こんにちは!ジョージア南部のサムツヘ=ジャワヘティ地方をのんびり旅行中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
「ジョージアを代表する温泉保養地」「ジョージアを代表するミネラルウォーターの産地」といえば、ボルジョミ(Borjomi / ბორჯომი)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
緑あふれるボルジョミ=ハラガウリ国立公園のふもとに位置する小さな町は、天然のミネラルウォーターの産地として超有名な場所。
この町でこんこんと湧くミネラルウォーター”Borjomi”は、二日酔いに効くことや健康に良いことで知られており、ジョージア国内はもちろん旧ソ連圏の国々全体で知らぬ者はいないほどにポピュラーです。
ロシア帝国時代からソ連時代にかけて、富裕層の保養地として栄えた歴史を持つボルジョミ。
その栄光の時代を現在に伝えるかのように、町全体に落ち着いた優雅な雰囲気が漂っています。
「ボルジョミ=優雅な雰囲気の保養地」というイメージが根強いですが(そしてそれは正しいですが)、この町の魅力はそれだけではありません。
素朴な雰囲気を残すストリートや町を取り囲む大自然、ここでしか買えない名産品の数々など、まだまだ知られていない見どころが多く点在しているのです。
今回の記事は、ボルジョミ観光に必要な情報を総まとめしたもの。
以下のテーマに分かれているので、知りたいところからどうぞ。
トビリシからボルジョミへは日帰りも可能ですが、ここはのんびりした時間を過ごすための保養地。
忙しく写真を撮りまくってはい、移動!という旅はナンセンスの極みです。
周辺にも魅力あふれるスポットが数多く点在しており、ボルジョミを拠点にこのエリアをじっくり観光するのも◎
格安のホステルも存在するので、節約派バックパッカーにもおすすめの町です!
ボルジョミの歴史をザックリと。
今でこそ、旧ソ連圏はもとより欧州でも「ミネラルウォーターと温泉の町」としてポピュラーな観光地となったボルジョミ。
その歴史は意外にも長くはなく、およそ200年前にジョージアがロシア帝国に統治されていた時代がこの町のはじまりです。
ボルジョミの歴史を知るキーワードはもちろん、古くからこの地にこんこんと湧くミネラルウォーター “Borjomi”。
この名水が存在していたからこそ、ボルジョミは温泉保養地として確固たる地位につき、黄金の時代を謳歌することができたのです。
200年前から現在に至るまで、多くの人を癒してきたボルジョミ。
まずは、観光前に知っておくと旅がグッと深くなるボルジョミの歴史をザックリと解説していきます。
ロシア帝国時代:ボルジョミの歴史のはじまり
ボルジョミの歴史のはじまりは、現在でも多くの人に愛される名水”Borjomi”が発見された1820年代に遡ります。
ジョージアは当時、北の大国として黄金時代にあったロシア帝国の一部。
この地に赴任していたロシア帝国の軍人が、塩気のある温水が湧いていることを発見したのです。
当時はただの村でしかなかったボルジョミにこの温水を引いた最初の浴場が建設されたのは、名水の発見から10年後の1830年代のこと。
それから徐々に開発がはじまり、ロシア帝国政府によって公式に温泉保養地として指定さたのが1842年のことです。
ボルジョミに湧く温水の効果はロシア帝国の貴族たちに口コミで広がり、1870年代には貴族たちがこぞって訪れる保養地としての地位を確固たるものに。
深い山々に囲まれた谷間に、貴族たちが建設させた瀟洒なヴィラが建ち並ぶ町は、いつしか「コーカサスの真珠」の愛称で呼ばれるようになりました。
ソ連時代:ボルジョミの黄金時代
ロシア帝国が崩壊し、ジョージアがソ連の支配下に入った20世紀前半以降も、ボルジョミの一流温泉保養地としての輝きは失われることはありませんでした。
ロシア帝国時代に建設された貴族のヴィラの多くは、ソ連政府によってホテルやサナトリウム(療養用の宿泊施設)に改装され、富裕層はもちろん一般庶民層でも「ちょっと贅沢をして訪れる場所」という位置づけになっていきます。
ソ連時代に保養地として大人気となったボルジョミは、まさに黄金時代そのもの。
ボルジョミ中心街のみならず周辺の村にも開発の波が及び、長期滞在用のホテルやサナトリウムが次々と建設されます。
ソ連崩壊&ジョージア独立後:ジョージアの一大観光地に
黄金時代を謳歌していたボルジョミに激震が走ったのが、1991年のソ連崩壊とジョージア独立でした。
1990年代のジョージア独立後の10年間は、紛争や貧困、犯罪が渦巻く混乱の時代。
もともと旧ソ連諸国の富裕層と小金持ちの庶民層がメインの滞在客だったボルジョミですが、この激動の時代にのんびり温泉に浸かっていられるわけもなく、町を訪れる保養客の数は激減してしまいます。
ジョージアには他にもソ連時代に温泉保養地として大人気だった町がいくつかありますが、どこも1990年代は激動&衰退の時代。
ツカルトゥボのように完全に忘れ去られて廃墟リゾートとなった町もあれば、アバストゥマニのように一時は廃リゾートとなったものの見事に息を吹き返した町もあります。
では、ボルジョミはどうだったのかと言うと、一時衰退はしたものの人々に忘れ去られることはありませんでした。
それもこれも、すでにものすごい知名度があったミネラルウォーター”Borjomi”のおかげだったのかもしれません。
2010年代に入ると、傷んだ建物のリノベーションや大型リゾートホテルの建設がはじまり、町は新たに生まれ変わります。
2010年代後半から始まったジョージアの全国的な観光ブームとともに新しいレストランやカフェも次々にオープンし、「ちょっと贅沢な週末を過ごす町」というかつての栄光の時代が戻りつつあるような印象も受けます。
紆余曲折はありながらも、200年間ずっとジョージアの一流温泉保養地としての地位を守り続けて来たボルジョミ。
近年では町の北側に広がるボルジョミ=ハラガウリ国立公園の大自然と、自然の産物を利用した食品や工芸品にも注目が集まっており、「エコツーリズムの聖地」として、温泉保養地だけではないボルジョミの魅力が知られつつあります。
また、ロシア帝国時代の古い建物を各種ミュージアムに改装して「ミュージアム・シティー」として、ボルジョミの文化面をもっと強くPRする計画も進行中だそう。
2020年代は、名水の発見からちょうど200年を迎える時期。
