こんにちは!世界半周中、現在ルーマニア旅行中ののぶよです。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
海外を旅行していると、現地の人とコミュニケーションをとる機会が多くあります。
国際化が進む現代社会では、ますます多くの人が英語を学び、話すようになってきています。
それでも、いまだに英語が通じにくい国や地域があるのは事実。
あくまでも持論なんですが、「どこでも英語でいけばいいや」って考え、大嫌いです。
英語話者の傲慢でしかないと思います。
旅行するなら、せめてあいさつぐらい現地の言葉でするべきじゃないでしょうか。
個人的にかなり驚いたんですが、ルーマニアの都市部では意外と英語が通じます。
むしろ日本よりも通じるんじゃないだろうか、と感じたくらいです。
(日本の英語の通じなさはまじで異常だと思います。今度それについて記事を書きたいなあ。)
特に若い世代はかなり流暢な英語を話せる人も多く、ルーマニア旅行中(特に都市部や観光地)に言葉が通じなくて困ることは少ないかもしれません。
しかしながら、地方部では全く英語を話せない人も多いですし、ちょっとした表現でもルーマニア語で言うと、必ずと言っていいほど喜んでくれるのがルーマニア人。
(そしてそこからルーマニア語でまくしたてられることもありますが。)
というわけで、少しでもルーマニア語を身近に感じてもらうために今回の記事を書いています。
ルーマニア語とはどんな言語なのか
ルーマニア語の基本:あいさつ表現
実用的なルーマニア語:旅行中実際に使った&役立った表現
の順に解説しています。
ルーマニアへ行くなら必ず見たり聞いたりする表現や言葉ばかりなので、旅行の際に役立つこと間違いありません。
ルーマニア語ってどんな言葉?
日本にいて、まず耳にすることがないであろうルーマニア語。
いったいどんな言葉で、どんな特徴があるのか見当がつかない人も多いのではないでしょうか。
ルーマニア語の特徴
ルーマニア語は、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語と同じラテン系の言語です。
単語や文法などはイタリア語に結構近く、イタリア語はルーマニア人にとっては最も簡単に学べる外国語なのだとか。
フランス語とポルトガル語が話せるのぶよですが、確かに書かれたルーマニア語は何となく意味が分かる場合も多くありました。
しかしながら、話されるルーマニア語はもはやラテン系言語とは思えないほど独特です。
時々イタリア語っぽい「~テーレ!」とか聞こえてはきますが。
完全にのぶよの個人的な印象ですが、ルーマニア語はなんだか中国語っぽい響きのような気がします。
イタリア語のように抑揚をつけて話す人が多いのと、「チェ、チ」などの発音が多く用いられるためだと思います。
嘘だと思う人は、一度ルーマニア人同士の会話に耳をそばだててみましょう(笑)
一方で、地理的にスラブ系の国に囲まれていることもあり、多くのスラブ系言語由来の単語が使われるルーマニア語。
それらが独自に進化した、ルーマニア語にしかない独特な表現も多くあるそうです。
ルーマニアで他のラテン系言語は通じるか。
結論から言うと、ある程度は通じます。特にイタリア語。
イタリア人の旅行者が、ホステルのスタッフにイタリア語でゆっくり話して、ちゃんと会話が成り立っているのをこの目で目撃しましたから。
スペイン語、ポルトガル語については、意思疎通ができることもあります。
実際にのぶよがルーマニアを旅行中、英語がどうしても通じないときにポルトガル語でゆっくり話せば、ある程度理解してもらえることが多々ありました。
相手はルーマニア語ネイティブ。
私たちにはわからないような「自分の言語との共通点」を見つけて、意味を類推してくれたんだろうと思います。
フランス語に関しては、発音が異なりすぎるため、フランス語に関して何の知識もないルーマニア人が理解することはほぼ不可能だそうです。
しかしながら、ルーマニアである程度の年齢以上の世代の人々は、フランス語を第二言語として学習したため、簡単な単語や会話なら通じる場合もあります。
マラムレシュ地方のブルサナという村(想像を絶するど田舎)で、伝統衣装に身を包んだおばあちゃんにフランス語で話しかけられたのにはびっくりしました。
彼女にとっては、「外国語=フランス語」という意識があったためだと思います。
ルーマニア語が使用される国・地域
ルーマニア語が話されているのは、もちろんルーマニアです(笑)
しかしそれだけではありません。
隣国のモルドバでは、モルドバ語 (実際にはルーマニア語と同一)が公用語として定められています。
もっとも、モルドバの場合は、ロシア語話者の人口がある程度存在するので、モルドバ全土でルーマニア語が通じるというわけではありませんが。
また、カルパチア山脈によって南北に国土が隔てられたルーマニアでは、地方によって異なる方言が用いられるそうです。
旅行ルーマニア語:コミュニケーション編
