こんにちは!ジョージア滞在も4年目!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
合計で3年半ほどになるジョージアでの滞在ですが(どんだけおんねん)、丸2年間滞在したトビリシに次いでのぶよが長期間滞在しているのが、ジョージア西部に位置するアジャラ地方。
ジョージア第二の都市であるバトゥミを中心に、青く輝く黒海と緑の山々に抱かれた風光明媚なエリアです。
「アジャラ地方」と聞いて、何らかのイメージが浮かぶ日本人はごくごく少数なはず。
ちょっとジョージアに詳しい人でも「ああ、バトゥミがあるところでしょ?」くらいではないでしょうか。
ジョージアの地元の人にとっても、「アジャラ地方=バトゥミがあって黒海に面したところ」という認識は同様。
裏を返せば、バトゥミと黒海以外でアジャラ地方に何があるのか壊滅的に知られていないというわけです。
ジョージア国内でもそんな感じなので、外国人旅行者でアジャラ地方をガッツリと旅する人などほぼゼロ。
バトゥミの市内観光と黒海の風景に満足し、みんな足早に次の町へと去ってしまいます。
のぶよは、その現状を変えたいのです…!
海も山も快適なシティーライフもあるアジャラ地方は、実はジョージアでも髄一の観光的な見どころに恵まれたエリア。
独自の歴史を持ち、独自の伝統文化が強く根付くことから、知れば知るほどに「ジョージアにありながらジョージアではない」といったアジャラ地方独自の魅力に気が付くはずです。
というわけで今回の記事は、アジャラ地方のアレコレを余すところなく解説するもの。
絶対に知っておきたいアジャラ地方の5つのヒミツや、「アジャラ地方旅行時にしたい48のこと」と題した観光&文化体験の紹介まで…
アジャラ地方の旅行&観光に役立つ情報の総まとめ記事のようになっています!
そもそも、ジョージアをガッツリと旅する日本人の数など限られているのが現状。
せっかくこんなマニアックな国に来てくれた旅行者であっても、そのうちのほとんどはトビリシやコーカサス山岳地域など「分かりやすい魅力」がある地域にばかり行ってしまうため、アジャラ地方の詳細な観光情報はほとんどネット上に出回っていません。
この記事を「アジャラ地方旅行のもくじ」のように活用して、実際に訪れる際に大いに役立ててもらえれば何より。
もちろん、今すぐジョージアを旅行する予定がない人にも「こんなに面白いエリアがあるんだ…!」と知ってもらえるだけでも嬉しいです!
- ジョージアの異色エリア!アジャラ地方の5つのヒミツ
- 3つのエリア別!アジャラ地方でしたい48のこと
- バトゥミ市内でしたいこと
- ①「バトゥミ旧市街」を散策する
- ②「トルコ人街」で異国情緒にひたる
- ③「シーサイドエリア」の不思議なモニュメントを制覇
- ④「バトゥミ・ブールヴァール」で潮風を感じる
- ⑤「キラキラバトゥミ地区」で黒海のラスベガスごっこをする
- ⑥「頭上スレスレ飛行機ビーチ」でベストショットを撮る
- ⑦「飲兵衛ストリート」でバトゥミの地ビールに酔う
- ⑧「町工場エリア」のレトロ感にひたる
- ⑨「バトゥミ市場」の人情に心温める
- ⑩「バトゥミ魚市場」で海鮮ざんまい
- ⑪「サメバ教会」からの絶景を眺める
- ⑫本場の「アチャルリ・ハチャプリ」を食べる
- ⑬もう一つのハチャプリ「アチュマ」を食べる
- ⑭「アジャラ風シュクメルリ」にノックアウトされる
- ⑮「ローカル食堂めぐり」で食いだおれの町を胃で楽しむ
- ⑯「場末宿」に泊まる
- アジャラ地方沿岸部エリアでしたいこと
- ⑰「コブレティ」で素朴なリゾート気分を味わう
- ⑱世界遺産の「コブレティ湿原」でバードウォッチング
- ⑲「ジョージアのコミュ力お化けの町」の底力を見る
- ⑳ジョージア最安値のレストラン「Shua Kalaki」で食い倒れる
- ㉑「ノダリの家」でジョージアで一番美味しいムツヴァディを食べる
- ㉒「コブレティのご当地グルメ」を制覇する
- ㉓「ムティララ国立公園」をハイキングする
- ㉔「ゴニオ要塞」でタイムトラベルする
- ㉕「クヴァリアティ村」の極上ビーチでスイミング
- ㉖国境の町「サルピ」でトルコに思いを馳せる
- ㉗「緑の岬&バトゥミ植物園」で南国情緒を感じる
- ㉘絶品食堂の村「マヒンジャウリ」で極上の休日を過ごす
- ㉙「チャクヴィ」でジョージアのお茶文化をたどる
- ㉚「海岸ムツヴァディ」で温暖な気候を満喫する
- ㉛「マスのキンズマリ」に感動する
- ㉜「ジョージアで一番美しい夕景」に感動する
- アジャラ地方山間部でしたいこと
- ㉝「ミルヴェティ村」の滝に圧倒される
- ㉞「マフンツェティ村」の二大名所を制覇する
- ㉟「アジャラワイン街道」のワイナリーをめぐる
- ㊱岩の上の「ズヴァレ教会」でミステリーを感じる
- ㊲アジャラ伝統の「木造モスク」の可愛さに感動する
- ㊳「フロのケーブルカー」で恐怖体験
- ㊴「タゴ村」でジブリの世界に迷い込む
- ㊵「スハルタ修道院」の聖地感に圧倒される
- ㊶「アジャラ風バクラヴァ」を食べる
- ㊷「べシュミ村」の桃源郷さながらの風景を愛でる
- ㊸アジャラ地方最高地点「ゴデルジ峠」に立つ
- ㊹「グヴァラ城塞」でアジャラ地方山間部の歴史を感じる
- ㊺マチャヘラ国立公園で銃製造の伝統に触れる
- ㊻リアル民俗博物館村「チュフトゥネティ」で伝統文化に触れる
- ㊼チュフトゥネティ村の爆盛り宿に泊まる
- ㊽アジャラ地方山間部の名物グルメを制覇する
- バトゥミ市内でしたいこと
- おわりに
ジョージアの異色エリア!アジャラ地方の5つのヒミツ
「アジャラ地方」と聞いて、具体的なイメージがパッと浮かぶ人はかなりの少数派でしょう。
ジョージア南西部に位置する小さなエリアで、佐賀県をひとまわり大きくしたくらいの面積しかありません。
そんなアジャラ地方は、あらゆる面においてジョージアの中でも異色のエリア。
ジョージアという国に対して多くの人が思い浮かべる「コーカサスの山々」「キリスト教」「エキゾチックな町並み」などは、アジャラ地方では少し事情が異なる場合が多いのです。
まずは、ほとんど知名度がないアジャラ地方のアレコレについてサクッと知っていきましょう。
「アジャラ地方のヒミツ」と題して、5つのテーマからこの不思議なエリアを徹底解剖しています。
アジャラ地方のヒミツ①:ジョージアなのにジョージアではない?アジャラ地方の歴史と基本情報
アジャラ地方は、ジョージア南西部の黒海沿岸に位置する風光明媚なエリア。
隣国のトルコとの国境を成すエリアでもあり、トルコ方面から陸路でジョージアに入った旅行者が最初に訪れる地域でもあります。
そんなアジャラ地方の基本情報は以下の通り。
・正式名称:アジャラ自治共和国
・人口:約35万人 (奈良県奈良市と同じくらい)
・面積:2900㎢ (佐賀県よりひとまわり大きい)
つまり、佐賀県くらいの土地に奈良市くらいの人数が住んでいるわけで、日本人からすると面積も人口もかなり小規模なエリアに思えることでしょう。(ちなみに鹿はいない)
しかし、ジョージアの中では首都トビリシ、イメレティ地方に次いで3番目に大きい人口が多いエリアです。
それよりなにより、気になるのは「アジャラ自治共和国」という正式名称ではないでしょうか。
なんとなくきな臭そうな印象を持ってしまいそうなネーミング…
実は、アジャラ地方はジョージアという国に属していながらも独自の自治政府を持ち、教育システムや司法システムもジョージア本国とは異なるという、なかなかに複雑なエリアなのです。
現在のアジャラ地方を取り巻く複雑な事情は、ジョージアの他地域とは少し異なる歴史や宗教の違いによるもの。
ソ連崩壊とともにジョージアが独立することになった1991年には、アジャラ地方はジョージア領内に自治共和国として残ることが決められますが、一時はアジャラ独立派がジョージア中央政府と対立し、紛争直前の一触即発状態にまで至ったこともあります。
そんな時代も今や昔。現在のアジャラ地方は完全に平和であり、ジョージアの一部という意識が強く根付いているように思います。
もちろん、ジョージア他地域からアジャラ地方に訪れる際はパスポートチェックや検問などはないのでご安心を。
現在のアジャラ地方は、ジョージアで二番目に多い人口を有するバトゥミを中心に、好調な経済と観光ブームによる地域発展の真っ只中。
海のすぐそばで快適なシティーライフが遅れるバトゥミは、夏場のビーチ客はもちろん、長期滞在している外国人からの人気も高いです。
黒海の美しい海岸沿いの風景が多くの人を魅了しするアジャラ地方ですが、少し内陸部に目を向ければ山の大自然だってすぐそば。
特に、アジャラ地方山間部を訪れる旅行者は多くなく観光地化も進んでいないため、手つかずでスレていない地方部の良さがふんだんに感じられます。
山も海も大都市も…ジョージアの中で最もバラエティーに富んだ魅力がいっぱいのアジャラ地方。
これから注目を浴びること間違いありません!