これまでずっとボルジョミを支え続けてきた「魔法の水」だけではないこの町の魅力がどのように引き出されていくのか、とても楽しみです。
ボルジョミ市内観光マップ
赤:おすすめ食堂
黄色:バスステーション
灰色:ボルジョミ公園駅
紫:ホステル
オレンジ:観光案内所
ボルジョミ市内の見どころ(ムトゥクヴァリ川南岸エリア)
ボルジョミはとても小さな町ですが、市内には多くの見どころが点在しています。
観光の中心となるのが、町を二分するムトゥクヴァリ川の南岸に広がるエリア。
ボルジョミ観光のハイライトとされる見どころのほとんどがこちら側にあり、観光時には必ず訪れることとなります。
定番のボルジョミ中央公園から、素朴なボルジョミの見どころが残るスポットまで…
ボルジョミの魅力がギュッと詰まったエリアをゆっくりと散策しましょう。
①「ボルジョミ中央公園」を散策する
ボルジョミ最大の観光スポットが、中心街の南部に位置するボルジョミ中央公園(Borjomi Central Park / ბორჯომის ცენტრალური პარკი)。 【マップ 青①】
ジョージア国内はもとより、旧ソ連圏では知らぬ者はいないほどに有名なボルジョミのミネラルウォーターが湧き出している「エカテリーナの泉」を有する広大な公園です。
ボルジョミ中央公園は山の斜面を利用した敷地に広がっており、最奥部の皇帝の湯までは2kmほどのハイキングコースが整備されています。
ボルジョミが誇る大自然の中を歩いていると、美味しい空気に心も体も癒されるはず。
ボルジョミ中央公園の名物的アトラクションとなっているのが、公園入口~ハイキングコースのスタート地点を結ぶロープウェイ。▼
ロープウェイのレトロな車内から眺めるボルジョミ中央公園のパノラマは、一見の価値あり。
しかしながらこのロープウェイ、たったの2分ほどの乗車時間にもかかわらず一人15GEL(=¥750)という訳の分からぬぼったくり料金設定なのでご注意を。
ロープウェイを使わずとも徒歩でハイキングコース入口までアクセスできるので、節約派は迷わずに徒歩一択です!
②ボルジョミの源泉から名水を飲む
ボルジョミ中央公園の最大の見どころが、エカテリーナの泉。【マップ 青②】
この泉から湧き出る水こそが、抜群の知名度を誇るミネラルウォーター”Borjomi”の源泉であり、この町の歴史を形作ってきた存在。
現在は泉を守るように大理石の壁が周囲を覆い、なんだか高級感溢れる雰囲気を醸し出しています。
エカテリーナの泉から湧き出る水(=Borjomiミネラルウォーター)は消化器系の不調に良いとされ、ジョージアでは「二日酔いにはコレ!」というボルジョミ信仰が強く根付いているほど。
本当に二日酔いに効くのかどうかは実際に試してみてほしいのですが、このエカテリーナの泉にはその効能を証明するような逸話が語り継がれています。
1810年に宿敵のオスマン帝国を撃退し、ボルジョミ一帯を支配下に置いたロシア帝国。
北の大国の黄金時代に拍車をかけることとなりましたが、1820年代になるとボルジョミ一帯で伝染病が蔓延したため、感染者を抱える一部の軍人部隊がロシアへと帰れずにこの地に残ることになります。
そこで兵士たちが見つけたのが、地面からこんこんと湧き出す温かい水。
試しに飲んでみたところ、伝染病による胃腸炎がたちまち治ってしまいました。
ボルジョミという無名の村に湧く魔法の水の噂はたちまちロシア帝国の上層部の間に広がり、当時の副皇帝の耳にも届きます。
彼には病弱なエカテリーナという娘がおり、藁にもすがる思いで娘を連れボルジョミへとやって来ました。
そしてエカテリーナにこの湧き水を飲ませたところ、その病状がみるみるうちに回復したと言われているそう。
この奇跡とも呼べる逸話が元となり、ボルジョミに湧く温かい水は「エカテリーナの泉」と呼ばれるように。
その効能が確かなものとされ、ボルジョミの温泉保養地としての華々しい歴史が始まることとなりました。
というわけで、胃腸の不調にはとにかく抜群に効くらしいエカテリーナの泉の水。
公園入場者は無料で試飲&ボトルに詰めて持ち帰ることができます。
エカテリーナの泉には絶えず湧き出すミネラルウォーターを注いでくれる係の人がおり、次から次へとコップやボトルに水を注いでいきます。
肝心の味は…「硫黄や鉄の風味が強い、微炭酸のぬるいお湯」といった感じ。
若干の塩辛さも感じられ、お世辞にも美味しいと言える味ではありませんでした。
ジョージア全国で販売されているミネラルウォーター”Boromi”に比べると、癖がかなり強め。
この泉の水をそのままボトリングして出荷&販売していたら、ここまでの知名度と人気は博していなかったかもしれません。
いっぽうで、周りのジョージア人たちはみんな美味しそうに生温かい水を飲んでいました。
何杯もおかわりしているおばあちゃんや、ペットボトルに水を入れてもらって大量に持って帰っている人もいたほど。
食文化の違いなのか健康への執着なのかわかりませんが、とにかくみんなに愛される「癒しの水」であることには間違いないでしょう。
(子供たちは顔をしかめてこっそり水を捨てているのをこの目で見ました)
ミネラルウォーター関連でもう一つ見逃せないのが、ボルジョミ中央公園の入口ゲートを入ってすぐの場所にある瀟洒な建物。
こちらは、1890年にボルジョミの商業販売が始まった際にボトル詰め作業が行われていた工場です。
内部は無料の小さなミュージアムとなっており、当時の雰囲気が感じられる素敵な空間が広がっているそう。
のぶよが訪問した際はあいにく改装中のため閉鎖されていましたが、改装が終わった日には往年のレトロな雰囲気を現在に伝える場所として人気となっていることでしょう。
③「皇帝の湯」でボルジョミの温泉につかる
ボルジョミ中央公園最奥部には、この地に湧く天然の温泉を利用した「皇帝の湯」と呼ばれる温泉が湧いています。【マップ 青③】
近年改装されたという屋外浴場は、温泉というよりも温水プールのような感じ。
お湯の温度は27℃~30℃ほどと日本人的にはかなりぬるく感じてしまうものの、温泉らしいあの香りは健在です。
皇帝の湯へアクセスするには、ボルジョミ中央公園への入場料とは別に1人10GEL(=¥500)がかかる点にご注意を。
渓谷沿いの自然に囲まれた中での温泉体験は、その名前の通りロシア帝国の貴族たちに愛されてきたもの。
地元では「万病に効く」とされる温泉体験、絶対にはずせません!
