こんにちは!ジョージア北東部の山岳地帯・カズベキにのんびり滞在中で、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
カズベキと言えば、コーカサス山脈の大自然。
大自然と言えば、そう。ハイキングです。
ハイキング・トレッキング初心者から中級者・上級者まで、誰もが自分に合ったレベルで大自然の中でのアクティビティーが楽しめることが、カズベキ最大の魅力と言えるでしょう。
しかしながら、カズベキ周辺エリアのハイキングコースは距離が長め&高低差が結構あることが多く、歩くのがあまり得意でない人はためらってしまうかもしれません。
ご安心ください。
誰もが自分に合った楽しみ方ができるのがカズベキの良いところ。
「あまりハードなハイキングは嫌だけど、少しくらい自分の足で歩いてコーカサスの大自然を感じたい!」
という人にぴったりの、距離短め&高低差ほとんどなしというお手軽ハイキングコースもあるのです。
それが今回紹介する、天然炭酸水プール&見張り塔が残る村をまわるコース。
「ハイキング」と呼ぶのをためらってしまうほどに簡単なコースながら、カズベキ周辺の山々の絶景は他のより難易度が高いハイキングコースにも劣っていません。
大自然だけでなく、カズベキ地方伝統の見張り塔が残る村にも立ち寄ることができるのもポイント。
コーカサスの自然もジョージアの伝統文化も楽しむことができる、一石二鳥の数時間を過ごすことができます。
今回の記事では、天然炭酸水プール&見張り塔が残るパンシェティ村をめぐるハイキングの見どころやコースの詳細を解説していきます。
「こんなの楽勝!まだまだ歩ける!」という人のために、さらに足をのばしてもう一つの見張り塔の村であるスノ村へと向かうコースも解説しているので、体力や時間に合わせて調節してみてください。
絶景を見ながらシュワシュワ体験!天然炭酸水プール
のぶよがカズベキで滞在している宿のオーナーイチ押しの場所が、カズベキ中心街の南2kmほどの場所にある天然炭酸水プール。
カズベキの町を取り囲むようにそびえる山々の絶景を望みながらスイミングが楽しめるということで、地元の人にも大人気の場所だそうです。
その絶景もさることながら、青とも緑ともつかない不思議な色のプールの水は美しいのひとこと。
その名の通り、この水は地底から湧き出す炭酸を含んだ鉱泉なのです。
鉱泉と言っても温かいものではなく、水温は20℃ないくらいとかなり冷たいのが特徴。
夏でも気温が20℃台前半であることが多いカズベキなので、最初は水につかるのにかなり勇気が要ります。
しかしながら、一度水の中に入ってしまえばこっちのもの。
炭酸のシュワシュワが全身を包むのが感じられ、水から上がった後はミネラル成分のおかげか、肌がツルツルになっていることに気が付くはずです。
地元では「万病に効く」とされているこの炭酸水。
肌質の改善はもちろん、飲めば内臓の不調などにも効果があると言われているそうです。
のぶよも挑戦してみましたが、少々塩気があってクセがあるものの、さっぱりとした味わいの美味しい炭酸水でした。
大自然の恵みで身体の外側も内側もリフレッシュしたなら、次の目的地である見張り塔が残る村へと歩いていきましょう!
