こんにちは!3ヶ月のトルコ滞在もまもなく終盤、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
トルコには「オスマン帝国時代の町並み」を謳う場所が多く存在します。
日本の「小京都」のようなものだと考えるとわかりやすいかもしれません。
そんな場所の頂点に君臨する町の一つが、トルコ北西部にあるサフランボル(Safranbolu)。
かつてはサフランの産地であったことからこの名がついた町は、現在では古き良きオスマン帝国時代の雰囲気を求める観光客に大人気の場所となっています。
世界遺産にも指定されているサフランボル旧市街。
散々観光地化された「オスマン帝国の古き良き村」を見てきたのぶよは、正直そこまで期待していませんでした。
「どうせ民芸品を売る店がずらっと並んでいる、リノベーションされまくった古き良き村でしょ」と思っていたほど。
しかしながら、実際に来てみてびっくりしました。
サフランボル、結構良かったんです。
もちろん観光地化はされているものの、その雰囲気は意外にギラギラしておらず、素朴な感じ。
町に点在する絶景ポイントも素晴らしく、伝統的な造りの家々も丁度良いくらいに維持されていました。
その理由はただ一つ。朝に訪れたからです。
今回の記事では、サフランボル観光の見どころや朝の観光がおすすめな理由、超複雑なバスターミナル〜旧市街間の移動を解説していきます。
世界遺産・サフランボルの見どころ
サフランボルの見どころの全ては、エスキ・チャルス(Eski çarşı)と呼ばれる旧市街エリアにあります。
切り立った山に囲まれた谷に位置する旧市街は、多くの道が石畳の坂道。
広いエリアではないものの、道が曲がりくねっていることもあり、結構な距離を歩くことになります。
オスマン帝国風の可愛らしい町並みを散策
サフランボルが世界遺産に指定されている最大の理由が、19世紀以前のオスマン帝国時代の家々が残っていること。
どれも素晴らしい保存状態のものが多く、統一感のある町並みには感動させられます。
後述するタリヒ・ジンジ・ハマムに面した広場が、サフランボル旧市街の中心部。
新市街からのミニバスはここの発着です。
広場周辺は、石畳の路地がいくつも延びている散策が楽しいエリア。
土産物屋やレストランなども多く、観光地としてのサフランボルの姿を感じさせられます。
中心部から離れれば離れるほど普通の民家が並ぶ本来の町の雰囲気が感じられるようになるのは、サフランボルでも同様。
伝統的な家々に囲まれた誰もいない路地を、迷いながらのんびりと散策しましょう。
サフランボル名物をお土産に!
サフランボルの町の名前の由来は、サフランにあります。
シルクロードを通って、中国からトルコに伝えられたサフランは、独特の黄色い色を出す香辛料の一つ。
しかしながら、香辛料として利用されるのは、サフランの花の赤い雌しべの部分のみなんです。
古くからサフランの栽培がおこなわれてきたサフランボルのサフランは有名で、サフランライスを食べられるレストランも旧市街に点在しているので挑戦してみるのもいいかも。
お土産用に小瓶に入ったサフランも売られており、インテリアとしても可愛らしいと思います。
世界遺産の町を見渡す二つの絶景ポイント
サフランボル旧市街にはいくつかの絶景ポイントがあります。
ここではポストカード等にも良く使われる、世界遺産の町を一望する二つの絶景ポイントを紹介します。
旧市街西側の時計台の下
サフランボル旧市街は、周りを切り立った山に囲まれた独特の地形。
西側の高台には町のシンボルの一つである時計台と、西欧風なレトロ建築が特徴の歴史美術館があります。
ここから眺める旧市街の風景には、きっと息を呑むことでしょう。
モスクやハマムの建物を中心として、伝統的な家々が放射状に広がっているのがわかります。
どの家も赤い屋根瓦と白い壁で統一されており、とても落ち着いた印象を与えます。
中心部からは坂を登ること10分ほどですが、訪れる価値はあります。
旧市街南側の高台
続いて紹介するのが、旧市街南側の丘からの眺め。
北向きに町を眺める形になるので、一日中いつでも素晴らしい絶景が望めるのがポイントです。
しかしながら、そういう所に目をつけないはずがないトルコ人。
この展望スポットへの入場は有料(2TL=¥36)です。
お金の問題ではなく、のぶよはこういうのが大嫌いなのでもちろん入場しませんでしたが、料金所の手前からでも十分綺麗な景色が望めます。
伝統のトルコ式風呂は今も現役!タリヒ・ジンジ・ハマム
↑湯気が出ているのが目印
