって拓かれた場所で、中世に多くの民族が行き交ったシルクロードからも外れた場所にあります。
山岳民族との交流やシルクロード交易による混血が進んだジョージア東部地域の人々とサメグレロ地方の人々の外見が大きく異なるのは、このあたりに要因がありそうな気もします。
サメグレロ地方の伝統建築

サメグレロ地方を旅していると、一軒一軒の民家とその敷地がとにかく大きいことに気がつくはず。
どの民家も広い庭を有しており、中には敷地内に別宅を構えているようなお宅も。
特に裕福な家庭というわけでもなく、どの家もデフォルトで大きいのです。
民家の内部に入ってみると、驚かされるのが天井の高さと部屋数の多さ。
十部屋以上を備えた家も珍しくなく、日本だったら数億円の豪邸として売り出せそうなほど、とにかく空間の使い方が贅沢なのです。

こうしたサメグレロ地方の伝統建築は「オダ」と呼ばれ、町を出て少し田舎に行けば多く目にすることになるはず。
オダの特徴は、天井を高く設置した二階建ての石造りの建物であることと、美しい意匠を凝らした木製のテラスが設置されていることです。


なぜサメグレロ地方の伝統建築「オダ」はこんなに広々としていて、こんなにも多くの部屋数があるのか…
その最大の理由は、客人を自宅に招き入れてもてなすためです。
サメグレロ地方では、結婚式や葬儀などは自宅を利用して行われ、いずれの場合も多くの人を招くのが伝統(なんと数百人単位)。
遠方からやって来る客用の宿泊スペースとして複数の部屋が必要だったり、宴のために広大な庭のスペースが必要だったり…と、客人を招き入れることをメインに家が建てられているというわけです。

この「客人至上主義」とも言えるサメグレロ地方ならではの考え方は、ジョージアの中でもホスピタリティー文化が強く残っていることにも間違いなく影響しているはず。
他所の人間に対しても明るくオープンマインドなサメグレロの人々の感じも、常に客人を迎えることで日常が回っている独特のライフスタイルに起因しているのかもしれません。
サメグレロ地方の言語

サメグレロ地方の人々がメグレル人に分類されるという点にはすでに触れましたが、メグレル人がジョージア人と区別される最大の要因が言語。
実は、サメグレロ地方の人々が話すのはジョージア語ではありません。
サメグレロ地方にはメグレル語(Mingrelian / მარგალური ნინა)という独自の言語が存在しており、サメグレロ地方全域とアブハジア共和国の一部で話されているのです。
メグレル語とは、ジョージア語が属するカルトヴェリ語族の四言語のうちの一つ。
つまりジョージア語の仲間と言えば仲間なのですが、文法や表現は驚くほど異なるので、お互いに意思疎通ができるレベルではありません(同じラテン語族であるフランス語とイタリア語で意思疎通ができないのと同じようなこと)。
| ジョージア語 | メグレル語 | |
| こんにちは | გამარჯობა ガマルチョバ | გამარჯობა ガマルチョバ |
| ありがとう | მადლობა マドロバ | მარდი マルディ |
| どういたしまして | არაფრის アラフェリス | დემშა デムシャ |
| お元気ですか? | როგორ ხარ? ロゴル ハル | მუჭო რექ? ムチョ レク |
| さようなら | ნახვამდის ナフヴァムディス | ჯგირო ジュギロ |
とまあこんな感じで、「こんにちは=ガマルチョバ」以外には、ジョージア語とメグレル語の間には全くもって共通点はなし。
ジョージア語の会話であればまあそれなりに意図は汲み取れるレベルののぶよですが、メグレル語の会話は何一つ分からなすぎて完全なる宇宙です。
とはいえ、サメグレロ地方の人々のほとんどは、メグレル語とジョージア語のバイリンガル。
仲間内ではメグレル語で会話し、他所から来た人にはジョージア語で話しかけるのが普通です。

日本でも各地の方言が徐々に消えつつあるように、こうした少数言語というものは消滅の危機にある場合も多いもの。
いっぽうのメグレル語は若い世代の間でも現役で使用されているのが特徴で、メグレル人であることの誇りとともに人々に話されているような気もします。
サメグレロ地方では挨拶程度でもメグレル語を使ってみると、100%喜んでもらえるはず。
まずは「マルディ!(ありがとう)」から。地元の人もきっと笑顔で「デムシャ!(どういたしまして)」と返してくれるはずです。
サメグレロ地方の食文化