アジャラ地方のヒミツ②:ジョージアで最も温暖な気候とオープンな気質
ジョージアと言うと、なんとなく寒い国であるような気がしてしまうもの。
雪をまとったコーカサス山脈のイメージだったり、ソ連時代の寒々しいイメージのせいかもしれませんが、実際にジョージアの冬は全国的にまあまあの寒さとなります。
いっぽうのアジャラ地方周辺の黒海沿岸地域は、大半が大陸性気候であるジョージア国内では珍しい亜熱帯性気候に属する地域。
日本だと沖縄県が亜熱帯性気候に分類されるそうなので、アジャラ地方の温暖な気候がイメージしやすいのではないでしょうか。
アジャラ地方は年間を通して温暖湿潤であることで知られ、冬場でも気温が0℃を下回ることはまずありません。
山々を覆う植生も他地域とは大きく異なり、ヤシの木やシダ植物などがジョージア東部からやって来た人に南国感を感じさせます。
温暖な地域ということは、果物の生育に適しているということ。
実際、ジョージアの他エリアでは寒すぎて育たないレモンやみかん、キウイフルーツやお茶などが多く栽培されており、ジョージアのフルーツ天国さながらです。
そんな温暖な気候に育まれたアジャラ地方の人々の気質は「ジョージアで最も開放的」だと言われるほど。
何事においても「自分の地域が一番!」と疑ってやまないジョージア各地域の人々が、みんな口を揃えて「アジャラの人はとにかく明るい」と言うのですから…個人的にはかなり信ぴょう性がある話だと思います。
ジョージアには他所の人間に対して閉鎖的な態度の人も少なくないのですが、アジャラ地方の人々はかなりオープン。
実際に滞在していると、この地域独自の明るさや人の良さ、海辺のエリアらしい気性の荒さなどは毎日のように感じられ、県民性のようなものは確かに存在するような気もします。
アジャラ地方のヒミツ③:キリスト教国なのにイスラム香る雰囲気
アジャラ地方がジョージアの中でも唯一無二の存在となっている最大の理由の一つが、住民のおよそ半数がイスラム教徒であること。
オスマン帝国(現在のトルコ)による統治がジョージア国内で最も長く続いた地域なので、元々キリスト教徒であった住民の多くはイスラム教に改宗したのです。
1991年にジョージアがソ連から独立すると、他エリア出身のキリスト教徒人口が増え、アジャラの住民の中でもキリスト教へ改宗する人が続出。
イスラム教徒の人口は年々緩やかに減少しており、現在ではアジャラ地方の総人口のうち40%~45%ほどだと言われています。
大都市バトゥミでは圧倒的にキリスト教徒の割合が多いため、イスラムの香りが感じられる機会は限られています。
いっぽうで、バトゥミを出て少し内陸部に入っただけで、各村にモスクが備わっている風景に驚くはず。
さらに奥に進んだ先のアジャラ山間部エリアのイスラム教徒住民の割合は8割~9割以上とも言われ、伝統的な生活にイスラム教が根付いた独自の文化が現在にも受け継がれています。
アジャラ地方のヒミツ④:建築と言語に見られるロシア統治時代の強い影響
バトゥミをはじめ、アジャラ地方の沿岸部の町を散策していると、どうもジョージアらしくない瀟洒で優雅な雰囲気の建物がやたらと多いことに気が付きます。
細部までこだわられた装飾や、優雅な曲線を描く窓枠を有する石造りの建物。
これらは、約200年前からジョージア全域を支配したロシア帝国時代に建設された建物です。
アジャラ地方の沿岸部の町は、かつてはビーチ目的の保養客がロシア帝国全土から訪れた場所。
ビーチリゾートとしてのアジャラ地方の歴史はソ連時代にも続き、ジョージアの中でもロシアやウクライナなど東欧地域からの旅行者が多かったため、古い建築が守られてきたのかもしれません。
また、アジャラ地方でのロシア語の通用度は、ダントツでジョージアNo.1。
ソ連時代を経験した世代はもちろん流暢なロシア語を話しますが、それ以降の若い世代でもロシア語が通じるのはジョージアではアジャラ地方だけです。
その秘密は、アジャラ地方独自の教育システムにあります。
ジョージア他地域では第二外国語としてのロシア語教育はすでに廃止されて英語の授業となっているため、30歳以下の若い人はロシア語が全く話せない(もしくは「話したくない」)人も多いです。
いっぽうのアジャラ地方では、現在でもロシア語が義務教育で学ばれているそう。
そのため、アジャラ地方では若い人でも流暢なロシア語を話しますし、小さな子供でもある程度のロシア語が通じることも多いです。
ご存じの通り、ジョージアとロシアは政治的/歴史的に良好な関係とは言えないのが現状。
しかしながら、アジャラ地方ではロシア語圏からの旅行者や移住者のおかげで経済が成り立っている部分もあり、ロシア語は切っても切れない関係なのかもしれませんね。
アジャラ地方のヒミツ⑤:独自の食文化
もうすでにアジャラ地方の異色エリア感は十分に伝わっているかもしれませんが、最後のとどめとなるのが独自の食文化。
ジョージア料理の定番メニューはもちろんアジャラ地方でも食べられていますが、ここでしか食べられていない郷土料理やご当地グルメの種類がとにかく豊富なのです。
ジョージア他地域に比べて、牛乳やヨーグルト、サワークリームなどの乳製品をとにかく多用するのがアジャラの食文化最大の特徴。
すぐお隣のトルコ料理の影響も強く、味付けはかなり優しめであっさりしているのも一般的なジョージア料理とは異なっています。
また、イスラム教が強く根付くアジャラ地方山間部においては、一般的に豚肉が使用される料理に牛肉を用いる点も独特。
「ジョージアの牛肉は硬くて筋っぽい」とは外国人がよく不満に思うことですが、牛肉文化が息づくアジャラ地方の牛肉はとても柔らかくて風味豊かなのも嬉しいです。
アジャラ風バクラヴァやブルメなど、オスマン帝国由来のスイーツがこの地で独自に進化したアジャラ地方のスイーツ文化も見逃せません。
グルメ目的の旅行者でも、存分に楽しむことができるアジャラ地方。
一度訪れれば、ジョージア料理に対する概念が変わること間違いなしです!