挨拶と笑顔は、世界共通のコミュニケーション手段。
せっかくルーマニアを旅行するなら、簡単な挨拶表現くらいは覚えておきましょう。
現地の人との距離が一瞬で縮まるのを実感できるはずですよ。
Bună ziua:”ブヌ ジウア”=「こんにちは」
あいさつの基本中の基本の「こんにちは」。ルーマニア語では「ブヌ ジウア」と言います。
レストランや店に入るときは、こちらから挨拶するのがポイント。
日本のように無言で入店するのは失礼にあたります。
カジュアルに「Bună! (ブヌ)」だけを使うルーマニア人も多くいます。
“Bună(ブヌ)”は「良い」、”Ziua (ジウア)”は、「日」という意味で、他のラテン系言語の”Bonjour”、”Buenos Dias”などと同じ作りの表現なのが興味深いところ。
ちなみに、日が暮れた後に使われる「こんばんは」に当たるルーマニア語の表現は、“Bună seara (ブヌ セーラ)”。
イタリア語の「ボナセーラ」とそっくりです。
Mulțumesc:”ムルトゥメツク”=「ありがとう」
お礼をいうときの表現です。
“Mulțu”は「たくさん」、”Mesc”はフランス語の”Merci”と同じで、「ありがとうございます」といった意味です。
友達同士のカジュアルな会話では、フランス語由来の“Mersi (メルシ)”がよく用いられるようで、かなり耳にしました。
Rの発音は、フランス語のそれよりも強く発音されていた印象です。
Da / Nu:”ダ / ヌ”=「はい / いいえ」
ルーマニアに来て驚いたのが、「はい」=「ダ」だったこと。
完全にスラブ系言語の影響です。
何も知らないと、みんなロシア語を話していると勘違いしてしまうかもしれません。
La revedere:”ラ レヴェデーレ”=「さようなら」
“Revedere”は「再会」の意で、フランス語の”Au revoir (オルヴォワール)”と全く同じ作りの表現です。
こうやって見ていくと、ラテン系言語同士はかなり多くの特徴を共有しているのがわかりますね。
Bine:”ベーネ”=「良い / おいしい」
「良い」「大丈夫」「おいしい」などいろいろな意味で使われる表現です。
レストランでいただいた食事がおいしかった時は、「ベーネ!」と言ってあげましょう。
Che faci?:”チェ ファーチ”=「元気ですか」
「こんにちは」に続けて用いられるコミュニケーション表現です。
“Che(チェ)”は「何」、”faci(ファーチ)”は動詞「する」の活用形で、直訳すると「何してるの?」となります。
「何してるの?」が転じて「調子はどう?」という意味になったと思われます。
この”Che(チェ)?”は、何かを尋ねる時に使える魔法の表現なので、ルーマニア旅行の際には覚えておきましょう。
旅行ルーマニア語:交通編
ルーマニアを旅行する際に、バスや電車などの公共交通手段を利用することも多いはず。
基本的に英語表記がないルーマニアの鉄道駅やバスステーションで、知っていると便利な言葉を紹介します。
Peron=プラットホーム
電車やバスが発車するプラットホームは、イタリア語と同じ「ペロン”Peron”」という単語が使われます。
Autogara:”アウトガーラ”=「バスターミナル」
旅行中にきっと利用するであろうバスターミナルは、ルーマニア語で「アウトガーラ」。
後で紹介する「Unde este (どこですか)」+ 「Autogara (バスターミナル)」で、立派にルーマニア語で質問ができてしまいます。
Plecari / Sosiri:”プレカーリ / ソシーリ”=「出発/到着」
ルーマニアの鉄道駅やバスターミナルには、時刻表や電光掲示板があることが多いのですが、そのほとんどはルーマニア語表記のみです。
日本のように各列車・バスの出発時間だけを掲示しているわけではなく、なぜかその鉄道駅・バスターミナルへの到着時刻が掲示されているのがルーマニア。
複数ある時刻表を見間違えないためにも、
出発=Plecari
到着=Sosiri
と覚えておきましょう。
時刻表や電光掲示板の一番上に、どちらかが書かれているはずです。
Maxitaxi:”マキシタークシ”=「ミニバス」
私たちがイメージするタクシーとは全くの別物であるマキシタークシ。
いわゆるミニバスのことです。
大型ワゴン車を改造して10~20人乗りにしたもので、主に地方部での移動手段として使われています。
「マキシタークシ」はルーマニアだけで使われる表現で、隣国モルドバでは、ロシア語の「マルシュルートカ」という単語を使います。
旅行ルーマニア語:実用編
ルーマニアの都市部では、多くの場合英語が通じます。
もしくは、英語がある程度話せる人が必ずいます。
しかしながら、ルーマニアの地方部に行くと、完全にルーマニア語だけでコミュニケーションをとることになるでしょう。
南ブコビナ地方やマラムレシュ地方など、「ルーマニア人の心のふるさと」と言うべき地方部を旅してきたのぶよが、覚えておいてよかった、実際に役立った表現を紹介します。
Cât?:”カァント”=「いくら?」