サフランボル旧市街のど真ん中に佇む歴史ある建物は、タリヒ・ジンジ・ハマム(Tarihi Cinci Hamamı)。
歴史ある建物は現在でもハマム(トルコ式風呂)として利用されており、料金は高めなものの、極上のリラクゼーションを体験することができるでしょう。
シルクロード交易を今に伝える隊商宿!ジンジ・ハン
広大な長方形の建物が、12世紀建造の隊商宿の跡であるジンジ・ハン(Cinci Han)。
かつてはシルクロードを通ってやってきた物や人で溢れていた場所ですが、現在はホテルになっています。
中庭への入場は無料で、かつてのサフランボルの風景を彷彿とさせます。
ジンジ・ハンの屋根の上には登ることができ(有料)、サフランボル旧市街を上から眺めることができます。
オスマン帝国の民家内を見学!カイマカムラル住居博物館
サフランボルに来たなら、オスマン帝国時代の民家の中を見学してみたいもの。
旧市街南側にあるカイマカムラル住居博物館(Kaymakamlar Gezi Evi)では、かつての民家の内部を博物館として開放しているのです。
この家の所有者は、サフランボルでも裕福だった一族。
そのため普通の民家よりも敷地が広く、三階建ての立派な佇まいを誇っています。
展示内容は、各部屋がどう使用されていたか簡潔に説明があるくらい。
あとは微妙なクオリティーの蝋人形(電気でぎこちなく動く)と家具で当時の生活を再現し(ようとし)ています。
のぶよ的には、当時の生活や建築様式に関してもう少し詳しい説明がほしいところでした。
ちょっとずつ動く蝋人形で理解するのは無理があります(笑)
しかしながら、ちゃんと保存された建物自体は見ごたえ抜群。
木製の床や階段がきしむ音や、伝統的な刺繍が施されたソファーなど、当時の住人になったような気分で楽しむことができます。
窓から眺めるサフランボル旧市街の町並みも美しく、気分はオスマン帝国のお金持ちになったようでした。
インフォメーション
カイマカムラル住居博物館
営業時間:全日9:00~17:30
料金:5TL(=¥93)
サフランボル観光は絶対に朝がおすすめ!
世界遺産に登録されていることもあり、多くの観光客が訪れるサフランボル。
特に、大型バスでやってくる団体観光客に遭遇すると、町はただのディズニーランド状態となってしまいます。
多くの団体ツアーがサフランボルに立ち寄るのは午後。
他の都市や観光スポットから距離があるため、午前中には団体の姿はほとんど見かけません。
時が止まったような静かな雰囲気の町の散策が最大の見どころであるサフランボル。
朝の時間に聞こえてくるのは、鶏の鳴き声だけです。
観光客向けのお店も閉まっているか準備中で、のんびりと朝の時間を過ごす地元の人々の姿が見られ、本来の町の姿をうかがうことができます。
お昼過ぎになると人の数がどっと増えるので、正午くらいまでがおすすめの観光時間となります。
また、出来れば土日を避けて訪れるのもポイント。
サフランボルはトルコ人にも人気の観光スポットであるため、土日になると日帰り観光にやってくるトルコ人で町が埋め尽くされるためです。
のぶよ的には、他都市から距離があるサフランボルへの移動は夜行バスを利用して、到着後の朝の時間を存分に満喫するのがおすすめです。
超複雑!サフランボルのオトガル(バスターミナル)〜旧市街のアクセス
トルコのどこの町でもそうなのですが、都市間の長距離バスが発着するオトガル(バスターミナル)は中心街から離れた場所にあり、中心街までの交通は路線バスのみとかなり不便です。
サフランボルも例外ではなく、というか観光地とは思えない度を越した不便さを誇ります。
ここでは、サフランボル観光で誰もが困るオトガル(バスターミナル)~旧市街の移動情報を解説していきます。
とにかく無駄に複雑なので、荷物が少ないなら歩いてしまった方が早い(2kmほどの距離)と思います。
サフランボルのオトガル~旧市街を結ぶバスはない
サフランボルのオトガルは旧市街から2kmほど、新市街から1kmほどの距離の場所に位置しています。
歩けない距離ではありませんが、問題は石畳の坂道。
バスターミナル〜新市街間の道は平坦な舗装道路ですが、中心街〜新市街はかなりの坂道となります。
大きな荷物がある場合やあまり歩きたくない場合は、オトガルから新市街までのドルムシュ(ミニバス)を利用しましょう。
このドルムシュがなかなか曲者で、旧市街までは行かず、新市街のミニバスターミナルが終点です。
ミニバスターミナルから別のドルムシュに乗り換えて、旧市街へとアクセスしなければなりません。
超複雑な3つのバスターミナルの存在
サフランボルの市内移動を複雑にしているのが、狭い市内になぜか三つあるバスターミナルの存在でしょう。