3つのエリア別!アジャラ地方でしたい48のこと
さてさて…すでにものすごいボリュームとなりましたが、本題はここから。
「アジャラ地方でしたい48のこと」の本編です。
アジャラ地方は以下の3つのエリアに分けることができます。▼
それぞれのエリアで雰囲気が大きく異なるため、アジャラ地方マスターになるためには3エリアすべてに足を運ぶのが必須です!
それぞれの見どころのアクセスや観光詳細情報については、各項に別記事へのリンクを貼っているので、気になった場所は要チェック。
アジャラ地方旅行/滞在のしおりのような感じで活用してもらえたら嬉しいです!
バトゥミ市内でしたいこと
アジャラ地方の中心都市であるバトゥミは、人口20万人ほどを有するジョージアで二番目に大きな町。
黒海すぐそばにひらけたビーチシティーらしく、開放的な雰囲気が町全体に漂っています。
アジャラ地方の経済・文化の中心地でもあるバトゥミには、見どころがたくさん。
定番とされるスポットから、誰も知らないディープな穴場スポットまで…知れば知るほどにハマっていくこと間違いなしのこの町の魅力を味わいつくしましょう!
①「バトゥミ旧市街」を散策する
バトゥミ市内東部に位置するバトゥミ旧市街は、海沿いの街らしい開放的な雰囲気に包まれた小さなエリア。
およそ200年前のロシア帝国時代から100年前のソ連時代初期にかけての建物が多く残っており、優雅な町並みにかもめの鳴き声が響き渡る情景は旅情むんむんです。
バトゥミ旧市街には、この町の歴史を今に伝える由緒正しきスポットから、ここ数十年の間に整備された「古そうで新しい」建物まで、古いものと新しいものが混在しているのが独特。
碁盤の目のように整備された石畳の路地をあてもなく散策し、ジョージア第二の町の情緒を存分に感じましょう。
②「トルコ人街」で異国情緒にひたる
トルコ国境まで20kmほどの場所に位置しているバトゥミは、地理的にも歴史的にもトルコとの結びつきがとても強い町。
バトゥミ旧市街の最南端には町で最大のモスク「オルタ・ジャーミィ」がどーんと鎮座しており、モスクを中心とした数本のストリートにはトルコ料理店が軒を連ね、トルコ人住民が多く住むトルコ人街のようになっています。
トルコ人街を歩いていると、聞こえてくるのはジョージア語よりもトルコ語が圧倒的に多いほど。
チャイハネ(トルコ式紅茶店)の低い机と椅子に腰掛けながら甘いチャイを啜っていると、ふいに流れ出すアザーン…ジョージアに居ながらにして異国情緒を存分に感じることができます。
③「シーサイドエリア」の不思議なモニュメントを制覇
黒海沿岸のビーチシティー・バトゥミを象徴するのが、シーサイドエリア。
青く輝く黒海に沿って歩行者専用のプロムナードが敷かれており、潮風を全身に感じながらの散策が楽しめます。
ただ歩いているだけでも楽しいシーサイドエリアですが、海沿いにいくつも点在する変わったデザインの建造物やモニュメントを訪れるのも楽しみ。▼
・チャチャ・タワー
・バトゥミ・タワー
・アリとニノの像
・バトゥミ・オクトパス
など、バトゥミのシンボル的な見どころがギュッと詰まっているのがシーサイドエリア。
どのランドマークも、青空と青い海を背景にした絵になる風景を見せてくれます。
④「バトゥミ・ブールヴァール」で潮風を感じる
バトゥミっ子が誇るプロムナードが、バトゥミ・ブールヴァールと呼ばれる歩行者専用の公園。
黒海の海岸線に沿って全長8kmほどに渡って続く長~い公園は、古くから多くのリゾート客に親しまれてきた「バトゥミの顔」のような存在。
どこまでも並ぶヤシの木が、ひたすらに南国情緒を感じさせます。
バトゥミ・ブールヴァール沿いには、ジョージア人アーティストによるアート作品がいくつか点在しており、どれもフォトスポットとして大人気。
サイクリングロードも整備されているので、自転車をレンタルしてのんびりと走るのもおすすめです。
⑤「キラキラバトゥミ地区」で黒海のラスベガスごっこをする
バトゥミと聞いて多くの人がイメージするのが、海沿いに建ち並ぶ高層マンションやリゾートホテル、カジノ施設がずらりと建ち並ぶ風景。
「黒海のラスベガス」を目指して開発が進められた市内西部の海岸沿い一帯は、他のエリアとは異なるキラキラしたイメージを放ちます。(のぶよは皮肉を込めて「キラキラバトゥミ地区」と呼んでる)
なんとも成金趣味でギラギラした雰囲気のキラキラバトゥミ地区は、好き嫌いが分かれるかもしれませんが一度は足を運んでみるのが◎
本家ラスベガスのものには遠く及ばないものの、音楽に合わせて噴水ショーが行われる「ダンシング・ファウンテン」もあり、絶妙にダサめな選曲も含めてなかなか楽しいです。
⑥「頭上スレスレ飛行機ビーチ」でベストショットを撮る
キラキラバトゥミ地区の最果てには、バトゥミの空の玄関口であるバトゥミ国際空港が位置しています。
この空港は海沿いギリギリに建設されており、離着陸する飛行機が黒海から/へ飛行するため、空港すぐそばのビーチでは頭上スレスレに飛行機が飛ぶ姿を眺めることができるのです。
ジョージア西部の黒海の玄関口・バトゥミにある「頭上スレスレ飛行機ビーチ」がものすごかった。 pic.twitter.com/680bNhRXl0
— 小山のぶよ🇵🇹世界半周中の翻訳してる人 (@nobuyo5696) August 4, 2022
特に迫力があるのは、黒海上空からバトゥミ空港へ飛んでくる着陸寸前の飛行機。
轟音と強風を立てながら、頭のすぐ真上を巨大な飛行機が通過する瞬間は、アドレナリン出まくりの興奮体験となります。
⑦「飲兵衛ストリート」でバトゥミの地ビールに酔う
どうしても人工的で開発過剰な印象を与えてしまうキラキラバトゥミ地区ですが、高層マンションやカジノ付きホテルの影に隠れるようにして、ローカル度120%のスポットが存在しています。
それが、バトゥミの地ビールである「バトゥムリ・ルディ」を製造・販売するビール工場と、その周辺で営業する場末の酒場たち。
日が傾くころになるとバトゥミ中の地元民が集まって来ては、地ビールをとにかく飲みまくり、泥酔…
そんな光景が毎日繰り広げられているのが、この「飲兵衛ストリート」と呼ばれる(というか、のぶよがそう名付けた)ディープすぎるスポットです。
飲兵衛ストリートの中心であるビール工場では、生ビールをペットボトルに注いでもらって持ち帰ることも可能ですが、せっかくならその辺の場末酒場にチャレンジするのもおすすめ。
どの酒場もフード類の価格は信じられないほどに安く、地元客でいつも大賑わい。
バトゥミのギラギラしたイメージと、ローカル飲み文化のディープさとのギャップに、きっと驚くはずです。