④メインストリートを優雅に散策する
ボルジョミ観光におけるメインストリートが、4月9日通り。(April 9th St. / აპრილის ქუჩა)【マップ 青④】
美しい流れをたたえるボルジョムラ川沿いに整備されたストリートで、レストランやお土産屋、小規模ホテルなどが軒を連ねる賑やかな雰囲気です。
4月9日通りの北側は、ロシア帝国時代のオリジナルの建物とソ連時代のホテルが混在する雰囲気。
ボルジョミ公園がある南に歩けば歩くほど、リノベーションされた優雅な雰囲気の建物が増えていきます。
ストリート沿いの建物の多くは2010年代にリノベーションされたものですが、たまに古い民家が姿を現すのも面白い点。
観光業とは無縁の地元民が住んでいるようで、生活感が漂います。
4月9日通りは完全なる観光地で、大勢の人々がそぞろ歩く賑やかな雰囲気。
お土産屋がずらりと建ち並び、観光客向けのバギーやデイトリップツアーの呼び込みの人がたむろしている光景には、「さすがジョージア有数の観光地」という感想を持ちます。
4月9日通りのちょうど中間に位置しているのが、2016年に開業したCrown Plazaという高級ホテル。
このホテルが完成したのを皮切りにボルジョミの再開発が一気に進んだため「ボルジョミの救世主」と表現されることもあるのだそうです。
Crown Plazaを過ぎれば、メインストリートの終着点であるボルジョミ中央公園まではもうすぐ。
ずらりと並ぶお土産屋と風にそよめく柳の木が、どこか日本の温泉街を彷彿とさせます。
4月9日通りの最南端まで歩くと、そこは町で最大の観光名所であるボルジョミ中央公園。
公園の入口前は広場のようになっており、これまで以上に多くの人で賑わっていました。
多くの人はこのままボルジョミ中央公園へと入場していきますが、公園の入口付近にはいくつかの見どころがあるのでお見逃しなく!
⑤「フィウルザ」のペルシア建築を愛でる
ボルジョミ中央公園入口広場のすぐ手前にある、ひときわ目を引く建物がフィウルザ(Fiurza)。【マップ 青⑤】
パステルブルーの木製テラスとエキゾチックなディテールが特徴的で、フォトスポットとして大人気となっています。
細部を観察してみると、どこかエキゾチックな感じがするフィウルザですが、それもそのはず。
この建物は、1892年のロシア帝国時代にイラン大使としてトビリシに赴任していた外交官であるミルザ・リザ・ハン(Mirza Riza Khan)の別荘として建設されたものだからです。
フィウルザのディテールで特に圧巻なのが、二階の天井部分に施された鏡の装飾と「ムカルナス」と呼ばれるイラン伝統のアーチ型丸天井の様式。
このスタイルは19世紀のイランを統治していたカジャール朝時代のものだそうで、豪華絢爛という言葉がぴったりです。
現在のフィウルザは”Golden Tulip Borjomi Totel”という高級ホテルに改装されており、内部の見学は宿泊者のみの特権です。
⑥「貧乏人の泉」で好きなだけ無料の名水を飲みまくる
先述の通り、ボルジョミのミネラルウォーターの源泉・エカテリーナの泉があるボルジョミ中央公園への入場には、外国人だけ5GEL(=¥250)がかかります。
しかしながら、実は公園への入場料を払わずに同じ源泉を引いた名水を飲むことも可能。
それが、ボルジョミ中央公園入口の50mほど手前の川沿いにひっそりとある泉です。
入場料をケチった外国人が集まるこの場所を、のぶよは「貧乏人の泉」と名付けました(笑)【マップ 青⑥】
本家のエカテリーナの泉と貧乏人の泉の唯一の違いは、水の温度です。
エカテリーナの泉では噴出したばかりの温かい水が飲めますが、貧乏人の泉はキリッと冷えた水。
夏場はこちらの水の方が断然美味しく感じます。(※決して負け惜しみではない)
貧乏人の泉周辺には、名水持ち帰り用の大容量ペットボトル容器を売るボルジョミの風物詩たる光景が。
