こんにちは!ジョージア第二の都市・バトゥミにのんびり滞在中!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
当ブログで推しに推しまくっている、ジョージアの黒海ビーチシティー・バトゥミ。
中心街のすぐ目の前が海という抜群なロケーションや温暖な気候、開放的な雰囲気など、滞在すればするほどにハマっていく不思議な魅力がこの町にはあります。
そんなバトゥミは、ジョージアの食いだおれの町という一面も。
安価で美味しい料理を提供するローカル食堂が星の数ほど点在しており、バトゥミならではの郷土料理も種類豊富であるためです。
そんなバトゥミでおすすめの食堂やレストランを見つけては紹介しているのですが、またもや見つけてしまいました…ものすごいお店を。
その名も、Kaseli。
Kaseliは、自家醸造のクラフトビールが看板メニューのビアガーデンのような施設。
2022年にオープンしたばかりですが、地元バトゥミでは徐々にその知名度を確かなものとしています。
「ジョージアのビアガーデン」と聞くとまず頭に浮かぶのがトビリシのLudi Kazbegiですが、あちらはクラフトビールではなく、ジョージア全国的に販売されているKazbegiという銘柄のビールを売っているだけ。
バトゥミのKaseliでは、正真正銘の「ここでしか飲めない地ビール」を売っているわけで、そもそものコンセプトが異なる気がします。
というわけで、前置きはここまで。
今回の記事では、バトゥミに来たなら絶対に訪れたいローカルビアガーデン“Kaseli”の魅力を徹底解説するものです。
ビール好きならもう有無を言わずに行くべき…!
亜熱帯性気候のバトゥミで飲む極上の地ビールは最高のひとことですし、ビールに合いまくるフード類の美味しさも格別。食いだおれの町の聖地たる店の素晴らしさをぜひ体験してください!
Kaseliの店内の雰囲気
Kaseliが位置しているのは、バトゥミ観光の中心となる旧市街やシーサイドエリアとはやや離れた地区。
海沿いにタワマンや高級ホテルが立ち並ぶ「キラキラバトゥミエリア」から少し内陸に入った場所にあります。
その位置のおかげなのか、バトゥミを訪れる観光客やリゾート客、大量に移住してきたロシア人にはまだあまりこの店の存在は知られていないよう。
客層のほとんどが地元のジョージア人でロシア語はほとんど聞こえてこないという、現在のバトゥミにおいては珍しい雰囲気の店です。
Kaseliの店内に一歩入ると、その内装に驚くはず。
壁には一面のシダ植物、そこかしこに配置された植木鉢…第一印象は「温室」さながらなのですから。▼
店内は半屋外のようになっており、高い天井と大きな窓が開放感を演出しています。
ジョージアでは店内スペースでの喫煙が禁止されていますが、この店の場合は半屋外なので適用外のよう。
全席喫煙可能なので、煙草が苦手な人は他に客がいないエリアに案内してもらうのが良いでしょう。
2022年のオープンからまだ2年ほどとあって、店内は新しくて清潔。
一人でも気兼ねなく利用できる開放的な雰囲気も嬉しいです。
Kaseliのメニュー
Kaseliのメニューはかなり豊富で、ジョージア料理の基本的なものはほぼ網羅されていると言えるほど。
特に、ビールのおつまみとして愛されるグリル系メニューの充実度は素晴らしいです。
価格帯は、こうしたスタイルの店としてはかなり手頃。
いまどきヒンカリ1個1.3GEL(=¥65)というのは、トビリシではもう見られないような低価格です。
そして注目すべきが、アジャラ地方の郷土料理やシーフード料理も豊富である点。▼
黒海に面したバトゥミには魚市場があり、その周辺にはシーフードをウリにしたレストランも点在しているのですが、正直Kaseliの方が値段はリーズナブルな気がします。
また、バトゥミを中心としたアジャラ地方の郷土料理も一度は試してみたいもの。
シノリやボラノといったカロリーお化け料理から、かなり珍しいチャコンドリリというホイル焼き料理まで揃っています。
そして忘れてはいけないのが、このお店オリジナルのクラフトビール。
店名と同じKaseliという銘柄で、3種類が用意されています。▼
3種類のビールは最も安いもので3GEL(=¥150)~と、かなり良心的な価格。
バトゥミで最も一般的な銘柄であるBatumuriビールが1杯2GELなので、それに比べるとやや値段が上がるものの、現在のジョージアで自家製ビールを3GELで飲める店というのは国宝級の珍しさだと思います。
・Kaseli Filterd(3.5GEL):一般的な濾過プロセスを用いたラガー
・Kaseli Unfilterd(3GEL):濾過する前の状態のラガー
・Kaseli Black(5GEL):コクのある黒ビール
のぶよはもちろん3種類すべてを制覇するためにこの店に来たので、Let’s 飲み比べ!