⑧「町工場エリア」のレトロ感にひたる
優雅な雰囲気の旧市街、開放的なシーサイド、まばゆいばかりのキラキラバトゥミ地区…
バトゥミという町は様々な顔を持ち、エリアによって大きく雰囲気が異なるのですが、この町の真髄が詰まっているのが市内東部の町工場エリア。
傾いた建物の間を縫うようにぼろぼろのソ連車が行き交い、鉄や木材などを加工して家具を作る町工場が多く並んでいるエリアで、バトゥミの庶民的な生活を垣間見ることができます。
町工場エリアには広大な露店街もあり、食品から衣料品、何に使うのか分からない物体まで…ありとあらゆるものが売られています。
いつ訪れても活気にあふれた雰囲気も素敵。
ローカルな雰囲気を感じたいなら、時間をかけて散策してみましょう。
⑨「バトゥミ市場」の人情に心温める
町工場エリアの最東端に位置するのがバトゥミ市場。
旅行者はあまり訪れない場所ですが、個人的にはバトゥミの良いところが凝縮されたスポットだと思います。
バトゥミ市場はジョージア語で「バザーリ」と呼ばれる、昔ながらの巨大な商業施設。
肉や野菜などの生鮮食品から加工品までありとあらゆる食料品がところ狭しと並び、バトゥミの人々の胃袋を支える存在です。
バトゥミ市場を訪れる外国人は、声をかけられずに散策を済ませることなど不可能。
市場の人たちはとにかく人懐っこく、普段はほとんど接する機会のない外国人旅行者に興味津々であるため、とにかく声をかけられまくるのです。
コーヒーをごちそうになったり、なぜか蒸留酒を飲まされる流れになるのもよくあること。
アジャラ地方の人々の開放的な気質が存分に感じられる、宝箱のような場所です。
⑩「バトゥミ魚市場」で海鮮ざんまい
黒海すぐそばのバトゥミでは、海産物が手軽に食べられるのも魅力的。
中心街から2kmほど離れた海沿いにあるバトゥミ魚市場は、黒海産の新鮮な魚介類が大量に販売されているおさかな天国です。
バトゥミ魚市場ならではの体験といえば、市場内で購入した魚をその場で調理してもらえる点。
市場裏手の海沿いには魚料理のレストランが数軒並んでおり、購入した魚を好みの調理法で提供してくれます。
海を眺めながらビール片手に新鮮な魚料理が食べられるのは、バトゥミならではの魅力。
色々な種類の魚が売られていますが、特にアジャラ地方名物のムール貝には絶対に挑戦を!
⑪「サメバ教会」からの絶景を眺める
すでに解説した通り、アジャラ地方ではイスラム教徒のジョージア人の割合がとても多いのですが、大都市バトゥミではキリスト教徒住民の方が多数派。
彼らにとって最も神聖な場所とされるのが、バトゥミの市街地を遠くに望むサメバ教会です。
小高い山の頂上にたたずむ聖地は、神聖な雰囲気に満ち溢れた厳かなもの。
サメバ聖堂からはバトゥミ市内と周辺の山々の風景を一望することができ、ポストカードさながらの風景は感動ものです。
⑫本場の「アチャルリ・ハチャプリ」を食べる
いまや日本でも知名度が上がりつつある、ジョージア料理のハチャプリ。
実はハチャプリにはいくつかの種類があり、形や材料が異なるのですが、最も有名なのはボート形&卵がのったものでしょう。
このハチャプリの正式名称は「アチャルリ・ハチャプリ」。
ジョージア語で「アジャラ地方風のハチャプリ」の名の通り、ここアジャラ地方が発祥&本場とされる郷土料理です。
今ではジョージア全国に広がったアチャルリ・ハチャプリですが、本場のものはひと味もふた味も異なる絶品。
バトゥミ中心街には「アチャルリ・ハチャプリ発祥の食堂」とされる名店も現役で営業しており、せっかく来たなら本場の味は見逃せません!
⑬もう一つのハチャプリ「アチュマ」を食べる
どうしてもアチャルリ・ハチャプリばかりが注目されがちなアジャラ地方のグルメ界ですが、実はもう一つこの地域発祥のハチャプリの一種があります。
それが「アチュマ」と呼ばれるもの。
紙のように薄くのばした小麦粉生地にバターとチーズを挟んで重ね合わせ、オーブンで焼き上げた「トマトの入らないラザニア」のような料理です。
焼きたてで提供されるアチュマは、表面こんがり&内側しっとりの極上食感。
バターの芳醇な風味が最大限に生かされており、後がけするヨーグルトの酸味も最高に合います。
のぶよ的には、果てしなく重たいアチャルリ・ハチャプリよりも、断然アチュマ派。
アジャリア地方の乳製品&小麦文化の結晶のような料理、絶対に食べてほしいです!
⑭「アジャラ風シュクメルリ」にノックアウトされる
日本人の間で最もポピュラーなジョージア料理といえば、シュクメルリ。
元々はラチャ地方という山岳地域発祥のシンプルな料理でしたが、ここアジャラ地方で独自の進化を遂げました。
それが、揚げ焼きにした鶏肉を大量のサワークリームの海に泳がせた「アジャラ風シュクメルリ」。
とにかく乳製品を多用するアジャラ地方の食文化は、他の地域の郷土料理にも適用されるようです。
見た目こそものすごいインパクトであるものの、味は意外とあっさりしているのもポイント。
ニンニク感は程良い感じで、サワークリームのコクや酸味が鶏の旨味を優しく包み込んでくれ、ジョージアの他地域のシュクメルリとは一線を画す上品な味わいが特徴的です。
このタイプのシュクメルリがここアジャラ地方でしか食べられていないのは、シュクメルリ界のミステリー。
せっかくアジャラ地方に滞在するなら、絶対にお見逃しなく!
⑮「ローカル食堂めぐり」で食いだおれの町を胃で楽しむ
ジョージアの三大都市を日本に例えるなら、関西三大都市。
着だおれの京都/食いだおれの大阪/履きだおれの神戸のように、各都市にそれぞれ異なる特徴が見られます
では、ここバトゥミはどうなのかと言うと、紛れもない「食いだおれ」の町です。
他エリアとは比べものにならない数のご当地グルメや郷土料理、割安な外食費…など様々な要因がありますが、バトゥミを食いだおれの町たらしめている最大の理由が無限に存在するローカル食堂の存在でしょう。
トビリシやクタイシなどの大都市に比べ、バトゥミの外食文化の発展具合には目を見張るものがあります。
「各ブロックに一軒は昔ながらのローカル食堂がある」と言っても過言ではないほど。
正直、外食文化に乏しいジョージアという国においては異色すぎる町なのです。
バトゥミのローカル食堂はどこも価格が安めで、味のクオリティーが総じて高いのも特徴的。
バトゥミの格安外食文化と質の高さに慣れてしまうと、割高で味もそこそこなトビリシで外食なんてする気が起きなくなる副作用がつくほど(まじで)です。
せっかく「ジョージアの大阪」に滞在するなら、思う存分にこの町の食文化にひたるのが◎
食いだおれの町の底力、想像以上にすごいですよ!