サメグレロ地方と言えば、ジョージア他地域とは大きく異なるサメグレロ料理。
サメグレロ地方の食文化の独特さはジョージアの中でも群を抜いており、サメグレロ料理を食べるためにわざわざ他地域からやって来るジョージア人国内旅行客も珍しくありません。


とうもろこし粉を多用することや、くるみをたっぷりと用いた濃厚な味わいが好まれることなど、サメグレロ料理には多くの特徴があります。
特筆すべきが、とにかくどの料理もかなり辛口に味つけする激辛文化でしょう。
「サメグレロ料理=激辛」というのはジョージアの中では常識となっており、アジカという唐辛子ペーストをふんだんに用いた刺激的な味わいが特徴的。
冗談抜きで何を食べても辛いので、辛いもの好きでない人にとってはやや厳しい面があるかもしれません(のぶよはサメグレロ滞在を通して克服した)。

亜熱帯気候を象徴するかのように、ホットでスパイシーな伝統料理が楽しめるサメグレロ地方。
グルメ目的の旅行者ならきっと大満足できる独自の料理の数々は、滞在中にぜひとも制覇したい絶品ばかりです。
サメグレロ地方観光でしたい12のこと
①優雅さとソ連感の融合?【ズグディディ】のカオス感に包まれる

サメグレロ地方最大の都市で、観光・滞在の拠点となるのがズグディディ(Zugdidi / ზუგდიდი)。
サメグレロ地方最大の町であり、文化や経済の中心的役割を担うズグディディは、滞在の拠点として便利な町。
およそ200年前にサメグレロ地方が半独立状態にあった時代の、ダディアニ家の栄光が香る見どころが点在しており、シックで上品なセンスが町の至る所で感じられます。

ダディアニ家は、当時文化的に先進国であったフランスとの結びつきがとても強かったそう。
そのためなのか、観光ハイライトとなるダディアニ宮殿周辺のエリアは、上品で華麗な雰囲気が漂います。

ダディアニ家にまつわる見どころだけをピックアップすると、「ズグディディ=優雅な町」というイメージを持つもの。
しかし実際のところは全くそんなことはなく、町の大部分には近年リノベーションされたソ連時代の建物が並び、「21世紀に蘇ったソ連」といった独特の雰囲気です。


また、ズグディディ中心街にある巨大なバザール(市場)は、ジョージアの中でも最もカオスで最も熱気溢れる異様な雰囲気が魅力的です。
バザールの人の感じはとても温かく、この地域ならではの珍しい食材の豊富。
のぶよ的に、ジョージア各都市の市場の中でも最も昔ながらの雰囲気を残しているのがズグディディの市場だと思います。

ダディアニ家の歴史スポットめぐりも、ソ連感を感じる散策も、市場のアジア的な熱気も楽しめるズグディディ。
物価も安めで、周辺の見どころへの交通も充実しているので、サメグレロ地方旅行の拠点としてもおすすめな町です。
②【エングリ・ダム】のターコイズブルーに感動する

ズグディディからの日帰りで訪れることができるエングリ・ダム(Enguri Dam / ენგურის კაშხალი)は、ソ連時代に整備された巨大なアーチ式のダム。
コバルトブルーの湖面は、まるで大量の絵の具を溶かしたように鮮やかで、どこか毒々しささえ感じるほどです。
当時、世界で二番目の規模を誇ったエングリ・ダム。
ソ連の技術が凝縮されたものとなっており、実際に見るとその巨大さにびっくりします。


言ってしまえば「ただのダム」なのですが、ダムが好きな旅行者は意外と多いはず。
こうしたニッチな需要を狙ってなのか、現在エングリ・ダムではジョージア政府主導の観光地化プロジェクトが進められています。
ダム・ミュージックフェス、ダム・ケーブルカー、ダム・バンジージャンプ…などなど、キラキラ&ヨーロピアンなものが大好きなジョージアという国が考えることなので、もう常識の範疇を越えています(し、ケーブルカー以外は実現する可能性はゼロだと思います)。

コバルトブルーの絶景も、そこはかとないB級感も面白いエングリ・ダム。
キラキラ輝く未来を想像しながら散策するのがおすすめです!
③【インツラの滝】のミステリアスな雰囲気にひたる

ズグディディの北部に位置するインツラの滝(Intsra waterfall / ინწრას ჩანჩქერი)は、日帰りで自然を感じられるおすすめスポット。
エメラルドグリーンに輝く滝壺と、映画「もののけ姫」さながらの緑に包まれた渓谷美を楽しむことができます。