見張り塔がたたずむパンシェティ村
天然炭酸水プールからさらに南に2kmほど歩いたところにあるのが、今回のハイキングのゴール地点であるパンシェティ村(Pansheti / ფანშეტი)。
一見すると、ジョージア地方部によくあるボロボロの限界集落のようですが、村の高台に残る2本の見張り塔がこの場所を特別なものにしています。
村を見守るように堂々と建つ見張り塔については、多くのことが未だに謎につつまれているそう。
カズベキがあるエリアのヘヴィ地方(Khevi / ხევი)の伝説によると、ムツヘタからトビリシに遷都したヴァフタング1世が在位していた4世紀頃(1600年前)にはすでにこの場所に村があったそう。
その後6世紀頃にかけて敵の侵入をいち早く察知し、カズベキ地域の村々に伝えるための見張り塔が建設されたと考えられているそうです。
中世にはペストの流行によって村人たちはこの場所を一度放棄してしまい、2本の見張り塔は荒れ果ててしまいますが、再び戻った子孫たちによって再建が重ねられて現在に至るそうです。
かつては村の防衛を担っていた塔の内部は4層に分かれており、70年ほど前までは見張り役の人が住んでいたそう。
現在でこそ防衛拠点としての機能は失われたものの、長い間村を守ってきた存在として村人の信仰を集める場所となっています。
▲ パンシェティ村に残るもう一つの塔は、半分から上の部分がない状態となっていますが、こちらはそもそも未完成のまま残されたものだそう。
伝説によると、1つ目の塔を建てた建築家が2つ目の建設を始めたにもかかわらず、途中で病死して未完成の塔が放置されることになったそうです。
見張り塔の入口付近の地面は崩落してしまっており、現在では断崖絶壁状態。
塔の内部にアクセスすることは不可能ですが、塔の少し上の丘からはパンシェティ村の全景と、遠くにカズベキの中心街までを見渡すことができます。 ▼
名物の見張り塔と謎の巨石群!スノ村
天然炭酸水プールとパンシェティ村をまわるハイキングは、往復で8kmほどで高低差もほぼない簡単なもので、2時間ほどで歩くことが可能です。
「それだけじゃ物足りない!」という人は、さらに足をすすめてスノ村(Sno / სნო)を訪れてみるのも良いかもしれません。
スノ村は、カズベキ中心街の観光地感を嫌ったジョージア人国内旅行者の間で「カズベキ観光のもう一つの拠点」として密かに人気となっている場所。
どこまでも透き通った清流のスノスツカリ川のほとりの谷間にひらけた小さな村で、村の中心には完璧な状態の見張り塔が残っています。
馬やロバ、牛などの動物がその辺を歩き回っているようなのんびりとした村で、大自然に抱かれながらの滞在ができるのもポイント。
ゲストハウスや食堂などの施設もいくつかあるので、ハイキング後に大自然の中で一晩を過ごすのも良い思い出となることでしょう。
スノ村近郊には、人の顔が刻まれた岩が一面緑の草原の中にゴロゴロと転がっている謎の巨石群があり、ジョージア人の間では「穴場インスタ映えスポット」として地味に話題になっているそうです。
スノ村を拠点として、にさらに奥に位置するスノ・バレーへと足を延ばすことも可能。
桃源郷のような風景の村々や、コーカサスの緑の山々など、観光地化の波とは無縁の「素顔のカズベキ」が感じられるはずです!
カズベキ中心街~天然炭酸水プールパンシェティ村ハイキングコースの詳細
先述した通り、カズベキ中心街から簡単にハイキングでまわることができるのが、今回紹介している天然炭酸水プール~パンシェティ村をめぐるコース。
パンシェティ村までの往復で2時間+各スポットでの観光時間1時間ずつで、4時間ほどあれば大自然の中のハイキングをのんびりと満喫することが可能です。
緑:カズベキ~パンシェティ間徒歩ルート
オレンジ:パンシェティ~スノ間徒歩ルート
パンシェティ村で来た道を折り返さずにさらに先のスノ村を目指す場合は、往復18kmと結構な距離になりますが、高低差はほとんどないため比較的楽に歩くことができます。
カズベキ~天然炭酸水プール~パンシェティ村~スノ村を往復する場合は、往復の徒歩時間4時間+各スポットでの観光1時間ずつで、合計7時間ほどの半日がかりのコースとなります。
【カズベキ中心街~パンシェティ村間】