⑯「場末宿」に泊まる
さてさて。バトゥミの色々について紹介してきましたが、この町における最大の見どころ(?)は場末宿です。
弊ブログおよびのぶよのSNSを追っている人にはおなじみの場末宿。
ドミトリータイプの格安ホステルなのですが、いったいこの場所の何が特別なのか…
それは、この空間に集まる人々が織りなす人間模様やドラマ、その他もろもろの謎エピソードなどによるもの。きっとあなたの旅に強烈な思い出を残してくれることでしょう。
宿泊料金が安いこともあり、本当にさまざまなタイプの人がやって来る場末宿。
「プライバシーを重視した静かで快適な滞在がしたい!」という人には絶対に向きません。
反対に、「せっかくなら色々な人と関わって、酸いも甘いも噛みしめる場末体験がしたい!」という人にはおすすめです。(果たしてそんな人がいるのだろうか…)
とにもかくにも、のぶよにとってバトゥミといえば場末宿。
この小さな空間で巻き起こったさまざまなエピソードに関しては別記事でまとめているので、お暇なときにでもどうぞ。(とてつもなく長いので注意)
アジャラ地方沿岸部エリアでしたいこと
アジャラ地方と聞いて多くの人がイメージする、黒海沿岸の風光明媚な風景がどこまでも広がるのがアジャラ地方沿岸部エリア。
大都市バトゥミを出て少し足をのばすだけで、のんびりとした素朴な雰囲気の海岸沿いの村が点在しており、街の喧騒を逃れてのデイトリップにぴったりのエリアです。
バトゥミに次ぐアジャラ地方第二の町・コブレティや、大古の昔のアジャラ地方の歴史が感じられるゴニオ、世界遺産にも指定されているムティララ国立公園やコブレティ自然保護区など、沿岸部エリアで見るものやすることは無限大。
海も山もレトロな街歩きもグルメも…アジャラ地方の良いところが詰まったエリアです。
⑰「コブレティ」で素朴なリゾート気分を味わう
アジャラ地方でバトゥミに次ぐ人口を有するコブレティは、黒海沿岸エリア北部の中心的な町。
黒海からの湿った空気は健康に良いとされ、200年前のロシア帝国時代から保養地として栄えた歴史を持ちます。
「コブレティ=ビーチリゾート」のイメージは間違ってはいませんが、その雰囲気は高層マンションやカジノが建ち並ぶバトゥミのキラキラ地区とは対照的。
コブレティの町にはどこまでも素朴でレトロな空気が漂い、どこか垢抜けないのんびりとした情緒が感じられます。
コブレティには大型リゾートホテル等は存在せず、一般家庭の一部を旅行者向けに開放したゲストハウスでの宿泊が基本。
まるで家族の一員になったかのような温かな気分で、海辺の町での滞在を満喫することができます。
⑱世界遺産の「コブレティ湿原」でバードウォッチング
コブレティと言うと、どうしてもすぐ目の前の黒海ビーチのイメージばかりが先行するもの。
しかしながら、ほんの少し内陸に入るだけで風景は一変。
「コブレティ自然保護区」として、UNESCOの世界自然遺産にも登録されているコブレティ湿原がどこまでも広がっているのです。
湿地帯ならではの植生の美しさはもちろんのこと、コブレティ湿原は貴重な鳥類が生息するバードウォッチングの聖地としても有名。
湿地帯には木製の遊歩道が設置されており、ビーチとはまた違った自然を堪能することができます。
⑲「ジョージアのコミュ力お化けの町」の底力を見る
アジャラ地方の人々は総じて明るく、他所から来た人間に対しても開放的な気質の人が多いのですが、コブレティの人々の人懐っこさはもはや別格。
外国人、特にロシア人などのスラブ系以外はとても珍しいので、日本人が町を歩こうものならほぼ間違いなく声をかけられます。
別に物を売ろうとしているとか、店に呼び込もうとしているというわけではなく、コブレティの人々がやたらと気軽に声をかけてくるのはあくまでも興味本位(または、単に暇)。
市民の胃袋を支えるコブレティ市場周辺では、外国人は特に注目の的となります。
ジョージアで様々な地域や町を訪れましたが、コブレティ以上に人と人の距離が近い町はなかなかありません。(強いて挙げるならサムツヘ地方のアハルツィヘが良い勝負かも)
「ジョージアのコミュニケーション能力お化けの町」の称号は、まさにコブレティのためにあるもの。
昔ながらの人情味にどっぷり浸かってみるのも悪くないものです。
⑳ジョージア最安値のレストラン「Shua Kalaki」で食い倒れる
ここ数年のジョージアは物価の上昇がとても激しく、特にレストラン等での外食費の値上がりは顕著。
ローカル食堂であろうと10GEL(=¥500)以下で食事を済ませるのは難しくなってきています。
そんな世知辛い世の中の流れに逆行するかのように、昔ながらの低価格を貫き通す店がコブレティにあります。しかも、食堂ではなくレストランとして営業するお店が。
それが、Shua Kalakiというレストラン。
コブレティ市民でこの店を知らない人など存在せず、遠くバトゥミでも名が知られた「伝説のレストラン」のような存在です。
Shua Kalakiにはジョージア料理の基本的なメニューはほぼすべて揃っており、何を食べても美味しいのですが、驚くべきはその低価格。
どれもトビリシのレストランの3分の2~半額程度&量は爆盛りという、いったいどうやって利益を出しているのか謎すぎる価格設定です。▼
・ヒンカリ:1個0.8GEL(=¥40)
・アジャルリ・ハチャプリ:6GEL(=¥300)
・ピザ:1枚5GEL(=¥250)
・オジャフリ:8GEL(=¥40)
・前菜/サイドメニュー類:4GEL~5GEL(=¥200~¥250)
・生ビール:2GEL(=¥100)
安かろう悪かろうではなく、味も総じて抜群に良いのもShua Kalakiのすごいところ。
このお店で一度食事してしまうと、他の店に行くのがもったいなく思えてしまいます。
トビリシ最安の食堂として名を馳せる店といえば、泣く子も黙るMapshaliaが有名ですが、値段も質も量もShua Kalakiの圧勝。
アジャラ地方の外食文化を支える存在の店だと思いますし、ここを訪れるためだけにでもコブレティに足をのばす価値があります。
㉑「ノダリの家」でジョージアで一番美味しいムツヴァディを食べる
コブレティといえばShua Kalakiなのですが、もう一軒訪れたいお店が「ノダリの家」。
のぶよが偶然見つけた名もなき食堂なのですが、レトロな雰囲気と果てしないローカル感、激安な価格と絶品料理の数々は、まさにジョージアの天然記念物そのものです。
スープや煮込み料理、グリル料理など日替わりのメニューはどれも安くて美味しいのですが、ノダリの家で絶対に食べてほしいのがムツヴァディ。
豚肉を串に刺して炭火で焼いたバーベキューのことです。
ジョージア全国至る所で食べられるムツヴァディですが、のぶよの中ではノダリの家のものがダントツでNo.1の美味しさ。
スパイスとお酒に漬け込んで下味をつけた豚肉の柔らかさとジューシーさは信じられないほどで、焼き加減も絶妙の極みです。
「ジョージアの肉=硬い」というイメージが根底から覆されること間違いなし。
とにかく、この小さな食堂の素晴らしさを全日本人に知ってほしいです…!
㉒「コブレティのご当地グルメ」を制覇する
コブレティに数多くのグルメスポットがあることはすでにお分かりいただけたでしょうが、この町独自の郷土料理やご当地グルメも忘れてはいけません。
くるみペーストで牛肉を煮込んだ「ヤフノ」や、鶏肉とくるみのシチュー「デドルディ」、大量のチーズと溶かしバターの海に卵を落とした「コブレティ風ボラノ」など、コブレティ発祥とされる郷土料理はたくさんあるのです。
いずれもジョージア他地域で食べることは不可能で、アジャラ地方の他の町ではなかなかメニューにない珍しいものばかり。
コブレティ滞在時には、ご当地グルメ全制覇を目指してみるのも良いかもしれません!