上から順番に堪能していくことにします。
Kaseliのビール三種類を全制覇
まずは、一般的なラガーで最も人気だというkaseli Filterd(3.5GEL=¥175)から。
すっきりとした口あたりと麦の芳醇な風味、やや控えめなホップの苦みが絶妙で、とてつもなく美味しいです。
どちらかというとあっさりした後味で、日本のキレが強いラガーに比べるとやや物足りなさも感じるかも。
一杯目を一瞬で飲み干し、続いては最も値段が安いKaseli Unfilterd(3GEL=¥150)をば。
一杯目と製造工程は同じながら、無濾過の状態で飲むビールです。
グラスに口を近づけると、ふわりと漂うビールの芳醇な香り。一杯目の濾過済みのビールに比べて、かなり強めの風味とコクが感じられます。
爽快な後味とホップの心地よさは健在で、個人的には全体のバランスがとてもよく感じました。
ラストは3種類の中で最も値段が高いKaseli Black(=¥250)。
個人的にはドイツの黒ビールなどはあまり好みではないのですが、このお店のものは黒というよりも赤っぽい色合いで飲みやすいのがポイント。
他の2種類に比べると濃厚さやコクはケタ違いに強く感じられるものの、黒ビール特有の風味はかなり抑えられています。
後味もしつこくなく、爽やかなのど越しは健在。
とても美味しく飲めましたが、黒ビールファンの人には物足りないかもしれません。
というわけで、Kaseliが提供する3種類のビールの中でのぶよのハートを最も強く掴んだのは、2つ目のKaseli Unfilterdでした。
最も価格が安いにもかかわらず、最もビールらしい風味が強く感じられたため。決してのぶよの舌が安いためではありません…!
というわけで、「全種類飲んでみたいけど一人で三杯は無理!」という酒よわな皆さんは、Kaseli Unfilterdをとりあえず飲んでおきましょう!(値段も安いですし)
Kaseliのフード類
さてさて。ビールに欠かせないのが、お供となるフード類。
すでにKaseliのメニューは紹介しましたが、かなり種類が豊富なので何を注文すれば良いか迷ってしまうかもしれません。
お店の人にオススメを尋ねたら「ヒンカリ!」とのことだったので&他のテーブルのジョージア人団体も一心不乱にヒンカリを貪り食っていたので、アドバイスに従って注文してみることにしました。
ヒンカリは最低5個からの注文ということで、カラクリ・ヒンカリ(合挽き肉とハーブのヒンカリ)とキノコのヒンカリをそれぞれ5個ずつ。
…見てください、このヒンカリたちの美しさを!▼
カラクリ・ヒンカリは新鮮な挽き肉が使用されていて、味付けはあっさり目。
ハーブが結構多めに入っており、爽やかな風味と肉の芳醇さが絶妙でかなり美味しいです。
…でもまあ、バトゥミで一番のヒンカリ店には及ばないかも。
そしてのぶよが気に入ったのがキノコのヒンカリ。
たっぷりのキノコと旨味が染み出したスープ、これでもか!と投入されたパクチーのクセのある風味が見事に調和しており、あっさりした味付けながらもかなり食べごたえがあります。
一般的なジョージアのキノコのヒンカリにはとにかく大量のスパイスが入るのですが、Kaseliのものはスパイスがかなり控えめ。
素材のフレッシュな風味を100%感じられて、個人的にはすごく好みでした。
そしてそして。
のぶよ的にビールときたらはずせないオジャフリも!(どんだけ食うねん)▼
オジャフリとは、ジョージア全国で定番の豚肉とじゃがいものグリルのこと。
ニンニクとスパイスをたっぷりで味付けされ、もう間違いなくビールに合う一品です。
Kaseliのオジャフリは、なんとじゃがいもの量より豚肉の量の方が多いという出血大サービス。
ヒンカリとは対照的に味付けは結構しっかり目で、ニンニクの果てしない香りと風味が器全体を包み込んでいます。
豚肉の焼き加減も絶妙で(たぶん炭火で焼いてる)、ジューシーで香ばしい肉の味わいがほっくほくの芋とこれ以上ないほどのコンビネーションを発揮してくれます。かなり美味しいぞ…!