滝自体はとても美しく癒されるのですが、実はインツラの滝の上部にはちょっと不気味な洞窟があり、周辺の空気もなんとなく異質でした(のぶよはそういうスピリチュアル系とは縁がない人だけど)。
人の姿が全くない滝周辺は、水の音だけが支配する静寂の世界。
周囲の薮からは獣(だと信じたい)が「ガサガサッ」と動く音がしたり、真っ暗な洞窟の入口には赤と白の布が絡まっていたりと、日本のホラー映画もびっくりな雰囲気です。
もしかしたら、ジョージアの山奥で本物の「もののけ」に出会ってしまうかも……
④【ルヒ城塞】からアブハジア共和国を眺める

ズグディディからわずか10kmほど先には、未承認国家として勝手に独立を宣言したアブハジア共和国との境界線があります。
一般の旅行者がアブハジア共和国を訪れる際は、リスクを覚悟しなければいけないもの。
・ジョージア政府の実効支配が及んでいない
・特別なビザが必要
など気を付けるべき点が多く、そもそも2025年現在ジョージア側からアブハジア側への入域は不可能となっており、以前よりもアブハジア渡航のハードルはさらに上がってしまいました。
ジョージア領内に留まりながらアブハジア共和国の風景だけでも見たい人におすすめなのが、ルヒ城塞(Rukhi castel / რუხის ციხე)です。

アブハジア共和国との境界まで1kmという立地の廃城塞で、目の前にはアブハジアの緑あふれる風景が広がります。
「国境」検問所付近に掲げられたアブハジア「国旗」が肉眼でも確認できるほどの近さですが、ここはれっきとしたジョージア領内。
個人でのアクセスも簡単&危険もないので、ニッチな場所を攻めたい人にはおすすめです。
⑤アブハジア目の前の廃ビーチリゾート【アナクリア】で望郷スイミング

ズグディディから行ける黒海ビーチとして有名な町がアナクリア(Anaklia / ანაკლია)。
ヤシの木が並ぶ海沿いの遊歩道に青い黒海が南国情緒を醸し出しているのですが、夏のハイシーズンでも人影はまばら…
そう、アナクリアはビーチリゾートとして開発される途中で放棄されることになった歴史を持つ「廃ビーチリゾート」なのです。


また、アナクリアは未承認国家のアブハジア共和国までたったの1kmという絶好の(?)ロケーションも魅力的。
現在はジョージア側から訪れることはできない地を間近に眺めながら、望郷スイミングが楽しめます。
⑥【マルトヴィリ渓谷】の渓谷美を無料で堪能する

サメグレロ地方東部エリアの観光・滞在の中心となるのがマルトヴィリ(Martvili / მარტვილი)の町。
ジョージア西部を代表する景勝地であるマルトヴィリ渓谷で知られ、サメグレロ地方の中では最も多くの観光客が訪れます。
マルトヴィリ渓谷はとても美しくはあるものの、入場料がかなり高額なのが難点。
しかし、渓谷周辺には「裏マルトヴィリ渓谷」なるエリアがあり、本家マルトヴィリ渓谷にも劣らない渓谷美が無料で堪能できるのです。


また、マルトヴィリの町を見下ろす丘の上に立つマルトヴィリ修道院も必見。
10世紀建造の聖堂内部は壁から天井までびっしりとフレスコ画に覆いつくされ、神聖そのものな雰囲気が感じられます。
マルトヴィリの町には旅行者に必要な施設が一通り揃っており、サメグレロ地方東部エリアの滞在拠点にぴったり。
周辺には他にも見どころが点在しているので、のんびりと滞在しながら色々と足をのばすのがおすすめてす。
⑦【バルダ渓谷】の三つの滝をまわる

マルトヴィリ拠点の日帰りトリップにおすすめなのがバルダ渓谷(Balda Canyon / ბალდის კანიონი)。
サメグレロ地方を象徴する渓谷美が見られる場所で、「バルダ三滝」と称される三本の美しい滝が点在しています。


バルダ三滝は丸一日あれば全てをまわることが可能ですが、山道をまあまあな距離歩くことになるので、できれは現地に宿泊するのがベスト。
周辺には民家の一部を旅行者向けに開放したゲストハウスも数軒あり、田舎暮らし気分での滞在ができます。
⑧【Karma Hostel】で田舎暮らし体験