㉓「ムティララ国立公園」をハイキングする
黒海の海岸線から内陸に入っていくと、亜熱帯気候の地域らしい独自の植生が印象的な山岳地域に至ります。
アジャラ地方にいくつか点在している国立公園のうち、最も訪れやすいものの一つがムティララ国立公園。
広大な国立公園内には2種類のトレイルが整備されており、初心者でも簡単に大自然を堪能することができます。
荘厳な滝や澄みきった湖、昔ながらの人力ロープウェイなどの見どころが豊富なムティララ国立公園は、子供も大人も楽しめるのでデイトリップにぴったりな場所。
特産品のムティララ蜂蜜をお土産に買っていくのも楽しみです!
㉔「ゴニオ要塞」でタイムトラベルする
およそ2000年前のアジャラ地方では、船に乗って黒海を渡って来たギリシア系の人々によるコルキス王国が繁栄していました。
当時、海上防衛用の要塞としてギリシア人によって建てられたゴニオ要塞は、遥か昔にもたらされた古代ギリシア文化の残り香を現在に伝える建造物です。
要塞内部の保存状態はやや微妙でありながらも、当時の神殿跡や浴場跡などは現存。
アジャラ地方が、遠く離れた古代ギリシア世界の一部であった歴史を感じさせられます。
㉕「クヴァリアティ村」の極上ビーチでスイミング
トルコ国境までもう少し…!という場所に位置しているクヴァリアティ村は、黒海沿岸エリアで水質の良いビーチを探している人にぴったりの村。
クヴァリアティ村一帯の海の水質は抜群に良く、波も穏やか。
浜辺のすぐ目の前には緑いっぱいの山が聳え、青い海と黒い砂浜とのコントラストがとても絵になります。
近年ではアパートタイプのリゾートマンションが建設されつつあり、徐々に開発の波が及びつつあるクヴァリアティ。
とはいえ素朴な海辺の村らしい雰囲気は健在なので、大都市バトゥミを抜けてリラックスしたビーチデイを満喫しに行くならぴったりです。
㉖国境の町「サルピ」でトルコに思いを馳せる
ジョージアとトルコの国境の町として知られるサルピは、ターコイズブルーの海を目の前に両替所や免税店が並ぶ不思議な雰囲気の村。
国境を越えた先のトルコ側の風景もすぐそばに見え、立派なモスクが海沿いにたたずんでいる光景が旅情を誘います。
サルピのビーチの水質はかなり良好で、すぐ隣のクヴァリアティ村と良い勝負。
国境の先のトルコの大地を眺めながらビーチでのんびり過ごすにはおすすめです。
㉗「緑の岬&バトゥミ植物園」で南国情緒を感じる
バトゥミ中心街から北に5kmほど。マヒンジャウリ村のさらに先に位置しているのが「緑の岬」と呼ばれる絶景ポイント。
その名の通り、亜熱帯の植物が生い茂った濃い緑色の岬と、黒海のブルーのコントラストが見られ、まるでジオラマのような風景が美しいです。
緑の岬が位置するのは、バトゥミ植物園の敷地の中。
植物園への入場は有料(しかもかなり高額)なのが残念ですが、南国情緒あふれる植物に彩られたフォトスポットが数多く点在しており、家族連れに大人気となっています。
㉘絶品食堂の村「マヒンジャウリ」で極上の休日を過ごす
バトゥミから黒海沿いの幹線道路を北に進んでいくと最初に通る村がマヒンジャウリ。
利便性の良さと程良い田舎感が、バトゥミの喧騒を厭った人々の新たな拠点として愛されており、穴場のビーチも多く点在しています。
バトゥミからバスで10分ほどでアクセスできるマヒンジャウリですが、バトゥミとはまた違う活気が感じられるのが不思議。
通年営業の食堂やカフェもいくつか点在しているので、ビーチもグルメも楽しむことができます。
マヒンジャウリで忘れてはいけないのが、中心部にあるCafe Bar Lenaという名物食堂。
この店のオジャフリはジョージア全国でTop5に入るほどの絶品ですし、「牛肉シチューのハチャプリ」なる珍メニュー(しかもかなり美味しい)があるので、気になる人はぜひ挑戦を!
㉙「チャクヴィ」でジョージアのお茶文化をたどる
バトゥミから黒海沿いを北に行くこと30分ほどの場所に、チャクヴィという海岸沿いの村があります。
チャクヴィは、大都市の喧騒を離れて海沿いでのんびり生活しようと移住した人が多く居住して来た地。
海岸沿いに優雅な豪邸が建ち並ぶ上品な雰囲気で、他の黒海沿岸の町や村に比べると夏場でもかなり静かな穴場のビーチとなっています。
チャクヴィは、実はジョージアで初めてお茶栽培のノウハウがもたらされた村として有名。
およそ200年前のロシア帝国時代にチャクヴィに滞在した中国人によってもたらされた技術は、黒海沿岸の温暖湿潤な気候と見事にマッチし、地域の一大産業となりました。
ソ連時代には衰退してしまったチャクヴィのお茶栽培ですが、現在でも当時の名残が感じられるスポットもいくつか。
「お茶の村」としてスポットライトが当たる日も、そう遠くないのかもしれません。
チャクヴィの詳細な観光情報の記事は、現在執筆中です!
㉚「海岸ムツヴァディ」で温暖な気候を満喫する
アジャラ地方の黒海沿岸エリアの人々にとって、春の風物詩となるイベントが海岸ムツヴァディ。
すでに「ノダリの家」の項で紹介した通り、ムツヴァディとは炭火BBQのことです。
アジャラ地方は冬でも極寒になることは少ないものの、11月~2月にかけては灰色の空&雨の日が続くのが普通。
3月や4月になると降水量はやや少なくなり気温も上がってくるため、みんな春の訪れを感じるために海岸に繰り出し、肉を喰らい酒を飲むというわけです。
家族や友人みんなで集まって、海を眺めながらワイワイとバーベキューをするのは、アジャラ地方ではとてもポピュラーな光景。
外国人が歩いているのを見ると放っておけないアジャラ地方の人々によって、問答無用でバーベキューの輪に参加させられることも珍しくありません!