実はのぶよがジョージアのありとあらゆる料理の中で最も好きなのが、オジャフリ。
全国津々浦々で食べまくってきましたが、ここKaseliを含めアジャラ地方(バトゥミ周辺)のオジャフリの美味しさは頭一つ抜きん出ています。
Kaseliのオジャフリは「ジョージアでダントツ一番!」というわけではないものの、かなり上位に来るほどの絶品でした。ぜひともお試しあれ…
さらに!
後日再訪した際に「何か定番とは違うものを…」と思って頼んでみたのが、チャコンドリリ。
おそらくジョージア料理にある程度精通している人でもまず耳にしたことない料理ではないでしょうか。
チャコンドリリとは、ここアジャラ地方でのみ食される郷土料理の一つ。
仔牛肉や玉ねぎに大量のスパイスで下味をつけてアルミホイルで包み、オーブンでじっくり焼き上げたホイル焼きのような料理です。
ジョージア広しと言えども、ホイル焼きという調理法が用いられるのはこのチャコンドリリのみ。
バトゥミのいくつかの飲食店で提供されています。
Kaseliのチャコンドリリは、定番のスパイスはもちろん、コンダリやマジャラムなどジョージア独自のハーブを乾燥させたものをふんだんに使用して味付けされたもの。ローストされたニンニクと玉ねぎの香ばしい風味が、とろとろ柔らかな仔牛肉を包み込みます。
塩気は意外にも控えめで食べやすいですが、とにかく量が多いので注文するときはご注意を(というか、この店は総じて一皿の量が多め)。
珍しいチャコンドリリの他にも、ヤフニ(牛肉とくるみとマリーゴールドのシチュー)など、ここアジャラ地方以外ではまず目にすることのない郷土料理も。
極上ビールとともにアジャラ料理ざんまい!なんてバトゥミならではの食体験ができるのも、Kaseliの魅力かもしれません。
おわりに
食いだおれの町・バトゥミの豊かな外食文化を象徴するビアガーデンKaseliを紹介しました。
看板メニューの自家製クラフトビールの美味しさと安さはもちろん、フード類のレベルが総じて高めであるのも嬉しい点。
また、近年外国人旅行者や移住者の数が激増したジョージア都市部においては珍しい、100%のローカル感が漂う雰囲気というのも推しポイントです。
この店を訪れる外国人がどれだけ珍しいかというと、一人で飲んでいたら近くの席の知らないジョージア人たちになぜかビールをご馳走になるほど。
以前のジョージアでは「飲食店で外国人を見かけたらおもてなしの気持ちを込めて奢ってあげる」という文化が比較的強く根付いていましたが、昨今の観光地化の波とともに現在はその文化は衰退。
トビリシではもうほぼ体験できなくなってしまいましたし、バトゥミでもあまり遭遇する機会は多くありません。
のぶよがKaseliを訪問したのは3回。
その3回のうち2回も、誰かがビールを奢ってくれるという謎のイベントが発生したのですから…なんと恐ろしい店でしょうか。
というわけで、ビール好きにはもうとにかく心からお勧めしたい聖地のような店がKaseli。
のぶよのように一人でしっぽり飲みに行くのも良いですし、グループでワイワイ楽しむのも良いでしょう。
暑いバトゥミの夏に合わせたような後味スッキリの地ビールと、ボリューム満点の絶品料理たち。
朝から深夜まで営業しているので、ビーチ前の一杯にも観光の途中のランチにも夕日鑑賞後の一杯にもとにかくおすすめです!
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