どこの国を旅する際にも大切なのが、値段を確認すること。
スーパーマーケットや商店では基本的に値段が表示されているルーマニアですが、マーケットやバスに乗る際には値段を聞く機会も多いと思います。
ルーマニア語で「いくら?」は「カァント」。スペイン語の「クアント」とそっくりです。
これにbe動詞にあたる”este(エステ)”をつけて、そのあとに物の名前をつければ、立派な疑問文になります。
もちろん、値段を知りたいものを指さしながら「カァント?」だけでもOK。
相手はルーマニア語で返してきますが、こちらがわからない場合は指で示してくれたり紙に書いてくれます。
簡単ルーマニア語フレーズ
“Cât + este ~ ?”(カァント エステ?) =「~はいくらですか。」
Vă rog:”ヴ ローグ”=「ください」
英語の”please”にあたる表現で、どんな場合にも使える大変便利な表現です。
簡単ルーマニア語フレーズ
“物の名前 + Vă rog.” =「~をください」
Che?:”チェ”=「何?」
コミュニケーション編で「元気ですか。」にあたる”Che Faci? (チェ ファーチ)”を紹介しました。
「何?」を意味する”Che (チェ)?”は、それが何かを知りたい時に使える便利な表現です。
先述のbe動詞、”este”と一緒に使えば、これまた立派な疑問文に。
簡単ルーマニア語フレーズ
“Che + este?”(チェ エステ?) =「これは何ですか。」
Unde?:”ウンデ”=「どこ?」
場所を尋ねる表現。
他の疑問視と同じように、疑問文を作ることができます。
ルーマニア人によく聞かれたのが、“De unde (デ ウンデ)?”。
これは「どこから(来たの)?」という意味の表現です。
簡単ルーマニア語フレーズ
“Unde + este ~?” (ウンデ エステ)=「~はどこですか。」
Aici:”アイチ”=「ここ」
のぶよ的に絶対に知っておきたいルーマニア語の一つである「アイチ」。
英語の”here”すら通じない場合も多いルーマニアの地方部では、かなりの効力を発揮する言葉です。
例えば、ヒッチハイクをして車に乗せてもらい、自分が降りたい場所に近づいたとき。
「アイチ アイチ!」と連呼すれば誰もが理解してくれます。
他にも、ホステルの入口がわからずに誰かに尋ねる時も、「アイチ ホステル?」で通じました。
おわりに
日本人にとってあまりなじみがないルーマニア語。
ラテン系言語を学習した人にとっては、ある程度とっつきやすく、意味を理解しやすいです。
ちょっとした挨拶表現を使うだけで、ルーマニアの人々は笑顔になってくれますし、こちらもルーマニア語が通じてうれしくなること間違いなしですよ。
コメント
はじめまして。いろいろ旅行されて面白そうですね。
旅行で役に立つ表現ありがとうございます。
ありがとうの「Mulțumesc」は、「Mulțu」(たくさん)と「Mesc」(ありがとう)ではないんです。
「感謝する」という意味の動詞「Mulțumi」(原形)の1人称単数の語尾変化が「Mulțumesc」なんです。
お一人でご旅行されたから「Mulțumesc」(私は感謝します)でいいのですが、
たくさんの人で感謝する場合は「Mulțumin」(私達は感謝します)と語尾が(1人称複数形に)変化するんです。
ルーマニア語って面白いでしょ。(笑
ほかにもいろいろ間違えてる表記や発音はあるけど、
旅行するには文字よりも似たような音さえできれば楽しめますからね♪
ルーマニア語はロマンス語に属するけど、歴史的に地理的にスラブ語の影響が強いんです。
比較言語やってみるとこれまた面白いですよ。
コロナで大変ですが、これからも人生を楽しんでください!
えい様
コメントありがとうございます!そして返信が遅れたことをお詫び申し上げます。
>ありがとうの「Mulțumesc」は、「Mulțu」(たくさん)と「Mesc」(ありがとう)ではないんです。
>「感謝する」という意味の動詞「Mulțumi」(原形)の1人称単数の語尾変化が「Mulțumesc」なんです。
そうなのですね。フランスとポルトガルに滞在していたこともあり、同じラテン系言語の単語が使用されているものだと勝手に考えておりました。ご指摘ありがとうございます!
ルーマニア語は、会話はほぼわからなかったのですが、書いてあるものは仏語・ポルトガル語の知識があるため、結構読めて嬉しく感じたことを覚えております。
おそらく文法や発音の間違いなど多々ありますよね(汗)大目に見ていただいて感謝です。こちらの発音が悪くて覚えたフレーズが通じないこともありましたが、いっぽうで通じた時の喜びはとても大きかったです。「はい」を「ダー」とスラブ系の言語のように表現していたことに驚いたことも記憶に新しいです。
現在はコロナの影響でルーマニアも日本も、世界中が非常事態となっていますが、いつかまた訪れたい国です。
ちなみに、この2年間で訪れた東欧・バルカン・西アジアの国の中で、ルーマニアが一番のお気に入りでした!