㉛「マスのキンズマリ」に感動する
アジャラ地方には美味しい料理がたくさんあることはすでにお察しだと思いますが、のぶよ的に絶対に食べてほしい食材が「カルマヒ」。
カルマヒとはアジャラ地方で多くとれるマスやイワナの仲間の川魚のことで、グリルしたものが多くの飲食店で提供されています。
カルマヒを究極に美味しく食べるためのソースが「キンズマリ」と呼ばれるもの。
細かく刻んだパクチーをくるみペーストやお酢、各種スパイスと和えたもので、ジョージア広しと言えどもここアジャラ地方でしか味わうことのできない究極のソースです。
程良い酸味とくるみの芳醇&濃厚な味わい、パクチーの清涼感ある風味が融合したキンズマリソースは、ほわっほわで上品な甘さのカルマヒの身の旨味を最大限に引き立ててくれる存在。
本当に言葉を失うほどに美味しいので、絶対に絶対に絶対にこれを食べずにアジャラ地方を去ることなかれ…
㉜「ジョージアで一番美しい夕景」に感動する
西向きに開けた黒海沿岸エリアの町はどこでも、年間を通して美しい夕日を見ることができます。
バトゥミ市内の海岸から眺める夕日も素晴らしいのですが、のぶよ的に最も美しいと思うのがマヒンジャウリ村から眺める夕日。
バトゥミのシーサイドエリアに建つ建造物の摩天楼に沈んでいく太陽は、なんだかとてもロマンティックでノスタルジック。
湾のような地形になっているためか、海水がピンクに染まったように見える日もあり、感動的に美しいです。
また、マヒンジャウリ村が面する湾は野生のイルカの生息地となっているポイント。
夕方の時間帯になると目撃できる確率がグッと上がります。
波間を跳び泳いで遊ぶイルカたちの姿とピンクに染まった海、ライトアップされたバトゥミの街の遠景とその奥の水平線に沈む太陽…
運が良ければ、この「ジョージアで一番美しい夕景」が見られるかもしれません。
アジャラ地方山間部でしたいこと
「アジャラ地方=黒海のビーチ」というイメージを根底から覆してくれる地域が、アジャラ地方山間部エリア。
温暖湿潤な気候に育まれた植物や木々の深い緑色が印象的な山々には、アジャラ地方の豊かな歴史や伝統を現在に伝える村々が点在しており、「コーカサスの山々の風景」とはひと味違うジョージアの山間部の風景が美しいです。
山間部とはいえ、多くの場所はバトゥミを拠点に日帰りが可能であるのも嬉しい点。
訪れる旅行者はとても少ないため、ほとんど手つかずのままである山の自然と伝統を感じたい人にはぴったりです。
㉝「ミルヴェティ村」の滝に圧倒される
バトゥミから気軽に訪れることができる自然スポットとして人気なのがミルヴェティ村。
村の最奥部には優雅なフォルムのミルヴェティの滝が流れ落ち、ほとんど歩くことなく自然を堪能できることが人気の理由です。
バトゥミから30分足らずとは信じられないほどの静けさと雄大な自然風景は、ミルヴェティ村の大きな魅力。
海だけではないアジャラ地方の豊かな自然の美しさを、五感で感じることができます。
㉞「マフンツェティ村」の二大名所を制覇する
ミルヴェティ村と並ぶ人気のデイトリップ先が、マフンツェティ村。
力強い流れのマフンツェティの滝と、中世に築かれたマフンツェティの石橋の二つの見どころを有する村で、緑いっぱいの山村風景に心から癒されます。
マフンツェティの石橋付近は川の流れがゆっくりであるため、天然のリバービーチとして地元の人に大人気。
石橋から川に飛び込んで度胸試しをする村の子供たちの姿も印象的で、ジョージア地方部らしい良さがぎゅっと詰まっています。
㉟「アジャラワイン街道」のワイナリーをめぐる
アジャラ地方山間部は、あまり知られていないながらも良質なワインの産地。
渓谷沿いの山の斜面を利用した段々畑でぶどうが栽培されている風景がどこまでも続き、近年では「アジャラワイン街道」として旅行者向けのPRも始まっています。
アジャラワイン街道沿いには人口数十人ほどの小さな村がいくつも点在しており、村の民家の多くが自宅兼ワイナリーとして旅行者にも開放されています。
温暖湿潤な気候で育ったぶどうを用いるアジャラワインは、ジョージアの他エリアのものとはひと味異なるもので、山間部独自のグルメとの相性も抜群。
ワイナリー見学&試飲ツアーを行っているところもあるので、ワイン好きにはたまらないスポットです。
㊱岩の上の「ズヴァレ教会」でミステリーを感じる
アジャラワイン街道の楽しみは、ワインだけではありません。
800年前に築かれたダンダロの石橋や、木造モスクを有する小さな村など、観光的な見どころもたくさんあります。
そのうちの一つが、ズヴァレ教会。
川沿いの巨大な岩の上部にちょこんとたたずむ姿が、なんだかとてもミステリアスです。
もともとは9世紀(1200年前)に建てられたズヴァレ教会ですが、現在の建物はリノベーションされたもの。
神聖な空気をまとった小さな聖地は、アジャラの緑いっぱいの山々を背景にした一枚の絵画のような風景を見せます。
㊲アジャラ伝統の「木造モスク」の可愛さに感動する
アジャラ地方の山間部は、イスラム教徒のジョージア人住民が多く暮らすエリア。
どんなに小さな村に行ってもモスクが存在しており、この山深い地に息づく信仰の力に感嘆させられます。
アジャラ地方のモスクは、一見するとただのプレハブ小屋のような地味な外見のものばかり。
しかしながら、一歩中に入ると第一印象は大きく変わることでしょう。
どこのモスクも内部は木製が基本で、カラフルに彩られた可愛らしい内装がとても美しいです。
イスラム教はお隣のトルコから入ってきたものですが、モスクの内部をカラフルにするのはアジャラ地方独特の文化。
山間部の村を訪れながら、各村のモスクを見比べるのも素敵な経験になります。
㊳「フロのケーブルカー」で恐怖体験
アジャラ地方山間部の中心的な村の一つがフロ。
バトゥミから山道を3時間ほど走った先に位置する村で、沿岸部とはまったく異なる雰囲気が感じられます。
色々と面白い見どころがあるフロですが、最も有名なのがソ連時代に敷かれたケーブルカー。
深い谷間を挟んで反対側の山に位置するタゴ村までを結ぶ全長1700mにも及ぶものなのですが、なんとこのケーブルカー路線には支柱が一本もありません。
つまり、1700m離れたフロとタゴの乗り場以外の区間は、ゴンドラがロープ一本でぶら下がっているだけ。
谷間に吹く強風でぐらんぐらん揺れる小さなゴンドラは、まさに恐怖のケーブルカーです。
タゴ村の人々にとっては、買い物や用事を済ませるためにフロへと出向くための唯一の足がこのケーブルカー。
旅行者にとっても、タゴ村への唯一のアクセス手段となっています。
実際に乗ってみると、想像を裏切らない恐怖が味わえるはず。
高所恐怖症の人はまず無理だと思いますが、勇気のある人はぜひ挑戦を…!