しかしながら、この泉に集まるどケチな倹約家な人々はおそらくマイボトルを持参しているはずなので、どこも閑古鳥が鳴いているようすでした。
⑦「ボルジョミ公園駅」の哀愁に酔う
ボルジョミへ鉄道でアクセスする旅行者にとっての玄関口となるのが、ボルジョミ公園駅(Borjomi Park Station / ბორჯომი პარკი)です。【マップ 青⑦】
ソ連時代に完成した駅舎は、長らく手入れされていないよう。
現役の鉄道駅として機能しており、1日2往復のトビリシ~ボルジョミ間を結ぶ鉄道の終着駅となっています。
ソ連時代、このボルジョミ公園駅は遠くモスクワからの直行列車で結ばれていました。
お洒落に着飾った保養客のワクワク感と、どうにかして空き部屋に呼び込もうと集まる地元民の熱気が、目を閉じれば浮かんでくるよう。
そんな時代も今や昔。列車の発着前後以外の時間帯には人っ子ひとりいない駅のたたずまいは、なんとも言えない哀愁に満ち溢れていました。
⑧ボルジョミの隠れた名物「ケヴィ」を噛んでみる
ボルジョミと言うとミネラルウォーターのイメージばかりが先行してしまいますが、知られざる名物は他にも存在しています。
その一つが「ケヴィ」(Kevi / კევი)という謎の食品。
メインストリートの4月9日通りのお土産店の店先によくおかれており、謎の茶色い物体に疑問を持つ旅行者も多いのではないでしょうか。
ケヴィの正体は、松ヤニを固めたガム。
ボルジョミの町を取り囲む広大な松林で採れた松ヤニを加工したものです。
ボルジョミで売られているケヴィには棒状タイプ(0.5GEL=¥25)と小さなドロップタイプ(3GEL=¥150)の二種類がありますが、どちらも原料は同じ。
せっかくなので、二種類どちらも試してみるのがおすすめです。
ケヴィの食感は、確かにガムを噛んでいるよう。
スーッとした清涼感と苦みが口の中に広がり、なんとも表現しにくい独特のクセが感じられます。
味的には「う~ん…」という感じでしたが、ボルジョミでしかできない体験なのでぜひとも挑戦を!
⑨名産の「蜂蜜&松ぼっくりジャム」をお土産に
ボルジョミの名産といえば、大自然の中で生産された蜂蜜が有名。
100%オーガニックで、深いコクと濃厚な甘みが特徴的です。
また、ボルジョミ独自のお土産におすすめなのが松ぼっくりを使用したムラバ(=ジャム)。
かさが開いていない小さな松ぼっくりを収穫し、砂糖とともに煮込んで作られます。
ボルジョミの松ぼっくりムラバは、免疫力の向上と喘息など気管支系の病気に絶大な効果があると言われているそう。
4月9日通りのお土産店のどこでも売られているので、ちょっと珍しいお土産が欲しい場合は要チェックです。
⑩「エレクレ通り」で素顔のボルジョミに出会う
ボルジョミ観光エリアは、優雅で気品があって散策が楽しい場所。
しかしながら、ジョージアでも有数の観光地というだけあって、やや観光地観光地しすぎている印象も受けるかもしれません。
観光地としての一面だけではない、ボルジョミの素顔に触れたい人は、中心街すぐそばにあるエレクレ通り(ერეკლეს ქუჩა)を歩いてみましょう。【マップ 青⑧】
エレクレ通りは、ボルジョミの地元の人の生活感あふれる雰囲気が魅力的。
通り沿いにはいくつもの細い路地が連なっており、石造り×木造屋根のボルジョミの伝統建築が多く残っています。
民家のいくつかはゲストハウスとして営業しているようですが、観光客向けのお洒落レストランやカフェは皆無。
観光エリアと目と鼻の先の場所にあるにもかかわらず、ここまで雰囲気が大きく異なることに驚くかもしれません。
美しい木造テラスを備えた民家も多く、ディテールの装飾を観察しながら歩くのも楽しいです。
観光スポットがあるわけではないものの、多くの観光客で溢れかえるボルジョミ中心街においてエレクレ通りの素朴なローカル感は貴重なもの。
端から端まで歩いても10分ほどなので、観光合間に昔ながらのボルジョミの雰囲気を感じに行きましょう!