古き良きジョージア地方部らしい素朴な風景もサメグレロ地方の魅力の一つ。
せっかくここまでやって来たなら、この地域の伝統家屋を改装した宿で田舎暮らし体験をするのも楽しみの一つです。
ゲストハウスやホステルなど様々なタイプの宿泊施設がある中で、のぶよのおすすめはマルトヴィリにあるカルマ・ホステル(Karma Hostel)という宿。
温かみのある雰囲気の中で、他の旅行者との交流が楽しめます。


カルマ・ホステルがあるのは、マルトヴィリ中心街から少々離れた集落で、食事は地産地消のオーガニックフードが基本。
何とも言えない独特の雰囲気も特徴的で、特に欧米人旅行者の間では「伝説の宿」として語り継がれているのだそうです。
「THE・ジョージアの田舎」といった感じの集落を散策したり、宿の敷地内を歩き回る動物たちと触れ合ったり、一日中庭のハンモックに揺られたり…
「何か特別なことをしなくても心が満たされる」という地方部ならではの生活の良さに気が付くはずです!
⑨【ノカラケヴィ遺跡】で1500年前にタイムスリップする

サメグレロ地方の豊かな歴史に触れたいなら、ノカラケヴィ(Nokalakevi / ნოქალაქევი)にはぜひ足を運びたいもの。
ジョージア語で「かつて町があった場所」という地名の通り、約1500年前のビザンツ帝国支配時代にこの場所にあった要塞都市の跡地です。


三方を川に、もう一方を山に囲まれたノカラケヴィは、天然の要塞そのもの。
観光のハイライトとなる城壁からの眺めは圧巻で、当時キリスト教が主軸となっていた社会を象徴するかのように、初期キリスト教建築の教会が残っています。
⑩大自然に囲まれた【ノカラケヴィ温泉】でリラックス おすすめ!

ノカラケヴィの遺跡とセットで訪れたいのが、すぐ近くにこんこんと湧く名もなき天然温泉。
のぶよが勝手に「ノカラケヴィ温泉」と名付けたこの場所では、渓流すぐそばで入浴することができ、日本人旅行者にとっては歓喜の舞なスポットです。
石灰を多く含む泉質のお湯はかなり熱く、辺りには温泉特有の硫黄の匂いが立ち込めています。


源泉付近はかなり熱いので、すぐそばに流れる川の水を引き入れて適温にすることで手作り温泉を楽しむのが地元流。
すでに誰かが作った湯船を利用させてもらうのも良いですし、自分だけの露天風呂を一から作るのも楽しいです。
全くもって観光地化されておらず、知る人も少ないたノカラケヴィ温泉は、「ワイルド」という言葉がどこまでも似合う場所。
清流の流れと鳥の鳴き声を聞きながら、極上の時間を過ごすことができる超・超・超おすすめスポットです!
⑪黒海のパリ【ポティ】でとれびあーんな町歩き

サメグレロ地方の最も南、黒海に面した港湾都市がポティ(Poti/ფოთი)です。
古くから黒海交易の重要拠点として栄えたポティは、建築や町の雰囲気がとても独特。
「黒海のパリ」と称されるほどに、美しく整備された町に歴史的建造物が建ち並ぶ風景が素敵です。


南国情緒と気品が入り混じった独特のポティらしさは、ジョージアでもここでしか味わえないもの。
町のすぐそばには世界遺産のコルヘティ国立公園があり、サメグレロ地方南部観光の拠点として便利な町です。
⑫世界自然遺産【コルへティ国立公園】で亜熱帯の湿原トリップ

ポティの町の南に広がる広大な湿原地帯が、コルヘティ国立公園(Kolkheti’s National Park/კოლხეთის ეროვნული პარკის სამმართველო)。
UNESCOの世界自然遺産に登録されている場所で、亜熱帯気候に育まれた独特の植生と貴重な鳥類の宝庫として保護されています。


コルへティ国立公園が世界自然遺産に指定されたのは2021年とまだ最近のこと。
そのためなのか、旅行者向けのインフラはまだまだ未発達な状態で、今後の整備に期待したいところです。
ジョージア他エリアでは見られない湿原の自然風景の貴重さはもちろん、亜熱帯ムードに包まれた空気感も素敵。
国立公園すぐそばには黒海ビーチも広がっており、夏のサメグレロ地方旅の素敵な思い出となること間違いなしです。
サメグレロ地方旅行のプランニングのポイント&アドバイス
ここまで読んだ人には、きっとサメグレロ地方の魅力が伝わっているのでは。
地味ではあるもののなんだか不思議と居心地が良いこのエリアを、実際に旅してみようと考える人もいるのではないでしょうか(おらんか)。
ここでは、サメグレロ地方を実際に訪問する際に役に立つアドバイスやプランニングのポイントを解説します。
サメグレロ地方旅行におすすめの季節

