こんにちは!トルコ滞在ももうすぐ2か月、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
海外在住6年目、現在絶賛世界半周中ののぶよが、色々な国の日本食レストラン(ジャパレスと略される)へ行って、その実情を探るというゆるいコーナーである「世界のジャパレスから」のコーナー。
「世界のジャパレスから。」バックナンバー
1.ルーマニア・ブカレストのラーメン店 “JAPANOS”
2.モルドバ・キシナウの日本料理店 “KOTOBUKI”
3.ウクライナ・キエフのラーメン店 “MENYA MUSASHI”
4.セルビア・ベオグラードの日本料理店 “Marukoshi”
5.ブルガリア・ソフィアのラーメン店“Umamido”
番外編.ウクライナ・キエフの韓国料理店 “Arirang”
第六回目となる今回は、トルコのパムッカレ(Pamukkale)にある小さな日本食レストランに潜入しました!
前回のブルガリアのラーメン店で少々懲りたのぶよ。
日本食レストランが少なからず点在するイスタンブールでも、全く日本食への渇望が湧きませんでした。
それに、日本食はとにかく高い!
一食10TL(=¥186)で食べられるこの国で、50TL(=¥934)も払ってラーメン一杯を注文する勇気はなかなか出ません。
そんな感じで、ずっとトルコ料理ばかり食べてきたわけですが、まさかのパムッカレで日本食レストラン(というか食堂)に出会ってしまったのです。
パムッカレと言えば、真っ白な石灰岩にブルーの温泉水が溜まった光景が有名な世界遺産。
その麓にある小さなパムッカレ村でひっそりと営業している、“Lamuko’s Lokanta(ラム子のロカンタ)”を紹介します。
何でこんなところに?パムッカレの小さな日本食食堂
ラム子のロカンタがあるのは、大都市イスタンブールでもなく、首都のアンカラでもなく、パムッカレという小さな村。
トルコ南西部に位置するパムッカレは、世界遺産に指定されている「パムッカレ&ヒエラポリス」の麓の村です。
私たち日本人の間では、パムッカレ=真っ白な崖にブルーの温泉が溜まっている光景というイメージですが、実はパムッカレ観光のメインとなるのは、その上に位置するローマ帝国の遺跡であるヒエラポリスであることは見落ととされがち。
↑かなり素晴らしい保存状態のヒエラポリス遺跡。
見落とされがちと言えば、パムッカレ村にも言えること。
ほとんどの観光客が団体ツアーで訪れ、そうでなくとも日帰りで真っ白な崖だけを見てさっさと立ち去ってしまうため、パムッカレ村に滞在する人は実はそう多くはないのです。
↑ハングルや漢字で書かれたメニューをかかげるお店がいっぱい。マネーの力は世界を変えます。
パムッカレ村にやってくるのは中国人か韓国人が多いようで、村には漢字やハングルがあふれるなんとも不思議な雰囲気。
ここだけ見るとなんだかがっかり観光地の雰囲気こそ漂っているのですが、そんな村の中心部(というか中心も何も村自体がかなり小さい)でひっそりと営業している青い看板の小さな食堂があります。
こちらが今回紹介するラム子のロカンタ。
日本人女性が経営しており、大きな窓が印象的の開放的な店内はとても明るい雰囲気です。
日本人同士お互いに通じるものがあるのか、挨拶は「こんにちは」。
なんだかこの数十平方メートルの空間だけ、日本にあるような錯覚を覚えます。
多彩なメニューはどれも家庭的なものばかり
手書きの文字とイラストがものすごく日本感が出ているメニューをいただき、目を通していると、少し驚かされることでしょう。
ここには寿司や天ぷら、ラーメンなどの”THE・日本食”といったメニューはありません。
あるのは親子丼や牛丼、雑炊に唐揚げ、果てはカレーライスまで、どれも日本の家庭の味を代表するような庶民的な料理です。
(なぜか長崎ちゃんぽんがあるのが気になる)
かなり保守的なお国柄のトルコ。食文化においても同様のことが言えます。
外国の料理を提供するレストランを探すのは結構難しく、新しい食文化がトルコ人に受け入れられることもかなり難しいそうです。
その点において、ラム子のロカンタのメニューは完全に日本人をターゲットにしたもの。
親子丼なんて、日本人旅人のツボをついたメニューに他なりません。
料金的にもイスタンブールの日本食レストランの値段の3分の2~半額程度とかなりリーズナブルな部類。
「今日はちょっと贅沢して美味しいものが食べたい!」といったニーズにうまく合致した価格設定だと思いました。
とにかく神だった親子丼
店主の女性にお話を伺ったところ、親子丼と牛丼が人気とのこと。
訪ねる前から半ば心は決まっていたものの、やっぱり親子丼を注文してみることにしました。
注文から10分もせずにやってきたのがこちら。
親子丼です。
本物の親子丼です。
何気に感動したのが、それとなく乗せられた三つ葉。
いったいトルコでどうやって三つ葉を入手しているのでしょうか。
一口食べて、びっくり。
親子丼です。
いや、本当に、日本で食べるのと何一つ変わらない親子丼なんです。
よく考えてみてください。
ここはトルコ。しかも大都市ではなく、人口百人ちょっとくらいの文字通りの「村」です。
そんな場所で、ちゃんと出汁と醤油の風味が効いた、関東風の親子丼。
柔らかい鶏肉の味の染み込み具合も、ご飯の炊き加減も、好みでかけられる七味でさえも、とにかく何もかもが完璧なんです。
のぶよはこれまでの人生で、なか卯の親子丼が世界で一番の親子丼だと信じていました。(安いし)
が、その常識は簡単に覆されました。
久しぶりに食べた懐かしい味に対する補正ももちろんあるでしょう。
しかしながら、海外で日本食を食べた時によく感じる、「うん、普通に美味しい!」ではなく、心から美味しいと思えた味でした。
日本人はもっと旅に出よう!