ボルジョミ市内の見どころ(ムトゥクヴァリ川北岸エリア)
ボルジョミのイメージ通りの優雅な町並みを観光客が闊歩するムトゥクヴァリ川南側とは対照的に、川の北側は観光客がほとんど訪れないボルジョミ市民の生活エリアとなっています。
ムトゥクヴァリ川北岸はソ連時代に整備された地区ということもあり、どこか退廃的で古ぼけた感じの雰囲気が感じられるかもしれません。
観光スポットは少なめながらも、ボルジョミの人々の生活にお邪魔したような気分になれるのがこのエリアの特徴。
市内を一望できる絶景ポイントもあるので、滞在時間に余裕があるならぜひ足をのばしてみましょう。
⑪ムトゥクヴァリ川沿いの遊歩道を散策する
ムトゥクヴァリ川の北岸は近年大規模リノベーション工事が行われ、川沿いに遊歩道が整備されました。
美しい流れをたたえるムトゥクヴァリ川と山々の風景、ボルジョミの町並みを眺めながらの気持ち良い散策が楽しめます。
川沿いには、ボルジョミが誇る美しい橋がいくつか架かっているのもポイント。
町の最も東側に位置するのが鳩の橋(Pigeon’s Bridge)と呼ばれる橋です。▼【マップ 青⑨】
1968年にボルジョミを襲った大嵐と大洪水は、ムトゥクヴァリ川に架かっていた全ての橋を洗い流してしまいました。
現在の観光エリアである南岸地区は完全に陸の孤島となってしまい、物資不足が深刻な状態に。
しかしながら大洪水の影響は依然として続いており、仮設の橋を架けようにも川の濁流に邪魔されて上手くいきません。
そこで川の北岸に住むある男が、自分の飼っていた鳩の足にロープを結び付けて南側に向かって飛ばし、南側でそれを受け取った人が木に結び付け、即席のロープウェイを作って物資を運んだそうです。
このエピソードの舞台となったのが、現在橋が架かるこの場所。
大洪水で遮断された北岸と南岸を最初に行き来してくれた鳩にちなんで、後ほど再建されたこの橋は「鳩の橋」と呼ばれるようになりました。
ボルジョミが誇る美しい橋のもう一つが、中心街に位置する美の橋(Bridge of Beauty)。▼【マップ 青⑩】
白い欄干が美しい美の橋は、ボルジョミらしい優雅なフォルムが特徴的。
ムトゥクヴァリ川の北岸と南岸を結ぶメインの橋として、多くの人や車が行き交います。
⑫チャイコフスキー像と音楽学校で芸術に触れる
ロシア帝国時代に上流階級の間で保養地として人気が上がっていたボルジョミには、数多くの偉人が訪問しました。
そのうちの一人が、ロシア帝国時代の超有名作曲家ピョートル・チャイコフスキーです。
チャイコフスキーは自身の健康増進と休暇を目的に訪れたボルジョミの美しさに感銘を受け、友人に宛てた手紙の中で「私が訪れた中で最も素晴らしい場所の一つだ」と絶賛しているほどです。
彼のボルジョミ滞在を記念して建設されたのが、美しい石造りの建物を背にして建つチャイコフスキー像。【マップ 青⑪】
チャイコフスキー像の後ろにある建物は、現在は音楽学校として使用されているもの。
未来のチャイコフスキーを目指す子供たちが日々練習に勤しむ場所で、文化的な香りが漂っています。
⑬「ゴギア城塞」でお手軽に絶景を眺める
ボルジョミの町の北側にひっそりとたたずむゴギア城塞(Gogia fortress / გოგიას ციხე)は、ロシア帝国時代に温泉保養地として開発されるより前のボルジョミ一帯の歴史を物言わずに現在に伝える存在。【マップ 青⑫】
ジョージアの東部と西部を結ぶ谷間に位置するボルジョミは、古くから異民族の侵入から領土を守るための重要な拠点とされてきました。
ボルジョミ一帯に防衛用の城塞が次々に建設されたのが、南西のオスマン帝国(現在のトルコ)が力をつけていた16世紀頃(500年前)のこと。
山の斜面に塔を併設した城塞をいくつも作ることで、敵の襲来時に塔の上部で火を灯して緊急事態を伝える→それを見た次の城塞も火を灯す→またその次の城塞も…といったリレー形式での警報システムが張り巡らされていたのです。
ゴギア要塞も、その役割を担っていた場所の一つ。
現在では当時の建物の大部分は破壊されてしまっていますが、塔の土台部分だけがぽつりと残っています。
現在のゴギア要塞はただの古い塔の残骸でしかないものの、この場所はボルジョミ中心街から誰でも簡単にアクセスできる絶景ポイントとして知られています。
高さこそ少し物足りないものの、一面の山々の緑に囲まれたボルジョミ中心街のパノラマは圧巻。
中心街からは片道15分ほどの簡単な徒歩コースでアクセスでき、ちょっとした散策気分で訪問できるのも嬉しいです。
⑭「十字架の丘」でボルジョミのパノラマビューに感動する
体力のある旅行者におすすめなのが、ボルジョミの地元民がイチオシする十字架の丘まで歩いて登るハイキング。【マップ 青⑬】
ゴギオ要塞からさらに山奥へとのびるハイキングコースを歩いてのアクセスとなり、その道中はもはや「丘」というよりも「山」と言った方が正しいほどの上り坂。
しかしながら、登りきった先で待ち受けている絶景は、息を呑むほどに素晴らしいものです。
アクセス方法は徒歩で1時間ほど山を登るのみとなかなかハードであるためか、ここまでやって来る人の姿はほとんどありません。
観光客で溢れかえるボルジョミ中心街の喧騒を遠くかすかに感じながら、山々の大自然とボルジョミで一番の絶景を独り占めしたい人にはおすすめ。
個人的に、ボルジョミ観光の真のハイライトがこの十字架の丘だと思っています。
ボルジョミ中心街~ゴギア要塞~十字架の丘のハイキングコースは、距離は短いものの、結構な山道が続くコースです。
往復で2時間ほど見ておけば十分に歩けるコースですが、履き慣れた靴で行くことをおすすめします。
・距離:片道2.3km
・所要時間:片道1時間
・高低差:▲320m
中心街から、まずはゴギア要塞を目指して歩いていきましょう。
700mほどの距離で、住宅街の間の舗装道路を歩いていくだけです。
ゴギア要塞に到着する直前に、上の写真の民家の地点で右に曲がって坂を登っていきましょう。
ここからは5分もかからずにゴジア要塞に到着です。
ゴギア要塞からゴールの十字架がある展望台までは直線距離では近いものの、かなり急な断崖絶壁となっているため、とてもではありませんが突っ切って登ることはできません。
以下の図のように、遠回りして歩いていく必要があります。
のぶよはMaps.Meというアプリを使用していて、基本的に精度は抜群なのですが、このコースに関しては完全に騙されました。
上の図で示した通り、最も近道となるはずのコースには道がなく、急な山の斜面となっているのでかなり危険です。
上の図で青線で示されたコース以外に道はないので、とにかく湧き水のパイプ&緑色の目印に従って歩いていくようにしましょう。
十字架がある展望台からは、来た道を戻っても良いですし、さらに東に進んでボルジョミ中心街東部に抜けることも可能です。
(どちらも所要時間/距離はあまり変わりません)
ボルジョミからのデイトリップ先
ボルジョミの魅力は、市内とその周辺だけにとどまりません。
この町を拠点として、さまざまな観光スポットへとデイトリップすることも可能なのです。
ここでは、ボルジョミから日帰りで訪れることができる見どころを紹介していきます!