サメグレロ地方は年間を通して温暖な地域。
冬でも雪が降ることはほぼなく、ジョージア全国的に一般的にオフシーズンとされる12月~2月の時期でも快適に旅が楽しめます。
いっぽうで、黒海からの湿った風が山でブロックされる地形であるため、サメグレロ地方はとにかく湿度が高い点に注意。
夏場はかなりの蒸し暑さとなり、蚊が大量発生することでも知られているので、それなりの対策は必須となります。
サメグレロ地方は年間を通して降水量が多い地域ではあるものの、一日中雨が降り続くことは意外に少なめ。
ザーッと降っては太陽が顔を覗かせるといった、スコールのような感じが多いです。
総合的に、サメグレロ地方を旅するのにおすすめな季節は、夏以外。
特に11月と12月はとても快適なぽかぽか陽気が続き、非常に過ごしやすいです
観光・滞在の拠点は3か所に分ける
サメグレロ地方の見どころを上手にまわるためのポイントは、以下の3都市を中心としたエリアに分けて計画することです。
・ズグディディ(西部エリアの拠点)
・マルトヴィリ(東部エリアの拠点)
・ポティ(黒海沿岸エリアの拠点)

【ズグディディ】
サメグレロ地方最大都市のズグディディは、サメグレロ地方西部&北部エリアの観光の拠点にピッタリな都市。
トビリシ/クタイシ/バトゥミなど他地域の都市から直行マルシュルートカ/鉄道路線もあるため、アクセスはサメグレロ地方内で最も便利です。
近郊の見どころへのマルシュルートカも全てズグディディ発着なので、この町を拠点に数日滞在するのがおすすめ。
ズグディディは、スヴァネティ地方のメスティアへアクセスする際の拠点になる町でもあるため、移動途中に立ち寄って観光することもできます。
他都市~ズグディディ間のアクセス・交通情報詳細はこちらへどうぞ!
【マルトヴィリ】
アクセス面ではズグディディにかなわないものの、旅行者向けの施設がそろったマルトヴィリは、サメグレロ地方東部エリアの観光拠点として便利な町。
マルトヴィリに滞在しながら、周辺の見どころへマルシュルートカでアクセスすることも可能です。
マルトヴィリからお隣イメレティ地方のクタイシへと抜けることもでき、クタイシ近郊の見どころに立ち寄りながらの移動も可能です。
他都市~マルトヴィリ間のアクセス・交通情報詳細はこちらへどうぞ!
【ポティ】
黒海沿岸の小都市ポティは、近郊のコルへティ国立公園や黒海ビーチ観光に便利な立地。
地理的にサメグレロ地方内でやや孤立した町ではあるものの、トビリシ方面とは鉄道で結ばれており、アクセスは悪くありません。
ポティの少し南には黒砂ビーチで有名なウレキや、昔ながらのビーチリゾートのコブレティが位置しており、ビーチ目的の旅の拠点にぴったりな町です。
他都市~ポティ間のアクセス・交通情報詳細はこちらへどうぞ!
サメグレロ地方旅行の必要日数

上の項で解説した通り、サメグレロ地方旅行は3つのエリアに分けて考えるのが◎
ズグディディ/マルトヴィリ/ポティのいずれかの町を拠点としながら、近郊の見どころに足をのばすスタイルがベストです。
各拠点都市の観光はいずれも数時間~半日あれば十分な規模。
近郊の見どころにどれだけ多く足をのばすかによって必要日数が大きく変化します。
・ズグディディ周辺エリア:市内観光半日+近郊スポット2~3日
・マルトヴィリ周辺エリア:市内観光半日+近郊スポット1日
・ポティ周辺エリア:市内観光半日+近郊スポット1日
こんな感じ。合計で1週間みておけば、本記事内の見どころすべてを個人で制覇することができます。
他エリアとの組み合わせプランもおすすめ
サメグレロ地方はエリア内交通網が未発達でやや不便。
例えばズグディディ~ポティ間の移動はマルシュルートカの本数が少なかったり、ズグディディ~マルトヴィリ間には直行の交通がなかったり…と、同じ地方内であるのに移動に困ってしまう場面も少なくありません。