灰色:オトガル
黄色:市内ミニバスターミナル
赤:近郊路線ミニバスターミナル
オレンジ:旧市街バス停
青:観光スポット
緑:絶景ポイント
三つのバスターミナルは用途によって分かれており、どこに行くバスが発着するのかある程度決まっています。
長距離バスが発着するサフランボルのオトガル
他都市からの長距離バス(大型バス)が発着するのが、サフランボル新市街の南1kmほどの所に位置するオトガル(バスターミナル)です。
・オトガル~新市街の市内ミニバスターミナルの移動:ドルムシュ(ミニバス)
・オトガル~新市街の近郊路線ミニバスターミナルの移動:各バス会社運行の無料シャトルバス(セルヴィス)
・オトガル~旧市街:直行バスなし
オトガルや旧市街行きのミニバスが発着する市内ミニバスターミナル
中心街のロータリー脇に位置するのが、サフランボル市内と周辺の村を結ぶ市内ミニバスターミナル。
後述の近郊路線用バスターミナルとは別物なのでご注意を。
オトガルからドルムシュ(ミニバス)でやってきた場合は、ここで旧市街行きの別のミニバスに乗り換える必要があります。
・市内ミニバスターミナル~オトガル:ドルムシュ(ミニバス)
・市内ミニバスターミナル~近郊路線ミニバスターミナル:徒歩すぐ
・市内ミニバスターミナル~旧市街:ドルムシュ(ミニバス)
近郊の町へのミニバスが発着する近郊路線ミニバスターミナル
市内ミニバスターミナルの道路を渡った反対側の路地裏にひっそりとあるのが、近郊路線バスターミナル。
こちらはサフランボル市内や周辺の村ではなく、近郊の町(バルトゥンなど)へ行くミニバスが発着します。
長距離バス会社のオフィスも数軒あり、ここでチケットを購入すればオトガルまでのセルヴィス(無料シャトルバス)を利用することができます。
・近郊路線ミニバスターミナル~オトガル:バス会社運行の無料シャトルバス(セルヴィス)
・近郊路線ミニバスターミナル~市内ミニバスターミナル:徒歩すぐ
・近郊路線ミニバスターミナル~旧市街:直行バスなし(市内ミニバスターミナルからミニバスを利用する)
利用できれば便利なセルヴィス
バス会社によっては、オトガル~新市街にある自社オフィス(近郊バスターミナル周辺)までの無料シャトルバス(セルヴィス)を運行している場合があります。
しかしながら、オトガル→新市街方面は走っていないことが多いのが不便なところ。
新市街→オトガル方面のセルヴィスは、近郊バスターミナルのオフィスでチケットを購入すれば、出発時刻に適したものを案内してくれます。
オトガル~新市街でセルヴィスを利用したとしても、新市街~旧市街間の1kmは徒歩か別のミニバス(市内ミニバスターミナル発着)でのアクセスのみとなります。
サフランボルには荷物預かり所はない!
サフランボルのバスターミナルはバス会社のオフィスと一軒の食堂があるだけの貧相にも程があるもの。
多くの旅行者が日帰りや移動の途中に訪れる場所にも関わらず、なんとバスターミナルには荷物預かり所がありません。
サフランボルに宿泊する場合は問題ないでしょうが、イスタンブール→サフランボル→アンカラなどと移動がてらの観光には大きな障壁となってきます。
方法としては、サフランボル到着時に次の目的地までのバスチケットを購入してしまい、ついでに荷物を預かってもらえるようにお願いすることが考えられます。
基本的に快諾してもらえるでしょうが、100%とは言い切れません。
のぶよ的には、荷物のことを考えるのが面倒なので、アンカラを拠点に日帰り(片道3時間)するか、サフランボルに宿泊するかのどちらかがおすすめです。
ネット規制の影響で、Booking.comでの予約ができないトルコ。代わりの宿泊予約サイトではAgodaがおすすめです。
期間限定セールを利用すればかなりお得な料金で宿泊できるのもポイント。チャンスを逃さないで!
おわりに
トルコ国内の他の観光スポットからはやや距離があるサフランボルですが、世界遺産の美しい町並みは一見の価値があります。
トルコのバスのシステムに慣れていないうちは、個人でのアクセスはちょっとハードルが高そうに思えますが、行ってしまえば結構何とかなるものです(笑)
坂道が多いサフランボルの旧市街観光は結構歩くことになるので、準備は万端にして訪問しましょう。
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とにかく情報量が半端じゃありません。人と違う場所へ行ってみたい人は是非!
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