緑の修道院
ボルジョミからのデイトリップの定番が9世紀(1200年前)建造の緑の修道院。
美しい緑の山々に囲まれた聖地で、静謐で厳かな雰囲気に圧倒されます。
緑の修道院への道の途中には名水で有名なリカニという村があり、立ち寄ってみるのもおすすめ。ジョージア全国で販売されている名水は、本当に美味しいです。
グルケリ温泉
ボルジョミ周辺には温泉が湧いている場所がいくつもあるのですが、その中でも最も秘境感ただようのがグルケリ温泉。
旅行者の間での知名度は皆無で、麓の村人がやって来るだけの超ローカルなスポットですが、そのお湯は極上。
小コーカサス山脈の大自然に囲まれた露天風呂、おすすめです!
アハルダバ
癒しを求めている人におすすめのデイトリップ先が、ボルジョミから15分の場所にあるアハルダバ。
村には湯温40℃ほどの温泉が湧いており、極上の癒しが体験できます。また、アハルダバ周辺地域の郷土料理を出すレストランも必訪。メニューのすべてが絶品で珍しいものばかりなので、大満足間違いなし!
アハルツィヘ
ボルジョミの西50kmほどの場所にあるアハルツィヘ(Akhaltsikhe / ახალციხე)は、このエリア最大の町であると同時に、トルコやアルメニア方面への道路が交わる交通の要所です。
その地理的条件から、かねてより多くの民族が行き交っては支配者が入れ替わってきたアハルツィヘ。
その一番の見どころが、町を見渡す高台に建つラバティ城です。
オスマン帝国支配時代に整備された城塞内部は、様々な文化を反映した建築が並ぶテーマパークのよう。
ここがジョージアだとは信じられないほどのエキゾチックな雰囲気は、一見の価値アリです。
ヴァルジア
ジョージア南西部に位置するサムツヘ=ジャワヘティ地方の観光スポットで、ボルジョミに並んで有名なのがヴァルジア(Vardzia / ვარძია)。
中世の洞窟都市の跡で、天然の崖を利用して住居や商店などのスペースがアリの巣のような細い通路でつながっているものすごい場所。
なんと19層構造にもなっているそうで、実際に訪れてみるとその規模に圧倒されます。
12世紀建造の洞窟修道院や人々の住居の跡がしっかりと残っており、同じく世界遺産のトルコのカッパドキアを思わせるような荘厳な風景が魅力的です。
ボルジョミ~ヴァルジア間を直接結ぶバスはなく、先述のアハルツィヘからのアクセスの方が便利なのは事実ですが、現地ツアーを利用すればボルジョミを拠点に日帰りすることも可能です。
ボルジョミ~ヴァルジアの現地ツアーなら、現地観光案内所経由がおすすめ!
ボルジョミにはあまり旅行会社やツアー会社は多くなく、ヴァルジアへと日帰りで訪れたい多くの旅行者は、タクシーをチャーターしてアクセスします。
好みによってプランをアレンジすることも可能なのがタクシー利用の最大のメリットですが、個人で交渉すると料金トラブルの元となることもあるのでご注意を。
最も安心なのは、ボルジョミ中心街の観光案内所【マップ 灰色】でドライバーを斡旋してもらうことです。
料金の相場は、1台で150GEL~200GEL(=¥7500~¥10000)程度。
これはヴァルジアだけの単純往復+待機時間の場合で、その他の見どころに立ち寄る場合は料金が上がってきます。
ボルジョミのおすすめローカルレストラン
保養地として栄えてきた歴史のためか、ボルジョミには長期の滞在者も多く、中心街にはレストランもたくさんあります。
のぶよのように、「地元の料理を食べたいけど、あまり肩肘張った雰囲気のところは…」という一人旅系の人にはやや入りにくい場所も多いのがボルジョミですが、ご安心を。
・一人でも気兼ねなく利用できる
・リーズナブルな価格
・美味しい
と、三拍子そろったローカルレストランもちゃんとあるのです。
それがこちらのCafe Tourist ▼【マップ 赤】
ボルジョミ中心街すぐ近くに位置する、老夫婦が経営する小さなレストランです。
その店名が災いしてか、なんとなく「観光客向けの適当な料理をぼったくり価格で提供する店」というイメージが先行してしまいがちですが、筋金入りのローカルレストランなのでご安心を。
・ビール(500ml):3GEL(=¥150)
・メイン料理:8GEL~15GEL(=¥400~¥750)
※税・サービス料込み
と、観光地なのにまったく観光地価格ではありません。
ジョージア語かロシア語しか通じないものの、オーナーのおじいさんは笑顔が素敵な気さくな人。
ここまで温かく満面の笑顔で迎えてくれたお店は、ジョージアに来て初めてだったかもしれません。(基本的にそっけない対応の人が多いので)
安くて利用しやすいだけでなく、その味も絶品なのもポイント。
スパイスが素材の旨味を上手に引き出した肉料理は、感動ものの美味しさでした。
自家製のツケマリ(梅のソース。+2GEL(=¥100))が自慢らしく、どの料理にも「かけろ!」と推してきますが、素直に従っておきましょう。
というのも、おばあちゃん特製のツケマリは甘さと酸っぱさのバランスが秀逸で、かなりの絶品だったからです。
気さくなおじいさんオーナーの趣味は、外国の紙幣を集めることだそう。
過去に誰かが置いていった日本の1000円札を嬉しそうに見せてくれて、「これは何ラリくらいだ?」と聞かれて「30ラリくらいかなあ?(ジョージアでは結構な大金)」と答えると、さらに嬉しそうにしていました(笑)
お腹もいっぱいになり、温かなおもてなしと微妙なセンスの内装も含めて、大満足となったCafe Touist。
ボルジョミ滞在の際には、外国の紙幣をお土産に訪れてみてはいかがでしょうか。
ボルジョミの宿情報