すでに紹介したサメグレロ地方での滞在拠点となる三都市は、いずれも隣の地方との交通の方が便利。
なので、サメグレロ地方単体で旅行プランニングするよりも、隣接する地域の観光と合わせて考える方が効率的な場合もあります。
サメグレロ地方と組み合わせて旅行プランニングがしやすいのが、ジョージア西部の3つのエリア。▼
と、どれもそれぞれ異なる魅力を放つ素晴らしいエリアばかり。
旅行がより充実したものとなりそうです!
ジョージア文字は読めた方が良い
「ジョージアの鳥取島根」なサメグレロ地方には、ご想像の通り外国人観光客はほとんどやって来ません。
観光地化されているわけもないので、英語の通用度は絶望的。
ジョージア語(かロシア語)の基本的な表現は覚えておくに越したことはありません。
他にも、ジョージア文字をある程度読めるようにしておくのがおすすめ。

というのも、マルシュルートカの行き先表示やレストランのメニューに至るまで、ほぼすべてがジョージア文字表記オンリーなためです。
こんなところまでやって来る旅行者は、ある程度はジョージアの他地域も訪れた人だろうと思いますが、とにかく文字を読めるか読めないかで旅行のしやすさが天と地ほどの差になります。
サメグレロ地方旅行時の注意点

サメグレロ地方を訪問したい人が気になるのが、すぐ隣にあるアブハジア共和国の存在ではないでしょうか。
アブハジアとは、ジョージア政府の統治が及ばない「未承認国家」とされる地域。
およそ30年前、1990年代にはこの地域の帰属を巡りジョージア側とアブハジア側の間で紛争に発展し、双方に甚大な被害をもたらしました。
現在もアブハジア問題は未解決のままとなっているものの、2000年代以降は武力衝突は一度も発生しておらず、緊張もかなり緩和されています。
なので、いち旅行者がサメグレロ地方を旅して危険な目に遭う可能性は限りなくゼロに近いと言えるでしょう。
サメグレロ地方、特にズグディディ周辺にはアブハジアとの境界すぐそばまで近づけるスポットがいくつかありますが、それらも特に問題なく訪問が可能なほど。
しかしながら、さすがに境界付近に近づくことは許されておらず、怪しい人間は当局による尋問や拘束など不測の事態となる可能性もあるので、ルールを守った上での観光は絶対です。
おわりに:サメグレロ地方の最大の魅力とは…

マイナーながらもたくさんの魅力があるサメグレロ地方。
その魅力をとことんお伝えしました。
食文化や独自の言語、旅行計画のコツまで…旅に必要な情報は全て網羅したつもりです。
サメグレロ地方の素晴らしさを色々と解説してきましたが、のぶよ的にこのエリアで最も印象深かったのが、人々のオープンマインドさ。
「ジョージア西部の人は開放的な気質の人が多い」とはよく言われるのですが、サメグレロ地方の人々に関しては群を抜いていると感じました。
・マルシュルートカの同乗者みんなで食べ物を分け合って遠足気分(もちろんのぶよにも)
・テラスで飲んでる人々(もちろんただの民家)に凄い勢いで手招きされて飲まされる→お土産にブドウもらう
・道路を歩いていたら、勝手に車を停めて乗せてくれる
・(自称)英語できるというお兄さんが、微妙な英語で話しながらわざわざバス発着地まで連れていってくれる
言葉は通じなくとも、人々の優しさに触れたことは数知れず…
地元の人々との素晴らしい思い出がたくさんできた、素敵な旅となりました。
温暖な気候がそうさせるのか、のんびりとした地方部らしい雰囲気がそうさせるのかはわかりませんが、のぶよの中ではサメグレロ地方の人々はジョージアで最も温かくて人懐っこかった印象です。
「ジョージアの鳥取島根」・サメグレロ地方を訪れる旅行者は、他のエリアに比べてかなり少ない(というかほぼゼロ)なのが現状。
しかし、自然も歴史も伝統文化も人々の温かさも…派手さはないもののキラリと輝く不思議な魅力があるジョージア最大の穴場エリアであることは間違いありません。
ジョージア旅行の日程が許すなら、ぜひとも訪問してみてほしいサメグレロ地方。
亜熱帯のむんわりとした空気の中で食べる激辛のサメグレロ料理や、昔から何も変わっていない田舎風景が、旅の思い出を彩ってくれるはずです!























































コメント