・距離:片道4.3km
・所要時間:片道50分
・高低差:▲▼34m
【パンシェティ村~スノ村間】
・距離:片道5.5km
・所要時間:片道1時間10分
・高低差:▲▼40m
ここからは、各スポット間のハイキングコースの詳細な情報や様子を解説していきます。
ほぼ一本道で迷うことは考えにくいですが、念のため地図アプリをダウンロードしておくことをおすすめします。
カズベキ中心街~天然炭酸水プール
カズベキ中心街から天然炭酸水プールへと向かうには、中心街側から橋を渡ってゲルゲティ村に入り、未舗装の砂利道をひたすら南へと歩いていきます。
カズベキ中心街~天然炭酸水プール間徒歩ルート
・距離:2.5km
・所要時間:30分
・高低差:▼16m
この区間はほぼ平坦な道か下り坂だけ。
車が通ることもほとんどないので、のんびりとした風景の中を安心して歩くことができます。
天然炭酸水プール~パンシェティ村
天然炭酸水プールを見学したら、車が通った轍をさらに南へと進んでいくだけ。
こちらも坂は全くありませんが、パンシェティ村の見張り塔まで登る場合は最後に急な崖を登らなければなりません。
天然炭酸水プール~パンシェティ村間徒歩ルート
・距離:1.9km
・所要時間:20分
・高低差:▲24m
パンシェティ村に入る直前には、山の斜面に建てられた石造りの教会が右手に見えます。
教会付近には柵があって近づくことはできませんが、緑に囲まれてぽつりと佇む神秘的な風景は見逃さずにチェックしておきましょう。
パンシェティ村~スノ村
パンシェティ村からスノ村まで足をのばす場合は、アスファルトで舗装された新しい道を東に進み、橋を渡ってテレク川の東岸へとアクセスします。
テレク川東側には幹線道路が走っており、それに沿って歩いていくのですが、交通量が比較的多いので十分注意して歩くようにしましょう。
パンシェティ村~スノ村間徒歩ルート
・距離:5.5km
・所要時間:1時間
・高低差:▼17m
1kmほど幹線道路沿いを南に進んだら、アチホティ村(Achkhoti / აჩხოტი)でスノ村方面へ分岐する道にぶつかります。
分岐点から3kmほど東へ進むと謎の巨石群があり、ほどなくしてスノ村のシンボルである見張り塔が目に入ってくるでしょう。
スノ村からカズベキへ戻る際は、来た道を歩いて帰ってしまうのも良いのですが、のぶよ的にはアチホティ村の分岐点付近でヒッチハイクしてしまうのが最もシンプルだと思います。
この分岐点付近を通る車で北に向かうものは、一台の例外もなくカズベキ中心街へと向かうため。
想像しているよりも簡単に、誰かしら停車して乗せてくれるはずです。
各スポットへタクシーでアクセスする場合
舗装道路が通っているパンシェティ村とスノ村に関しては、カズベキの中心街からタクシーで訪れることも可能です。
料金相場は、いずれも往復で1台15~20GEL(=¥708~¥944)ほどで、観光中に待機してもらう時間や二つの村を一度に訪れる場合などは要交渉です。
一方で、ハイキング後に各村でタクシーをつかまえてカズベキ中心街に戻るのはほぼ不可能と考えておきましょう。
というのも、村を拠点にするタクシードライバーは存在しないため。
村の人にタクシーを呼んでもらうか、カズベキ中心街でドライバーの携帯番号をきいておいて迎えに来てもらうくらいしか選択肢がないのが現状です。
天然炭酸水プールに関しては舗装道路が通っていないため、タクシーでのアクセスは難しいと思います。
(車が傷つくので行きたがらないドライバーが多いため)
おわりに
ほとんど知られていない、カズベキ周辺の穴場スポットをまわる簡単なハイキングコースを紹介しました。
スニーカー&軽装で全く問題ありませんし、特別な準備などは必要ないので、ちょっと気が向いたときにでもお散歩がてら足をのばせるのが大きなメリットだと思います。
ハイキング中の山々の絶景や、ユニークな炭酸水のプール、ジョージアの伝統が感じられる小さな村々まで、お手軽にこの地方の魅力が感じられるのも嬉しい点。
「カズベキの有名どころはひと通り制覇した!」という人には、ぜひおすすめしたいプランです。
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