温泉療養地らしく、全ての人の滞在スタイルに合った宿泊先があるのもボルジョミの魅力。
高級ホテルから民家を改装したゲストハウス、格安のホステルまで…好みに合った宿を選べるのは嬉しいです。
緑に囲まれた美味しい空気の町に数日間滞在しながらのんびりと観光や街歩きを楽しむのが、ボルジョミを最大限に満喫する方法と言えるでしょう。
ボルジョミには格安で滞在できるホステルもあり、どケチ旅人ののぶよはもちろんそこに滞在しました。
Riverside Hostel
・料金:15GEL(=¥750)
・部屋:3ベッドドミトリー
・立地:6/10
ボルジョミ中心街から東に1kmほどの幹線道路沿いにあります。
周辺にはお店などがないため、買い物などはいちいち中心街まで足を運ぶ必要があります。
町で最大の見どころであるボルジョミ公園までは、ホステル横の橋を渡れば簡単にアクセスできるのはメリットかもしれません。
・アクセス:9/10
入口の扉には夜間以外は基本的に鍵がかかっていないので、簡単にアクセス可能です。
チェックイン時間なら常にスタッフがいるので、スムーズに手続きできます。
・スタッフ:6/10
若いジョージア人が経営しているのですが、ジョージア人を絵にかいたような怠け者です。
(悪い人ではないのですが)
英語があまり通じず、他の町へのバス情報や観光スポットなどの情報もなかなか得られません。
何か質問等しても面倒くさそうに対応されたのもマイナス。
・清潔さ:9/10
コロナウイルスの感染対策を守っているようで、結構清潔に保たれています。
キッチンやバスルームなども全く問題なく、ドミトリーの部屋も清掃が行き届いている印象です。
・設備:8/10
トイレが一つしかありませんが、宿の規模を考えるとまあ不便を感じることもありません。
調理器具が揃っているキッチンを自由に使えるのもポイント高めです。
洗濯機は別料金(5GEL=¥250)で使用することが可能です。
共用エリアもあってくつろげるのですが、なぜかコンセントが少なめだったのが不便でした。
・wi-fi:8/10
ホステルのどこででも問題なくつながりますが、たまに接続が途切れることがありました。
・雰囲気:6/10
ホステルなのですが、他にの宿泊客が2人しかいなかったため、いまいちホステルらしい雰囲気を味わえませんでした。
従業員も積極的にコミュニケーションをとってくるタイプではないため、微妙な居心地の悪さが感じられたのが残念。
自分の時間を大切にのんびり過ごしたい人には良いかもしれません。
・総合:7.4/10
ボルジョミで最安値で泊まれる宿ですが、特に不便を感じることなく宿泊できる場所だと思いました。
立地とスタッフの感じこそやや微妙ですが、数日間だけの滞在なら特に気にすることもないと思います。
【ボルジョミの宿をすべて見る!】
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ボルジョミへのアクセス・行き方
ジョージア南部のサムツヘ=ジャワヘティ地方の北東部に位置するボルジョミは、ジョージア国内の他都市からもアクセスしやすい場所にあります。
複雑なのが、ボルジョミ中心街にはバスステーション(とは名ばかりのただの駐車場)が二か所ある点。
ジョージア他都市から/へのマルシュルートカが発着するメインのバスステーション(とは名ばかりのただの空き地)は橋のたもとにあり、トビリシ行きなどのマルシュルートカが多く客待ちをしています。【マップ 黄色】
バスステーションの北100mほどの別の広場には、ボルジョミ~周辺の小さな村々を結ぶ短距離マルシュルートカが発着するエリアがありますが、旅行者が利用する機会はほとんどないでしょう。
ジョージア各都市~ボルジョミ間の移動
旅行者的に最も早くボルジョミに移動できる交通手段は、マルシュルートカと呼ばれる乗り合いのミニバスです。
ボルジョミ中心街にはトビリシやゴリ方面への鉄道が発着するボルジョミ公園駅があり、鉄道でのアクセスも可能。【マップ 灰色】
時間はマルシュルートカの倍以上かかるものの、激安価格で移動できるのが鉄道移動最大のメリットです。
トビリシ以外の都市からの移動手段は、基本的にマルシュルートカの一択となります。
【マルシュルートカ】
トビリシ~ボルジョミ間は、1時間に1本ほどの頻度でマルシュルートカが走っており、簡単に移動できます。。
トビリシ側の発着ポイントは、市内北部のディドゥベ・バスステーション(Didube Bus Station)。
地下鉄ディドゥベ駅を出てすぐの場所にあるロータリー付近からの出発です。▼
【鉄道】
時間があってできる限り移動費を節約したい人におすすめなのが、鉄道を利用すること。
トビリシ中央駅~ボルジョミの観光エリア入口に位置するボルジョミ公園駅(Borjomi Park Station)間を1日2往復の鉄道が結んでいます。
事前予約等は必要なく、当日鉄道駅の窓口で直接チケットを購入しての利用です。
この区間の鉄道のスケジュールは以下の通りです。▼
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:00 | 20:05 |
【マルシュルートカ】
ジョージア中部の小都市・ゴリ~ボルジョミ間には直行のマルシュルートカは走っていません。
なので、ゴリ~ハシュリ~ボルジョミとバスを乗り換えてのアクセスとなります。
ゴリ~ハシュリ間のマルシュルートカの発着ポイントは、市内北部の新バスステーション。▼
ハシュリのバスステーションに到着したら、ボルジョミ行きのマルシュルートカに乗車すればOKです。
【鉄道】