のぶよがラム子のロカンタを訪れたのは、完全なるオフシーズンの12月のこと。
パムッカレの多くのレストランが冬場はクローズする中、ラム子のロカンタは1年中営業しています。
夏場に比べるとどこかのんびりした空気が漂っており、日本人の店主の方とお話しする時間ががありました。
ラム子のロカンタはもう10年以上前からこの場所で営業をしている、もはや老舗のようなお店。
10年前は、来店する客の多くが日本人だったそうです。
しかしながら、現在では状況が一転。
日本人客はほとんど訪れず、他のアジア圏からの来客が大半を占めるそうです。
トルコだけでなくどこの国でも言えることですが、海外での(個人旅行の)日本人の少なさは尋常ではありません。
日本の半分以下の人口しかいない韓国から来た旅行者に出会う機会は、日本人に出会う機会の10倍は多いです。
そもそもの頭数が多い中国からの旅行者に関しては言わずもがな(多くは団体ですが)。
日本人の10倍の人数が来るのですから、現地の人もそちらを相手にしようと思うのは当然のこと。
パムッカレ村が漢字やハングルで溢れているように、観光地では中国語や韓国語で書かれたポスターなどを多く目にしますし、観光客向けの中華料理、韓国料理のレストランもかなり見つけやすいです。
対して、日本語で書かれたポスターなどを目にする機会はどんどん少なくなっているように感じますし、日本食ブームと言われながらも日本食レストランを探すのはなかなか大変だったりします。
個人的にはそれで全然かまわないのですが、日本人が外に出なくなる=日本の存在感が薄まるということ。
せっかく世界でも最優秀の部類に入るパスポートが持てるのに、それを使わないのは何だかもったいない気がします。
このまま日本人で海外に出る人が少なくなっていく一方なら、博物館などのオーディオガイドで日本語対応しているものはなくなっていくでしょうし、日本人向けの現地ツアーなどに参加することも難しくなっていくでしょう。
日本人が日本語に頼らずとも旅行を楽しめるほどの語学能力があるなら話は別ですが、そうではありませんよね。
日本人が海外に出なくなる→日本人の海外での存在感が弱まる→日本人向けのサービスが少なくなる→日本語で説明を聞いたりできなくなる→言葉の壁があるからもっと海外に行くハードルが上がる
という負のスパイラルが生じてしまいかねません。
というわけで、こんなトルコの片田舎で、日本人同士がこれからの日本を由々しく思うという何とも言えない感じになりました(笑)
理由はなんでもいいから、もっと多くの人が「世界に出てみよう」と思うことが普通の社会にならないものでしょうか。
おわりに
最後はなんだかしんみりしてしまったものの、それもラム子のロカンタだけ時空間が歪んでいるからかもしれません。
あそこはただの日本です(笑)
絶品の家庭的な料理が味わえるのはもちろんのこと。
異国の地で(それもかなりの田舎で)感じる日本の雰囲気とおもてなしにほっとできるおすすめの場所が見つかりました。
そんなわけで、パムッカレ滞在中に二日連続でラム子のロカンタに通ってしまったのぶよ。
次にいつ再訪できるかはわかりませんが、その時も家庭的な味と素朴な雰囲気に、変わらずにほっとできる場所であることを願っています。
インフォメーション
ラム子のロカンタ(Lamuko’s Lokanta)
住所:atatürk caddesi kale mahallesi no:8, 20200 Pamukkale/Denizli
営業時間:11:00~18:00 ※日曜定休
→過去の「世界のジャパレスから。」シリーズの記事一覧はこちらからどうぞ。
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