㊴「タゴ村」でジブリの世界に迷い込む
フロ村から恐怖のケーブルカーに揺られること8分ほど。
命からがら生き延びた旅行者を出迎えてくれるのが、人口数十人のタゴ村です。
タゴ村の風景は、ひと昔前の日本の山村を思わせるような鄙びた雰囲気。
アジャラ地方山間部伝統の木造建築の民家が連なる小道の風景には、まるでジブリ映画の世界に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。
タゴ村では、アジャラ地方山間部の伝統的な生活が現在でも守り抜かれている点も魅力的。
田舎らしい美しさがたくさん感じられる小さな村は、伝統豊かなアジャラ地方の魅力を凝縮したような美しさです。
㊵「スハルタ修道院」の聖地感に圧倒される
タゴ村から4時間ほどの山歩きでたどり着くのが、スハルタ修道院。
ジョージア正教の聖地で、緑深い山々を背景に凛とたたずむ姿には、異教徒であっても神々しさが感じられます。
スハルタ修道院が位置するエリアは、住民のほぼ100%がイスラム教徒であるのも面白い点。
そのため、この場所を訪れるのは村の人ではなく、バトゥミなどからわざわざやって来るキリスト教徒の人々なのだそうです。
古くから異なる宗教が入り交じってきた、アジャラ地方ならではの多様性が感じられる聖地です。
㊶「アジャラ風バクラヴァ」を食べる
アジャラ地方の山間部を訪れたなら、アジャラ風バクラヴァを食べずに帰ることなどナンセンスです。
バクラヴァとは、オスマン帝国(現在のトルコ)発祥のスイーツのこと。
オスマン帝国の強い支配が長期間続いたアジャラ地方は、ジョージアでは珍しくバクラヴァが根付く地域なのです。
アジャラ風のバクラヴァは、本場トルコのものに比べてかなりのビッグサイズ。
パイ生地の中に挟まったナッツの量は少な目で、生地のサクサク食感が前面に押し出されたものです。
アジャラ地方山間部では、糖蜜ではなく特産の蜂蜜をたっぷり使用するのが特徴的。
甘さもそこまで強くなく、見た目に反してあっさり食べられるのも嬉しいです。
㊷「べシュミ村」の桃源郷さながらの風景を愛でる
アジャラ地方山間部の中で、最も奥地に位置する村の一つがベシュミ。
ベシュミは標高1900m以上の高地に位置しており、冬場は雪で道路が寸断されてしまう過酷な自然環境の地。
そのため住民の多くは夏の間だけこの地で生活をし、冬の間はフロやバトゥミなど標高の低い町で生活するという、一風変わったライフスタイルが根付く村です。
「ヤルヤ」と呼ばれるアジャラ地方山間部伝統の木造建築が、緑の丘陵地帯に点在するベシュミ村の風景は、まさに桃源郷そのもの。
アジャリア地方山間部の原風景がそのままに残る貴重な村の美しさを、思う存分に愛でたくなります。
㊸アジャラ地方最高地点「ゴデルジ峠」に立つ
ベシュミ村のさらに奥。標高2025m地点に位置するゴデルジ峠は、アジャラ地方で最も標高が高い場所です。
アジャラ地方と東隣のサムツヘ地方の境界となる地でもあり、この峠の東西で文化が大きく変わるのも面白い点です。
ゴデルジ峠までの道のりは、ジョージアの中でもワースト3に入るほどの悪路。
アクセスはとにかく大変ですが、苦労してたどり着いた後に眺める小コーカサスの山々の風景は格別のひとことです。
㊹「グヴァラ城塞」でアジャラ地方山間部の歴史を感じる
アジャラ地方は古くから数々の異民族が行き交って来た地。
特にトルコとの国境を成す山々に抱かれたエリアは、重要な防衛拠点とされてきました。
この地域の地理的な重要性を象徴するのが、11世紀建造のグヴァラ城塞。
マチャヘラ国立公園の最西端に位置し、周囲の谷間を一望する山の頂上に建設されています。
現在のグヴァラ城塞は半壊した状態となっており、中世当時の姿を見ることはできません。
しかしながら、城塞からの眺めはとにかく圧巻。
どうしてこの場所に城塞が建てられたのか、この風景を眺めればすぐに理解することができます。
㊺マチャヘラ国立公園で銃製造の伝統に触れる
アジャラ地方最南部に位置するマチャヘラ国立公園一帯は、亜熱帯性気候に育まれた独自の植物の楽園。
小さな村々が点在しており、どこも伝統的な山間部の生活スタイルが色濃く感じられます。
マチャヘラ国立公園一帯では、第二次世界大戦にマチャヘラ銃と呼ばれる武器が生産されていた歴史があります。
当時のジョージアはソ連の一部として参戦しており、マチャヘラ地域には良質な銃を生産する職人が多く居住していたのだとか。
現在では銃製造の伝統は廃れてしまいましたが、民家によっては往年のマチャヘラ銃が保管されているところもあるそう。
国立公園一帯の村々を「マチャヘラ・ガンロード」として観光PRする動きもあり、歴史と伝統の地として今後注目を浴びそうなエリアです。
㊻リアル民俗博物館村「チュフトゥネティ」で伝統文化に触れる
マチャヘラ国立公園の最奥部に位置するチュフトゥネティ村は、絵に描いたようなアジャラ地方山間部の風景が村全体に残る場所。
三層構造の木造モスクや、大小さまざまな美しい滝、ヘーゼルナッツの畑などの見どころがありますが、この村の最大の魅力がアジャラ地方山間部の伝統的な建築様式の民家が数多く残っている点です。
木造の高床式倉庫などが現役で利用されており、村人の生活は自給自足が基本。
まさに「リアル民俗博物館」さながらの村はとても貴重なので、はるばる足をのばす価値があります。
㊼チュフトゥネティ村の爆盛り宿に泊まる
村自体の見ごたえも素晴らしいチュフトゥネティですが、この村でぜひ体験したいのが爆盛り宿。
何が爆盛りなのか…それは宿で提供される食事です。
宿代にはもともと朝食が込みなのですが、朝から信じられない量と品数。
オプションでつけられる夕食も、これでもか!とばかりに様々な料理を山のように出してくれます。
提供される料理のほぼすべては、宿の畑で収穫された野菜や飼育している家畜の肉を使用したもの。
アジャラ地方山間部の伝統的な料理も多く提供され、宿泊しながら独自の食文化にどっぷりと浸ることができます。
㊽アジャラ地方山間部の名物グルメを制覇する
ここまでアジャラ地方独自のグルメや郷土料理を色々と紹介してきましたが、まだまだこんなものではありません。
アジャラ地方、特に山間部の食文化は、知れば知るほどに奥深い沼のようなもの。
ジョージア人でさえ、他地域の出身者だと「なにそれ…?」となるような独自の料理がとにかくたくさん存在しているのです。
山の野菜を使ったものから、イスラム教が根付く地域ならではの肉料理、オスマン帝国由来のスイーツの数々…
地理的に隔絶された山間部ならではの田舎料理の数々は、「ジョージア料理」の概念を大きく変えてくれるでしょう。
おわりに
ジョージアの中でも独特さが際立つアジャラ地方。
その知られざる魅力の数々を、余すところなく紹介しました。(情熱有り余って2万字越えという狂気…)
正直、本記事で紹介したアレコレをすべて制覇するには、数日間~数週間の滞在では到底足りません。
ジョージアという国に滞在可能な1年間という期間をフルに活用して、ガッツリと腰を据えて旅する必要があるでしょう。(まあそんなマニアックな旅行者は日本人には存在しないだろう…)
しかしながら、多くの旅行者がバトゥミに数日間滞在するだけでこの宝石箱のようなエリアを足早に去ってしまうのは、本当に本当に本当にもったいないこと。
この記事が、アジャラ地方の知られざる魅力を発見するきっかけとなり、「面白そうなエリアだし滞在期間増やしてみようかな…!」なんて思ってもらえるなら何より嬉しいです!
コメント
こんにちは。
もしまだ行かれたことがなかったらトルコ国境すぐそばにあるხიხანის ციხე おススメです。
雪が降り始めるギリギリ前にアハルツィヘから自転車でゴデルジ峠まで行き、頂上のホテルを拠点に僕は行きました。
アクセスはめちゃくちゃ悪いですが、3か4つくらい小さな湖(Shuamta Big Lake等)があったり、間欠泉のように雪解け水らしきものが噴き出ている泉があり道中も楽しいです。
僕は要塞から1,2キロ離れたところから眺めるだけにしたのですが、断崖絶壁と要塞が対峙するように存在しており崖(というか山)の向こうがトルコ、という壮大な眺めで本当に行ってよかったです。
また、ゴデルジ峠頂上の北側に小さな湖が点在しており、そちらも綺麗でおススメです。
コメントありがとうございます!また、お返事が遅くなり大変申し訳ございません。
ヒハニ城塞は、2023年の夏に行こうと考えていたのですが、リノベーション工事中との話を聞いて訪れませんでした。あのあたりはアルピンレイクなどがあり、自然がとても美しいエリアだと聞いており、来年の夏に行ってみたいなあと思っていたところだったので、実際に行かれた方のお話は嬉しいです。
ゴデルジ峠のあたりは安宿がほとんど出てこず、交通手段も限られているのでなかなか旅しにくい地域だと思いますが、自転車というのはすごいですね。ジョージアの中でもあまり旅行者が訪れる地域ではない分、実際に訪れたときの感動は大きかったのではないでしょうか。
まだ来年の旅について考えるのは時期尚早ですが、候補のひとつとして考えてみようと思います。情報ありがとうございます!