マルシュルートカだと直接のアクセスができませんが、トビリシ~ボルジョミ間の鉄道を利用すればゴリ~ボルジョミ間を直接移動することが可能。
トビリシ中央駅~ボルジョミの観光エリア入口に位置するボルジョミ公園駅(Borjomi Park Station)間を結ぶ1日2往復の鉄道に、ゴリの鉄道駅から途中乗車/下車すればOKです。
事前予約等は必要なく、当日鉄道駅の窓口で直接チケットを購入しての利用です。
この区間の鉄道のスケジュールは以下の通りです。▼
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:00 | 20:05 |
ジョージア第二の都市であるクタイシ~ボルジョミ間は、地図上では近く見えるものの、移動するとなると意外に不便。
というのも、二つの町の間を小コーカサス山脈が隔てているので、ぐるりと回るようにしか道路が敷かれていないためです。
直行便は1日2便のマルシュルートカのみと不便なので、途中のハシュリで乗り換えるのが便利。
クタイシのバスステーションから頻発しているトビリシ行きなどの便に乗車し、ハシュリのバスステーション付近で途中下車→ボルジョミ行きのマルシュルートカに乗車すればOKです。
ボルジョミ~バトゥミ間も、移動にはやや難あり。
バトゥミがあるアジャラ地方とボルジョミがあるサムツヘ地方の間には1本の道路しかなく、かなりの悪路であることで有名なのです。
2023年現在、バトゥミ~ボルジョミ間の移動はクタイシやハシュリを通って大きく迂回するルートのものしかなく、地図で見るよりもかなり時間がかかってしまいます。
直行便は1日1本(ボルジョミ発9:00)しかないので、クタイシと同様に途中のハシュリ(Khashuri / ხაშური) という町でバスを乗り換えるのが便利だと思います。
ボルジョミ~近郊の町/見どころへの移動
ボルジョミは、ジョージア南西部の広大な面積を占めるサムツヘ=ジャワヘティ地方の北側の玄関口となる町。
アハルツィヘやヴァルジアなど、エリア内のその他の町や観光スポットへ向かうバスも走っているので、この地域の観光の拠点としても便利です。
ボルジョミ~アハルツィヘ間の移動は少々注意が必要。
というのも、ボルジョミ~アハルツィヘを直接結ぶマルシュルートカは存在しないため。
つまり、ボルジョミのバスステーション始発のアハルツィヘ行きの便はなく、トビリシやゴリ、クタイシなど他都市からボルジョミを経由してアハルツィヘに至る便に途中乗車するしかないのです。
アハルツィヘ行きのバスはボルジョミのバスステーション内には停車せず、道路を挟んだところにある市役所前のバス停(という名の、ただ単に道幅があるだけのスペース)に乗客が居れば停車します。
つまり、ただぼうっと待っているだけでは停車してくれない場合もあるということ。
アハルツィヘ行きのバスが目に入ったら、手を挙げるなどして停車してもらう必要があります。
他都市~アハルツィヘ便は30分~1時間に1本ほどボルジョミを通るので、場所さえ間違えなければ問題なく途中乗車することができます。
ボルジョミ~ヴァルジア間を直接結ぶバスはありません。
ボルジョミ~アハルツィヘ~ヴァルジアと乗り換えを含む移動をしなければならないため、とても不便です。
ボルジョミ~アハルツィヘ間は多くの便が走っているものの、アハルツィヘ~ヴァルジア間は1日4便のマルシュルートカしかないので、個人での移動はやや不便です。
(朝早くボルジョミを出れば、スケジュール的に日帰りも可能かもしれない)
のぶよ的には、直行のマルシュルートカがあるアハルツィヘに宿泊してヴァルジアへ往復するか、ボルジョミから現地ツアーを利用してのアクセスが良いのではないかと思います。
【マルシュルートカ】
トビリシ以外のジョージア各都市~ボルジョミ間の移動の乗り換え地点として便利なハシュリ(Khashuri / ხაშური)の町は、ボルジョミの北東30kmほどの場所に位置しています。
ボルジョミ~ハシュリ間は、9:30~17:30の間に30分に1本の頻度でマルシュルートカが走っているので、簡単に移動が可能。
ハシュリからジョージア各都市へは、ボルジョミ発とは比べ物にならないほど充実したマルシュルートカ路線があります。
【鉄道】
トビリシ~ボルショミ間の鉄道はハシュリ駅を経由するため、途中乗車/下車してボルジョミへアクセスすることも可能です。
トビリシ中央駅~ボルジョミの観光エリア入口に位置するボルジョミ公園駅(Borjomi Park Station)間を結ぶ1日2往復の鉄道に、ハシュリの鉄道駅で途中乗車/下車すればOK。
事前予約等は必要なく、当日鉄道駅の窓口で直接チケットを購入しての利用です。
この区間の鉄道のスケジュールは以下の通りです。▼
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:00 | 20:05 |
おわりに
見どころやおすすめレストラン、移動情報まで…旅行先として大人気のボルジョミ観光に必要な情報を全て解説しました。
個人でも簡単にアクセスすることができ、好みにあった楽しみ方ができるのが、ボルジョミの素晴らしいところだと思います。
観光のメインシーズンは春から秋にかけてとなりますが、ボルジョミのすぐそばにはバクリアニ(Bakuriani)という有名スキーリゾートもあるので、冬に訪れても楽しめるのも大きなメリット。
豊かな大自然に囲まれて美味しい空気を味わいながら、ぜひ2~3日のんびりと滞在してほしい町です。
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